説明

検索システム及びプログラム

【課題】 検索条件を選択する際の基準を明示する。
【解決手段】 入力手段(1)と、入力された検索条件を組み合わせて新たな検索条件を生成する検索条件生成手段(21)と、入力された検索条件、生成した検索条件を満たすデータを抽出する検索手段(22)と、検索条件と抽出したデータとを登録する登録手段(23)と、登録した各検索条件を満たすデータの件数に応じた面積の閉直/曲線図形を生成し、各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率を算出して各閉直/曲線図形の重なり部分を決定して出力する制御手段(24)と、制御手段から出力された各閉直/曲線図形を表示する表示手段(3)とを備えた検索システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジャンル、住所、施設名等の条件を入力して目的の物件を検索するなどの場合に、目的の物件が排除されたとき再入力する条件の基準を明示できるようにした検索システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ検索等で目的とする物件を検索する場合に、さまざまな条件(キーワード)を試行錯誤で選択して組み合わせ、検索データ数を絞り込んで適当なデータ数に達したところでリスト出力して目的とする物件を得るようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の検索システムにおいては、さまざまな検索条件を入力して組み合わせ、目的とする検索対象が得られたとき、どの検索条件がどの程度検索結果に寄与しているのか分からないのが実情である。そのため、どのような検索条件を付加する、或いはどのような検索条件を排除することで目的とする検索対象が得られるのかという基準を見い出すことは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決しようとするものであり、検索条件を選択する際の基準を明示することを目的とする。
そのために本発明の検索システムは、入力手段と、前記入力手段により入力された検索条件を組み合わせて新たな検索条件を生成する検索条件生成手段と、入力された検索条件、生成した検索条件を満たすデータを抽出する検索手段と、検索条件と抽出したデータとを登録する登録手段と、登録した各検索条件を満たすデータの件数に応じた面積の閉直/曲線図形を生成し、各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率を算出して各閉直/曲線図形の重なり部分を決定して出力する制御手段と、前記制御手段から出力された各閉直/曲線図形を表示する表示手段とを備えた個とを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、入力された検索条件を組み合わせて新たな検索条件を生成するステップ、入力された検索条件、生成した検索条件を満たすデータを抽出するステップ、検索条件と抽出したデータとを登録するステップ、登録した各検索条件を満たすデータの件数に応じた面積の閉直/曲線図形を生成し、各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率を算出して各閉直/曲線図形の重なり部分を決定して出力するステップ、出力された各閉直/曲線図形を表示するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、検索条件がどの程度検索結果に寄与しているのか視覚的に理解できるので、検索条件の選択基準を明示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態に係る検索システムの例を示す図である。入力装置1は、検索条件等を入力するキーボード、ディスプレイ上の位置を指示入力するマウス、タッチパネル等の総称である。検索処理装置2はコンピュータであり、入力装置1から入力された検索条件を組み合わせて生成する検索条件生成手段21、入力された検索条件、生成した検索条件で検索する検索手段22、各検索条件と抽出したデータとを登録する登録手段23、登録した各検索条件で抽出したデータ件数に応じた面積の閉曲線図形、閉直線(折れ線)図形、折れ線と曲線を組み合わせた閉直・曲線図形(以下、これらの図形を総称して閉直/曲線図形と言う)を生成するとともに、各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率を算出して各閉直/曲線図形の重なり部分を決定して出力する制御手段24を有している。表示装置3は、検索結果を表示するディスプレイ画面を有し、後述するように、画面にタッチすることでデータをリスト表示するなどの機能を有している。
【0007】
図2は本実施形態のシステムにおいて登録される管理データの例を示す図である。
この例では、ユーザから検索条件1、検索条件2が入力され、検索条件1で検索した結果件数が280件、検索条件2で検索した結果件数が619件であり、各検索条件と結果データとが管理データとして登録される。ここで、システムでは検索条件1と検索条件2の論理積である検索条件A(1and 2)を生成して検索し、結果件数が130件であり、検索条件Aと結果件数が登録される。ついで、ユーザから検索条件3が入力され、検索条件3により検索が行われて、結果件数309件となり、検索条件3と結果件数とが登録される。ここで、システムでは、既に登録されている全ての検索条件と新たに入力された検索条件とのすべての組み合わせ検索条件を生成する。すなわち、検索条件1、検索条件2、検索条件Aと、新たに入力された検索条件3とを組み合わせた検索条件B(1and 3)、検索条件C(2and 3)、検索条件D(1and 2and 3)を生成して検索する。この例では、検索条件Bでの結果件数20、検索条件Cでの結果件数279、検索条件Dでの結果件数0であり、各検索条件と結果件数とが管理データとして登録される。
【0008】
図3は検索処理フローを示す図である。
ステップS0は検索条件入力待ちの状態で、検索処理の始め、完了の状態を表している。まず、検索条件入力があると、入力された条件が確定したか否か判断し(ステップS1)、確定すると当該条件を満たすデータを抽出し(ステップS2)、検索条件と結果データを管理データとして登録する(ステップS3)。次いで、登録済みの検索条件を組み合わせた条件を生成し、組み合わせた条件のデータ評価が完了したか否か判断する(ステップS4)。完了していれば条件入力待ちとなり、完了していない場合、組み合わせた条件を満たすデータを抽出し(ステップS5)、検索条件と結果データの登録を行う(ステップS3)。こうして、全ての組み合わせた条件のデータ評価が完了すると、条件入力待ちとなり、ここまでの検索処理は終了する。
【0009】
図4は検索結果の表示例を示す図である。
ここでは3つの検索条件による結果件数を表示する例を示している。第1条件で抽出されたデータは1028件、第2条件で抽出されたデータは5607件、第3条件で抽出されたデータは208件とし、各件数に対応した面積S1、S2、S3を有する閉直/曲線図形10、11、12を生成する。閉直/曲線図形は円形、楕円形、その他任意の曲線からなる図形、或いは折れ線を繋ぎ合わせた図形、曲線と折れ線とを組み合わせた図形等からなる平面図形である。図形10、11、12の重なり具合は、単一の各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率、例えば、第1条件と第2条件を満たす件数が130件であれば、130/2028をS1に乗じた面積、130/5604をS2に乗じた面積が図形10、11の重なり部分となる。このように各図形の重なり部分を順次決定して図形10、11、12を描いて表示し、例えば、全部の条件を満たす重なり部分Aを強調表示する。この例で、重なり部分Aの件数が13件と仮定し、例えば、画面上で重なり部分Aにタッチすると、13件のデータのリストが表示される。
【0010】
このように各検索条件と結果件数を視覚的に表示すると、例えば、重なり部分Aの中に目的とする物件が含まれていた場合、第3条件が検索結果に効果的に寄与し、第2条件はあまり寄与していないことが分かる。また、重なり部分Aの中に目的とする物件が含まれていない場合、第3条件で絞り込みすぎていることが分かる。また、図形12が、図形11、12と離れていて重なり部分がないような場合には、第3条件は不適当な検索条件であることが分かる。
【0011】
なお、図2に示した管理データの例における検索結果を表示すると図5に示すようになる。この場合、条件1と条件2の両方を満たすデータは130件、条件1と条件3を満たすデータは20件、条件2と条件3を満たすデータは279件であり、条件1、条件2、条件3を満たすデータは0である。この場合、条件3は条件1と条件2との重なり部分Xと重なりを持たないため、適当な条件ではないと判断されるが、条件1と条件3とを満たす部分Yにタッチして、20件をリスト表示したとき、この中に目的の物件が存在すれば条件3は検索結果に有効に寄与し、条件2が排除すべき条件であることが分かる。また、前記20件の中に目的の物件が存在しなければ、条件2と条件3との重なり部分Zが279件もあるため、条件3は排除すべき条件と判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る検索システムの例を示す図である。
【図2】本実施形態の検索システムにおける管理データの例を示す図である。
【図3】検索処理フローを示す図である。
【図4】検索結果の表示例を示す図である。
【図5】管理データの検索結果表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0013】
1…入力装置、2…検索処理装置、3…表示装置、21…検索条件生成手段、22…検索手段、23…登録手段、24…制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段と、
前記入力手段により入力された検索条件を組み合わせて新たな検索条件を生成する検索条件生成手段と、
入力された検索条件、生成した検索条件を満たすデータを抽出する検索手段と、
検索条件と抽出したデータとを登録する登録手段と、
登録した各検索条件を満たすデータの件数に応じた面積の閉直/曲線図形を生成し、各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率を算出して各閉直/曲線図形の重なり部分を決定して出力する制御手段と、
前記制御手段から出力された各閉直/曲線図形を表示する表示手段と、
を備えた検索システム。
【請求項2】
前記制御手段は、要求に応じて重複データのリストを出力することを特徴とする請求項1記載の検索システム。
【請求項3】
入力された検索条件を組み合わせて新たな検索条件を生成するステップ、
入力された検索条件、生成した検索条件を満たすデータを抽出するステップ、
検索条件と抽出したデータとを登録するステップ、
登録した各検索条件を満たすデータの件数に応じた面積の閉直/曲線図形を生成し、各検索条件を満たすデータの件数と、各検索条件を満たすデータの中で他の検索条件も満たす重複データの件数との比率を算出して各閉直/曲線図形の重なり部分を決定して出力するステップ、
出力された各閉直/曲線図形を表示するステップ、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−43121(P2009−43121A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208901(P2007−208901)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】