説明

業務用モード対応のコンテンツプレイヤーシステム

【課題】コンテンツ表示システムを導入するためには導入コストおよび維持費用が莫大な金額となるため容易に導入することが難しく、高機能なため高齢者や情報処理機器に不慣れな人には扱い難いシステムとなっている。また、既存の公共視聴覚機器を課金用表示装置として使用している場合はコンテンツに応じた課金制御が困難であり、電源を制御するための専用機器が別途必要となる。
【解決手段】インターネットなどの設備や各種情報処理機器が不要なため、既存の公共視聴覚機器へ必要に応じて設置することが可能なため低価格となり、業務モードに対応した公共視聴覚機器に付属しているリモコンの未使用ボタンを利用するため使用者の操作性が向上する。また、課金管理タイマーと表示装置の電源をコンテンツに応じて自動的に制御することが可能なため、電源を制御するための専用機器が不要となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院、ホテル、一般の公共施設などで使用される業務モードに対応した公共視聴覚機器において、各種コンテンツの表示システムを低価格で容易に実現することができるコンテンツプレイヤーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公共施設における設備の説明や広報などはインターネットを使用して、パソコンやサーバーなどから構成された大規模なシステムとなっており、多数のコンテンツ(テレビ、ビデオ、ゲーム、メールなど)が提供されているため、コンテンツの管理などに専門的な知識が必要となっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、インターネットが導入されていない施設でコンテンツ表示システムを導入する場合、LANなどの設備工事、各種情報処理機器(サーバー、パソコン、バックアップ関連機器など)の購入や定期的な保守などが必要となり、導入コストおよび維持費用が莫大な金額となるため容易に導入することが難しい状態となっている。また、コンテンツを利用するユーザーにとっては、高機能で複雑な操作となるため、視聴したいコンテンツにたどり着くまでの手順を覚える必要があり、特に高齢者や情報処理機器に不慣れな人には扱い難いシステムとなっている。さらに、既存の公共視聴覚機器を課金用表示装置として使用している場合は、予め表示装置で設定されたチャンネルまたは外部入力の種類毎に課金制御しているため同一のチャンネルまたは外部入力の表示状態で、コンテンツに応じた課金制御が困難になっている。また、コンテンツに応じた課金制御を実現する際にも、課金管理タイマーと表示装置の電源を制御するための専用機器が別途必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のコンテンツプレイヤーはインターネットなどの設備や各種情報処理機器が不要なため、既存の公共視聴覚機器へ必要に応じて設置することが可能であり、低価格でコンテンツプレイヤーシステムを導入することができる。また、本発明は業務モードに対応した公共視聴覚機器に付属しているリモコンの未使用ボタンを利用するため専用リモコンが不要となり、同じリモコンを使用することでリモコンを使い分ける必要がなく、操作性の向上を特徴とする。
【0005】
各種コンテンツのメニューは、コンテンツ提供者がパソコンを使用してテキスト形式によって簡単に作成することができ、メニューの階層構造なども容易に実現することができる。デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどを使用したコンテンツは、メニューで表示されるアイコンにファイル名とリンクした記号を指定することでコンテンツ情報を作成することができる。
【0006】
作成されたコンテンツ情報は汎用的なストレージ機器(USBデバイスやSDカードなど)に保存して、本発明のコンテンツプレイヤーに接続すると、コンテンツ情報を自動的にダウンロードして表示メニューの構成を生成する。また、コンテンツを利用するユーザーが独自に準備(持参)したコンテンツを汎用的なストレージ機器(USBデバイスやSDカードなど)に保存して、本発明のコンテンツプレイヤーに接続すると最優先で処理して再生可能なコンテンツを自動的に再生することができる。なお、ユーザーコンテンツを自動的に処理することで、高齢者や情報処理機器に不慣れな人でも、抵抗感がなく簡単に操作することができる。
【0007】
公共視聴覚機器を課金用表示装置として使用する場合、本発明のコンテンツプレイヤーは各種コンテンツ情報に基づいた課金制御を実現するとともに、課金管理タイマーと表示装置の電源をコンテンツに応じて自動的に制御することが可能なため、電源を制御するための専用機器が不要である。
【発明の効果】
【0008】
業務モードに対応した公共視聴覚機器に付属しているリモコンを利用することで、リモコンの使い分けが不要なため操作性が向上する。また、コンテンツの作成および管理が容易であり、コンテンツ提供者においても利便性の良いコンテンツプレイヤーシステムを実現することができる。さらに、インターネットや各種情報処理機器、課金管理タイマーと表示装置の電源制御機器が不要なため、低価格でコンテンツプレイヤーシステムを導入することができる。
【実施例】
【0009】
図1に本発明のコンテンツプレイヤーシステムの構成図を示す。コンテンツプレイヤーシステムの制御部1と赤外線送信部2から構成される。公共視聴覚機器の業務用モードにおいて未使用となっているリモコンのボタンから赤外線受信3することで各種コンテンツの操作などをおこなう。コンテンツは映像出力5および音声出力6によって表示装置へ出力される。また、課金装置として使用する場合にはAC OUTLET7を制御する。
【0010】
図2は制御部1の電気回路のブロック図で、赤外線受信3をプロセッサ8で解析して有効な受信の場合は、赤外線送信部13から表示装置へ出力する。プロセッサ8は赤外線受信3の解析結果に基づき、映像出力5、音声出力6、AC制御回路12などを制御する。ストレージ機器4がUSB・SD9に接続されるとプロセッサ8はストレージ機器4に保存された予め決められた専用フォルダを検索して、該当するフォルダが存在する場合には専用フォルダ内に保存された設定ファイルおよびコンテンツファイルをFlash Memory10へ自動的にダウンロードする。ダウンロードされた設定ファイルからコンテンツ情報に基づいて表示メニューの構成を生成し、メニューからコンテンツファイルをリンクする。また、コンテンツを利用するユーザーが独自に準備(持参)したコンテンツを保存したストレージ機器4がUSB・SD9に接続されると、プロセッサ8はストレージ機器4に保存された専用フォルダを検索して、該当するフォルダが存在しない場合は再生可能なコンテンツを検索する。再生可能なコンテンツが存在する場合には自動的に再生する。なお、ストレージ機器4がUSB・SD9に接続されると自動的に最優先で処理される。また、AC OUTLET7は使用される公共視聴覚機器の構成に応じて、複数のACを制御することも可能であり、課金用表示装置として使用する場合にはAC制御回路12によって課金管理タイマーと表示装置の電源をコンテンツに応じて自動的に制御することが可能である。AC制御回路12はリレーや消費電流の検知回路などを有する。AC/DC11はコンテンツプレイヤーシステムで使用される電源を供給する。
【0011】
図3に本発明のコンテンツプレイヤーシステムのメインメニュー表示例を示す。メインメニュー画面14には任意のアイコン15を表示することが可能であり、アイコン15は番号によって管理される。アイコン15にはコンテンツ提供者が任意の文字などを表示することができる。
【0012】
図4はサブメニューの表示例で、サブメニュー画面16には前メニューのアイコン15で表示されていた文字をタイトル17として表示し、任意のアイコン15および画面制御用として戻る18を表示することができる。戻る18を選択すると前メニューを表示する。
【0013】
図5は静止画コンテンツの表示例で、静止画コンテンツ表示画面19には前メニューのアイコン15で表示されていた文字をタイトル17として表示し、静止画制御用として前ページ20、次ページ21、終了22を表示することができる。前ページ20、次ページ21を選択すると表示する静止画を切替える。終了22を選択すると前メニューを表示する。なお、タイトル17はコンテンツを利用するユーザーが準備(持参)した静止画コンテンツの場合には表示されない。
【0014】
図6は動画コンテンツの表示例で、動画コンテンツ表示画面23には前メニューのアイコン15で表示されていた文字をタイトル17として表示し、動画制御用として停止24、一時停止25、再生26、終了22を表示することができる。停止24を選択すると再生を停止し、再生26を選択すると最初から再生する。一時停止25を選択すると再生を一時停止し、再生26を選択すると一時停止位置から再生する。終了22を選択すると前メニューを表示する。なお、タイトル17はコンテンツを利用するユーザーが準備(持参)した動画コンテンツの場合には表示されない。
【0015】
図7に本発明のコンテンツプレイヤーシステムのテキスト形式によるコンテンツ設定例を示す。コンテンツの設定ファイルは、コンテンツ提供者がパソコンを使用して簡単に作成することができる。メニューとコンテンツファイルのリンクは、例えばアクションで指定するm−1をコンテンツファイル名の先頭に用いる(m−1_受付.jpg)ことでリンクさせることができる。本設定例は用途に応じて、さらに簡略化したテキスト形式にすることも可能である。
【0016】
図8および図9は、図7で示されたコンテンツ設定例に基づいたメニューの表示例である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明のコンテンツプレイヤーシステムの構成図である。
【図2】 制御部のブロック図である。
【図3】 メインメニューの表示例である。
【図4】 サブメニューの表示例である。
【図5】 静止画コンテンツの表示例である。
【図6】 動画コンテンツの表示例である。
【図7】 テキスト形式によるコンテンツ設定例である。
【図8】 コンテンツ設定例に基づくメインメニューの表示例である。
【図9】 コンテンツ設定例に基づくサブメニューの表示例である。
【符号の簡単な説明】
【0018】
1 制御部
2 赤外線送信部
3 赤外線受信
4 ストレージ機器
5 映像出力
6 音声出力
7 AC OUTLET
8 プロセッサ
9 USB・SD
10 Flash Memory
11 AC/DC
12 AC制御回路
13 赤外線送信
14 メインメニュー画面
15 アイコン
16 サブメニュー画面
17 タイトル
18 戻る
19 静止画コンテンツ表示画面
20 前ページ
21 次ページ
22 終了
23 動画コンテンツ表示画面
24 停止
25 一時停止
26 再生

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共視聴覚機器に付属しているリモコンを、業務モードにおいて未使用となるリモコンのボタンを利用することで各種コンテンツの選択が簡単にできる操作手段と、各種コンテンツを選択するためのメニューなどを定義するコンテンツ情報の設定ファイルをコンテンツ提供者がパソコンを使用して任意に、かつ容易に作成することができ、静止画や動画などのコンテンツと共に設定ファイルをストレージ機器に保存した状態で接続すると、自動的にメニューを構成して表示することができるコンテンツ生成手段からなるコンテンツプレイヤーシステム。
【請求項2】
前記公共視聴覚機器を課金用表示装置として使用する場合には、課金管理タイマーと表示装置の電源をコンテンツに応じて自動的に制御することが可能な請求項1のコンテンツプレイヤーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−114888(P2012−114888A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275079(P2010−275079)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(398027296)株式会社イーエスイー (8)
【Fターム(参考)】