説明

検査装置

【課題】冷却液の熱損失を抑制することにより、設定された温度における電子部品の温度を容易に調整することのできる検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置M1は、電子部品である加速度センサの特性を検査するものであり、第2載置台12に載置されるとともに加速度センサの温度を調整する温度調整機構30と、第1載置台11に載置されるとともに加速度センサを予め設定された角度に回転する回転機構20とを備えている。そして、回転機構20は、温度調整機構30に対して、加速度センサを回転可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の姿勢を変更することにより、各姿勢の電子部品の特性を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記電子部品において、例えば、アンチブロックブレーキシステム(ABS)や車両安定制御やサスペンション制御システム等の車両の挙動検出のために加速度センサが用いられていることが知られている。この加速度センサは、加速度センサの内部に実装されたセンサ素子(例えば、ピエゾ素子)の作用により、静止加速度を含む加速度に応じた電圧を出力する。特に、加速度センサが静止状態においては、静止加速度に比例した電圧のみが出力される。この静止加速度は、加速度センサに加わる重力加速度のベクトル成分となるため、加速度センサが鉛直方向に対して傾斜している場合、加速度センサの出力電圧から加速度センサの傾斜角度を換算することができる。
【0003】
この加速度センサのセンサ素子は、センサ素子自体の個体ごとのばらつきや、加速度センサへの実装状態のばらつきや、温度特性のばらつき等の様々な誤差要因を含んでいる。そのため、加速度センサの傾斜角度に対する理想的な電圧特性を得るためには、低温、常温、及び高温の環境下において、加速度センサの姿勢を0°〜270°の範囲で少なくとも2〜3点の角度に傾斜した状態にて、加速度センサの出力電圧を測定し、その測定結果に基づいて上記出力電圧の誤差を補正する必要がある。
【0004】
以下、図15及び図16を参照して、加速度センサの姿勢及び温度を変更して、加速度センサの出力電圧を測定する従来の検査装置について説明する。
図16に示すように、検査装置1は、板状の下ユニットベース2上に防振ゴム3を介して上ユニットベース4が載置されることにより、構成されている。そして、上ユニットベース4には、加速度センサが載置されるとともにこの加速度センサの温度を変更する温度調整部5と、温度調整部5が固定されるとともに上ユニットベース4内に収容された垂直回転軸6とが設けられている。
【0005】
この温度調整部5は、冷却液が供給されることにより、加速度センサが載置される部位を加熱及び冷却を行う。そして、垂直回転軸6の回転に伴い、温度調整部5が回転することにより、加速度センサの姿勢が変更される。以上により、加速度センサの姿勢及び温度が変更される(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−326384号公報
【特許文献2】特開2006−292774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図15に示すように、温度調整部5には、外部に設置された補助冷却装置から冷却液を供給するための冷却液供給部7が設けられている。この冷却液供給部7は、垂直回転軸6に接続される固定側ホース7aと、垂直回転軸6に固定されるとともに固定側ホース7aが接続されるロータリージョイント7bと、ロータリージョイント7b及び温度調整部5を互いに接続するとともに垂直回転軸6とともに回転する回転側ホース7cとから構成されている。以上の構成により、温度調整部5が垂直回転軸6とともに回転したとしても、固定側ホース7a及び回転側ホース7cのそれぞれがねじれることを防ぐことができる。
【0007】
しかしながら、冷却液供給部7にロータリージョイント7bが設けられるため、このロータリージョイント7bを通過する際に、冷却液の熱損失が発生してしまう。その結果、温度調整部5に供給される段階において、冷却液の温度が補助冷却装置の設定した温度と異なるため、測定のために設定する電子部品の温度と、実際の電子部品の温度が異なってしまう場合があった。したがって、電子部品の測定を高精度に行うことができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却液の熱損失を抑制することにより、設定された温度における電子部品の温度を容易に調整することのできる検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、電子部品の特性を検査する検査装置において、作業台に載置される載置台と、前記載置台に載置されるとともに電子部品の温度を調整する温度調整機構と、前記載置台に載置されるとともに前記電子部品を予め設定した角度に回転する回転機構とを備え、前記回転機構は、前記電子部品を前記温度調整機構に対して回転可能とすることを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、回転機構及び電子部品が回転し、温度調整機構が固定される構成であるため、図15及び図16に示す従来構造と比較して、ロータリージョイントが不要となる。したがって、ロータリージョイントにて発生する冷却液の熱損失を回避することができるため、温度調整機構は、効率よく電子部品の温度を調整することができる。したがって、検査装置は、設定された温度における電子部品の温度を容易に調整することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検査装置において、当該検査装置は、前記回転機構の回転軸に対して、直交する回転軸である垂直回転軸を有するとともに前記電子部品を前記温度調整機構に対して回転可能とする垂直回転機構と、前記温度調整機構の前記電子部品が載置される面に対して直交する面を有する垂直温度調整機構とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の検査装置において、当該検査装置は、前記回転軸の前記回転軸に対して同軸であって、前記温度調整機構とは前記回転機構を介して反対側に位置する同軸温度調整機構を備えることを要旨とする。
【0013】
図15及び図16に示す従来構造の検査装置は、1軸回転であるため、2軸の検査及び3軸の検査を行う場合、図17に示すように、検査装置を2軸の場合では2台、3軸の場合では3台並べて、それぞれの検査装置において電子部品を測定する必要があった。そのため、検査装置を配置するスペースが増大するため、例えば、電子部品を生産する工場の省スペース化を困難にしていた。その上、電子部品の1軸を測定するごとに、次の検査装置に電子部品を搬送する必要があるため、電子部品の検査時間が増大してしまう問題があった。
【0014】
これらの点において、本発明では、検査装置が垂直回転機構及び垂直温度調整機構を備えることにより、電子部品の2軸の検査を可能としている。また、さらに検査装置が同軸温度調整機構を備えることにより、電子部品の3軸の検査を可能としている。したがって、検査装置を2台及び3台並べる場合と比較して、検査装置が占める上記工場内のスペースを小さくすることができ、電子部品の搬送もないため、電子部品の検査時間の増大を抑制することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の検査装置において、前記回転機構は、前記回転軸を中心に270°の範囲内において回転し、前記垂直回転機構は、前記垂直回転軸を中心に180°の範囲内において回転することを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、3軸のそれぞれの正逆方向である6方向において、電子部品の特性を検査することが可能となる。したがって、1台の検査装置にて、3軸の電子部品の特性を正確に検査することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の検査装置において、当該検査装置は、前記電子部品を前記温度調整機構及び前記垂直温度調整機構に対して離間及び近接可能な駆動機構を備えることを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、駆動機構により、電子部品を回転させる際には、電子部品を温度調整機構及び垂直温度調整機構に対して離間させることにより、電子部品と温度調整機構及び垂直温度調整機構との接触を防止することができる。そして、電子部品を回転させて、温度調整機構及び垂直温度調整機構が配置される位置に配置された場合、駆動機構により、電子部品を近接させることにより、温度調整機構及び垂直温度調整機構が電子部品の温度の調整を行うことが可能となる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の検査装置において、当該検査装置は、前記電子部品を載置する載置治具を備え、前記載置治具には、前記電子部品を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記電子部品と接触する端子である接触端子を有する電極部と、前記電極部を保持する電極保持部とが設けられ、前記載置治具には、前記電極保持部を前記電子部品に向かい付勢することにより、前記電子部品の面と該面と対抗する前記電極部の対向面とを互いに平行に維持する付勢手段が設けられることを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、付勢手段により、電子部品の面と電極保持部の対向面とが互いに平行に維持されるため、電子部品の面への接触端子の接触圧の、電極部の場所に起因するばらつきを抑制することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の検査装置において、前記電子部品には、重力を検出するセンサ部が設けられ、当該検査装置には、前記温度調整機構及び前記回転機構の角度を調整する角度調整機構を備え、前記センサ部は、前記電子部品の面に対して角度(A)だけ傾斜し、前記角度調整機構は、前記温度調整機構及び前記回転機構のそれぞれを前記センサ部の傾斜する方向とは反対側の方向に角度(A)だけ傾斜させることを要旨とする。
【0022】
この発明によれば、角度調整機構により、電子部品のセンサ部が角度(A)だけ傾斜したものであっても、センサ部の傾斜する方向とは反対側に角度(A)だけ傾斜することにより、センサ部の角度が相殺される。これにより、検査装置は、電子部品のセンサ部が傾いていないものと同様に検査を行うことができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の検査装置において、当該検査装置には、前記温度調整機構を載置する第1載置台と、前記回転機構を載置する第2載置台とを備え、前記第1載置台及び前記第2載置台には、それぞれ前記角度調整機構が設けられ、前記第1載置台及び前記第2載置台は、それぞれ互いに独立して傾斜可能であることを要旨とする。
【0024】
この発明によれば、第1載置台及び第2載置台がそれぞれ独立に傾斜可能であるため、第1載置台の温度調整機構に第2載置台の回転機構に取り付けられた電子部品(または、電子部品を載置する載置治具)を確実に当接させることができる。その結果、温度調整機構から電子部品への伝熱を効率的に行うことができるため、電子部品の温度をより効率的に調整することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の検査装置において、前記載置台には、前記作業台に当接する装置載置台が設けられ、前記角度調整機構は、前記装置載置台よりも鉛直方向の上側に配置されることを要旨とする。
【0026】
この発明によれば、角度調整機構が装置載置台よりも鉛直方向の上側に配置されるため、例えば、検査装置を板状の作業台の上に載置したときに、作業台よりも鉛直方向の下側に角度調整機構が配置されてしまうことを抑制することができる。したがって、作業台に角度調整機構を配置するための貫通孔等のスペースを設ける必要がないため、検査装置を作業台に容易に設置することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、冷却液の熱損失を抑制することにより、設定された温度における電子部品の測定を高精度に行うことのできる検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施形態)
図1〜図8を参照して、本発明の検査装置を、加速度センサを測定するための検査装置として具体化した第1の実施形態について説明する。なお、図2において、温度調整機構30の詳細な構造、及び角度調整機構50を省略している。
【0029】
以降では、検査装置M1において、重力方向に沿った方向を「上下方向」とし、回転機構20及び温度調整機構30が互いに並べられる方向を「左右方向」とし、これら上下方向及び左右方向のそれぞれに直交する方向を「前後方向」とする。また、上下方向において、載置台10側を「下側」とし、回転機構20及び温度調整機構30側を「上側」とする。また、左右方向において、回転機構20側を「右側」とし、温度調整機構30側を「左側」とする。また、前後方向において、第1温度調整部31を「前側」とし、第2温度調整部32を「後側」とする。また、以降では、「上下方向」は、鉛直方向に沿った方向となる。
【0030】
図1に示すように、検査装置M1は、左右方向に2個並べられる載置台10と、左右方向の右側の第1載置台11に載置された回転機構20と、左右方向の左側の第2載置台12に載置された2個の温度調整機構30とにより構成されている。また、回転機構20には、加速度センサAを載置する載置治具であるヘッド部40が固定されている。また、載置台10には、この載置台10を傾斜させる角度調整機構50が取り付けられている。
【0031】
この検査装置M1は、温度調整機構30によって、測定対象の電子部品である加速度センサA(図7参照)の温度を所定の測定温度に設定した後、一の温度調整機構30である第1温度調整部31にヘッド部40を当接した状態において、加速度センサA(図7参照)の出力電圧を測定する。そして、回転機構20によって、加速度センサAを保持した状態のヘッド部40を回転させて、他の温度調整機構30である第2温度調整部32にヘッド部40を当接させる。そして、この状態において、加速度センサAの出力電圧を測定する。以上により、加速度センサAの温度及び姿勢を変更した状態において、各状態における加速度センサAの出力電圧を測定することができる。以下、各構成要素の詳細について説明する。
【0032】
図1に示すように、載置台10を構成する第1載置台11及び第2載置台12は、別部材となる板状により形成されている。そして、第1載置台11及び第2載置台12のそれぞれは、角度調整機構50により、互いに独立して傾斜することが可能である。また、以降においては、第1載置台11及び第2載置台12を区別しないときは、「載置台10」とする。
【0033】
図2に示すように、回転機構20は、第1載置台11に固定されるとともに、上下方向の上側に延設される基台21と、基台21に固定される第1回転機構22と、基台21より左右方向の右側に配設されるとともに、第1回転機構22によって基台21に対して回転可能となる回転ユニット23とにより構成されている。この第1回転機構22により、回転ユニット23は、左右方向に沿った軸を中心として回転する。
【0034】
基台21は、第1載置台11に固定される平板状の下側固定部211と、下側固定部211の上面に固定される略四角柱形状の基部212と、基部212の上面に固定される平板状の上側固定部213とにより構成されている。
【0035】
第1回転機構22は、基部212より左右方向の右側に配設されるモータ部221と、上側固定部213の上面に固定される減速機222と、モータ部221及び減速機222を互いに接続するプーリ223とにより構成されている。プーリ223は、モータ部221の左右方向の右側に延設された出力軸に設けられた図示しない第1カップリングと減速機222の左右方向の左側に延設された軸部に設けられた第2カップリング224とをベルト225により接続することにより構成されている。ここで、プーリ223は、モータ部221と基部212との左右方向の間に配設されている。ここで、モータ部221は、例えば、ステッピングモータが使用され、減速機222は、例えば、1/50に減速可能なハーモニックギアが使用される。
【0036】
回転ユニット23は、基台21より左右方向の左側に配設されるとともに、上下方向に延設される板状の軸固定部231が減速機222の軸部のうち、第2カップリング224とは左右方向の反対側に部位に固定されることにより、基台21に対して回転可能としている。そして、軸固定部231には、この軸固定部231に対して、図2において上下方向に移動可能な可動体232を移動させる駆動機構233が固定されている。また、可動体232には、ヘッド部40を上下方向に沿った軸を中心軸J2(垂直回転軸)として回転させる垂直軸回転機構である第2回転機構234が設けられている。この第2回転機構234は、可動体232の上面に固定されたモータ部235と、可動体232に固定されて上下方向の下側に延設されるとともにモータ部235の出力軸と接続する減速機236とにより構成されている。また、減速機236の下面には、ヘッド部40が固定されている。ここで、駆動機構233は、例えば、ステッピングモータと、このステッピングモータの回転を上下方向に沿った直線運動に変換する直線運動変換部とを組み合わせたアクチュエータが使用される。また、第2回転機構234は、例えば、モータ部235として、ステッピングモータが、減速機236として、1/50に減速可能なハーモニックギアが使用される。
【0037】
再び図1に示すように、温度調整機構30は、第2載置台12に固定される第1温度調整部31と、第2載置台12に支持台321を介して固定されるとともに第1温度調整部31に対して垂直な方向に配設される垂直温度調整機構である第2温度調整部32とにより構成されている。なお、第1温度調整部31及び第2温度調整部32は、同一のものを使用しているため、第1温度調整部31の説明を行い、第2温度調整部32の説明は省略する。
【0038】
第1温度調整部31は、略直方体にて形成されるとともに、ヘッド部40の下面と当接する板状の当接部311が設けられている。そして、当接部311の下面側には、冷却源及び加熱源となるペルチェ素子312が配置されている。そして、ペルチェ素子より上下方向の下側には、ペルチェ素子を加熱及び冷却する冷却ユニット313が配設されている。この冷却ユニット313は、図示しない補助冷却装置(チラー装置)に冷却ホースを介して接続される。これにより、補助冷却装置から冷却ホースを介して冷却液が冷却ユニット313に供給される。
【0039】
ここで、加速度センサAが載置される面である第1温度調整部31の当接部311の当接面は、左右方向及び前後方向に沿った平面となるように配置されている。そして、第2温度調整部32の当接部322の当接面は、上下方向及び前後方向に沿った平面となるように配置されている。即ち、第2温度調整部32の当接面は、第1温度調整部31の当接面に対して直交する。また、各当接部311,322の当接面は、前後方向及び左右方向に沿った長方形にて構成された略十字形状にて形成されている。
【0040】
図3(a)に示すように、ヘッド部40は、加速度センサAが載置された測定ユニット41と、この測定ユニット41を図1における前後方向に摺動可能とするとともに、測定ユニット41を収容可能とするヘッド本体部42とにより構成されている。
【0041】
測定ユニット41は、加速度センサAを載置する載置部であるワーク治具411と、ワーク治具411より上下方向の上側に配置されるとともに各加速度センサAに接続することにより各加速度センサAの出力電圧を測定する電極部412とにより構成されている。
【0042】
ワーク治具411は、前後方向が長手方向となる長方形の板状に形成されるとともに、10個の加速度センサAをそれぞれ保持する溝形状の保持部413が設けられている。この加速度センサAは、前後方向に沿って一列にて並べられている。
【0043】
電極部412は、ワーク治具411に対応した長方形に形成されるとともに、ワーク治具411に配置された10個の加速度センサAにそれぞれ対応する位置に上下方向に延設される接触端子であるプローブ414が設けられている。このプローブ414が加速度センサAの各端子のそれぞれと電気的に接続することにより、加速度センサAの出力電圧がプローブ414により検出される。
【0044】
ヘッド本体部42には、前後方向を長手方向とする長方形の板状の治具保持部422が設けられている。この治具保持部422には、ワーク治具411が前後方向に摺動可能となる、前後方向に沿った溝形状である治具収容部421が設けられている。そして、治具保持部422の前後方向の中央部には、前後方向に離間するとともに、治具収容部421の左右方向の両側を挟むように上下方向に沿って延設された4本の円柱であるガイド部423がそれぞれ固定されている。そして、各ガイド部423の上端部には、上下方向において間隙を介して治具収容部421と対向する、前後方向を長手方向とする長方形の板状の中間固定部424が固定されている。
【0045】
治具保持部422と中間固定部424の上下方向の間には、図1における電極部412を上下方向に移動可能とする一対の移動機構を備えた移動部である電極移動機構425が配設されている。具体的には、電極移動機構425に設けられた貫通孔である挿通部426にガイド部423をそれぞれ挿通されて、治具収容部421に対する電極移動機構425の位置が決定されている(図3(b)参照)。
【0046】
電極移動機構425には、左右方向に離間した一対の前後方向を長手方向とする長方形の板状の部材であるとともに、それぞれ前後方向に沿って配設されるとともに前後方向に離間した2本のガイド部423に挿通される電極保持部427が設けられている。また、電極保持部427において、互いに対向する対向面のそれぞれには、左右方向に凹む溝形状である電極挿入部428が設けられている。そして、電極部412は、電極挿入部428に前後方向に挿入することにより、電極保持部427に保持される(図3(b)参照)。
【0047】
また、電極保持部427のそれぞれの前後方向の中央部には、シリンダー429によって、レバー430に固定されるとともに、レバー430を、支点431を中心に上下方向に回動することにより、上下方向に移動するカムブロック432が設けられている。このカムブロック432は、電極保持部427とも固定されているため、カムブロック432の上下方向の移動に伴い、電極保持部427はガイド部423にガイドされて上下方向に移動する。これにより、電極保持部427に保持された電極部412が上下方向に移動可能となる。したがって、電極移動機構425により、電極部412が上下方向に移動して、加速度センサAに対して、プローブ414の接続及び非接続の動作を行う。
【0048】
この具体的な構造としては、カムブロック432の中央部には、レバー430と接続するカムフォロア433が設けられている。そして、レバー430は、カムフォロア433から前後方向に沿って延設されている。このレバー430の前後方向の後側には、このレバー430のそれぞれを左右方向に貫通する貫通孔である挿入部が設けられ、左右方向に沿って配置される円柱形状の軸体434がこれら挿入部に挿通されている。この軸体434が支点431を形成している。また、シリンダー429は、カムフォロア433と軸体434との前後方向の間に配設されるとともに、レバー430と接続している。このシリンダー429は、レバー430と接続される出力軸が上下方向に移動可能となるように配置されている。そして、シリンダー429の上下方向の移動に伴いレバー430が支点431を中心に上下方向に回動する。
【0049】
また、電極保持部427の前後方向の後側の端部には、上下方向の上側に延設されるとともに、中間固定部424の前後方向の後側の端部に設けられた上側締結部435とボルトによって固定される下側締結部436が設けられている。上側締結部435には、前後方向に離間するとともに、ボルトを挿通するための2つの貫通孔が設けられ、下側締結部436には、上側締結部435の2つの貫通孔に対応した位置に設けられるとともに、ボルトを締結する締結孔が設けられている。
【0050】
また、中間固定部424の上面には、前後方向が長手方向となる長方形の板状のヘッド固定部437が固定されている。これら中間固定部424及びヘッド固定部437のそれぞれの中央部には、ヘッド部40の上下方向の下部を挿通する挿通部438,439が設けられている。
【0051】
また、電極保持部427において、ガイド部423と左右方向に同位置、且つ前後方向の前側及び後側には、上下方向に貫通する貫通孔440が設けられている。また、治具保持部422及びヘッド固定部437において、貫通孔440と対応する位置には、それぞれ貫通孔441,442が設けられている。そして、これら貫通孔440〜442には、電極保持部427を上下方向の上側に付勢する付勢手段443が挿通されている。この付勢手段443は、4本の円柱形状の支持柱444に弾性部材であるコイルばね445がそれぞれ挿通された状態にて構成されている。これらコイルばね445は、ばね力が互いに等しく設定されている。そして、付勢手段443は、電極保持部427の上面にコイルばね445が当接するとともに圧縮された状態にて維持されている。これにより、電極保持部427は、ワーク治具411に向かい付勢された状態となる。したがって、電極保持部427に保持された電極部412がワーク治具411に載置された加速度センサAに向かい付勢された状態となる。
【0052】
また、付勢手段443により、電極保持部427を付勢する力が、電極保持部427の場所によってばらつくことを抑制することができる。したがって、電極保持部427と治具保持部422とを互いに平行に配置することが可能となる。即ち、加速度センサAの上面A2と、この上面A2に上下方向に対向する電極部412の対向面412aとを互いに平行に維持することができる。
【0053】
次に、図1及び図4〜図6を参照して、検査装置M1が加速度センサAを測定する態様について説明する。本実施形態の加速度センサAにおいては、車両に搭載される電子機器に内蔵されることを想定して、温度範囲を−30℃〜85℃として測定を行っている。特に、本実施形態では、−30℃、25℃、及び85℃の3段階の測定温度において、加速度センサAの出力電圧を測定している。上記各測定温度において、検査装置M1の測定の態様は同様であるため、−30℃の際の検査装置M1の測定の態様を説明し、25℃及び85℃の際の検査装置M1の測定の態様は省略する。
【0054】
図1に示すように、まず、ヘッド部40を第1温度調整部31に当接した状態にて配置する。具体的には、回転ユニット23の駆動機構233によって可動体232を上下方向の下側に移動させることにより、ヘッド部40の治具保持部422が、第1温度調整部31の当接部311の当接面に当接させる。この状態において、加速度センサAのセンサ部A1の上面A2(図6参照)は、上記当接面と平行である上下方向に対して垂直方向(即ち、左右方向及び前後方向に沿って形成される平面方向)となる。
【0055】
次いで、この加速度センサAのセンサ部の配置状態において、検査装置M1は、加速度センサAの出力電圧を測定する。具体的には、ヘッド部40の電極移動機構425によって電極部412を上下方向に移動させることにより、電極部412を各加速度センサAに電気的に接続する。そして、各加速度センサAのセンサ部A1の上面A2に対して垂直方向の静止加速度を出力電圧として電極部412が検出する。これにより、検査装置M1は、図6に示す加速度センサAのセンサ部A1に加わる静止加速度G1による出力電圧を測定する。
【0056】
次に、図4に示すように、第2温度調整部32の温度を調整した後、第1回転機構22によってヘッド部40を90°回転させることにより、治具保持部422を第2温度調整部32に当接した状態にて配置する。具体的には、図1の状態から駆動機構233によって可動体232を上下方向の上側に移動させることにより、治具保持部422を第1温度調整部31の当接部311の当接面から離間させる。次いで、第1回転機構22により、第2カップリング224の中心において左右方向に沿った軸を中心軸J1として90°回転させる。最後に、駆動機構233によって可動体232を前後方向の前側に移動させることにより、治具保持部422を第2温度調整部32の当接部322の当接面に当接させる。この状態において、加速度センサAのセンサ部A1の上面A2は、当接部322の当接面と平行である左右方向に対して垂直方向(即ち、前後方向及び上下方向に沿って形成される平面方向)となる。なお、第2温度調整部32の温度の調整は、第1温度調整部31の温度の調整と同時に行ってもよい。
【0057】
次いで、この加速度センサAのセンサ部A1の配置状態において、上述のように検査装置M1が加速度センサAの出力電圧を測定する。これにより、電極部412は、各加速度センサAのセンサ部A1の上面A3に対して水平方向の静止加速度を出力電圧として検出する。即ち、検査装置M1は、図6に示す加速度センサAのセンサ部A1に加わる静止加速度G2による出力電圧を測定する。
【0058】
次に、図5に示すように、第2回転機構234によってヘッド部40を前後方向を中心軸として90°回転させた後に、治具保持部422を第2温度調整部32に当接した状態にて配置する。具体的には、図4の状態から駆動機構233によって可動体232を前後方向の後側に移動させることにより、治具保持部422を第2温度調整部32の当接部322の当接面から離間させる。次いで、第2回転機構234により、減速機236の中心において前後方向に沿った軸を中心軸J2として、回転方向Xに向かい90°回転させる。最後に、駆動機構233によって可動体232を前後方向の前側に移動させることにより、治具保持部422を第2温度調整部32の当接部322の当接面に当接させる。この状態において、加速度センサAのセンサ部A1の上面A3は、図5の状態から左右方向を中心軸として90°回転した状態となる。
【0059】
次いで、この加速度センサAのセンサ部の配置状態において、上述のように検査装置M1が加速度センサAの出力電圧を測定する。これにより、図4の状態から中心軸J2を中心として回転方向Xに向かい90°回転した状態における各加速度センサAのセンサ部A1の上面A3に対して水平方向の静止加速度を出力電圧として電極部412は検出する。即ち、検査装置M1は、図6に示す加速度センサAのセンサ部A1に加わる静止加速度G3による出力電圧を測定する。
【0060】
ここで、ヘッド部40の中心軸J2を中心とした回転は、図4の状態から図5の状態への90°の回転のみではなく、図5の状態からさらに回転方向Xに向かい90°回転させた状態、及び図5の状態からさらに回転方向Xに向かい180°回転させた状態についても、同様に各加速度センサAのセンサ部A1の静止加速度を出力電圧として電極部412は検出する。これらにより、検査装置M1は、図6に示す加速度センサAのセンサ部A1に加わる静止加速度G4,G5による出力電圧をそれぞれ測定する。
【0061】
以上の一連の検査装置M1の測定の態様は、温度が25℃及び85℃においても同様に行われる。なお、これら温度の変更に関しては、温度調整機構30により行われる。これにより、検査装置M1によって、図6に示すG1〜G5の2軸の静止加速度について測定が可能となる。
【0062】
次に、図7〜図10を参照して、検査装置M1が、センサ部B1がパッケージ部B2に対して傾斜している加速度センサBを測定する態様について説明する。
まず、図7を参照して、加速度センサBの構成の概略、及び加速度センサBの適用例について説明する。
【0063】
図7に示すように、加速度センサBは、センサ部B1がパッケージ部B2によって外囲された平面視において長方形にて形成されている。そして、センサ部B1は、パッケージ部B2の上面B3及び下面B4に対して10°傾斜した状態にて、パッケージ部B2内に配置されている。
【0064】
このような、加速度センサBは、例えば、図8に示すように、車両に搭載されたカーナビゲーションCの液晶モニターである画面C1の裏側に、画面C1と平行となるように配置された回路基板(例えば、硬質プリント配線板)C2に実装されている。この画面C1は、搭乗者が見やすいように、鉛直方向に対して所定角度(例えば、10°)傾斜している。そのため、この画面C1と平行に配置された回路基板C2に実装された加速度センサBも傾斜している。ところで、加速度センサBのセンサ部B1がパッケージ部B2に対して傾斜しているため、センサ部B1は、鉛直方向に沿って配置されることになる。このセンサ部B1の配置構成により、加速度センサBは、良好に静止加速度を出力電圧に変換することができる。
【0065】
次いで、図9及び図10を参照して、検査装置M1が加速度センサBを測定する態様について説明する。特に、本実施形態では、ヘッド部40が第2温度調整部32に当接した状態の測定の態様について説明する。
【0066】
まず、角度調整機構50によって載置台10が傾斜する構造について説明する。
図9及び図10に示すように、検査装置1は、第1載置台11及び第2載置台12のそれぞれの左右方向の両端に設けられた設置部111,121と、2つの角度調整機構50にそれぞれ設けられた設置部51によって、作業台(不図示)に設置される。具体的には、設置部111,121は、作業台の上面に載置され、設置部51は、作業台の下面に載置されて、それぞれをボルトによって固定する。これにより、検査装置M1は、作業台を上面及び下面から挟んだ上で、作業台に固定されるため、作業台に安定して載置される。
【0067】
また、2つの角度調整機構50は、第1載置台11及び第2載置台12の前後方向の後側の端部にそれぞれにジョイント部52を介して接続されている。そして、角度調整機構50は、モータ部53の回転を直線運動(上下方向への移動)に変換された軸部54により、第1載置台11及び第2載置台12のそれぞれを移動させる。
【0068】
具体的には、設置部111,121のそれぞれには、第1載置台11及び第2載置台12のそれぞれに固定されるとともに、上下方向の下側に延設される回動部112,122(回動部122については、図2参照。)が設けられている。そして、回動部112,122の左右方向に近接して配置されるとともに、作業台に固定される軸受部113,123(軸受部123については、図2参照。)が設けられている。そして、これら回動部112,122及び軸受部113,123には、左右方向に貫通する貫通孔が設けられるとともに、これら貫通孔をそれぞれ左右方向に挿通する円柱形状の軸部13が設けられている。
【0069】
そして、図9に示すように、第1載置台11を上下方向の上側に向かい傾斜させる際には、角度調整機構50の軸部54が第1載置台11の前後方向の後側の端部を上側に押し上げる。このとき、第1載置台11は、軸部13を中心として、上下方向の上側に回動する。
【0070】
次いで、検査装置M1の加速度センサBの測定の態様について説明する。
図9に示すように、検査装置M1は、角度調整機構50の軸部54を上下方向の上側に移動させることにより、図2の第1載置台11の状態から第1載置台11を10°傾斜させる。このとき、第2温度調整部32は、第1載置台11の傾斜に伴い、上下方向に対して、前後方向の前側に10°傾斜する。即ち、第2温度調整部32の当接部322の当接面は、上下方向に対して、前後方向の前側に10°傾斜した状態となる。次いで、図11に示すように、同様に、第2載置台12を10°傾斜させる。これにより、当接部322の当接面と、ワーク治具411(即ち、加速度センサB)とが平行となる。そして、この状態において、駆動機構233により、前後方向の前側にヘッド部40を移動させることによって、当接部322の当接面と治具保持部422とを当接させる。これにより、加速度センサBのセンサ部B1の上面の傾斜方向に対して、第1載置台11がその傾斜方向とは反対方向に傾斜させるため、加速度センサBのセンサ部B1の上面は、前後方向及び左右方向によって形成された平面方向と平行な状態となる。
【0071】
次いで、この当接部322の当接面と治具保持部422とを当接させた状態において、第1の実施形態と同様に、加速度センサBの出力電圧を測定する。そして、また第1の実施形態と同様に、加速度センサBを中心軸J2を中心として回転方向Xに向かい90°、180°、270°にそれぞれ回転させた上で、加速度センサBの出力電圧を測定する。以上により、加速度センサBの測定される静止加速度は、上記加速度センサAの測定される静止加速度G2〜G5と同様の方向において測定される。
【0072】
以上の測定の態様は、第1温度調整部31においても同様である。即ち、第1温度調整部31を前後方向及び左右方向にて形成される平面に対して10°傾斜させた上で、この当接部311の当接面と平行となるように治具保持部422を当接させる。この状態において、加速度センサBのセンサ部B1の上面は、前後方向及び左右方向にて形成される平面方向に対して平行となり、加速度センサBは、上記加速度センサAの測定される静止加速度G1に相当する静止加速度が測定される。
【0073】
本実施形態の検査装置M1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の検査装置M1によれば、回転機構20及びこの回転機構20に固定されたヘッド部40に設けられたワーク治具411に載置された加速度センサAは、第2載置台12に固定された温度調整機構30に対して、回転可能である構成とする。この構成によれば、温度調整機構30は、第2載置台12に固定されるため、静止しており、加速度センサAは、回転機構20のヘッド部40に取り付けられるため、温度調整機構30に対して回転する。
【0074】
ここで、図15及び図16に示す従来構造の検査装置1では、温度調整部5と垂直回転軸6とが同時に回転するため、冷却液を通すホースのねじれを防止することを目的として、ロータリージョイント7bを設ける必要があった。その点において、本実施形態の検査装置M1は、回転機構20のみが温度調整機構30に対して回転するため、上記従来構造のようにロータリージョイント7bを設ける必要がなくなる。したがって、温度調整機構30は、ロータリージョイントに冷却液が通ることにより発生する熱損失を回避することができる。その結果、温度調整機構30は、治具保持部422及びワーク治具411を介して加速度センサAの温度を容易に調整することができる。
【0075】
(2)本実施形態の検査装置M1によれば、回転機構20は、第1回転機構22と、第1回転機構22の回転軸である中心軸J1に直交する回転軸である中心軸J2を有する第2回転機構234とを有し、温度調整機構30は、第1温度調整部31と、第1温度調整部31の当接面に対して、垂直な当接面を有する第2温度調整部32とを有する構成である。この構成によれば、加速度センサAの姿勢を2軸に調整することが可能となる。
【0076】
ここで、上記従来構造の検査装置1では、加速度センサAの姿勢が1軸のみに適用される装置であるため、加速度センサAの姿勢を2軸に調整する場合、例えば、図17に示すように、検査装置1を2台並べて、それぞれの加速度センサAの姿勢について検査する必要があった。これにより、検査装置1を配置するスペースが増大するため、例えば、加速度センサAを製造する工場の製造ラインの省スペース化を困難にしていた。その上、加速度センサAの各軸の姿勢を測定するごとに、次の検査装置1に加速度センサAを搬送する必要があるため、加速度センサAの2軸の姿勢を測定する際の測定時間が増大してしまう問題があった。
【0077】
その点において、本実施形態の検査装置M1では、第1回転機構22及び第2回転機構234と、第1温度調整部31及び第2温度調整部32をそれぞれ有しているため、1台の検査装置M1において加速度センサAの2軸の姿勢を測定することができる。したがって、図17に示す従来構造と比較して、上記工場の製造ラインの省スペース化を達成するとともに、加速度センサAを次の検査装置に搬送することもないため、加速度センサAの測定時間の増大を抑制することができる。
【0078】
(3)本実施形態の検査装置M1によれば、温度調整機構30の第1温度調整部31の当接部311の当接面及び第2温度調整部32の当接部322の当接面に対して、ヘッド部40を当接及び離間可能とする駆動機構233を備える構成である。この構成によれば、ヘッド部40を第1温度調整部31及び第2温度調整部32に対して回転する際には、駆動機構233により、ヘッド部40を各当接面に対して離間させることにより、ヘッド部40と各当接面との接触を回避することができる。そして、ヘッド部40を回転した後、ヘッド部40を第1温度調整部31及び第2温度調整部32の各当接面に対向した位置に配置された際には、駆動機構233により、ヘッド部40を各当接面に当接させる。これにより、第1温度調整部31及び第2温度調整部32は、ヘッド部40のワーク治具411に載置された加速度センサAの温度の調整を行うことが可能となる。
【0079】
また、駆動機構233は、ステッピングモータ等の電動モータと、この電動モータの回転を直線運動に変換する直線運動変換部とにより構成される。この構成によれば、駆動機構233をシリンダーとして構成した場合よりも、上記各当接面にヘッド部40を当接させる際の衝撃を緩和することが可能となる。その結果、各当接面にヘッド部40を当接させる際の衝撃により、ワーク治具411に対して加速度センサAの位置がずれることを抑制することができる。その結果、ワーク治具411に対する加速度センサAの位置ずれに起因して、加速度センサAに対する電極部412の接触圧が変化してしまうことを抑制することができる。
【0080】
(4)本実施形態の検査装置M1によれば、ヘッド部40には、電極保持部427を上下方向の上側に付勢する付勢手段443である4本の支持柱444、及び各支持柱444に挿通されるコイルばね445が設けられる構成である。この構成によれば、加速度センサAの上面A2と電極部412の対向面412aとが互いに平行に維持することが可能であるため、ワーク治具411に保持された10個の加速度センサAに接触するプローブ414の配置位置に起因する接触圧のばらつきを抑制することができる。
【0081】
(5)本実施形態の検査装置M1によれば、センサ部B1がパッケージ部B2に対して傾斜した加速度センサBを測定する際、角度調整機構50により、第1載置台11及び第2載置台12を傾斜させることによって第1温度調整部31の当接面及び第2温度調整部32の当接面を傾斜させ、センサ部B1が前後方向及び左右方向にて形成される平面方向に対して平行となるように調整している。これによれば、角度調整機構50により、センサ部B1のパッケージ部B2に対する傾きを相殺して、上記平面方向に平行とすることが可能となるため、センサ部B1が傾斜した加速度センサBの測定においても、加速度センサAと同様の測定にて測定することが可能となる。
【0082】
(6)第1載置台11及び第2載置台12が一つの角度調整機構50により、傾斜可能とした場合、第1温度調整部31の当接面に対する第2回転機構234の中心軸J2の直角度、及び第2温度調整部32の当接面に対する第2回転機構234の中心軸J2の直角度は、検査装置M1の組み立て状態に依存してしまう。そのため、これら上記直角度は、検査装置M1の組み立て後に調整することが困難であった。その結果、これら上記直角度がずれていた場合、上記当接面にヘッド部40の治具保持部422が平行に当接することができず、加速度センサAへプローブ414が接触する接触圧が、プローブ414の配置位置に起因してばらついてしまう可能性があった。
【0083】
その点において、本実施形態の検査装置M1によれば、第1載置台11及び第2載置台12のそれぞれに角度調整機構50が取り付けられ、第1載置台11及び第2載置台12のそれぞれは、独立に傾斜可能である構成とするため、検査装置M1の組み立て後においても、これら上記直角度の調整が可能である。したがって、加速度センサAへプローブ414が接触する接触圧のばらつきを抑制することができる。その結果、検査装置M1は、加速度センサAの高精度な測定を行うことができる。
【0084】
(7)本実施形態の検査装置M1では、第1温度調整部31の当接部311及び第2温度調整部32の当接部322のそれぞれの当接面の形状は、直交する2つの長方形にて形成された略十字形状である。そして、各長方形の面積は、治具保持部422の下面の面積と略同一である。これにより、各当接面は、第2回転機構234によって治具保持部422を、中心軸J2を中心として0°、90°、180°、及び270°回転した際に、治具保持部422の下面全面とそれぞれ上記一方の長方形の上面とのみ当接する。したがって、各当接面を第1温度調整部31及び第2温度調整部32の各上面の全面である正方形としてそれぞれ形成した場合と比較して、各当接面と治具保持部422との接触しない部分の面積が減少するため、各当接面から外部へ放熱する熱損失を低減することが可能となる。
【0085】
(第2の実施形態)
図11及び図12を参照して、本発明の検査装置を、加速度センサを測定するための検査装置として具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、温度調整機構30の構成が異なるのみであるため、同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
まず、図11を参照して、検査装置M2の構造について説明する。
図11に示すように、温度調整機構30は、第1温度調整部31及び第2温度調整部32に加え、同軸温度調整機構である第3温度調整部33が設けられている。具体的には、第2温度調整部32の支持台321には、第2温度調整部32より上下方向の上側に延設された上、前後方向の後側に延設される延長部323が設けられている。そして、第3温度調整部33は、この延長部323に固定されている。より具体的には、第3温度調整部33は、第1温度調整部31に対して、第1回転機構22の中心軸J2を中心に180°離間した位置に配置されている。また、第3温度調整部33は、第1温度調整部31の前後方向及び左右方向の位置と同位置である。即ち、第3温度調整部33は、第1温度調整部31と同軸に配置される。
【0087】
次いで、図12を参照して、検査装置M2が加速度センサAを測定する態様について説明する。以下、温度調整機構30により、加速度センサAの測定温度は予め設定されている。
【0088】
図12に示すように、ヘッド部40は、第1回転機構22により、図11に示すヘッド部40の位置から、さらに90°回転した位置に移動される。具体的には、図11に示すヘッド部40の位置から、まず、駆動機構233によりヘッド部40を前後方向の後側に移動させて、第2温度調整部32の当接部322の当接面と治具保持部422とを離間させる。次いで、第1回転機構22によりヘッド部40を90°回転した位置に移動させる。最後に、駆動機構233によりヘッド部40を上下方向の上側に移動させることにより、第3温度調整部33の当接部331の当接面と治具保持部422とを当接させる。
【0089】
次いで、この当接部331の当接面と治具保持部422とを当接させた状態において、電極部412(図11参照)により、加速度センサAの出力電圧を測定する。これにより、検査装置M2は、図6に示す加速度センサAのセンサ部A1に加わる静止加速度G7による出力電圧を測定する。
【0090】
また、加速度センサBを測定する場合においても、第1の実施形態の加速度センサBの測定の態様と同様である。即ち、角度調整機構50により、第1載置台11及び第2載置台12をそれぞれ傾斜させることにより、加速度センサBのセンサ部B1の上面(図7参照)が、前後方向及び左右方向によって形成される平面方向に沿うようにした上で、電極部412によって加速度センサBの出力電圧を測定する。
【0091】
本実施形態の検査装置M2によれば、第1の実施形態の検査装置M1の効果(1)、(3)〜(7)に加え、以下の効果を奏することができる。
(8)本実施形態の検査装置M2によれば、第1温度調整部31と同軸であり、第2温度調整部32と垂直な位置に配置されるとともに、第1温度調整部31とは、ヘッド部40を介して反対側に配置された第3温度調整部33を備える構成である。この構成によれば、加速度センサA,Bのそれぞれを3軸の姿勢において測定することが可能となる。したがって、図17に示す従来構造のように加速度センサAを測定するために、検査装置1を3台並べる必要がなくなる。その結果、上記工場の製造ラインの省スペース化を達成するとともに、加速度センサAを次の検査装置に搬送することもないため、加速度センサAの測定時間の増大を抑制することができる。
【0092】
(第3の実施形態)
図13及び図14を参照して、本発明の検査装置を、加速度センサを測定するための検査装置として具体化した第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、角度調整機構50の構成が異なり、設置台60が追加された構成であるため、変更部分についてのみ説明し、同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
図13及び図14に示すように、検査装置M3は、載置台10の上下方向の下側に間隙を介して配置されるとともに、2つの角度調整機構50を介して、載置台10を保持する装置載置台である設置台60が設けられている。即ち、2つの角度調整機構50は、載置台10及び設置台60の上下方向の間に配置されている。言い換えれば、角度調整機構50は、装置載置台より鉛直方向の上側に配置されている。
【0094】
具体的には、まず2つの角度調整機構50は、それぞれ検査装置M3の左右方向の端部に配置されるとともに、設置台60に固定されたL字形状の板である角度調整機構保持部61によって保持されている。ここで、2つの角度調整機構50は、それぞれ前後方向に沿った状態にて、角度調整機構保持部61に固定されている。
【0095】
次いで、角度調整機構50の軸部54は、連結部材62を介して、設置台60の前後方向の前側の端部に設けられた載置台移動機構63と接続されている。この載置台移動機構63には、設置台60の前後方向の前側の端部に固定される軸受体631が設けられている。そして、軸受体631の左右方向の両側には、連結部材62と接続する第1レバー632と、第1レバー632と左右方向において軸受体631の反対側に配置される第2レバー633とが設けられている。そして、軸受体631、第1レバー632、及び第2レバー633には、それぞれ左右方向に沿った貫通孔が設けられており、その貫通孔に軸部634が挿通されている。ここで、軸部634は、第1レバー632及び第2レバー633に対しては固定され、軸受体631に対して摺動可能となっている。また、第2レバー633の前後方向の後側の端部は、第1載置台11の前後方向の前側において上下方向の下側に向かい延設される第1レバー固定部14及び第2載置台12の前後方向の前側において上下方向の下側に向かい延設される第2レバー固定部15にそれぞれ接続されている。
【0096】
以下、載置台移動機構63により第1載置台11が傾斜する原理について説明する。
この載置台移動機構63は、角度調整機構50の軸部54が前後方向の前側に移動した場合、第1レバー632の連結部材62と接続される上端部が軸部634を中心として前後方向の前側に回動することに伴い、軸部634を介して第2レバー633が軸部634を中心として上下方向の上側に回動する。第2レバー633は、第1レバー固定部14に接続されているため、軸部13を中心として第1載置台11の前後方向の前側が上側となるように傾斜する。
【0097】
一方、角度調整機構50の軸部54が前後方向の後側に移動した場合、第1レバー632の連結部材62と接続される上端部が軸部634を中心として前後方向の後側に回動することに伴い、軸部634を介して第2レバー633が軸部634を中心として上下方向の下側に回動する。これに伴い、第1載置台11の前後方向の前側が下側となるように傾斜する。また、第2載置台12についても、第1載置台11と同様の原理にて傾斜する。
【0098】
以上の構成により、検査装置M3は、作業台に設置台60が載置された上、角度調整機構50が前後方向に沿って配設されるため、検査装置M3が作業台よりも上下方向の下側に突出するものがなくなる。
【0099】
本実施形態の検査装置M3によれば、第1の実施形態の検査装置M1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果を奏することができる。
(9)本実施形態の検査装置M3によれば、角度調整機構50が載置台10及び設置台60の上下方向の間に配置される構成とする。この構成によれば、角度調整機構50が作業台より上下方向の下側に突出することがないため、作業台に角度調整機構50を挿通するための貫通孔を設ける必要がなくなる。したがって、作業台に検査装置M3を容易に設置することができる。
【0100】
また、温度調整機構30によって、加速度センサA,Bの温度を調整する場合、密閉可能な筐体に検査装置M3を収容することによって行われる。この場合において、作業台より上下方向の下側に角度調整機構50が突出し、作業台(もしくは、筐体)に貫通孔を設けなければならない場合、検査装置M3を密閉にするために、貫通孔にシール構造を設けなければならない。また、貫通孔にシール構造を設けたとしても、完全に密閉できないため、温度調整機構30による加速度センサA,Bの温度の調整が困難であった。
【0101】
この点において、本実施形態の検査装置M3は、角度調整機構50が作業台より上下方向の下側に突出することがなく、作業台(もしくは、筐体)に貫通孔を設ける必要がないため、検査装置M3を密閉状態にすることが可能となる。その結果、温度調整機構30による加速度センサA,Bの温度の調整を容易に行うことができる。
【0102】
(その他の実施形態)
本発明の検査装置は、上記実施形態の検査装置M1〜M3に限定されることなく、以下の変更が可能である。
【0103】
・第3の実施形態の検査装置M3では、温度調整機構30が第1温度調整部31及び第2温度調整部32により構成されていたが、温度調整機構30の構成は、これに限定されることはない。例えば、第2の実施形態と同様に、第3温度調整部33を備えていてもよい。
【0104】
・第2の実施形態の検査装置M2では、第2温度調整部32の支持台321の延長部323に第3温度調整部33が固定される構成であったが、第2温度調整部32及び第3温度調整部33の構成は、これに限定されることはない。例えば、支持台321の延長部323に第3温度調整部33が固定されるのではなく、別部材の支持台を用意し、その支持台に第3温度調整部33を固定する構成であってもよい。この場合において、上記別部材の支持台は、第2載置台12に固定されることが望ましい。この構成により、第2載置台12の傾斜に伴い、第3温度調整部33の当接部331の当接面を傾斜させることが可能となる。
【0105】
・第1〜第3の実施形態の検査装置M1〜M3では、駆動機構233として、電動モータに回転直線運動変換機を組み合わせたアクチュエータを用いたが、駆動機構233の構成は、これに限定されることはない。例えば、駆動機構233に替えて、空気圧のシリンダーを用いてもよい。
【0106】
・第1〜第3の実施形態の検査装置M1〜M3では、温度調整機構30から治具保持部422を離間させるのに、駆動機構233を用いたが、温度調整機構30とワーク治具411との離間手段は、これに限定されることはない。例えば、角度調整機構50を用いて、当接部311側を移動させることにより、治具保持部422から当接面を離間させてもよい。
【0107】
・第1〜第3の実施形態の検査装置M1〜M3では、加速度センサBの傾斜角度が10°であるため、角度調整機構50によって、第1載置台11及び第2載置台12をそれぞれ10°傾斜したが、第1載置台11及び第2載置台12の傾斜角度は、これに限定されることはない。加速度センサBの傾斜角度と同じ角度を傾斜すればよいため、例えば、加速度センサBの傾斜角度が5°であれば、第1載置台11及び第2載置台12の傾斜角度は、5°であればよい。また、一般に、加速度センサBの傾斜角度は、5°〜15°の範囲内であるため、第1載置台11及び第2載置台12の傾斜角度も5°〜15°の範囲内であればよい。
【0108】
・第1〜第3の実施形態の検査装置M1〜M3では、電子部品として加速度センサA,Bの出力電圧を測定するために検査装置M1〜M3を用いたが、検査装置M1〜M3の用途は、これに限定されることはない。例えば、検査装置M1〜M3は、傾斜センサ等の他の電子部品の測定に用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の検査装置を、加速度センサを検査する検査装置として具体化した第1の実施形態について、同実施形態の検査装置の全体の斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態の検査装置について、同検査装置の全体の斜視構造を図1とは別の角度から示す斜視図。
【図3】(a)同実施形態の検査装置について、同検査装置のヘッド部の分解斜視構造を示す斜視図。(b)同実施形態の検査装置について、同検査装置のヘッド部の分解斜視構造を示す斜視図。
【図4】同実施形態の検査装置について、図1の状態からヘッド部が中心軸J1を中心に90°回転した場合の態様の斜視構造を示す斜視図。
【図5】同実施形態の検査装置について、図4の状態からヘッド部が中心軸J2を中心に90°回転した場合の態様の斜視構造を示す斜視図。
【図6】同実施形態の検査装置について、同検査装置によって測定される加速度センサの模式的な斜視構造を示す斜視図。
【図7】(a)同実施形態の検査装置について、同検査装置によって測定される加速度センサの模式的な側面構造を示す側面図。(b)同加速度センサの模式的な平面構造を示す平面図。
【図8】(a)加速度センサを搭載したカーナビゲーションの模式的な側面構造を示す側面図。(b)(a)の破線円の拡大構造を示す拡大図。
【図9】同実施形態の検査装置について、図5の状態から第2載置台が傾斜した態様の斜視構造を示す斜視図。
【図10】同実施形態の検査装置について、図9の状態から第1載置台が傾斜した態様の斜視構造を示す斜視図。
【図11】本発明の検査装置を、加速度センサを検査する検査装置として具体化した第2の実施形態について、同実施形態の検査装置の全体の斜視構造を示す斜視図。
【図12】同実施形態の検査装置について、図11の状態からヘッド部が中心軸J1を中心に90°回転した場合の態様の斜視構造を示す斜視図。
【図13】本発明の検査装置を、加速度センサを検査する検査装置として具体化した第3の実施形態について、同実施形態の検査装置の全体の斜視構造を示す斜視図。
【図14】同実施形態の検査装置について、同検査装置の側面構造を示す側面図。
【図15】従来の検査装置について、同検査装置の正面構造を示す正面図。
【図16】同従来の検査装置について、同検査装置の側面構造を示す側面図。
【図17】同従来の検査装置について、同検査装置にて3軸の加速度センサを測定する態様を示す平面図。
【符号の説明】
【0110】
A,B…加速度センサ(電子部品)、A1…センサ部、A2…上面(電子部品の面)、A3…上面、B1…センサ部、B2…パッケージ部、C…カーナビゲーション、C1…画面、C2…回路基板、1,1a,1b…検査装置、10…載置台、11…第1載置台、111…設置部、12…第2載置台、121…設置部、13…軸部、14…第1レバー固定部、15…第2レバー固定部、20…回転機構、21…基台、211…下側固定部、212…基部、213…上側固定部、22…第1回転機構、221…モータ部、222…減速機、223…プーリ、224…第2カップリング、225…ベルト、23…回転ユニット、231…軸固定部、232…可動体、233…駆動機構、234…第2回転機構(垂直回転機構)、235…モータ部、236…減速機、30…温度調整機構、31…第1温度調整部(温度調整機構)、311…当接部、32…第2温度調整部(垂直温度調整機構)、321…支持台、322…当接部、33…第3温度調整部(同軸温度調整機構)、331…当接部、40…ヘッド部、41…測定ユニット、411…ワーク治具、412…電極部、412a…対向面、413…保持部、414…プローブ(接触端子)、42…ヘッド本体部、421…治具収容部、422…治具保持部、423…ガイド部、424…中間固定部、425…電極移動機構(移動部)、426…挿通部、427…電極保持部、428…電極挿入部、429…シリンダー、430…レバー、431…支点、432…カムブロック、433…カムフォロア、434…挿入部、435…上側締結部、436…下側締結部、50…角度調整機構、51…設置部(装置載置台)、52…ジョイント部、53…モータ部、54…軸部、60…設置台、61…角度調整機構保持部、62…連結部材、63…載置台移動機構、631…軸受体、632…第1レバー、633…第2レバー、634…軸部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の特性を検査する検査装置において、
作業台に載置される載置台と、前記載置台に載置されるとともに電子部品の温度を調整する温度調整機構と、前記載置台に載置されるとともに前記電子部品を予め設定した角度に回転する回転機構とを備え、
前記回転機構は、前記電子部品を前記温度調整機構に対して回転可能とする
ことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査装置において、
当該検査装置は、前記回転機構の回転軸に対して、直交する回転軸である垂直回転軸を有するとともに前記電子部品を前記温度調整機構に対して回転可能とする垂直回転機構と、前記温度調整機構の前記電子部品が載置される面に対して直交する面を有する垂直温度調整機構とを備える
ことを特徴とする検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の検査装置において、
当該検査装置は、前記回転軸の前記回転軸に対して同軸であって、前記温度調整機構とは前記回転機構を介して反対側に位置する同軸温度調整機構を備える
ことを特徴とする検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の検査装置において、
前記回転機構は、前記回転軸を中心に270°の範囲内において回転し、
前記垂直回転機構は、前記垂直回転軸を中心に180°の範囲内において回転する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の検査装置において、
当該検査装置は、前記電子部品を前記温度調整機構及び前記垂直温度調整機構に対して離間及び近接可能な駆動機構を備える
ことを特徴とする検査装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の検査装置において、
当該検査装置は、前記電子部品を載置する載置治具を備え、
前記載置治具には、前記電子部品を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記電子部品と接触する端子である接触端子を有する電極部と、前記電極部を保持する電極保持部とが設けられ、
前記載置治具には、前記電極保持部を前記電子部品に向かい付勢することにより、前記電子部品の面と該面と対抗する前記電極部の対向面とを互いに平行に維持する付勢手段が設けられる
ことを特徴とする検査装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の検査装置において、
前記電子部品には、重力を検出するセンサ部が設けられ、
当該検査装置には、前記温度調整機構及び前記回転機構の角度を調整する角度調整機構を備え、
前記センサ部は、前記電子部品の面に対して角度(A)だけ傾斜し、
前記角度調整機構は、前記温度調整機構及び前記回転機構のそれぞれを前記センサ部の傾斜する方向とは反対側の方向に角度(A)だけ傾斜させる
ことを特徴とする検査装置。
【請求項8】
請求項7に記載の検査装置において、
当該検査装置には、前記温度調整機構を載置する第1載置台と、前記回転機構を載置する第2載置台とを備え、
前記第1載置台及び前記第2載置台には、それぞれ前記角度調整機構が設けられ、
前記第1載置台及び前記第2載置台は、それぞれ互いに独立して傾斜可能である
ことを特徴とする検査装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の検査装置において、
前記載置台には、前記作業台に当接する装置載置台が設けられ、
前記角度調整機構は、前記装置載置台よりも鉛直方向の上側に配置される
ことを特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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