説明

極めて少量の貴金属が添加された偏光ガラスおよび製法

本発明は、Pt,Pd,Os,Ir、RhおよびRuからなる群から選ばれた一種類の貴金属およびそれらの混合物が添加されて、還元性雰囲気に曝すことなしに銀イオンを核化しかつ析出させた銀含有アルミノ硼珪酸偏光ガラス組成物に関する。本発明はさらに、本発明のガラス組成物を作成する方法に関する。本発明の組成物および方法を用いて、選択されたヌル透過率域を有するガラスを調製することができる。

【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本願は、ニコラス・B・ボレッリ、ジョージ・B・ヘヤーズ、デーヴィッド・ジェー・マッケンローおよびジョセフ・エフ・シュレーダーを発明者として2005年10月24日付けで提出された「新たな可視光偏光ガラスおよび製法」と題する米国特許出願第11/257,968号の優先権を主張した一部継続出願である。本一部継続出願は、上述の発明者全員はそのままで、新たに発明者として、にサーシャ・マージャノヴィックおよびキャサリン・アール・ロシントンを加えている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、偏光ガラスおよびかかるガラスの作成方法に関するものである。特に本発明は、銀含有ガラス組成物および白金、パラジウム、オスミウム、イリジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群から選ばれた一種類の貴金属を含む偏光ガラスならびに還元性雰囲気に曝す工程を必要としない偏光ガラスの作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
偏光効果は、銀、銅または銅・カドミウム結晶を含むガラスに生じさせることができる。これらの結晶は、適当な量の提示された金属および塩素を除くハロゲンを含む化合物を有する硼アルミノ珪酸塩ガラス中に析出されることが可能である。
【0004】
上記偏光効果は、上記ガラスを延伸し、次いでその表面を還元性雰囲気、一般に水素を含む雰囲気に曝すことによって、上記結晶を含有するガラス中に生成される。このガラスは、ガラスのアニール温度を超える温度において応力を受ける。この処理はガラスを細長くし、これにより、結晶を細長くしかつ配向させる。粒子に働く剪断応力は、ガラスの粘度および細長くするときの牽引速度に比例する。剪断力による変形に対抗する復元力は粒子半径に反比例する。したがって、所望の粒子伸長度およびその結果である所定の波長における偏光効果を得るための理想的な条件は、ガラスの種々の特性と再牽引処理との複雑なバランスを包含する。ガラスが細長くされると、次にこの細長くされたガラスは、120℃を超えるがガラスのアニール温度よりも25℃を超える程は高くない温度において還元性雰囲気に曝される。このことは、ガラス中に存在する金属ハロゲン化物の少なくとも一部が元素の銀または銅に還元された表層を育成させる。
【0005】
偏光子材料としてハロゲン化銀を用いることは、ハロゲン化銀の二つの特性、すなわち、(1)液状粒子が極めて変形可能であり、2)より大きいかつコントロールされた粒径を作成することが容易であるということを利用している。ハロゲン化銀を用いることの欠点は、(1)ハロゲン化銀の屈折率のために、赤(約650nm)よりも短い波長で動作する偏光子を作成することが不可能であり、(2)作成工程で水素還元ステップを必要とすることである。特許文献1およびそれより後の非特許文献1に記載されているように、ガラス中の銀粒子を延伸することは可能である。しかしながら、遭遇する問題は、特に、粒子のアスペクト比が一般に1.5〜2:1と小さい可視光の偏光子に用いる場合の粒子の粒径および分布のコントロールである。
【0006】
上記引用特許文献に記載された偏光ガラスの製造については下記に示されており、広く言えば四つのステップを含んでいる。すなわち、
1.銀、銅または銅・カドミウムの原料および塩素を除くハロゲンを含むガラスバッチを溶融し、かつこの溶融物からガラス体を形成し、
2.このガラス体をガラスの歪み点を超える温度で熱処理して、500〜2000オングストローム(Å)の範囲内のサイズを有するハロゲン化物結晶を生成させ、
3.ガラスのアニール温度を超える温度において上記結晶含有ガラスを、応力を加えてガラス体を細長くし、これにより上記結晶を細長くしかつ配向させ、
4.この細長くされたガラス体を、250℃を超える温度において還元性雰囲気に曝して、少なくとも2:1のアスペクト比を有する金属粒子を含有する還元された表層を生成させる。
【0007】
ガラス偏光子、ガラスを作成するための材料組成および方法ならびにこれらのガラスから作成された物品は、多数の米国特許明細書に記載されて来ている。製品および組成は、特許文献2〜10および特許文献1ならびに特許文献11に記載されている。偏光ガラス組成物および/または銀を包含するガラスの製法および/または偏光ガラス、または銀を包含するガラスから作成された物品は、特許文献12〜21に記載されている。赤外波長における光を偏光するガラス物品は、特許文献9,22〜27および特許文献14に、ならびに米国特許公報以外の特許文献28,29に記載されている。特許文献28(日本国特許公開公報)には、銀を含有する偏光ガラスに代えて銅を含有する偏光ガラスが記載されている。
【特許文献1】米国特許第2,319,816号明細書
【特許文献2】米国特許第6,563,639号明細書
【特許文献3】米国特許第6,466,297号明細書
【特許文献4】米国特許第6,775,062号明細書
【特許文献5】米国特許第5,729,381号明細書
【特許文献6】米国特許第5,627,114号明細書
【特許文献7】米国特許第5,625,427号明細書
【特許文献8】米国特許第5,517,356号明細書
【特許文献9】米国特許第5,430,573号明細書
【特許文献10】米国特許第4,125,404号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0128588号明細書
【特許文献12】米国特許第6,536,236号明細書
【特許文献13】米国特許第6,298,691号明細書
【特許文献14】米国特許第4,479,819号明細書
【特許文献15】米国特許第4,304,584号明細書
【特許文献16】米国特許第4,282,022号明細書
【特許文献17】米国特許第4,125,405号明細書
【特許文献18】米国特許第4,188,214号明細書
【特許文献19】米国特許第4,057,408号明細書
【特許文献20】米国特許第4,017,316号明細書
【特許文献21】米国特許第3,653,863号明細書
【特許文献22】米国特許第5,332,819号明細書
【特許文献23】米国特許第5,300,465号明細書
【特許文献24】米国特許第5,281,562号明細書
【特許文献25】米国特許第5,275,979号明細書
【特許文献26】米国特許第5,045,509号明細書
【特許文献27】米国特許第4,792,535号明細書
【特許文献28】特開平5−208844号公報
【特許文献29】欧州特許第0 719 741号明細書
【非特許文献1】S.D.StookeyおよびR.J.Araujo著、アプライドオプティクス、第7巻第5号(1968年)、777〜779頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
偏光ガラスおよびそれらの作成に用いられる方法の改良に、従来から少なからぬ努力が払われて来たが、なおもさらなる改良の必要性が少なからず存在する。特に、還元性雰囲気に曝す工程を必要としないガラスおよびそのガラスの作成方法が得られれば好都合である。銀(Ag)粒子を延伸することは可能であるが、粒径および分布をコントロールすることについては多くの問題が存在する。これらの問題は、特にアスペクト比が一般に1.5〜2:1と小さい可視光偏光子に関して著しい。したがって、本発明の目的は、還元性雰囲気に曝す工程を必要としない偏光ガラス組成物およびかかるガラスの作成方法を提供することにある。特に本発明の目的は、銀および選ばれた貴金属添加物を用いた偏光ガラス組成物ならびにかかるガラスを作成する方法を提供することにあり、その場合、貴金属添加物は、還元性雰囲気に曝す工程を用いることなしに銀原子を銀金属粒子に核化するのに用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)およびルテニウム(Rh)からなる群から選ばれた一種類の貴金属添加物が添加された銀含有硼アルミノ珪酸塩偏光ガラス組成物に関するものである。その最も広い実施の形態においては、上記貴金属が、ゼロを超え0.5重量%までの範囲内の濃度で存在する。
【0010】
本発明はさらに可視光偏光子に関し、一つの実施の形態においては、一種類に貴金属、または複数種類の貴金属の混合物が、価数が全体でゼロの貴金属として計量して、0.0001重量%から0.5重量%(1〜5000ppm)までの範囲内の量で存在する。別の実施の形態においては、一種類の貴金属、または複数種類の貴金属の混合物が、0.001重量%から0.3重量%(10〜3000ppm)までの範囲内の量で存在する。さらに別の実施の形態においては、一種類に貴金属、または複数種類の貴金属の混合物が、0.01重量%から0.3重量%までの範囲内の量で存在する。この貴金属は、ハロゲン化物、硝酸塩または亜硝酸塩、または錯体、例えば、これらに限定されないが、アセチルアセトナト錯体、オキサラト錯体およびクラウンエーテル錯体、ならびに当業者周知のその他の錯体、または上述の何れかの材料の溶液として添加されることが可能である。
【0011】
本発明はさらに、白金の添加により、還元性雰囲気に曝す工程、またはアンチモン、澱粉、砂糖またはセリウムのような当業者に知られている還元剤を用いることを必要とせずに、銀イオンを核化して銀金属分子を形成する、白金が添加された銀含有硼アルミノ珪酸塩偏光ガラス組成物に関するものである。
【0012】
本発明はさらに、還元性雰囲気に曝す工程を用いることなしに、原子の銀を核化して銀粒子を形成する、銀、および白金が好ましい選択された貴金属を付加的に含有する銀含有硼アルミノ珪酸塩偏光ガラス組成物の作成方法に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
銀含有ガラスに添加される金属添加物に関してここで用いられている「貴金属」という用語は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)およびルテニウム(Rh)からなる群から選ばれた一種類または複数種類の貴金属を意味する。ここで用いられている「貴金属」という用語はまた、本発明のガラス組成物中に含まれている銀は除外する。また、ここで用いられている「ppm」とは、百万分の1重量部を意味する。
【0014】
ハロゲン化銀(ハロゲンをXとするAgX)相を含有するガラスを高い応力で再牽引することによる偏光子の作成方法は種々の文献に記載されている。例えば、特許文献12,13および15を参照のこと。そしてここに引用された特許文献には他の方法も引用されている。コーニング社によって発明されたこの方法の有用性は、任意のガラス中に形成された銀粒子を細長くするよりも、フォトクロミックガラス中に所定の粒径分布をもって形成されたハロゲン化銀粒子を細長くする方が容易であるとの認識によるものであった。ハロゲン化銀粒子が細長くされた後、水素含有雰囲気中で還元されて所望の延伸された金属銀粒子を形成した。金属銀粒子の直接的な伸長も可能ではあるが、この伸長は、遥かに高い応力を必要とする。しかしながら、この事実は、もし大きな銀結晶がコントロール可能に形成され得るガラス組成物および方法を誰かが見出すとしても、金属銀粒子の適当な伸長を行なうのに必要な応力を低減させることはできないであろうという状況を除外するものではない。直接的金属銀粒子伸長法の一つの長所は、得られた製品中の銀を取り囲む材料が、バルクガラスに対してより低い屈折率を有することである。このことは、より短い波長において表面プラズモン共鳴を維持し、スペクトルの可視光部分で動作する偏光子の作成に関して重要である。
【0015】
コントロール可能な大きな銀粒子の特性を有する本発明のガラス組成物は、勾配屈折率レンズ(米国特許第6,893,991B2号明細書参照)のために用いられる組成物から派生される。勾配屈折率レンズガラスにおいては、ガラスが高濃度の偏光可能なイオン、例えばAgまたはCu2+を含有し、このイオンは、直ちにイオン交換されることが可能である。本発明においては、ガラス組成物が、金属銀に核化することが可能になるまで、銀を銀原子として保持することが重要であった。
【0016】
本発明による主成分ガラス組成物は下記の範囲内の材料を包含する。すなわち、
表1
SiO 20〜60重量%
Al 5〜20重量%
10〜25重量%
Ag 15〜40重量%
上記主成分ガラス組成物の作成において、Si,AlおよびBの材料は酸化物として添加され、銀は硝酸銀として、あるいは硝酸銀と過酸化銀との混合物として添加される。さらに、少なくとも一種類の貴金属塩または貴金属塩溶液が上記主成分ガラス組成物に添加され、得られた組成物が混合される。上記貴金属は、または複数の貴金属が用いられる場合の混合物は、白金塩、パラジウム塩、金塩、オスミウム塩、イリジウム塩およびルテニウム塩からなる群から、または上述の貴金属塩の2または3種類の混合物から選ばれる。上記貴金属は、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、錯体(例えばこれらに限定されないが、アセチルアセトナト錯体、ジアミン・ジハロゲノ錯体、オキサラト錯体またはクラウンエーテル錯体または当業者周知のその他の錯体)または上述の何れかの材料の溶液として添加されることが可能である。一つの実施の形態においては、上記貴金属または複数の貴金属の混合物が0.0001〜0.5重量%(全てゼロ価の貴金属として計量して1〜5000ppm)の範囲内の量で存在し、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、錯体(例えばこれらに限定されないが、アセチルアセトナト錯体、ジアミン・ジハロゲノ錯体、オキサラト錯体またはクラウンエーテル錯体または当業者周知のその他の錯体)または上述の何れかの材料の溶液として添加されることが可能である。さらなる実施の形態においては、上記貴金属が0.0001〜0.3重量%の範囲内の量で存在する。別の実施の形態においては、上記貴金属が0.001〜0.3重量%の範囲内の量で存在する。
【0017】
本発明による選ばれた実施の形態においては、本発明によるガラス組成物はほぼ下記の材料を包含する。すなわち、
表2
SiO 34±2重量%
Al 17±2重量%
14±2重量%
Ag 35±2重量%
そして貴金属は0.0001〜0.5重量%(全てゼロ価の貴金属として計量して)の範囲内の量のPtである。別の選ばれた実施の形態においては、ガラス組成物が表2に示されて通りで、貴金属は0.0001〜0.3重量%の範囲内の量のPtである。さらなる選ばれた実施の形態においては、ガラス組成物が表2に示された通りで、貴金属は0.0005〜0.3重量%の範囲内の量のPtである。さらに別の実施の形態においては、ガラス組成物が表2に示されたものと同様で、Ptは0.02〜0.2重量%の範囲内の量で存在する。
【0018】
主成分のガラス組成物のみが水晶坩堝内において約1350℃で約16時間溶融された場合、清澄な僅かに黄色のガラスが生成される。このガラスの僅かな黄色は、銀のほぼ全部がガラス組成物中に銀の1価の陽イオンとして溶解されていることを示している。このガラスはまた、紫外線の下で蛍光を発し、銀の少なくとも一部が銀原子として存在することを示している。ほんの僅かな量の貴金属、例えば白金を主成分のガラス組成物に添加することにより、僅かに黄色のガラスが深い赤茶色に変わり、大きいコロイド状銀粒子の存在を示す。小さい銀粒子は黄色を生じさせるが、大きい銀粒子は吸収に加えて光散乱効果を生む。これがすなわち、光散乱効果のために色が深くかつ暗くなるPt添加ガラスの外観である。この変化を生じさせるのに必要なPtまたは他の貴金属のレベルは、0.0001〜0.5重量%の範囲内である。核形成すなわち金属銀の形成が達成されると、ガラスを500〜800℃の範囲内の温度で5分間〜10日間の範囲内の間、好ましくは600〜750℃の範囲内の温度で10分間〜48時間の範囲内の間ガラスを熱処理することにより、色の濃さ(すなわち、析出されたコロイド状銀粒子の量)を増大させることができる。このさらなる析出作用に関する可能性は、ガラス中に金属銀結晶として存在する銀の量のさらなるコントロールをもたらす。これに加えて、500〜800℃の範囲内の温度で0.5〜6時間の範囲内の間のさらなる熱処理は、より大きい銀結晶の成長を可能にする。
【0019】
核形成/析出が完了すると、次いでガラスは牽引に先立って、ガラスブールが、例えば成型により、または切断により、所望の形状に整形され、かつ精密研磨されて、例えば長さ25.4〜101.6cm(10〜40インチ)、幅7.6〜10.2cm(3〜4インチ)、厚さ約0.63〜1.5cm(約0.25〜0.6インチ)のバーにされる。より高い牽引力をガラスに与えることを可能にするために、研磨工程中に齎された表面または表面下の傷を取り除きまたは修復するのに、エッチング工程または熱処理または双方が用いられる。ガラスの表面が機械的に取り除かれた場合(例えば研磨により)、表面および/または表面下に多数の割れまたは罅が生じたり、露出されたりする。これらの割れまたは罅は、応力を加えた場合にガラス本体に伝播してガラスが破断したりする。ガラス表面に対する化学エッチングおよび/または熱処理によれば、割れ(罅)面に丸みをつけることによって、または熱処理を用いて罅を閉塞することによって罅が修復される。熱処理は、一般に上記ガラス組成物の軟化点に近い(25〜50℃以内)温度で行なわれる。ガラスの延伸に先立つエッチングの例として、汚染および罅を除去するために、上記ガラスバーが、表面部分を除去するのに十分な時間低濃度の弗化水素酸に浸される。必要ならば、処理が完了したときに、拡大鏡を用いた、または用いない目視検査を行なう。次いでガラスバーは、銀粒子を細長くするために、1×10Pa・s(1×10ポアズ)を超える粘度を可能にする延伸温度条件および24.3MPa(3500psi)を超える力を加えるのに十分な引っ張り速度条件の下に牽引される。
【0020】
図1は、表2に与えられた組成を有する再牽引された白金添加ガラスの偏光された透過率スペクトル(反射率に関し未補正)を示す。24.3MPa(3500psi)未満の引っ張り速度において細長くされた銀粒子のアスペクト比は小さく、したがって、より低い波長においてヌル方向透過率が増大する。より低い波長において、例えば可視光領域で動作する偏光ガラスに関しては、このヌル方向透過率の増大は望ましくない。ガラスの粘度および牽引速度によってコントロールされる、銀を伸長させるための力が、24.3MPa(3500psi)を超える場合には、可視光領域において満足な偏光動作を示すガラス材料が得られた。さらに、銀粒子の所望の伸長を達成するためには、牽引されるガラスに対し、ガラスおよび機器の機械的強度が許容する限りの大きな力を加えることが好ましい。図1に示された未研磨ガラスサンプルは、透過方向(すなわち、光は伸長方向と直角な方向にガラスを透過する)には60%の透過度を有し、かつヌル方向すなわち阻止方向(すなわち、光は伸長方向と平行な方向には透過しない)の透過度はほぼゼロ%である。
【0021】
図2は、表2に与えられた組成を有する二つの牽引されたPt添加ガラスサンプルの400〜800nm(可視光領域)における偏光された透過度スペクトルを単一のグラフ上に示したものである。サンプルA(実線で示され、図1におけるサンプルと同じ)は、牽引前に650℃で熱処理され、サンプルB(破線で示されている)は、牽引前に600℃で熱処理された。各サンプルの銀粒子の伸長方向と直角な方向(透過方向または通過方向)および平行な方向(ヌル方向または阻止方向)の透過度は大文字でそれぞれ「T」および「N」で示されている。
【0022】
図2は、銀含有ガラスが本発明により貴金属を添加され、熱処理され、かつ牽引され、これにより内部の銀粒子が細長くされる場合に、偏光される光の波長または波長域を選択的に決定することが可能なことを示している。サンプルAに関しては、牽引に先立ってガラス組成物が650℃で熱処理された。このグラフから、約475〜550nmの範囲内におけるヌル方向(N)の透過度がほぼゼロであることが判る。サンプルAと同じ組成を有するサンプルBは、牽引に先立って600℃で熱処理された。このサンプルに関しては、約425〜480nmの範囲内におけるヌル方向(N)の透過度が10未満である。透過方向(T)における両ガラスサンプルの透過度は、測定域に亘って類似している。この比較は、銀含有ガラス中に貴金属を添加することにより、ガラスの牽引に先立つ適当な熱処理によってガラスのヌル範囲を調整することができるという本発明の様相を示している。その結果、選択された波長域において光を選択的に偏光するガラスを形成することが可能になる。図2に示されているように、熱処理をコントロールすることによって銀粒子の粒径を調節することにより、所定の波長におけるガラスの特性を決定することができる。図2においては、ヌルピークはさらに右方へシフトされる。このヌルピークのシフトは、粒子のより良好な伸長、すなわちアスペクト比の増大を表し、かつより大きい粒子の方が、伸長が容易であるとの推定に基づいて、ガラス中の粒子がより大きいと結論づけられる。したがって、より低い温度でガラスが熱処理された場合には、牽引時に伸長がより困難なより小さい粒子しか得られないことも上記曲線は示している。
【0023】
図10A〜図10Dは、種々のレベルのPtを含む高濃度の銀を含有する銀アルミノ硼珪酸ガラスの吸収スペクトルを比較したグラフである。上記ガラスは、685℃において20,25,30,35,40,45および50分間熱処理され、この熱処理時間が、A,B,C,D,E,FおよびGの文字で表されている。図10A,10B,10Cおよび10Dに関して用いられたPtの量は、それぞれ0.001、0.01、0.02および0.05重量%であった。このデータは、Ptが0.001%(四つの図で最も低レベル)のガラスに関する吸収スペクトルが最も強い吸収度を有することを示している。図10A〜図10Dで評価されたサンプルは、図中に示された時間の間685℃で熱処理されており、長時間の熱処理は費用効率が極めて悪いことを認めるが、この熱処理は、500〜800℃の温度範囲内で5分から10日の時間範囲内で実行することができる。選ばれた実施の形態においては、上記熱処理が500〜800℃の温度範囲内で10分から48時間の時間範囲内で実行される。別の選ばれた実施の形態においては、上記熱処理が600〜750℃の温度範囲内で20分から24時間の時間範囲内で実行される。
【0024】
上述のように、Ptが0.001%のガラスの吸収スペクトルは、測定されたすべてのガラスのうちで最も強い吸収性を有する。観察されたところからは、例えば、Pt濃度が0.01%またはそれ以上の場合よりも0.001%のPt濃度の方が、より多くの銀(+1)が還元されると思われる。如何なる特定の理論にも縛られることなしに、Pt濃度を低下させることは、還元される銀の量を増大させるように見え、また、Ptコロイドの量を減少させるものとも思われる。より高いPt濃度を有する作り立てのガラスの色は灰緑色であるが、Pt濃度レベルの低いガラスの色は黄色である。このことは、作り立てのガラスで観察される色の差は、コロイド状のPtの結果であることを示唆している。ガラスが当初は黄色である場合においても、より高いPt濃度で得られるレベルを上回る銀(Ag)のレベルを得ることができる。Pt濃度が「高い」ときには、溶融工程中に白金と銀との間が熱力学的平衡に到達できず、得られたガラスがより高いPt+4の濃度を有すると説明することができる。すなわち、熱力学的平衡を超える量の余分なPt+4は、銀を少ししか還元しない。もしこのことが正しいとすると、Ptの量を選ばれたレベルまで減らすことにより、理想的な銀還元が達成されることになる。しかしながら、Pt濃度が低減され過ぎると、逆効果が生じ、不十分なPtの存在により、不十分な銀は理想的なレベルよりも低い。
【0025】
本発明によるガラスのさらなる利点は、伸長された場合に、535nm(緑偏光子に用いる)において良好な透過度値およびコントラスト値の双方を有することである。さらに、これらの値は水素またはその他の還元性雰囲気処理を必要とすることなしに得られる。本発明によるPt添加ガラスは、偏光子に用いるための全く新規なガラス組成物を代表するものである。
【0026】
本発明による製法が開発されて、再牽引技法を用いた種々のガラス組成物を偏光に応用する可能性を調べるためのこれらガラス組成物の高能率な処理が可能になった。図5に示すようなAMPL(コーニング社のための先進材料処理研究所)牽引塔(独国ワイルブルク所在のヒースウエイ社、現在のヘルベルト・アーノルト社から購入された)は、ダウンフィードシステムおよび炉40と、ガラスバーを高い張力の下で下方へ引き伸ばすのに用いられた牽引機((不図示)とを備えている。種々のガラス組成物が坩堝内で溶融され、次いで型に注入されてバー形状にされた。次にこれらのバーは機械加工で仕上げられ、またはそのまま牽引工程(図2および図3参照、後述)で用いられた。ここに説明されている試験のために、上記バー30は、約5cm(2インチ)の幅と25.4〜101.6cm(10〜40インチ)の長さとを有し、かつ6.35〜15.24mm(0.25インチから0.60インチ)までの範囲内で変化する厚さを備えている。バーの各端部には孔(一方の孔を示す図3参照)が開けられており、一方の孔は、ダウンフィードシステム上の金属シリンダ22からこのバーを吊り下げるのに用いられ、他方の孔は、バーを掴んで牽引工程をスタートさせるのに用いられた。ダウンフィードチャック24内に支持された金属シリンダ22にロードセル20が取り付けられ、ロードセル22の他端はガラスバーを支持した。炉40は広い温度範囲をカバーし得るグラファイト抵抗炉であった。この炉は高温計およびプログラマブルコントローラを用いてコントロールされた。図5に示されているように、ガラスバーは金属シリンダ22およびロードセル20に接続されたワイヤ26によって炉内に吊り下げられた。
【0027】
ガラスバーを炉内に配置した後、炉の温度は、ガラスを下方へ引っ張ることができるのに十分な軟度になる温度に高められた。本発明のPt添加ガラスに関しては、このガラスの牽引のために725℃が採用された。ガラスが最初に下方へ引っ張られると、ガラスバーをコントロ−ルされた速度で炉内に降下させるダウンフィードが開始された。ガラスを降下させる速度は13mm/分であった。牽引ユニットは、互いに対向しかつ反対方向へ回転する2本のモータ駆動ベルト(炉の下方に配置されている)を備えて、ベルトによる運動を下方へ向けている。ベルト間の間隔は、ガラスがスリップすることなしにベルトに掴まれて牽引されるようにセットすることが可能である。
【0028】
図3は、上述のように牽引された可視光偏光子バーを示す。左側の薄黄色のバーは、貴金属を添加せずに牽引された注型されたままのバーであり、右方の赤茶色のバーは、貴金属を含有する仕上げが施されかつ上述のように牽引されたバーである。図4は、ガラスバーを左方に、牽引されたガラスリボンを中央に、そしてガラスの根元部すなわち当初からバーの底端部である根元を示す。ガラスバーの底端部が下方へ牽引される場合、この底端部は、炉の底から約60cm(2フィート)下方にある牽引ユニットを通って手で下方へ引かれなければならないのは大きな塊(根元部)である。ガラスの根元部が牽引ベルト間を通過すると、より小さいガラスリボンがベルト間に配置され、かつベルトはガラスを引っ張るために閉じられる(図5参照)。牽引ベルトの速度は、ガラスリボンを特定のサイズに引っ張る速度にセットされる。本発明の白金添加ガラスに関しては、2.04m/分の牽引速度が採用された。リボンのサイズはすべての牽引パラメータが安定するまで変更することができる。図4に示された実施の形態においては、リボンの最終的サイズは約3.5mm(0.138インチ)×0.50mm(0.02インチ)であった。
【0029】
牽引の目的は、張力を誘起させてガラス中の偏光成分を延伸することにあり、一般に高い張力の下において達成される。上記ロードセルは、ガラスバーが牽引ベルトによって下方へ引かれるときにガラス上に印加される力を記録する。ガラスに印加される荷重は、温度変更、ダウンフィード速度または牽引速度によって調整することができる。一般に、牽引の開始時には荷重が小さく、温度を変更することによる増加調整が行なわれてガラスに加わる張力を増大させる。場合によっては、ガラス上に存在する張力が十分に高くなる以前にいくつかの調整が必要である。もし荷重が高過ぎると、ガラスリボンは破断し、開始工程を再スタートさせなければならない。高荷重が得られると、ガラスリボンには印が付けられ、牽引パラメータが記録され、かつこのガラスリボンが保存される。特定のガラス片に加えられた単位面積当たりの力を計算するために、このリボンの寸法も記録される。
【0030】
第2の牽引装置(PRC牽引装置)が、Polarcor(登録商標)の開発に用いられた銀を主成分とする偏光ガラスのさらなる開発に用いられた。この牽引装置は、7ゾーン方形炉50、ダウンフィードシステム52、ロードセル54(図6参照)および牽引ユニット56(図7参照)からなる。図6および図7は、炉および牽引装置がタワー構造に組み込まれていないことを除いては、処理に関して前記AMPLシステムに類似しているPRC牽引装置を示す。これら二つの牽引システム間のその他の主要な差異は、PRC牽引システム上の7ゾーン方形炉である。この炉は、より厳重な温度コントロールを可能にし、かつ多数のゾーンの温度を調整して、牽引に最良な温度輪郭を提供する能力を有する。
【0031】
PRC牽引システムの二つの長所は、より幅広いリボンを生じさせるより大きい(幅広い)バーを牽引する能力と、牽引ユニットがより大きい張力をガラスに印加することができることである。図8は、牽引ユニットの上方の炉から出るリボンを示す。この牽引ユニットは、より幅広でより長いベルトを備えていて、リボンとの接触面積を増大させて牽引ユニット内のスリップを皆無にする。
【0032】
PRC牽引システムにおけるガラスの牽引手順は、AMPL牽引に関して前述した手順と同様である。良好な偏光リボンを得るPRC牽引システムに関する牽引パラメータは、15〜20cm(6〜8インチ)/分の範囲内の牽引速度および620℃〜650℃の間の温度であった。得られたリボンの寸法は、幅が15〜20mm、厚さが0.8〜1.3mmである。サンプルは、牽引時における荷重および牽引パラメータとともに集められ、次いで分光光度計で分析された。
【0033】
AMPL牽引システムで得られた結果と比較したPRC牽引システムで得られた結果が図9に示されている。ヌル曲線は、より広くかつより長い波長においてより急な勾配を有しているように見える。このことは、より高い応力を加えて銀粒子をより強度に伸長させることができるPRC牽引システムの能力と相関関係を有する。この結果は、より広い偏光波長領域およびより大きいコントラスト比を提供する。
【0034】
以上、本発明の限られた数の実施の形態について説明したが、ここに開示された本発明の範囲から離れることなしに他の多くの実施の形態を実施することが可能なことは、本明細書の恩恵に浴する当業者には明らかであろう。したがって、本発明に範囲は、添付の請求項によってのみ限定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】牽引に先立ってそれぞれ温度600℃および650℃で熱処理された2種類の再牽引されたPt添加ガラス組成物の偏光透過スペクトルを示すグラフ
【図2】図1の2種類のガラスに関するヌル方向透過率(N)および透過方向透過率(T)を示すグラフ
【図3】右方は仕上げられた状態、左方は注型されたままの状態の延伸された可視光偏光子バーを示す図
【図4】牽引後のガラスバーを左方に、牽引されたガラスリボンを中央に、そしてガラスの根元部を示す図
【図5】炉、ロードセルおよび炉内に吊り下がられたガラスバーを示す図
【図6】別の炉、ロードセル、ダウンフィードシステムおよび炉内に吊り下がられたガラスバーを示す図
【図7】牽引時にガラスを細くするのに用いられる別の引っ張り装置(牽引機)システムを示す図
【図8】別の炉を出て下方へ牽引されるガラスリボンを示す図
【図9】二種類の牽引システムからの再牽引されたリボンの偏光透過率を比較する図
【図10−1】685℃において種々の時間の間熱処理された異なるPtレベルを有するガラスの吸収スペクトルを比較して示す図
【図10−2】685℃において種々の時間の間熱処理された異なるPtレベルを有するガラスの吸収スペクトルを比較して示す図
【符号の説明】
【0036】
20,54 ロードセル
22 金属リング
24 ダウンフィードチャック
26 ワイヤ
40 炉
50 7ゾーン方形炉
52 ダウンフィードシステム
56 牽引ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光偏光子を作成するのに適したガラス組成物であって、
(a) SiO 20〜60重量%
Al 5〜20重量%
10〜25重量%
Ag 15〜40重量%
を包含する主成分のガラス組成物、ならびに
(b)白金、パラジウム、金、イリジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群から選ばれた貴金属、
を含むことを特徴とするガラス組成物。
【請求項2】
前記貴金属が、最終組成物中に0.0001〜0.5重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記貴金属が、最終組成物中に0.0001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記貴金属が、最終組成物中に0.001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記貴金属が白金であり、該白金が0.0001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記貴金属が白金であり、該白金が0.001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
光偏光子を作成するのに適したガラス組成物であって、該ガラスが、
(a) SiO 34±2重量%
Al 17±2重量%
14±2重量%
Ag 35±2重量%
を含むガラス組成物、ならびに
(b)白金、パラジウム、金、イリジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群から選ばれた貴金属、
を含有することを特徴とするガラス組成物。
【請求項8】
前記貴金属が、最終組成物中に0.0001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記貴金属が、最終組成物中に0.001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項10】
前記貴金属が白金であり、該白金が0.0001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項11】
前記貴金属が白金であり、該白金が0.001〜0.3重量%の範囲内の量で存在することを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項12】
偏光ガラス組成物の作成方法であって、
20〜60重量%のSiO、12〜20重量%のAl、10〜25重量%のBおよび15〜40重量%のAgを含む組成を有する主成分ガラスを調製し、
Pt,Pd,Rh,Au,Os,IrおよびRuの塩からなる群から選ばれた少なくとも一種類の貴金属塩または錯体を上述の組成物に添加し、この場合、前記貴金属塩は、価数がゼロの金属として計量した0.0001〜0.5重量%の範囲内の量で添加され、
これらの成分を混合し、次いでそれらを10Pa・s(10ポアズ)未満の粘度を有するガラスを得るのと同様な態様で溶融し、
前記ガラスを、該ガラスの組織中に封入された銀粒子を細長くし得るのに適した形状に成形し、
該成形されたガラスを熱処理して残留応力を除去し、
該成形されたガラスを所定の寸法に仕上げ、かつ該成形されたガラスの表面に化学処理および/または熱処理を施して、該ガラスの表面および/または表面下の罅または汚染を除去または修復し、
前記ガラスを、該ガラスの粘度が1×10〜1×10Pa・s(1×10〜1×10ポアズ)の範囲内になる温度に加熱された炉内において、前記ガラスを該ガラスの牽引が可能な態様で吊るし、
前記銀粒子を細長くするために24.3MPa(3500psi)を超える力が印加されるように、牽引時の炉内温度、ダウンフィード速度および引っ張り速度を調整し、
印加された力によって前記ガラスを牽引し、これによりガラス形状を細くしかつ該ガラス内に応力を誘起させ、これにより該ガラス中の前記銀粒子を延伸する、
諸ステップを含むことを特徴とする、偏光ガラス組成物の作成方法。
【請求項13】
前記銀を、硝酸銀、または硝酸銀と過酸化銀との混合物として前記主成分のガラス組成物に添加することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記貴金属を、ハロゲン化物、硝酸塩、または貴金属錯体として、または前述の化合物の何れかの溶液として添加することを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記貴金属を、硝酸塩またはハロゲン化物として添加することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ガラスを500〜800℃の範囲内の温度に、5分〜48時間加熱することによって、色濃度をさらに増大させることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項17】
銀粒子の成長を促進するために、必要に応じて前記ガラスに、600〜700℃の範囲内でのさらなる熱処理を施すことを特徴とする請求項12記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【公表番号】特表2009−512623(P2009−512623A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537802(P2008−537802)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/040974
【国際公開番号】WO2007/050443
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】