説明

検体処理装置

【課題】 従来に比して容易にアラーム音を停止又はその音量を低減することが可能な検体処理装置を提供する。
【解決手段】
検体分析装置は、センサにより異常が検出されれば、ブザーによりアラーム音を発生させる。アラーム音が発生していない場合において、ユーザから何らかの操作を受け付けると、その操作が所定の入力条件に合致しているときには、その入力条件に応じた処理が実行される。一方、アラーム音が発生している場合において、ユーザから何らかの操作を受け付けると、アラーム音が停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿等の臨床検体を処理する検体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被験者から採取された血液、尿等の臨床検体を処理する検体処理装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、検体を吸引及び吐出する分注アームを備える分注装置が開示されている。この分注装置は、三方弁、駆動源、駆動機構、及びセンサー等を電装部に接続するケーブルの断線がセンサーによって検知された場合に、エラーを出して使用者に告知するように構成されている。この特許文献1には、エラーの告知の形態として、アラーム音を発生させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−301820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来の検体処理装置においてアラーム音を停止させるためには、アラーム音を停止させるための特定の操作ボタンを装置に設けることが考えられる。しかしながら、ユーザがこの特定の操作ボタンの位置を知らなければ容易にアラーム音を停止させることができない。このため、アラーム音が発生し続けることによりユーザに不快感を与えるおそれがある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、従来に比してユーザが容易にアラーム音を停止又はその音量を低減させることが可能な検体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の検体処理装置は、検体を処理する検体処理装置であって、アラーム音を発生するアラーム発生部と、ユーザによる入力を受け付け、互いに異なる複数のコマンドを各別に発生させるための複数の入力スイッチと、前記検体処理装置の異常を検出する異常検出部と、前記異常検出部により異常が検出されたときに、アラーム音を発生させるよう前記アラーム発生部を制御し、前記アラーム音が発生している場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
この態様においては、前記制御部が、前記アラーム音が発生していない場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記入力を受け付けた入力スイッチに対応したコマンドに基づく処理を実行することが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記制御部が、前記アラーム音が発生している場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記入力を受け付けた入力スイッチに対応したコマンドに基づく処理を実行しないことが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、表示部に設けられたタッチパネルを備え、前記複数の入力スイッチの少なくとも1つが、前記タッチパネルに設けられた領域であることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、キーボードを備え、前記複数の入力スイッチの少なくとも一部が、前記キーボードに配置された複数のキースイッチであることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、マウスを備え、前記複数の入力スイッチの少なくとも1つが、前記マウスが有するボタンスイッチであることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、複数の入力装置を備え、前記複数の入力装置のそれぞれに少なくとも1つずつ前記入力スイッチが設けられていることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、表示部をさらに備え、前記制御部が、前記異常検出部により異常が検出されたときに、前記異常の発生を通知するための表示を実行するように前記表示部を制御し、前記表示部により前記異常の発生を通知するための表示が実行され、且つ前記アラーム音が発生している場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記表示部による前記異常の発生を通知するための表示を継続させつつ、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御することが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記制御部が、所定の入力装置がユーザによる所定の入力を所定時間中に受け付けない場合には、スクリーンセーバー画面を表示するよう前記表示部を制御し、前記スクリーンセーバー画面が表示されている場合であって、前記異常検出部により異常が検出されたときに、前記スクリーンセーバー画面の表示を終了するよう前記表示部を制御することが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、検体の測定を実行可能に構成されており、前記複数の入力スイッチの少なくとも一部が、前記検体処理装置に検体の測定を開始させるコマンドを発生させるための入力スイッチであることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前記複数の入力スイッチの少なくとも一部が、前記検体処理装置に検体検査の結果の承認処理を実行させるコマンドを発生させるための入力スイッチであることが好ましい。
【0018】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、前記アラーム発生部と、前記異常検出部とを具備する検体処理ユニットと、前記検体処理ユニットと通信可能に接続されており、前記検体処理ユニットの検体処理に関する情報処理を実行する情報処理ユニットと、を備え、前記複数の入力スイッチの少なくとも1つが、前記情報処理ユニットに設けられていることが好ましい。
【0019】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、検体を収容した検体容器を前記検体処理ユニットへ搬送する検体搬送ユニットをさらに備え、前記検体搬送ユニットが、ユーザにより検体容器が載置される載置部と、前記載置部に載置された検体容器を検出する検体容器センサを具備し、前記制御部が、前記アラーム音が発生している場合であって、前記検体容器センサが検体容器を検出したときに、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御することが好ましい。
【0020】
また、上記態様においては、前記検体処理装置が、ユーザの操作により開閉可能なカバーと、前記カバーの開閉を検出する開閉センサと、をさらに備え、前記制御部が、前記アラーム音が発生している場合であって、前記開閉センサが前記カバーの開閉を検出したときに、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る検体処理装置によれば、装置の操作に精通していないユーザであっても、従来に比して容易にアラーム音を停止又はその音量を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図。
【図1B】実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】検体容器の外観を示す斜視図。
【図3】検体ラックの外観を示す斜視図。
【図4】実施の形態に係る検体分析装置の構成を示す模式図。
【図5】実施の形態に係る検体分析装置が備える情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図6】実施の形態に係る検体分析装置の検体測定動作の流れを示すフローチャート。
【図7】実施の形態に係る検体分析装置のバリデーション処理の手順を示すフローチャート。
【図8】実施の形態に係る検体分析装置のメニュー画面の一例を示す図。
【図9】実施の形態に係る検体分析装置の検体情報の一覧画面の一例を示す図。
【図10】実施の形態に係る検体分析装置のアラーム音発生処理の手順を示すフローチャート。
【図11】実施の形態に係る操作受付処理の手順を示すフローチャート。
【図12】実施の形態に係る検体分析装置のヘルプダイアログの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0024】
[検体分析装置の構成]
図1A及び図1Bは、本実施の形態に係る検体分析装置の全体構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る検体分析装置1は、血液検体に含まれる血球を白血球、赤血球、血小板等を検出し、各血球を計数する多項目血球分析装置である。図1A及び図1Bに示すように、検体分析装置1は、第1測定ユニット2と、第2測定ユニット3と、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の前面側に配置された検体搬送ユニット4と、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3、及び検体搬送ユニット4を制御可能な情報処理ユニット5とを備えている。
【0025】
図2は、検体を収容する検体容器の外観を示す斜視図であり、図3は、複数の検体容器を保持する検体ラックの外観を示す斜視図である。図2に示すように、検体容器Tは、管状をなしており、上端が開口している。内部には患者から採取された血液検体が収容され、上端の開口は蓋部CPにより密封されている。検体容器Tは、透光性を有するガラス又は合成樹脂により構成されており、内部の血液検体が視認可能となっている。また、検体容器Tの側面には、バーコードラベルBLが貼付されている。このバーコードラベルBLには、検体IDを示すバーコードが印刷されている。図3に移り、検体ラックLは、10本の検体容器Tを並べて保持することが可能である。検体ラックLでは、各検体容器Tが垂直状態(立位状態)で保持される。また、検体ラックLの側面には、ラックIDを示すバーコードが印刷されたバーコードラベルが貼付されている(図示せず)。
【0026】
<測定ユニットの構成>
図4は、本実施の形態に係る検体分析装置1の構成を示す模式図である。第1測定ユニット2は、検体搬送ユニット4の検体の搬送方向(図4に示すX方向)上流側(分析前ラック保持部41側)に配置され、第2測定ユニット3は、前記搬送方向下流側(分析後ラック保持部42側)に配置されている。図4に示すように、第1測定ユニット2は、検体である血液を検体容器(採血管)Tから吸引する検体吸引部21と、検体吸引部21により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部22と、試料調製部22により調製された測定試料から血球を検出(測定)する検出部23とを有している。また、第1測定ユニット2は、検体搬送ユニット4のラック搬送部43によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを第1測定ユニット2の内部に取り込むための取込口24(図1A及び図1B参照)と、検体ラックLから検体容器Tを第1測定ユニット2の内部に取り込み、検体吸引部21による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部25とをさらに有している。また、図1A及び図1Bに示すように、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の外側表面のそれぞれには、モード変更スイッチ26,36と、マニュアル測定開始指示スイッチ27,37とが設けられている。第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3のそれぞれには、ドライバ基板20,30が設けられており、このドライバ基板20,30が情報処理ユニット5に接続されている。情報処理ユニット5からドライバ基板20,30に制御信号が与えられ、これによってドライバ基板20,30が第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の各機構を駆動するようになっている。また、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3には、異常が検出された際にアラーム音を発するブザー29,39が設けられている。ブザー29,39はドライバ基板20,30に各別に接続されており、情報処理ユニット5の制御信号によりアラーム音を発生するようになっている。
【0027】
図4に示すように、検体吸引部21の先端部には、吸引管221が設けられている。また、吸引管221は、鉛直方向に移動可能であり、下方に移動されることにより、吸引位置まで搬送された検体容器Tの蓋部CPを前記吸引管が貫通し、内部の血液を吸引するように構成されている。検体吸引部21には、圧力センサ21aが設けられており、この圧力センサ21aにより検体吸引部21内の圧力が検出されるようになっている。この圧力センサ21aはドライバ基板20を介して情報処理ユニット5に接続されており、圧力センサ21aの検出信号が情報処理ユニット5に与えられるようになっている。
【0028】
試料調製部22は、複数の反応チャンバ(図示せず)を備えている。また、試料調製部22は、試薬タンク222に接続されており、試薬タンク222に収容された染色試薬、溶血剤、及び希釈液等の試薬を反応チャンバに供給することが可能である。試料調製部22は、検体吸引部21の吸引管221とも接続されており、吸引管221により吸引された血液検体を反応チャンバに供給することが可能である。かかる試料調製部22は、反応チャンバ内で検体と試薬とを混合撹拌し、検出部23による測定用の試料(測定試料)を調製する。試薬タンク222には、各試薬の残量不足を検出するフロートスイッチ22aが設けられている。このフロートスイッチ22aはドライバ基板20を介して情報処理ユニット5に接続されており、フロートスイッチ22aの検出信号が情報処理ユニット5に与えられるようになっている。
【0029】
検出部23は、RBC(赤血球)検出及びPLT(血小板)検出をシースフローDC検出法により行うことが可能である。このシースフローDC検出法によるRBC及びPLTの検出においては、検体と希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりRBC及びPLTの数値データの取得が行われる。また、検出部23は、HGB(ヘモグロビン)検出をSLS−ヘモグロビン法により行うことが可能であり、WBC(白血球)、NEUT(好中球)、LYMPH(リンパ球)、EO(好酸球)、BASO(好塩基球)、及びMONO(単球)の検出を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うことが可能であるように構成されている。この検出部23では、白血球の5分類、すなわち、NEUT、LYMPH、EO、BASO、MONOの検出を伴わないWBCの検出と、白血球の5分類を伴うWBCの検出とでは、検出方法が異なっている。白血球5分類を伴わないWBCの検出では、検体と、溶血剤と、希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりWBCの数値データの取得が行われる。一方、白血球5分類を伴うWBCの検出では、検体と、白血球5分類用染色試薬と、溶血剤と、希釈液とが混合された測定試料の測定が行われ、これにより得られた測定データを情報処理ユニット5が解析処理することによりNEUT、LYMPH、EO、BASO、MONO、及びWBCの数値データの取得が行われる。
【0030】
上記の検出部23は、図示しないフローセルを有しており、フローセルに測定試料を送り込むことでフローセル中に液流を発生させ、フローセル内を通過する液流に含まれる血球に半導体レーザ光を照射して、前方散乱光、側方散乱光及び側方蛍光を検出する構成である。
【0031】
光散乱は、血球のような粒子が光の進行方向に障害物として存在し、光がその進行方向を変えることによって生じる現象である。この散乱光を検出することによって、粒子の大きさや材質に関する情報を得ることができる。特に、前方散乱光からは、粒子(血球)の大きさに関する情報を得ることができる。また、側方散乱光からは、粒子内部の情報を得ることができる。血球粒子にレーザ光が照射された場合、側方散乱光強度は細胞内部の複雑さ(核の形状、大きさ、密度や顆粒の量)に依存する。したがって、側方散乱光強度のこの特性を利用することで、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0032】
染色された血球のような蛍光物質に光を照射すると、照射した光の波長より長い波長の光を発する。蛍光の強度はよく染色されていれば強くなり、この蛍光強度を測定することによって血球の染色度合いに関する情報を得ることができる。したがって、(側方)蛍光強度の差によって、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0033】
また、検出部23にはヒータ23aが設けられており、ヒータ23aにより検出部23が加温されるようになっている。さらに検出部23には、温度センサ23bが設けられている。ヒータ23a及び温度センサ23bはドライバ基板20に接続されており、ドライバ基板20によりヒータ23aが駆動され、温度センサ23bの検出信号がドライバ基板20を介して情報処理ユニット5に与えられるようになっている。情報処理ユニット5は、温度センサ23bによって検出された温度が所定範囲を超えている場合に、検出部23の温度に異常があると判定する。
【0034】
検体容器搬送部25の構成について説明する。検体容器搬送部25は、検体容器Tを把持可能なハンド部25aを備えている。ハンド部25aは、互いに対向して配置された一対の把持部材を備えており、この把持部材を互いに近接及び離反させることが可能である。かかる把持部材を、検体容器Tを挟んだ状態で近接させることにより、検体容器Tを把持することができる。また、検体容器搬送部25は、ハンド部25aを上下方向及び前後方向(Y方向)に移動させることができ、さらに、ハンド部25aを揺動させることができる。これにより、検体ラックLに収容され、第1検体供給位置43aに位置した検体容器Tをハンド部25aにより把持し、その状態でハンド部25aを上方に移動させることにより検体ラックLから検体容器Tを抜き出し、ハンド部25aを揺動させることにより、検体容器T内の検体を撹拌することができる。
【0035】
また、検体容器搬送部25は、検体容器Tを挿入可能な穴部を有する検体容器セット部25bを備えている。上述したハンド部25aによって把持された検体容器Tは、撹拌完了後移動され、把持した検体容器Tを検体容器セット部25bの穴部に挿入する。その後、把持部材を離反させることにより、ハンド部25aから検体容器Tが開放され、検体容器セット部25bに検体容器Tがセットされる。かかる検体容器セット部25bは、図示しないステッピングモータの動力によって、Y方向へ水平移動可能である。
【0036】
検体容器セット部25bは、検体吸引部21による吸引位置21bへ移動可能である。検体容器セット部25bが吸引位置へ移動したときには、検体吸引部21により、セットされた検体容器Tから検体が吸引される。
【0037】
また、モード変更スイッチ26は、検体搬送ユニット4により検体ラックLを搬送して自動的に検体の測定を行うサンプラ測定モードと、オペレータが手動で検体容器Tを1つずつ検体容器セット部25bにセットして検体の測定を行うマニュアル測定モードとの間で動作モードを切り替えるためのボタンスイッチである。モード変更スイッチ26は情報処理ユニット5に接続されており、モード変更スイッチ26が押されると、動作モードの切り替えを指示するコマンドが発生し、情報処理ユニット5のCPU51aに与えられるようになっている。情報処理ユニット5のCPU51aはモード変更スイッチ26に対応したコマンドを受け付けると、動作モードをサンプラ測定モードからマニュアル測定モードへ、又はマニュアル測定モードからサンプル測定モードへ変更する。つまり、ユーザは当該モード変更スイッチ26を1回押す毎に、サンプラ測定モードとマニュアル測定モードとを切り替えることが可能である。
【0038】
マニュアル測定開始指示スイッチ27は、第1測定ユニット2による検体のマニュアル測定の開始を指示するためのボタンスイッチである。マニュアル測定開始指示スイッチ27が押されると、検体のマニュアル測定の開始を指示するコマンドが発生し、情報処理ユニット5のCPU51aに与えられる。ユーザは、モード変更スイッチ26により動作モードをマニュアル測定モードとした状態で、マニュアル測定開始指示スイッチ27を押すことにより、第1測定ユニット2に対して検体のマニュアル測定の指示を与えることができる。マニュアル測定開始指示スイッチ27は情報処理ユニット5に接続されており、マニュアル測定開始指示スイッチ27に対応したコマンドが発生し、情報処理ユニット5のCPU51aに与えられるようになっている。情報処理ユニット5のCPU51aは、動作モードがマニュアル測定モードのときに、マニュアル測定開始指示スイッチ27に対応したコマンドを受け付けると、検体セット部25bを図1Bに示すように前方へ突き出すように移動させ、検体容器Tがセットされた検体セット部25bが第1測定ユニット2の内部に取り込ませ、検体の測定を実行させる。
【0039】
図1Bに示すように、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の前面上部は開閉自在なカバー28及び38が設けられている。カバー28は、その上端においてヒンジにより第1測定ユニット2の筐体に回動自在に接続されており、図中矢印方向に開放することができる。カバー28を開くことで、第1測定ユニット2の内部を露出させ、試薬の交換及びメンテナンス作業が可能となる。カバー28,38の内側には、カバーの開閉を検出する開閉センサ28a,38aが設けられている。開閉センサ28a,38aはドライバ基板20,30に接続されており、情報処理ユニット5にそれぞれの検出信号を出力可能に接続されている。
【0040】
第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3は、上記の構成以外にも各機構部分に各種センサが設けられており、これらのセンサがドライバ基板20,30に接続されている。これにより、センサの検出信号がドライバ基板20,30を介して情報処理ユニット5に与えられ、各機構部分の動作異常が検出可能となっている。
【0041】
次に、第2測定ユニット3の構成について説明する。第2測定ユニット3の構成は、第1測定ユニット2の構成と同一であり、第2測定ユニット3は、検体吸引部31と、検体吸引部31により吸引した血液から血球等の血液成分の測定に用いられる測定試料を調製する試料調製部32と、試料調製部32により調製された測定試料から血球を検出する検出部33、試薬タンク322とを有している。また、第2測定ユニット3は、検体搬送ユニット4のラック搬送部43によって搬送された検体ラックLに収容された検体容器Tを第2測定ユニット3の内部に取り込むための取込口34(図1A及び図1B参照)と、検体ラックLから検体容器Tを第2測定ユニット3の内部に取り込み、検体吸引部31による吸引位置まで検体容器Tを搬送する検体容器搬送部35とをさらに有している。検体吸引部31、吸引管321、圧力センサ31a、試料調製部32、フロートスイッチ32a、検出部33、試薬タンク322、ヒータ33a、温度センサ33b、取込口34、検体容器搬送部35、ドライバ基板30、モード変更スイッチ36、マニュアル測定開始指示スイッチ37、カバー38、開閉センサ38a、及びブザー39の構成は、それぞれ検体吸引部21、吸引管221、圧力センサ21a、試料調製部22、フロートスイッチ22a、検出部23、試薬タンク222、ヒータ23a、温度センサ23b、取込口24、検体容器搬送部25、ドライバ基板20、モード変更スイッチ26、マニュアル測定開始指示スイッチ27、カバー28、開閉センサ28a、及びブザー29の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0042】
かかる第2測定ユニット3は、第1測定ユニット2と同様に、上記のCBC+DIFF項目であるWBC、RBC、PLT、HGB、NEUT、LYMPH、EO、BASO、及びMONOの各測定項目について検体の測定が可能となっている。
【0043】
<検体搬送ユニットの構成>
次に、検体搬送ユニット4の構成について説明する。図1A及び図1Bに示すように、検体分析装置1の第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の前方には、検体搬送ユニット4が配置されている。かかる検体搬送ユニット4は、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3へ検体を供給するために、検体ラックLを搬送することが可能である。
【0044】
図4に示すように、検体搬送ユニット4は、分析が行われる前の検体を収容する検体容器Tを保持する複数の検体ラックLを一時的に保持することが可能な分析前ラック保持部41と、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3によって検体が吸引された検体容器Tを保持する複数の検体ラックLを一時的に保持することが可能な分析後ラック保持部42と、検体を第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3に供給するために、検体ラックLを図中矢印X方向へ水平に直線移動させ、分析前ラック保持部41から受け付けた検体ラックLを分析後ラック保持部42へ搬送するためのラック搬送路43と、バーコード読取部44と、検体容器Tの有無を検知する検体容器センサ45とを備えている。
【0045】
分析前ラック保持部41は、平面視において四角形をなしており、その幅は検体ラックLの幅より若干大きくなっている。この分析前ラック保持部41は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析前の検体ラックLが載置される。分析前ラック保持部41には、検体ラックLを検出するためのラックセンサ411が設けられている。ラックセンサ411は、光学式センサであり、発光部411aと受光部411bとを備えている。発光部411a及び受光部411bは、分析前ラック保持部41を傾斜してに横切る方向に対向配置されており、受光部411bは分析前ラック保持部41を跨いで発光部411aから発せられた光を受けるようになっている。したがって、分析前ラック保持部41に載置された検体ラックLによって、発光部411aから発せられた光が遮られ、受光部411bの受光レベルが下がることにより、当該検体ラックLがラックセンサ411により検出される。ラックセンサ411の検出信号は、情報処理ユニット5に与えられるようになっている。
【0046】
また、分析前ラック保持部41の両側面からは、内側へ向けてラック送込部41bが突出可能に設けられている。このラック送込部41bが突出することにより検体ラックLと係合し、この状態で後方(ラック搬送路43に近接する方向)へ移動することにより、検体ラックLが後方へと移送される。かかるラック送込部41bは、分析前ラック保持部41の下方に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動可能に構成されている。
【0047】
ラック搬送路43は、図4に示すように、分析前ラック保持部41によって移送された検体ラックLを、前記X方向へと移送するための搬送路である。このラック搬送路43上には、図4に示す第1測定ユニット2へ検体を供給するための第1検体供給位置43a、及び第2測定ユニット3へ検体を供給するための第2検体供給位置43bが存在する。検体搬送ユニット4は、ベルトコンベヤからなる搬送機構431を有しており、この搬送機構431によって検体ラックをラック搬送路43に沿って搬送可能となっている。検体搬送ユニット4は、情報処理ユニット5によって制御され、第1検体供給位置43a又は第2検体供給位置43bに検体を搬送した場合には、対応する測定ユニットのハンド部25a又は35aが搬送された検体容器Tを把持し、検体ラックLから検体容器Tを取り出すことで検体を第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3へ供給する。このようにして検体容器Tを把持したハンド部25a又は35aが前述したように第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3の筐体内へと進入し、これによって第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3内に検体が取り込まれる。検体搬送ユニット4は、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3に検体が取り込まれている間もラック搬送路43上において検体ラックLを搬送することが可能である。したがって、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の一方が検体を取り込み中の間は、この測定ユニットにはさらに検体を取り込ませることはできないので、他方の測定ユニットへ検体ラックLを搬送し、検体を取り込ませる。また、検体容器Tから検体の吸引が完了した後は、当該検体容器Tが第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3から排出され、取り込み前に保持されていた検体ラックLの保持位置に戻される。
【0048】
バーコード読取部44は、検体容器TのバーコードラベルBLに印刷されたバーコードを読み取り、また検体ラックLに貼付されたバーコードラベルに印刷されたバーコードを読み取るように構成されている。また、検体ラックLのバーコードラベルに印刷されたバーコードは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の分析結果の管理などに使用される。ラック搬送路43上には、上述した第1検体供給位置43aと第2検体供給位置43bとの間にバーコード読取位置43dが設けられており、上記のようなバーコード読取部44は、このバーコード読取位置43dの近傍に配置されている。これにより、バーコード読取部44がバーコード読取位置43dに位置した検体容器Tの検体バーコードを読み取ることができる。
【0049】
検体容器センサ45は、接触型のセンサであり、のれん形状の接触片、光を出射する発光素子、及び受光素子(図示せず)を有している。検体容器センサ45は、接触片が検出対象の被検出物に当接することにより屈曲され、その結果、発光素子から出射された光が接触片により反射されて受光素子に入射するように構成されている。これにより検体容器センサ45の下方を検体ラックLに収容された検出対象の検体容器Tが通過する際に、接触片が検体容器Tにより屈曲されて、検体容器Tを検出することが可能である。検体容器センサ45は、バーコード読取位置43dに設けられている。これにより、バーコード読取位置43dにおける検体容器Tの有無を検体容器センサ45で検出することができる。
【0050】
ラック搬送路43の搬送方向下流側端には、後述する分析後ラック保持部42が設けられており、この分析後ラック保持部42の後方にラック送出部46が設けられている。かかるラック送出部46は、図示しないステッピングモータの駆動力により矢印Y方向に水平に直線移動するように構成されている。これにより、分析後ラック保持部42とラック送出部46との間の位置461(以下、「分析後ラック送出位置」という。)に検体ラックLが搬送された場合に、ラック送出部46を分析後ラック保持部42側に移動することによって、検体ラックLを押動させて分析後ラック保持部42内に移動することが可能である。
【0051】
分析後ラック保持部42は、平面視において四角形をなしており、その幅は検体ラックLの幅より若干大きくなっている。この分析後ラック保持部42は、周囲の面よりも一段低く形成されており、その上面に分析が完了した検体ラックLが載置される。分析後ラック保持部42は、上記のラック搬送路43に連なっており、上述したように、ラック送出部46によって、ラック搬送路43から検体ラックLが送り込まれるようになっている。
【0052】
上記の検体搬送ユニット4は、ドライバ基板20に接続されており、情報処理ユニット5へ各センサの検出信号を送信可能であり、また各機構部分が情報処理ユニット5からの制御信号に応じて駆動されるようになっている。このような構成とすることにより、検体搬送ユニット4は、分析前ラック保持部41に載置された検体ラックLをラック搬送路43へと移送し、さらに搬送機構431がラック搬送路43上に沿って検体をバーコード読取位置43dへと搬送し、検体容器の有無の検出及び検体IDの読み取りを行い、さらに検体IDを読み取った検体を第1検体供給位置43a又は第2検体供給位置43bへと搬送して、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3に供給することができる。また、吸引が完了した検体を収容する検体ラックLは、ラック搬送部43により、分析後ラック送出位置461へと移送され、ラック送出部46により分析後ラック保持部42へ送出される。複数の検体ラックLが分析前ラック保持部41に載置された場合では、分析が完了した検体を収容する検体ラックLが次々にラック送出部46により分析後ラック保持部42へと送出され、これらの複数の検体ラックLが分析後ラック保持部42に貯留されることとなる。
【0053】
検体搬送ユニット4は、上記の構成以外にも各機構部分に各種センサが設けられており、これらのセンサがドライバ基板20に接続されている。これにより、センサの検出信号がドライバ基板20を介して情報処理ユニット5に与えられ、各機構部分の動作異常が検出可能となっている。
【0054】
<情報処理ユニットの構成>
次に、情報処理ユニット5の構成について説明する。情報処理ユニット5は、コンピュータにより構成されている。図5は、情報処理ユニット5の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット5は、コンピュータ5aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ5aは、本体51と、画像表示部52と、キーボード53と、マウス54と、タッチパネル55とを備えている。本体51は、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hを備えており、CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、及び画像出力インタフェース51hは、バス51jによって接続されている。
【0055】
読出装置51eは、コンピュータを情報処理ユニット5として機能させるためのコンピュータプログラム57aを可搬型記録媒体57から読み出し、当該コンピュータプログラム57aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
【0056】
画像表示部52は液晶パネルを備えている。図1A及び図1Bに示すように、画像表示部52の画面にはタッチパネル55が付設されている。図5に示すように、画面表示部52は、情報処理ユニット5の画像出力インタフェース51hに接続されており、画像出力インタフェース51hから出力される画像信号に応じて画面表示を行う。また、タッチパネル55は入出力インタフェース51fに接続されており、タッチパネル55からの出力信号は情報処理ユニット5のCPU51aに与えられる。かかるタッチパネル55は、画像表示部52にアイコン、ボタン等の選択可能なグラフィカルユーザインタフェースオブジェクト(コントロール)が表示されている場合、当該オブジェクトに対応する領域がソフトウェアキー(以下、「タッチキースイッチ」という。)として機能する。即ち、ユーザがグラフィカルユーザインタフェースオブジェクトに対応するタッチキースイッチに触れると、当該オブジェクトの選択に対応するコマンドがCPU51aにより生成される。発生したコマンドはCPU51aに与えられ、CPU51aがコンピュータプログラム57aにしたがって当該コマンドに応じた処理を実行する。
【0057】
図1A及び図1Bに示すように、検体分析装置1にはキーボード53及びマウス54が設けられている。図5に示すように、キーボード53及びマウス54のそれぞれは、情報処理ユニット5の入出力インタフェース51fに接続されており、キーボード53のキースイッチ53aが押下されると、押されたキースイッチ53aに対応した信号がキーボード53から出力され、情報処理ユニット5のCPU51aが当該信号に対応するコマンドを生成する。発生したコマンドはCPU51aに与えられ、CPU51aがコンピュータプログラム57aにしたがって当該コマンドに応じた処理を実行する。同様に、マウス54が有するボタンスイッチ54aが押下されると、ボタンスイッチ54aに対応したコマンドが発生し、情報処理ユニット5のCPU51aに与えられる。例えば、特定のファクションキースイッチが押されると、当該ファンクションキーに対応付けられた処理の実行を指示するコマンドが発生し、当該コマンドがCPU51aに与えられる。また、マウス54のボタンスイッチ54aが押されると、マウスカーソルによって示されるアイコンの選択、決定等を指示するコマンドが発生し、CPU51aに与えられる。なお、マウス54が動かされた場合には、マウスカーソルの異動を指示するコマンドが発生し、CPU51aに与えられる。
【0058】
図1A及び図1Bに示すように、検体分析装置1にはハンディバーコードリーダ56が設けられている。ハンディバーコードリーダ56は、ケーブルにより情報処理ユニット5に接続されている。かかるハンディバーコードリーダ56はスイッチ56a及びラインセンサ(図示せず)を有しており、このスイッチ56aが押された状態でラインセンサによりバーコードを読み出すことができる。図5に示すように、ハンディバーコードリーダ56は、情報処理ユニット5の入出力インタフェース51fに接続されており、スイッチ56aが押下されると、バーコードの読み取りを指示するコマンドが発生し、情報処理ユニット5のCPU51aに与えられる。このとき、ラインセンサの検出信号も、情報処理ユニット5のCPU51aに与えられる。
【0059】
また、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3のそれぞれは、入出力インタフェース51fに通信可能に接続されている。これにより、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3からの出力信号を入出力インタフェース51fにより受信し、また入出力インタフェース51fから制御信号を第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3に与えてこれらを動作させることができる。
【0060】
また、情報処理ユニット5は、分析結果表示画面、検体情報の一覧画面、測定オーダの登録画面等、検体分析に用いられる画面を画像表示部52に表示させることができる。このような画面が表示されている間に、所定時間(例えば10分間)にキーボード53、マウス54、又はタッチパネル55の入力操作が行われなかったときには、スクリーンセーバーが起動するようになっている。
【0061】
[検体分析装置1の動作]
以下に、検体分析装置1の動作例を説明する。
【0062】
<検体測定動作>
図6は、検体測定動作の流れを示すフローチャートである。サンプラ測定モードが設定されているときに、画像表示部52の表示画面に表示されたサンプラ測定開始アイコン(タッチキースイッチ)がユーザにより選択された場合、又は、マニュアル測定モードが設定されているときに、マニュアル測定開始指示スイッチ27,37が押下された場合、検体分析装置1に検体測定の開始指示が与えられる。まずCPU51aは、サンプラ測定開始アイコンの選択、又は、マニュアル測定開始指示スイッチ27,37の押下が検出されたか否かを判定する(ステップS301)。
【0063】
測定開始の指示を受け付けると(ステップS301においてYES)、CPU51aは、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3を制御して、検体の分析を実行する(ステップS302)。この検体の分析動作では、検体容器Tの測定ユニットへの取り込み、読み取られた検体IDに対応する測定オーダの取得、検体の吸引、検体ラックLへの検体容器Tの返却、測定試料の調製、取得された測定オーダに基づく測定試料の測定、及び測定ユニットから出力された測定結果の情報処理ユニット5による解析が行われる。また、このようにして得られた検体の分析結果は、情報処理ユニット5のハードディスク51dに記憶される。その後、CPU51aは処理を終了する。
【0064】
<バリデーション処理>
上記のような検体の分析結果は、ユーザにより承認(バリデーション)され、承認された分析結果が医師に報告される。検体分析装置1は、かかる分析結果のバリデーションの機能を有している。図7は、検体分析装置1によるバリデーション処理の手順を示すフローチャートである。検体分析装置1を起動すると、情報処理ユニット5の画像表示部52にはログイン画面が表示される。ユーザがログイン画面においてユーザ名及びパスワードを入力し、情報処理ユニット5にログイン指示を与えると、CPU51aはログイン処理を実行する(ステップS401)。ユーザ認証が成功すると、CPU51aは画像表示部52にメニュー画面を表示させる(ステップS402)。
【0065】
図8は、メニュー画面の一例を示す図である。図に示すように、メニュー画面W1は画面上部のメニューバー領域A1と、その下側のツールバー領域A2と、当該ツールバー領域A2の下側に設けられ、メニュー画面W1の大部分を占めるワーク領域A3とを有する。これらの領域A1〜A3は、情報処理ユニット5の表示画面の全てにおいて共通して設けられている。メニューバー領域A1には、「ファイル」、「編集」、「表示」等のメニュー(タッチキースイッチ)が並んでおり、それぞれのメニューはマウス54の操作、予め割り当てられたキーボード53のショートカットキーの押下、又はタッチパネル55のそのメニュー上の位置の押下によって選択される。メニューが選択されると、選択されたメニューに対応したプルダウンメニューの表示を指示するコマンドがCPU51aに与えられ、CPU51aは受け付けたコマンドに基づいて画像表示部52にプルダウンメニューを表示させる。各プルダウンメニューには、複数のメニューが並んでおり、これらのうちの1つをマウス操作、ショートカットキー押下、又はタッチパネルのメニュー上の位置の押下によって選択することで、当該メニューを実行することができる。ツールバー領域A2には、複数のアイコン(タッチキースイッチ)が並んでいる。各アイコンの下側には、「印字」、「設定」、「メニュー」等のアイコンの名称が表示されている。各アイコンは、そのアイコンの絵柄及び名称が示す機能を有している。即ち、「印字」のアイコンが選択されると、印刷処理を指示するコマンドが情報処理ユニット5のCPU51aに与えられ、CPU51aはコマンドを受け付けると印刷処理を実行し、情報処理ユニット5に接続されたプリンタ(図示せず)に画面に表示中の内容を印刷させる。各アイコンの選択は、そのアイコンに割り当てられたショートカットキーの押下、マウス54のポインタがアイコン上に位置した状態におけるボタンスイッチ54aの押下、及びタッチパネル55におけるアイコンの位置の押下によって可能である。
【0066】
また、メニュー画面W1のワーク領域A3には、複数のアイコン(タッチキースイッチ)Q1〜Q6が表示される。アイコンQ1は、分析結果を表示させる機能が割り当てられた「データブラウザ」アイコンであり、アイコンQ2は、設定画面を表示させる機能が割り当てられた「コントローラ」アイコンであり、アイコンQ3は、過去に分析された検体の情報の一覧画面を表示させる機能が割り当てられた「サンプルエクスプローラ」アイコンであり、アイコンQ4は、測定オーダの登録画面を表示させる機能が割り当てられた「測定登録」アイコンであり、アイコンQ5は、検体分析装置1の精度管理に用いられる精度管理画面を表示させる機能が割り当てられた「精度管理」アイコンであり、アイコンQ6は、印刷の設定画面を表示させる機能が割り当てられた「GP印刷設定」アイコンである。これらのアイコンQ1〜Q6も、上記と同様に選択することが可能である。
【0067】
CPU51aは、上記のようなメニュー画面において、「サンプルエクスプローラ」アイコンの選択を受け付けたか否か、即ち、ハードディスク51dに記憶されている検体情報の一覧画面(サンプルエクスプローラ画面)の表示指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS403)。かかる指示を受け付けていない場合には(ステップS403においてNO)、CPU51aは処理をステップS403へ戻し、入力の受け付けを待機する。一方、検体情報の一覧画面の表示指示を受け付けた場合には(ステップS403においてYES)、CPU51aは、検体情報をハードディスク51dから読み出し(ステップS404)、画像表示部52に検体情報の一覧画面を表示させる(ステップS405)。
【0068】
図9は、検体情報の一覧画面の一例を示す図である。サンプルエクスプローラ画面W2には、上述したメニュー画面と同様に、メニューバー領域A1、ツールバー領域A2及びワーク領域A3が設けられている。サンプルエクスプローラ画面W2のツールバー領域A2には、バリデートアイコン(タッチキースイッチ)Q21が設けられている。このバリデートアイコンQ21には、選択されている分析結果の承認を実行する機能が割り当てられており、アイコンQ21に割り当てられたショートカットキーの押下、マウス54のポインタがアイコンQ21上に位置した状態におけるボタンスイッチ54aの押下、及びタッチパネル55におけるアイコンQ21の位置の押下によってアイコンQ21の選択が可能である。
【0069】
サンプルエクスプローラ画面W2のワーク領域A3は、検体の情報を一覧表示するリスト領域A31、検体が採取された患者に関する情報を表示する患者情報領域A32、及びリスト領域A31において選択された分析結果を表示する分析結果領域A33に分割されている。リスト領域A31においては、表示されている検体情報のうちの何れか1つをユーザのマウス操作又はタッチパネル操作によって選択可能である。このようにして検体情報が選択されると、当該検体に関する患者情報が患者情報領域A32に表示され、当該検体の分析結果が分析結果領域A33が表示される。ユーザは、このようにして表示された検体の分析結果を確認し、分析結果が医師に報告可能な内容であれば、アイコンQ21を選択して承認する。CPU51aは、このような検体の分析結果の承認指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS406)、承認指示を受け付けない場合には(ステップS406においてNO)、処理をステップS408へ移す。一方、検体の分析結果の承認指示を受け付けた場合には(ステップS406においてYES)、CPU51aはその検体の分析結果の承認処理を実行する(ステップS407)。この処理においては、その検体の分析結果に対応させて、承認済の旨を示す情報がハードディスク51dに記憶される。
【0070】
次にCPU51aは、シャットダウンの指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS408)。この処理は、メニューバー領域A1のメニューからシャットダウンメニューが選択されたか否かを判定することにより行われる。シャットダウンの指示を受け付けていない場合には(ステップS408においてNO)、CPU51aは処理をステップS406へ戻し、シャットダウンの指示を受け付けた場合には(ステップS408においてYES)、シャットダウン処理を実行し(ステップS409)、処理を終了する。
【0071】
<アラーム音発生処理>
次に、アラーム音発生処理について説明する。図10は、検体分析装置1のアラーム音発生処理の手順を示すフローチャートである。このアラーム音発生処理において、まずCPU51aは、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3又は検体搬送ユニット4において異常が検出されたか否かを判定する(ステップS501)。この処理においては、第1測定ユニット2、第2測定ユニット3、又は検体搬送ユニット4の動作異常が検出されたか否かが判断される。例えば、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3の圧力センサ21a又は31aの検出信号に基づいて、検体吸引部21又は31の圧力異常が検出された場合、フロートスイッチ22a,32aの検出信号に基づいて、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3の試薬残量不足が検出された場合、温度センサ23b,33bの検出信号に基づいて、検出部23又は33の温度異常が検出された場合等が該当する。その他、検体量不足、バーコード読取異常、検体ラックの搬送異常、各種モータの動作異常、検出部23,33の発光部の光量異常等も検出される。ステップS501の処理において、異常が検出されなかった場合には(ステップS501においてNO)、アラーム音発生処理は終了する。
【0072】
ステップS501の処理において異常が検出された場合には(ステップS501においてYES)、CPU51aは、アラーム発生信号をドライバ基板20,30へ送信する(ステップS502)。これにより、ドライバ基板20,30がブザー29,39を駆動してアラーム音が発生する。検体分析装置1は大規模な検査センターのような検査施設に設置されることがあり、このような検査施設には、血液、尿などの検体を分析する多数の分析装置の他、各分析装置に試薬を供給する試薬供給装置、、各分析装置を接続する搬送ラインなどが設けられている。それらの装置の稼働により検査施設内には大きな音が発生していることがあるため、検体分析装置1では、ブザー29,39が比較的大きなアラーム音を継続的に発生するように駆動される。
【0073】
次にCPU51aは、スクリーンセーバーが画像表示部52に表示中であるか否かを判定する(ステップS503)。スクリーンセーバーが表示中である場合(ステップS503においてYES)、CPU51aはスクリーンセーバーの表示を解除し(ステップS504)、処理をステップS505へと移す。一方、ステップS503においてスクリーンセーバーが表示中でない場合(ステップS503においてNO)、CPU51aは処理をステップS505へ移す。
【0074】
ステップS505において、CPU51aは、検出された異常に関する情報を示したヘルプダイアログボックスを画像表示部52に表示させ(ステップS505)、アラーム音発生処理を終了する。図12は、ヘルプダイアログボックスの一例を示す図である。このヘルプダイアログボックス521は、検出された異常の名称が表示されるエラーリスト表示エリア521aと、エラーリスト表示エリア521aで選択された異常に対応するアクションメッセージが表示されるアクション表示エリア521bを有している。また、ヘルプダイアログボックス521にはアラーム停止ボタン521cが設けられており、アラーム発生中にこのアラーム停止ボタン521cを押すことによって、アラーム音を停止させることができる。なお、ヘルプダイアログボックス521には異常の発生箇所を表示してもよい。
【0075】
上記のヘルプダイアログボックス521はスクリーンセーバーの表示が解除された後に画像表示部52に表示されるため、ユーザは画像表示部52に表示されたエラー情報に容易に気付くことができる。
【0076】
<操作受付処理>
次に、操作受付処理について説明する。図11は、検体分析装置1の操作受付処理の手順を示すフローチャートである。ますCPU51aは、ユーザによる検体分析装置1に対する何らかの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS601)。この処理では、検体分析装置1の入力装置であるキーボード53、マウス54、タッチパネル55に対する何らかの入力操作を受け付けたか否かだけでなく、ハンディバーコードリーダ56のスイッチ56aが押下されたか否か、カバー28又は38が開かれ、これを開閉センサ28a又は38aが検出したか否か、検体搬送ユニット4の分析前ラック保持部41に検体ラックLが載置され、当該検体ラックLをラックセンサ411が検出したか否かについても判断される。なお、CPU51aは、キーボード53に配置された複数のキースイッチのうち何れのキースイッチが押された場合であっても、タッチパネル55上の何れのタッチキースイッチが押された場合であっても、ユーザからの操作を受け付けたと判定する。また、タッチパネル55上のタッチキースイッチ以外の領域が単に押された場合、又はマウス54が単に動かされた場合であっても、ユーザからの操作を受け付けたと判定する。このような操作が受け付けられなければ(ステップS601においてNO)、CPU51aは、操作が受け付けられるまでステップS601の処理を繰り返す。
【0077】
一方、ユーザの操作を受け付けた場合には(ステップS601においてYES)、CPU51aは、アラーム音が発生中であるか否かを判定する(ステップS602)。アラーム音が発生中でない場合(ステップS602においてNO)、CPU51aは、その操作が所定の入力条件に合致しているか否かを判定する(ステップS603)。この処理では、例えば、メニュー画面W1(図8参照)が表示されている場合においては、「サンプラエクスプローラ」アイコンQ3の選択に割り当てられたショートカットキーの押下を受け付けたり、タッチパネル55の当該アイコン上の位置の押下を受け付けたりした場合には、サンプルエクスプローラ画面を表示するための入力条件に合致したと判断される。また、サンプルエクスプローラ画面W2(図9参照)が表示されている場合において、バリデートアイコンQ21の選択に割り当てられたショートカットキーの押下を受け付けたり、タッチパネル55の当該アイコン上の位置の押下を受け付けたりした場合には、承認処理を実行するための入力条件に合致したと判断される。さらに、モード変更スイッチ26,36の押下を受け付けた場合には、測定モードを変更するための入力条件に合致したと判断され、マニュアル測定モードが設定されているときにマニュアル測定開始指示スイッチ27,38の押下を受け付けた場合には、マニュアル測定を実行するための入力条件に合致したと判断される。また、測定オーダの登録画面が画像表示部52に表示されている場合に、文字や数字等に対応するキースイッチ53aが押された場合には、押されたキースイッチに対応する文字や数字等を登録画面に表示させるための入力条件に合致したと判断される。
【0078】
ユーザの操作が所定の入力条件に合致している場合には(ステップS603においてYES)、CPU51aは、その入力条件に応じた所定の処理を実行する(ステップS604)。つまり、上記の例では、サンプルエクスプローラ画面を表示するための入力条件に合致した場合にはサンプルエクスプローラ画面の表示処理が実行され、検体の分析結果の承認処理を実行するための入力条件に合致した場合には、検体の分析結果の承認処理が実行され、測定モードを変更するための入力条件に合致した場合には、測定モードの変更処理が実行され、マニュアル測定を実行するための入力条件に合致した場合には、マニュアル測定が実行され、文字や数字等を登録画面に表示させための入力条件に合致した場合には、押されたキースイッチに対応する文字、数字等が登録画面に表示される。かかる所定の処理を実行した後、CPU51aは処理を終了する。
【0079】
一方、ユーザの操作が所定の入力条件に合致していない場合には(ステップS603においてNO)、CPU51aは、何ら処理を実行することなくアラーム停止処理を終了する。
【0080】
またステップS602においてアラーム音が発生中である場合には(ステップS602においてYES)、CPU51aは、アラーム停止信号をドライバ基板20,30へ送信し(ステップS605)、アラーム音を停止させる。これにより、キーボード53の任意の入力キースイッチ53aが操作された場合、マウス54のボタンスイッチ54aが操作された場合、マウス54が動かされた場合、タッチパネル55の何れかの位置が押下された場合、ハンディバーコードリーダ56のスイッチ56aが押下された場合、モード変更スイッチ26,36が押下された場合、マニュアル測定開始指示スイッチ27,37が押下された場合、カバー28,38が開かれた場合、分析前ラック保持部41に検体ラックLが載置された場合等、ユーザが何らかの操作を行った場合に、アラーム音が停止される。ここで、アラーム音が発生中に上述の操作がユーザにより行われたとき、これらの操作が上述のステップS603において述べた所定の条件に合致していたとしても、CPU51aは、それらの条件に応じた処理を実行しない。例えば、マニュアル測定モードが設定されているときにアラーム音が発生し、そのアラーム音の発生中にマニュアル測定開始指示スイッチ27,38の押下を受け付けても、CPU51aは測定ユニットにマニュアル測定を開始させない。また、サンプルエクスプローラ画面W2が表示されている場合にアラーム音が発生し、そのアラーム音の発生中にバリデートアイコンQ21が押されても、CPU51aはバリデーション処理を実行しない。これにより、装置に不慣れなユーザであっても、安心して任意の操作を行って、アラーム音を停止させることができる。
【0081】
次にCPU51aは、エラー復帰処理が完了したか否か、即ちエラーに対する対処がされ、異常が取り除かれたか否かを判定する(ステップS606)。エラー復帰処理が完了していない場合には(ステップS606においてNO)、CPU51aはエラー復帰処理が完了するまでステップS606の処理を繰り返す。一方、エラー復帰処理が完了している場合には(ステップS606においてYES)、CPU51aはエラー表示を解除し(ステップS607)、アラーム音停止処理を終了する。
【0082】
このような構成とすることにより、本実施の形態にかかる検体分析装置1は、ユーザが操作可能な複数の操作部分の何れかが操作されることにより、アラーム音を停止することができるので、当該検体分析装置1の操作に熟練していない者でも迅速にアラーム音を停止させることができる。
【0083】
また、キーボード53、マウス54、タッチパネル55、モード変更スイッチ26,36、マニュアル測定開始指示スイッチ27,37等の何れが操作された場合であってもアラーム音を停止することができる。これにより、ユーザは自分に近い位置にある操作部分を操作すればアラーム音を停止することができるので、ユーザの利便性がよい。
【0084】
また、アラーム音が消去された場合であっても、エラーが解消されるまでは、画像表示部52がエラー表示を継続している。そのため、例えば、アラーム音を消去したユーザとは異なるユーザが装置を操作することになった時に、装置の異常がまだ解消されていない場合であっても、画像表示部52にエラー表示が継続しているため、装置に異常が発生していることを容易に認識することができる。
【0085】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、ユーザから何らかの操作がされた場合にアラーム音を停止する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、ユーザから何らかの操作がされた場合に、アラーム音の音量を減少させる構成であってもよい。
【0086】
また、上述した実施の形態においては、キーボード53、マウス54、タッチパネル55等の複数の入力装置が設けられ、これらの入力装置の何れかの入力装置の入力スイッチ(キーボード53のキースイッチ53a、マウス54のボタンスイッチ54a等)において入力操作が検出された場合に、アラーム音を停止する構成について述べたが、これに限定されるものではない。1つの入力装置のみが設けられており、この入力装置に複数の入力スイッチが設けられている場合において、何れかの入力スイッチに対する入力操作が検出されたときに、アラームを停止する構成としてもよい。例えば、検体分析装置が入力装置としてタッチパネルしか設けられていない場合に、このタッチパネル上の何れかの位置に対する押下が検出されたときに、アラーム音を停止する構成とすることができる。
【0087】
また、上述した実施の形態においては、ユーザが操作可能な操作部分の何れが操作されてもアラーム音を停止する構成について述べたが、本発明はこれに限定されない。ユーザが操作可能な操作部分のうち一部のものが操作された場合には、アラーム音を停止させない構成であってもよい。例えばハンディバーコードリーダ56のスイッチ56aが操作された場合にはアラーム音を停止させない構成とすることもできる。また、1つの入力装置に設けられた複数の入力スイッチのうち、一部の複数の入力スイッチの何れかに対する入力操作が検出された場合にはアラーム音を停止し、他の複数の入力スイッチに対する入力操作が検出された場合にはアラーム音を停止しない構成であってもよい。例えばキーボード53に配置された複数のキースイッチ53aのうち、キーボードの奥(上部)に配置されているファンクションキースイッチに対する入力操作が検出された場合にはアラーム音を停止せず、ファンクションキースイッチ以外の他の複数のキースイッチの何れかに対する入力操作が検出された場合にはアラーム音を停止させる構成であってもよい。
【0088】
また、上述した実施の形態においては、ハンディバーコードリーダ56のスイッチ56aが操作された場合にアラーム音が停止される構成について述べたが、これに限定されるものではなく、ハンディバーコードリーダに加速度センサ等が設けられており、これによってハンディバーコードリーダの移動が検出された場合に、アラーム音が停止される構成としてもよい。
【0089】
また、上述した実施の形態においては、ユーザによる何らかの操作が検出された場合に、アラーム音を停止する構成について述べたが、アラーム音が停止された後所定時間経過してもエラーが解消されていない場合に、再度アラーム音を出力する構成としてもよい。このようにすることにより、異常の復帰作業が行われずに検体分析装置1が放置されることを防止することができる。
【0090】
また、上述した実施の形態においては、スクリーンセーバーの表示中にエラーが検出された場合に、スクリーンセーバーの表示を解除してエラー表示を行い、これに伴ってアラーム音を発生させる構成について述べたが、これに限定されるものではない。スクリーンセーバーの表示中にエラーが検出された場合に、スクリーンセーバーの表示を解除せずにアラーム音を発生させ、ユーザからの何らかの操作が検出されたときに、アラーム音の解除に伴ってスクリーンセーバーの表示を解除する構成としてもよい。
【0091】
また、上述した実施の形態においては、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3の何れかにおいて異常が検出された場合に、第1測定ユニット2及び第2測定ユニットの各々においてアラーム音を発生させる構成について述べたが、これに限定されるものではなく、第1測定ユニット2及び第2測定ユニット3のうち異常が検出された一方においてアラーム音を発生させ、他方においてはアラーム音を発生させない構成とすることもできる。
【0092】
また、上述した実施の形態においては、第1測定ユニット2又は第2測定ユニット3のカバー28又は38が開かれたときにアラーム音を停止させる構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば検体又は試薬をキュベットに分注する分注ピペットを備え、当該分注ピペットがユーザによって動かされた場合にアラーム音を停止させる構成、廃棄キュベット、廃液等を収容している引出し可能な廃棄ボックスを備え、当該廃棄ボックスがユーザによって引き出された場合にアラーム音を停止させる構成等、他の操作によってアラーム音を停止させる構成としてもよい。また、消耗品であるキュベット又はピペットチップを収容する収容部及び当該収容部を覆う開閉可能なカバーを備え、当該カバーをユーザが開閉する操作によってアラーム音を停止させる構成としてもよい。さらに、検体を分注する検体分注ピペット機構、試薬を分注する試薬分注ピペット機構、その他の検体処理機構を収容する装置本体を覆う開閉可能なカバーを備え、当該カバーをユーザが開閉する操作によってアラーム音を停止させる構成としてもよい。
【0093】
また、上述した実施の形態においては、検体分析装置1が多項目血球分析装置とした場合について述べたが、これに限定されるものではなく、尿分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、生化学分析装置等、被験者から採取された臨床検体を分析する他の検体分析装置であってもよい。また、検体分析装置ではなく、検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置、及び遺伝子増幅検出装置のような臨床検体を処理する検体処理装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の検体処理装置は、血液、尿等の臨床検体を処理する検体処理装置として有用である。
【符号の説明】
【0095】
1 検体分析装置
2 第1測定ユニット
3 第2測定ユニット
20,30 ドライバ基板
21,31 検体吸引部
21a,31a 圧力センサ
22,32 試料調製部
22a,32a 液面センサ
23,33 検出部
23a,33a ヒータ
23b,33b 温度センサ
26,36 モード変更スイッチ
27,37 マニュアル測定開始指示スイッチ
28,38 カバー
28a,38a センサ
29,39 ブザー
4 検体搬送ユニット
41 分析前ラック保持部
411 ラックセンサ
42 分析後ラック保持部
43 ラック搬送部
5 情報処理ユニット
5a コンピュータ
51a CPU
51b ROM
51c RAM
51d ハードディスク
51e 読出装置
52 画像表示部
53 キーボード
53a キースイッチ
54 マウス
54a ボタンスイッチ54a
55 タッチパネル
56 ハンディバーコードリーダ
56a スイッチ
57 可搬型記録媒体
57a コンピュータプログラム
T 検体容器
L 検体ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を処理する検体処理装置であって、
アラーム音を発生するアラーム発生部と、
ユーザによる入力を受け付け、互いに異なる複数のコマンドを各別に発生させるための複数の入力スイッチと、
前記検体処理装置の異常を検出する異常検出部と、
前記異常検出部により異常が検出されたときに、アラーム音を発生させるよう前記アラーム発生部を制御し、前記アラーム音が発生している場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御する制御部と、
を備える、検体処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記アラーム音が発生していない場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記入力を受け付けた入力スイッチに対応したコマンドに基づく処理を実行する、請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記アラーム音が発生している場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記入力を受け付けた入力スイッチに対応したコマンドに基づく処理を実行しない、
請求項1又は2に記載の検体処理装置。
【請求項4】
表示部に設けられたタッチパネルを備え、
前記複数の入力スイッチの少なくとも1つは、前記タッチパネルに設けられた領域である、
請求項1乃至3の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項5】
キーボードを備え、
前記複数の入力スイッチの少なくとも一部は、前記キーボードに配置された複数のキースイッチである、
請求項1乃至4の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項6】
マウスを備え、
前記複数の入力スイッチの少なくとも1つは、前記マウスが有するボタンスイッチである、
請求項1乃至5の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項7】
複数の入力装置を備え、前記複数の入力装置のそれぞれに少なくとも1つずつ前記入力スイッチが設けられている、
請求項1乃至6の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項8】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記異常検出部により異常が検出されたときに、前記異常の発生を通知するための表示を実行するように前記表示部を制御し、前記表示部により前記異常の発生を通知するための表示が実行され、且つ前記アラーム音が発生している場合であって、前記複数の入力スイッチの何れかによる入力を受け付けたときに、前記表示部による前記異常の発生を通知するための表示を継続させつつ、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御する、
請求項1乃至7の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、所定の入力装置がユーザによる所定の入力を所定時間中に受け付けない場合には、スクリーンセーバー画面を表示するよう前記表示部を制御し、前記スクリーンセーバー画面が表示されている場合であって、前記異常検出部により異常が検出されたときに、前記スクリーンセーバー画面の表示を終了するよう前記表示部を制御する、
請求項8に記載の検体処理装置。
【請求項10】
前記検体処理装置は、検体の測定を実行可能に構成されており、
前記複数の入力スイッチの少なくとも一部は、前記検体処理装置に検体の測定を開始させるコマンドを発生させるための入力スイッチである、
請求項1乃至9の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項11】
前記複数の入力スイッチの少なくとも一部は、前記検体処理装置に検体検査の結果の承認処理を実行させるコマンドを発生させるための入力スイッチである、
請求項1乃至10の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項12】
前記アラーム発生部と、前記異常検出部とを具備する検体処理ユニットと、
前記検体処理ユニットと通信可能に接続されており、前記検体処理ユニットの検体処理に関する情報処理を実行する情報処理ユニットと、を備え、
前記複数の入力スイッチの少なくとも1つは、前記情報処理ユニットに設けられている、
請求項1乃至11の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項13】
検体を収容した検体容器を前記検体処理ユニットへ搬送する検体搬送ユニットをさらに備え、
前記検体搬送ユニットは、ユーザにより検体容器が載置される載置部と、前記載置部に載置された検体容器を検出する検体容器センサを具備し、
前記制御部は、前記アラーム音が発生している場合であって、前記検体容器センサが検体容器を検出したときに、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御する、
請求項1乃至12の何れかに記載の検体処理装置。
【請求項14】
ユーザの操作により開閉可能なカバーと、
前記カバーの開閉を検出する開閉センサと、をさらに備え、
前記制御部は、前記アラーム音が発生している場合であって、前記開閉センサが前記カバーの開閉を検出したときに、前記アラーム音を停止又は音量を減少させるように前記アラーム発生部を制御する、
請求項1乃至13の何れかに記載の検体処理装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−203197(P2011−203197A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72851(P2010−72851)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】