説明

検証装置

【課題】印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行うスタンドアローンタイプの検証装置において、内部設定情報をさらに簡単に設定できるようにする。
【解決手段】この検証装置は、印刷情報が印刷された印刷媒体を搬送する搬送部と、搬送される印刷媒体に印刷された印刷情報を光学的に読み取って出力信号を生成する読取部と、内部設定情報を格納する持ち運び可能な外部記憶媒体から内部設定情報を読み出し、又は、内部設定情報を格納する格納部を有する赤外線通信端末から内部設定情報を受信し、内部設定情報に基づいて、少なくとも搬送部における印刷媒体の搬送を制御し、読取部の出力信号に基づいて、読み取られた印刷情報の内容を表す読取データを生成し、該読取データを参照データと比較することにより、印刷媒体に印刷された印刷情報の検証を行う制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルやタグにバーコードや文字等の印刷情報を印刷するプリンターにおいては、印刷媒体(以下においては、「用紙」ともいう)として、例えば、長尺帯状の台紙(セパレーター)上に所定長さのラベルが所定間隔で仮着されているラベル連続体や、タグ製造用の帯状のシートが用いられる。さらに、用紙に印刷情報が正確に印刷されたか否かを検証するために、用紙に印刷された印刷情報をスキャナーを用いて読み取って印刷情報の検証を行う検証装置を備えたプリンターも知られている。
【0003】
しかしながら、プリンターに検証装置が一体化されると、装置全体が大型化してしまうという問題がある。また、プリンターに一体化された検証装置は、そのプリンター専用となるので汎用性に乏しく、プリンター毎に検証装置を設ける場合には、装置のコストが上昇してしまうという問題がある。そこで、プリンターから独立したスタンドアローンタイプの検証装置が望まれている。
【0004】
用紙に印刷されたバーコード等の検証処理をスタンドアローンタイプの検証装置を用いて行う場合に、検証装置の内部設定情報(検証対象情報や検証装置の動作設定内容等)を、検証装置を直接操作して設定したり、検証装置にパーソナルコンピューターを接続して専用のツールを利用して設定したりする必要がある。また、検証対象である用紙の種類を変更する場合には、検証装置の内部設定情報を設定し直す必要がある。さらに、複数の検証装置を使用する場合には、それらの検証装置の全てについて、上記の設定作業を行う必要がある。
【0005】
しかしながら、検証装置を操作して内部設定情報を設定する作業は複雑であり、設定された内容を確認することも困難である。一方、検証装置にパーソナルコンピューターを接続して内部設定情報を設定するためには、検証装置が設置されている場所にパーソナルコンピューターを用意したり、パーソナルコンピューターに専用のツールをインストールしたりするために、手間やコストがかかる。特に、複数の検証装置を使用している際に用紙の種類を変更する場合には、上記の設定作業を検証装置の台数分だけ繰り返すことが必要となるので、作業ミスが発生したり、作業に時間を要するという問題がある。
【0006】
関連する技術として、特許文献1には、モード設定を行う際のパネル装置からの煩わしい入力操作を不要にすることを目的とした画像形成装置(プリンター)が開示されている。特許文献1においては、プリンターが外部からの指示によってモード設定用シートのフォーマットを紙に印刷し、ユーザーがそのフォーマットが印刷されたモード設定用シートの設定したい項目及びその選択メニュー等にマーキングを施した後、そのモード設定用シートをスキャナーに読み込ませる。それによって、スキャナーからのモード設定用の画像データがプリンターコントローラーに入力され、その内部のCPUがモード設定用シートに記入された内容を解析し、その結果に応じて自動的にモード設定を行う。
【0007】
しかしながら、特許文献1によれば、ユーザーは、プリンターのモードを設定するために、モード設定用シートのフォーマットを紙に印刷する指示をプリンターに与える作業と、フォーマットが印刷されたモード設定用シートにマーキングを施す作業と、そのモード設定用シートをスキャナーに読み込ませる作業とを行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−112064号公報(要約書)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行うスタンドアローンタイプの検証装置において、内部設定情報をさらに簡単に設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る検証装置は、内部設定情報に従って動作し、印刷媒体に印刷された印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置であって、印刷情報が印刷された印刷媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される印刷媒体に印刷された印刷情報を光学的に読み取って出力信号を生成する読取部と、内部設定情報を格納する持ち運び可能な外部記憶媒体から内部設定情報を読み出し、又は、内部設定情報を格納する格納部を有する赤外線通信端末から内部設定情報を受信し、内部設定情報に基づいて、少なくとも搬送部における印刷媒体の搬送を制御し、読取部の出力信号に基づいて、読み取られた印刷情報の内容を表す読取データを生成し、該読取データを、本来印刷すべき印刷情報の内容を表す参照データと比較することにより、印刷媒体に印刷された印刷情報の検証を行う制御部とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1つの観点によれば、スタンドアローンタイプの検証装置において、持ち運び可能な外部記憶媒体から内部設定情報を読み出し、又は、赤外線通信端末から内部設定情報を受信することにより、検証装置の内部設定情報の設定作業が完了するので、内部設定情報が極めて簡単に設定できるようになる。その結果、作業ミスが低減し、作業に要する時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る検証装置を用いた印刷/検証システムを示す概略図である。
【図2】1つのメモリーカードを用いて複数の検証装置に内部設定情報を設定する状況を示す図である。
【図3】連続して発行された一連のラベルの検証例を示す図である。
【図4】図1に示す検証装置の詳細な内部構造を示す側面断面図である。
【図5】(A)幅が狭い用紙に印刷情報を印刷するためにサーマルヘッドの端部を用いる場合を示す図であり、(B)は、幅が狭い用紙に印刷情報を印刷するためにサーマルヘッドの中央部を用いる場合を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る検証装置の制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。
【図7】メモリーカードに格納される複数のモードの例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る検証装置を用いた印刷/検証システムを示す概略図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る検証装置の制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検証装置を用いた印刷/検証システムを示す概略図である。この印刷/検証システムは、プリンター10と、検証装置20とによって構成される。プリンター10は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の用紙に、バーコードや文字等の印刷情報を印刷する。検証装置20は、メモリーカード28を用いて内部設定情報を設定することが可能であり、用紙に印刷された印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う。なお、検証装置20の内部設定情報をメモリーカード28に格納するために、パーソナルコンピューター30を用いても良い。
【0014】
検証装置20は、プリンター10に一体化されておらず、パーソナルコンピューター30に接続されていないスタンドアローンタイプの検証装置であり、設置場所は自由である。また、複数種類のプリンター10が用いられる場合においても、それらのプリンター10によって印刷媒体に印刷された印刷情報を、1台の検証装置20を用いて検証することが可能である。
【0015】
以下においては、台紙に仮着されたラベルを用紙1として用い、ラベルにバーコードを印刷する場合を例として説明する。プリンター10において、用紙1が、ロール状に巻回されたロール紙として、プリンター10の筐体に設けられた用紙供給軸11に回転可能に支持されている。用紙供給軸11から引き出された用紙1は、プラテンローラー12とサーマルヘッド13との間に供給され、プラテンローラー12の回転によって搬送される。
【0016】
ラベルとしては、例えば、ある温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)を発色するサーマル紙が用いられる。印刷データに基づく電気信号をサーマルヘッド13に供給することにより、サーマルヘッド13の発熱体が発熱して、ラベルにバーコードが印刷される。印刷が行われた用紙1は、プリンター10の筐体に形成された用紙排出口から外部に排出される。プリンター10から排出された用紙1は、検証装置20に直接挿入されても良いし、一旦切断されてから検証装置20に挿入されても良い。
【0017】
検証装置20は、複数の搬送ローラーを備えた上流側搬送部21、中間搬送部22、及び、下流側搬送部23を含む搬送部と、搬送部によって搬送される用紙1に印刷されたバーコードを光学的に読み取って出力信号を生成するスキャナー部24と、検証エラーが発生したラベルに押印を行うマーキング部25と、検証装置20の各部の動作を制御する制御部26と、持ち運び可能な外部記憶媒体であるメモリーカード28が装着(挿入)されるメモリーカードスロット27とを含んでいる。また、検証装置20は、プリンター10の外部接続端子にケーブルを介して接続される外部接続端子(Ext端子)をさらに含んでも良い。
【0018】
メモリーカードスロット27は、メモリーカード28が装着されているか否かを表す検出信号を制御部26に出力する。メモリーカード28としては、フラッシュメモリに属するSDカードを用いることができる。あるいは、メモリーカード28の替わりに、USBメモリー、フレキシブルディスク、MO、MT、CD−R/W、DVD−R/W、又は、DVD−RAM等の外部記憶媒体を用いるようにしても良い。それらの外部記憶媒体を用いる場合には、それらの外部記憶媒体が装着(挿入)されるスロット部が設けられる。
【0019】
メモリーカード28には、検証装置20の内部設定情報(検証対象情報や検証装置の動作設定内容等)が格納される。内部設定情報は、検証装置20を用いて設定し、検証装置20からメモリーカード28に書き込むようにしても良いし、パーソナルコンピューター30を用いて設定し、パーソナルコンピューター30からメモリーカード28に書き込むようにしても良い。好ましくは、メモリーカード28に複数種類の内部設定情報が格納される。メモリーカード28に内部設定情報が格納されると、今度は、そのメモリーカード28を用いて、検証装置20に内部設定情報を設定(再設定)することができる。
【0020】
図2は、1つのメモリーカードを用いて複数の検証装置に内部設定情報を設定する状況を示す図である。1つのメモリーカード28を複数の検証装置20のメモリーカードスロット27に順次装着することにより、複数の検証装置20に共通の内部設定情報を設定することができる。あるいは、メモリーカード28に複数種類の内部設定情報が格納されている場合には、複数の検証装置20に異なる種類の内部設定情報を設定することも可能である。
【0021】
再び図1を参照すると、制御部26は、メモリーカード28がメモリーカードスロット27に装着されると、メモリーカードスロット27から出力される検出信号に応答して、メモリーカード28から内部設定情報を読み出し、読み出された内部設定情報に従って各部を制御する。あるいは、メモリーカード28から内部設定情報を読み出す指示は、ユーザーが行っても良い。メモリーカード28に複数種類の内部設定情報が格納されている場合には、いずれの内部設定情報を選択するかは、ユーザーが指示する。制御部26の制御の下で、搬送部が用紙1を搬送する。
【0022】
図3は、連続して発行された一連のラベルの検証例を示す図である。用紙1は、台紙2に8枚のラベル3を剥離可能に仮着して構成されている。スキャナー部24は、8枚のラベル3にそれぞれ印刷された8個のバーコード4を順次読み取って出力信号を生成する。それらのバーコード4には、バーコード番号No.1〜8が付されているものとする。
【0023】
図1に示す制御部26は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、読み取られたバーコードの画像を表す画像データを生成すると共に、その画像データに基づいて、読み取られたバーコードの内容(数字や文字)を表す読取データを生成し、その読取データを、本来印刷すべきバーコードの内容を表す参照データと比較することにより、ラベル3に印刷されたバーコード4の検証を行う。
【0024】
検証エラーが発生した場合(スキャナー部24がバーコードを読み取ることができなかった場合、又は、検証結果がNGであった場合)には、制御部26が、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに押印を行うようにマーキング部25を制御する。これにより、マーキング部25が、検証エラーが発生したバーコード(バーコード番号No.2)が印刷されているラベルに、「不可」のスタンプ5を押印する。
【0025】
図4は、図1に示す検証装置の詳細な内部構造を示す側面断面図である。検証装置20は、先に説明した上流側搬送部21〜メモリーカードスロット27に加えて、警告音発生部29と、挿入部40と、挿入センサー51と、下側搬送ガイド板52と、上側搬送ガイド板53と、上流側移動検出部54と、下流側移動検出部55と、ラベル位置検出部56と、モーター57と、エンコーダー58と、ベルト59と、表示部73と、操作部74とを含んでいる。ここで、挿入部40、上流側搬送部21〜下流側搬送部23、及び、挿入センサー51〜ベルト59は、用紙を搬送する搬送部を構成している。
【0026】
挿入部40は、挿入ガイド41と、挿入センサー42と、モーター43と、ベルト44及び46と、回転ローラー45と、搬送ローラー47及び49と、搬送ベルト48と、ガイドローラー50とを含んでいる。挿入ガイド41は、図1に示すプリンター10によって印刷された用紙が検証装置20内に挿入される際に用紙を案内する部分であり、用紙の幅方向の位置を規制するために、用紙の幅方向に移動可能な用紙ガイド部41aを含んでいる。
【0027】
挿入センサー42は、挿入ガイド41の先端部近傍に設けられ、挿入される用紙を検出して、検出信号を制御部26に出力する。挿入部40に用紙が挿入されると、制御部26は、モーター43を駆動して回転軸43aを回転させる。回転軸43aの回転は、ベルト44を介して回転ローラー45に伝えられ、さらに、ベルト46を介して搬送ローラー47に伝えられる。これにより、搬送ローラー47及び49を連結している搬送ベルト48が送られるので、挿入部40に挿入された用紙が、搬送ベルト48とガイドローラー50との間に挟まれて搬送される。
【0028】
挿入センサー51は、挿入部40の搬送方向下流側における直近に設けられ、搬送される用紙を検出して、検出信号を制御部26に出力する。制御部26は、挿入センサー51から検出信号を受信すると、用紙を搬送するように、上流側搬送部21〜下流側搬送部23を駆動するモーター57を制御する。
【0029】
用紙(ラベル及び台紙)の幅は様々であり、幅が狭い用紙が用いられる場合を考慮して、挿入センサー42及び挿入センサー51の各々は、用紙の幅方向に沿った複数の位置にそれぞれ配置された複数のセンサーを含むようにしても良い。例えば、図5(A)及び(B)に示すように、検証装置20において、挿入センサー42として端部センサー42a及び中央部センサー42bを設け、挿入センサー51として端部センサー51a及び中央部センサー51bを設けるようにしても良い。
【0030】
図5(A)に示すように、幅が狭い用紙に印刷情報を印刷するためにプリンター10のサーマルヘッド13の端部を用いる場合には、幅方向の端部に配置された端部センサー42a及び51aが用いられる。一方、図5(B)に示すように、幅が狭い用紙に印刷情報を印刷するためにプリンター10のサーマルヘッド13の中央部を用いる場合には、幅方向の中央部に配置された中央部センサー42b及び51bが用いられる。
【0031】
検証装置20の内部設定情報は、検証対象情報として、用紙のサイズ(幅)に関する情報と、用紙の位置に関する情報と、用紙における印刷情報の読取位置に関する情報との内の少なくとも1つを含んでいる。例えば、用紙の幅が所定の値以上である場合には、制御部26は、印刷情報の読取位置が端部寄りの場合に端部センサー42a及び51aの出力信号を選択し、印刷情報の読取位置が中央部寄りの場合に中央部センサー42b及び51bの出力信号を選択しても良い。一方、用紙の幅が所定の値よりも小さい場合には、制御部26は、用紙の位置が端部寄りの場合に端部センサー42a及び51aの出力信号を選択し、用紙の位置が中央部寄りの場合に中央部センサー42b及び51bの出力信号を選択しても良い。
【0032】
再び図4を参照すると、下側搬送ガイド板52には、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部21の複数の搬送ローラー21a、中間搬送部22の複数の搬送ローラー22a、及び、下流側搬送部23の複数の搬送ローラー23aは、複数の搬送用開口を通して下側搬送ガイド板52の上方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54a、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55aは、複数の検出用開口を通して下側搬送ガイド板52の上方に突出している。
【0033】
上側搬送ガイド板53にも、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部21の複数の搬送ローラー21b、中間搬送部22の複数の搬送ローラー22b、及び、下流側搬送部23の複数の搬送ローラー23bは、複数の搬送用開口を通して上側搬送ガイド板53の下方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54b、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55bは、複数の検出用開口を通して上側搬送ガイド板53の下方に突出している。
【0034】
搬送ローラー21aと搬送ローラー21bとは、互いに対向して接触するように配置されている。同様に、搬送ローラー22aと搬送ローラー22bとは、互いに対向して接触するように配置されており、搬送ローラー23aと搬送ローラー23bとは、互いに対向して接触するように配置されている。
【0035】
搬送ローラー21a〜23aは、図示しないベルト、トルクリミッター、及び、アイドルギアを介して、モーター57によって駆動される。これらの構成要素も、搬送部を構成している。トルクリミッターは、図1に示すプリンター10から排出される用紙が検証装置20に直接挿入される場合に、検証装置20における用紙の搬送速度をプリンター10における用紙の搬送速度に合わせるために、用紙にかかる張力を制限するものである。
【0036】
挿入部40から挿入された用紙を搬送する際には、まず、上流側搬送部21において、搬送ローラー21aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー21bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー21aが回転することにより、用紙を下流方向(図4における左方向)に搬送する。
【0037】
中間搬送部22は、上流側搬送部21よりも搬送方向下流側であって、且つ、用紙に印刷された印刷情報をスキャナー部24が読み取る位置(図4における矢印Aの位置)の搬送方向下流側における近傍に設けられている。中間搬送部22において、搬送ローラー22aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー22bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー22aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。中間搬送部22をこのような位置に設けることによって、矢印Aの位置における用紙の平面性を高めて、スキャナー部24による印刷情報の読み取りを精度良く行うことができる。
【0038】
下流側搬送部23は、中間搬送部22よりも搬送方向下流側であって、且つ、マーキング部25よりも搬送方向下流側に設けられている。下流側搬送部23において、搬送ローラー23aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー23bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー23aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。下流側搬送部23をこのような位置に設けることによって、マーキング位置における用紙の平面性を高めて、マーキングを良好に行うことができる。
【0039】
上流側移動検出部54は、上流側搬送部21の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー54a及び54bと、プーリー54cとを含んでいる。下流側移動検出部55は、下流側搬送部23の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー55a及び55bと、プーリー55cとを含んでいる。また、エンコーダー58は、プーリー58cを含んでいる。
【0040】
上流側移動検出部54において、検出ローラー54aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー54bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー54a及び54bが回転する。同様に、下流側移動検出部55において、検出ローラー55aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー55bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー55a及び55bが回転する。
【0041】
プーリー54c、55c、及び、58cには、ベルト59が掛けられている。従って、プーリー54c及び55cの内のすくなくとも一方が回転すると、その回転がプーリー58cに伝播する。エンコーダー58は、ロータリーエンコーダーであり、プーリー58cの回転に基づいて検出信号を制御部26に出力する。
【0042】
図1に示すように、プリンター10から排出された用紙が検証装置20に直接挿入される場合には、検証装置20における用紙の搬送速度をプリンター10における用紙の搬送速度に合わせることが望ましい。一方、プリンター10から排出された用紙が一旦切断されてから検証装置20に挿入される場合には、検証装置20における用紙の搬送速度をプリンター10における用紙の搬送速度とは無関係に決定することができる(自走)。
【0043】
検証装置20の内部設定情報は、検証装置の動作設定内容として、用紙の搬送速度をプリンターに追従させるか否かに関する搬送速度設定情報を含んでいる。制御部26は、搬送速度設定情報に従って、搬送部における用紙の搬送速度を調整する。これにより、プリンターから排出された用紙が検証装置20に直接挿入される場合には、用紙の搬送速度をプリンターに追従させ、一旦切断された用紙が検証装置20に挿入される場合には、用紙の搬送速度を、印刷情報の検証に要する時間に合わせて自動的に、あるいは、手動で設定することができる。
【0044】
さらに、図1に示すように、検証装置20が外部接続端子(Ext端子)を用いてプリンター10に接続される場合には、プリンター10が、検証装置20における用紙の搬送を開始させる搬送開始信号を検証装置20に送信して、外部接続端子を介して搬送開始信号を受信した制御部26が、用紙の搬送を開始させるように搬送部を制御するようにしても良い。これにより、プリンター10から用紙が出力されるタイミングに同期して、検証装置20における用紙の搬送を開始させることができる。
【0045】
あるいは、検証装置20の制御部26が、プリンター10における用紙の搬送速度を制御する搬送速度制御信号を外部接続端子を介してプリンター10に送信することにより、プリンター10における用紙の搬送速度を制御しても良い。これにより、検証装置20における印刷情報の検証に時間を要する場合でも、それに合わせてプリンター10における用紙の搬送速度を遅くすることができる。また、スキャナー部24が印刷情報を読み取ることができなかった等の場合には、制御部26が、プリンター10の動作を停止させるプリンター停止信号を外部接続端子を介してプリンター10に送信することにより、プリンター10の動作を停止させても良い。
【0046】
検証装置20の内部設定情報は、検証装置の動作設定内容として、外部接続端子を介して送信される搬送速度制御信号もしくはプリンター停止信号、又は、外部接続端子を介して受信される搬送開始信号等のそれぞれを有効にするか無効にするかに関する外部接続端子設定情報を含んでいる。制御部26は、外部接続端子情報に従って、外部接続端子を介して送信又は受信される信号を有効にするか無効にするかを設定する。
【0047】
ラベル位置検出部56は、好ましくは、反射型光センサーと透過型光センサーとの両方を含んでいる。反射型光センサーは、用紙の少なくとも一方の面においてラベルの位置に対応して印刷された位置検出マーク(アイマーク)を検出して、検出信号を制御部26に出力する。また、透過型光センサーは、用紙上においてラベルが存在する領域とラベルが存在しない領域との光透過率の差を検出して、検出信号を制御部26に出力する。
【0048】
反射型光センサーを用いる場合には、下側センサー56a又は上側センサー56bが反射型光センサーによって構成される。一方、透過型光センサーを用いる場合には、下側センサー56aが、透過型光センサーの発光部又は受光部によって構成され、上側センサー56bが、透過型光センサーの受光部又は発光部によって構成される。
【0049】
検証装置20の内部設定情報は、検証装置の動作設定内容として、反射型光センサーを用いるか透過型光センサーを用いるかに関するセンサー設定情報を含んでいる。制御部26は、センサー設定情報に従って、反射型光センサーと透過型光センサーとの内の一方を選択し、選択されたセンサーの出力信号に基づいて、搬送部における印刷媒体の搬送を制御する。
【0050】
スキャナー部24は、搬送される用紙をスキャンすることにより、用紙に印刷されたバーコードを光学的に読み取って出力信号を生成する読取部である。例えば、スキャナー部24は、照明部と光センサー部とを有しており、照明部によって照明された用紙に印刷されているバーコードを光センサー部が読み取って出力信号を生成する。光センサー部としては、1次元又は2次元CCDイメージセンサー等を用いることができる。スキャナー部24によって生成される出力信号は、制御部26に出力される。
【0051】
マーキング部25は、制御部26の制御の下で、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに押印を行う押印部である。スキャナー部24がバーコードを読み取ることができなかったり、スキャナー部24が読み取ったバーコードの内容が本来印刷すべきバーコードの内容と異なっていたりする場合には、そのバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。なお、マーキング部25は、レーザーやインクジェットを用いてマーキングを行っても良いし、用紙の一部を切り欠いたり孔を開けたりしてマーキングを行っても良い。
【0052】
さらに、検証エラーが発生したり、及び/又は、操作エラーが生じた際には、制御部26が、警告音発生部29に警告音(ブザー音)を発生させるようにしても良い。検証装置20の内部設定情報は、検証装置の動作設定内容として、警告音発生部29が発生する警告音の音量に関する警告音音量設定情報を含んでいる。制御部26は、警告音音量設定情報に従って、警告音発生部29が発生する警告音の音量を調節する。
【0053】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る検証装置の制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。図6に示すように、制御部26は、CPU(central processing unit:中央演算装置)60と、ROM(read only memory)61と、フラッシュRAM(random access memory)62と、用紙検出制御回路63と、ピッチ検出制御回路64と、駆動制御回路65と、エンコーダー制御回路66と、インターフェース(IF)67と、設定部68と、スキャン制御回路69と、検証部70と、マーキング制御回路71と、音声回路72とを含んでいる。これらは、バスラインを介して相互に接続されている。
【0054】
ROM61には、CPU60に各種の処理を行わせるためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されている。CPU60は、ROM61に格納されている制御プログラムに従って、用紙検出制御回路63〜音声回路72を制御する。また、フラッシュRAM62には、本来印刷すべき印刷情報の内容を表す参照データが格納されている。参照データは、メモリーカード、USBメモリー、フレキシブルディスク、MO、MT、CD−R/W、DVD−R/W、又は、DVD−RAM等の持ち運び可能な外部記憶媒体を用いることにより、予めフラッシュRAM62に格納される。
【0055】
用紙検出制御回路63は、用紙が挿入部40に挿入されたか否かを検出するように挿入センサー42を制御すると共に、用紙が検証装置本体内に挿入されたか否かを検出するように挿入センサー51を制御する。また、ピッチ検出制御回路64は、ラベルの位置情報を利用する動作モードにおいて、ラベル位置検出部56から出力される検出信号に基づいて、台紙に仮着されたラベルの位置(用紙の長手方向における位置)を求め、ラベル位置検出部56がラベルを検出してから次のラベルを検出するまでの距離をラベルのピッチとして求める。
【0056】
駆動制御回路65は、用紙が挿入部40に挿入された際に、用紙を搬送するようにモーター43を制御すると共に、用紙が検証装置本体内に挿入された際に、用紙を搬送するようにモーター57を制御する。エンコーダー制御回路66は、エンコーダー58から出力される検出信号に基づいて、用紙の移動量又は搬送速度を求める。エンコーダー制御回路66によって求められた用紙の移動量又は搬送速度は、駆動制御回路65によるモーター43及び57の制御にフィードバックされるようにしても良い。
【0057】
CPU60は、インターフェース67を介して表示部73及び操作部74に接続されている。表示部73は、例えば、CPU60から供給される信号に基づいて操作メッセージ等を表示する液晶パネルと、バーコードを読取中であることを表示する発光ダイオードと、検証エラーが発生したことを表示する発光ダイオードとを含んでいる。
【0058】
また、操作部74は、例えば、検証装置を操作するために用いられるスタートキー等の操作キーと、内部設定情報を設定するために用いられる内部設定情報設定キーと、設定された内部設定情報をメモリーカード28に書き込む指示を与えるために用いられる内部設定情報保存キーと、メモリーカード28に複数種類の内部設定情報が格納されている場合に、それらの内から1種類の内部設定情報を選択するために用いられる内部設定情報選択キーとを含んでいる。
【0059】
設定部68は、操作部74を用いて設定された内部設定情報をフラッシュRAM62及び/又はメモリーカード28に書き込む。また、設定部68は、フラッシュRAM62又はメモリーカード28から内部設定情報を読み出す。メモリーカード28がメモリーカードスロット27に装着されている場合には、メモリーカード28から読み出された内部設定情報が優先される。CPU60は、その内部設定情報に従って、検証装置20の各部を制御する。ここで、メモリーカード28に複数種類の内部設定情報を格納する場合には、検証対象情報や検証装置の動作設定内容等を組み合わせることにより、複数のモードを設定するようにしても良い。
【0060】
図7は、メモリーカードに格納される複数のモードの例を示す図である。この例においては、検証対象情報や検証装置の動作設定内容等の組み合わせに応じて、モード1、モード2、・・・が設定されている。
【0061】
再び図6を参照すると、スキャン制御回路69は、用紙が搬送される際に、バーコードの読取動作を行うようにスキャナー部24を制御する。特に、スキャン制御回路69は、ラベルの位置情報を利用する動作モードにおいて、ピッチ検出制御回路64によって求められたラベルの位置に対応する範囲(用紙の長手方向における範囲)においてバーコードの読取動作を行うようにスキャナー部24を制御する。また、スキャン制御回路69は、検証対象情報を利用する動作モードにおいて、設定部68によって読み出された検証対象情報に対応する範囲(用紙の幅方向における範囲)においてバーコードの読取動作を行うようにスキャナー部24を制御する。これにより、バーコードの検証動作を効率的に行うことができる。
【0062】
検証部70は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、読み取られたバーコードの画像を表す画像データを生成し、その画像データに基づいて、読み取られたバーコードの内容(数字や文字)を表す読取データを生成する。その際に、検証部70は、スキャナー部24がバーコードを読み取ることができたか否かを判定する。さらに、検証部70は、生成された読取データを、フラッシュRAM62に格納されている本来印刷すべきバーコードの内容を表す参照データと比較することにより、ラベルに印刷されたバーコードの検証を行う。
【0063】
マーキング制御回路71は、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに押印を行うようにマーキング部25を制御する。これにより、マーキング部25は、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。音声回路72は、検証エラーが発生したり、及び/又は、操作エラーが生じた際に、警告音発生部29に警告音を発生させる。
【0064】
次に、図4に示す検証装置の動作例について、図4及び図6を参照しながら説明する。
まず、オペレーターが、検証装置20の電源スイッチを操作することにより、検証装置20を電源オンの状態にする。CPU60は、メモリーカードスロット27から出力される検出信号に基づいて、メモリーカードスロット27にメモリーカード28が装着されているか否かを判定する。
【0065】
メモリーカード28が装着されている場合には、設定部68が、メモリーカード28から複数種類の内部設定情報に対応する複数のモードを読み出すことにより、表示部73の液晶パネルに、「モード1」、「モード2」、・・・の表示を行う。オペレーターは、内部設定情報選択キーを操作することにより、それらのモードの内の1つを選択することができる。
【0066】
次に、「ラベルを通してください」というメッセージが液晶パネルに表示されると、オペレーターが、用紙(ラベルが仮着された台紙)を検証装置20に挿入し、スタートキーを押下する。これにより、CPU60が、選択されたモードに従って、検証装置20の検証動作を開始させる。
【0067】
まず、用紙検出制御回路63が、挿入センサー42から出力される検出信号に基づいて、用紙が挿入部40に挿入されたか否かを判定する。用紙が挿入部40に挿入されると、駆動制御回路65が、搬送ベルト48によって用紙を搬送するようにモーター43を駆動する。さらに、用紙検出制御回路63は、挿入センサー51から出力される検出信号に基づいて、用紙が検証装置本体内に挿入されたか否かを判定する。用紙が検証装置本体内に挿入されると、駆動制御回路65は、上流側搬送部21〜下流側搬送部23によって用紙を搬送するようにモーター57を駆動する。
【0068】
CPU60は、ピッチ検出制御回路64によって求められたラベルの位置及びピッチと、エンコーダー制御回路66によって求められた用紙の移動量又は搬送速度と、設定部68によって読み出された検証対象情報とに基づいて、バーコードの読み取り動作を行う範囲を決定する。これに従って、スキャン制御回路69が、スキャナー部24にラベルのスキャンを開始させる。
【0069】
検証部70は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、読み取られたバーコードの画像を表す画像データを生成し、さらに、その画像データに基づいて、読み取られたバーコードの内容(数字や文字)を表す読取データを生成する。その際に、検証部70は、スキャナー部24がバーコードを読み取ることができたか否かを判定する。
【0070】
スキャナー部24がバーコードを読み取ることができた場合には、検証部70は、生成された読取データを、本来印刷すべきバーコードの内容を表す参照データと比較することにより、ラベルに印刷されたバーコードの検証を行う。さらに、検証部70は、検証が行われたバーコードに関する検証データを、フラッシュRAM62に格納されている検証ファイルに保存する。検証データは、例えば、バーコード番号、検証結果(OK又はNG)、バーコードの内容(数字や文字)、及び、バーコードの画像のグレードを含んでいる。バーコードの画像のグレードとは、例えば、バーコードの画像の明瞭度を5段階で評価したものである。
【0071】
マーキング制御回路71は、マーキング部25を制御することにより、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。CPU60は、ラベル位置検出部56から出力される検出信号に基づいて、次に検証の対象とすべきラベルが存在するか否かを判定する。次に検証の対象とすべきラベルが存在する場合には、上記の検証動作が繰り返される。一方、台紙に仮着された一連のラベルに印刷されたバーコードの検証が終了して、次に検証の対象とすべきラベルが存在しない場合には、用紙を排出して処理が終了する。
【0072】
本発明の第1の実施形態によれば、スタンドアローンタイプの検証装置において、持ち運び可能な外部記憶媒体から内部設定情報を読み出すことにより、検証装置の内部設定情報をさらに簡単に設定できるようにすることができる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る検証装置を用いた印刷/検証システムを示す概略図である。図8に示すように、この印刷/検証システムは、プリンター10と、検証装置20aと、赤外線通信端末(リモートコントローラー)90とによって構成される。第2の実施形態に係る検証装置20aは、図1等に示す第1の実施形態に係る検証装置20において、メモリーカードスロット27の替わりに赤外線通信部81を設けたものであり、その他の点に関しては第1の実施形態に検証装置20と同様である。赤外線通信端末90は、検証装置20aの赤外線通信部81との間で、赤外線による通信を行う。なお、プリンター10にも赤外線通信部を設けることにより、赤外線通信端末90がプリンター10を制御できるようにしても良い。
【0074】
赤外線通信端末90は、赤外線通信部91と、制御部92と、格納部93と、表示部94と、操作部95とを含んでいる。格納部93には、検証装置20aの内部設定情報(検証対象情報や検証装置の動作設定内容等)が格納される。内部設定情報は、検証装置20aの操作部を用いて設定し、検証装置20aの赤外線通信部81から赤外線通信端末90の赤外線通信部91に送信することにより、制御部92が格納部93に格納するようにしても良いし、赤外線通信端末90の操作部95を用いて設定し、制御部92が格納部93に格納するようにしても良い。好ましくは、格納部93に複数種類の内部設定情報が格納される。
【0075】
格納部93に内部設定情報が格納されると、今度は、内部設定情報を赤外線通信端末90の赤外線通信部91から検証装置20aの赤外線通信部81に送信することにより、検証装置20aに内部設定情報を設定することができる。ここで、格納部93に複数種類の内部設定情報(例えば、図7に示すモード1、モード2、・・・)が格納されている場合には、いずれの内部設定情報を検証装置20aに送信するかは、オペレーターが選択する。
【0076】
表示部94は、例えば、制御部92から供給される信号に基づいて操作メッセージ等を表示する液晶パネルを含んでいる。また、操作部95は、例えば、検証装置20aを操作するために用いられるスタートキー等の操作キーと、内部設定情報を設定するために用いられる内部設定情報設定キーと、設定された内部設定情報を格納部93に格納する指示を与えるために用いられる内部設定情報保存キーと、格納部93から内部設定情報を読み出して検証装置20aに送信する指示を与えるために用いられる内部設定情報送信キーと、格納部93に複数種類の内部設定情報が格納されている場合に、それらの内から1種類の内部設定情報を選択するために用いられる内部設定情報選択キーとを含んでいる。
【0077】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る検証装置の制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。設定部68は、操作部74を用いて設定された内部設定情報をフラッシュRAM62に書き込み、及び/又は、赤外線通信部81を介して赤外線通信端末90に送信する。また、設定部68は、フラッシュRAM62から内部設定情報を読み出し、又は、赤外線通信端末90から赤外線通信部81を介して内部設定情報を受信する。電源投入後に検証装置20aが赤外線通信端末90から内部設定情報を受信した場合には、赤外線通信端末90から受信した内部設定情報が優先される。CPU60は、その内部設定情報に従って、検証装置20aの各部を制御する。
【0078】
本発明の第2の実施形態によれば、スタンドアローンタイプの検証装置において、格納部を有する赤外線通信端末から内部設定情報を受信することにより、検証装置の内部設定情報をさらに簡単に設定できるようにすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1…用紙、
2…台紙、
3…ラベル、
4…バーコード、
5…スタンプ、
10…プリンター、
11…用紙供給軸、
12…プラテンローラー、
13…サーマルヘッド、
20、20a…検証装置、
21…上流側搬送部、
21a〜23a、21b〜23b…搬送ローラー、
22…中間搬送部、
23…下流側搬送部、
24…スキャナー部、
25…マーキング部、
26…制御部、
27…メモリーカードスロット、
28…メモリーカード、
29…警告音発生部、
30…パーソナルコンピューター、
42…挿入センサー、
42a…端部センサー、
42b…中央部センサー、
43…モーター、
51…挿入センサー、
51a…端部センサー、
51b…中央部センサー、
56…ラベル位置検出部、
56a…下側センサー、
56b…上側センサー、
60…CPU、
61…ROM、
62…フラッシュRAM、
63…用紙検出制御回路、
64…ピッチ検出制御回路、
65…駆動制御回路、
66…エンコーダー制御回路、
67…インターフェース、
68…設定部、
69…スキャン制御回路、
70…検証部、
71…マーキング制御回路、
72…音声回路、
73…表示部、
74…操作部、
81…赤外線通信部、
90…赤外線通信端末、
91…赤外線通信部、
92…制御部、
93…格納部、
94…表示部、
95…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部設定情報に従って動作し、印刷媒体に印刷された印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置であって、
印刷情報が印刷された印刷媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される印刷媒体に印刷された印刷情報を光学的に読み取って出力信号を生成する読取部と、
前記内部設定情報を格納する持ち運び可能な外部記憶媒体から前記内部設定情報を読み出し、又は、前記内部設定情報を格納する格納部を有する赤外線通信端末から前記内部設定情報を受信し、前記内部設定情報に基づいて、少なくとも前記搬送部における印刷媒体の搬送を制御し、前記読取部の出力信号に基づいて、読み取られた印刷情報の内容を表す読取データを生成し、該読取データを、本来印刷すべき印刷情報の内容を表す参照データと比較することにより、印刷媒体に印刷された印刷情報の検証を行う制御部と、
を具備する検証装置。
【請求項2】
印刷媒体として台紙に仮着されたラベルの位置を検出する反射型光センサー及び透過型光センサーをさらに具備し、
前記制御部が、前記内部設定情報に従って選択された前記反射型光センサー及び前記透過型光センサーの内の一方の出力信号に基づいて、前記搬送部における印刷媒体の搬送を制御する、請求項1記載の検証装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記内部設定情報に従って、前記搬送部における印刷媒体の搬送速度を調整する、請求項1又は2記載の検証装置。
【請求項4】
外部のプリンターに接続される外部接続端子をさらに具備し、
前記制御部が、前記内部設定情報に従って、前記外部接続端子を介して送信又は受信される信号を有効にするか無効にするかを設定する、請求項1〜3のいずれか1項記載の検証装置。
【請求項5】
前記内部設定情報を設定するために用いられる操作部をさらに具備し、
前記制御部が、前記操作部を用いて入力された指示に従って、前記操作部を用いて設定された内部設定情報を前記外部記憶媒体に書き込む、請求項1〜4のいずれか1項記載の検証装置。
【請求項6】
前記内部設定情報が、印刷媒体のサイズに関する情報と、印刷媒体の位置に関する情報と、印刷媒体における印刷情報の読取位置に関する情報との内の少なくとも1つを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の検証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−153112(P2012−153112A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16648(P2011−16648)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】