説明

構造体の欠陥を監視するためのシステム及び方法

【課題】構造体の欠陥を監視するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本システム(110)は、構造体(114)の監視区域(118)及び参照(116)に電流を印加するための電源(202)と、監視区域(118)の2以上の接点(126、128)間の電圧降下及び参照(116)の2以上の接点(122、124)間の電圧降下を測定するための測定回路と、構造体(114)の厚さの変化率の指標となる監視区域電圧降下と参照電圧降下との比を決定できるプロセッサ(112)とを備える。本方法は、監視区域(118)及び参照(116)に電流を印加する段階と、監視区域(118)及び参照(116)間の第1の電圧降下を測定する段階と、構造体(114)の厚さの変化率を示す比を求める段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して構造体を監視するためのシステム及び方法に関する。具体的には、腐食に起因する壁薄肉化のような欠陥に関して、例えば配管及び容器などの構造体を連続的に監視するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油産業及び化学産業では、多種多様な生成物流及び生成物処理に用いられる設備内の配管及び容器の状態を監視する手段が求め続けている。これらの設備の通常稼働時に、配管及び容器を各種生成物が流れる結果、腐食及び侵食が発生し、配管及び容器の壁の薄肉化が生じる。この壁薄肉化の結果は、配管漏洩による生成物の損失から、安全及び物的損害問題を生じさせる壊滅的破損にまで及ぶ可能性がある。配管及び容器の作動条件は、周辺環境の周囲温度(−40〜120°F)から非常な高温(1000°F)に至る。この範囲の作動条件で、化学的処理によって腐食を緩和させるか又はプラント操作員に緊急措置を必要とするような深刻な状態を警報するため、構成部品の状態をオンライン監視できる方法が業界で強く求められている。
【0003】
配管及び容器壁材料の腐食の問題に対処するための現在の方法には、超音波壁厚測定法、配管及び容器のX線イメージング、配管及び容器の目視検査並びに電圧降下測定法がある。超音波、X線及び目視検査法は、多くの場合、検査過程を終えることができるまで期間にシステムを実使用中止にするか又は不作動にすることが必要とされる。現在市販されている電圧降下測定システムは、オンライン測定が可能であるが、配管及び容器壁材料での腐食の影響を検出するそれらの能力には限界がある。例えば、通常型の電圧降下測定システムは、様々な検査点を連続的に多重化処理することで発生するノイズのために、低腐食率を検出するのに十分な感度を有していない。
【0004】
配管又は容器内を流れる物質中の腐食生成物についての生成物サンプリングのような他のオンライン測定システムも用いられている。これらは、配管及び容器内の所望の流体と共に流れる腐食副生成物が少量であるために限界値を有するサンプリング法である。これらの方法は、配管及び容器内部の流体流に高濃度の腐食副生成物が見られる場合には全体的腐食を検出するのに適切であるが、配管及び容器内部の流体流に少量の腐食副生成物が持ち込まれるにすぐない局所的点食の検出には応用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、例えば配管及び容器などの構造体を、かかる構造体を含む設備の稼働を全く或いはほとんど中断せずに欠陥を監視する方法に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
構造体の欠陥を監視するためのシステム及び方法を提供する。本発明では、例えば配管又は薄壁容器などの構造体の材料を通して流れる電流と配管又は容器及び適切な参照の外側に取付けた1組の電極又はリードとを使用して取付け電極間の電位(電圧)降下を測定する。取付け電極間での測定電圧降下は、腐食の発生に伴って増大する。配管又は容器壁の厚さが腐食によって減少するに伴い、電気抵抗が増加し、電圧降下が大きくなる。適切な参照試料の使用によって、熱電対効果、電源ラインのノイズ干渉、電子部品のオフセット及びゲインドリフト、或いは一般に小さい電位差を測定するときにノイズを生じる他の作用によって引き起こされるような変動を伴わずに、この測定を正確に行うことができる。
【0007】
本発明の一態様では、構造体の欠陥を監視するためのシステムを提供する。本システムは、構造体の監視区域及び参照に電流を印加するための電源と、監視区域の2以上の接点間の電圧降下及び参照の2以上の接点間の電圧降下を測定するための測定回路と、構造体の厚さの変化率の指標となる監視区域電圧降下と参照電圧降下との比を決定できるプロセッサとを含む。
【0008】
本発明の別の態様では、構造体の欠陥を監視する方法を提供する。本方法は、構造体の監視区域及び参照に電流を印加する段階と、監視区域の2以上の接点間の第1の電圧降下及び参照の2以上の接点間の第1の電圧降下を測定する段階と、構造体の厚さの変化率の指標となる監視区域電圧降下と参照電圧降下との比を求める段階とを含む。
【0009】
本発明の上記その他の態様、特徴及び利点は、図面と共に以下の詳細な説明を参照すれば明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して以下に説明する。以下の説明で、不必要な詳細によって本発明が曖昧になるのを避けるため、周知の機能又は構造は詳細については説明しない。
【0011】
配管及び容器などの構造体の欠陥を監視し、構造体の残存壁厚の量を直接求めかつ定量化するためのシステム及び方法を提供する。本発明は、試料の例えば監視区域などの所定の区域を監視し、その区域内の試料の残存厚さを求める。次にこのデータを使用して、エンジニアリング手段によって決定された試料の設計限界値に対する残存壁厚さの比較に基づいて、プラント稼働の安全性を決定することができる。本発明は、それに限定されないが、−40〜1000°Fで作動する配管又は容器を監視するのに適する。例えば最大1000アンペアまでの大きい駆動電流を注入しかつ信号を平均することによって、本発明の実施形態は、0.1%壁厚さの壁厚変化に対する感度を有する。
【0012】
本発明の実施形態は、電圧降下測定法を用いる。電圧降下法では、配管又は容器の様々な位置での電圧降下又は電圧が測定できるように配管壁又は容器壁に周知のパターンで電流を流す必要がある。様々な位置で測定した電圧降下は次式で規定される。
【0013】
V=IR (1)
式中、V=電圧降下(電圧)、I=電流、及びR=抵抗である。電気抵抗が非常に低い(〜数ミリオーム)配管又は容器の場合には、測定される電圧降下は非常に小さい(〜数ミリボルト)。既知の電流が配管又は容器壁材料を通して流れると仮定すると、測定した電圧降下は、壁厚さの関数である。これらは測定するには非常に小さい電圧であるので、構造体と同一材料の参照部品を使用して材料の比抵抗への温度の影響についての補正を行う。加えて、本発明の実施形態は、電源及び電子部品による熱電対効果並びにオフセット及びゲイン変動を補正しかつ除去する。
【0014】
電圧降下の測定は、例えばリード又は電極などの1つの電気接続部品から別の接続部品に電流が流れている間に行われる。電流を止め、再び電圧降下を測定する。この2つの電圧降下値を数値的に減算し、次に監視システムの内部標準電圧降下で除算して、種々の影響に起因するオフセット及びゲイン変動がない状態の補正電圧降下を得る。参照部品についても、同様の測定を行う。次に、例えば配管又は容器などの試料について測定した補正電圧降下を参照部品の補正電圧降下で除算して、構造体壁及び参照との間の電流量間の差を表す比を得る。この比は、試料内の材料厚さと参照部品の材料厚さとの間の差に正比例する。
【0015】
図1を参照すると、構造体の欠陥を監視するシステム110を示す。一般に、監視システム110は、監視対象の構造体114に結合したマルチチャネル監視装置112を備える。説明のために、図1に示す構造体は配管の一部分である。システム110の実施形態は、腐食、孔食、割れなどのような欠陥を受け易い導電性構造体で使用できる。例示的な構造体としては、配管、容器、タンク、並びに溶接部、継手、バルブ及び熱交換器のような複雑な幾何学的形状を有する構造体が挙げられる。
【0016】
構造体114は、参照部品116と監視区域118とを備える。参照部品116は、電源を取付けるための1以上の電流注入ポート120と参照部品116の電圧降下を測定するための少なくとも1対の接点122、124とを含む。監視区域118も、少なくとも1対の接点126、128を含む。構造体114は、電流注入ポート120と組合せたとき電流が構造体114を通して流れるようにする電流注入ポート130も備える。
【0017】
適宜、構造体は、1以上の電流注入ポート132と少なくとも1対の接点142、144とを含む1以上の付加的参照部品140を備えていてもよい。電流注入ポート132は、複数の経路に電流を注入するために電流注入ポート134と組合せて使用できる。
【0018】
監視区域118は、構造体114全体の電圧降下の測定値が取得できるように検知マトリックスに配列された複数対の接点を含んでいてもよい。
【0019】
参照部品116は、例えば溶接によって構造体114に電気的に結合され、監視装置112のリード136、138をそれぞれ電流注入ポート130、120に結合しときに、電流が、リード136、138に結合した電源の極性に応じて1つの電流注入ポートから他のポートに流れる。参照部品116は、構造体114と同一の材料のものであり、溶接線146で構造体114に接触する。適宜、参照部品116と構造体114との間のギャップは、参照部品116及び構造体114が同一の温度になるように熱伝導性化合物で充填される。なお、この化合物は、例えばヒートシンク化合物などの非導電性化合物である。
【0020】
図2を参照すると、監視装置112のブロック図を示す。監視装置112は、構造体114に電流を印加するための例えば直流(DC)バッテリなどの電源202を含む。リード136、138は、例えば水銀移動リレー、パワーMOSFET又はIGBTのようなパワー半導体或いは双極双投形(DPDT)ラッチリレーなどの電流切換機構204を介して電源202から電流注入ポート120、130へと結合される。電流切換機構204は、2つの状態を有し、第1の状態では、正電位が電流注入ポート120に印加されかつ負電位が電流注入ポート130に印加され、電流が電流注入ポート120から電流注入ポート130に流れる。第2の状態においては、電流切換機構204は、電源202と注入ポート120、130の間に開回路を形成して、例えば全く電流の流れがないオフ状態読取りを可能にする。電流切換機構204は、第1のマイクロコントローラ203又はプロセッサによって制御され、第1のマイクロコントローラ203又はプロセッサが、電流切換機構204の状態を決定しかつ以下に説明するように電圧降下の読取りを開始する。
【0021】
監視装置112はさらに測定切換機構206を備える。測定切換機構206は、DPDTラッチリレーの並列アレイを備えていてもよい。双極双投形(DPDT)ラッチリレーを使用して電圧降下信号の経路を決定して、電圧降下の効果的なエネルギー変換及び低ノイズ示差測定を図る。
【0022】
第1の状態で、測定切換機構206は、参照部品116の2以上の接点122、124から電位を読取り、また第2の状態では、監視区域118の2以上の接点126、128から電位を読取る。構造体上に複数対の接点を利用している場合には、全ての対は同時に読取られることを理解されたい。
【0023】
接点の各対で測定した電圧降下は、測定切換機構206を介して増幅器208に送信される。増幅器の数は、監視区域118の接点の対の数に等しくなることを理解されたい。測定切換機構206の第1の状態において、参照部品116の接点122、124から読取った電圧降下は、増幅器の較正のため複数の増幅器208の各々に送信される。測定切換機構206の第2の状態では、監視区域118の接点の各対の電圧降下は、それぞれの増幅器に送信される。
【0024】
監視区域118から読取った増幅電圧降下値は次に、複数のアナログ・デジタル(A/D)変換器210に送信される。なお、A/D変換器210の数は増幅器208の数に等しい。A/D変換器210は、第1のマイクロコントローラ203からの読取り信号を受信すると増幅器208から値を読取る。変換値は、構造体への影響を判定する処理のためにまたデータロギングのために第2のマイクロコントローラ212に送信される。第2のマイクロコントローラ212は、短期又は長期データ保存のため例えば不揮発性EEPROMメモリなどのメモリを備えていてもよい。
【0025】
監視装置は、監視の現場で値を表示するためのディスプレイ216を備えていてもよい。加えて、監視装置は、中央システムにデータを転送するための通信モジュール218を備えていてもよい。通信モジュール218は、中央システムにデータをダウンロードするための配線接続ポート及び/又は中央システムにデータを無線転送するためのワイヤレスモジュールを有する。
【0026】
第2のマイクロコントローラ212は、接点対の各対の電圧降下値を同時に受信するためのマルチチャネル・インタフェースを有する。電圧降下を同時に読取ることによって、監視装置112は、多重化データを順次読取る従来型の監視システムに付随していた測定ノイズを効果的に低減する。マルチチャネル・マイクロコントローラ212はまた、全ての測定が記録されるまで電流を流しておく必要がある多重化測定システムに比して、短時間駆動電流を流しておけばよいので、監視装置112の節電が可能となる。このことは、ひいては、本監視システム112が、多重化システムよりも信頼性の高いデータを取得するための信号の平均化を実行する長時間にわたって小型バッテリで動作できることを意味する。
【0027】
一般に、本発明は、測定時にごく僅かな電力しか使用しない。このことは、バッテリの寿命を延ばし、長期データの収集を可能にする。測定値の精度及びドリフト性能をさらに向上させるために、長期データに対して統計的ツールを適用することができる。本発明は、A/D変換器を使用し、A/D変換器は、同期しかつ並列に動作して、測定時に駆動電流の作動を要する時間を最小にする。このことは、消費電力を低減し、長期動作を可能にする。このことはまた、データに対して統計的信号処理を使用して測定チャネルの全てに存在するコモンモードノイズを低減するのを可能にするが、これは、データチャネルが同時にサンプリングされない場合には可能でなかったと思われる。
【0028】
構造体の欠陥を監視する方法を、図3と関連させて以下に説明する。
【0029】
最初に、電源202により、電流注入ポート120、130を介して参照部品116及び試料に電流を印加する(ステップ302)。電流切換機構204及び測定切換機構206は、それらの第1の状態にある。増幅器208のゲインを上述のように設定した後に、構造体の監視区域118の電圧降下値を読取るために、測定切換機構206がその第2の状態に切換わる。
【0030】
次に、参照間の電圧降下VEXT_ref_ONが、接点122、124を介して読取られ(ステップ304)、また試料間の電圧降下Vsignal_ONが、接点126、128を介して読取られる(ステップ306)。式中、nは接点の対に関連するチャネルである。次に、電流切換機構204はその第2の状態に入り、参照及び試料に流れる電流が停止される(ステップ308)。例えばオフ状態などの電流が停止された状態で、参照間の電圧降下VEXT_ref_OFFが読取られ(310)、試料間の電圧降下Vsignal_OFFも読取られる(312)。
【0031】
次に、参照についての補正電圧降下が、第1の電圧降下値からオフ状態電圧降下を差し引き、その差分を監視装置112の内部標準電圧で除算することによって、次式のように求められる(ステップ314)。
【0032】
【数1】

式中、VINT_ref_OFFは、電流が印加されている間のn番チャネルの内部標準電圧読取り値であり、VINT_ref_ONは、電流が印加されていない状態でのn番チャネルの内部標準電圧である。同様の計算が、試料について次式のように行われる(ステップ316)。
【0033】
【数2】

2状態電圧測定値(Vsignal_ON−Vsignal_OFF)は、寄生熱電対電圧を排除するために減算され、内部標準電圧読取り値(VINT_ref_ON−VINT_ref_OFF)は、チャネルゲイン及びDCオフセットの補正に使用される。
【0034】
次に、試料についての補正電圧降下を参照の補正電圧降下で除算すれば、参照と試料との間の電流量間の差を示す比が次式で得られる(ステップ318)。
【0035】
【数3】

この比は、試料及び参照の材料厚さ間の差に直接関連する。
【0036】
接点の各対についての幾つかの読取り値は、経時的に取得しかつ平均して、ランダムノイズを低減することができる。次に、接点の各対又は各チャネルについての値は、マトリックス内にマッピングして、それらの値を接点の物理的位置と関連付けることができる。次に、値のマトリックスは、構造体の薄肉化区域を迅速に識別するために使用者に対して表示することができる。
【0037】
さらに、電圧降下読取り値(Vnormalized)は、異なる方向に、例えば電流注入ポート132から電流注入ポート134までの経路に沿って印加された注入電流について取得することができる。この複数経路電流注入は、単一ポート電流注入に比較して奇形腐食領域の特徴付けを向上させる。複数経路に沿って電流を注入することによって、1方向だけではなく2つの直交方向で電圧降下を測定するので、監視システム110は、腐食領域の形状を一段と正確に再構成することができる。本発明はまた、複数電流注入経路を用いて、配管の割れタイプの欠陥に対する監視システムの感度を向上させる。例えば、割れが軸方向に向いている場合、その割れは、円周方向の電流の流れパターンに強く影響するが、軸方向の電流の流れには僅かしか影響しない。
【0038】
注入電流経路の異なる方向から取得した読取り値は、別々の電圧降下画像として個々に解析するか、或いはベクトル形式で合成して電圧降下読取り値に対する大きさ及び方向成分の両方を取得することができ、これらの成分は、接点の物理的位置に関するマトリックス内に表示することができる。
【0039】
本開示は、典型的な実施形態について図示しかつ説明してきたが、いずれにしても本発明の技術思想から逸脱しないで様々な変更及び置換えを行うことができるので、本発明は、開示した細部に限定することを意図するものではない。従って、当業者は、ごく僅かな日常的実験を用いて本明細書に開示した開示内容の更なる変更及び均等物を思い付くことができ、全てのかかる変更及び均等物は、特許請求の範囲によって定めた本発明の技術思想及び技術的範囲内にあると確信する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】構造体の欠陥を監視するためのシステムの実施形態を示す図。
【図2】配管の欠陥を監視するための監視装置のブロック図。
【図3】構造体の欠陥を監視する方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0041】
110 監視システム
112 マルチチャネル監視装置
114 構造体
116 参照部品
118 監視区域
120、130、132、134 電流注入ポート
122、124、126、128、142、144 接点
136、138 リード
140 付加的参照部品
146 溶接線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体(114)の欠陥を監視するためのシステム(110)であって、
構造体(114)の監視区域(118)及び参照(116)に電流を印加するための電源(202)と、
監視区域(118)の2以上の接点(126、128)間の電圧降下及び参照(116)の2以上の接点(122、124)間の電圧降下を測定するための測定回路(206)と、
構造体(114)の厚さの変化率の指標となる監視区域電圧降下と参照電圧降下との比を決定できるプロセッサ(212)と、
を備えるシステム。
【請求項2】
参照(116)が、構造体(114)と電気的に結合している、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
参照(116)が電源(202)を参照(116)に結合するための第1の電流注入ポート(120)を備えており、構造体(114)が電源(202)を構造体(116)に結合するための第2の電流注入ポート(130)を備えており、電流が第1の電流注入ポート(120)から第2の電流注入ポート(130)に流れる、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
参照(116)が電源(202)を参照(116)に結合するための複数の電流注入ポート(120)を備えており、構造体(114)が電源(202)を構造体(114)に結合するための複数の電流注入ポート(130)を備えており、参照(116)及び構造体(114)に複数の電流を異なる方向に印加することができる、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
監視区域(118)が、マ複数の接点の任意の対の間の電圧降下を測定するためマトリックスに配列された複数の接点を含んでおり、測定回路(206)で複数の接点を同時に測定する、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
構造体の欠陥を監視する方法であって、
構造体の監視区域及び参照に電流を印加する段階(302)と、
監視区域(306)の2以上の接点間の第1の電圧降下(306)及び参照の2以上の接点間の第1の電圧降下(304)を測定する段階と、
構造体の厚さの変化率の指標となる監視区域電圧降下と参照電圧降下との比を求める段階(318)と、
を含む方法。
【請求項7】
前記測定段階が、電流を印加していない状態で、監視区域の2以上の接点間の第2の電圧降下を測定する段階(312)と、参照の2以上の接点間の第2の電圧降下を測定する段階(310)とを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記測定段階が、
第1の監視区域電圧降下から第2の監視区域電圧降下を減算することによって監視区域電圧降下を計算する段階(316)と、
第1の参照電圧降下から第2の参照電圧降下を減算することによって参照電圧降下を計算する段階(314)と、
を含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
構造体の監視区域が複数の接点を含み、前記測定段階が複数の接点間の電圧降下を同時に測定する段階を含む、請求項6記載の方法。
【請求項10】
複数の経路に電流を順次印加する段階と、
印加した各電流経路について監視区域の2以上の接点間の電圧降下を測定する段階と、
をさらに含む、請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506096(P2007−506096A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526894(P2006−526894)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/025880
【国際公開番号】WO2005/036152
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】