説明

検体分析におけるシステム遅延を補償するシステム及び方法

気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように構成されるシステム10は、発光材料16、一つ以上の放射源12、一つ以上の感光性検出器14及びプロセッサ18を有する。放射源12は、気体の本体と連通する発光媒体16上へ振幅変調電磁放射13を放射し、発光媒体16中のルミネセンスを引き起こす。感光性検出器14は、発光媒体16のルミネセンスによって生成される振幅変調電磁放射26を受信して、一つ以上の出力信号を生成する。当該出力信号のうちの少なくとも1つは、受信された電磁放射26の強度を示す。プロセッサ18は、出力信号を受信して、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定する。一つ以上の気体状検体に関連した情報の決定は、受信される電磁放射26の強度の関数として変化する遅延の補償を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するシステム及び方法に関し、より詳しくは、そのような情報の決定における誤差の調整に関する。
【背景技術】
【0002】
気体の本体中に存在する気体状検体に関連した情報を決定するためのルミネセンス消光検出の使用が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のシステムは、それらの構成要素によってもたらされる特定のシステム誤差を適切に補償しない。例えば、感光性検出器が、発光媒体からのルミネセンスを検出するために、従来のシステムによって一般に用いられる。感光性検出器は、従来のシステムによって適切に補償されないシステム遅延を導入する場合がある。他のシステム構成要素(例えば増幅器及びフィルタ(但しそれらに限られない))が、遅延を導入する場合がある。これらのシステム遅延は、気体状検体に関連した情報の不正確及び/又は不明確な決定につながる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように構成されるシステムに関する。一実施例において、システムは、一つ以上の放射源、一つ以上の感光性検出器及びプロセッサを含む。一つ以上の放射源は、気体の本体と連通する発光媒体上へ振幅変調された電磁放射を放射するように構成され、発光媒体上へ放射源によって放射される電磁放射によって、発光媒体中にルミネセンスが生じる。感光性検出器は、発光媒体のルミネセンスによって生成される電磁放射を受信する構成され、一つ以上の感光性検出器は、受信された電磁放射に応答して一つ以上の出力信号を生成し、出力信号は、受信された電磁放射の強度を示す。プロセッサは、感光性検出器によって生成される一つ以上の出力信号を受信するように適合され、そして、放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と受信された振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差に基づいて気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように適合されている。一実施例において、プロセッサによる一つ以上の気体状検体に関連した情報の決定は、一つ以上の出力信号の生成の際の一つ以上の感光性検出器による遅延を補償することを含み、補償は、受信された振幅変調電磁放射の強度の関数として変化する。
【0005】
本発明の他の態様は、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定する方法に関する。一実施例において、本方法は、発光媒体中のルミネセンスを引き起こすために、気体の本体と連通する発光媒体上へ放射振幅変調電磁放射を供給し、発光媒体のルミネセンスによって生成される振幅変調電磁放射を受信し、発光媒体から受け取られる受信振幅変調電磁放射の強度を示す一つ以上の出力信号を生成し、発光媒体へ供給される放射振幅変調電磁放射の振幅の変調と受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差に基づいて気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関する情報を決定し、受信振幅変調電磁放射の受信と一つ以上の出力信号の生成との間の遅延に対する補償を提供し、補償は、受信振幅変調電磁放射の強度の関数として変化する。
【0006】
本発明の更に別の態様は、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように構成されるプロセッサに関する。一実施例において、プロセッサは、位相差モジュール、遅延補償モジュール及び検体情報モジュールを含む。位相差モジュールは、(i)気体の本体と連通する発光媒体に供給された放射振幅変調電磁放射の振幅の変調と、(ii)その上に提供される放射振幅変調電磁放射に応答して発光媒体のルミネセンスによって生成される受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差を決定するように適応される。いくつかの場合において、位相差モジュールは、発光媒体のルミネセンスによって生成される受信振幅変調電磁放射の少なくとも一部を受け取るように構築される感光性検出器によって生成される一つ以上の出力信号に基づいて位相差を決定するように適応され、感光性検出器は、少なくとも受信振幅変調電磁放射の強度を示すために、一つ以上の出力信号を生成する。遅延補償モジュールは、一つ以上の出力信号を生成する際の感光性検出器の遅延を補償するように適応され、遅延補償モジュールによって実行される補償は、受信振幅変調電磁放射の強度の関数として変化する。検体情報モジュールは、位相差に基づいて気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように適応される。
【0007】
本発明の更に別の態様は、気体の本体中の気体状検体に関する情報を決定する方法に関する。一実施例において、本方法は、(i) 気体の本体と連通する発光媒体に供給される放射振幅変調電磁放射の振幅の変調と、(ii) 発光媒体のルミネセンスによって生成される受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差を決定することを含み、位相差は、少なくとも部分的に、発光媒体のルミネセンスによって生成される受信振幅変調電磁放射の強度の関数として生成される出力信号に基づいて決定され、発光媒体のルミネセンスによって生成される受信振幅変調電磁放射の強度の関数として出力信号の生成における遅延を補償し、前記決定及び補償に基づいて気体状検体に関する情報を決定する。
【0008】
操作方法、構造及び部品の組み合わせの関連した要素の機能、並びに製造の経済と同様に、本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性は、添付の図面を参照して以下の説明及び添付された請求の範囲を考慮することで、より明らかになる。すべての図面はこの明細書の一部を構成し、それぞれの図において、同様の参照番号は対応する部分を指す。しかしながら、図面は図示及び説明のみを目的とするものであって、本発明の範囲を定めるものとしては意図されていないことが明白に理解されるべきである。本明細書及び請求の範囲において用いられるように、単数形の名詞は、別途特に述べられない限り、その名詞が指すものが複数存在することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例による気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように構成されるシステム。
【図2】本発明の一実施例による感光性検出器を含むセンサ。
【図3】本発明の一実施例による感光性検出器を含むセンサ。
【図4】本発明の一実施例による気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定する方法を示す図。
【図5】本発明の一実施例による非定常システム遅延を補償する方法を示す図。
【図6】本発明の一実施例による非定常システム遅延を補償する別の方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するように構成されるシステム10を図示する。システム10は、一つ以上の放射源12、感光性検出器14、発光媒体16及びプロセッサ18を含む。システム10は、流路20内に含まれる気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定することができる。1つの例において、流路20は、患者へ及び/又は患者から気体を運ぶように適応された管路22によって定められる。より詳細な例には、管路22は、患者の気道と連通するように構成される患者インタフェース器具と協働することができる。患者インタフェース器具のいくつかの例は、例えば、気管内挿入管、鼻カニューレ、気管切開チューブ、マスク又は他の患者インタフェース器具を含むことができる。本発明は、これらの例に制限されず、任意の気体本体中の検体の測定を意図する。
【0011】
いくつかの実施態様において、放射源12、感光性検出器14及び/又は発光媒体16は、センサを形成することができる。センサは、管路22及び/又は管路22に結合するように構成される気道アダプタ(図示せず)に集積化するために、一つのユニットとして形成されることができる。例えば、Labuda他の米国特許第6,616,896号(発明の名称「OXYGEN MONITORING APPARATUS」、2003年9月9日発行)(以後、896特許)及び、Blazewicz他の米国特許第6,632,402号(発明の名称「OXYGEN MONITORING APPARATUS」、2003年10月14日発行)(以後、402特許)は共に、(1)放射源12、感光性検出器14及び/若しくは発光媒体16のいくつか又は全てと同様の構成要素を含み、(2)気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定するセンサを記載する。これらの特許は共に、それらの全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
放射源12は、発光媒体16に向けられた波線13によって示される電磁放射を放射する。以下でさらに説明されるように、放射源12によって放射される電磁放射線13は発光媒体16のルミネセンスを引き起こす波長を有する電磁放射線を含む。放射源12は、一つ以上の有機発光ダイオード(OLED)、レーザ(例えば、ダイオードレーザ若しくは他のレーザソース)、発光ダイオード(LED)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、白熱電球、ハロゲンランプ、標準的な環境光及び/又は他の電磁放射源を含むことができる。
【0013】
1つの実施態様において、放射源12は、一つ以上の緑色及び/又は青色LEDを含む。これらのLEDは一般的に、発光媒体16の発光成分吸収領域に高い強度を持ち、他の波長(例えばUV及び/又は近紫外)で、より少ない量の放射を出力する。これは、放射源12、感光性検出器14及び/又は発光媒体16によって形成されるセンサの干渉する迷光並びに光分解を最小限に抑える。
【0014】
本発明はLEDの使用に決して制限されないが、放射源12としてLEDを実装する他の利点は、軽量・小型であること、低消費電力、低電圧要求、低熱発生量、信頼性、耐久性、比較的低コスト及び安定性を含む。さらに、LEDは、非常にすばやく、確実かつ再現性良く、オンとオフを切り替えることができる。
【0015】
いくつかの実施例において、システム10は、放射源12によって放射される放射13を導き、フォーカスし及び/又は処理するための、一つ以上の光学素子(図示せず)を含むことができる。例えば、一つ以上のレンズが、選択された方向に放射13をコリメートすることができる。より特定の例として、組み込まれた896及び402特許の両方は、放射源12と同様の放射源によって放射される放射を処理する光学素子の使用を開示する。
【0016】
放射源12からの電磁放射13は、あらかじめ決められた振幅変調で発光媒体16に到達することができる(例えば、あらかじめ決められた周波数を持ち、あらかじめ決められた最大及び/又は最小振幅を持つ等)。一実施例において、放射源12は、あらかじめ決められた振幅変調を有する電磁放射13を放射するように駆動されることができる。他の実施例において、システム10は、放射源12によって放射される電磁放射13の振幅を変調する一つ以上の光学素子(図示せず)を含むことができる。一つ以上の光学素子は、一つ以上の周期的に駆動される能動素子(例えば液晶層など)及び/又は放射源12によって放射される電磁放射13の光学経路に出入りするように周期的に動かされる一つ以上の受動素子(例えばフィルタ、ハーフミラーなど)を含むことができる。
【0017】
図1から分かるように、管路22は、ウィンドウ24を含むことができる。ウィンドウ24は、電磁放射(例えば放射源12によって放射される電磁放射13)が管路22の内部に出入りすることを可能にするために、実質的に透明であることができる。例えば、ウィンドウ24は、サファイヤ、一つ以上のポリマー(例えばポリエチレンなど)、ガラス及び/又は他の実質的に透明な物質で形成されることができる。いくつかの実施の形態(図示せず)において、管路22は、ウィンドウ24と同様の2つのウィンドウを含むことができる。402文献に示されて及び記載されるように、2つのウィンドウは、電磁放射13が気道アダプタ中を通過することを可能にするために、気道アダプタ中で互いの反対側に配置されていることができる。この構成では、感光性検出器14は、放射源12の反対側に配置されることができる。
【0018】
発光媒体16は、放射源12からの電磁放射13及び/又は何らかの他の励起エネルギーへの暴露に応答して、放射源12によって提供される電磁放射13の波長とは異なる波長で、波線26によって示される電磁放射を実質的に全方向に放射するように冷光を出す媒体である。このルミネセンス電磁放射26の強度及び/又は持続性は、管路22内の気体の本体中に含まれる一つ以上の検体の相対的な量に従って増減する。一実施例において、酸素は、ルミネセンス反応を消光することによって、ルミネセンス電磁放射26の強度及び/又は持続性の変化を引き起こす。酸素の濃度が増すにつれて、ルミネセンス電磁放射26の強度及び/又は持続性の変化は減少する。一実施例において、発光媒体16は、ルミネセンス膜として形成される。例えば、参照された896及び402特許の両方は、発光媒体16として使用されることができる膜を開示する。
【0019】
図1に図示される実施の形態において、発光媒体16は、熱キャパシタ28上に配置されている。熱キャパシタ28は、発光媒体16を実質的に一定の動作温度に保持して、それによって発光媒体16の温度の変動に由来するシステム10の不正確さを低減又は除去するために使用される。
【0020】
感光性検出器14は、発光媒体16からのルミネセンス電磁放射26の少なくとも一部を受信するように配置される。したがって、ルミネセンス電磁放射26は、本明細書において「受信電磁放射26」とも呼ばれる。受信電磁放射26に基づいて、感光性検出器14は、受信電磁放射26の一つ以上の特性に関連した一つ以上の出力信号を生成する。例えば、一つ以上の出力信号は、受信電磁放射26の量、受信電磁放射26の強度、受信電磁放射26の振幅の変調及び/又は受信電磁放射26の他の特性に関連することができる。一実施例において、感光性検出器14は、PINダイオードを含む。他の実施の形態において、他の感光性装置が、感光性検出器14として使用される。例えば、感光性検出器14は、ダイオードアレイ、CCDチップ、CMOSチップ、光電子増倍管(PMT)及び/又は他の感光性装置という形をとることができる。
【0021】
一つ以上の出力信号を生成する際に、感光性検出器14は、システム10に遅延を導入する可能性がある。「遅延」という本明細書で用いられる用語は、感光性検出器14における受信電磁放射26の所与の光子の受信と、感光性検出器14上の所与の光子の受信に関連した情報を含む出力信号の生成との間のラグ(lag)を指すことが留意されるべきである。説明を簡単にするため、「遅延」は、感光性検出器14との関連で本願明細書において論じられるが、遅延は、出力信号を生成するために用いられる他のシステム構成要素(例えば、増幅器及びフィルタ(但しこれらに限られない))によっても導入される場合があると考えられる。いくつかの場合に、この遅延は一定でない場合がある。例えば、遅延は、感光性検出器14によって受信されるルミネセンス電磁放射26の強度(例えば振幅)の関数として変化する場合がある。いくつかの場合において、ルミネセンス電磁放射26の強度が減少するにつれて、遅延は増加する。様々な理由(その幾つかは以下に記載される)のために、システム10は、管路22中に含まれる気体の本体内の一つ以上の気体状検体に関連した情報の決定の正確さ及び/又は精度を高めるために、この遅延を補償することができる。
【0022】
現在の実施の形態において、感光性検出器14は、上記の遅延を補償するために較正される。感光性検出器14の較正は、例えば、複数の強度で、又は他の実施例では少なくとも一つの強度で、感光性検出器14の遅延の一連の較正測定を行うことを含むことができる。較正測定の間に取得される測定された遅延及び対応する測定された強度は、測定された強度の関数として感光性検出器14の遅延を記述する補償曲線を決定するために用いられることができる。たとえば、一実施例において、曲線適合アルゴリズムが、測定された遅延及び対応する測定された強度を、D = a + b・I + c/Iの形の補償曲線にフィッティングするために用いられる。Dは測定された遅延を表し、Iは対応する測定された強度を表し、a、b及びcは曲線適合アルゴリズムによって決定される定数係数を表す。補償曲線のこの形は説明の便宜上用いられており、他の形が用いられることができることが理解されるべきである。例えば、より高次の多項式や三角関数などが用いられることができる。
【0023】
較正曲線のこの実施態様は、感光性検出器14の遅延の補償として使われることができるさまざまな利用可能なメカニズムのうちの1つにすぎないことが、さらに認識されなければならない。例えば、様々な測定された強度に対応する感光性検出器14のシステム遅延の値を提供するルックアップテーブルが作成されることができる。
【0024】
補償曲線を決定するための感光性検出器14の較正は、感光性検出器14を含むセンサが製造されるときに実行されることができる。いくつかの実施の形態において、この初期の較正の間に決定されるこの初期補償曲線が、感光性検出器14のライフタイムの間、用いられる。他の実施の形態において、感光性検出器14は、更新された補償曲線を決定するために、周期的に再較正される。
【0025】
図2は、感光性検出器14を含むセンサの実施の形態を図示し、一つ以上のフィルタ素子27が発光媒体16と感光性検出器14との間に配置される。組み込まれた896及び402特許の両方に記載されているように、フィルタ素子27は、発光媒体16によって放射されてない電磁放射が感光性検出器14に入射することを防止するように一般的に設計されている。例えば、一実施例において、フィルタ素子27は波長固有であり、ルミネセンス放射26が通過して感光性検出器14に入射することを可能にするが、他の波長の放射を実質的に遮断する。
【0026】
センサのこの実施の形態は、参照感光性検出器29及びビームスプリッティング素子31を含む。組み込まれた896特許に記載されているように、ビームスプリッティング素子31は、感光性検出器14の方へ伝播している放射26の一部を、参照感光性検出器29上へ導くことができる。参照感光性検出器29によって生成される一つ以上の出力信号は、感光性検出器14によって生成される一つ以上の出力信号中のシステム雑音(例えば放射源12の強度変動など)に対処して補償するために、参照として用いられることができる。
【0027】
図3は、センサのさらに他の構成を図示する。図3に図示される構成において、熱キャパシタ28は、少なくとも部分的に透明であり、ウィンドウ24に隣接して設置される。この構成において、発光媒体16は、ウィンドウ24からキャパシタ28の反対側で熱キャパシタ28上に配置されている。発光媒体16は、キャパシタ28と発光媒体16との間の境界面に対向する発光媒体16の面で流路20にさらされている。図示されるように、放射源12によって放射される電磁放射13は、発光媒体16に入射するために、ウィンドウ24及び熱キャパシタ28の両方を通過する。発光媒体16から放射されるルミネセンス放射26は、実質的に上で記載されるのと同様に感光性検出器14及び/若しくは29の一方又は両方に入射するように、熱キャパシタ28及びウィンドウ24を通して逆向きに進行する。
【0028】
図1に戻って、一実施例において、発光媒体16の場所で気体の本体中に存在する一つ以上の気体状検体は、放射源12からの放射13を受信することに応答して発光媒体16が呈するルミネセンスを消滅させる。より詳しくは、発光媒体16の場所に存在する一つ以上のこれらの気体状検体の量が増加するにつれて、発光媒体16が呈するルミネセンスのピークルミネセンス及び減衰時間は減少する。一実施例において、一つ以上の気体状検体は、酸素を含むことができる。
【0029】
プロセッサ18は、放射源12及び感光性検出器14に有効に結合する。プロセッサ18は、管路22内の気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関する情報を決定するように構成される。プロセッサ18は、(1)発光媒体16上への放射源12による電磁放射13の放射、及び(2)放射源12から受信される放射13に応答して発光媒体16によって放射されるルミネセンス電磁放射26に関連する既知の及び/又は測定された情報に基づいて、この情報を決定する。例えば、プロセッサ18は、一つ以上の気体状検体と発光媒体16のルミネセンスの減衰時間との間の関係に基づいて、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関する情報を決定することができる。
【0030】
図1に示されるように、プロセッサ18は、位相差モジュール30、遅延補償モジュール32及び検体情報モジュール34を含む。モジュール30、32及び34は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、ハードウェア及び/若しくはファームウェアのなんらかの組み合わせなどで実現されることができる。モジュール30、32及び34は、図1において、一つの処理ユニットの中で同じ位置に配置されるように図示されるが、プロセッサ18は複数の処理ユニットを含むことができ、いくつかのこれらの処理ユニットは、互いから離れて位置することができることが理解されるべきである。そのような実施の形態では、モジュール30、32及び34の一つ以上は、他のモジュールから離れて位置することができ、モジュール間の有効な通信は、一つ以上の通信リンクを介して達成されることができる。そのような通信リンクは、無線又は有線であることができる。
【0031】
位相差モジュール30は、(1) 発光媒体16に入射する放射源12から放射された増幅変調電磁放射13の振幅の変調と、(2) 前記放射された電磁放射13に応答して発光媒体16によってルミネセンス放射された受信された振幅変調電磁放射26の振幅の変調との間の位相差を決定する。
【0032】
この位相差を決定するために、位相差モジュール30は、放射された電磁放射13の振幅の変調を取得する。一実施例において、放射される電磁放射13の振幅の変調は、放射される電磁放射13の振幅の変調に比例して、及び/又はその周波数で変化する周期信号(例えば正弦波信号)の形で取得される。この信号は、発光媒体16に供給される電磁放射13の振幅を変調するための、放射源12に提供される変調された電力信号から、放射源12によって放射される電磁放射13の振幅を変調する能動光学素子を駆動するために用いられる変調された電力信号から、又は、放射源12と発光媒体16との間の受動光学素子の位置決めに関連した信号から、取得されることができる。
【0033】
位相差モジュール30は、さらに、発光媒体16によってルミネセンス放射される受信電磁放射26の振幅の変調を取得する。いくつかの実施の形態において、発光媒体16によって放射される受信電磁放射26の振幅の変調は、受信ルミネセンス電磁放射26の振幅の変調に比例して、及び/又はその周波数で変化する信号の形で取得される。例えば、この信号は、感光性検出器14によって生成される一つ以上の出力信号から取得されることができる。
【0034】
位相差モジュール30は、放射された電磁放射13の振幅の取得された変調と受信された電磁放射26の振幅の取得された変調との間の位相差を決定する。いくつかの場合において、位相差モジュール30は、これらの2つの振幅の変調との間の位相差と比例した直流信号を生成するロックインアンプを含む。他の場合において、位相差モジュール30は、放射源12によって放出された放射及び発光媒体16によって放射された放射の取得された振幅変調間の位相差を計算するソフトウェアとして実施されることができる。
【0035】
遅延補償モジュール32は、一つ以上のシステム遅延を補償する。例えば、遅延補償モジュール32は、上記の一つ以上の出力信号を生成する際の感光性検出器14の遅延を補償する。一実施例において、遅延補償モジュール32は、感光性検出器14の遅延を決定するために、(1) ルミネセンス放射26の強度(例えば振幅)に関連する感光性検出器14によって生成される一つ以上の出力信号、及び(2) 感光性検出器14に対応し、ルミネセンス放射26の測定された強度の関数としての遅延を表す補償曲線を使用する。例えば、補償曲線は、感光性検出器14の較正に関して上で記載されたように、D = a + b・I + c/Iの形であることができる。一旦遅延が遅延補償モジュール32によって決定されると、位相差モジュール30によって処理されている及び/又は処理された情報は、決定された遅延を補償するために遅延補償モジュール32によって調整される。
【0036】
例えば、一実施例において、遅延補償モジュール32は、測定された強度(例えば振幅)の関数として感光性検出器14の遅延を決定し、そして、遅延補償モジュール32によって決定される遅延を補償するために位相差モジュール30によって決定される位相差を調整する。他の実施例において、遅延補償モジュール32は、位相差モジュール30によって取得されるルミネセンス電磁放射26の振幅変調を調整するために、決定された遅延を使用する。この実施例において、位相差モジュール30は、発光媒体16に入射する放射源12からの電磁放射13の振幅変調と発光媒体16によって放射される電磁放射26の振幅変調との間の位相差を決定するために、(遅延補償モジュール32によって調整された)ルミネセンス電磁放射26の調整された振幅変調を使用する。
【0037】
発光媒体16が、振幅変調される(例えば、強度の周期的な変動を持つ)ルミネセンス電磁放射26を生成するので、測定された強度の関数として感光性検出器14の遅延を補償する実施の形態は、強度に依存しない定数として遅延を補償する実施の形態より正確であることが理解されるべきである。したがって、遅延補償モジュール32による測定された強度の関数としての感光性検出器14の遅延の決定、及びこの遅延に対処するために実行される補償は、発光媒体16上へ放射源12によって放射される電磁放射13の振幅変調と、ルミネセンス電磁放射26の振幅変調との間の位相差の値を決定する際のプロセッサ18の正確さを向上させる。
【0038】
検体情報モジュール34は、位相差モジュール30及び遅延補償モジュール32が決定した、発光媒体16に入射する放射源12からの電磁放射13の振幅変調と、発光媒体16によって放射される電磁放射26の振幅変調との間の位相差に基づいて管路22内の気体の本体中の一つ以上の検体に関連した情報を決定する。例えば、(遅延補償モジュール32によって調整される)位相差モジュール30によって決定される位相差は、発光材料16のルミネセンスの減衰時間に関連がある。上で述べられたように、発光材料16の減衰時間は、発光媒体16の場所に存在する一つ以上の気体状検体の量の関数として変化する。したがって、検体情報モジュール34は、(遅延補償モジュール32によって調整される)位相差モジュール30によって決定される位相差に基づいて、一つ以上のこれらの気体状検体に関連した情報(例えば、発光材料16の場所に存在する量)を決定することが可能である。例えば、検体情報モジュール34は、濃度、分圧及び/又は一つ以上の気体状検体に関連した他の情報を決定することができる。いくつかの実施の形態では、一つ以上の気体状検体は、酸素を含むことができる。
【0039】
図4は、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報を決定する方法36を図示する。動作38で、振幅変調電磁放射が放射される。振幅変調電磁放射は、あらかじめ決められた発光媒体に冷光を出させる一つ以上の特性で放射される。例えば、一実施例において、動作38は、(図1に示されるように)システム10中の放射源12によって実行されることができる。
【0040】
動作40で、放射された電磁放射は、気体の本体中に配置されている発光媒体上へ導かれる。発光媒体へ導かれた電磁放射は発光媒体に冷光を出させて、それによって、ルミネセンス放射を発する。発光媒体へ導かれる電磁放射は振幅変調されているので、ルミネセンス放射も振幅変調されている。一例として、動作40は、(図1に示されるように)システム10の発光媒体16上へ放射を導くことができる。
【0041】
動作42で、発光媒体によって放射されたルミネセンス放射が受信される。動作44で、一つ以上の出力信号が生成される。出力信号のうちの少なくとも1つは、発光媒体から受信されるルミネセンス放射の強度を示す。一実施例において、動作42及び44は、(図1に示されるような)システム10の感光性検出器14によって実行される。
【0042】
動作46で、発光媒体へ導かれる電磁放射の振幅変調と発光媒体によって放射されるルミネセンス放射の振幅変調との間の位相差が決定される。動作46で、ルミネセンス放射の強度の関数として変化する出力信号の生成の際の遅延を補償するために、位相差が決定される。いくつかの実施の形態において、動作46は、すでに述べられたように、(図1に示されるような)システム10のプロセッサ18によって実行される。
【0043】
動作48で、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連した情報は、動作46で決定される位相差に基づいて決定される。一実施例において、動作48で決定される情報は、一つ以上の気体状検体の量に関連した情報(例えば分圧、濃度又は他の情報)を含むことができる。いくつかの実施の形態において、動作48は、上に述べたように、(図1に示されるような)システム10のプロセッサ18によって実行される。
【0044】
図5は、発光媒体へ導かれる電磁放射の振幅変調と、受信された放射に応答して発光媒体によって放射された電磁放射の振幅変調との間の位相差を決定する方法50を図示する。一実施例において、方法50の動作のいくつか又は全ては、(図4に示されるような)方法40の動作46で実行される
【0045】
動作52で、発光媒体へ導かれる電磁放射の振幅変調が取得される。これは、時間の関数として放射の振幅又は強度の大きさを取得することを含む。一実施例において、動作52は、上述したように、(図1に示されるような)位相差モジュール30によって実行されることができる。
【0046】
動作54で、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅変調が取得される。一実施例において、このルミネセンス電磁放射の振幅変調は、ルミネセンス放射を受信する感光性検出器の出力信号から取得される。例えば、動作54は、上で述べられるように、(図1に示されるような)感光性検出器14によって生成される一つ以上の出力信号を取得する位相差モジュール30によって実行されることができる。
【0047】
動作56で、発光媒体へ導かれる電磁放射の取得された振幅変調と、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の取得された振幅変調との間の位相差が決定される。位相差は、これらの振幅変調を、加算、減算及び/又は復調することによって決定されることができる。一実施例において、動作56は、上記のように、(図1に示されるような)位相差モジュール30によって実行されることができる。
【0048】
動作58で、動作54で発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅変調を取得するために用いられた出力信号の生成の際の遅延が決定される。動作58で、遅延は、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅又は強度の関数として決定される。一実施例において、動作58は、すでに記載されたように、(図1に示されるような)位相遅延モジュール32によって実行される。いくつかの場合において、遅延の補償は、実際の遅延の代わりに、動作58で決定されることができる。
【0049】
動作60で、動作56で決定される位相差は、動作58で決定される遅延を補償するために調整される。これは、位相差の正確さ及び/又は精度を高める。一実施例において、遅延の補償は、動作56で決定される位相差と動作58で決定される遅延とを加算又は減算すること含む。いくつかの場合では、動作60は、(図1に示される)遅延補償モジュール32及び/又は位相差モジュール30によって実行されることができる。
【0050】
図6は、発光媒体へ導かれる電磁放射の振幅変調と、受信された放射に応答して発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅変調との間の位相差を決定する1つの可能な代わりの方法62を図示する。方法50のように、いくつかの実施の形態において、方法62の一部又は全部の動作は、(図4に示される)方法36の動作46で実行される。
【0051】
動作64で、発光媒体へ導かれる電磁放射の振幅変調が取得される。これは、時間の関数として放射の振幅又は強度の大きさを取得することを含む。一実施例において、動作64は、図5に図示され及び上記される方法50の動作52に対応する。
【0052】
図6に戻って、動作66で、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅変調が取得される。一実施例において、ルミネセンス電磁放射の振幅変調は、ルミネセンス放射を受信する感光性検出器の出力信号から取得される。動作66は、図5に図示されて既に述べられた方法50の動作54に対応することができる。
【0053】
図4の動作68で、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅変調を取得するために動作66で用いられる出力信号の生成の際の遅延が、決定される。動作68で、遅延は、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の振幅又は強度の関数として決定される。一実施例において、動作68は、上に述べた方法50の動作58に対応する。動作58と同様に、いくつかの場合において、遅延の補償は、実際の遅延の代わりに、動作68で決定されることができる。
【0054】
動作70で、発光媒体によってルミネセンス放射された電磁放射の調整された振幅変調が、決定される。これは、動作68で決定される遅延を補償するために動作66で決定される振幅変調を調整することを含む。いくつかの実施の形態において、動作70は、上述されたように、(図1に示される)位相遅延モジュール32によって実行されることができる。
【0055】
動作72で、位相差は、動作70で決定される調整された振幅変調及び動作64で決定される発光媒体へ導かれる電磁放射の振幅変調に対して決定される。位相差は、これらの振幅変調を加算、減算及び/又は復調することによって決定されることができる。一実施例において、動作72は、上記のように、(図1に示される)位相差モジュール30によって実行されることができる。
【0056】
上述され及び図4-6に図示される本発明の実施の形態において、感光性検出器14によって生じるシステム遅延の補償は、発光媒体16に向けられる電磁放射13の振幅変調とルミネセンス放射26の振幅変調との間の位相差の補償された決定を提供する情報に対して行われる。しかしながら、システム遅延を補償するための他のメカニズムが考えられる。一実施例において、検体情報モジュール24によって決定される一つ以上の検体に関連した実際の情報は、それが決定された後で、システム遅延に基づいて補償される。例えば、この実施例において、検体情報モジュール24は、検体の補償されていない濃度を決定することができ、遅延補償モジュール32は、この決定された濃度を調整することができる。他の実施例において、発光媒体16へ導かれる電磁放射13の振幅変調の取得された値は、センサのシステム遅延に対処するために調整されることができる。この実施例において、発光媒体16へ導かれる電磁放射13の取得された振幅変調の調整は、この振幅変調と、発光媒体16によってルミネセンス放射される電磁放射26の振幅変調との間の位相差を決定する前に、調整される。
【0057】
上で記載されたシステム及び方法が気体状検体を分析することに関連して述べられたが、本発明の一般的な原理はより広範囲であることが理解されるべきである。例えば、ルミネセンス照射強度の関数としてのルミネセンス検出器におけるシステム遅延の調整の原理は、ルミネセンス照射の減衰時間の検出に依存する他の種類の検出器及び/又は分析器に拡張されることができる。
【0058】
本発明の他の実施の形態、用途及び利点は、明細書の考察及び本願明細書において開示される本発明の実践から当業者にとって明らかである。本明細書は単なる例示であって、本発明の範囲は以下の請求の範囲のみによって限定されることがしかるべく意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連する情報を決定するシステムであって、
気体の本体に連通する発光媒体、
前記発光媒体上に、当該発光媒体中のルミネセンスを引き起こす振幅変調電磁放射を放射する一つ以上の放射源、
前記発光媒体のルミネセンスによって生成される振幅変調電磁放射を受信し、受信された振幅変調電磁放射に応答して、受信された振幅変調電磁放射の強度を示す一つ以上の出力信号を生成する感光性検出器、及び
前記感光性検出器によって生成される前記一つ以上の出力信号を受信し、放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、受信された振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差に基づいて、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連する情報を決定するプロセッサ、
を有し、
前記プロセッサは、前記一つ以上の気体状検体に関連する前記情報を決定するとき、前記一つ以上の出力信号を生成する際の前記感光性検出器による遅延を補償し、
前記補償は、前記受信された振幅変調電磁放射の強度の関数として変化するシステム。
【請求項2】
前記一つ以上の気体状検体が酸素を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一つ以上の気体状検体に関連する前記情報が、気体の本体中の前記一つ以上の気体状検体の濃度を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、受信された振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差を決定する位相差モジュールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記位相差モジュールがロックインアンプを含む請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサが、(i)前記一つ以上の出力信号によって示される受信された振幅変調電磁放射の強度に基づいて、前記一つ以上の出力信号の生成の際の前記感光性検出器の遅延を決定し、(ii)決定された遅延に基づいて、前記位相差モジュールによって決定された位相差を調整することによって、前記一つ以上の出力信号の生成の際の前記感光性検出器の遅延を補償する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサが前記一つ以上の放射源を制御する請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連する情報を決定する方法であって、
気体の本体に連通する発光媒体に、放射された振幅変調電磁放射を供給して、前記発光媒体中のルミネセンスを引き起こし、
前記発光媒体の前記ルミネセンスによって生成される振幅変調電磁放射を受信し、
前記発光媒体から受信された受信振幅変調電磁放射の強度を示す一つ以上の出力信号を生成し、
前記放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、前記受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差に基づいて、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連する情報を決定し、
受信振幅変調電磁放射の受信と、前記一つ以上の出力信号の生成との間の遅延の補償を提供し、
前記補償は、前記受信振幅変調電磁放射の強度の関数として変化する方法。
【請求項9】
前記一つ以上の気体状検体が酸素を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一つ以上の気体状検体に関連する情報の決定が、気体の本体中の前記一つ以上の気体状検体の濃度を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記一つ以上の気体状検体に関連する情報の決定が、前記放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、前記受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記一つ以上の気体状検体に関連する情報の決定が、(i)前記受信振幅変調電磁放射の受信と、前記受信振幅変調電磁放射の強度を示す前記一つ以上の出力信号の生成との間の遅延を決定すること、及び(ii)決定された遅延に基づいて、前記放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、前記受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の決定された位相差を調整することにより、遅延の補償を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記放射された振幅変調電磁放射を放射することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項14】
気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連する情報を決定するプロセッサであって、
位相差モジュール、遅延補償モジュール及び検体情報モジュールを有し、
前記位相差モジュールは、(i)気体の本体と連通する発光媒体に供給される放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、(ii)供給された前記放射された振幅変調電磁放射に応答して前記発光媒体のルミネセンスによって生成された受信電磁放射の振幅の変調との間の位相差を決定し、
前記位相差モジュールは、感光性検出器によって生成される一つ以上の出力信号に基づいて、前記位相差を決定し、
前記感光性検出器は、前記発光媒体のルミネセンスによって生成された受信振幅変調電磁放射の少なくとも一部を受信するように構成され、前記一つ以上の出力信号を生成するように構成され、
前記出力信号の少なくともいくつかは、前記発光媒体のルミネセンスによって生成される前記受信振幅変調電磁放射の少なくとも強度を示し、
前記遅延補償モジュールは、前記一つ以上の出力信号を生成する際の前記感光性検出器の遅延の補償を提供し、
前記補償は、前記発光媒体の前記ルミネセンスによって生成される前記受信振幅変調電磁放射の強度の関数として変化し、
前記検体情報モジュールは、前記位相差に基づいて、気体の本体中の一つ以上の気体状検体に関連する情報を決定する、プロセッサ。
【請求項15】
前記一つ以上の気体状検体は酸素を含む請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項16】
前記プロセッサによって決定される前記一つ以上の気体状検体に関連する情報が、気体の本体中の前記一つ以上の気体状検体の濃度を含む、請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項17】
前記位相差モジュールがロックインアンプを含む請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項18】
前記遅延補償モジュールが、(i)前記一つ以上の出力信号によって示される前記受信振幅変調電磁放射の強度に基づいて、前記一つ以上の出力信号の生成の際の前記感光性検出器の遅延を決定し、(ii)前記決定された遅延に基づいて前記位相差モジュールによって決定される位相差を調整することによって、前記一つ以上の出力信号の生成の際の前記感光性検出器の前記遅延を補償する、請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記遅延補償モジュールが、(i)前記一つ以上の出力信号によって示される前記受信振幅変調電磁放射の強度に基づいて、前記一つ以上の出力信号の生成の際の前記感光性検出器の遅延を決定し、(ii)前記遅延に対処するために前記一つ以上の出力信号を調整することによって、前記一つ以上の出力信号の生成の際の前記感光性検出器の前記遅延を補償し、前記位相差モジュールが、前記遅延補償モジュールによって調整された前記出力信号に基づいて位相差を決定する、請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項20】
気体の本体中の気体状検体に関する情報を決定する方法であって、
(i)気体の本体と連通する発光媒体に供給される放射された振幅変調電磁放射の振幅の変調と、(ii)前記発光媒体のルミネセンスによって生成された受信振幅変調電磁放射の振幅の変調との間の位相差を決定し、
前記位相差が、少なくとも部分的に、前記発光媒体のルミネセンスによって生成される前記受信振幅変調電磁放射の強度の関数として生成される出力信号に基づいて決定され、
前記発光媒体の前記ルミネセンスによって生成される前記受信振幅変調電磁放射の強度の関数として前記出力信号の生成の際の遅延を補償し、
前記決定及び補償に基づいて、気体状検体に関する情報を決定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−501833(P2010−501833A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524786(P2009−524786)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/075997
【国際公開番号】WO2008/022191
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】