説明

検索システム

【課題】記憶性を有する表示装置を備えた端末に記憶されているコンテンツの検索を迅速に行えるようにする。
【解決手段】コンピュータ装置20のWWWブラウザが、文書の検索機能を実現させるスクリプトが組み込まれたHTMLファイルを電子ペーパ装置10から受信すると、HTMLファイルの検索機能がWWWブラウザにおいて実現する。コンピュータ装置20は、電子ペーパ装置10に記憶されているファイルを検索する場合、電子ペーパ装置10に記憶されている索引ファイルを取得し、入力されたキーワードを取得した索引ファイルにおいて検索する。そして、索引ファイルにおいてキーワードに対応付けられているファイル名を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを検索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を供給しなくても同じ画像を長期間表示し続ける、所謂記憶性を有する表示装置を備えた端末として特許文献1に開示されている端末がある。この端末は、他の装置から受信したコンテンツを記憶し、記憶したコンテンツを記憶性を有する表示装置に表示させるものであり、カタログや書籍、ユーザが作成した文書などのコンテンツを表示する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−102661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末には複数の文書を記憶させることが可能であるが、記憶させた文書の数が多くなると、ユーザは、どのような文書が端末に記憶されているのか把握するのが難しくなる。この場合、端末において文書を検索する手段が必要となるが、特許文献1に開示されている端末で用いられるような組み込み用途向けのCPU(Central Processing Unit)においては、高度な検索手段を採用するとCPUへの負荷が高くなり、他の処理へ影
響を及ぼす虞がある。また、コンピュータ装置において検索を行う際には、検索結果が多数となると表示を切り替えて検索結果を表示させる必要があるが、電気泳動型の表示素子を備えた表示装置やコレステリック液晶を備えた表示装置などの記憶性を有する表示装置においては、表示の書き換えに時間がかかるため、ユーザの操作に応じて検索結果を素早く切り替えて表示させるのが難しく、ユーザが所望の文書を見つけるのに時間がかかってしまうこととなる。
【0005】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、その目的は、記憶性を有する表示装置を備えた端末に記憶されているコンテンツの検索を迅速に行えるようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、コンテンツを表すコンテンツデータと、該コンテンツを検索するためのページを表すページデータと、前記コンテンツデータを検索する機能を実現するプログラムとを記憶する記憶手段と、前記ページデータを要求するページ要求メッセージを受信するページ要求メッセージ受信手段と、前記ページ要求メッセージ受信手段で前記ページ要求メッセージが受信された場合、前記プログラムと前記ページデータとを前記記憶手段から読み出し、読み出したプログラムとページデータとを、前記ページ要求メッセージを送信した外部のコンピュータ装置へ送信するコンテンツ送信手段と、記憶性を備えた表示素子を有し、前記記憶手段に記憶されたコンテンツデータが表すコンテンツを表示する表示手段とを有する表示装置と、前記ページ要求メッセージを送信するページ要求メッセージ送信手段と、前記コンテンツ送信手段から送信されたプログラムとページデータとを受信するコンテンツ受信手段と、ページデータの内容を表示し、前記コンテンツ受信手段が受信したプログラムを実行することにより前記コンテンツデータを検索する機能を実現するブラウザ手段とを有するコンピュータ装置と、を有する検索システムを提供する。
【0007】
本発明においては、前記コンピュータ装置は、前記ブラウザ手段により前記プログラムが実行されると、コンテンツデータが表すコンテンツに含まれる単語と、該単語を含んで
いるコンテンツデータのファイル名とを対応付けた索引ファイルを生成する索引ファイル生成手段を実現し、ユーザにより入力されたキーワードを前記索引ファイルにおいて検索し、検索結果を前記ブラウザ手段により表示してもよい。
【0008】
また、本発明においては、前記表示装置は、ユーザを一意に特定する固有情報を受け取る固有情報受取手段と、前記固有情報受取手段が受け取った固有情報を基にして暗号鍵と復号鍵とを生成する鍵生成手段と、前記鍵生成手段で生成された鍵を前記外部のコンピュータ装置へ送信する鍵送信手段とを有していてもよい。
【0009】
また、本発明においては、前記コンピュータ装置は、前記ブラウザ手段により前記プログラムが実行されると、前記鍵送信手段から送信される暗号鍵を受信し、前記索引ファイル生成手段により生成された索引ファイルを、受信した暗号鍵で暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段で暗号化された索引ファイルを前記表示装置へ送信する索引ファイル送信手段とを実現し、前記表示装置は、前記索引ファイル送信手段により送信された索引ファイルを受信し、受信した索引ファイルを前記記憶手段に記憶させてもよい。
【0010】
また、本発明においては、前記コンピュータ装置は、前記記憶手段に記憶された索引ファイルと、該索引ファイルを復号化する復号鍵とを前記表示装置から取得し、前記ページデータが表すページに入力されたキーワードを前記索引ファイルにおいて検索し、検索結果を前記ブラウザ手段により表示してもよい。
【0011】
また、本発明においては、前記固有情報は、前記表示装置のユーザの生体情報であってもよい。
【0012】
また、本発明においては、前記コンピュータ装置は、前記記憶手段に記憶されているコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段を有し、前記索引ファイル生成手段は、前記コンテンツデータ取得手段で取得されたコンテンツデータから前記索引ファイルを生成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[実施形態の構成]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る各装置を示した図である。無線LAN(Local Area Network)である無線通信ネットワーク30は、インターネット40に接続されている。サーバ装置50は、WWW(world wide web)サーバとして機能する装置であり、インターネット40に接続されている。電子ペーパ装置10とコンピュータ装置20は、無線通信ネットワーク30を介して互いに通信を行い、各種メッセージ、ファイルやデータなどを授受することが可能となっている。また、コンピュータ装置20は、無線通信ネットワーク30とインターネット40とを介してサーバ装置50と通信を行うことが可能となっており、互いに各種メッセージ、ファイルやデータなどを授受することが可能となっている。なお、本実施形態においては多数の電子ペーパ装置10、コンピュータ装置20およびサーバ装置50がネットワークに接続されて通信を行うことが可能となっているが、図面が煩雑になるのを防ぐため、図1には一つの電子ペーパ装置10、一つのコンピュータ装置20、一つのサーバ装置50を示している。
【0014】
(コンピュータ装置20の構成)
コンピュータ装置20は、オペレーティングシステムが動作する、所謂パーソナルコンピュータ装置である。図2に示したように、コンピュータ装置20は、制御部201、記憶部205、通信部206、操作部207、表示部208を有している。
【0015】
通信部206は、無線通信を行う通信インターフェース機能を備えており、制御部201の制御の下、無線通信ネットワーク30を介して他の装置と通信を行う。操作部207は、コンピュータ装置20を操作するためのキーボード(図示略)やマウス(図示略)を有している。表示部208は液晶ディスプレイを具備しており、制御部201の制御の下、文字やグラフィック画像、コンピュータ装置20を操作するためのメニュー画面などの各種画像を表示する。記憶部205は、ハードディスク装置を有しており、コンピュータ装置20にオペレーティングシステムの機能を実現するOSプログラム、スクリプトを実行可能なWWWブラウザの機能を実現するブラウザプログラムなどを記憶している。また、記憶部205は、コンピュータ装置20が使用する各種ファイルやデータを記憶する。
【0016】
制御部201は、CPU202、IPL(Initial Program Loader)を記憶したROM(Read Only Memory)203、RAM(Random Access Memory)204を有している。制御部201においては、図示せぬ電源から電力が供給されるとROM203に記憶されているIPLがCPU202により実行される。CPU202がIPLを実行すると、記憶部205に記憶されているOSプログラムがCPU202により実行され、操作部207からの入力や画面出力といった入出力機能、記憶部205の制御など、コンピュータ装置としての基本的な機能が実現し、ブラウザプログラムを実行することが可能となる。そして、ブラウザプログラムが実行されると、コンピュータ装置20は、WWWサーバとして機能している装置と通信を行うクライアント装置として機能する。
【0017】
(サーバ装置50の構成)
サーバ装置50は、WWWサーバとして動作するサーバ装置である。図3に示したように、サーバ装置50は、制御部501、記憶部505、通信部506、操作部507を有している。
【0018】
通信部506は、通信インターフェース機能を備えており、制御部501の制御の下、インターネット40を介して他の装置と通信を行う。操作部507は、サーバ装置50を操作するためのキーボード(図示略)を有している。記憶部505は、ハードディスク装置を有しており、サーバ装置50にオペレーティングシステムの機能を実現させるOSプログラム、WWWサーバの機能を実現させるサーバプログラムなどを記憶している。
また、記憶部505は、クライアントとなる装置に送信するファイルなどの各種ファイルを記憶する。なお、本実施形態においては、記憶部505は、文書を表すファイルであってHTML(HyperText Markup Language)に従って記述された複数のHTMLファイ
ルを記憶部505の特定の領域に記憶している。
また、記憶部505は、索引ファイルを記憶している。索引ファイルは、HTMLファイルを検索する際に使用されるファイルであり、単語を表す情報と、当該単語を文書中に有するファイルのファイル名の情報とが対応付けられているファイルである。
【0019】
制御部501は、CPU502、IPLを記憶したROM503、RAM504を有している。制御部501においては、図示せぬ電源から電力が供給されるとROM503に記憶されているIPLがCPU502により実行される。CPU502がIPLを実行すると、記憶部505に記憶されているOSプログラムとサーバプログラムがCPU502により実行され、サーバ装置50はWWWサーバとして機能し、クライアントとなる装置と通信を行う。
【0020】
(電子ペーパ装置10の構成)
電子ペーパ装置10は、文書や電子書籍などのコンテンツの画像を表示する装置であり、複数人のユーザにより使用される。図4に示したように、電子ペーパ装置10は、制御部101、表示部102、操作部103、通信部104、センサ部105を有している。
【0021】
表示部102は、制御部101に接続されており、記憶性を有する表示素子を備えた表示装置を有している。この表示装置は、画像を表示したあとは各素子に電圧をかけなくても長期間同じ画像を表示し続ける、所謂記憶性を有する表示装置である。表示部102は制御部101に接続されており、制御部101の制御の下、文書を表す画像や電子ペーパ装置10を操作するための操作画面などを表示する。なお、表示装置における画像の表示方式は特定の方式に限定されず、例えば、電気泳動型の表示方式やコレステリック液晶を用いた表示方式などであってもよい。
【0022】
操作部103は、制御部101に接続されており、電子ペーパ装置10を操作するための各種ボタンを有している。操作部103のボタンが操作されると、操作されたボタンを表す信号が制御部101へ出力される。制御部101は、この信号と表示部102に表示した画面とに基づいてユーザからの指示を特定し、特定した指示に応じて各部を制御する。
制御部101に接続されている通信部104は、無線通信を行う通信インターフェース機能を備えており、制御部101の制御の下、無線通信ネットワーク30を介して他の装置と通信を行う。
【0023】
センサ部105は、制御部101に接続されており、電子ペーパ装置10のユーザの指紋を読み取る指紋センサ105Aを備えている。センサ部105は、制御部101の制御の下、ユーザの指の指紋を指紋センサ105Aで読み取り、読み取った指紋の特徴点を表す特徴点データや、読み取った指紋を表す指紋データを制御部101へ出力する。
【0024】
制御部101は、CPU101A、ROM101B、RAM101C、不揮発性メモリ101Dを有しており、ROM101Bには、CPU101Aにより実行される制御プログラムが記憶されている。
不揮発性メモリ101Dは、電力が供給されなくとも記憶内容を保持するメモリであり、スクリプト言語で記述されたスクリプト(プログラム)であって、コンピュータ装置20において実現するWWWブラウザに文書の作成や編集、ファイルの暗号化や復号化などの機能を実現させるスクリプトや、ファイルの検索を行う機能を実現させる検索スクリプトを記憶している。また、不揮発性メモリ101Dは、HTMLに従って記述された複数のHTMLファイル(コンテンツデータ)などを記憶する。
また、不揮発性メモリ101Dは、ファイルを暗号化するときに使用する暗号鍵や、暗号化されたファイルを復号化するときに使用する復号鍵、センサ部105から出力された特徴点データ、暗号化されたファイルのファイル名などを記憶する。また、不揮発性メモリ101Dは、図5に示したフォーマットのユーザテーブルTB1を記憶している。ユーザテーブルTB1においては、「ユーザ名」フィールドには電子ペーパ装置10を利用する権利を有するユーザの氏名を表すデータが格納される。また、「特徴点」フィールドには、電子ペーパ装置10を利用する権利を有するユーザの指紋の特徴点を表す特徴点データのファイル名が格納される。
【0025】
制御部101においては、図示せぬ電源から電力が供給されるとROM101Bに記憶されている制御プログラムがCPU101Aにより実行される。CPU101Aが制御プログラムを実行すると、制御部101によって各部が制御され、クライアントとなる装置とHTTP(HyperText Transfer Protocol)に従って通信を行うWWWサーバ機能、不
揮発性メモリ101Dにファイルを記憶する機能、不揮発性メモリ101Dに記憶されているファイルが表す画像を表示部102に表示する機能、電子ペーパ装置10を操作するための操作画面を表示部102に表示する機能などの各種機能が電子ペーパ装置10において実現する。
また、CPU101Aにより制御プログラムが実行されると、指紋センサ105Aから出力された特徴点データを不揮発性メモリ101Dに記憶させる機能、指紋センサ105
Aから出力された特徴点データと、不揮発性メモリ101Dに記憶された特徴点データとを比較してユーザの認証を行う機能、指紋センサ105Aから出力された指紋データから暗号鍵と復号鍵とを生成する機能など、電子ペーパ装置10やファイルのセキュリティに関する各種機能が実現する。
【0026】
[実施形態の動作]
(ユーザが電子ペーパ装置10にログインする時の動作)
まず、ユーザが電子ペーパ装置10にログインする時の動作について説明する。ユーザ名が「ichiro」であるユーザが操作部103を操作し、電子ペーパ装置10を利用する権利のあるユーザの名前の一覧表示を電子ペーパ装置10に対して指示すると、制御部101はユーザテーブルTB1に格納されているユーザ名を読み出す。そして、制御部101は表示部102を制御し、読み出した名前の一覧を表示部102に表示させる(図6:ステップSA1)。ここで、ユーザテーブルTB1にはユーザ名として「ichiro」、「jiro」、「saburo」が格納されているため、この格納されているユーザ名が表示部102に表示される。
【0027】
この画面を見たユーザが、操作部103を操作して自身のユーザ名「ichiro」を選択する操作を行うと(ステップSA2;YES)、制御部101は、選択されたユーザ名に対応付けてユーザテーブルTB1に格納されているファイル名「f001」を読み出し、読み出したファイル名の特徴点データを不揮発性メモリ101Dから読み出してRAM101Cに記憶させる(ステップSA3)。そして、制御部101は、指紋センサ105Aへ指を載せるようにユーザを促すメニュー画面(図7)を表示部102に表示させる(ステップSA4)。
【0028】
ここで、ユーザが指を指紋センサ105Aに載せた後、メニュー画面中のOKボタンB1を押下する旨の操作を行うと(ステップSA5;YES)、指紋センサ105Aにより指の指紋が読み取られ、指紋を表す指紋情報と、指紋の特徴点を表す特徴点データとがセンサ部105から制御部101へ出力される。制御部101は、特徴点データを受け取ると(ステップSA7)、RAM101Cに記憶されているユーザ名「ichiro」の特徴点データと、センサ部105から受け取った特徴点データとを比較する。ここで、特徴点データが表す指紋の特徴が一致しなかった場合には(ステップSA8;NO)、制御部101は、ユーザ名「ichiro」ではない者が電子ペーパ装置10にログインを試みていると判断し、電子ペーパ装置10を使用できない旨を知らせるエラーメッセージを表示部102に表示する(ステップSA9)。
【0029】
一方、RAM101Cに記憶されている特徴点データが表す指紋の特徴と、センサ部105から受け取った特徴点データが表す指紋の特徴とが一致した場合(ステップSA8;YES)、制御部101は、電子ペーパ装置10のユーザが電子ペーパ装置10を利用する権利を有する者であると判断し、ユーザのログインを許可する(ステップSA10)。ユーザのログインが許可されると、ユーザはログアウトの操作を行うまで電子ペーパ装置10が備える各種機能を利用することが可能となる。また、電子ペーパ装置10は、ユーザがログインするとWWWサーバとして機能し、クライアントとなる装置は、電子ペーパ装置10と通信を行うことが可能となる。
【0030】
(電子ペーパ装置10に記憶されているファイルをコンピュータ装置20で編集し、コンピュータ装置20に記憶させる時の動作)
次に、電子ペーパ装置10に記憶されているHTMLファイルを編集する時の動作について説明する。上述した動作で電子ペーパ装置10にログインしたユーザは、まず、コンピュータ装置20において、ブラウザプログラムの実行を指示する操作を操作部207において行う。すると、記憶部205に記憶されているブラウザプログラムがCPU202
により実行され(図8:S101)、WWWブラウザのウィンドウが表示部208に表示される。次に、ユーザがWWWサーバとして機能している電子ペーパ装置10のURL(Uniform Resource Locator)をWWWブラウザのアドレスバーに入力し(S102)、電子ペーパ装置10からWebページを取得するように指示する操作を行うと、制御部201により通信部206が制御され、Webページを要求するHTTPリクエストが無線通信ネットワーク30を介して電子ペーパ装置10へ送信される(S103)。
【0031】
このHTTPリクエストが電子ペーパ装置10の通信部104にて受信されると(図9:ステップSB1;YES)、制御部101は、空白の文書のHTMLファイルを生成し、WWWブラウザに文書の作成・編集の機能を実現させるスクリプトを不揮発性メモリ101Dから読み出す。そして、制御部101は、生成したHTMLファイルにスクリプトを組み込み(S104、ステップSB2)、このスクリプトが組み込まれたHTMLファイルを通信部104を制御してコンピュータ装置20へ送信する(S105、ステップSB3)。このHTMLファイルが通信部206にて受信されると、スクリプトが組み込まれたHTMLファイルがWWWブラウザにより解釈され、図10に例示したように、HTMLファイルが表す文書の画像と、文書の作成・編集に関係した各種ボタンやテキストボックスを備える編集画面GとがWWWブラウザのウィンドウ内に表示され(S106)、WWWブラウザにおいて文書の作成・編集機能が実現し、HTMLファイルに係る文書の作成・編集が可能となる。
【0032】
次にユーザは、WWWブラウザのウィンドウのツールバーのファイルボタンBの項目をクリックする操作を行う。すると、制御部201は、表示部208を制御して図11に例示したようにメニューP1を表示する。ユーザがメニューP1中の「開く」の項目をクリックする操作を行うと、図12に示したように文書のファイルを開くためのメニュー画面が表示部208に表示される。そしてユーザが、ファイルの場所として電子ペーパ装置10を指定すると、電子ペーパ装置10に記憶されているHTMLファイルのファイル名を要求するメッセージがコンピュータ装置20から電子ペーパ装置10へ送信される(S108)。
【0033】
このメッセージが電子ペーパ装置10にて受信されると(ステップSB7;YES)、制御部101は、不揮発性メモリ101Dに記憶されているHTMLファイルのファイル名を取得し(S109、ステップSB8)、取得したファイル名を通信部104を制御してコンピュータ装置20へ送信する(S110、ステップSB9)。このファイル名がコンピュータ装置20にて受信されると、制御部201は表示部208を制御し、受信したファイル名を図12の領域R内に表示する。ここでユーザが、操作部207を操作して領域R内に表示されたファイル名のいずれかをクリックし、開くファイルを指定する操作を行うと(S111)、クリックされたファイル名で特定されるHTMLファイルを要求するHTTPリクエストがコンピュータ装置20から電子ペーパ装置10へ送信される(S112)。
【0034】
このHTTPリクエストが通信部104にて受信されると(ステップSB4;YES)、制御部101は要求されたHTMLファイルを不揮発性メモリ101Dから読み出す(S113、ステップSB5)。そして、制御部101は、読み出したHTMLファイルを通信部104を制御してコンピュータ装置20へ送信する(S114、ステップSB6)。このHTMLファイルが通信部206にて受信されると、HTMLファイルが表す文書の画像がWWWブラウザのウィンドウ内に表示され(S115)、HTMLファイルに係る文書の編集が可能となる。
【0035】
ユーザは、WWWブラウザにおいて文書の編集が可能となると、文書を編集するために操作部207を操作する。WWWブラウザの編集画面G内において文字の入力が行われる
など、ユーザからの入力があると、制御部201は入力に応じてHTMLファイルを編集し、入力された文字をWWWブラウザの編集画面内に表示する(S116)。
【0036】
そして、ユーザは文書の編集が終了すると、操作部207を操作し、WWWブラウザの編集画面G内に表示されている、ツールバーのファイルボタンBの項目をクリックする操作を行う。すると、制御部201は、表示部208を制御して図11に例示したようにメニューP1を表示する。そして、ユーザがメニューP1中の「名前をつけて保存」の項目をクリックする操作を行うと、図13に示したように文書を保存するためのメニュー画面が表示部208に表示される。ここで、ユーザが、文書のファイル名を入力すると共に文書の保存先をコンピュータ装置20に設定し、メニュー画面中の保存ボタンをクリックする操作を行うと(S117)、文書を暗号化するための暗号鍵を要求するメッセージが通信部206から電子ペーパ装置10へ送信される(S118)。
【0037】
このメッセージが通信部104にて受信されると(ステップSB10;YES)、制御部101は、ユーザがログインする時に指紋センサ105Aから出力されたユーザの指紋情報を基にして暗号鍵と復号鍵を生成し(S119、ステップSB11)、生成した暗号鍵を通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S120、ステップSB12)。この暗号鍵が通信部206にて受信されると、制御部201は、編集された文書のHTMLファイルを、受信した暗号鍵で暗号化して記憶部205の特定の領域(特定のフォルダ)に記憶させる(S121)。また、制御部201は、記憶したHTMLのファイル名を電子ペーパ装置10へ送信する(S122)。このファイル名が通信部104にて受信されると(ステップSB13;YES)、制御部101は、受信したファイル名と、生成した暗号鍵および復号鍵とを対応付けて不揮発性メモリ101Dに記憶させる(S123、ステップSB14)。
【0038】
(コンピュータ装置20に記憶されたファイルをコンピュータ装置20で表示する時の動作)
次に、コンピュータ装置20に記憶された暗号化されたHTMLファイルをコンピュータ装置20において表示する時の動作について説明する。まず、ユーザは、電子ペーパ装置10にログインしてからコンピュータ装置20においてWWWブラウザを起動する。そして、電子ペーパ装置10とコンピュータ装置20が通信を行い、WWWブラウザにおいて文書の作成・編集機能が実現している状態において、ユーザは、WWWブラウザのウィンドウのツールバーのファイルボタンBの項目をクリックする操作を行う。すると、制御部201は、表示部208を制御して図11に例示したようにメニューP1を表示する。そして、ユーザがメニューP1中の「開く」の項目をクリックする操作を行うと、図12に示したように文書のファイルを開くためのメニュー画面が表示部208に表示される。
【0039】
ここで、ユーザが、ファイルの場所としてコンピュータ装置20を設定し、開く文書のファイル名として、上述した動作で暗号化されたファイルのファイル名を入力した後、メニュー画面中の開くボタンをクリックする操作を行うと(図14:S201)、この入力されたファイル名のHTMLファイルが記憶部205から読み出され、読み出されたHTMLファイルのファイル名と、復号鍵を要求するメッセージとが通信部206から電子ペーパ装置10へ送信される(S202)。
【0040】
このファイル名とメッセージとが通信部104にて受信されると(ステップSB15;YES)、制御部101は、受信したファイル名に対応付けて不揮発性メモリ101Dに記憶されている復号鍵を読み出し(S203、ステップSB16)、読み出した復号鍵を通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S204、ステップSB17)。この復号鍵が通信部206にて受信されると、記憶部205から読み出されたHTMLファイルが復号化され(S205)、HTMLファイルが表す文書がWWWブラウザのウィン
ドウ内に表示されて文書の編集が可能となる。
【0041】
ユーザは、表示された文書を電子ペーパ装置10に記憶させる場合には、まず、操作部207を操作し、WWWブラウザの編集画面G内に表示されている、ツールバーのファイルボタンBの項目をクリックする操作を行う。すると、制御部201は、表示部208を制御して図11に例示したようにメニューP1を表示する。そして、ユーザがメニューP1中の「名前をつけて保存」の項目をクリックする操作を行うと、図13に示したように文書を保存するためのメニュー画面が表示部208に表示される。ここで、ユーザが、文書の保存先を電子ペーパ装置10に設定し、メニュー画面中の保存ボタンをクリックする操作を行うと(S206)、表示されていた文書を表すHTMLファイルが通信部206から電子ペーパ装置10へ送信される(S207)。そして、このHTMLファイルが通信部104にて受信されると、制御部101は、受信したファイルを不揮発性メモリ101Dに記憶させる(S208)。
【0042】
(サーバ装置に記憶された情報をコンピュータ装置20に記憶させる時の動作)
次に、サーバ装置50に記憶されているHTMLファイルをコンピュータ装置20に記憶させる時の動作について説明する。まず、ユーザは、電子ペーパ装置10にログインしてからコンピュータ装置20においてWWWブラウザを起動する。そして、電子ペーパ装置10とコンピュータ装置20が通信を行い、WWWブラウザにおいて文書の作成・編集機能が実現している状態において、ユーザは、WWWブラウザのウィンドウのツールバーのファイルボタンBの項目をクリックする操作を行う。すると、制御部201は、表示部208を制御して図11に例示したようにメニューP1を表示する。そして、ユーザがメニューP1中の「サーバ上のファイルを開く」の項目をクリックする操作を行うと、図16に示したようにサーバ上のファイルのURLを入力するためのメニュー画面が表示部208に表示される。
【0043】
ここで、ユーザが、操作部207を操作してサーバ装置50に記憶されているHTMLファイルのURLを入力する操作を行い、サーバ装置50からWebページを取得するように指示する操作を行うと(図15:S301)、制御部201により通信部206が制御され、HTMLファイルを要求するHTTPリクエストが無線通信ネットワーク30とインターネット40を介してサーバ装置50へ送信される(S302)。
【0044】
このHTTPリクエストが通信部506にて受信されると、制御部501は要求されたHTMLファイルを記憶部505から読み出し(S303)、読み出したHTMLファイルを通信部506を制御してコンピュータ装置20へ送信する(S304)。このHTMLファイルが通信部206にて受信されると、HTMLファイルが表す文書の画像がWWWブラウザのウィンドウ内に表示され(S305)、HTMLファイルに係る文書の編集が可能となる。
【0045】
この後、このHTMLファイルをコンピュータ装置20に記憶させる場合には、上述したS117以降の動作と同じ動作(S306〜S312)が行われる。これにより、サーバ装置50から取得されたHTMLファイルは、電子ペーパ装置10のユーザの指紋情報を基に生成された暗号鍵により暗号化されてコンピュータ装置20に記憶される。
【0046】
本実施形態によれば、ユーザがプログラムのインストール作業を行わなくても、WWWブラウザのウィンドウ内で文書の作成・編集を行うことができる。コンピュータ装置20は表示において書き換え速度が速い表示装置を備えているため、ユーザの操作に対して表示が追従し、文書の作成・編集を効率良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、電子ペーパ装置10に記憶されるファイルは、電子ペーパ装置10においてユーザに一意な生体情報から生成され、電子ペーパ装置10から送信さ
れた暗号鍵で暗号化されて記憶される。そして、暗号化されて記憶されたファイルをコンピュータ装置20において表示・編集する場合には、電子ペーパ端末から復号鍵を取得してファイルの復号化が行われる。このように、ファイルの暗号化・復号化には、電子ペーパ装置10が必要となっている。電子ペーパ装置10は、利用を許可された者しか使用できないため、第三者がコンピュータ装置20のみを使用してファイルの表示や編集を行うことはできず、ファイルの内容を第三者に盗み見られることを防ぐことができる。
【0047】
(電子ペーパ装置10に記憶されているファイルを検索する時の動作(1))
次に、電子ペーパ装置10に記憶されているHTMLファイルを検索する時の動作について説明する。まず、ユーザは、電子ペーパ装置10にログインした後、コンピュータ装置20においてWWWブラウザを起動する(図17:S401)。次に、ユーザがWWWサーバとして機能している電子ペーパ装置10のURLであって、ファイル検索を行う画面へ遷移するためのWebページのURLをWWWブラウザのアドレスバーに入力し(S402)、電子ペーパ装置10からWebページを取得するように指示する操作を行うと、制御部201により通信部206が制御され、Webページを要求するHTTPリクエストが無線通信ネットワーク30を介して電子ペーパ装置10へ送信される(S403)。
【0048】
このHTTPリクエストが電子ペーパ装置10の通信部104にて受信されると、制御部101は、図18に示したWebページを表すHTMLファイルを不揮発性メモリ101Dから読み出し(S404)、読み出したHTMLファイルを通信部104を制御してコンピュータ装置20へ送信する(S405)。このHTMLファイルが通信部206にて受信されると、受信されたHTMLファイルがWWWブラウザにより解釈され、図18に例示したように、ファイル検索を行う画面へ遷移するためのWebページがWWWブラウザのウィンドウ内に表示される(S406)。
【0049】
次にユーザは、図18に示したWebページ内の「OK」ボタンをクリックする操作を行う(S407)。すると、制御部201は、ファイル検索を行うためのユーザインターフェースを備えるWebページのHTMLファイルを要求するHTTPリクエストを無線通信ネットワーク30を介して電子ペーパ装置10へ送信する(S408)。
【0050】
このHTTPリクエストが電子ペーパ装置10の通信部104にて受信されると、制御部101は、要求されたWebページを表すHTMLファイルと、ファイルを検索する機能をWWWブラウザに実現させる検索スクリプトとを不揮発性メモリ101Dから読み出す(S409)。そして、制御部101は、読み出されたHTMLファイルと検索スクリプトとを、通信部104を制御してコンピュータ装置20へ送信する(S410)。このHTMLファイルと検索スクリプトが通信部206にて受信されると、受信されたHTMLファイルがWWWブラウザにより解釈されると共に、受信された検索スクリプトが実行される(S411)。そして、図19に例示した検索用WebページがWWWブラウザのウィンドウ内に表示され(S412)、ファイルを検索する機能がコンピュータ装置20において実現する。
【0051】
次にユーザは、ファイル検索を行う場所を選択する。具体的には、図19に示した画面においては、ファイルを記憶している装置の名称が表示されている。例えば電子ペーパ装置10においてファイルを検索する場合、ユーザは、操作部207を操作して図19に示した「電子ペーパ装置」の項目を選択(クリック)する。そして、ユーザは、操作部207を操作してファイル検索のキーワードとなる文字列をWebページのテキストボックスBXに入力した後、Webページ中の「検索」ボタンをクリックする操作を行う(S413)。
【0052】
制御部201は、この操作が行われると、索引ファイルを要求するメッセージを通信部206を制御して電子ペーパ装置10へ送信する(S414)。このメッセージを受信した電子ペーパ装置10は、索引ファイルを不揮発性メモリ101Dにおいて検索する(S415)。ここで、索引ファイルが不揮発性メモリ101Dに記憶されていない場合には、制御部101は、索引ファイルを記憶していないことを表すメッセージを通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S416)。
【0053】
このメッセージが通信部206にて受信されると、制御部201は、電子ペーパ装置10に記憶されているHTMLファイルを要求するファイル要求メッセージを通信部104を制御して電子ペーパ装置10へ送信する(S417)。このメッセージを受信した電子ペーパ装置10は、不揮発性メモリ101Dに記憶されているHTMLファイルを読み出し、読み出したHTMLファイルをコンピュータ装置20へ送信する(S418)。
【0054】
コンピュータ装置20は、電子ペーパ装置10が送信したHTMLファイルを受信すると、受信したHTMLファイルをRAM204に記憶させる。そして、記憶したHTMLファイルが表す文書の内容を解析して索引ファイルを生成する(S419)。なお、索引ファイルを生成する際には、既知のインデックス検索で行われているように、文書中から単語を抽出し、抽出した単語が含まれているファイルと、抽出した単語とが対応付けられる。そして、制御部201は、索引ファイルの生成が終了すると、まず、生成した索引ファイルを電子ペーパ装置10へ送信する(S420)。電子ペーパ装置10は、この送信された索引ファイルを受信すると、受信した索引ファイルを不揮発性メモリ101Dへ記憶させる(S421)。
【0055】
また、索引ファイルの電子ペーパ装置10への送信を終了したコンピュータ装置20は、テキストボックスBXに入力されたキーワードを、生成した索引ファイルにおいて検索する(S422)。そして、索引ファイルにおいてキーワードを見つけると、キーワードに対応付けられているファイル名を図20に示したようにWWWブラウザのウィンドウ内に表示する(S423)。
【0056】
(電子ペーパ装置10に記憶されているファイルを検索する時の動作(2))
次に、電子ペーパ装置10に記憶されているHTMLファイルを検索する際に電子ペーパ装置10に索引ファイルが記憶されている時の動作について説明する。なお、この動作においても、図17のステップS401〜S414までの動作、即ち、ユーザが電子ペーパ装置10にログインしてからブラウザプログラムを実行し、図19に示したWebページの「検索」ボタンがクリックされて、索引ファイルを要求するメッセージが電子ペーパ装置10へ送られるまでの動作が、上述した動作と同様に行われる。
【0057】
さて、索引ファイルを要求するメッセージを受信した電子ペーパ装置10は、索引ファイルを不揮発性メモリ101Dにおいて検索する(図21:S415)。ここで、索引ファイルが不揮発性メモリ101Dに記憶されていると、制御部101は、記憶されている索引ファイルを読み出し、読み出した索引ファイルを通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S501)。
【0058】
コンピュータ装置20は、電子ペーパ装置10が送信した索引ファイルを受信すると、受信した索引ファイルをRAM204に記憶させる。そして、コンピュータ装置20は、テキストボックスBXに入力されたキーワードを、RAM204に記憶された索引ファイルにおいて検索する(S502)。そして、索引ファイルにおいてキーワードを見つけると、キーワードに対応付けられているファイル名を図20に示したようにWWWブラウザのウィンドウ内に表示する(S503)。
【0059】
(コンピュータ装置20に記憶されているファイルを検索する時の動作(1))
次に、コンピュータ装置20に記憶されている電子ペーパ装置10用のHTMLファイルを検索する時の動作について説明する。なお、この動作においても、図17のステップS401〜S412までの動作、即ち、ユーザが電子ペーパ装置10にログインしてからブラウザプログラムを実行し、図19に示したWebページが表示されるまでの動作が、上述した動作と同様に行われる。
【0060】
さて、ステップS401からステップS412までの動作が行われて図19に示した画面が表示されている状態において、ユーザは、検索するファイルが記憶されている場所を選択する。具体的には、ユーザは、操作部207を操作して図19に示した「マイコンピュータ」の項目を選択する。そして、ユーザは、操作部207を操作してファイル検索のキーワードとなる文字列をWebページのテキストボックスBXに入力した後、Webページ中の「検索」ボタンをクリックする操作を行う(図22:S601)。
【0061】
制御部201は、この操作が行われると、索引ファイルを記憶部205において検索する(S602)。ここで、索引ファイルが記憶部205に記憶されていない場合には、制御部201は、記憶部205の特定の領域(上述した動作で作成されたHTMLファイルが記憶されている領域)に記憶されている複数のHTMLファイルが表す各文書の内容を解析して索引ファイルを生成する。具体的には、まず、記憶部205に記憶されている各HTMLファイルのファイル名と、各ファイルの復号鍵を要求するメッセージとが通信部206から電子ペーパ装置10へ送信される(S603)。
【0062】
このファイル名とメッセージとが通信部104にて受信されると、制御部101は、受信したファイル名に対応付けて不揮発性メモリ101Dに記憶されている復号鍵を読み出し(S604)、読み出した復号鍵を通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S605)。この復号鍵が通信部206にて受信されると、記憶部205において暗号化されて記憶されているHTMLファイルが復号化される(S606)。
【0063】
そして、制御部201は、復号化したHTMLファイルが表す文書の内容を解析して索引ファイルを生成する(S607)。制御部201は、索引ファイルの生成が終了すると、テキストボックスBXに入力されたキーワードを生成した索引ファイルにおいて検索する(S608)。そして、索引ファイルにおいてキーワードを見つけると、キーワードに対応付けられているファイル名を図20に示したようにWWWブラウザのウィンドウ内に表示する(S609)。
【0064】
また、制御部201は、生成した索引ファイルを暗号化するための暗号鍵を要求するメッセージを通信部206を制御して電子ペーパ装置10へ送信する(S610)。このメッセージが通信部104にて受信されると、制御部101は、ユーザがログインする時に指紋センサ105Aから出力されたユーザの指紋情報を基にして暗号鍵と復号鍵を生成し(S611)、生成した暗号鍵を通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S612)。この暗号鍵が通信部206にて受信されると、制御部201は、生成された索引ファイルを、受信した暗号鍵で暗号化して記憶部205に記憶させる(S613)。また、制御部201は、記憶した索引ファイルのファイル名を電子ペーパ装置10へ送信する(S614)。このファイル名が通信部104にて受信されると、制御部101は、受信したファイル名と、生成した暗号鍵および復号鍵とを対応付けて不揮発性メモリ101Dに記憶させる(S615)。
【0065】
(コンピュータ装置20に記憶されているファイルを検索する時の動作(2))
次に、コンピュータ装置20に記憶されているHTMLファイルを検索する際にコンピュータ装置20に索引ファイルが記憶されている時の動作について説明する。なお、この
動作においても、図17のステップS401〜S412までの動作、即ち、ユーザが電子ペーパ装置10にログインしてからブラウザプログラムを実行し、図19に示したWebページが表示されるまでの動作が、上述した動作と同様に行われる。
【0066】
さて、ステップS401からステップS412までの動作が行われて図19に示した画面が表示されている状態において、ユーザは、検索するファイルが記憶されている場所を選択する。具体的には、ユーザは、操作部207を操作して図19に示した「マイコンピュータ」の項目を選択する。そして、ユーザは、操作部207を操作してファイル検索のキーワードとなる文字列をWebページのテキストボックスBXに入力した後、Webページ中の「検索」ボタンをクリックする操作を行う(図23:S701)。
【0067】
制御部201は、この操作が行われると、索引ファイルを記憶部205において検索する(S702)。ここで、記憶部205に索引ファイルが記憶されている場合には、制御部201は、記憶されている索引ファイルのファイル名と、復号鍵を要求するメッセージとが通信部206から電子ペーパ装置10へ送信される(S703)。
【0068】
このファイル名とメッセージとが通信部104にて受信されると、制御部101は、受信したファイル名に対応付けて不揮発性メモリ101Dに記憶されている復号鍵を読み出し(S704)、読み出した復号鍵を通信部104からコンピュータ装置20へ送信する(S705)。この復号鍵が通信部206にて受信されると、記憶部205から索引ファイルが読み出され、読み出された索引ファイルが受信した復号鍵により復号化される(S706)。
【0069】
制御部201は、索引ファイルの復号化が終了すると、テキストボックスBXに入力されたキーワードを生成した索引ファイルにおいて検索する(S707)。そして、索引ファイルにおいてキーワードを見つけると、キーワードに対応付けられているファイル名を図20に示したようにWWWブラウザのウィンドウ内に表示する(S708)。
【0070】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0071】
電子ペーパ装置10とコンピュータ装置20との間の通信を中継する通信ネットワークは、無線通信ネットワークではなく、有線の通信ネットワークであってもよい。また、電子ペーパ装置10とコンピュータ装置20は、通信ネットワークを介さずに無線(電波や光による通信)や、ケーブル接続で通信を行ってもよい。
【0072】
上述した実施形態においては、スクリプトは文書の作成・編集の機能をWWWブラウザに実現させるものであったが、帳票の作成・編集機能や、描画機能などの機能を実現させるものであってもよい。また、文書を表すファイルはHTMLに従った形式だけでなく、他のファイル形式であってもよい。また、コンピュータ装置20にコンテンツの編集機能を実現させるプログラムは、スクリプト言語に従って記述されたものに限定されず、他の言語に従って記述されたプログラムであってもよい。
【0073】
また、HTTPリクエストを受信した電子ペーパ装置10においては、新規にコンテンツを有していないHTMLファイルを生成し、生成したHTMLファイルに選択されたスクリプトを組み込んでコンピュータ装置20へ送信してもよい。そして、このHTMLファイルをWWWブラウザにおいて編集した場合、新たにHTMLファイルにファイル名を付して電子ペーパ装置10に記憶させるようにしてもよい。この態様によれば、すでに作
成済みのHTMLファイルを編集するだけでなく、新たにHTMLファイルを作成して電子ペーパ装置10に記憶させることもできる。
【0074】
上述した実施形態においては、電子ペーパ装置10がユーザの認証や暗号鍵・復号鍵の生成を行う際には、指紋が使用されているが、虹彩や指の静脈のパターンなど、ユーザ毎に異なるものであれば、指紋ではなく、他の生体情報を使用してユーザの認証や暗号鍵・復号鍵の生成を行うようにしてもよい。また、暗号鍵・復号鍵を生成するときに基にする情報は、生体情報ではなく、ユーザを一意に識別する情報であれば、ユーザに一意に割り当てられた識別子など他の情報であってもよい。
【0075】
上述した実施形態においては、ユーザの指紋を表す指紋情報を基にして暗号鍵と復号鍵を生成しているが、電子ペーパ装置10のMAC(Media Access Control)アドレスとユーザに一意の生体情報の両方を基にして暗号鍵と復号鍵を生成するようにしてもよい。この構成によれば、特定のユーザが特定の電子ペーパ装置10を使用した時にのみ、ファイルの暗号化や復号化を行うことが可能となり、ファイルのセキュリティを高めることができる。また、サーバ装置50から有料の文書のファイルをダウンロードした場合、このダウンロードしたファイルを、MACアドレスとユーザの生態情報を基にして生成した暗号鍵・復号鍵で暗号化・復号化するようにしてもよい。
【0076】
上述した実施形態においては、WWWブラウザの終了後には、WWWブラウザのキャッシュ内の情報をクリアするのが好ましい。
【0077】
上述した実施形態においては、ファイルをコンピュータ装置20で復号化した後、再度暗号化してコンピュータ装置20に記憶させる場合には、コンピュータ装置20は、電子ペーパ装置10へ暗号鍵を要求し、電子ペーパ装置10は、センサ部105から出力された指紋情報を基に新たに暗号鍵と復号鍵を生成し、生成した暗号鍵をコンピュータ装置20へ送信してもよい。指紋情報は、ユーザがログインする毎に多少の違いが生じる。この構成によれば、同じ暗号鍵が使い回されることがなく、一つのファイルには一つの暗号鍵と復号鍵とが対応付けられるので、ファイルのセキュリティを高めることができる。
【0078】
上述した実施形態においては、サーバ装置50に記憶されているHTMLファイルを検索スクリプトで検索することも可能である。具体的には、図19に示した画面が表示されている状態において、ユーザは、「ネットワーク」の項目をクリックした後、テキストボックスBXにキーワードを入力して検索ボタンをクリックする。コンピュータ装置20は、検索ボタンがクリックされると、サーバ装置50においてHTMLファイルが記憶されている場所を表すURLを入力するための画面を表示する。ここで、URLが入力されると、索引ファイルを要求する旨のメッセージがURLで特定されるサーバ装置50へ送信される。このメッセージを受け取ったサーバ装置50は、索引ファイルを記憶している場合には、記憶している索引ファイルをコンピュータ装置20へ送信する。コンピュータ装置20は、索引ファイルを受信すると、テキストボックスBXに入力されたキーワードを、受信した索引ファイルにおいて検索する。
【0079】
なお、索引ファイルをサーバ装置50からコンピュータ装置20へ送信する場合には、まず、電子ペーパ装置10から暗号鍵を取得し、取得した暗号鍵をサーバ装置50へ送信し、サーバ装置50が暗号鍵で索引ファイルを暗号化してからコンピュータ装置20へ送信するようにしてもよい。そして、コンピュータ装置20は、暗号化された索引ファイルを復号化するための復号鍵(索引ファイルを暗号化した暗号鍵と対になる復号鍵)を電子ペーパ装置10から取得し、取得した復号鍵で索引ファイルを復号化してキーワードを検索するようにしてもよい。
また、サーバ装置50から取得した索引ファイルを暗号鍵で暗号化してからサーバ装置
50へ送信し、サーバ装置50に記憶させるようにしてもよい。そして、次にコンピュータ装置20がサーバ装置50に記憶されているファイルを検索する場合には、暗号化されてサーバ装置50に記憶された索引ファイルをコンピュータ装置20が取得し、取得した索引ファイルを復号化して検索を行うようにしてもよい。
また、サーバ装置50において索引ファイルが記憶されていない場合には、サーバ装置50に記憶されているHTMLファイルを取得し、取得したファイルから索引ファイルを生成し、生成した索引ファイルにおいてキーワードを検索するようにしてもよい。
【0080】
また、サーバ装置50においてHTMLファイルを有料でユーザに提供する際には、サーバ装置50において予め生成された索引ファイルを記憶しておき、この索引ファイルをコンピュータ装置20に取得して検索を行うようにしてもよい。
また、この場合においても、サーバ装置50にある索引ファイルを暗号化してからコンピュータ装置20へ送信し、コンピュータ装置20において索引ファイルを復号化してから検索を行うようにしてもよい。
【0081】
上述した実施形態においては、電子ペーパ装置10に記憶されているファイルについての索引ファイルの生成を電子ペーパ装置10が行うようにしてもよい。そして、電子ペーパ装置10が生成した索引ファイルをコンピュータ装置20へ送信し、コンピュータ装置20で検索を行うようにしてもよい。なお、電子ペーパ装置10において索引ファイルを生成する場合には、表示に関する処理など、表示装置の制御処理などが行われていない間に索引ファイルを生成するのが好ましい。
【0082】
上述した実施形態においては、各装置は、HTMLファイルや索引ファイルを暗号化して記憶しているが、暗号化を行わずに記憶するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、コンテンツデータはHTMLファイルとなっているが、コンテンツを表すデータは、HTMLファイルに限定されるものではなく、他のファイル形式であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態に係る装置を示した図である。
【図2】コンピュータ装置20のハードウェア構成図である。
【図3】サーバ装置50のハードウェア構成図である。
【図4】電子ペーパ装置10のハードウェア構成図である。
【図5】ユーザテーブルTB1のフォーマットを例示した図である。
【図6】電子ペーパ装置10が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】電子ペーパ装置10に表示される画面を示した図である。
【図8】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図9】電子ペーパ装置10が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】コンピュータ装置20において表示される画面を例示した図である。
【図11】コンピュータ装置20において表示される画面を例示した図である。
【図12】コンピュータ装置20において表示される画面を例示した図である。
【図13】コンピュータ装置20において表示される画面を例示した図である。
【図14】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図15】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図16】コンピュータ装置20において表示される画面を例示した図である。
【図17】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図18】コンピュータ装置20において表示される画面を例示した図である。
【図19】コンピュータ装置20において表示される検索画面を例示した図である。
【図20】コンピュータ装置20において表示される検索画面を例示した図である。
【図21】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図22】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図23】実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0084】
10・・・電子ペーパ装置、20・・・コンピュータ装置、30・・・無線通信ネットワーク、40・・・インターネット、50・・・サーバ装置、101・・・制御部、101A・・・CPU、101B・・・ROM、101C・・・RAM、101D・・・不揮発性メモリ、102・・・表示部、103・・・操作部、104・・・通信部、105・・・センサ部、105A・・・指紋センサ、201・・・制御部、202・・・CPU、203・・・ROM、204・・・RAM、205・・・記憶部、206・・・通信部、207・・・操作部、208・・・表示部、501・・・制御部、502・・・CPU、503・・・ROM、504・・・RAM、505・・・記憶部、506・・・通信部、507・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表すコンテンツデータと、該コンテンツを検索するためのページを表すページデータと、前記コンテンツデータを検索する機能を実現するプログラムとを記憶する記憶手段と、
前記ページデータを要求するページ要求メッセージを受信するページ要求メッセージ受信手段と、
前記ページ要求メッセージ受信手段で前記ページ要求メッセージが受信された場合、前記プログラムと前記ページデータとを前記記憶手段から読み出し、読み出したプログラムとページデータとを、前記ページ要求メッセージを送信した外部のコンピュータ装置へ送信するコンテンツ送信手段と、
記憶性を備えた表示素子を有し、前記記憶手段に記憶されたコンテンツデータが表すコンテンツを表示する表示手段と
を有する表示装置と、
前記ページ要求メッセージを送信するページ要求メッセージ送信手段と、
前記コンテンツ送信手段から送信されたプログラムとページデータとを受信するコンテンツ受信手段と、
ページデータの内容を表示し、前記コンテンツ受信手段が受信したプログラムを実行することにより前記コンテンツデータを検索する機能を実現するブラウザ手段と
を有するコンピュータ装置と、
を有する検索システム。
【請求項2】
前記コンピュータ装置は、
前記ブラウザ手段により前記プログラムが実行されると、コンテンツデータが表すコンテンツに含まれる単語と、該単語を含んでいるコンテンツデータのファイル名とを対応付けた索引ファイルを生成する索引ファイル生成手段を実現し、
ユーザにより入力されたキーワードを前記索引ファイルにおいて検索し、検索結果を前記ブラウザ手段により表示すること
を特徴とする請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記表示装置は、
ユーザを一意に特定する固有情報を受け取る固有情報受取手段と、
前記固有情報受取手段が受け取った固有情報を基にして暗号鍵と復号鍵とを生成する鍵生成手段と、
前記鍵生成手段で生成された鍵を前記外部のコンピュータ装置へ送信する鍵送信手段と
を有することを特徴とする請求項2に記載の検索システム。
【請求項4】
前記コンピュータ装置は、前記ブラウザ手段により前記プログラムが実行されると、
前記鍵送信手段から送信される暗号鍵を受信し、前記索引ファイル生成手段により生成された索引ファイルを、受信した暗号鍵で暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化手段で暗号化された索引ファイルを前記表示装置へ送信する索引ファイル送信手段とを実現し、
前記表示装置は、
前記索引ファイル送信手段により送信された索引ファイルを受信し、受信した索引ファイルを前記記憶手段に記憶させること
を特徴とする請求項3に記載の検索システム。
【請求項5】
前記コンピュータ装置は、
前記記憶手段に記憶された索引ファイルと、該索引ファイルを復号化する復号鍵とを前記表示装置から取得し、
前記ページデータが表すページに入力されたキーワードを前記索引ファイルにおいて検索し、検索結果を前記ブラウザ手段により表示すること
を特徴とする請求項4に記載の検索システム。
【請求項6】
前記固有情報は、前記表示装置のユーザの生体情報であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の検索システム。
【請求項7】
前記コンピュータ装置は、
前記記憶手段に記憶されているコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段を有し、
前記索引ファイル生成手段は、前記コンテンツデータ取得手段で取得されたコンテンツデータから前記索引ファイルを生成すること
を特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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