説明

検索装置、検索方法、検索プログラム

【課題】生体情報の検索を効率化する。
【解決手段】情報取得部21は、事業者の属性情報である業種コードと事業者コード、利用者の属性情報である暗証番号と生体情報とを取得する。生体情報抽出部22は、業種コード、事業者コード、暗証番号で利用者番号を絞り込む。検索処理部23は、絞り込んだ利用者番号に対応付けられた生体情報を抽出し、抽出した生体情報と情報取得部51が取得した生体情報とを比較する。そして、情報取得部51が取得した生体情報と一致する生体情報が存在する場合、この生体情報に対応付けられた利用者番号をサービスの利用者に特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置、検索方法、検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静脈、虹彩、指紋などの生体情報を用いて利用者を認証する生体認証が行われている。特許文献1には、指紋、虹彩、音声などの複数の生体情報をデータベースに記憶し、指紋、虹彩、音声などの順に照合し、登録者の絞り込みを行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−186847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の装置では、入力された生体情報と、主記憶部に記憶された登録者の生体情報の全てとを照合するため、登録者の人数が多い場合には、照合処理に長い時間を要する。
【0004】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、生体情報の検索を効率化する検索装置、検索方法、検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の検索装置は、所定の事業者が提供するサービスの利用者として登録された利用者の個人情報を管理し、前記利用者が前記サービスを利用する際、前記利用者の個人情報を検索する検索装置であって、前記事業者の属性情報ないしは前記事業者が提供するサービスの利用契約がなされた利用者の属性情報と、当該利用者の生体情報とを対応付けて記憶する第1のデータ記憶部と、前記利用者の操作する端末から、前記事業者の属性情報ないし前記利用者の属性情報と、前記利用者の生体情報とを取得し、メモリに格納する情報取得部と、前記第1のデータ記憶部において、前記メモリに格納されている前記事業者の属性情報ないし前記利用者の属性情報をキーとして、前記事業者の属性情報ないし前記利用者の属性情報に対応する生体情報を抽出する第1の抽出部と、前記第1の抽出部によって抽出された生体情報のうち、前記メモリに格納されている前記利用者の生体情報に一致する生体情報を検索する検索処理部と、前記検索の結果を出力インターフェイスに出力する出力処理部と、を備えるものである。
【0006】
また、本発明の検索方法は、所定の事業者が提供するサービスの利用者として登録された利用者の個人情報を管理し、前記利用者が前記サービスを利用する際、前記利用者の個人情報をコンピュータにより検索する方法であって、前記コンピュータが、前記利用者の操作する端末から、前記事業者の属性情報ないし前記利用者の属性情報と、前記利用者の生体情報とを取得し、メモリに格納し、前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と当該利用者の生体情報とを対応付けて記憶する第1の記憶部から、前記取得した事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報をキーとして生体情報を抽出し、前記第1の記憶部から抽出された生体情報のうち、前記メモリに格納されている前記利用者の生体情報に一致する生体情報を検索し、前記検索の結果を出力インターフェイスに出力する。
【0007】
また、本発明の検索プログラムは、所定の事業者が提供するサービスの利用者として登録された利用者の個人情報を管理し、前記利用者が前記サービスを利用する際、前記利用者の個人情報をコンピュータにより検索する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記利用者の操作する端末から、前記事業者の属性情報ないし前記利用者の属性情報と、前記利用者の生体情報とを取得し、メモリに格納するステップと、前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と当該利用者の生体情報とを対応付けて記憶する第1の記憶部から、前記取得した事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報をキーとして生体情報を抽出するステップと、前記第1の記憶部から抽出された生体情報のうち、前記メモリに格納されている前記利用者の生体情報に一致する生体情報を検索するステップと、前記検索の結果を出力インターフェイスに出力するステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生体情報の検索を効率化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
==システム構成==
図1は、本実施形態における検索システム1の構成図である。検索システム1は、検索サーバ(検索装置)2、事業者サーバ3、事業者端末(端末)4、利用者端末(端末)5を含んで構成される。検索サーバ2、事業者サーバ3、事業者端末4、利用者端末5は、通信ネットワークに接続している。通信ネットワークは、例えば、インターネットや電話回線網、フレームリレー網等による広域ネットワークである。
【0010】
事業者端末4は、例えば、銀行のATMやキオスク端末であり、街頭や店舗、駅などに設置され、現金の支払いやチケットの発行などのサービスを利用者に提供する。事業者端末4は、利用者によって入力された、利用者の生体情報と、利用者の暗証番号と、事業者の業種コードと、事業者の事業者コードとを、検索サーバ2に送信する。
【0011】
利用者端末5は、例えば、携帯電話機、携帯端末、パーソナルコンピュータなどの通信機能を備えた情報機器であり、検索サーバ2にアクセスし、利用者から入力された、利用者の生体情報と、利用者の暗証番号と、事業者の業種コードと、事業者の事業者コードとを送信する。
【0012】
検索サーバ2は、利用者の暗証番号(利用者の属性情報)と、事業者の業種コード及び事業者の事業者コード(事業者の属性情報)と、利用者の生体情報とを記憶するデータベースを備える。検索サーバ2は、事業者端末4ないしは利用者端末5から認証依頼として受信した、利用者の暗証番号と、事業者の業種コードと、事業者の事業者コードをキーとして生体情報をデータベースから抽出する。
【0013】
検索サーバ2は、データベースから抽出した生体情報のうち、利用者の生体情報に一致する生体情報を検出し、この生体情報に対応付けられた利用者の情報を読み出し、読み出した情報を、利用者が操作する事業者端末4ないしは利用者端末5に返信したり、事業者サーバ3に送信したりする。
【0014】
===検索サーバ2===
図2は、検索サーバ2のハードウェア構成を示す図である。検索サーバ2は、ハードディスクなどの記憶装置(データ記憶部)11に記憶されたプログラムをメモリ12に読み出し、演算装置たるCPU13により実行する。また、検索サーバ2は、広域ネットワークに接続するための通信インターフェイス14を備えている。
【0015】
検索サーバ2は、記憶装置11に記憶されたプログラムをメモリ12に読み出し、CPU13が実行することによって、図3に示すように、情報取得部21、生体情報抽出部22、検索処理部23、出力処理部24の機能を実現する。また、記憶装置41には、生体情報検索キーテーブル31、生体情報テーブル32、契約詳細テーブル33、個人情報テーブル34、業種コードマスタ35、事業者コードマスタ36を含むデータベースが構築されている。
【0016】
情報取得部21は、利用者端末5から検索条件情報の入力画面の受信要求を受けると、検索条件情報の入力を案内する案内画面を送信する。案内画面には、例えば、業種の選択画面、事業者の選択画面、暗証番号の入力画面、生体情報の入力画面がある。業種の選択画面には、「銀行」「証券」「保険」「医療」「交通」などの業種名が表示される。事業者の選択画面には、例えば、「A銀行」「B銀行」「C銀行」などの事業者名が表示される。生体情報の入力を案内する画面には、例えば、「指紋センサに指をかざしてください」といったメッセージが表示される。暗証番号の入力を案内する画面には、例えば、「暗証番号を入力してください」といったメッセージが表示されるとともに、暗証番号の入力領域が表示され、暗証番号の入力を受け付ける。情報取得部21は、案内画面に入力された業種コード、事業者コード、暗証番号、生体情報などの検索条件情報を取得しメモリ12に格納する。
【0017】
また、情報取得部21は、事業者端末4から業種コード、事業者コード、暗証番号、生体情報などの検索条件情報を取得すると、取得した検索条件情報をメモリ12に格納する。
【0018】
生体情報抽出部22は、メモリ12に格納された業種コード、事業者コード、暗証番号をキーとして、生体情報検索キーテーブル31から、利用者番号を抽出する。
【0019】
検索処理部23は、生体情報抽出部22で抽出した利用者番号と一致する生体情報を生体情報テーブル32から読み出し、読み出した生体情報とメモリ12に格納された生体情報とを比較し、メモリ12に格納された生体情報と一致する生体情報を検出する。検索処理部23は、生体情報テーブル32を用いて、検出した生体情報に対応付けられた、利用者番号と利用者の身体部位とを読み出す。
【0020】
検索処理部23は、利用者端末5ないしは事業者端末4から取得した業種コード、事業者コード、および、生体情報テーブル32から読み出した利用者番号と身体部位情報をキーとして、契約詳細テーブル33から契約サービス情報を検索する。また、検索処理部23は、必要に応じて、個人情報テーブル34から個人情報を読み出したり、業種コードマスタ35から業種名を読み出したり、事業者コードマスタ36から事業者情報を読み出したりする。
【0021】
出力処理部24は、検索処理部23の検索結果に、個人情報テーブル34、業種コードマスタ35、事業者コードマスタ36から読み出した情報を付加し事業者サーバ3に送信する。事業者サーバ3は、例えば、銀行会社、証券会社、保険会社などが運営しているサーバである。事業者サーバ3は、検索サーバ2から受信した情報を用いて利用者にサービスを提供する。
【0022】
===データ構成===
図4は、生体情報検索キーテーブル31の構成例である。生体情報検索キーテーブル31は、図4に示すように、業種コード欄、事業者コード欄、暗証番号欄、利用者番号欄を備えている。
【0023】
図5は、生体情報テーブル32の構成例である。生体情報テーブル32は、図5に示すように、利用者番号欄、生体情報欄、身体部位情報欄を備えている。
【0024】
図6は、契約詳細テーブル33の構成例である。契約詳細テーブル33は、図6に示すように、業種コード欄、事業者コード欄、利用者番号欄、身体部位欄、契約詳細情報欄を備えている。
【0025】
身体部位欄には、指の種別、すなわち、生体情報が、親指、人差し指、中指、薬指、小指のどの指に当たるものかという情報が格納されている。契約詳細テーブル33は、身体部位情報である指の種別と契約サービスとを対応付ける。これにより、利用者は、指を指紋センサに接触させるだけで、契約サービスの種別を入力せずとも、指の種別と対応付けられた契約サービスを利用することができる。
【0026】
契約サービス情報欄に格納される情報は、事業者によって異なる。図6の契約詳細テーブル33では、事業者の業種が「銀行(業種コード:0001)」である場合には、銀行の支店名と、寄託の形態、口座番号といった詳細情報が対応付けられている。また、事業者の業種が「証券(業種コード:0002)」である場合には、証券会社の支店名、取引の形態、口座番号といった詳細情報が対応付けられている。さらに、事業者の業種が「医療(業種コード:0004)」の場合には、保険証番号と対応付けられている。
【0027】
契約詳細テーブル33において、利用者番号と詳細情報とは、1対多の関係になっている。すなわち、1人の利用者が複数の詳細情報を登録することができる。身体部位は、詳細情報を識別するために利用される。図6の契約詳細テーブル33では、利用者番号「1122334」の利用者が事業者コード“0012”の銀行に対して、“中指”、“親指”、“人差し指”の3つの生体情報を登録している。この銀行のデータでは、身体の部位と契約支店名とが対応付けられている。図6の例では、“中指”に“大森支店”、“親指”に“新川崎支店”が対応付けられている。また、「支店名」と、各支店での契約詳細情報も1対多の関係になっている。すなわち、1つの支店に1つ以上の口座が関連付けられている。図6の例では、“大森支店”に口座番号“0012345”の寄託種別“普通口座”が対応付けられており、“新川崎支店”に口座番号“0054321”の寄託種別“当座口座”と、口座番号“112234”の寄託種別“定期口座”と、口座番号“667789”の寄託種別“普通口座”とが対応付けられている。
【0028】
図7は、個人情報テーブル34の構成例である。個人情報テーブル34は、図7に示すように、利用者番号欄、利用者名欄、生年月日欄、住所欄などを備えている。
【0029】
図8は、業種コードマスタ35の構成例である。業種コードマスタ35は、図8に示すように、業種コード欄と、業種名欄を備えている。
【0030】
図9は、事業者コードマスタ36の構成例である。事業者コードマスタ36は、図9に示すように、業種コード欄と、事業者コード欄と、事業者パスワード欄と、事業者名欄を備える。
【0031】
===事業者端末4、利用者端末5の構成===
図10は、事業者端末4や利用者端末5に用いられる情報機器のハードウェア構成を示す図である。事業者端末4や利用者端末5は、ハードディスクなどの記憶装置41に記憶されたプログラムをメモリ42に読み出し、演算装置たるCPU43により実行する。また、事業者端末4や利用者端末5は、各種キーボードやボタン類、ディスプレイなどの入出力インターフェイス44を備えている。また、事業者端末4や利用者端末5は、広域ネットワークに接続するための通信インターフェイス45を備えている。
【0032】
また、事業者端末4や利用者端末5は、生体情報を読み取る生体情報読取部46を備える。本実施の形態では、生体情報読取部46として、指紋センサを利用するが、虹彩、声、筆圧、静脈などのセンサでもよい。
【0033】
事業者端末4は、ハードディスクなどの記憶装置41に記憶されたプログラムをメモリ42に読み出し、CPU13が実行することによって、図11に示すように、画面制御部51、入力情報送信部52などの機能を実現する。
【0034】
画面制御部51は、事業者名、暗証番号、生体情報などの検索条件情報の入力を案内する案内画面を出力する。利用者は、案内画面に従い、入出力インターフェイス44を操作して業種名、事業者名、暗証番号、生体情報を入力する。
【0035】
入力情報送信部52は、入力された業種名に対応する業種コード、入力された事業者名に対応する事業者コード、暗証番号、生体情報(ここでは、指紋)を検索サーバ2に送信する。
【0036】
なお、事業者端末4が特定の事業者専用の端末であれば、業種及び事業者の入力受付は、不要である。また、事業者端末4が特定の業種、例えば、「銀行業務」専用の端末であれば、業務の選択受付は不要である。
【0037】
利用者端末5は、図12に示すように、WEBページなどの画面を入出力インターフェイス44に表示させる閲覧処理部61、検索サーバ2との通信を制御する通信制御部62とを備える。利用者端末5は、検索サイト2にアクセスし、検索サイト2から取得した検索条件情報の入力を案内する案内画面を表示する。閲覧処理部61は、通信制御部62を介して、利用者が入力した事業者の業種コード、事業者コード、暗証番号、生体情報を検索サーバ2に送信する。
【0038】
===検索処理===
次いで、図13のフローチャートを参照して、検索処理について説明する。情報取得部21は、利用者端末5ないしは事業者端末4から生体情報、暗証番号、業種コード、事業者コードなどの検索条件情報を取得し、メモリ42に格納する(ステップS100)。生体情報抽出部22は、検索条件情報として取得した業種コード、事業者コード、暗証番号をキーとして、利用者番号を、生体情報検索キーテーブル31から抽出する(ステップS101)。
【0039】
次いで、検索処理部23は、生体情報抽出部22で抽出した利用者番号と同じ利用者番号に対応付けられた生体情報を、生体情報テーブル32から、抽出する(ステップS102)。検索処理部23は、ステップS102で抽出した生体情報と、検索条件情報として取得した生体情報とを比較する(ステップS103)。検索処理部23は、ステップS102で抽出した生体情報と、検索条件情報として入力した生体情報とが一致すれば(ステップS104;YES)、この生体情報に対応付けられた利用者番号と生体情報の身体部位情報とを、生体情報テーブル32から読み出す(ステップS105)。一方、検索処理部23は、ステップS102で読み出した生体情報に、検索条件情報として取得した生体情報と一致するものが存在しなければ(ステップS104;NO)、利用者が登録されていない旨を利用者端末5ないしは事業者端末4に送信する(ステップS106)。
【0040】
検索処理部23は、検索条件情報である業種コード、事業者コード、及び、ステップS105で読み出した利用者番号、身体部位をキーとして、契約詳細情報を、契約詳細テーブル33から読み出す(ステップS107)。次いで、検索処理部23は、個人情報テーブル34に格納された個人情報、業種コードマスタ35に格納された業種名、事業者コードマスタ36に格納された事業者情報など、事業者がサービスを提供するために必要な情報を読み出す(ステップS108)。
【0041】
出力処理部24は、検索処理部23の検索結果に、個人情報テーブル34から読み出した個人情報、及び、業種コードマスタ35、事業者コードマスタ36から読み出した事業者情報を付加して事業者サーバ3に送信する(ステップS109)。
【0042】
図14を参照して検索処理の具体例を説明する。この例で情報取得部21が取得する検索条件情報は、生体情報“010010101001・・・”、暗証番号“1234”、業種コード“0001”、事業者コード“0012”である。
【0043】
生体情報抽出部22は、取得した暗証番号“1234”、業種コード“0001”、事業者コード“0012”をキーとして、生体情報検索キーテーブル31から利用者番号を抽出する。この処理により、検索対象となる利用者の数が10000分の1以上に絞り込まれる。絞込みの比率は、暗証番号の桁数、業種コードの桁数、事業者コードの桁数に依る。
【0044】
図14の例では、業種コード“0001”、事業者コード“0012”、暗証番号“1234”をキーとして絞り込みを行なった結果、検索情報キーテーブル31の1行目の利用者(利用者番号:1122334455)、5行目の利用者(利用者番号:2233445566)、・・・・が抽出される。
【0045】
検索処理部23は、生体情報抽出部22が抽出した利用者番号と一致するデータを生体情報テーブル32から抽出する。図14の例では、検索処理部23は、利用者番号“1122334455”、利用者番号“2233445566”、・・・に対応付けられた生体情報を抽出する。
【0046】
検索処理部23は、抽出した生体情報と利用者が入力した生体情報“0100101001・・・”とを比較する。図14の例では、利用者が入力した生体情報“0100101001・・・”は、生体情報テーブル32の2行目のデータ、すなわち、利用者番号“1122334455”の身体部位“中指”と一致する。
【0047】
検索処理部23は、検出した利用者番号“1122334455”、身体部位“中指”と、検索条件として取得した業種コード“0001”、事業者コード“0012”をキーとして契約詳細情報テーブルから契約詳細情報を読み出す。図14の例では、業種コード“0001”、事業者コード“0012”、利用者番号“1122334455”、身体部位“中指”に対して、支店名“大森支店”、寄託種別“普通”、口座番号“0012345”を読み出す。
【0048】
ところで、利用者番号“1122334455”の身体部位“中指”に対しては、1組の契約詳細情報が対応付けられているが、ある利用者の身体部位に対して複数の契約詳細情報が対応付けられている場合もある。例えば、利用者番号“1122334455”の身体部位“親指”には、支店名“新川崎支店” に口座番号“0054321”の寄託種別“当座口座”と、口座番号“112234”の寄託種別“定期口座”と、口座番号“667789”の寄託種別“普通口座”とが対応付けられている。この場合、3組の契約詳細情報を読み出す。
【0049】
以上説明したように、本発明を適用した検索システム1では、利用者から入力された生体情報を検索する際、検索サーバ2は、事業者コード、暗証番号などの事業者の属性情報および利用者の属性情報を用いて、検索対象となる利用者の絞り込みを行う。生体情報の照合は、演算量の多い処理であるが、検索情報を絞り込むことで、演算量を減少させている。
【0050】
また、本発明を適用した検索システム1において、検索サーバ2は、利用者から入力された生体情報が身体のどの部位に当たるものかにより利用者に提供する詳細情報を特定することができる。また、検索サーバ2は、利用者の個人情報を記憶しており、利用者に提供するサービスに必要な個人情報を選択することができる。
【0051】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0052】
例えば、上記実施の形態では、利用者の属性情報として、暗証番号を利用したが、暗証番号の代わりに、利用者の性別や年齢などを利用してもよい。性別や年齢などの属性情報を、利用者の顔画像などから認識すれば、利用者の手入力は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】検索システムの構成を示す図である。
【図2】検索サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】検索サーバの機能を示す機能ブロック図である。
【図4】生体情報検索キーテーブルの構成例を示す図である。
【図5】生体情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】契約詳細テーブルの構成例を示す図である。
【図7】個人情報テーブルの構成例を示す図である。
【図8】業種コードマスタの構成例を示す図である。
【図9】事業者コードマスタの構成例を示す図である。
【図10】利用者端末および事業者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】事業者端末の機能を示す機能ブロック図である。
【図12】利用者端末の機能を示す機能ブロック図である。
【図13】検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【図14】検索処理の手順を説明するデータフローである。
【符号の説明】
【0054】
1 検索システム
2 検索サーバ
3 事業者サーバ
4 事業者端末
5 利用者端末
21 情報取得部
22 生体情報抽出部
23 検索処理部
24 出力処理部
31 生体情報検索キーテーブル
32 生体情報テーブル
33 契約詳細テーブル
34 個人情報テーブル
35 業種コードマスタ
36 事業者コードマスタ
46 生体情報読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の事業者が提供するサービスの利用者の情報を管理し、前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の情報を検索する検索装置であって、
前記事業者の属性情報ないしは前記事業者が提供するサービスの利用者の属性情報と、当該利用者の生体情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部と、
前記利用者の操作する端末から、前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と、前記利用者の生体情報とを前記サービスの利用に伴う認証依頼として取得し、メモリに格納する情報取得部と、
前記データ記憶部において、前記メモリに格納されている前記事業者の属性情報ないし前記利用者の属性情報をキーとして、前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報に対応する生体情報を抽出する生体情報抽出部と、
前記生体情報抽出部によって抽出された生体情報のうち、前記メモリに格納されている前記利用者の生体情報に一致する生体情報を検索する検索処理部と、
前記検索の結果を出力インターフェイスに出力する出力処理部と、
を有する検索装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記データ記憶部は、前記利用者の生体情報と、前記利用者の個人情報とを対応付けて記憶しており、
前記生体情報抽出部は、前記検索処理部で検索された生体情報に基づき、前記利用者の個人情報をデータ記憶部から、読み出すものであり、
前記出力処理部は、前記利用者の個人情報を出力インターフェイスに出力するものである、
ことを特徴とする検索装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記データ記憶部は、前記利用者の身体における複数の部位から読み取られた複数の生体情報と、前記複数の生体情報の各々と関連付けられたサービスの属性情報とを対応付けて記憶しており、
前記検索処理部は、前記検索により、前記情報取得部が取得した利用者の生体情報に一致する生体情報を検索して、この生体情報が読み取られた前記利用者の身体における該当部位を特定し、この該当部位の生体情報に関連付けられたサービスの属性情報を前記データ記憶部から読み出すものであり、
前記出力処理部は、前記読み出されたサービスの詳細情報を、出力インターフェイスに出力するものである、
ことを特徴とする検索装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記事業者の属性情報とは、前記事業者の業種を含むことを特徴とする検索装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記事業者の属性情報とは、前記事業者の識別情報を含むことを特徴とする検索装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記利用者の属性情報とは、前記利用者がサービスを利用する際に入力する暗証番号を含むことを特徴とする検索装置。
【請求項7】
所定の事業者が提供するサービスの利用者の情報を管理し、前記利用者の情報をコンピュータにより検索する方法であって、前記コンピュータが、
前記利用者の操作する端末から、前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と、前記利用者の生体情報と前記サービスの利用に伴う認証依頼として取得し、メモリに格納し、
前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と当該利用者の生体情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部から、前記取得した事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報をキーとして生体情報を抽出し、
前記データ記憶部から抽出された生体情報のうち、前記メモリに格納されている前記利用者の生体情報に一致する生体情報を検索し、
前記検索の結果を出力インターフェイスに出力する
ことを特徴とする検索方法。
【請求項8】
所定の事業者が提供するサービスの利用者の情報を管理し、前記利用者の情報をコンピュータにより検索する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記利用者の操作する端末から、前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と、前記利用者の生体情報とを前記サービスの利用に伴う認証依頼として取得し、メモリに格納するステップと、
前記事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報と当該利用者の生体情報とを対応付けて記憶するデータ記憶部から、前記取得した事業者の属性情報ないしは前記利用者の属性情報をキーとして生体情報を抽出するステップと、
前記データ記憶部から抽出された生体情報のうち、前記メモリに格納されている前記利用者の生体情報に一致する生体情報を検索するステップと、
前記検索の結果を出力インターフェイスに出力するステップと
を含む検索プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−317008(P2007−317008A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146981(P2006−146981)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】