説明

検品装置およびプログラム

【課題】検品装置を用いて検品作業を行う検品作業担当者が、検品業務中に商品が不足していることを認識した場合に、比較的に容易にその商品を発注できるようにすることが要望されている。
【解決手段】本実施形態の検品装置は、商品の納品数の検査に係る検品処理を実行して、商品の納品数の検査に係る検品画面を表示部に表示させる検品手段と、前記検品画面の表示中に、商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記発注処理の実行要求を受け付けた場合、前記発注処理を実行する発注手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検品装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等の小売店において検品業務に用いられる検品装置として、商品の納品数の検査を行う検品処理を実行するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−87524公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような検品装置を用いて検品作業を行う検品作業担当者が、検品業務中に商品が不足していることを認識した場合に、比較的に容易にその商品を発注できるようにすることが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の検品装置は、商品の納品数の検査に係る検品処理を実行して、商品の納品数の検査に係る検品画面を表示部に表示させる検品手段と、前記検品画面の表示中に、商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記発注処理の実行要求を受け付けた場合、前記発注処理を実行する発注手段と、を備える。
【0006】
本実施形態のプログラムは、コンピュータを、商品の納品数の検査に係る検品処理を実行して、商品の納品数の検査に係る検品画面を表示部に表示させる検品手段と、前記検品画面の表示中に、商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記発注処理の実行要求を受け付けた場合、前記発注処理を実行する発注手段と、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る検品システムを示す概略図。
【図2】第1の実施形態に係る検品装置としてのハンディターミナルの外観を示す図。
【図3】第1の実施形態に係るハンディターミナルの電気的接続を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態に係るハンディターミナルが形成する検品テーブルのデータ構造を示す図。
【図5】第1の実施形態に係る店舗ホスト装置からハンディターミナルに転送される検品ファイルのレコード構造を示す図。
【図6(a)】第1の実施形態に係るハンディターミナルのCPUが実行する検品処理の流れを示すフローチャート。
【図6(b)】第1の実施形態に係るハンディターミナルのCPUが実行する検品処理の流れを示すフローチャート。
【図7】第1の実施形態に係るハンディターミナルの表示部に表示される各種画面のレイアウトを示す図。
【図8】第1の実施形態に係るハンディターミナルのCPUが実行する発注処理の流れを示すフローチャート。
【図9】実施形態に係るハンディターミナルの表示部に表示される発注画面のレイアウトを示す図。
【図10】第2の実施形態に係るハンディターミナルの表示部に表示される検品登録画面のレイアウトを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0009】
第1の実施形態を図1ないし図9を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の検品システム1は、無線回路を内蔵した携帯型の検品装置、いわゆるハンディターミナル(図1ではHT)2と、このハンディターミナル2との間で無線通信を行う無線部を有する店舗ホスト装置3と、を備える。ハンディターミナル2と店舗ホスト装置3との無線通信方式は、例えば、マイクロ波等の電波を利用する方式や、赤外線を利用する方式やBluetooth(ブルートゥース:登録商標)を利用する方式などである。
【0010】
店舗ホスト装置3は、複数の機能を有する。店舗ホスト装置3の第1の機能は、卸売業者等の発注取引先から電子データとしてネットワークを介して伝送されてくる納品伝票データ、またはパソコン等のコンソール機器(不図示)から入力された納品伝票データに基づいて、検品対象商品の商品名,売価,納品予定数等の検品情報を記憶した検品ファイルを作成しハンディターミナル2に無線通信によりダウンロードする機能である。店舗ホスト装置3の第2の機能は、ハンディターミナル2から無線通信により送られてくる検品結果データに基づいて検品対象商品毎に実納品数と納品予定数とを比較して欠品の有無を判断しその結果を出力する機能である。店舗ホスト装置3は、ハンディターミナル2の上位機として機能する。
【0011】
ハンディターミナル2は、図2に示すように、キーボード15、表示部17およびスキャナ19等を備える。キーボード15と表示部17とは、筐体の表面に配置され、スキャナ19は、筐体の裏面に配置されている。キーボード15は、実納品数等を置数入力するための0〜9の置数キーの他、F1〜F8のファンクションキーや、ENT(エントリー)キー等を有している。表示部17は、例えば液晶表示器であり、文字列を数行に渡って表示可能となっている。スキャナ19は、検品対象商品に付される商品コードのバーコードを光学的に読み取り可能なバーコードスキャナである。
【0012】
また、ハンディターミナル2は、図3に示すように、プログラムに基づいて各種の演算制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)10を搭載している。このCPU10には、アドレスバス,データバス等のバスライン11を介して、プログラム等の固定的データを予め格納したROM(Read Only Memory)12、各種のデータを書換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)13、無線を利用したデータの送受信を制御する無線送受信部14、キーボード15からキー入力を制御するキーボードコントローラ16、表示部17のデータ表示を制御する表示コントローラ18及びスキャナ19のスキャニング入力を制御するスキャナコントローラ20等が接続されている。CPU10は、ROM12およびRAM13とによってコンピュータ(制御部)を構成している。
【0013】
キーボードコントローラ16には、キーボード15が接続されている。表示コントローラ18には、表示部17が接続されている。スキャナコントローラ20には、スキャナ19が接続されている。
【0014】
検品システム1においては、各発注取引先からそれぞれ発注商品を納入する配送トラック便単位に、そのトラック便に添付される納品伝票に記録されたデータ(伝票番号、各発注商品の商品コード,商品名,原価,売価,納品予定数等の明細情報等)が、オンラインまたはオフラインで店舗ホスト装置3に入力される。
【0015】
そうすると、店舗ホスト装置3においては、図5に示すような検品ファイル4が作成される。検品ファイル4は、発注取引先別の配送トラック便単位に、その取引先を識別する取引先コード及び取引先名と、配送トラック便の便番号と、そのトラック便に添付される納品伝票の枚数と、納品伝票毎の商品明細情報数及びその商品明細情報(商品コード,商品名,売価,原価,納品予定数)と、納品品目総数の各項目からなる検品レコードを蓄積したファイルである。そして、この検品ファイル4のデータが、無線通信により店舗ホスト装置3にからハンディターミナル2に転送され、ハンディターミナル2のRAM13に保存される。
【0016】
さて、検品作業を行なう担当者は、取引先からトラック便により発注商品が届いて納品される毎に、ハンディターミナル2を持って納品現場(倉庫等)に行く。そして、ハンディターミナル2のメニュー画面から検品業務を選択し実行させる。そうすると、当該ハンディターミナル2のCPU10がプログラムに従って、検品処理を実行する。この際、CPU10は、プログラムに従うことにより、図3に示すように、検品部10a、受付部10b、および発注部10c等として機能する。
【0017】
検品部10aは、商品の納品数の検査に係る検品処理を実行して、商品の納品数の検査に係る検品画面を表示部17に表示させる。検品画面は、図7に示すように、各種画面50A〜50Fを含む。検品部10aは、検品処理対象の商品を特定する商品特定情報である商品コードの入力を受け付け、商品コードを受け付けた商品を検品処理の対象品とする。検品部10aは、発注部10cが実行する発注処理中は検品処理を中断し、発注処理が終了した場合、検品処理を再開する。検品部10aは、検品手段に相当する。
【0018】
受付部10bは、検品画面としての検品登録画面50Bの表示中に、商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付ける。受付部10bは、受付手段に相当する。
【0019】
発注部10cは、受付部10bが発注処理の実行要求を受け付けた場合、発注処理を実行する。発注部10cは、発注処理を検品処理に対して割り込みで行う。発注部10cは、商品単位で発注処理を行う。詳細には、発注部10cは、受付部10bが発注処理の実行要求を受け付けた場合、検品部10aが商品コードの入力を受け付けた商品の発注処理を実行する。発注部10cは、発注手段に相当する。
【0020】
以下に、図6(a)、(b)のフローチャートを参照しながら検品処理の流れを詳しく説明する。
【0021】
図6(a)に示すように、先ず、CPU10は、Act1として、検品ファイル4に蓄積されている各検品レコードの取引先名称と便番号とから、図7(a)に示すレイアウトの取引先別便名一覧画面50Aを編集し、表示部17に表示させる。そして、CPU10は、Act2として、いずれかの取引先便名が選択入力されるのを待機する。そこで、検品作業担当者は、表示部17に表示された取引先別便名一覧画面50Aから、納品を行なった取引先名とそのトラック便番号とに対応する番号を確認したならば、その番号を置数キーで置数し、続いてファンクションキー「F1」を押下することで、取引先便名を選択入力する。
【0022】
CPU10は、Act2にて取引先便名がキー入力により選択されたことを確認すると、Act3として、図4に示すデータ構造の検品テーブル30を作成し、RAM13に記憶する。この際、CPU10は、Act2にて選択入力された取引先コードと便番号を含む検品レコードを検品ファイル4から抽出し、この抽出した検品レコードに基づいて、検品テーブル30を作成する。ここで、検品テーブル30のデータ項目「商品コード」,「商品名」,「売価」,「原価」,「予定数」には、該当検品レコードの各商品明細情報がセットされる。データ項目「伝票No」には、同一行にセットされた商品明細情報に対応する伝票番号がセットされる。データ項目「納品数」及び「検品済フラグ」には、それぞれ初期値として“0”がセットされる。
【0023】
次に、CPU10は、Act4として、検品対象商品の商品コードと実納品数が入力手段を介して入力されるのを待機する。そこで、検品作業担当者は、実際に納品された商品のバーコードを1品目ずつスキャナ19でスキャニングするとともに実納品数をキーボード15の置数キーで置数入力する。ここに、スキャナ19とキーボード15は入力手段を構成する。
【0024】
CPU10は、検品対象商品の商品コードと実納品数がスキャナ19及びキーボード15を介して入力されたことを確認すると(Act4のYes)、Act5としてその入力された商品コードに対応する商品名を検品テーブル30から読出し、この商品名と実納品数とから図7(b)に示すレイアウトの検品登録画面50Bを編集して表示部17に表示させる。また、CPU10は、検品テーブル30の該当商品コードに対応する納品数に実納品数を加算する(Act6)。そして、加算後、その加算後の納品数と対応する納品予定数とを比較し(Act7)、納品数が予定数以上であれば、対応する検品済フラグを“1”にセットする(Act8)。納品数が予定数未満の場合には、検品済フラグは“0”にリセットされたままである。
【0025】
ここで、検品作業担当者は、検品作業中に商品不足を認識した場合、検品登録画面50Bの表示中に、「F5」ファンクションキーを押下することで、ハンディターミナル2に発注処理を実行させることができる。CPU10は、検品登録画面50Bの表示中に、「F5」ファンクションキーが押下されることで発注処理開始の指示があったと判断した場合(Act9のYes)、発注処理を実行する(Act10)。
【0026】
図8に示すように、発注処理では、CPU10は、発注画面51(図9)を表示部17に表示させる(Act51)。図9に示すように、発注画面51には、商品名表示エリア51aと、発注数入力エリア51bと、が設けられている。商品名表示エリア51aは、発注対象の商品名を表示するエリアであり、本実施形態では、Act4で入力を確認した商品コードに対応する商品の商品名が表示される。発注数入力エリア51bは、キーボード15による発注数の入力を受け付けるエリアである。
【0027】
次に、CPU10は、発注数の入力を待つ(Act52のNo、Act54のNo)。CPU10は、発注数入力エリア51bに発注数が入力された状態でENTキーが押下されると、発注数の入力があったと判断した場合(Act52のYes)、発注情報を店舗ホスト装置3に送信する。発注情報は、発注商品情報と発注先情報とを含む情報である。発注商品情報は、発注する商品の情報として、商品コード、商品名、発注数を含む。発注数は、Act52で入力を確認した発注数である。発注画面51中の商品発注先情報は、商品の発注先の情報として、取引先コードと取引先名とが含まれる。この発注先情報は、検品ファイル4において、Act4で入力を確認した商品コードに対応して検品ファイル4に記憶された取引先コードおよび取引先名である。このようにして店舗ホスト装置3に送信された発注情報は、直ちに店舗ホスト装置3から取引先の情報処理装置に送信される。このようにして商品単位での発注が行われる。そして、CPU10は、発注処理を終了して検品処理に復帰してAct4を実行する。
【0028】
一方、CPU10は、発注数の入力が無く(Act52のNo)、「F1」ファンクションキーが押下された場合には(Act54のYes)、戻りが指示されたと判断して(Act54のYes)、発注処理を終了して検品処理に復帰してAct4を実行する。
【0029】
図6(a)の検品処理の説明に戻る。CPU10は、Act4に戻ると、再び検品対象商品の商品コードと実納品数が入力されるのを待機する。そして、検品対象商品の商品コードと実納品数が入力される毎に(Act4のYes)、上記Act5ないしAct10の各処理を実行する。なお、検品登録画面50Bに商品名のみならず、該当商品の売価,納品予定数なども併せて表示させてもよい。
【0030】
CPU10は、検品対象商品の商品コードと実納品数が入力されるのを待機している状態で、Act11として検品終了を宣言する「F1」ファンクションキーの入力を検知すると、検品終了であると判断して(Act11のYes)、Act12に進む。CPU10は、Act12では、検品テーブル30に格納された検品済フラグを先頭データより順にチェックすることで、未検品が有るか否かを判断する。そして、CPU10は、全ての検品済フラグが“1”にセットされていたことを確認した場合、即ち未検品が無いと判断した場合には(Act12のNo)、Act19に進む。Act19では、CPU10は、図7(e)に示すレイアウトの検品終了画面50Eを編集して表示部17に表示させる。
【0031】
これに対し、Act12において、CPU10は、“0”にリセットされたままの検品済フラグを検出した場合には、未検品有りと判断して(Act12のYes)、図7(c)に示すレイアウトの終了確認画面50Cを編集して表示部17に表示させる(Act13)。ここで、CPU10は、Act14として検品作業の継続を宣言する「F4」ファンクションキーの入力を検知した場合には、検品終了では無いと判断して(Act14のNo)、Act4に戻り、再び検品対象商品の商品コードと実納品数が入力されるのを待機する。
【0032】
CPU10は、Act14にて、検品作業の終了を宣言する「F1」ファンクションキーの入力を検知して、検品終了であると判断した場合には(Act14のYes)、Act15に進む。Act15では、CPU10は、検品テーブル30に格納された検品済フラグのチェックを継続し、全て“0”にリセットされているか否かを判断することで、検品の有無を判断する。そして、CPU10は、検品済フラグが1つでも“1”にセットされていて、検品が有ったと判断した場合には(Act15のNo)、Act19に進み、図7(e)に示すレイアウトの検品終了画面50Eを編集して表示部17に表示させる。
【0033】
これに対し、Act15において、CPU10は、検品済フラグが全て“0”にリセットされていて検品は無かったと判断した場合には(Act15のYes)、検品無しで作業終了が宣言されたので、図7(d)に示すレイアウトの完納処理画面50Dを編集して表示部17に表示させる(Act16)。そして、Act17において、完納処理の中止を宣言する「F3」ファンクションキーの入力を検知して、完納にしないと判断した場合には(Act17のNo)、Act4に戻り、再び検品対象商品の商品コードと実納品数が入力されるのを待機する。
【0034】
CPU10は、Act17において、完納処理の確認を宣言するENTキーの入力を検知して完納にすると判断した場合には(Act17のYes)、Act18に進んで完納処理を実行する。CPU10は、完納処理として、検品テーブル30の各商品コードに対応した納品数をそれぞれ対応する納品予定数に一致させるとともに、検品済フラグを全て“1”にセットして検品済とする。しかる後、CPU10は、Act19に進み、図7(e)に示すレイアウトの検品終了画面50Eを編集して表示部17に表示させる。
【0035】
したがって、検品作業担当者は、通常は実際に納品された商品の商品コード(バーコード)と実納品数の入力作業を繰り返す。そして、入力し終えたならば、検品登録画面50B(図7(b))において「F1」ファンクションキーを入力して終了を宣言する。このとき、未検品や欠品がない場合には、検品終了画面50E(図7(e))が表示されるので、検品作業の終了を認識する。
【0036】
一方、未検品や欠品が存在する場合には、終了確認画面50C(図7(c))が表示されるので、未検品があるか否かを実際にチェックする。そして、未検品が存在した場合には、「F4」ファンクションキーを入力して継続を宣言した後、その未検品であった商品の商品コード(バーコード)と実納品数の入力作業を行なう。これに対し、未検品が存在せず欠品であると判断した場合は、「F1」ファンクションキーを入力して終了を宣言する。そうすると、検品終了画面50E(図7(e))が表示されるので、検品作業の終了を認識する。
【0037】
さて、CPU10は、Act19にて検品終了画面50Eを表示させた後、Act20として検品作業終了の確認を宣言するENTキーが入力されるのを待機する(Act20のNo)。そして、CPU10は、ENTキーの入力を検知した場合には(Act20のYes)、Act21として検品テーブル30に格納された検品済フラグを先頭データより順にチェックして欠品の有無を判断する(Act21)。そして、“0”にリセットされた検品済フラグを検出すると、その検品済フラグに対応する検品対象商品が欠品なので(Act21のYes)、Act22としてその商品の商品名と納品予定数と実納品数とを検品テーブル30から読出し、図7(f)に示すレイアウトの欠品確認画面50Fを編集して表示部17に表示させる。次いで、CPU10は、確認を示すENTキーが入力されるのを待機する(Act23のNo)。CPU10は、確認を示すENTキーの入力を検知した場合には(Act23のYes)、Act24として検品済フラグのチェックを継続して、欠品商品(欠品アイテム)の有無を判断する(Act24)。そして、再び“0”にリセットされた検品済フラグを検出して、欠品商品(欠品アイテム)が有ると判断した場合には(Act24のYes)、Act22に戻ってその商品の欠品確認画面50Fを表示部17に表示させる。
【0038】
こうして、CPU10は、検品済フラグを先頭データより順にチェックし、最終データまでチェックが終わると(Act24のNo)、検品テーブル30のデータに基づいて検品結果応答伝文を作成する(Act25)。検品結果応答伝文は、取引先別便名一覧画面50A(図7(a))より選択した取引先の取引先コードと配送トラック便の便番号とともに、そのトラック便に添付された納品伝票別に、検品された商品の商品コード及び実納品数とを含む伝文である。そして、CPU10は、作成した検品結果応答伝文を無線送受信部14により無線回線を介して店舗ホスト装置3に転送したならば(Act26)、今回の処理を終了する。
【0039】
一方、CPU10は、Act21において、検品テーブル30に格納された検品済フラグを先頭データより順にチェックした結果、最終の検品済フラグまで全て“1”にセットされていたことを確認した場合、即ち欠品が無い場合には(Act21のNo)、Act25に進み、検品結果応答伝文を作成して店舗ホスト装置3に無線送信して、今回の処理を終了する。
【0040】
したがって、検品作業担当者は、検品終了画面50E(図7(e))から検品作業の終了を認識したならば、ENTキーを入力する。そうすると、欠品が存在しない場合には、検品結果応答伝文が作成されて店舗ホスト装置3に無線送信される。
【0041】
これに対し、欠品が存在する場合には、その欠品の商品名,納品予定数及び実納品数が欠品確認画面50F(図7(f))として表示部17に1品目ずつ表示される。したがって、検品作業担当者は、検品作業の現場で即座に欠品が発生していることを確認できる。
【0042】
以上説明したとおり、本実施形態では、検品画面である検品登録画面50Bの表示中に、受付部10bが商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付けた場合、発注部10cが、発注処理を実行する。したがって、検品作業担当者は、検品作業中に比較的に容易に商品の発注をすることができる。
【0043】
次に、本実施形態の変形例を説明する。本変形例では、図6(a)のフローチャートにおいて、Act9とAct10が上記の処理と異なる。CPU10は、Act6にて検品テーブル30の該当商品コードに対応する納品数に実納品数を加算した後、その加算後の納品数と対応する納品予定数とを比較し(Act7)、納品数が予定数未満の場合には(Act7のYes)、Act8を行うとともに、発注処理を開始すると判断して(Act9のYes)、発注処理を実行する(Act10)。この場合の図9の発注処理において、CPU10は、図9の発注画面51の発注数入力エリア51bに、納品予定数から実納品数を減算した値(つまり未納品数)を表示させる。この値は、キーボード15によって可変である。そして、エンタキーの押下があったならば発注数の入力があったと判断して(Act52)、発注情報を送信する(Act53)。
【0044】
このように、本変形例では、発注画面51の発注数入力エリア51bに、納品予定数から実納品数を減算した値(未納品数)が表示されるので、検品作業担当者が発注作業をより容易に行うことができる。
【0045】
次に、第2の実施形態を図10を参照して説明する。本実施形態では、図10に示すように、検品部10aが、検品処理において、検品登録画面50B(表示部17)に、商品の在庫数(図面では「xx」)を表示させる点が第1の実施形態に対して異なる。この在庫数は、図7のフローチャートのAct4において、商品コードの入力を確認した商品の在庫数であり、ハンディターミナル2が店舗ホスト装置3から取得(受信)してRAM13に記憶させたものである。ここで、在庫数の取得方法の一例として、図6(a)のフローチャートのAct2にて取引先便名がキー入力により選択された場合に、その取引先便名に対応する商品の在庫数をハンディターミナル2が店舗ホスト装置3に問い合わせして取得してよい。また、別の一例として、検品ファイル4に各商品の在庫数を含ませて、その検品ファイル4をハンディターミナル2が店舗ホスト装置3からダウンロードすることで在庫数を取得してもよい。
【0046】
このように、本実施形態では、検品部10aが、入力を受け付けた商品コードに対応してRAM13に記憶されている商品の在庫数を検品登録画面50B(表示部17)に表示させる。したがって、検品作業担当者は、検品処理中に在庫数を確認することができるので、在庫数が少ない場合に、検品処理を中断させて発注処理を実行させることができる。
【0047】
以上説明したとおり、上記の各実施形態によれば、検品作業担当者が、検品作業中に比較的に容易に商品の発注をすることができる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
2 ハンディターミナル
17 表示部
10a 検品部(検品手段)
10b 受付部(受付手段)
10c 発注部(発注手段)
13 RAM(記憶部)
50B 検品登録画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の納品数の検査に係る検品処理を実行して、商品の納品数の検査に係る検品画面を表示部に表示させる検品手段と、
前記検品画面の表示中に、商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記発注処理の実行要求を受け付けた場合、前記発注処理を実行する発注手段と、
を備える検品装置。
【請求項2】
前記検品手段は、前記発注処理中は前記検品処理を中断し、前記発注処理が終了した場合、前記検品処理を再開する請求項1に記載の検品装置。
【請求項3】
前記発注手段は、商品単位で前記発注処理を行う請求項1または2に記載の検品装置。
【請求項4】
前記検品手段は、検品処理対象の商品を特定する商品特定情報の入力を受け付け、
前記発注手段は、前記受付手段が前記発注処理の実行要求を受け付けた場合、前記検品手段が前記商品特定情報の入力を受け付けた商品の発注処理を実行する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の検品装置。
【請求項5】
前記検品手段は、入力を受け付けた前記商品特定情報に対応して記憶部に記憶されている商品の在庫数を前記表示部に表示させる請求項4に記載の検品装置。
【請求項6】
コンピュータを、
商品の納品数の検査に係る検品処理を実行して、商品の納品数の検査に係る検品画面を表示部に表示させる検品手段と、
前記検品画面の表示中に、商品の発注に係る発注処理の実行要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記発注処理の実行要求を受け付けた場合、前記発注処理を実行する発注手段と、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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