構造材料及びその他の複合材料、及びその製造方法
本発明に従って、高い圧縮強度、高い引張り強度、高いせん断強度、及び高い比強度を含む優れた性能特性を有する構造材料及びその他の複合材料、及びそれらの製造方法を開発した。発明の材料は、製造が容易であるという別の利点をもち、かつ低価格で製造できる。発明の材料の優れた性能特性は、このような材料を広範な多様な最終用途に役立つようにする。例えば、多くの物質が、発明の材用の基本構造を溶融、溶解又は劣化させることなく、発明の材料に塗布可能である。これは、発明の材料を事実上任意の表面又は基材に対し接合を容易にする。更に、発明の材料と多くの基材間の接合は、極めて強く、得られた接合物品を種々の厳しい用途に向けて適したものにする。発明の材料は、広範な多様な寸法、形状、密度に、多層などに製造できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2003年3月12日に出願の、現在は係属中の出願番号10/388,295の一部継続出願である。本明細書では、この全文を参考文献として援用する。
【0002】
本発明は、構造材料及びその他の複合材料、及びこのような材料の製造方法に関する。特別な観点では、本発明は、建築材料に関する。別の観点では、本発明は、種々の形状、寸法及び物理的特性を有する構造材料及びその他の複合材料に関する。更に別の観点では、本発明は、発明の構造材料及びその他の複合材料の種々の用途に関する。更に別の観点では、本発明は、発明の構造材料及びその他の複合材料から製造された軽量、高強度の物品に関する。
【背景技術】
【0003】
この業界では、構造部材の製造のために長い間ポリマー材料が使用されていた。一つの用途では、例えば押出成形により、構造材料が、ポリマー材料の固体シートとして簡単に形成できる。しかし、この方法で製造された構造部材は、かなり重く(ポリマー材料の密度に起因して)、かつ断熱性に乏しい傾向がある。加えて、このような構造物は、構造物の形成に相当量のポリマー材料が必要であるため、かなり高価になりがちである。
【0004】
この業界で構造部材の製造のために用いられる代替法は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はポリウレタンなどの発泡ポリマー材料の使用である。一方、得られた構造物は、相当する固体の構造部材より非常に低密度であり、高められた断熱性を有するが、製造価格は一般的にむしろ高くなる。更に、特にポリスチレンの場合、得られた発泡構造物は、比較的貧弱な構造的完全性(integrity)である。
【0005】
典型的な2成分システムを用いて、発泡ポリウレタンから構造部材を形成するために、樹脂がイソシアネートと混合され、次に混合物が型に導入され、型が閉じられる。型内で発泡反応が起こり、型内でポリマー材料の体積が増大する。ひとたび、発泡材料の体積が型の容積に等しくなると、発泡体が型に対して圧縮され、得られた部材の強度を向上させる。高強度の構造部材を得るためには、かなりの圧縮力を発生させる必要があり、それには大量のポリウレタンを使用する必要があり、これが構造部材の費用を高める。更に、高強度を実現するために発泡体を圧縮する時、発泡体の密度が高くなり、得られた物品の断熱性は極めて貧弱になる。更に、発泡反応が始まる前に、反応成分が型内にすべて導入されることを保障するために、上記の方法は迅速に行われなければならない。
【0006】
発泡ポリマー材料から構造部材製造のために業界で知られた別の方法は、発泡ポリスチレン又はポリプロピレンビーズの使用を含み、ビーズが型内に置かれ、水蒸気加熱され、この加熱がビーズを軟化させて、続いて合体させて構造部材の形成を可能にする。一方、得られた構造部材は比較的軽量であるが、特に強くない。加えて、最終の発泡製品は、連続気泡構造であり、したがって液体及びガスに対して透過性である。更に、ビーズの合体に従って構造部材の体積が減少するので、この方法は、大量の出発材料を使用する必要がある。
【0007】
発泡ポリスチレンビーズを用いた建築材料製造の更なる別法は、英国特許出願番号GB2,298、424号に記載があり、この出願は、硬質発泡プラスチックマトリックス内に配置された軽量断熱性充填剤を開示する。‘424号出願に開示された主要な断熱性充填剤は「発泡ポリスチレン」と呼ばれているが、特許請求された製品の製造に用いられた材料の化学的及び/又は物理的特性に関する詳細な説明はない。同様に、‘424号出願に開示された唯一の硬質発泡プラスチックマトリックスは、単一の、特定の硬質ポリウレタンであり、その製造のために用いた幾つかの成分の1種に関して明示されており、即ち、‘424号出願に用いられたポリウレタンは、「樹脂」(「ポリオールブレンド」とのみ記載)及びイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネートと「ポリマー成分」の混合物としてのみ記載)から製造される。‘424号出願に用いられたポリウレタンの実際の組成は、商品名だけを引用して市場から入手できると言われる材料を参照して得られる。
【0008】
構造材料を製造する追加の方法は、米国特許第4,714,715号(硬質プラスチック発泡スクラップから難燃性断熱性材料を形成する方法を対象にした)、米国特許第5,055,339号(連続気泡を限定したウエブからなる気泡格子を有する軟質発泡材料のパネルを含む成形部材、及び連続気泡を限定したウエブ及び少なくとも1種の追加された充填剤からなる気泡格子を有する軟質発泡材料の粒剤を対象とした)、米国特許第5,791,085号(多孔質発泡鉱物質粒剤の存在下及び0.5重量%以下の水分の存在下でポリイソシアネート及びポリエチレンオキシド誘導体を反応させて、実質的に乾燥した固体の、多孔質連続気泡発泡親水性保水性のポリウレタンヒドロゲル材料マトリックスを製造する単一ステップからなる植物繁殖用固体多孔質材料を製造する方法を対象とし、このポリウレタンヒドロゲル材料マトリックスは、乾燥条件下では実質的に硬質であり、水分を吸収することができて湿潤時には柔軟になる)、米国特許第5,885,693号(前もって決められた体積を有する3次元成形された部品を対象とする)、米国特許第6,042,764号(3次元成形されたプラスチック発泡部品の製造方法を対象とする)、米国特許第6,045,345号(液体一次材料を発泡させることにより相互に結合したプラスチック発泡粒剤から3次元成形されたプラスチック発泡部品を製造する装置を対象とする)、米国特許第6,265,457号(イソシアネート系ポリマーフォームを対象とする)、米国特許第6,583,189号(約1重量%から40重量%の粉砕されたケイソウ土を含む第一の熱可塑性プラスチックの独立気泡発泡体を含む押出成形物品、約2重量%以下の水分を含むケイソウ土で成形された押出成形物品を対象とする)、及び米国特許第6,605,650号(イソシアネート及びポリオール反応体、触媒及び発泡剤を含む混合物を形成することによりポリウレタンフォームを形成する方法を対象とし、この混合物は発熱反応して硬質ポリウレタンフォームを生成する)に記載されている。
【0009】
しかし、強度があり軽量で、好ましくは比較的に耐湿性があり、その製造に関して大量の出発材料を必要としない構造材料に関する当業界のニーズが残されている。明細書及びそれに付随する特許請求の範囲で詳細に述べるように、本発明は、当分野のこのニーズ及び関連ニーズを取り扱う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明に従い、高い圧縮強度、高い引張り強度、高い曲げ強度、高いせん断強度、及び/又は高い比強度を含む優れた性能特性をもつ構造材料及びその他の複合材料が開発された。同様に、発明の材料は、高い圧縮、引張り、曲げ及びせん断弾性率を示すことができる。加えて、発明の材料は、実質的に耐湿性であることができる。発明の材料は、製造が容易であるという追加の利点があり、かつ比較的低費用で製造できる。加えて、発明の材料は、比較的低温度で製造することができ、製造時に加熱又は冷却を必要としないことが多い。発明の材料の優れた性能特性は、このような材料を多くの最終用途に適したものとする。
【0011】
例えば、発明の材料の基本的構造を溶融することなく、溶解することなく又は劣化させることなく、多くの接着剤が適用できる。これは、発明の材料を事実上任意の表面又は基体に接合することを促進するものであり、所望の形状を作り出す代替手段をとして、発明の材料の2個以上の断片を相互に接合することを含む。更に、発明の材料と種々の基体間の接合(発明の材料の2個以上の断片間の接合を含む)は非常に強く、得られた接合物品を種々の厳しい要求分野での使用に適するようにする。事実、発明の材料と基体間の接着は、発明の材料と接触させる前に、基体表面を粗面化(abrade)すること(例えば、機械的に又は化学エッチングで)により更に高めることができる。
【0012】
同様に、発明の材料は、液体ポリエステル樹脂コーテイング、液体スチレンポリマー又はその他の液体ポリマーの塗布により改質できる。このようなコーテイングは、発明の材料により提供されたコア構造を溶解することなく又はその他の方法で処理することなく、発明の材料にスプレーするか又はさもなければ直接的に塗布することができる。
【0013】
発明の材料は、種々の寸法、形状、密度、多層などに製造できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
図1は、発泡ポリスチレンビーズの断面の走査型電子顕微鏡画像である。
【0015】
図2は、発泡ポリスチレンビーズの走査型電子顕微鏡画像である。
【0016】
図3は、多孔質ビーズを含むポリマーマトリックスの断面の略図であり、多孔質ビーズに伸びているポリマーフィラメント又はその他の突起物を示す。
【0017】
図4は、代表的な発明の物品の断面図であり、多孔質材料(10)の大ビーズがポリマーマトリックス(1)に組み込まれている。また、発明の構造材料及びその他の複合材料は、本明細書では、時々、構造材料及びその他の複合材料のブランドとして「ペトリフォーム(登録商標)」と呼ぶ。
【0018】
図5は、別の代表的な発明の物品の断面図であり、多孔質材料(11)の小ビーズがポリマーマトリックス(1)に組み込まれている。
【0019】
図6は、別の代表的な発明の物品の断面図であり、多孔質材料(10及び11)の大小ビーズの混合物が、ポリマーマトリックス(1)に組み込まれている。
【0020】
図7は、本発明に従う構造材料(20)及びそれに接着された仕上げ材料(30)を更に含む発明の物品の断面図である。
【0021】
図8は、本発明に従う構造材料(20)を含む発明の物品の断面図であり、その上にコーテイング(31)を更に含む。
【0022】
図9は、サンドイッチ構造の形態の発明の物品の断面図であり、補強材料(32)に接合した又は組み込まれたペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料(20)を含む。
【0023】
図10は、代表的な発明の材料に関する曲げ弾性率試験の結果のグラフを提供する。
【0024】
図11は、代表的な発明の材料に関する圧縮試験の結果のグラフを提供する。
【0025】
本発明の1つの観点に従えば、構造材料又はその他の複合材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、典型的には約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の融点より低い温度で硬化できる重合性成分から製造され、かつ多孔質材料を封入し、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びているポリマーとを含む構造材料又はその他の複合材料が提供される。当業者が容易に認識するように、ポリマー材料は、ポリマーシステムの粘度、多孔質材料中の気孔の寸法、システムが受ける圧力などの因子に依存して、いろいろな程度に多孔質材料中に伸びることができる。
【0026】
本発明のある実施形態では、このポリマーは、ポリウレタンなどのガス発生性重合性成分から製造され、かつこのポリマーは、実質的に固体のマトリックスを含む。本明細書で用いる「実質的に固体」は、特別な外力がない時に所定の形状を維持するような十分な構造的完全性をもつ材料のことを言う。理論に縛られることを望まないが、多孔質材料に非常に近接してガス発生性重合性成分を調製することが、多孔質材料が存在しない状態で作成されたマトリックスよりもかなり固いポリマーマトリックスを生成できると考えられる。その理由は、多孔質材料が近接した吸蔵部又はへこみ部としての役割を果たし、さもなければマトリックス内に巨視的及び/又は微視的な気泡を形成し、それにより構造的完全性を弱体化するかもしれない発生ガスのある程度の部分を収納できる。本発明で意図されるように、これらの方法を更に高めるために圧力及び/又はその他の手段を用いることができる。構造材料及びその他の複合材料を作成するこのような方法は、製造時に放出される揮発性有機化合物の量を減少させる付加的な利点を発揮できる。このような技術的特徴がある故、本発明に従って、マトリックスが5〜20、20〜40、40〜80、80〜120%又はそれ以上の固体である(即ち、このような多孔質材料の不在下で作成されたマトリックスに比較して密度がある)構造材料及びその他の複合材料が作成できる。同時に、多孔質材料は、本明細書に記載されるように、マトリックスにより封入され及び/又は侵入される可能性がある軽量構造体を実現できるので、得られた製品は、比較的軽量かつ強いというきわめて望ましい特性を示すことができる。また、多孔質材料への一部物理的進入及び/又は多孔質材料とマトリックスの接合は、多孔質材料にマトリックスを機械的又は化学的に「固定」する手段を実現することにより複合物の構造的完全性を高めることが可能になる。以下に説明するように、本発明の材料は容易に製造することができて、多くの種類の強度に関係する優れた特性、並びにその他の機械的及び/又はその他の物理化学的又は電気的特性を示す。このような材料の具体例は、本明細書で提供される詳細な教示及び説明に基づいて実現され、かつ当業者には明らかであるから、業界で知られた種々の添加物及び/又は代替物は、本発明の実施に関して容易に用いることができる。本発明に従う実質的に固体の材料は、実質的に硬質(即ち、実質的に非変形性)から実質的に可撓性(即ち、変形性、一般的に変形原因が除かれると原形状に復帰するような十分な記憶力をもつ)までの広がりを有する。
【0027】
本発明に従う構造材料及びその他の複合材料は、連続相(ポリマーを含む)及び非連続相(多孔質材料を含む)を含む。本明細書でより詳細に述べるように、連続相は多様なホモポリマー系、並びにブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどを含むコポリマー及びマルチポリマー系の任意のものをベースにすることができる。同様に、不連続材料は、多様な多孔質材料から選ぶことができる。
【0028】
本発明の別の観点に従えば、構造材料及びその他の複合材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、典型的には約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の気孔内で重合できる第一の重合性成分、及び直接的に又は結合子を介して、第一の重合性成分のポリマーに結合できる第二の重合性成分から作成できるポリマーであって、この重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に部分的に侵入する実質的に固体のマトリックスを形成するポリマーとを含む構造材料及びその他の複合材料が提供される。
【0029】
本発明の別の観点に従えば、明確な形状、優れた圧縮強度及び弾性率、及び高い曲げ弾性率を有し、全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含むポリマーマトリックスを含む物品であって、その際にこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている物品を提供する。ポリマーが多孔質材料に侵入する程度は、特殊な用途に応じて所望するように容易に変更できる。例えば、一般的に、相対的強度は、侵入程度を増すことにより高めることができ、かつ所望により、侵入ポリマーのフィラメントを相互に結合させるか、及び/又は多孔質材料内の表面に結合させることにより更に向上させることができる。このような侵入の増大は、例えば相互作用及び侵入を助長するポリマー及び多孔質材料の組み合わせを選ぶこと(例えば、特に適合した表面エネルギーを有する組み合わせを選ぶこと)、侵入を推進するために重合時に追加的圧力を適用すること、ポリマーの粘度を増大させること、温度を高めること、又は侵入のための相互作用及び潜在能力を助長するその他の動力学的又は熱力学的手段を含む、多様な方法により達成できる。また、相互作用を促進又は助長する薬剤(活性剤など)を含むことが可能であり、この薬剤は、重合時に含有されてもよく、又は例えば、多孔質材料を前処理してポリマーが侵入し易くなるように用いてもよい。本明細書で説明するようなグラフトコポリマー系は、所望の侵入レベルを達成するために用いることができ、一方で、同時にポリマーマトリックスの外側部分に強度又はその他の所望の特徴などのその他の好都合な特性を与えるために比較的独立して選ぶようにする。本発明の複合材料にこのような技術を適用することにより、ポリマーのフィラメント又はその他の突起物が、所定の多孔質材料中に種々の程度に容易に伸びるようにすることができる。このように、本発明の比較的高強度の複合材料は、所望により、ポリマーマトリックスが、多孔質材料の直径(又は長さ寸法)内に1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、又は90〜100%伸びることができるよう製造できる。本明細書に記載されかつ証明されるような強度及び重量の範囲の構造材料及びその他の複合材料は、以下に説明する用途などの種々の用途のために製造される。
【0030】
ある実施形態では、本発明の物品は、20ポンド/平方インチ(psi)超の、好ましくは40、100、150、210,300又は400psi超の圧縮強度、2,000psi超の、好ましくは4,000、8,000、10,000、20,000、40,000又は100,000psi超の圧縮弾性率、50psi超の、好ましくは100、200、350〜375又は500psi超の曲げ強度、2,000psi超の、好ましくは4,000、8,000、10,000、20,000、40,000又は100,000psi超の曲げ弾性率、20psi超の、好ましくは40、100、150、210,300又は400psi超のせん断強度、及び1,000psi超の、好ましくは2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、8,000又は10,000psi超のせん断弾性率、40psi超の、好ましくは80、100、150、210,300又は400psi超の引張り強度、及び1,000psi超の、好ましくは2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、8,000又は10,000psi超の引張り弾性率をもつことができる。
【0031】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 1621で測定されるような「高圧縮強度」は、本発明の材料の基本的構造が著しい破壊を伴わずに圧縮力に耐えるこの材料の能力をいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰な圧縮強度を示す。ASTM規格及び試験の記載は、ASTMインタナショナルの刊行物、並びにそれらのウエブサイト(例えば、www.astm.org)で見ることができる。
【0032】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 1623で測定されるような「高引張り強度」は、長手方向の張力に耐える本発明の材料の能力、即ちこの材料が分離することなく耐えることができる最大の力のことをいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰な引張り強度を示す。
【0033】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 273で測定されるような「高せん断強度」は、明確な応力にさらされた時に、本発明の材料の変形に対する抵抗力のことをいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰なせん断強度を示す。
【0034】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 790で測定されるような「高曲げ断強度」は、曲げ応力にさらされた時に、本発明の材料の変形に対する抵抗力のことをいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰な曲げ断強度を示す。
【0035】
本明細書で用いられるように、「高い比強度」は、比較的低重量にも拘らず、発明の材料の意外な高い強度をいう。例えば、従来技術の材料の何分の一かの重量の発明の物品は、例えば木材又はコンクリートなどの実質的に重い材料に比較して同一又はより良い性能特性を実現する可能性がある。また、発明の材料が製造される個々の材料、例えばポリウレタンなどのポリマーから製造される材料、から作成される材料の比強度と比較した時に、期待する強度に対して、過剰な比強度を有する発明の材料が製造できる。
【0036】
また、発明の材料は、材料の優れた衝撃強度、硬度又は表面剛性(表面圧入に耐える材料能力に関するロックウエル硬度試験による)の項で、並びに得られた製品の密度、得られた製品の熱伝導性及び熱膨張性、並びに各成分材料の熱伝導性及び熱膨張性、膨張係数、吸収係数(即ち伝導性)、誘電強度及び体積及び耐アーク性、可燃性(酸素指数又はUL燃焼速度によるなど)、収縮、水及び水蒸気透過性及び吸収性、比重及びその他の物理化学的、機械的、熱的又は電気的特性を含むその他の特性により特徴づけられる。特殊な材料が実質的にポリマーマトリックスに封入でき、このポリマーが水分捕捉及び吸収に比較的耐性があるように選択できる故(例えば、相対的に疎水性ポリマーを選択することにより、又はポリマー又は物品を相対的に疎水性の薬剤でコーテイングすることにより)、発明の材料は、容易に耐湿性に製造される。水分に対する標準試験は、ASTM D570−98、ASTM 2842−01、BS4370:方法8、DIN53434、及び業界で知られたその他の試験がある。例えばASTM D570を用いて、特殊な用途に対して、24時間後に、典型的には5、4、3、2、1、0.5、0.2、0.1、0.05、0.01又は所望によりそれより低い重量%の異なる吸水性範囲を有する発明の材料が容易に調整できる。また、逆に、望ましいかもしれない用途(材料が大量の液体を吸収かつ保持し、かつ可能性として時間の経過と共にそれを放出することが所望される用途など)に対し、比較的高率の吸水性をもつ発明の材料を調整することができる。後者の関心事では、吸水性を促進する薬剤(ポリアクリル酸ナトリウムなど)並びに、例えば、時間の経過と共に液体の放出を抑制し又は果たす薬剤を使用することができる。
【0037】
本発明の別の観点に従えば、構造材料及びその他の複合材料の製造方法であって、
多孔質材料及び重合性成分を組み合わせることと、
得られた組み合わせ体を、場合により発泡剤の存在下で、型内又はその他の容器内(開放または密閉されていてもよい)で、重合性成分の硬化に適した条件にさらし、それによって発泡剤、及び硬化時及び/又は多孔質材料の圧縮時に発生したあらゆるガスが多孔質材料により実質的に吸収されて、複合構造材料を形成することを含む方法が提供される。強度の向上が望まれる場合、重合性成分の一部が多孔質材料に押し込まれ、それによって固体のポリマーマトリックス内に封入された多孔質材料を含む構造材料を作成するが、その際このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に伸びている。
【0038】
本発明の別の観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料、
重合性成分と、
流動改良剤、可塑剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、UV保護剤、染料、顔料及び充填剤からなる群から選ばれた少なくとも一種の添加剤を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、
重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化することができ、重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に伸びている配合物が提供される。
【0039】
本発明の更なる観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料と、
重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、発泡ポリスチレンではなく、かつ約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつ
重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化することができ、かつ重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に伸びている配合物が提供される。また、上記の配合物から製造された構造材料及びその他の複合材料が意図されている。
【0040】
本発明の更なる観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料と、
重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつ
重合性成分が、ポリウレタンではなく、かつ多孔質材料の融点より低い温度で硬化することができ、重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物が提供される。また、上記の配合物から製造された構造材料及びその他の複合材料が意図されている。
【0041】
本発明の更なる観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料、
多孔質材料の気孔内で重合することができる第一の重合性成分と、
直接又は結合子を介して、第一の重合性成分のポリマーに結合することができる第二の重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつ
重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に少なくとも部分的に侵入する実質的に固体のマトリックスを形成する配合物が提供される。また、上記の配合物から製造された構造材料及びその他の複合材料が意図されている。
【0042】
また、任意選択で、発明の配合物は、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、可塑剤、金属石鹸安定剤、UV吸収剤、顔料、染料、静電防止剤、発泡(blowing)剤、消泡剤、発泡(foaming)剤、滑剤、補強剤、熱安定剤、粒状充填剤、加工助剤、流動改善剤、繊維状充填剤、スリップ剤、架橋剤及び架橋助剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、衝撃改良剤、触媒などからなる群から選ばれた1種又は複数の追加の添加剤含むことができる。この材料は、防水性又は耐水性、紫外線(UV)安定性、虫、細菌、カビ、大気条件、湿気、乾腐などに対する耐性を持つことができる。また、この材料は、一般的に、かなりの量の揮発性有機化合物(VOCs)、規制されたVOCsなどを放出しない。
【0043】
本発明の実施に用いようとする多孔質材料は、硬質、半硬質、可撓性、又は圧縮性であってもよく、かつ例えば、ビーズ、粒体、棒、リボン、不規則形状の粒子などの任意の多様な形体をもつことができる。当業者であれば容易に理解できるように、例えばシート、格子、チューブ、連続気泡三次元構造体、織布、不織布、フェルト、スポンジなどのその他の形態に成形された多孔質材料が使用できる。ここで用いようとする追加の形態に関しては米国特許第5,458,963号を参照されたい。発明の材料が採用される用途は、適切な粒状の又は成形された多孔質材料の選択が重要である。例えば、材料のブロックが成形され、後で裁断し大きさに合わせて物を作る場合には、粒状多孔質材料が望ましいかもしれない。これに反して、材料が所定の大きさの目的物を製造するために用いられる場合、多孔質材料のシート又はモノリスが望ましいかもしれない。例えば、多孔質シートは、好ましくは、弾性床タイルの製造に用いることができ、又は多孔質材料のモノリシス格子は耐力成形品の製造に用いることができる。球状ビーズ形態の多孔質材料は、本発明の幾つかの実施形態で特に好ましい。
【0044】
本発明の実施に用いようとする多孔質材料は、概して、約0.05mmから約60mmまでの範囲の粒径(即ち、粒子の最大寸法における断面直径)をもち、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0mmから約5.5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50又は55mmの範囲の粒子径をもつ(好ましくは、約1mmから約5mmの粒子径、より好ましくは約1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、又は2.5mmから約2.75、3.0、3.25、3.5、3.75、4.0、4.25、4.5又は5.0mmの粒子径をもつ)。
【0045】
本発明の実施に用いようとする多孔質材料は、概して、約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、典型的には約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、ビーズ密度は意図する最終用途の機能に応じて変わる。ビーズ密度は、典型的には、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15kg/m3から約75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900又は950kg/m3の範囲、より好ましくは約16、17、18又は19kg/m3から約51、52、53、54、55、60、65、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200kg/m3の範囲、かつ最も好ましくは約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30kg/m3から約31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90又は100kg/m3の範囲である。
【0046】
本発明で用いようとする現在好ましい多孔質材料は、本発明の実施で使用するポリマー系を硬化するときに発生するガスの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は実質的にすべてを吸収するために十分な気孔率を有するとみなされる。幾つかの好ましい実施形態では、多孔質材料の気孔率は、ポリマー材料の少なくとも一部が多孔質材料内に押し込められ(例えば、受動的な流れ、圧力駆動の流れ、及び/又は毛細管流で、又はその他の動力学的及び/又は熱力学的方法で)、その結果、ポリマーの微視的及び可能性として巨視的な巻きひげ、指、フィラメント又はその他の突起物が多孔質材料の本体に侵入するほどである。加えて、発生したガスの少なくとも一部のための貯蔵体として作用する多孔質材料の能力が、ポリマーマトリックス内に捕捉されるようになるガス気泡の数及び/又は大きさを減少させることができ、それによりポリマーマトリクスの強度及び密度を向上させる。これに反して、非多孔質材料は、このような能力をもたず、かつ本発明の実施で用いられるガス発生性ポリマー系を硬化させる時発生したガスの実質な量を漏出させるであろう。
【0047】
本発明の実施で用いようとする多孔質材料の平均孔径は、典型的には約0.05ミクロン以下から約1,000ミクロン以上まで、好ましくは約0.1ミクロンから約500ミクロンまで、かつより好ましくは約1、5、10、15,20、25、30、35又は40ミクロンから約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300,350、400又は450ミクロンまでの範囲である。これらの平均孔径が通常好ましいが、より小さい又は大きい孔径が、幾つかの実施形態で好まれることがある。同様に、狭い孔径分布が通常好まれるが、より広い孔径分布が、幾つかの実施形態で許容されるか又は望まれることがある。例えば、より多くのポリマーマトリックスを多孔質材料内に入れることにより、本発明の構造材料及びその他の複合材料の比強度を増大させることが望まれる場合、気孔内への毛細管流を増強又は阻止する必要に応じて、気孔の数及び深さが、増大又は減少されることがある。別法として、製造時に材料に対して高い圧力及び/又は温度を適用して、ポリマーの粘度を低減させて、ポリマーと多孔質材料の組み合わせを選択して(又は選らばれた多孔質材料を変性して)、相互作用のための同様な又は適合した表面エネルギーを与えることにより、並びに多孔質材料内へポリマーマトリックスの侵入を助けるその他の動力学的及び/又は熱力学的方法により、多孔質材料内へポリマーの侵入を高めることができる。
【0048】
また、第一のポリマー成分が多孔質材料の気孔内で優先的に重合することができ、かつ多孔質材料の外側に突起することができ、この第一のポリマー成分が、多孔質材料の外側に比較的連続的なマトリックスを形成できる第二のポリマー成分に(直接又は1種以上の結合子分子を介して)結合することができるグラフトコポリマー系を用いることができる。このような系を用いた結果として、多孔質材料への侵入を望ましいレベルに促進するために第一のポリマー成分を選ぶことができ、一方で、強度及びその他の物理化学的、熱的、電気的又はその他の特性などの、マトリックスの望ましい特性を高めるために第二のポリマー成分を選ぶことができる。得られた構造材料及びその他の複合材料は、潜在的に強度があるマトリックスポリマーを封入し、かつマトリックスポリマーが侵入した潜在的に軽量の多孔質材料を含むことにより、優れた特性を示すことができる。その結果として得られたマトリックスと多孔質材料の機械的及び/又は化学的からみ合いは、例えば、圧縮強度及び弾性率、せん断強度及び弾性率、曲げ強度及び弾性率、及び引張り強度及び弾性率を含む得られた構造材料の実質的特性の改良に貢献することができる。2種のポリマー成分を用いることは、ポリマーのそれぞれを別々に相対的に最大限に活用して、それぞれの機能特性を極限まで高かめられる利点がある。
【0049】
グラフトポリマー系の場合、製造は、多段階又は一段階重合法によることができる。例えば、多段階法では、第一のポリマー成分が多孔質材料の気孔内で重合することができ、その後に第一のポリマーと共に多孔質材料を追加の段階にさらすことができ、この段階で第二のポリマー成分が、直接又は結合子を介して第一のポリマー成分に結合して、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に侵入するマトリックスを形成する。代表的な一段階法では、第一のポリマーは、このポリマーが多孔質材料の気孔内に優先的に分配される結果を生むような方法で選択されるか又は導入され、第二のポリマーは、このポリマーが多孔質材料の気孔の外側に優先的に分配される結果を生むような方法で選択されるか又は導入され、かつ重合が(結合子の存在下又は不在下で)第一と第二ポリマー成分を相互にグラフトするように進めることができる。
【0050】
本発明で用いようとする多孔質材料は、その表面積が更に特徴となる。典型的には、表面積は約0.5から約500m/g2までの範囲が意図され、目下のところは約2から約100m/g2までの範囲の表面積が好ましい。
【0051】
当業者なら容易に理解するように、本発明の実施で用いられる多孔質材料の形状及び寸法は、異なる物理的特性(例えば、異なる強度及び密度)を有する完成品を実現するように変更できる。一般的に、用いる粒子が小さいほど、得られた製品の圧縮強度、せん断強度及び重量が高くなる。反対に、用いる粒子が大きいほど、一般的に、得られた製品はより可撓性であり、軟質であり、軽量である。粒子密度に関して言えば、一般的に、用いる粒子の密度が高いほど、得られた製品の圧縮強度、せん断強度及び重量が高くなる。特定の最終用途の要件を満たすために、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他のポリオレフィン、又はその他のビーズなどの種々の密度の多孔質材料が製造できる。例えば、種々の密度の発泡ポリスチレン又はその他のビーズが、多様な方法で得ることができ、例えばビーズ前駆体の製造で用いる発泡剤の量又は種類を調節することにより得られる。
【0052】
本発明に従えば、多孔質(粒子状、非粒子状)材料は、典型的には、約50から99容量%超までの範囲の完成品体積を含む。体積は、上記配合物について、50、60、70、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99容量%の範囲が好ましく、好ましい容量%は目的とする最終用途に依存する。例えば、製品の浮力が望まれる場合(例えば、ボート、サーフボード、浮上装置、ドック浮標などに用いる材料)には、高い粒子含有量が好ましい。一方、高い構造的完全性が必要な場合には、低い粒子含有量が好ましい。一般的に、少なくとも約90容量%の多孔質材料を含む材料が好ましく、少なくとも約95、96、97、98又は99容量%が特に好ましい。本明細書で説明するように、この材料は製造時に圧縮力を受けるので、投入多孔質材料の体積は、製品原材料の体積の100%を実質的に超えることがあり、製品原材料の体積の110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、400,500を容易に超こえて約800%までの体積となることがあることに留意すべきである。
【0053】
更にこの点に関して言えば、発明の物品は、製造時に受けることがある圧縮パーセントの関係で説明することができる。圧縮は、密閉空間(型など)内で配合物に物理化学的に媒介されるか、又は型又はその他の密閉空間内に含まれたガス発生性又はその他のポリマー系に外因的に適用されてもよい。製造時、発明の材料は、5〜10容量%の小さい圧縮力から本発明で図られる80又は90容量%まで及びこれを超える圧縮力に曝されることがある。一連の強度向上が望まれる用途に対して、約5、10、15、20、25又は30容量%から約35、40、45、50、55、60、65、70又は75容量%までの範囲の圧縮が、目下のところ好ましい。
【0054】
発明の配合物の製造で用いる成分の相対荷重の見地から、多孔質材料は、概して約5重量%から約90重量%の範囲の配合物を含み、意図する最終用途に基づいて多孔質粒子状材料の重量範囲は変わる。好ましくは、多孔質材料は、約10、12、15、18、20、25、30、35、40又は45重量%から約50、55、60、65、70、75、80又は85重量%の配合物を含む。幾つかの実施形態では、当業者は、より高い又はより低い容量パーセント、及び/又はより高い又はより低い重量パーセントが許容され得るか又は望ましいことを理解している。
【0055】
例えば、気泡風呂のアクリル浴槽の断熱及び強化のために用いる時、断熱及び圧縮強度は、共に望ましい材料特性である。十分な圧縮強度は、収納された水及び気泡風呂占拠者の負荷が原因でアクリルが破壊する可能性を低減する。このような実施形態の証明として、多孔質材料は、約40〜80重量%の範囲で、好ましくは約50〜70重量%の範囲で、又より好ましくは約60重量%(約2ポンド/立方フィートの最終密度をもつ5mm以下のポリオレフィン(例えば、発泡ポリスチレン及びポリエチレンビーズ)混合物を用いて)で存在できる。代わりに、サーフボードの製造に用いる時、得られた製品が、軽量で、トルエンジイソシアネート(TDI)均一系ポリウレタンフォームの強度を超える強度を有することが望ましい。このような実施形態の証明として、多孔質材料は、約30〜70重量%の範囲で、好ましくは約40〜60重量%の範囲で、又より好ましくは約50重量%(約3ポンド/立方フィートの最終密度をもつ1.2mmのビーズ)で存在できる。別の代替物として、建築材料の製造に用いる時、軽量かつ高強度特性を有する材料が望ましい。このような実施形態の証明として、多孔質材料は、約10〜40重量%の範囲で、好ましくは約15〜30重量%の範囲で存在し、約18重量%が目下のところ好ましい(例えば、約10.5ポンド/立方フィートの最終密度をもつ1.2mmのビーズを用いて)。
【0056】
本発明の実施で用いようとする代表的多孔質材料は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど、並びにそれらの混合物及び/又はコポリマーを含むビーズ)、砂利及びその他のシリカ系材料、ガラスビーズ、セラミック、ひる石、パーライト、ライタッグ(lytag)、微粉化フライアッシュ、非焼成炭素、活性化炭素など、並びにそれらの任意の2種以上の混合物を含む。本発明で用いようとする多くの多孔質材料の観点から、本発明の幾つかの実施形態で、ポリスチレン以外の多孔質材料の使用が、本明細書で意図されている。
【0057】
本発明の実施で用いようとする具体的多孔質材料は、約0.4〜25mmの広い範囲の粒子径、及び0.75〜60lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン(及びその他のポリスチレン)を含み、好ましくは約0.75〜15mmの範囲の粒子径、及び0.75〜30lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレンがあり、約0.75〜10mmの範囲の粒子径、及び0.75〜10lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレンが目下のところ好ましい。代表的発泡ポリスチレンは、約0.4〜0.7mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜2.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.4〜0.7mmの範囲の粒子径、及び約1.5〜3.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.7〜1.1mmの範囲の粒子径、及び約1.0〜1.5b/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.7〜1.1mmの範囲の粒子径、及び約1.5〜3.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約1.1〜1.6mmの範囲の粒子径、及び約1.0〜1.2lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約1.1〜1.6mmの範囲の粒子径、及び約1.5〜3.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.4〜0.65mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜4.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.6〜0.85mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜4.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.75〜1.2mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜4.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.375〜0.75mmの範囲の粒子径、及び約1.35〜2.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.65〜2.0mmの範囲の粒子径、及び約1.15〜2.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.4〜0.8mmの範囲の粒子径、及び約1.35〜1.8lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.8〜1.3mmの範囲の粒子径、及び約0.9〜1.35lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約1.3〜1.6mmの範囲の粒子径、及び約0.75〜1.15lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレンなどを含む。
【0058】
典型的ポリオレフィン、発泡ポリスチレンは、典型的には、業界で外観が似ていることから「シュガー」と呼ばれている結晶性ポリスチレンをシクロペンタンなどの発泡剤と共に加熱することにより製造され、製造工程でこれが結晶性ポリスチレン中に吸収される。結晶の寸法は、所望する最多直径の最終ビーズ寸法分布を生むように制御される。制御された熱及び圧力条件下で、結晶が軟化し、発泡剤がガス化し、結晶本体内に微視的ガス状気泡を生成する。十分に軟化後、結晶が、毛細管力により最終的に球状に変形し、内部構造は、図1に示すように、幾分不規則な形状かつ不規則な寸法のセルを有する、ハニカム状の、最密準六方晶気孔構造を含む。発泡後、ビーズは、反応容器から除かれて、硬化のために貯蔵される。ビーズは徐々に冷却されて、ビーズ表面の内部への破裂及び気泡の崩壊を防止する。一方、吸収された発泡剤は、大気圧でガス放出を続ける。十分に冷却された時、ビーズは、その隣接ビーズと合併することなくその球形を保持する。ビーズの外観は、図2に示すように、粗く不規則であり、クレータ及び稜線を有する。発泡ポリスチレンビーズ中の空気パーセンテージは、概して約90から97%である。本発明と関連する多孔質材料として用いることができる多くのその他の材料の技術的特徴は、業界では既知であり、例えば、以下の実施例に次いで提供される文献を参照されたい。
【0059】
本明細書及び業界で説明された、例えば、発泡ポリスチレン、ポリプロピレン、その他のオレフィン又はその他の多孔質材料などの多孔質材料が、それぞれの個々のビーズがポリマー混合物で湿潤されるように調節された条件下でガス発生性ポリマー前駆体と完全に混合された時、ポリマー反応が起こり、全体が密閉型に閉じ込められた時、液体ポリマーは、重合化学反応により発生したガスによりできた表面の割れ目及び空隙を通って、ビーズの内部構造に押し込められて、糸状又は枝分かれしたフィラメント風に形成することができる。場合により、追加量のポリマーを多孔質材料に押し込むために、追加の圧力を適用することができ、これによってより強い、しかも幾らか密度の高い材料を生み出すことができる。冷却され、硬化された時、微視的フィラメント又はその他の突起物が硬化し、硬質となり、一方それぞれのビーズの外側に残るポリマーは、ほぼ均一なマトリックス内に成形された構造を緊密に保持するように作用する。多孔質材料及びポリマーの選択に応じて、ある種のフィラメント又はその他の突起物が、球状発泡ポリスチレンビーズ内で結合することができるが、その他のものは結合しない。多孔質ビーズを含有するポリマーマトリックスの断面が、図3に概略示される。ビーズは、ポリマーマトリックスのフィラメント又はその他の突起物が侵入する部分、並びに硬化時に発生するガスを吸収する多孔質領域を含む。如何なる特別な理論にも束縛されることを望まないが、(例えば、重合の排ガスに起因した又は外因的に加えられた制御された液圧、及び/又は毛細管圧又はその他の圧力により)形成されたフィラメント又はその他の突起物が、従来の材料に比較した時、発明の材料の優れた強度及びその他の特性に役立っていると考えられる。このようにして、全ポリマーに対する発泡ポリオレフィン(例えば、ポリスチレン、ポリエチレンなど)の比率の変更は、同一密度を有する従来の発泡ポリマーに比較してかなり重くかつ著しく強い材料に対して、分布範囲の一端で、強くかつ非常に強い一連の材料の製造に用いることができる。
【0060】
ポリマーマトリックス(1)内に大きいビーズ(10)を組み込んだ本発明に関する典型的材料が、図4に概略示される。ポリマーマトリックス(1)内に小さいビーズ(11)を組み込んだ本発明に関する典型的材料が、図5に概略示される。ポリマーマトリックス(1)内に大きいビーズ(10)及び小さいビーズ(11)の混合物を組み込んだ本発明に関する典型的材料が、図6に概略示される。
【0061】
本発明の実施で用いようとする重合性成分は、その重合時にガスを発生するポリマー系、又は硬化時に1種又はそれ以上の発泡剤で処理することができるポリマー系、並びにその他のポリマー系を含む。このような系は、例えばそれらの粘度の点で、多くの方法を更に特徴とすることができる。本発明で用いようとする適切な重合性成分は、概して、約200から約50,000センチポアズまでの範囲の25℃粘度をもち、約400から約20,000センチポアズまでの範囲の粘度が目下のところ好ましく、約800から約10,000センチポアズまでの範囲の粘度が特に好ましい。
【0062】
当業者が容易に認めるように、本発明の実施で用いるに適した、業界で知られた多くのポリマー系がある。例えば、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどを用いることができる。本発明で用いようとする典型的ポリマーは、ポリエチレン、ポリビニル樹脂、ポリプロピレン(高密度及び低密度)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)コポリマー、ポリウレタンなど、並びに任意のそれらの2種以上の組み合わせを含み、それぞれは特殊な予備硬化及び後硬化の物理的特性を備えている。
【0063】
本発明の1つの実施形態では、ポリマー成分の組み合わせを、多孔質材料をコーテイングし、ポリマーマトリックスを形成するために用いることができる。このように、1つの観点では、第一のポリマーを、多孔質材料をコーテイングするために用いることができ(しばしば低粘度材料が多孔質材料に対して良好な湿潤性をもち、それにより多孔質材料のコーテイング及びそれらの気孔への侵入を促進する)、その後、コートされた粒子を第二のポリマーと更に接触させ、この第二のポリマーは、硬化時に、実質的に完成品のマトリックスを形成することができる。第一及び第二のポリマー材料が適切に選ばれるならば、各ポリマー系の硬化時に、2つのポリマー系は、相互に反応して得られた物品の特性を更に高めるであろう。別の観点では、上で言う2つの異なるポリマーの機能特性を、単一のグラフトコポリマーに組み合わせることが可能であり、グラフトコポリマーの一部が多孔質材料に対して顕著な親和性をもち、グラフトコポリマーの残部が硬化時に強いマトリックスを形成するようになるであろう。
【0064】
或る硬化工程は発熱性であり、或るものは吸熱性である。本発明の実施で用いようとする目下のところ好ましいポリマー系は、穏やかに又は適度に発熱性であり、それ故、本発明の材料の製造には、ほんの僅かな加熱及び冷却が必要となる。適度に発熱性の系は、本発明に従う材料の製造に特に好都合であり、この系は反応を推進するために加熱することを必要とせず、かつ発明の構造材料及びその他の複合材料の気孔成分、又は可能性がある添加剤などの本発明に用いようとする多くの材料を溶融する程の熱を発生しない。本発明の目下のところ好ましい観点では、軽量、高強度な材料が、製造時に外部から加熱又は冷却を行うことなく容易にかつコスト効率良く製造できる。しかし、或る用途のために及び速い繰り返し時間が望まれる場合に、この業界で知られているように、処理を容易にするために外因的加熱及び/又は冷却を加えることが可能である。
【0065】
ある種のポリマー系は硬化工程の一部としてガスを発生し、一方ある種のポリマー系は外部発泡剤の添加を必要とし、異なる物理的特性をもった多様な発泡剤がある(例えば、ペンタン、シクロペンタン、二酸化炭素、窒素など)。当業者が理解するように、発泡剤は外部から導入することができ、又は発明の材料を製造する時に、インシチューで発生させることができる(例えば、ガスを吸収含有可能な多孔質材料を圧縮することにより)。上記の系の重合は、多様な温度で、時には100℃超の温度で起こることがあり、このような工程は、時には高められた圧力で、例えば数バールに及ぶ圧力で行われることがある。本明細書で議論するように、発明の構造材料及びその他の複合材料の製造時に、圧力増加は、材料の構成要素を凝集させるために、かつ余分のポリマーマトリックスを多孔質材料の内部に押し仕込むために用いられ、それぞれは得られた製品を強化するために役立つ。加える圧力の量は、多孔質材料へポリマーを侵入させるために十分であり、多孔質材料の実質的部分を崩壊させるほど大きくないことが好ましい。本発明で用いようとする多くのガス発生性ポリマー系の観点で、本明細書では、本発明の或る実施形態で、ポリウレタン以外のガス発生性ポリマー系を用いることを意図している。これとは別に、グラフトコポリマー系を用いることができ、グラフトコポリマーの一部が多孔質材料内に優先的に配置され、グラフトコポリマーの別の部分が多孔質材料の外側に優先的に配置され、かつ2つのコポリマー成分の結合(直接又は結合子分子を介して)が多孔質材料のコアになり、このコアはポリマーマトリックスに実質的に封入され、かつポリマーマトリックスがコアに侵入し、その結果として比較的低重量、高強度かつ構造的完全性である構造材料及びその他の複合材料をもたらす。
【0066】
好ましくは、本発明の実施に用いられる重合成分は、少なくとも約50℃の温度に対して安定である。これは、このような材料の取り扱いを容易にし、早期硬化が起きることを最小にする。加えて、本発明の実施に用いられる重合性成分が、光、大気、酸素、水などへの暴露に安定であることがしばしば望まれ、これがそれらの安定性及び/又は反応性に影響を及ぼす。
【0067】
当業者が容易に認めるように、多孔質材料と重合性の系の多くの組み合わせが、本発明の実施に用いることができる。適切な組み合わせを選択する場合には、2成分間の接触角、多孔質材料に対する重合性系の表面張力、多孔質材料の気孔寸法、多孔質材料の気孔の毛細管半径、選択された組み合わせの処理時に加えられる圧力などの考察を参照して、2成分間の親和性を考慮しなければならない。当業者が理解するように、このような観点の変更は、本明細書に記載されるように、多孔質材料の「湿潤性」を変更すること並びに多孔質材料へのポリマーの相対的侵入度を変更すること(及びそれにより得られた複合物の強度を潜在的に高める)でよく行われる。種々の特殊な用途に対して最適化された特性を有する種々の異なる材料を容易に製造する能力が、この手法の顕著な利点を提供する。
【0068】
本発明に従い目下のところ好ましい方法は、例えばジイソシアネートに基づくガス発生性ポリマー系を用い、ポリウレタンマトリックスを製造することである。ジイソシアネートの硬化は、簡単である、ほぼ室温で起きる、それ自体のガス(即ち、二酸化炭素)を発生するという利点をもち、かつ反応体、イソシアネート及びポリオールの重合時に適度な加熱をすればよい。上で議論したように、硬化時に発生したガスは、多孔質材料により実質的に吸収可能である。
【0069】
目下のところ好ましいウレタンマトリックスに基づく発明の配合物の利点の中には、これらの配合物が、多くの従来のガス発生性配合物と異なり、硬化時に揮発性有機化合物(VOCs)を実質的に放出しないという事実がある。
【0070】
本発明の実施に用いるための現状で好ましいガス発生性重合性成分は、ポリウレタン、置換ポリウレタンなど、並びにそれらの任意の2種以上の混合物を含む。業界でよく知られているように、ポリウレタンは、硬質発泡体、可撓性発泡体、固体、接着剤などを含む種々の形で製造することができる。
【0071】
当業者が容易に認めるように、本発明の実施に有用なポリウレタンを製造するために、幅広い多様なジイソシアネート及びポリオール出発材料を用いることができる。例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ジュレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの、幅広く多様な芳香族ジイソシアネートが使用できる。
【0072】
同様に、幅広い多様なポリオール出発材料が、本発明に従うポリウレタンの製造用として適切であり、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解セルロースアセテートなどを含む。難燃化剤を多孔質材料に(例えば、樹脂と混合する前に)添加することができ、この難燃化剤は、本発明に従う重合時又は重合後に組み込まれてもよい。
【0073】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする難燃化剤は、例えば、ブチル化トリフェニルホスフェートなどの炎の伝播を遅延させる任意の化合物を含む。
【0074】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする流動改良剤は、配合物の粘度を低減し及び/又は流動特性を改良する任意の化合物、例えば、2,2−ジメチル−1−(メチルエチル)−1,3−プロパンジイルビス(2−メチルプロパノエート)などを含む。
【0075】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする可塑剤(柔軟剤とも呼ぶ)は、配合物の脆さを低減させる化合物を含み、例えば、配合物のガラス転位点(Tg)を下げる枝分かれポリアルカン又はポリシロキサンなどである。このような可塑剤は、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリチオール、ポリサルファイドなどを含む。可塑剤を用いる時には、可塑剤は、典型的には、配合物の約0.5重量%から約30重量%までの範囲で存在する。
【0076】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする硬化遅延剤(セルサイズ調節剤又は失活剤としても知られる)は、低反応性のラジカルを生成する化合物を含み、例えば、シリコーン系活性剤(一般的に)などがある。
【0077】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする硬化促進剤は、ベースポリマー系の硬化速度を高める化合物を含み、例えば、触媒的に活性な材料、水などがある。
【0078】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする強度改良剤は、それらが添加されるポリマー材料の性能特性を向上させる化合物を含み、例えば、架橋剤などがある。
【0079】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとするUV保護剤は、起こり易い紫外光(UV)輻射線を吸収し、それによって保護剤が添加される樹脂又はポリマー系へ及ぼす紫外線暴露の負の影響を低減する化合物を含む。典型的なUV保護剤は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ケイ素、粉末金属化合物などを含む。
【0080】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする染料は、ニグロシン、オラゾールブルーGN、フタロシアニンなどを含む。染料を用いる場合、比較的少量(即ち、約0.2重量%未満)の有機染料がコントラストを与える。
【0081】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする顔料は、例えば、カーボンブラック、金属酸化物(例えば、Fe2O3、酸化チタン)などの、配合物を着色するだけの目的で添加される任意の微粒子状材料を含む。顔料が存在する時、顔料は、基本配合に基づいて概して約0.5重量%から約5重量%までの範囲で存在する。
【0082】
又、充填剤が、本発明の幾つかの実施形態で用いることを意図される。充填剤は、1つ又はそれ以上の下記の特性を向上させるために、発明の配合物に導入することができる:圧縮強度、せん断強度、たわみ性、内部抵抗性(例えば、保持釘、ネジなどに有用)、耐摩耗性、衝撃強度、耐火性、耐腐食性、密度増加、密度低下など。本発明の幾つかの実施形態に用いようとする充填剤は、金属、鉱物、天然繊維、合成繊維などを含む。任意選択で、このような充填剤は、伝導性(電気的及び/又は熱的に)であることができる。本発明の幾つかの実施形態に用いようとする導電性充填剤は、例えば、遷移金属(銀、ニッケル、金、コバルト、銅など)、アルミニウム、銀被覆グラファイト、ニッケル被覆グラファイト、このような金属の合金など、並びに、グラファイト、導電性ポリマーなどの非金属など、それらの任意の2種以上の混合物を含む。粉末及びフレーク形態の充填剤が、本発明の組成物に用いることができる。好ましくは、このフレークは、約2ミクロン以下の厚みで、約20から約25ミクロンの平面寸法をもつ。本発明で用いるフレークは、約0.15から5.0m2/gの表面積、及び約0.4から約5.5g/ccのタップ密度をもつことが好ましい。幾つかの実施形態では、異なる寸法、表面積、及びタップ密度のフレークが、望まれて用いることができる。本発明の実施に用いる粉末は、約0.5から15ミクロンの直径をもつことが目下のところ好ましい。充填剤が存在するならば、この充填剤は、概して配合物の約5容量%から約95容量%までの範囲、好ましくは配合物の10、15、20又は25容量%から約90容量%の範囲、最も好ましくは配合物の約30、35、40、45、50、55容量%から約60、65、70、75、80又は85容量%の範囲で含まれる。
【0083】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする熱伝導性充填剤は、例えば、窒化アルミニウム、窒化ボロン、炭化ケイ素、ダイアモンド、グラフィト、酸化ベリリウム、マグネシア、シリカ、アルミナなどを含む。好ましくは、これらの充填剤の粒子径は、約0.1から約100ミクロンまでの範囲、好ましくは約0.5から約10ミクロンの範囲、及び最も好ましくは約1ミクロンである。しかし、幾つかの実施例では、より大きい又はより小さい粒子径を用いることができる。充填剤として窒化アルミニウムを用いる場合には、窒化アルミニウムが被着剤、適応したコーテイング(例えば、シリカなど)により不動態化されることが好ましい。
【0084】
任意選択で、電気導体でない又は熱伝導体でもない充填剤が使用できる。このような充填剤は、例えば、原材料の減少した熱膨張性、減少した誘電率、改良した靭性、増加した疎水性などの別の特性を、発明の配合物に与えるために望ましいことがある。このような充填剤の例は、例えば、パーフロロ化炭化水素ポリマー、熱可塑性ポリマー(例えばポリプロピレン)、熱可塑性エラストマー、ポリ−パラフェニレンテレフタルイミド、ガラス繊維、グラファイトパイル、グラファイト繊維、ナイロン、レーヨン、リサイクルポリマー、リサイクル固形材料、固形スクラップ、固形ポリマー材料、スクラップ金属、再粉砕チップ、フレーク状チップ、粉末紙、粉砕ゴム、粉砕ガラス、中空ポリマービーズ、中実ポリマービーズ、中空ガラスビーズ、中実ガラスビーズ、スクラップガラス、リサイクル組成シングル(shingle)、リサイクルアスファルト、リサイクル屋根材、リサイクルコンクリート、リサイクルタイヤ、リサイクルカーボン、並びに多様なその他の産業利用後の又は消費者利用後のプラスチック及びその他の材料などの人工の材料を含む。また、充填剤は、例えば、雲母、ヒュームドシリカ、溶融石英、砂、おがくず、砂利、石団粒、綿、麻繊維、籾殻、ココヤシ包皮繊維、海老胴体、竹繊維、紙、ポップコーン、ポップコーン塊、骨、種、裁断藁繊維(例えば、米、小麦、大麦からの)など、並びに、それらの任意の2種以上の混合物などの自然発生的材料を含むことができる。充填剤は、多孔質又は相対的に非孔質であってもよい。多孔質充填剤の場合、発明の材料のポリマーマトリックスは、充填剤内中に伸びてもよく、かつ充填剤周辺に伸びてもよく、それにより発明の材料に可能性として更なる強度を与える。
【0085】
しばしば本明細書でペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料及びその他の複合材料という発明の構造材料及びその他の複合材料は、約8,000psiから約10,000psi以上までの範囲である優れた圧縮弾性率をもつように(所望により)作ることができる。所望される用途に応じて、2,000、4,000、8,000、10,000、20,000、40,000、100,000超、又はそれより高い圧縮弾性率をもつ本発明の材料を製造できる。発明の材料の優れた圧縮強度に加えて、これらの材料は、破壊するまでに、400、1,000、4,000、8,000、12,000超、又はより高い圧縮圧力に耐えることができる。事実、発明の材料の硬化後、発明の物品を高められた圧縮圧力へ暴露する(破壊されることなく)ことにより、改良された強度を有する物品を製造することができる。
【0086】
また、発明の構造材料及びその他の複合材料は、例えば、試料の曲げ弾性率により測定されるように、優れた回復力をもつ。このような材料は、以下に詳細に説明するように、多様な特殊用途で有用である。典型的には、発明の材料は、約10,000psiから約14,000psiまで又はそれより高い範囲の曲げ弾性率をもつ。同等な高い曲げ弾性率の材料が、適切な充填剤の使用により得ることができる。例えば、若し幾つかの用途に対して望むならば、リサイクル材料から得られる可撓性プラスチック又はゴムなどの可撓性材料、及びその他の可撓性材料を組み込むことにより、可撓性を改良できる。
【0087】
発明の材料により提供できる更なる望ましい特性は、優れた絶縁特性、耐水性特性、エネルギー吸収特性(場合により優れた記憶効果をもち、発明の材料が、衝撃後に、実質的に原形に戻る)、モールドレジスタンス、レーダー吸収性などを含む。
【0088】
優れた強度が、得られた構造材料の望ましい特徴となる、本発明の実施形態において、発泡時に形成されたポリマーマトリックスの空隙が、より少なく、より小さいことが好ましい。このような実施形態にとって、ポリマーの硬化時に発生したガスの大部分、及び好ましくは少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、98%又はそれ以上、好ましくは実質的に全てガスが多孔質材料により吸収され、かつ相当量のポリマー材料が多孔質材料の本体に押し込まれることが好ましい。多孔質材料により占められる部分を除いて、得られたポリマーマトリックスが、比較的固いことが好ましく、ポリマーのフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料の本体内に伸びている。如何なる特別な理論に束縛されることを望まないが、比較的固いポリマーマトリックスと多孔質材料の本体内に伸びているポリマーフィラメント又はその他の突起物との組み合わせが、強度、曲げ弾性率及び圧縮を含む、発明の材料の非常に優れた特性に役立っていると考えられる。一方、強度を減少できるような幾つかの実施形態において、比較的固いポリマーマトリックスが一般的に好ましいが、より軽量の材料をより低コストで作り出すことができるので、空隙を有する材料が容認でき、或いは望まれることさえある。
【0089】
より広い範囲の潜在的用途に適したより大きい構造的完全性を有する構造材料及びその他の複合材料を製造するために、1種又は複数の補強構造部材を発明の材料に組み込むことができる。典型的補強材料は、天然繊維、合成繊維、シリカ系材料、又はその他の構造部材、並びにそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。このような補強材料は、任意の寸法、形状、長さなどを持つことができる。当業者は、材料の意図される最終用途に応じて、任意の添加される補強材料の適切な寸法を容易に決めることができる。
【0090】
発明の材料に1種又は複数の補強材料を混入させることに対する代替として、又はそのような混入に加えて、発明の材料に1種又は複数の表面仕上げ材を加えることができ、任意選択で適切な接着材料、接着促進剤、又は必要であればタイコート(tie coat)を用いる。広く多様な表面仕上げ材がこの目的に適しており、例えば、金属、ポリマー、布、植物性繊維又はその他の天然繊維、合成繊維、ガラス、セラミック、伸展金網及びスクリーンなど、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせを含む表面仕上げ材などがある。本発明に用いようとする別の表面仕上げ材は、自然発生の材料(例えば、羊毛など)、合成のシート材料(例えば、アクリル系材料など)、天然又は合成の織布(例えば、ケブラーウイーブ)などを含む。図7では、本発明の材料の1面に接合されるように図示したに過ぎないが、表面仕上げ材は、発明の材料の複数の面に接合可能である(例えば、発明の材料の上面及び底面が、適用された表面仕上げ材を含むことでき、発明の材料の全面が、適用された表面仕上げ材を含むことができ、かつその他の変更は当業者に明らかであろう)。このような表面仕上げ材は、連続した表面、多孔質表面、化学的にエッチング可能な表面、化学的にエッチングされた表面、物理的に粗面化可能な表面、物理的に粗面化された表面など、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせの形である。
長い竹材を発明の材料で満たし、例えば建築材料、足場材料用に適した強い構造部材を生み出す。本発明の観点で使用を意図した適切な接着材料は、エポキシ、ポリエステル、アクリル、ウレタン、ゴム、シアノアクリレートなど、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせを含む。
【0091】
多くの従来の構造材料及びその他の複合材料、特にガス発生性配合物を用いて製造したこれらの材料とは異なり、発明の構造材料及びその他の複合材料が、実質的に排ガスを放出しないという事実が、発明の材料の利点の一つである。
【0092】
本発明の別な実施形態に従えば、少なくとも約8,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を有する構造材料及びその他の複合材料の製造方法が提供され、その方法は、
多孔質材料をガス発生性重合性成分と組み合わせることと、
得られた組み合わせ物を重合性成分の重合に好適な条件にさらすことを含む。実質的に密閉された又は加圧された系を用いた重合プロセスで、実質的に全ての発生ガスが多孔質材料に吸収され、ポリマー材料の一部が多孔質材料の本体に押し込まれてもよい。
【0093】
本発明の方法で意図された組み合わせは、種々の手段で実施できる。例えば、ガス発生性重合性成分及び多孔質材料(及び特殊な用途のために意図された添加成分)を混合した後、ガス発生性重合性成分を硬化させることができる。本発明の一実施形態では、混合物を型に導入し、型を閉じ、ガス発生性重合性成分を硬化させる。本発明の別の実施形態では、混合物を密閉空間に導入し、出発成分の原体積より小さい体積に圧縮する。別法として、混合物を開放系で調製することができ、又は噴霧するか、さもなければ表面に塗布できる。更なる強度が望まれる場合、発生ガスが多孔質材料に実質的に吸収され、かつポリマーの一部が多孔質材料の本体に押し込まれるように、混合物を加圧下で硬化させてもよい。
【0094】
発明の配合物を、それらの体積を減少させる圧力にさらす時には、広範囲の圧力を用いることが可能であり、典型的には約1から約10psiの範囲の圧力が可能であり、所望によっては、より高い圧力を適用して比較的高強度な複合物を製造できる。別法として、複雑になるかもしれない圧力に関係なく、硬化物品が出発材料の体積に比較して減少した体積になるように、発明の配合物を閉じ込められた空間で硬化できる。約5〜10%、から20〜40、40〜60、60〜80、80〜90%又はそれより高い範囲の体積減少が、本発明の実施で意図される。
【0095】
本発明の別の実施形態では、特定の形状を達成するために型の中で発明の物品を製造するよりはむしろ、標準化された「建築用ブロック」構造部材を製造した後、所望の形状の物品に組み合わせることができる。これが可能になる理由は、発明の材料が、例えばウレタン、エポキシなどの標準的接着材料を用いて容易に相互に接着できるからである。
【0096】
好ましくは、重合性成分(発泡性重合性成分など)がマルチ成分(例えば、2成分)系から調製される場合、先ず多孔質材料が重合性成分の1種とだけ混合され、その後第二の成分が反応装置に導入される。先ず、多孔質材料を2成分系の粘性が高い成分と混合することが一般的に好ましい。例えば、多孔質材料の表面を、重合性成分の前駆体で実質的に完全にコーテイングできる。別法として、多孔質材料の表面を、重合性成分の前駆体で部分的にコーテイングすることができる。
【0097】
代わって、発明の物品は、一成分モノマー(例えば、ポリウレタン)から製造することができ、その際、ポリマーの全成分が多孔質材料と組み合わされ、これに水を添加することによりポリマーの硬化が始まる。ブロックコポリマーなどのコポリマーを用いることができ、この場合、マトリックスは、2種以上の異なる官能性ポリマー基、及び/又は上記のように多孔質材料への侵入を容易にするように設計されたコポリマー系などのグラフトコポリマーを組み込むように設計することができる。
【0098】
表面仕上げ材及び/又はコーテイング材を型に導入した後、反応混合物を導入することにより、表面仕上げ材又はコーテイング材を発明の物品に適用できる。完全補強材料を製造するように、型に補強材料(金属金網、セラミック又はシリカ系材料、織物又はその他の布、ゴムなど)を加えることも本発明の範囲である。表面材料を物品に付着させている本発明に従う物品例の概略図が図7に示される。
【0099】
発明の材料に応用を意図する表面仕上げ材料は、自然に発生する材料(例えば、木材、竹、又はその他の植物から誘導される繊維など)、合成シート材料(例えば、アクリルシート材料など)、天然織布材料(例えば、綿又は麻など)、合成織布材料(例えば、ケブラー織布、炭素、グラファイト、ガラス繊維などの種々の合成繊維織布など)を含む。当業者が容易に理解するように、表面仕上げ材料は、発明の材料の一面又は複数の面に接合できる(例えば、発明の材料の上面及び底面が適用された表面仕上げ材を含むことができ、発明の材料の全面が適用された表面仕上げ材を含むことができ、かつその他の変更は当業者に明らかであろう)。
【0100】
当業者が容易に理解するように、広く多様なコーテイングが、発明の材料に塗布できる。発明の材料に塗布しようとするコーテイング材料は、ポルトランドセメント(典型的には水のスラリーとして、又はシリカ系材料と共に塗布して、処理製品に難燃性を与える)、石膏、ゲルコート、クリアーコート、カラー層、非粘着性コーテイング、耐スリップコーテイング、接着剤、耐擦過性コーテイング、金属粉コーテイングなどを含む。図8は、塗布したコーテイング材料を備えた発明の材料の概略説明図である。ある種のコーテイング材料にとって、発明の物品に接着するためにコーテイング能力を向上することは有利である。これは、例えば、このような物品表面を物理的及び/又は化学的にエッチングするなどの種々の方法で達成できる。本明細書で説明したように、コーテイングが適用される物品の表面積を増すことができ、それによって、処理される物品に接着されるコーテイング材料の能力を向上させる。
【0101】
表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料が、発明の材料に適用される場合、表面仕上げ材及び/又はコーテイングが適用される本発明の材料の表面が、物理的及び/又は化学的に粗面化処理されて、基体の気孔率を高め、かつ表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料の基体への接着力を向上させる。例えば、発明の材料は、サンドブラスト及び/又は化学的エッチング又は粗面化されて、それらの表皮層を摩耗粗面化させ、発明の材料が、表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料の適用を受けやすくする。本発明の幾つかの実施形態において、表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料を支持体のいずれかの面に適用することができる。このような構造が図9に概略示される。
【0102】
当業者は、本発明で用いるガス発生性又はその他の重合性成分の重合に適した条件を容易に決めることができる。概して、このような条件は、一般的に室温又はその周辺温度で、多孔質材料とガス発生性又はその他の重合性成分の前駆体との組み合わせに重合剤を添加することを含む。本発明の方法では加熱及び冷却の要求が最小限であるから、この方法は、例えば、配合物に重合剤を導入直後に、多孔質材料、ガス発生性又はその他の重合性成分の前駆体及び重合剤を含む装置を振動させることにより、容易に完了できる。
【0103】
本発明の幾つかの実施形態に従えば、用いる多孔質材料の約25、30、35、40、45、50重量%まで又はそれ以上が、上記のようなリサイクル(粉砕)構造材料を含むことができる。当業者が容易に理解するように、リサイクルされる材料及びそれによって意図される最終用途に応じて、より多くの量のリサイクルされた発明の材料でも用いることができる。
【0104】
本発明の別の観点に従えば、上記の方法に従って製造された物品が提供される。
【0105】
本発明の別の観点に従えば、発明の材料から製造された物品が提供される。このような物品は、限定された形状、優れた圧縮強度及び弾性率、所望により、高い曲げ弾性率をもつことができる。このような物品は、全体にわたり実質的に均一に分散された多孔質材料を含有する可撓性又は硬質ポリマーマトリックスを含むことができる。発明の物品は、それらを広く多様な用途に適するようにした優れた性能特性を備える。発明の材料の特に有用な用途は、それらから製造された構造物が地震活動に曝されるリスクを負う用途である。発明の材料が、このような高い強度及びその他の望ましい特性(優れた構造弾性及び記憶性)、及び比較的低い重量を有するので、若しそれらから製造された構造物が地震荷重に曝された時に、非常に低い運動量が発生する。したがって、発明の材料は、多様な建築用途に対して特に望ましい特性を有する。
【0106】
発明の物品を使用できる広く多様な用途例のリストを本明細書に開示するが、用途の全てを網羅したものではない。発明の物品は、下記の用途の任意のものに役立つように相応しく成形できる:
航空機/航空宇宙/防衛/発電(例えば、航空機部品、遠隔操縦飛行機部品、巡航ミサイル、太陽発電航空機、防熱装置、ロケットモーターケーシング、アクセサリー、軍用無人機、キット飛行機、超軽量飛行機、航空警備/ステルス部品、軽量/強化ドアー、航空機備品、パネル、自国保安構造保護システム、風力発電プロペラ及び翼、水力発電ホイール又は翼、タービン、太陽発電用支持構造物、船底翼効果舟艇(wing−in−ground−effect craft)、レーダー吸収材料、航空機エンジン導風板、航空機プロペラ翼、航空機フラップ、航空機方向舵、航空機胴体、航空機補助翼、水上機フロート、ハンググライダ、ロケットモーター燃料タンク用断熱材など)、
農業(例えば、植物保護装置及び種まき機、家畜給餌機、電気フェンス支柱、追込畜舎など)、
造園/芝生/庭園/ペット/園芸/温室(例えば、ドッグハウス、給餌及び給水皿、シェルター及び天蓋、犬小屋、睡眠マット、動物運搬籠、犬猫ベッド、猫用爪とぎ、プラスッチク備品(例えば、芝生、ポーチ、庭園、中庭など)、装飾芸術パネル及びスクリーン、装飾スタンプ及び額縁、防雪柵、フラワーボックス、ポット、チューブ、花瓶、芝生及び庭園噴水、庭園装飾、壷など)、
電子製品(例えば、通信アンテナ、ケーブルリール、ケーブルトレー、バッテリボックス、バッテリ貯蔵棚、太陽電池、セルラーアンテナ、電気配線軌道など)、
家庭器具(例えば、冷蔵庫、食器洗浄機、レンジ、電子レンジ、洗濯機、乾燥機などの家庭電化製品、並びに、テレビジョン、コンピュータ、CRT、ビジネスマシーン、電子レンジ、食器洗浄機、洗濯機及び乾燥機、コンパクター、フリーザー、冷蔵庫、空調機、脱湿機、可搬ヒーターなどの種々の製品の格納庫)、
冷蔵(例えば、低温貯蔵庫、シャンパンバケット、アイスペール、飲料保冷容器、冷却機露受、立入り形冷凍庫、冷蔵鉄道貨車、氷タンク、冷蔵トレーラー、冷蔵断熱など)、
事務用備品及び電子部品(例えば、複写機、コンピュータ、コンピュータ部品、テレビジョン部品、電話機、家庭電化製品成形品及び外箱、電子治工具、電子外箱及び棚など)、
建物及び建築用品(カビ、シロアリ被害に耐性の材料から利益を受けることができる任意の用途、例えば、水泳用プール、水泳用プール覆い、ホットタブ、ホットタブ覆い、冷却塔、タブ及びシャワーユニットなど、橋床、橋、陸橋構造物、地震補強構造物、道路標識、高速道路エネルギー吸収防護壁及び吸音側壁、防音構造パネル、個人住宅建築、市販の建造物建築用パネル、建築小部品及びファサード(facade)、音減衰防護壁、防音材、防水材料、コンクリート型枠及び型、製造型枠及び型、構造枠組システム、杭材、サンドイッチ部品、道路誘導標識、組立住宅、組立事務所、道路衝撃吸収防護壁、レーストラック衝撃吸収防護壁、屋根材料、床材料、羽目板、ドアー積層板、木工積層板、枠組壁工法構造用製材及びパネル、災害及び軍事用仮居住シェルター、衛生施設排水処理建造物及びタンク、病院及び手術室、クリーンルーム及び実験室、汚染除去建造物、浴場、冷蔵貯蔵庫、キッチン、食堂、事務所、倉庫、作業所及び車両整備建物、コンピュータ管理室、什器、テーブル、ドアー、飛行機格納庫、担架、棺、ベッド、厨芥缶、断熱飲料水缶、断熱生鮮食料品容器、暖房及び空調装置用断熱管路、住宅の現場組立及び建築、収容施設、事務所、仮宿舎、建設用建築ブロック及びレンガ、極地構造物、発泡ポリスチレンフォーム製住宅用の内部構造充填材、下地タイル張りランデイング表面用グリーンボード代替物、カウンター天板、テーブル天板、デスク天板、作業台表面、飾り板、サッシ、シャッター、羽目板、せき板、建築用成形品及び装飾成形品、ドアー、ドアーフレーム、窓枠、防音及び構造用引戸板、土留擁壁、軽量可搬式歩み板及び作業用橋梁、敷板、ガードレール、フェンス、門、畜舎、車庫、天幕、重装備用泥水マット、クレーン外囲い用マット、自動車及び歩行者用防護壁、セーフテイコーン、ガードレール及び支柱、警告及び安全標識、タクシー及びバス営業所シェルター、農舎及び貯蔵倉庫、可搬式建物、プレハブ構造物、事前設計製作された建物及び構造物、小屋、天蓋、壁板、可搬式クラスルーム、クリーンルーム、囲いぜき、セメント及びコンクリート配置用建築型枠、建築業者用混合パン、枠組壁工法複合構造用製材、種々のタイプのせき板、設計製作された製材及び梁、押出せき板及び形材、注型暖炉前飾り、屋根及び床組桁、防音ドアー、断熱屋根システム、積層ベニヤ薄板、サンドイッチハニカム板、遮音壁、歩道橋、ガレージドアー、屋根板、屋根葺板、道路、足場システム、足場板、サウナ建築物及び浴室、ドアー外板、仮歩道板、床下地、飾り棚など)、
工業製品(例えば、保管庫、防弾外囲構造及びシステム及びトラップ、天蓋、仮設食堂、ローデイングブーム(laoding boom)、樋、注ぎ口、ガスケット、チューブ、照明装置、天井ファン翼、空気吸出口、洗濯籠、ファン収納箱、ホイール、羽根、マンホール及び覆い、消火ホース格納庫、安全覆い、パレット梱包、郵便受け、パレット(再利用及び/又はリサイクル)、パレットボックス、オーバーヘッドドアー、駐車防壁、駐車縁石、間仕切り、シート及びベンチ、棚、弾道遮蔽板、シャワー及び浴室仕切り、リール及びストール、トレー、など)、
工業用ライナー(例えば、バルクコンテナーライナー及びシステム、貨車ライナー、クロゼットライナー、あらゆる種類のコーテイング、ドラムライナー、フード、用水路ライニング、騒音制御外囲構造など)
什器(例えば、飾り付け家具構造物、ベンチ、野外席、シート、椅子、ストール、折り畳みカードテーブル、テーブル、事務室間仕切りなど)、
消費者及び工業用梱包製品(例えば、塵芥容器及び運搬箱、食品保存容器、超軽量航空貨物容器、再利用箱及び輸送コンテナー、枠組木箱、地下貯蔵室、霊廟、リサイクル梱包、梱包及び輸送コンテナー、墓地地下納骨室、カートン、保護容器、大砲、弾倉箱及び弾薬箱、キャスク及びバレル、組立式ボックス及び輸送枠組み木箱、外洋輸送コンテナー、波型プラスチックコンテナー及び梱包用品、外注成形プラスチックボックス及び格納箱、ドラム、卵カートン及びケース、機器ケース、折畳箱、カートン、厨芥缶、穀物貯蔵箱、小売店装備、棚、成形ケース及びボックス、カウンター天板、什器など)、
標示板及び製品デイスプレー(例えば、掲示板、消去可能ボード、可変型外幕板、クリップボード、デイスプレーボード、ボックス、戸棚、ケース、備品、パネル、ラック及びスタンド、テーブル、トレー、軽量ボックス、額縁、軍事目標(陸上、海上、空中)、屋外広告標示板、舞台装置及び支柱、展示会ブース及びデイスプレーなど)、
娯楽用品(例えば、スポーツ用品、ゴルフクラブ、キャンピングカー、エクササイズ用品、スノーボード、サーフボード、ブギボード(boogie board)、ゴルフカート、ボウリング用品、通い箱、自動二輪車用ヘルメット、自転車ヘルメット、その他のスポーツヘルメット、肘及び膝プロテクター、グローブ、シューズ及びブーツを含む運動用及び非運動用履物、スキー、スケートボート、キャンピングトレーラー、ライフル、ショットガン、リボルバー銃床、前腕、偽構築物、雪上靴、乗馬用サドル、雪ぞりなど)、
子供玩具/屋外玩具(例えば、城、遊戯建物、ブランコの腰掛、滑り台、サンドボックス、玩具タンス及びボックス、積み木、アルファベット玩具、乗客安全シート及び束縛、幼児用高椅子などの備品、椅子、サークルベッド、デスク、ベッド、サンドボックス、テーブル、乗り物玩具及び乗り物、ワゴン、ブランコの腰掛、スプリング付き騎乗動物、ホビーホース、ロッキングホースなど)、
耐食性装置(例えば、公害防止装置、排水処理製品、管具、地上・地下貯蔵タンク、ポンプ、コンテナー、化学処理に用いられる種々の装置、パルプ/紙処理及びオイル/ガス産業、オイル及びガス回収装置、発電ホイールなど)、
電気/電子装置(例えば、格納容器及び回路遮断箱、柱上線ハードウエアー、電子接続及び絶縁、ロッド及びチューブ、変電所装置、電子マイクロ波部品、電気的格納装置及び照明格納装置、3Dボード、ポリエステル板ボードなど)、
船舶(例えば、ヨット、ボート、ジェットスキー、カヌー、船用ドック、個人用船艇及び係船、海軍船舶、船、競争用舟艇、商用船舶及び船舶装置及びモーター覆いを含む構成部品、ホーバークラフトで作動する水上車両、マーカーブイ、係船ブイ、機器回線、科学ブイ、天気ブイ、魚網ブイ、救命筏、ボートフェンダー、膨張式ボート用硬質船体、ドック用貯蔵ボックス、艦載小艇及び給水艇、浮上式パドル及びオール、水中スポーツ玩具、ダイブヤック(diveyak)、ウインチ台車、カニ及びロブスター捕獲標識、ハッチ覆い、組立ボートアンカー、ドックステップ、水泳踏み板フロート、乗船はしご、浮橋用舟艇、操舵コンソール、可搬式及び組立式調理室氷箱、冷蔵庫、調理室テーブル及び戸棚、魚洗浄場所、コックピットテーブル、救命用具、救命環状ブイ、帆船用硬質帆、魚用疑似餌及びルアー、階段式魚道、組立式ボート、浮き桟橋及びデッキ、ダッガボード及び帆船用方向舵、屋形船、ボート及び船体、救命ボート、帆船など)、
ドック(例えば、浮上式折畳式可搬式昇降台、複合渡り板及び材木、天蓋、覆い、シェルター、手摺、潜水浮標、個人舟艇の陸上格納のための浮上式格納ドックなど)、
輸送(例えば、自動車部品、トラック運転室、自動車運転室及び内装、リクリエーション自動車(RV)部品、農業設備、バンパー補強、側面衝撃補強、構造強化、安全設備、ボックス、輸送コンテナー、列車部品、地下鉄部品、ボックスカー、複合鉄道枕木、自動二輪車、スクーター、自動車パネル、外観装飾、警察自動車の補強、後部衝突及び火災から保護するためのプレハブ衝撃装置、前部及び後部バンパー、新規生産車両及び現存車両の裏打ち取付け品、モノコック車体設計補強、運転席設計補強及びねじれ帯設計強化、モノコック車体の硬質化、構造的完全性を失うことなく高い衝撃耐性を可能にする車、リムと接触トレッド表面間のタイヤ内側に本発明に従う補強を施した自動車タイヤ(タイヤ破壊又はパンク後に安全停止できる車、尻ふり、車線跨ぎ及びロールオーバーを防ぐ車、かつスペアタイヤの不要化)、サンバイザー、ハンドル、組立式アームレスト、ホイールカバー、踏み板、防火壁用の自動車断熱防音材、屋根、フード、ドアー、床板、搭乗者用内部運転室衝撃吸収材、支柱、ドアーパネル、屋根、ダッシュボード、フロントシート後部、座席フレーム、発明の材料で裏打ちしたリアーフェンダー内部パネル、トランクの蓋及び床、後部シート固定パネル、フレームポイントアンカーの貫通破壊及び炎上を防止しかつ車への後部衝突、側面衝撃、側面貫入から発生するエネルギーを吸収することを助けるガソリンタンク周辺、トラック及び車のバンパー、自動車及び商用、工業用装備、タクシー車体、フロアーマット、貨車、車止及びレール支材、装甲車及びトラック、カスタムトレーラー、バン、車、ダッシュボード、航空機、ボート、船、シップホール(ship hole)デッキカバー、自動車及び船舶電池ケース、ケーブルゴンドラ車、移動バンなど)、
環境/排水処理(例えば、有害物質事故のための一時的かつ可搬式二次汚染封じ込めシステム及び汚染除去物質格納システム、浮動式タンク蓋、浮動式汚水処理池覆い、組立式タンク、樋、水門、堰のゲート、角落とし、浮動式飲料水ビン、石油流出防止フェンス、汚染溜めマス及び溜め槽、汚水溜め、洗浄タンク及び覆い、シュート、冷却桶、蒸解タンク、風洞、野外組立式貯蔵タンク、魚養殖タンク、養魚池、石油汚染回収システム用浮標、処理池ライナー、埋立ライナー、石油汚染回収システム、集電板など)、
医療/健康管理(例えば、医療装置、整形外科装置のキャスト、取り付け、ケーシング、補てつ材、使い捨て副木、備品など)。
【0107】
発明の方法の現在好ましい用途、及び発明の方法から製造される物品は、建築パネル、構造補強材、防音材、防水材、天板、水泳プール、水泳プール覆い、サーフボード、温浴槽、温浴槽覆い、冷却塔、浴槽、シャワーユニット、貯蔵タンク、自動車部品、個人船艇部品などを含む。
【0108】
本発明の別の実施形態に従えば、最終用途に応じて、上記物品は、種々の手段で更に改良できる。例えば、耐火コーテイング、ノンスリップコーテイング、木材仕上げ材、アクリル層、織布仕上げ材などが、物品に適用できる(例えば図7、8及び9を参照されたい)。この物品は、予め決められた形状に形成でき、又はそれらの厚みを減少させるために、十分な圧縮エネルギーに曝してもよい。所望する形状に裁断可能であり及び/又は物品に穴あけでき、物品を粉砕して全量リサイクルでき、ペーパーがけ、平削り加工、成形、穴あけ、圧縮、溝付けなどができる。
【0109】
本発明の別の実施形態に従えば、任意の上記方法により製造された物品が提供される。
【0110】
本発明の更なる実施形態に従えば、少なくとも20,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を含む高められた特性を有する構造材料及びその他の複合材料を製造する方法が提供される。この方法は、
多孔質材料をガス発生性重合性成分と組み合わせて前重合混合物を製造すること、
前重合混合物を、ガス発生性重合性成分を重合させるために適した条件に曝して、硬化物品を製造すること、かつその後、
硬化物品を、約5〜10、10〜40、40〜80、80〜100、100〜400、400〜800、800〜1,600、1,600〜3,000、3,000〜5,000又は5,000から10,000psi又はより高い範囲の圧縮圧力に、所望する物品の物理的特性を達成するために十分な時間曝すことを含む。
【0111】
当業者は、ガス発生性重合性成分を重合させるために適した条件を容易に決めることができる。選らばれた条件は、用いた重合性成分の種類に依存する。例えば、ポリウレタン樹脂の場合、種々の成分がひとたび組み合わされると、ポリウレタンは、典型的には比較的温和な温度(およそ室温(約25℃)から約70℃までの範囲)で硬化開始するであろう。
【0112】
本発明の別の実施形態に従えば、少なくとも20,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を有する構造材料及びその他の複合材料を製造する方法が提供される。この方法は、
少なくともその一部が多孔質である粒子状材料、及び発泡性重合性成分を含む前重合混合物を、発泡性重合性成分を重合させるために適した条件に曝して、硬化物品を製造すること、かつその後、
硬化物品を、約5〜10、10〜40、40〜80、80〜100、100〜400、400〜800、800〜1,600、1,600〜3,000、3,000〜5,000又は5,000から10,000psi又はより高い範囲の圧縮圧力に、所望する物品の物理的特性を達成するために十分な時間曝すことを含む。
【0113】
本発明の別の実施形態に従えば、少なくとも20,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を有する構造材料及びその他の複合材料を製造する方法が提供される。この方法は、
硬化物品を、約5〜10、10〜40、40〜80、80〜100、100〜400、400〜800、800〜1,600、1,600〜3,000、3,000〜5,000又は5,000から10,000psi又はより高い範囲の圧縮圧力に、所望する物品の物理的特性を達成するために十分な時間曝すこと、
その際、少なくともその一部が多孔質である粒子状材料、及び発泡性重合性成分を含む前重合混合物を、発泡性重合性成分を重合させるために適した条件に曝すことにより硬化物品が製造されることを含む。
【0114】
本発明は、以下の実施例を参考にして一層詳細に説明されるが、この実施例に限定するものではない。
【実施例】
【0115】
(実施例1)
本発明に従って多孔質材料と混合するために幾つかのポリウレタン配合が準備された。各配合について、(各構成要素の)全成分を密閉系混合ポットに導入し、次に一定の攪拌下で、バッチサイズに応じて1から2時間混合した。硬化プロセスを実施するために加熱の必要がなかった。
(配合1(クロ/難燃性))
(配合2(白))
(配合3(自然色))
(配合4)
(配合5(1成分配合))
【0116】
(実施例2)
(性能特性)
本明細書でまとめたように、本発明の実施に有用な幾つかのポリマー系を製造し、それらの性能特性を評価した。
【0117】
実施例1に記載の配合1を用いて、2成分、硬質、水発泡したポリウレタン構造材料を製造した。この材料は、硬質又は強靭な表面を必要とする用途に対して優れた性能を提供し、コスト効率の良い木材代替品であり、これにより家具産業(例えば、家具製造、指物細工などのため)及び額縁事業などの種々の産業で用途を見出している。ウレタン材料から部品が容易に成形できるが、そうでない場合には労働集約的彫刻又はラス(lathing)が必要になるであろう。硬化した材料の代表的物理特性を表1に示す。
【0118】
この配合のクリーム時間は、約30秒から約60秒であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。立ち上がり時間は約2分から約4分であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。成分A(イソシアネート)及び成分B(樹脂)の保管又は貯蔵寿命は,これらの材料を約65°Fから約85°Fの温度で維持することにより最大にすることができる。貯蔵容器を気密に保つことにより、湿気及び異物から保護することができる。
【0119】
実施例1に記載の配合2(IPS 3001−10LV)は、2成分、硬質、水発泡したポリウレタン構造材料である。また、この材料は、硬質又は強靭な表面を必要とする用途に対して優れた性能を提供し、コスト効率の良い木材代替品として用いることができる。ウレタン系材料から部品が容易に成形できるが、そうでない場合には労働集約的彫刻又はラスが必要になるであろう。それらの代表的物理特性を表2に示す。
【0120】
この混合物は、ジフィー(jiffy)ミキサー(直径3インチ)を用いて1,200rpmで手攪拌することができる。配合物のクリーム時間は約180秒であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。立ち上がり時間は約60分から約70分であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。成分A(イソシアネート)及び成分B(樹脂)の保管又は貯蔵寿命は,これらの材料を約65°Fから約85°Fの温度で維持することにより最大にすることができる。貯蔵容器を気密に保つことにより、湿気及び異物から保護することができる。
【0121】
実施例1に記載の配合3は、2成分、硬質、水発泡したポリウレタン構造材料である。また、この材料は、硬質又は強靭な表面を必要とする用途に対して優れた性能を提供し、コスト効率の良い木材代替品として用いることができる。ウレタン系材料から部品が容易に成形できるが、そうでない場合には労働集約的彫刻又はラスが必要になるであろう。それらの代表的物理特性を表3に示す。
【0122】
この配合のクリーム時間は、約4秒であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。立ち上がり時間は約14分であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。成分A(イソシアネート)及び成分B(樹脂)の保管又は貯蔵寿命は,これらの材料を約65°Fから約85°Fの温度で維持することにより最大にすることができる。貯蔵容器を気密に保つことにより、湿気及び異物から保護することができる。この配合に難燃剤を添加することができる。
【0123】
(実施例3)
(典型的ペトリフォーム(登録商標)材料を製造する)
上に述べたように、反応混合物中の成分比率は、最終製品の所望される物理的特性に依存するので、材料の最終用途を特定することなくして、詳細に記入できない。
【0124】
発明の方法は、バッチモード及び連続モードの両方で実施できる。バッチモードは以下のように実施できる。10から20パーセントだけ型容積を過装填するに十分な量の多孔質粒子材料(例えば、発泡したポリスチレンビーズ、又はポリエチレンビーズ、又はポリプロピレンビーズ、又はそれらの任意の2種以上の混合物)を混合バットに配置する。攪拌しながら、ビーズに樹脂(例えば、イソシアネート試薬)を混合し、個々のビーズを樹脂で実質的にコーテイングする。次に、この樹脂/ビーズ混合物に高分子グリコール(硬化性)試薬を加え、グリコールが混合物全体に均一に分布するまで混合を続ける。重合反応は、グリコールの最初の添加で始まる。型全体を満たすように、十分な作業時間を保証する迅速なやり方で、この材料を適切な離型剤を塗布してある待機中の型に移すことが好ましい。型が満たされた後に、型を密閉し、ポリウレタンガスが発生するように混合物を加圧する。混合物及び物品の性質又は調製された材料に応じて、約10分後から約30分後までに型を開くことができる。この工程を反復して追加の物品又は材料を製造することができる。通常は、物品は、十分に硬化されて約24時間後に最終的物理的特性を得る。この硬化工程では、成形物及び/又は液体成分を補足的に加熱して硬化促進される。
【0125】
一成分配合を用いる時、加工方法は、樹脂を多孔質粒子状材料と混合する時点まで実質的に同じである。この時点で、理論量の水(硬化に影響を及ぼす)を攪拌された混合物中に噴霧し、前記のように最終的混合物を型に加え、型を閉じ加圧する。
【0126】
連続的モードによる発明の材料の製造は以下のように実施することができる。多孔質粒子状材料を含有する1個又は複数のタンクが準備され、ガス発生性重合性成分を含有する1個又は複数のタンクが準備され、かつ最終製品に組み込まれる任意のその他の成分を含有する1個又は複数のタンクが準備される。計量したそれぞれの成分をミキサー押出機に投入し、単一混合工程又は複数の工程(ポリウレタン樹脂のイソシアネート前駆体を適切な多孔質粒子状材料と混合し、その後引き続きそれにポリオールを加えることができる)を実施する。その後、成分混合ブレンドが、発明の材料を成形したい位置に送り込まれる。
【0127】
(実施例4)
(発明の構造材料の性能特性)
本発明に従って製造した構造材料について種々の試験を行い、表4に示したごとく、それらの物理的特性を測定した。この材料は、直径1.5mmの発泡ポリスチレンビーズ及びIPSウレタン混合物(50重量%/50重量%)を用い、カーボンブラック及び難燃化剤を添加して製造した。ビーズを過剰(型の容積の115%)に型に加えた。この試験は、アメリカ材料試験協会(ASTM)に従って行い、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料の圧縮、屈曲、変形及びせん断に関する強度及び性能を測定した。加えて、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料の熱伝導性、耐水性、剥離強度、耐疲労性、耐衝撃性、及び音響減衰に関する性能特性を評価した。
【0128】
表4に表した試験結果、及び図10及び11に表した曲げ弾性率及び圧縮試験結果は、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料が優れた性能特性及び特質をもつことを例証する。実施された主要な試験は、ASTM1621「硬質発泡プラスチックの圧縮試験」、及びASTM790「非補強プラスチックの曲げ特性及び電気的絶縁に関する標準試験法」を含んだ。これらの試験は、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料が、多くのポリウレタンフォーム及びスチロフォームの何倍もの圧縮強度及び曲げ強度を有していることを示す。典型的ポリウレタンフォームは、40psiから100psiの範囲の圧縮強度をもち、一方、典型的スチロフォームは、5psiから30psiの範囲の圧縮強度をもつ。ここに提供されたデータで例証されるように、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料は、従来材料に比べて、非常に大きい強度特性を与えることができる最終的に優れた材料を提供するように製造できる。
【0129】
(実施例5)
(構造パネルの製造)
支柱、レール、溝形鋼、及び織布又は装飾的に被覆されたその他のオフィスパネルを支える硬質枠組を提供するその他の鋼鉄部品と共に用いられるように形成された構造パネルを製造した。従来のパネルは、木材又はパーテイクルボードから構成され、両表面は、モデル又はオフィス装飾に応じて、クッション及び織布又はその他の装飾的材料で仕上げられているマソナイト(MASONITE)(登録商標)で被覆されている。全部品の組み立ては労働集約的であり、大変コスト高になる。また、輸送は、完成パネルが大変重いので高価格になる。普通の床モップ掃除によるなどの、パネルへの如何なる水の浸入であっても、パーテイクルボードを膨潤かつ劣化させる。好ましい実施形態に従った材料から製造されたパネルは、優れた耐水性、軽量を示し、かつ従来の締め具を用いて従来の枠に挿入できる。
【0130】
基板として1インチのダグラスファー合板を用いた適切な内部寸法をもつ型であって、側面用にそのコーナーに結合した2インチのアングルブロック、及び型の上面を形成するためにアングルブロックの一つの長手片上にヒンジで取り付けた4個の1×2インチの鋼板をもつ型を作成した。材料混合物が重合し、発泡し、硬化する時に、配置されたこの材料を押さえつけた状態で保持するように、上部のフリーな面を対向するアングルブロックに対してボルトで下方に締め付けるように作成した。この型に発泡ポリスチレンビーズをその上部まで満たし、続いて少量の余分のビーズを加えた。次に、このビーズを容器に移し、十分なミキサー(内装壁仕上げ用の泥を混合するために用いるミキサーと同様なもの)を用いてウレタンのパートAを混合し、ビーズを樹脂で完全に湿潤させた。続いて、ウレタンのパートBを加え、得られた混合物を2分間混合した。用いた配合は、混合物の重量にして、48%のパートA、52%のパートBであった(37オンスのビーズ、100オンスのA、及び115オンスのBに相当)。3枚のパネルを製造した。
【0131】
(実施例6)
(表面材の使用)
内部寸法が12×12×2インチの型を作成した。上面及び底面は、1インチ厚で、約18インチ平方のダグラスファー合板で、側面は切り出した2×4インチの素材を用いて作成した2×2インチの加工素材から構成した。4隅及び側面の中間点に、ワッシャー付きで12個の3/8インチボルト、上面及び底面、底面を通して、側面及び上面を用いて、上面を固定しかつ発泡した混合物を押さえつけた。12インチ平方の薄い合板からスペーサーを切り取り、型内に配置して、最終製品の厚みを2インチ、1インチ、及び1/2インチに変更した。SCジョンソン(登録商標)ペーストワックスを離型剤として用いた。
【0132】
種々の表面材料を型内に配置した後、混合物を加えた。アクリル、木材ベニヤ板、ケブラー(登録商標)、及び金属金網を含む試験した全ての被覆材料について、材料本体に対する優れた接着力が観察された。ケブラー(登録商標)をしみ込ませ被覆した1/2インチの材料は、著しく強く、ねじれ抵抗性があった。また、この材料は、ガラス繊維型ゲルコートに容易になじみ、特に完全に外皮をとった試料に対して、最低数のコーテイングで美観の表面を作り出す。
【0133】
(実施例7)
(ビーズ寸法及び表面材料組み込みの効果)
異なるビーズ寸法及び樹脂量の変更が、異なる最終重量の試料ボードに影響を及ぼすことを試験した。A及びB成分の比率は、その最適比率で相対的に一定に維持された。定量的な調査は、ビーズ寸法が小さいほどボードが強くなることを示した。また、ビーズ寸法に無関係に、総樹脂量の割合を高くすることがボードを強くする。
【0134】
型を開くまでの硬化時間は、相対的に一定であり、2インチ以下の厚みであり、発熱重合反応により発生した熱は、木製型の外側を殆んど暖めなかった。
【0135】
(実施例8)
(ビーズ寸法及び表面材料組み込みの効果)
8×9×9インチの型を製造した。この型は、型内に110容量%以上の充填材の配置を容易にするために、上面の内側に1インチ厚のスペーサーを含み、その最適量はビーズ寸法及びそれに続く混合物の圧縮力に依存した。この材料の優れた断熱性、及び発熱重合反応により発生する熱が、1時間以上の「硬化後の開型時間」の原因となった。開型が速すぎると、材料は熱く、スポンジ状で、寸法が不安定であった。それ故、ある用途に必要とされる材料の最小寸法の厚みが大きいほど、材料製造に時間をかけることが一層好ましい。
【0136】
9×9×7インチの材料ブロックを製造するために、110容量%のビーズと共に、21オンスのウレタンのパートA、及び20オンスのウレタンのパートBを加える。得られたブロックの外皮を十分に除くことにより、ねじれ強度及び圧縮強度が高くなる。
【0137】
本明細書に提供された詳細な説明及び説明のための実施例に基づいて、本発明の観点を実施するために用いることができる本明細書に記載及び/又は例示した成分の多くの既知の代替物が存在すること、及び追加成分が恒常的に追加されることを当業者は理解するであろう。このような代替物、及びこのような代替物の製造及び/又は試験に利用できる方法を記載した多くの技術的参考文献が入手できる。例えば、種々のプラスチックポリマー、添加剤、複合材及び関連する系及び方法を説明した参考文献は以下の通りである:Plastic Encyclopedia、Dominick Rosatoによる、1993年;Physics of Plastics:Processing,Properties and Materials Engineering、Jim Batchelorらによる、1992年;Reaction of Polymers、Wilson Gumらによる、1992年;Plastics for Engineers:Materials,Properties and Applications、Hans Dominghausによる、1993年;Reactive Polymer Blending、Warren E.Bakerらによる、2001年、Plastic Additives Handbook、Hans Zweifelによる、2001年;Guide to Short Fiber Reinforced Plastics、Roger F.Jonesによる、1998年;Coloring of Plastics:Fundamentals,Colorants,Preparations、Albrecht Mullerによる、2003年;Plastics Flammability Handbook:Principles,Testing,Regulation and Approval、Jurgen H.Troitzschによる、2004年;Discovering Polyurethanes、Konrad Uhligによる、1999年;Polyurethane Handbook:Chemistry,Raw Materials,Processing,Application,Properties、Gunter Oertelによる、1994年;Introduction to Industrial Polymers、Henri Ulrichによる、1993年;Performance of Plastics、Witold Brostowによる、2000年;Rheology of Polymeric Systems、Pierre J.Carreauらによる、1997年;Plastics:How Structure Determines Properties、Geza Gruenwaldによる、1993年;Polymeric Material and Processing:Plastics,Elastmers and Composites、Jean−Michel Charrierらによる、1990年;Composite Materials Technology:Process and Properties、P.K.Mallickによる、1990年;Compression Molding、Bruce Davisらによる、2003年、Plastics Failure Guide:Cause and Prevention、Meyer Ezrinによる、1996年;Failure of Plastics、Witold Brostowによる、1986年;Wear in Plastics Processing:How to Understand,Protect,and Avoid、Gunter Menningによる、1995年;Polymer Interface:Structure and Strength、Richard P.Woolによる、1995年;Polymer Engineering Principles、Richard C.Progelhofらによる、1993年;Polymer Mixing、Chris Rauendaalによる、1998年;Polymeric Compatibilizers:Uses and Benefits in Polymer Blends、Sudhim Dattaらによる、1996年;Material Science of Polymers for Engineers、Georg Mengesによる、2003年、Reaction Injection Molding、Christopher W.Makoskoによる、1988年;Successful Injection Molding、John Beaumontらによる、2002年;Injection Molding Handbook、Paul Gramannによる、2001年;Mold Engineering、Herbert Reesによる、2002年;Mold Making Handbook for the Plastics Engineer、Gunter Menningによる、1998年、Total Quality Process Control for Injection Molding、Joseph M.Gordon,Jr.、1992年;Adhesion and Adhesives Technology、Alphonsus V.Pociusによる、2002年;Performance Enhancement in Coatings、Edward W.Orrによる、1998年;Plastics and Coatings、Rose Ryntzによる、2001年;Advanced Protective Coatings for Manufacturing and Engineering、Wit Grzesikによる、2003年;など。
【0138】
当業者が、本明細書で提供した詳細な説明、及び説明のための実施例に基づいて理解するように、前段落で引用した参考文献は、本明細書で説明又は引例した成分及び/又は方法に関係する範囲で、並びにこのような成分又は方法の代替に関する範囲で特に妥当であると考えられる。
【0139】
上記の説明は、本発明の幾つかの方法及び材料を開示する。本発明は、方法及び材料の改良、並びに製造方法及び装置の変更を受け入れることができる。本明細書に開示された本発明の開示又は実施を考慮することにより、このような改良は当業者には明白である。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。本発明は、付属した特許請求の範囲で具体化した本発明の真の範囲及び精神の中で生まれた全ての改良及び変更をカバーするものである。本明細書に引用された全ての特許、用途、及びその他の参考文献の全体を参考として本明細書に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】発泡ポリスチレンビーズの断面の走査型電子顕微鏡画像を示した説明図である。
【図2】発泡ポリスチレンビーズの走査型電子顕微鏡画像を示した説明図である。
【図3】多孔質ビーズを含むポリマーマトリックスの概略断面を示した説明図であり、多孔質ビーズに伸びているポリマーフィラメント又はその他の突起物が示されている。
【図4】代表的な発明の物品の断面を示した説明図である。
【図5】別の代表的な発明の物品の断面を示した説明図である。
【図6】別の代表的な発明の物品の断面を示した説明図である。
【図7】本発明の構造材料及びそれに接着された仕上げ材料を含む発明の物品の断面を示した説明図である。
【図8】本発明の構造材料及びその上にコーテイングを含んだ発明の物品の断面を示した説明図である。
【図9】サンドイッチ構造の発明の物品の断面を示した説明図である。
【図10】代表的な発明の材料の曲げ弾性率試験結果を示した説明図である。
【図11】代表的な発明の材料の圧縮試験結果を示した説明図である。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2003年3月12日に出願の、現在は係属中の出願番号10/388,295の一部継続出願である。本明細書では、この全文を参考文献として援用する。
【0002】
本発明は、構造材料及びその他の複合材料、及びこのような材料の製造方法に関する。特別な観点では、本発明は、建築材料に関する。別の観点では、本発明は、種々の形状、寸法及び物理的特性を有する構造材料及びその他の複合材料に関する。更に別の観点では、本発明は、発明の構造材料及びその他の複合材料の種々の用途に関する。更に別の観点では、本発明は、発明の構造材料及びその他の複合材料から製造された軽量、高強度の物品に関する。
【背景技術】
【0003】
この業界では、構造部材の製造のために長い間ポリマー材料が使用されていた。一つの用途では、例えば押出成形により、構造材料が、ポリマー材料の固体シートとして簡単に形成できる。しかし、この方法で製造された構造部材は、かなり重く(ポリマー材料の密度に起因して)、かつ断熱性に乏しい傾向がある。加えて、このような構造物は、構造物の形成に相当量のポリマー材料が必要であるため、かなり高価になりがちである。
【0004】
この業界で構造部材の製造のために用いられる代替法は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はポリウレタンなどの発泡ポリマー材料の使用である。一方、得られた構造物は、相当する固体の構造部材より非常に低密度であり、高められた断熱性を有するが、製造価格は一般的にむしろ高くなる。更に、特にポリスチレンの場合、得られた発泡構造物は、比較的貧弱な構造的完全性(integrity)である。
【0005】
典型的な2成分システムを用いて、発泡ポリウレタンから構造部材を形成するために、樹脂がイソシアネートと混合され、次に混合物が型に導入され、型が閉じられる。型内で発泡反応が起こり、型内でポリマー材料の体積が増大する。ひとたび、発泡材料の体積が型の容積に等しくなると、発泡体が型に対して圧縮され、得られた部材の強度を向上させる。高強度の構造部材を得るためには、かなりの圧縮力を発生させる必要があり、それには大量のポリウレタンを使用する必要があり、これが構造部材の費用を高める。更に、高強度を実現するために発泡体を圧縮する時、発泡体の密度が高くなり、得られた物品の断熱性は極めて貧弱になる。更に、発泡反応が始まる前に、反応成分が型内にすべて導入されることを保障するために、上記の方法は迅速に行われなければならない。
【0006】
発泡ポリマー材料から構造部材製造のために業界で知られた別の方法は、発泡ポリスチレン又はポリプロピレンビーズの使用を含み、ビーズが型内に置かれ、水蒸気加熱され、この加熱がビーズを軟化させて、続いて合体させて構造部材の形成を可能にする。一方、得られた構造部材は比較的軽量であるが、特に強くない。加えて、最終の発泡製品は、連続気泡構造であり、したがって液体及びガスに対して透過性である。更に、ビーズの合体に従って構造部材の体積が減少するので、この方法は、大量の出発材料を使用する必要がある。
【0007】
発泡ポリスチレンビーズを用いた建築材料製造の更なる別法は、英国特許出願番号GB2,298、424号に記載があり、この出願は、硬質発泡プラスチックマトリックス内に配置された軽量断熱性充填剤を開示する。‘424号出願に開示された主要な断熱性充填剤は「発泡ポリスチレン」と呼ばれているが、特許請求された製品の製造に用いられた材料の化学的及び/又は物理的特性に関する詳細な説明はない。同様に、‘424号出願に開示された唯一の硬質発泡プラスチックマトリックスは、単一の、特定の硬質ポリウレタンであり、その製造のために用いた幾つかの成分の1種に関して明示されており、即ち、‘424号出願に用いられたポリウレタンは、「樹脂」(「ポリオールブレンド」とのみ記載)及びイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネートと「ポリマー成分」の混合物としてのみ記載)から製造される。‘424号出願に用いられたポリウレタンの実際の組成は、商品名だけを引用して市場から入手できると言われる材料を参照して得られる。
【0008】
構造材料を製造する追加の方法は、米国特許第4,714,715号(硬質プラスチック発泡スクラップから難燃性断熱性材料を形成する方法を対象にした)、米国特許第5,055,339号(連続気泡を限定したウエブからなる気泡格子を有する軟質発泡材料のパネルを含む成形部材、及び連続気泡を限定したウエブ及び少なくとも1種の追加された充填剤からなる気泡格子を有する軟質発泡材料の粒剤を対象とした)、米国特許第5,791,085号(多孔質発泡鉱物質粒剤の存在下及び0.5重量%以下の水分の存在下でポリイソシアネート及びポリエチレンオキシド誘導体を反応させて、実質的に乾燥した固体の、多孔質連続気泡発泡親水性保水性のポリウレタンヒドロゲル材料マトリックスを製造する単一ステップからなる植物繁殖用固体多孔質材料を製造する方法を対象とし、このポリウレタンヒドロゲル材料マトリックスは、乾燥条件下では実質的に硬質であり、水分を吸収することができて湿潤時には柔軟になる)、米国特許第5,885,693号(前もって決められた体積を有する3次元成形された部品を対象とする)、米国特許第6,042,764号(3次元成形されたプラスチック発泡部品の製造方法を対象とする)、米国特許第6,045,345号(液体一次材料を発泡させることにより相互に結合したプラスチック発泡粒剤から3次元成形されたプラスチック発泡部品を製造する装置を対象とする)、米国特許第6,265,457号(イソシアネート系ポリマーフォームを対象とする)、米国特許第6,583,189号(約1重量%から40重量%の粉砕されたケイソウ土を含む第一の熱可塑性プラスチックの独立気泡発泡体を含む押出成形物品、約2重量%以下の水分を含むケイソウ土で成形された押出成形物品を対象とする)、及び米国特許第6,605,650号(イソシアネート及びポリオール反応体、触媒及び発泡剤を含む混合物を形成することによりポリウレタンフォームを形成する方法を対象とし、この混合物は発熱反応して硬質ポリウレタンフォームを生成する)に記載されている。
【0009】
しかし、強度があり軽量で、好ましくは比較的に耐湿性があり、その製造に関して大量の出発材料を必要としない構造材料に関する当業界のニーズが残されている。明細書及びそれに付随する特許請求の範囲で詳細に述べるように、本発明は、当分野のこのニーズ及び関連ニーズを取り扱う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明に従い、高い圧縮強度、高い引張り強度、高い曲げ強度、高いせん断強度、及び/又は高い比強度を含む優れた性能特性をもつ構造材料及びその他の複合材料が開発された。同様に、発明の材料は、高い圧縮、引張り、曲げ及びせん断弾性率を示すことができる。加えて、発明の材料は、実質的に耐湿性であることができる。発明の材料は、製造が容易であるという追加の利点があり、かつ比較的低費用で製造できる。加えて、発明の材料は、比較的低温度で製造することができ、製造時に加熱又は冷却を必要としないことが多い。発明の材料の優れた性能特性は、このような材料を多くの最終用途に適したものとする。
【0011】
例えば、発明の材料の基本的構造を溶融することなく、溶解することなく又は劣化させることなく、多くの接着剤が適用できる。これは、発明の材料を事実上任意の表面又は基体に接合することを促進するものであり、所望の形状を作り出す代替手段をとして、発明の材料の2個以上の断片を相互に接合することを含む。更に、発明の材料と種々の基体間の接合(発明の材料の2個以上の断片間の接合を含む)は非常に強く、得られた接合物品を種々の厳しい要求分野での使用に適するようにする。事実、発明の材料と基体間の接着は、発明の材料と接触させる前に、基体表面を粗面化(abrade)すること(例えば、機械的に又は化学エッチングで)により更に高めることができる。
【0012】
同様に、発明の材料は、液体ポリエステル樹脂コーテイング、液体スチレンポリマー又はその他の液体ポリマーの塗布により改質できる。このようなコーテイングは、発明の材料により提供されたコア構造を溶解することなく又はその他の方法で処理することなく、発明の材料にスプレーするか又はさもなければ直接的に塗布することができる。
【0013】
発明の材料は、種々の寸法、形状、密度、多層などに製造できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
図1は、発泡ポリスチレンビーズの断面の走査型電子顕微鏡画像である。
【0015】
図2は、発泡ポリスチレンビーズの走査型電子顕微鏡画像である。
【0016】
図3は、多孔質ビーズを含むポリマーマトリックスの断面の略図であり、多孔質ビーズに伸びているポリマーフィラメント又はその他の突起物を示す。
【0017】
図4は、代表的な発明の物品の断面図であり、多孔質材料(10)の大ビーズがポリマーマトリックス(1)に組み込まれている。また、発明の構造材料及びその他の複合材料は、本明細書では、時々、構造材料及びその他の複合材料のブランドとして「ペトリフォーム(登録商標)」と呼ぶ。
【0018】
図5は、別の代表的な発明の物品の断面図であり、多孔質材料(11)の小ビーズがポリマーマトリックス(1)に組み込まれている。
【0019】
図6は、別の代表的な発明の物品の断面図であり、多孔質材料(10及び11)の大小ビーズの混合物が、ポリマーマトリックス(1)に組み込まれている。
【0020】
図7は、本発明に従う構造材料(20)及びそれに接着された仕上げ材料(30)を更に含む発明の物品の断面図である。
【0021】
図8は、本発明に従う構造材料(20)を含む発明の物品の断面図であり、その上にコーテイング(31)を更に含む。
【0022】
図9は、サンドイッチ構造の形態の発明の物品の断面図であり、補強材料(32)に接合した又は組み込まれたペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料(20)を含む。
【0023】
図10は、代表的な発明の材料に関する曲げ弾性率試験の結果のグラフを提供する。
【0024】
図11は、代表的な発明の材料に関する圧縮試験の結果のグラフを提供する。
【0025】
本発明の1つの観点に従えば、構造材料又はその他の複合材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、典型的には約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の融点より低い温度で硬化できる重合性成分から製造され、かつ多孔質材料を封入し、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びているポリマーとを含む構造材料又はその他の複合材料が提供される。当業者が容易に認識するように、ポリマー材料は、ポリマーシステムの粘度、多孔質材料中の気孔の寸法、システムが受ける圧力などの因子に依存して、いろいろな程度に多孔質材料中に伸びることができる。
【0026】
本発明のある実施形態では、このポリマーは、ポリウレタンなどのガス発生性重合性成分から製造され、かつこのポリマーは、実質的に固体のマトリックスを含む。本明細書で用いる「実質的に固体」は、特別な外力がない時に所定の形状を維持するような十分な構造的完全性をもつ材料のことを言う。理論に縛られることを望まないが、多孔質材料に非常に近接してガス発生性重合性成分を調製することが、多孔質材料が存在しない状態で作成されたマトリックスよりもかなり固いポリマーマトリックスを生成できると考えられる。その理由は、多孔質材料が近接した吸蔵部又はへこみ部としての役割を果たし、さもなければマトリックス内に巨視的及び/又は微視的な気泡を形成し、それにより構造的完全性を弱体化するかもしれない発生ガスのある程度の部分を収納できる。本発明で意図されるように、これらの方法を更に高めるために圧力及び/又はその他の手段を用いることができる。構造材料及びその他の複合材料を作成するこのような方法は、製造時に放出される揮発性有機化合物の量を減少させる付加的な利点を発揮できる。このような技術的特徴がある故、本発明に従って、マトリックスが5〜20、20〜40、40〜80、80〜120%又はそれ以上の固体である(即ち、このような多孔質材料の不在下で作成されたマトリックスに比較して密度がある)構造材料及びその他の複合材料が作成できる。同時に、多孔質材料は、本明細書に記載されるように、マトリックスにより封入され及び/又は侵入される可能性がある軽量構造体を実現できるので、得られた製品は、比較的軽量かつ強いというきわめて望ましい特性を示すことができる。また、多孔質材料への一部物理的進入及び/又は多孔質材料とマトリックスの接合は、多孔質材料にマトリックスを機械的又は化学的に「固定」する手段を実現することにより複合物の構造的完全性を高めることが可能になる。以下に説明するように、本発明の材料は容易に製造することができて、多くの種類の強度に関係する優れた特性、並びにその他の機械的及び/又はその他の物理化学的又は電気的特性を示す。このような材料の具体例は、本明細書で提供される詳細な教示及び説明に基づいて実現され、かつ当業者には明らかであるから、業界で知られた種々の添加物及び/又は代替物は、本発明の実施に関して容易に用いることができる。本発明に従う実質的に固体の材料は、実質的に硬質(即ち、実質的に非変形性)から実質的に可撓性(即ち、変形性、一般的に変形原因が除かれると原形状に復帰するような十分な記憶力をもつ)までの広がりを有する。
【0027】
本発明に従う構造材料及びその他の複合材料は、連続相(ポリマーを含む)及び非連続相(多孔質材料を含む)を含む。本明細書でより詳細に述べるように、連続相は多様なホモポリマー系、並びにブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどを含むコポリマー及びマルチポリマー系の任意のものをベースにすることができる。同様に、不連続材料は、多様な多孔質材料から選ぶことができる。
【0028】
本発明の別の観点に従えば、構造材料及びその他の複合材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、典型的には約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の気孔内で重合できる第一の重合性成分、及び直接的に又は結合子を介して、第一の重合性成分のポリマーに結合できる第二の重合性成分から作成できるポリマーであって、この重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に部分的に侵入する実質的に固体のマトリックスを形成するポリマーとを含む構造材料及びその他の複合材料が提供される。
【0029】
本発明の別の観点に従えば、明確な形状、優れた圧縮強度及び弾性率、及び高い曲げ弾性率を有し、全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含むポリマーマトリックスを含む物品であって、その際にこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている物品を提供する。ポリマーが多孔質材料に侵入する程度は、特殊な用途に応じて所望するように容易に変更できる。例えば、一般的に、相対的強度は、侵入程度を増すことにより高めることができ、かつ所望により、侵入ポリマーのフィラメントを相互に結合させるか、及び/又は多孔質材料内の表面に結合させることにより更に向上させることができる。このような侵入の増大は、例えば相互作用及び侵入を助長するポリマー及び多孔質材料の組み合わせを選ぶこと(例えば、特に適合した表面エネルギーを有する組み合わせを選ぶこと)、侵入を推進するために重合時に追加的圧力を適用すること、ポリマーの粘度を増大させること、温度を高めること、又は侵入のための相互作用及び潜在能力を助長するその他の動力学的又は熱力学的手段を含む、多様な方法により達成できる。また、相互作用を促進又は助長する薬剤(活性剤など)を含むことが可能であり、この薬剤は、重合時に含有されてもよく、又は例えば、多孔質材料を前処理してポリマーが侵入し易くなるように用いてもよい。本明細書で説明するようなグラフトコポリマー系は、所望の侵入レベルを達成するために用いることができ、一方で、同時にポリマーマトリックスの外側部分に強度又はその他の所望の特徴などのその他の好都合な特性を与えるために比較的独立して選ぶようにする。本発明の複合材料にこのような技術を適用することにより、ポリマーのフィラメント又はその他の突起物が、所定の多孔質材料中に種々の程度に容易に伸びるようにすることができる。このように、本発明の比較的高強度の複合材料は、所望により、ポリマーマトリックスが、多孔質材料の直径(又は長さ寸法)内に1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、又は90〜100%伸びることができるよう製造できる。本明細書に記載されかつ証明されるような強度及び重量の範囲の構造材料及びその他の複合材料は、以下に説明する用途などの種々の用途のために製造される。
【0030】
ある実施形態では、本発明の物品は、20ポンド/平方インチ(psi)超の、好ましくは40、100、150、210,300又は400psi超の圧縮強度、2,000psi超の、好ましくは4,000、8,000、10,000、20,000、40,000又は100,000psi超の圧縮弾性率、50psi超の、好ましくは100、200、350〜375又は500psi超の曲げ強度、2,000psi超の、好ましくは4,000、8,000、10,000、20,000、40,000又は100,000psi超の曲げ弾性率、20psi超の、好ましくは40、100、150、210,300又は400psi超のせん断強度、及び1,000psi超の、好ましくは2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、8,000又は10,000psi超のせん断弾性率、40psi超の、好ましくは80、100、150、210,300又は400psi超の引張り強度、及び1,000psi超の、好ましくは2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、8,000又は10,000psi超の引張り弾性率をもつことができる。
【0031】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 1621で測定されるような「高圧縮強度」は、本発明の材料の基本的構造が著しい破壊を伴わずに圧縮力に耐えるこの材料の能力をいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰な圧縮強度を示す。ASTM規格及び試験の記載は、ASTMインタナショナルの刊行物、並びにそれらのウエブサイト(例えば、www.astm.org)で見ることができる。
【0032】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 1623で測定されるような「高引張り強度」は、長手方向の張力に耐える本発明の材料の能力、即ちこの材料が分離することなく耐えることができる最大の力のことをいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰な引張り強度を示す。
【0033】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 273で測定されるような「高せん断強度」は、明確な応力にさらされた時に、本発明の材料の変形に対する抵抗力のことをいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰なせん断強度を示す。
【0034】
本明細書で用いられるように、例えばASTM 790で測定されるような「高曲げ断強度」は、曲げ応力にさらされた時に、本発明の材料の変形に対する抵抗力のことをいう。発明の材料は、この材料が製造される個々の成分の性能特性に比較した時に期待する強度に対して、実質的に過剰な曲げ断強度を示す。
【0035】
本明細書で用いられるように、「高い比強度」は、比較的低重量にも拘らず、発明の材料の意外な高い強度をいう。例えば、従来技術の材料の何分の一かの重量の発明の物品は、例えば木材又はコンクリートなどの実質的に重い材料に比較して同一又はより良い性能特性を実現する可能性がある。また、発明の材料が製造される個々の材料、例えばポリウレタンなどのポリマーから製造される材料、から作成される材料の比強度と比較した時に、期待する強度に対して、過剰な比強度を有する発明の材料が製造できる。
【0036】
また、発明の材料は、材料の優れた衝撃強度、硬度又は表面剛性(表面圧入に耐える材料能力に関するロックウエル硬度試験による)の項で、並びに得られた製品の密度、得られた製品の熱伝導性及び熱膨張性、並びに各成分材料の熱伝導性及び熱膨張性、膨張係数、吸収係数(即ち伝導性)、誘電強度及び体積及び耐アーク性、可燃性(酸素指数又はUL燃焼速度によるなど)、収縮、水及び水蒸気透過性及び吸収性、比重及びその他の物理化学的、機械的、熱的又は電気的特性を含むその他の特性により特徴づけられる。特殊な材料が実質的にポリマーマトリックスに封入でき、このポリマーが水分捕捉及び吸収に比較的耐性があるように選択できる故(例えば、相対的に疎水性ポリマーを選択することにより、又はポリマー又は物品を相対的に疎水性の薬剤でコーテイングすることにより)、発明の材料は、容易に耐湿性に製造される。水分に対する標準試験は、ASTM D570−98、ASTM 2842−01、BS4370:方法8、DIN53434、及び業界で知られたその他の試験がある。例えばASTM D570を用いて、特殊な用途に対して、24時間後に、典型的には5、4、3、2、1、0.5、0.2、0.1、0.05、0.01又は所望によりそれより低い重量%の異なる吸水性範囲を有する発明の材料が容易に調整できる。また、逆に、望ましいかもしれない用途(材料が大量の液体を吸収かつ保持し、かつ可能性として時間の経過と共にそれを放出することが所望される用途など)に対し、比較的高率の吸水性をもつ発明の材料を調整することができる。後者の関心事では、吸水性を促進する薬剤(ポリアクリル酸ナトリウムなど)並びに、例えば、時間の経過と共に液体の放出を抑制し又は果たす薬剤を使用することができる。
【0037】
本発明の別の観点に従えば、構造材料及びその他の複合材料の製造方法であって、
多孔質材料及び重合性成分を組み合わせることと、
得られた組み合わせ体を、場合により発泡剤の存在下で、型内又はその他の容器内(開放または密閉されていてもよい)で、重合性成分の硬化に適した条件にさらし、それによって発泡剤、及び硬化時及び/又は多孔質材料の圧縮時に発生したあらゆるガスが多孔質材料により実質的に吸収されて、複合構造材料を形成することを含む方法が提供される。強度の向上が望まれる場合、重合性成分の一部が多孔質材料に押し込まれ、それによって固体のポリマーマトリックス内に封入された多孔質材料を含む構造材料を作成するが、その際このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に伸びている。
【0038】
本発明の別の観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料、
重合性成分と、
流動改良剤、可塑剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、UV保護剤、染料、顔料及び充填剤からなる群から選ばれた少なくとも一種の添加剤を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、
重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化することができ、重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に伸びている配合物が提供される。
【0039】
本発明の更なる観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料と、
重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、発泡ポリスチレンではなく、かつ約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつ
重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化することができ、かつ重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に伸びている配合物が提供される。また、上記の配合物から製造された構造材料及びその他の複合材料が意図されている。
【0040】
本発明の更なる観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料と、
重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつ
重合性成分が、ポリウレタンではなく、かつ多孔質材料の融点より低い温度で硬化することができ、重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物が提供される。また、上記の配合物から製造された構造材料及びその他の複合材料が意図されている。
【0041】
本発明の更なる観点に従えば、配合物であって、
多孔質材料、
多孔質材料の気孔内で重合することができる第一の重合性成分と、
直接又は結合子を介して、第一の重合性成分のポリマーに結合することができる第二の重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、好ましくは約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつ
重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に少なくとも部分的に侵入する実質的に固体のマトリックスを形成する配合物が提供される。また、上記の配合物から製造された構造材料及びその他の複合材料が意図されている。
【0042】
また、任意選択で、発明の配合物は、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、可塑剤、金属石鹸安定剤、UV吸収剤、顔料、染料、静電防止剤、発泡(blowing)剤、消泡剤、発泡(foaming)剤、滑剤、補強剤、熱安定剤、粒状充填剤、加工助剤、流動改善剤、繊維状充填剤、スリップ剤、架橋剤及び架橋助剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、衝撃改良剤、触媒などからなる群から選ばれた1種又は複数の追加の添加剤含むことができる。この材料は、防水性又は耐水性、紫外線(UV)安定性、虫、細菌、カビ、大気条件、湿気、乾腐などに対する耐性を持つことができる。また、この材料は、一般的に、かなりの量の揮発性有機化合物(VOCs)、規制されたVOCsなどを放出しない。
【0043】
本発明の実施に用いようとする多孔質材料は、硬質、半硬質、可撓性、又は圧縮性であってもよく、かつ例えば、ビーズ、粒体、棒、リボン、不規則形状の粒子などの任意の多様な形体をもつことができる。当業者であれば容易に理解できるように、例えばシート、格子、チューブ、連続気泡三次元構造体、織布、不織布、フェルト、スポンジなどのその他の形態に成形された多孔質材料が使用できる。ここで用いようとする追加の形態に関しては米国特許第5,458,963号を参照されたい。発明の材料が採用される用途は、適切な粒状の又は成形された多孔質材料の選択が重要である。例えば、材料のブロックが成形され、後で裁断し大きさに合わせて物を作る場合には、粒状多孔質材料が望ましいかもしれない。これに反して、材料が所定の大きさの目的物を製造するために用いられる場合、多孔質材料のシート又はモノリスが望ましいかもしれない。例えば、多孔質シートは、好ましくは、弾性床タイルの製造に用いることができ、又は多孔質材料のモノリシス格子は耐力成形品の製造に用いることができる。球状ビーズ形態の多孔質材料は、本発明の幾つかの実施形態で特に好ましい。
【0044】
本発明の実施に用いようとする多孔質材料は、概して、約0.05mmから約60mmまでの範囲の粒径(即ち、粒子の最大寸法における断面直径)をもち、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0mmから約5.5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50又は55mmの範囲の粒子径をもつ(好ましくは、約1mmから約5mmの粒子径、より好ましくは約1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.25、又は2.5mmから約2.75、3.0、3.25、3.5、3.75、4.0、4.25、4.5又は5.0mmの粒子径をもつ)。
【0045】
本発明の実施に用いようとする多孔質材料は、概して、約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲、典型的には約1kg/m3から約100kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、ビーズ密度は意図する最終用途の機能に応じて変わる。ビーズ密度は、典型的には、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15kg/m3から約75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900又は950kg/m3の範囲、より好ましくは約16、17、18又は19kg/m3から約51、52、53、54、55、60、65、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200kg/m3の範囲、かつ最も好ましくは約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30kg/m3から約31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90又は100kg/m3の範囲である。
【0046】
本発明で用いようとする現在好ましい多孔質材料は、本発明の実施で使用するポリマー系を硬化するときに発生するガスの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は実質的にすべてを吸収するために十分な気孔率を有するとみなされる。幾つかの好ましい実施形態では、多孔質材料の気孔率は、ポリマー材料の少なくとも一部が多孔質材料内に押し込められ(例えば、受動的な流れ、圧力駆動の流れ、及び/又は毛細管流で、又はその他の動力学的及び/又は熱力学的方法で)、その結果、ポリマーの微視的及び可能性として巨視的な巻きひげ、指、フィラメント又はその他の突起物が多孔質材料の本体に侵入するほどである。加えて、発生したガスの少なくとも一部のための貯蔵体として作用する多孔質材料の能力が、ポリマーマトリックス内に捕捉されるようになるガス気泡の数及び/又は大きさを減少させることができ、それによりポリマーマトリクスの強度及び密度を向上させる。これに反して、非多孔質材料は、このような能力をもたず、かつ本発明の実施で用いられるガス発生性ポリマー系を硬化させる時発生したガスの実質な量を漏出させるであろう。
【0047】
本発明の実施で用いようとする多孔質材料の平均孔径は、典型的には約0.05ミクロン以下から約1,000ミクロン以上まで、好ましくは約0.1ミクロンから約500ミクロンまで、かつより好ましくは約1、5、10、15,20、25、30、35又は40ミクロンから約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300,350、400又は450ミクロンまでの範囲である。これらの平均孔径が通常好ましいが、より小さい又は大きい孔径が、幾つかの実施形態で好まれることがある。同様に、狭い孔径分布が通常好まれるが、より広い孔径分布が、幾つかの実施形態で許容されるか又は望まれることがある。例えば、より多くのポリマーマトリックスを多孔質材料内に入れることにより、本発明の構造材料及びその他の複合材料の比強度を増大させることが望まれる場合、気孔内への毛細管流を増強又は阻止する必要に応じて、気孔の数及び深さが、増大又は減少されることがある。別法として、製造時に材料に対して高い圧力及び/又は温度を適用して、ポリマーの粘度を低減させて、ポリマーと多孔質材料の組み合わせを選択して(又は選らばれた多孔質材料を変性して)、相互作用のための同様な又は適合した表面エネルギーを与えることにより、並びに多孔質材料内へポリマーマトリックスの侵入を助けるその他の動力学的及び/又は熱力学的方法により、多孔質材料内へポリマーの侵入を高めることができる。
【0048】
また、第一のポリマー成分が多孔質材料の気孔内で優先的に重合することができ、かつ多孔質材料の外側に突起することができ、この第一のポリマー成分が、多孔質材料の外側に比較的連続的なマトリックスを形成できる第二のポリマー成分に(直接又は1種以上の結合子分子を介して)結合することができるグラフトコポリマー系を用いることができる。このような系を用いた結果として、多孔質材料への侵入を望ましいレベルに促進するために第一のポリマー成分を選ぶことができ、一方で、強度及びその他の物理化学的、熱的、電気的又はその他の特性などの、マトリックスの望ましい特性を高めるために第二のポリマー成分を選ぶことができる。得られた構造材料及びその他の複合材料は、潜在的に強度があるマトリックスポリマーを封入し、かつマトリックスポリマーが侵入した潜在的に軽量の多孔質材料を含むことにより、優れた特性を示すことができる。その結果として得られたマトリックスと多孔質材料の機械的及び/又は化学的からみ合いは、例えば、圧縮強度及び弾性率、せん断強度及び弾性率、曲げ強度及び弾性率、及び引張り強度及び弾性率を含む得られた構造材料の実質的特性の改良に貢献することができる。2種のポリマー成分を用いることは、ポリマーのそれぞれを別々に相対的に最大限に活用して、それぞれの機能特性を極限まで高かめられる利点がある。
【0049】
グラフトポリマー系の場合、製造は、多段階又は一段階重合法によることができる。例えば、多段階法では、第一のポリマー成分が多孔質材料の気孔内で重合することができ、その後に第一のポリマーと共に多孔質材料を追加の段階にさらすことができ、この段階で第二のポリマー成分が、直接又は結合子を介して第一のポリマー成分に結合して、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に侵入するマトリックスを形成する。代表的な一段階法では、第一のポリマーは、このポリマーが多孔質材料の気孔内に優先的に分配される結果を生むような方法で選択されるか又は導入され、第二のポリマーは、このポリマーが多孔質材料の気孔の外側に優先的に分配される結果を生むような方法で選択されるか又は導入され、かつ重合が(結合子の存在下又は不在下で)第一と第二ポリマー成分を相互にグラフトするように進めることができる。
【0050】
本発明で用いようとする多孔質材料は、その表面積が更に特徴となる。典型的には、表面積は約0.5から約500m/g2までの範囲が意図され、目下のところは約2から約100m/g2までの範囲の表面積が好ましい。
【0051】
当業者なら容易に理解するように、本発明の実施で用いられる多孔質材料の形状及び寸法は、異なる物理的特性(例えば、異なる強度及び密度)を有する完成品を実現するように変更できる。一般的に、用いる粒子が小さいほど、得られた製品の圧縮強度、せん断強度及び重量が高くなる。反対に、用いる粒子が大きいほど、一般的に、得られた製品はより可撓性であり、軟質であり、軽量である。粒子密度に関して言えば、一般的に、用いる粒子の密度が高いほど、得られた製品の圧縮強度、せん断強度及び重量が高くなる。特定の最終用途の要件を満たすために、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他のポリオレフィン、又はその他のビーズなどの種々の密度の多孔質材料が製造できる。例えば、種々の密度の発泡ポリスチレン又はその他のビーズが、多様な方法で得ることができ、例えばビーズ前駆体の製造で用いる発泡剤の量又は種類を調節することにより得られる。
【0052】
本発明に従えば、多孔質(粒子状、非粒子状)材料は、典型的には、約50から99容量%超までの範囲の完成品体積を含む。体積は、上記配合物について、50、60、70、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99容量%の範囲が好ましく、好ましい容量%は目的とする最終用途に依存する。例えば、製品の浮力が望まれる場合(例えば、ボート、サーフボード、浮上装置、ドック浮標などに用いる材料)には、高い粒子含有量が好ましい。一方、高い構造的完全性が必要な場合には、低い粒子含有量が好ましい。一般的に、少なくとも約90容量%の多孔質材料を含む材料が好ましく、少なくとも約95、96、97、98又は99容量%が特に好ましい。本明細書で説明するように、この材料は製造時に圧縮力を受けるので、投入多孔質材料の体積は、製品原材料の体積の100%を実質的に超えることがあり、製品原材料の体積の110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、400,500を容易に超こえて約800%までの体積となることがあることに留意すべきである。
【0053】
更にこの点に関して言えば、発明の物品は、製造時に受けることがある圧縮パーセントの関係で説明することができる。圧縮は、密閉空間(型など)内で配合物に物理化学的に媒介されるか、又は型又はその他の密閉空間内に含まれたガス発生性又はその他のポリマー系に外因的に適用されてもよい。製造時、発明の材料は、5〜10容量%の小さい圧縮力から本発明で図られる80又は90容量%まで及びこれを超える圧縮力に曝されることがある。一連の強度向上が望まれる用途に対して、約5、10、15、20、25又は30容量%から約35、40、45、50、55、60、65、70又は75容量%までの範囲の圧縮が、目下のところ好ましい。
【0054】
発明の配合物の製造で用いる成分の相対荷重の見地から、多孔質材料は、概して約5重量%から約90重量%の範囲の配合物を含み、意図する最終用途に基づいて多孔質粒子状材料の重量範囲は変わる。好ましくは、多孔質材料は、約10、12、15、18、20、25、30、35、40又は45重量%から約50、55、60、65、70、75、80又は85重量%の配合物を含む。幾つかの実施形態では、当業者は、より高い又はより低い容量パーセント、及び/又はより高い又はより低い重量パーセントが許容され得るか又は望ましいことを理解している。
【0055】
例えば、気泡風呂のアクリル浴槽の断熱及び強化のために用いる時、断熱及び圧縮強度は、共に望ましい材料特性である。十分な圧縮強度は、収納された水及び気泡風呂占拠者の負荷が原因でアクリルが破壊する可能性を低減する。このような実施形態の証明として、多孔質材料は、約40〜80重量%の範囲で、好ましくは約50〜70重量%の範囲で、又より好ましくは約60重量%(約2ポンド/立方フィートの最終密度をもつ5mm以下のポリオレフィン(例えば、発泡ポリスチレン及びポリエチレンビーズ)混合物を用いて)で存在できる。代わりに、サーフボードの製造に用いる時、得られた製品が、軽量で、トルエンジイソシアネート(TDI)均一系ポリウレタンフォームの強度を超える強度を有することが望ましい。このような実施形態の証明として、多孔質材料は、約30〜70重量%の範囲で、好ましくは約40〜60重量%の範囲で、又より好ましくは約50重量%(約3ポンド/立方フィートの最終密度をもつ1.2mmのビーズ)で存在できる。別の代替物として、建築材料の製造に用いる時、軽量かつ高強度特性を有する材料が望ましい。このような実施形態の証明として、多孔質材料は、約10〜40重量%の範囲で、好ましくは約15〜30重量%の範囲で存在し、約18重量%が目下のところ好ましい(例えば、約10.5ポンド/立方フィートの最終密度をもつ1.2mmのビーズを用いて)。
【0056】
本発明の実施で用いようとする代表的多孔質材料は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど、並びにそれらの混合物及び/又はコポリマーを含むビーズ)、砂利及びその他のシリカ系材料、ガラスビーズ、セラミック、ひる石、パーライト、ライタッグ(lytag)、微粉化フライアッシュ、非焼成炭素、活性化炭素など、並びにそれらの任意の2種以上の混合物を含む。本発明で用いようとする多くの多孔質材料の観点から、本発明の幾つかの実施形態で、ポリスチレン以外の多孔質材料の使用が、本明細書で意図されている。
【0057】
本発明の実施で用いようとする具体的多孔質材料は、約0.4〜25mmの広い範囲の粒子径、及び0.75〜60lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン(及びその他のポリスチレン)を含み、好ましくは約0.75〜15mmの範囲の粒子径、及び0.75〜30lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレンがあり、約0.75〜10mmの範囲の粒子径、及び0.75〜10lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレンが目下のところ好ましい。代表的発泡ポリスチレンは、約0.4〜0.7mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜2.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.4〜0.7mmの範囲の粒子径、及び約1.5〜3.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.7〜1.1mmの範囲の粒子径、及び約1.0〜1.5b/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.7〜1.1mmの範囲の粒子径、及び約1.5〜3.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約1.1〜1.6mmの範囲の粒子径、及び約1.0〜1.2lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約1.1〜1.6mmの範囲の粒子径、及び約1.5〜3.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.4〜0.65mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜4.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.6〜0.85mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜4.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.75〜1.2mmの範囲の粒子径、及び約1.25〜4.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.375〜0.75mmの範囲の粒子径、及び約1.35〜2.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.65〜2.0mmの範囲の粒子径、及び約1.15〜2.0lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.4〜0.8mmの範囲の粒子径、及び約1.35〜1.8lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約0.8〜1.3mmの範囲の粒子径、及び約0.9〜1.35lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレン、約1.3〜1.6mmの範囲の粒子径、及び約0.75〜1.15lb/ft3の範囲の密度を有する発泡ポリスチレンなどを含む。
【0058】
典型的ポリオレフィン、発泡ポリスチレンは、典型的には、業界で外観が似ていることから「シュガー」と呼ばれている結晶性ポリスチレンをシクロペンタンなどの発泡剤と共に加熱することにより製造され、製造工程でこれが結晶性ポリスチレン中に吸収される。結晶の寸法は、所望する最多直径の最終ビーズ寸法分布を生むように制御される。制御された熱及び圧力条件下で、結晶が軟化し、発泡剤がガス化し、結晶本体内に微視的ガス状気泡を生成する。十分に軟化後、結晶が、毛細管力により最終的に球状に変形し、内部構造は、図1に示すように、幾分不規則な形状かつ不規則な寸法のセルを有する、ハニカム状の、最密準六方晶気孔構造を含む。発泡後、ビーズは、反応容器から除かれて、硬化のために貯蔵される。ビーズは徐々に冷却されて、ビーズ表面の内部への破裂及び気泡の崩壊を防止する。一方、吸収された発泡剤は、大気圧でガス放出を続ける。十分に冷却された時、ビーズは、その隣接ビーズと合併することなくその球形を保持する。ビーズの外観は、図2に示すように、粗く不規則であり、クレータ及び稜線を有する。発泡ポリスチレンビーズ中の空気パーセンテージは、概して約90から97%である。本発明と関連する多孔質材料として用いることができる多くのその他の材料の技術的特徴は、業界では既知であり、例えば、以下の実施例に次いで提供される文献を参照されたい。
【0059】
本明細書及び業界で説明された、例えば、発泡ポリスチレン、ポリプロピレン、その他のオレフィン又はその他の多孔質材料などの多孔質材料が、それぞれの個々のビーズがポリマー混合物で湿潤されるように調節された条件下でガス発生性ポリマー前駆体と完全に混合された時、ポリマー反応が起こり、全体が密閉型に閉じ込められた時、液体ポリマーは、重合化学反応により発生したガスによりできた表面の割れ目及び空隙を通って、ビーズの内部構造に押し込められて、糸状又は枝分かれしたフィラメント風に形成することができる。場合により、追加量のポリマーを多孔質材料に押し込むために、追加の圧力を適用することができ、これによってより強い、しかも幾らか密度の高い材料を生み出すことができる。冷却され、硬化された時、微視的フィラメント又はその他の突起物が硬化し、硬質となり、一方それぞれのビーズの外側に残るポリマーは、ほぼ均一なマトリックス内に成形された構造を緊密に保持するように作用する。多孔質材料及びポリマーの選択に応じて、ある種のフィラメント又はその他の突起物が、球状発泡ポリスチレンビーズ内で結合することができるが、その他のものは結合しない。多孔質ビーズを含有するポリマーマトリックスの断面が、図3に概略示される。ビーズは、ポリマーマトリックスのフィラメント又はその他の突起物が侵入する部分、並びに硬化時に発生するガスを吸収する多孔質領域を含む。如何なる特別な理論にも束縛されることを望まないが、(例えば、重合の排ガスに起因した又は外因的に加えられた制御された液圧、及び/又は毛細管圧又はその他の圧力により)形成されたフィラメント又はその他の突起物が、従来の材料に比較した時、発明の材料の優れた強度及びその他の特性に役立っていると考えられる。このようにして、全ポリマーに対する発泡ポリオレフィン(例えば、ポリスチレン、ポリエチレンなど)の比率の変更は、同一密度を有する従来の発泡ポリマーに比較してかなり重くかつ著しく強い材料に対して、分布範囲の一端で、強くかつ非常に強い一連の材料の製造に用いることができる。
【0060】
ポリマーマトリックス(1)内に大きいビーズ(10)を組み込んだ本発明に関する典型的材料が、図4に概略示される。ポリマーマトリックス(1)内に小さいビーズ(11)を組み込んだ本発明に関する典型的材料が、図5に概略示される。ポリマーマトリックス(1)内に大きいビーズ(10)及び小さいビーズ(11)の混合物を組み込んだ本発明に関する典型的材料が、図6に概略示される。
【0061】
本発明の実施で用いようとする重合性成分は、その重合時にガスを発生するポリマー系、又は硬化時に1種又はそれ以上の発泡剤で処理することができるポリマー系、並びにその他のポリマー系を含む。このような系は、例えばそれらの粘度の点で、多くの方法を更に特徴とすることができる。本発明で用いようとする適切な重合性成分は、概して、約200から約50,000センチポアズまでの範囲の25℃粘度をもち、約400から約20,000センチポアズまでの範囲の粘度が目下のところ好ましく、約800から約10,000センチポアズまでの範囲の粘度が特に好ましい。
【0062】
当業者が容易に認めるように、本発明の実施で用いるに適した、業界で知られた多くのポリマー系がある。例えば、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどを用いることができる。本発明で用いようとする典型的ポリマーは、ポリエチレン、ポリビニル樹脂、ポリプロピレン(高密度及び低密度)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)コポリマー、ポリウレタンなど、並びに任意のそれらの2種以上の組み合わせを含み、それぞれは特殊な予備硬化及び後硬化の物理的特性を備えている。
【0063】
本発明の1つの実施形態では、ポリマー成分の組み合わせを、多孔質材料をコーテイングし、ポリマーマトリックスを形成するために用いることができる。このように、1つの観点では、第一のポリマーを、多孔質材料をコーテイングするために用いることができ(しばしば低粘度材料が多孔質材料に対して良好な湿潤性をもち、それにより多孔質材料のコーテイング及びそれらの気孔への侵入を促進する)、その後、コートされた粒子を第二のポリマーと更に接触させ、この第二のポリマーは、硬化時に、実質的に完成品のマトリックスを形成することができる。第一及び第二のポリマー材料が適切に選ばれるならば、各ポリマー系の硬化時に、2つのポリマー系は、相互に反応して得られた物品の特性を更に高めるであろう。別の観点では、上で言う2つの異なるポリマーの機能特性を、単一のグラフトコポリマーに組み合わせることが可能であり、グラフトコポリマーの一部が多孔質材料に対して顕著な親和性をもち、グラフトコポリマーの残部が硬化時に強いマトリックスを形成するようになるであろう。
【0064】
或る硬化工程は発熱性であり、或るものは吸熱性である。本発明の実施で用いようとする目下のところ好ましいポリマー系は、穏やかに又は適度に発熱性であり、それ故、本発明の材料の製造には、ほんの僅かな加熱及び冷却が必要となる。適度に発熱性の系は、本発明に従う材料の製造に特に好都合であり、この系は反応を推進するために加熱することを必要とせず、かつ発明の構造材料及びその他の複合材料の気孔成分、又は可能性がある添加剤などの本発明に用いようとする多くの材料を溶融する程の熱を発生しない。本発明の目下のところ好ましい観点では、軽量、高強度な材料が、製造時に外部から加熱又は冷却を行うことなく容易にかつコスト効率良く製造できる。しかし、或る用途のために及び速い繰り返し時間が望まれる場合に、この業界で知られているように、処理を容易にするために外因的加熱及び/又は冷却を加えることが可能である。
【0065】
ある種のポリマー系は硬化工程の一部としてガスを発生し、一方ある種のポリマー系は外部発泡剤の添加を必要とし、異なる物理的特性をもった多様な発泡剤がある(例えば、ペンタン、シクロペンタン、二酸化炭素、窒素など)。当業者が理解するように、発泡剤は外部から導入することができ、又は発明の材料を製造する時に、インシチューで発生させることができる(例えば、ガスを吸収含有可能な多孔質材料を圧縮することにより)。上記の系の重合は、多様な温度で、時には100℃超の温度で起こることがあり、このような工程は、時には高められた圧力で、例えば数バールに及ぶ圧力で行われることがある。本明細書で議論するように、発明の構造材料及びその他の複合材料の製造時に、圧力増加は、材料の構成要素を凝集させるために、かつ余分のポリマーマトリックスを多孔質材料の内部に押し仕込むために用いられ、それぞれは得られた製品を強化するために役立つ。加える圧力の量は、多孔質材料へポリマーを侵入させるために十分であり、多孔質材料の実質的部分を崩壊させるほど大きくないことが好ましい。本発明で用いようとする多くのガス発生性ポリマー系の観点で、本明細書では、本発明の或る実施形態で、ポリウレタン以外のガス発生性ポリマー系を用いることを意図している。これとは別に、グラフトコポリマー系を用いることができ、グラフトコポリマーの一部が多孔質材料内に優先的に配置され、グラフトコポリマーの別の部分が多孔質材料の外側に優先的に配置され、かつ2つのコポリマー成分の結合(直接又は結合子分子を介して)が多孔質材料のコアになり、このコアはポリマーマトリックスに実質的に封入され、かつポリマーマトリックスがコアに侵入し、その結果として比較的低重量、高強度かつ構造的完全性である構造材料及びその他の複合材料をもたらす。
【0066】
好ましくは、本発明の実施に用いられる重合成分は、少なくとも約50℃の温度に対して安定である。これは、このような材料の取り扱いを容易にし、早期硬化が起きることを最小にする。加えて、本発明の実施に用いられる重合性成分が、光、大気、酸素、水などへの暴露に安定であることがしばしば望まれ、これがそれらの安定性及び/又は反応性に影響を及ぼす。
【0067】
当業者が容易に認めるように、多孔質材料と重合性の系の多くの組み合わせが、本発明の実施に用いることができる。適切な組み合わせを選択する場合には、2成分間の接触角、多孔質材料に対する重合性系の表面張力、多孔質材料の気孔寸法、多孔質材料の気孔の毛細管半径、選択された組み合わせの処理時に加えられる圧力などの考察を参照して、2成分間の親和性を考慮しなければならない。当業者が理解するように、このような観点の変更は、本明細書に記載されるように、多孔質材料の「湿潤性」を変更すること並びに多孔質材料へのポリマーの相対的侵入度を変更すること(及びそれにより得られた複合物の強度を潜在的に高める)でよく行われる。種々の特殊な用途に対して最適化された特性を有する種々の異なる材料を容易に製造する能力が、この手法の顕著な利点を提供する。
【0068】
本発明に従い目下のところ好ましい方法は、例えばジイソシアネートに基づくガス発生性ポリマー系を用い、ポリウレタンマトリックスを製造することである。ジイソシアネートの硬化は、簡単である、ほぼ室温で起きる、それ自体のガス(即ち、二酸化炭素)を発生するという利点をもち、かつ反応体、イソシアネート及びポリオールの重合時に適度な加熱をすればよい。上で議論したように、硬化時に発生したガスは、多孔質材料により実質的に吸収可能である。
【0069】
目下のところ好ましいウレタンマトリックスに基づく発明の配合物の利点の中には、これらの配合物が、多くの従来のガス発生性配合物と異なり、硬化時に揮発性有機化合物(VOCs)を実質的に放出しないという事実がある。
【0070】
本発明の実施に用いるための現状で好ましいガス発生性重合性成分は、ポリウレタン、置換ポリウレタンなど、並びにそれらの任意の2種以上の混合物を含む。業界でよく知られているように、ポリウレタンは、硬質発泡体、可撓性発泡体、固体、接着剤などを含む種々の形で製造することができる。
【0071】
当業者が容易に認めるように、本発明の実施に有用なポリウレタンを製造するために、幅広い多様なジイソシアネート及びポリオール出発材料を用いることができる。例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ジュレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの、幅広く多様な芳香族ジイソシアネートが使用できる。
【0072】
同様に、幅広い多様なポリオール出発材料が、本発明に従うポリウレタンの製造用として適切であり、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解セルロースアセテートなどを含む。難燃化剤を多孔質材料に(例えば、樹脂と混合する前に)添加することができ、この難燃化剤は、本発明に従う重合時又は重合後に組み込まれてもよい。
【0073】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする難燃化剤は、例えば、ブチル化トリフェニルホスフェートなどの炎の伝播を遅延させる任意の化合物を含む。
【0074】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする流動改良剤は、配合物の粘度を低減し及び/又は流動特性を改良する任意の化合物、例えば、2,2−ジメチル−1−(メチルエチル)−1,3−プロパンジイルビス(2−メチルプロパノエート)などを含む。
【0075】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする可塑剤(柔軟剤とも呼ぶ)は、配合物の脆さを低減させる化合物を含み、例えば、配合物のガラス転位点(Tg)を下げる枝分かれポリアルカン又はポリシロキサンなどである。このような可塑剤は、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリチオール、ポリサルファイドなどを含む。可塑剤を用いる時には、可塑剤は、典型的には、配合物の約0.5重量%から約30重量%までの範囲で存在する。
【0076】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする硬化遅延剤(セルサイズ調節剤又は失活剤としても知られる)は、低反応性のラジカルを生成する化合物を含み、例えば、シリコーン系活性剤(一般的に)などがある。
【0077】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする硬化促進剤は、ベースポリマー系の硬化速度を高める化合物を含み、例えば、触媒的に活性な材料、水などがある。
【0078】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする強度改良剤は、それらが添加されるポリマー材料の性能特性を向上させる化合物を含み、例えば、架橋剤などがある。
【0079】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとするUV保護剤は、起こり易い紫外光(UV)輻射線を吸収し、それによって保護剤が添加される樹脂又はポリマー系へ及ぼす紫外線暴露の負の影響を低減する化合物を含む。典型的なUV保護剤は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ケイ素、粉末金属化合物などを含む。
【0080】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする染料は、ニグロシン、オラゾールブルーGN、フタロシアニンなどを含む。染料を用いる場合、比較的少量(即ち、約0.2重量%未満)の有機染料がコントラストを与える。
【0081】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする顔料は、例えば、カーボンブラック、金属酸化物(例えば、Fe2O3、酸化チタン)などの、配合物を着色するだけの目的で添加される任意の微粒子状材料を含む。顔料が存在する時、顔料は、基本配合に基づいて概して約0.5重量%から約5重量%までの範囲で存在する。
【0082】
又、充填剤が、本発明の幾つかの実施形態で用いることを意図される。充填剤は、1つ又はそれ以上の下記の特性を向上させるために、発明の配合物に導入することができる:圧縮強度、せん断強度、たわみ性、内部抵抗性(例えば、保持釘、ネジなどに有用)、耐摩耗性、衝撃強度、耐火性、耐腐食性、密度増加、密度低下など。本発明の幾つかの実施形態に用いようとする充填剤は、金属、鉱物、天然繊維、合成繊維などを含む。任意選択で、このような充填剤は、伝導性(電気的及び/又は熱的に)であることができる。本発明の幾つかの実施形態に用いようとする導電性充填剤は、例えば、遷移金属(銀、ニッケル、金、コバルト、銅など)、アルミニウム、銀被覆グラファイト、ニッケル被覆グラファイト、このような金属の合金など、並びに、グラファイト、導電性ポリマーなどの非金属など、それらの任意の2種以上の混合物を含む。粉末及びフレーク形態の充填剤が、本発明の組成物に用いることができる。好ましくは、このフレークは、約2ミクロン以下の厚みで、約20から約25ミクロンの平面寸法をもつ。本発明で用いるフレークは、約0.15から5.0m2/gの表面積、及び約0.4から約5.5g/ccのタップ密度をもつことが好ましい。幾つかの実施形態では、異なる寸法、表面積、及びタップ密度のフレークが、望まれて用いることができる。本発明の実施に用いる粉末は、約0.5から15ミクロンの直径をもつことが目下のところ好ましい。充填剤が存在するならば、この充填剤は、概して配合物の約5容量%から約95容量%までの範囲、好ましくは配合物の10、15、20又は25容量%から約90容量%の範囲、最も好ましくは配合物の約30、35、40、45、50、55容量%から約60、65、70、75、80又は85容量%の範囲で含まれる。
【0083】
本発明の幾つかの実施形態に用いようとする熱伝導性充填剤は、例えば、窒化アルミニウム、窒化ボロン、炭化ケイ素、ダイアモンド、グラフィト、酸化ベリリウム、マグネシア、シリカ、アルミナなどを含む。好ましくは、これらの充填剤の粒子径は、約0.1から約100ミクロンまでの範囲、好ましくは約0.5から約10ミクロンの範囲、及び最も好ましくは約1ミクロンである。しかし、幾つかの実施例では、より大きい又はより小さい粒子径を用いることができる。充填剤として窒化アルミニウムを用いる場合には、窒化アルミニウムが被着剤、適応したコーテイング(例えば、シリカなど)により不動態化されることが好ましい。
【0084】
任意選択で、電気導体でない又は熱伝導体でもない充填剤が使用できる。このような充填剤は、例えば、原材料の減少した熱膨張性、減少した誘電率、改良した靭性、増加した疎水性などの別の特性を、発明の配合物に与えるために望ましいことがある。このような充填剤の例は、例えば、パーフロロ化炭化水素ポリマー、熱可塑性ポリマー(例えばポリプロピレン)、熱可塑性エラストマー、ポリ−パラフェニレンテレフタルイミド、ガラス繊維、グラファイトパイル、グラファイト繊維、ナイロン、レーヨン、リサイクルポリマー、リサイクル固形材料、固形スクラップ、固形ポリマー材料、スクラップ金属、再粉砕チップ、フレーク状チップ、粉末紙、粉砕ゴム、粉砕ガラス、中空ポリマービーズ、中実ポリマービーズ、中空ガラスビーズ、中実ガラスビーズ、スクラップガラス、リサイクル組成シングル(shingle)、リサイクルアスファルト、リサイクル屋根材、リサイクルコンクリート、リサイクルタイヤ、リサイクルカーボン、並びに多様なその他の産業利用後の又は消費者利用後のプラスチック及びその他の材料などの人工の材料を含む。また、充填剤は、例えば、雲母、ヒュームドシリカ、溶融石英、砂、おがくず、砂利、石団粒、綿、麻繊維、籾殻、ココヤシ包皮繊維、海老胴体、竹繊維、紙、ポップコーン、ポップコーン塊、骨、種、裁断藁繊維(例えば、米、小麦、大麦からの)など、並びに、それらの任意の2種以上の混合物などの自然発生的材料を含むことができる。充填剤は、多孔質又は相対的に非孔質であってもよい。多孔質充填剤の場合、発明の材料のポリマーマトリックスは、充填剤内中に伸びてもよく、かつ充填剤周辺に伸びてもよく、それにより発明の材料に可能性として更なる強度を与える。
【0085】
しばしば本明細書でペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料及びその他の複合材料という発明の構造材料及びその他の複合材料は、約8,000psiから約10,000psi以上までの範囲である優れた圧縮弾性率をもつように(所望により)作ることができる。所望される用途に応じて、2,000、4,000、8,000、10,000、20,000、40,000、100,000超、又はそれより高い圧縮弾性率をもつ本発明の材料を製造できる。発明の材料の優れた圧縮強度に加えて、これらの材料は、破壊するまでに、400、1,000、4,000、8,000、12,000超、又はより高い圧縮圧力に耐えることができる。事実、発明の材料の硬化後、発明の物品を高められた圧縮圧力へ暴露する(破壊されることなく)ことにより、改良された強度を有する物品を製造することができる。
【0086】
また、発明の構造材料及びその他の複合材料は、例えば、試料の曲げ弾性率により測定されるように、優れた回復力をもつ。このような材料は、以下に詳細に説明するように、多様な特殊用途で有用である。典型的には、発明の材料は、約10,000psiから約14,000psiまで又はそれより高い範囲の曲げ弾性率をもつ。同等な高い曲げ弾性率の材料が、適切な充填剤の使用により得ることができる。例えば、若し幾つかの用途に対して望むならば、リサイクル材料から得られる可撓性プラスチック又はゴムなどの可撓性材料、及びその他の可撓性材料を組み込むことにより、可撓性を改良できる。
【0087】
発明の材料により提供できる更なる望ましい特性は、優れた絶縁特性、耐水性特性、エネルギー吸収特性(場合により優れた記憶効果をもち、発明の材料が、衝撃後に、実質的に原形に戻る)、モールドレジスタンス、レーダー吸収性などを含む。
【0088】
優れた強度が、得られた構造材料の望ましい特徴となる、本発明の実施形態において、発泡時に形成されたポリマーマトリックスの空隙が、より少なく、より小さいことが好ましい。このような実施形態にとって、ポリマーの硬化時に発生したガスの大部分、及び好ましくは少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95、98%又はそれ以上、好ましくは実質的に全てガスが多孔質材料により吸収され、かつ相当量のポリマー材料が多孔質材料の本体に押し込まれることが好ましい。多孔質材料により占められる部分を除いて、得られたポリマーマトリックスが、比較的固いことが好ましく、ポリマーのフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料の本体内に伸びている。如何なる特別な理論に束縛されることを望まないが、比較的固いポリマーマトリックスと多孔質材料の本体内に伸びているポリマーフィラメント又はその他の突起物との組み合わせが、強度、曲げ弾性率及び圧縮を含む、発明の材料の非常に優れた特性に役立っていると考えられる。一方、強度を減少できるような幾つかの実施形態において、比較的固いポリマーマトリックスが一般的に好ましいが、より軽量の材料をより低コストで作り出すことができるので、空隙を有する材料が容認でき、或いは望まれることさえある。
【0089】
より広い範囲の潜在的用途に適したより大きい構造的完全性を有する構造材料及びその他の複合材料を製造するために、1種又は複数の補強構造部材を発明の材料に組み込むことができる。典型的補強材料は、天然繊維、合成繊維、シリカ系材料、又はその他の構造部材、並びにそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。このような補強材料は、任意の寸法、形状、長さなどを持つことができる。当業者は、材料の意図される最終用途に応じて、任意の添加される補強材料の適切な寸法を容易に決めることができる。
【0090】
発明の材料に1種又は複数の補強材料を混入させることに対する代替として、又はそのような混入に加えて、発明の材料に1種又は複数の表面仕上げ材を加えることができ、任意選択で適切な接着材料、接着促進剤、又は必要であればタイコート(tie coat)を用いる。広く多様な表面仕上げ材がこの目的に適しており、例えば、金属、ポリマー、布、植物性繊維又はその他の天然繊維、合成繊維、ガラス、セラミック、伸展金網及びスクリーンなど、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせを含む表面仕上げ材などがある。本発明に用いようとする別の表面仕上げ材は、自然発生の材料(例えば、羊毛など)、合成のシート材料(例えば、アクリル系材料など)、天然又は合成の織布(例えば、ケブラーウイーブ)などを含む。図7では、本発明の材料の1面に接合されるように図示したに過ぎないが、表面仕上げ材は、発明の材料の複数の面に接合可能である(例えば、発明の材料の上面及び底面が、適用された表面仕上げ材を含むことでき、発明の材料の全面が、適用された表面仕上げ材を含むことができ、かつその他の変更は当業者に明らかであろう)。このような表面仕上げ材は、連続した表面、多孔質表面、化学的にエッチング可能な表面、化学的にエッチングされた表面、物理的に粗面化可能な表面、物理的に粗面化された表面など、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせの形である。
長い竹材を発明の材料で満たし、例えば建築材料、足場材料用に適した強い構造部材を生み出す。本発明の観点で使用を意図した適切な接着材料は、エポキシ、ポリエステル、アクリル、ウレタン、ゴム、シアノアクリレートなど、並びにそれらの任意の2種以上の組み合わせを含む。
【0091】
多くの従来の構造材料及びその他の複合材料、特にガス発生性配合物を用いて製造したこれらの材料とは異なり、発明の構造材料及びその他の複合材料が、実質的に排ガスを放出しないという事実が、発明の材料の利点の一つである。
【0092】
本発明の別な実施形態に従えば、少なくとも約8,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を有する構造材料及びその他の複合材料の製造方法が提供され、その方法は、
多孔質材料をガス発生性重合性成分と組み合わせることと、
得られた組み合わせ物を重合性成分の重合に好適な条件にさらすことを含む。実質的に密閉された又は加圧された系を用いた重合プロセスで、実質的に全ての発生ガスが多孔質材料に吸収され、ポリマー材料の一部が多孔質材料の本体に押し込まれてもよい。
【0093】
本発明の方法で意図された組み合わせは、種々の手段で実施できる。例えば、ガス発生性重合性成分及び多孔質材料(及び特殊な用途のために意図された添加成分)を混合した後、ガス発生性重合性成分を硬化させることができる。本発明の一実施形態では、混合物を型に導入し、型を閉じ、ガス発生性重合性成分を硬化させる。本発明の別の実施形態では、混合物を密閉空間に導入し、出発成分の原体積より小さい体積に圧縮する。別法として、混合物を開放系で調製することができ、又は噴霧するか、さもなければ表面に塗布できる。更なる強度が望まれる場合、発生ガスが多孔質材料に実質的に吸収され、かつポリマーの一部が多孔質材料の本体に押し込まれるように、混合物を加圧下で硬化させてもよい。
【0094】
発明の配合物を、それらの体積を減少させる圧力にさらす時には、広範囲の圧力を用いることが可能であり、典型的には約1から約10psiの範囲の圧力が可能であり、所望によっては、より高い圧力を適用して比較的高強度な複合物を製造できる。別法として、複雑になるかもしれない圧力に関係なく、硬化物品が出発材料の体積に比較して減少した体積になるように、発明の配合物を閉じ込められた空間で硬化できる。約5〜10%、から20〜40、40〜60、60〜80、80〜90%又はそれより高い範囲の体積減少が、本発明の実施で意図される。
【0095】
本発明の別の実施形態では、特定の形状を達成するために型の中で発明の物品を製造するよりはむしろ、標準化された「建築用ブロック」構造部材を製造した後、所望の形状の物品に組み合わせることができる。これが可能になる理由は、発明の材料が、例えばウレタン、エポキシなどの標準的接着材料を用いて容易に相互に接着できるからである。
【0096】
好ましくは、重合性成分(発泡性重合性成分など)がマルチ成分(例えば、2成分)系から調製される場合、先ず多孔質材料が重合性成分の1種とだけ混合され、その後第二の成分が反応装置に導入される。先ず、多孔質材料を2成分系の粘性が高い成分と混合することが一般的に好ましい。例えば、多孔質材料の表面を、重合性成分の前駆体で実質的に完全にコーテイングできる。別法として、多孔質材料の表面を、重合性成分の前駆体で部分的にコーテイングすることができる。
【0097】
代わって、発明の物品は、一成分モノマー(例えば、ポリウレタン)から製造することができ、その際、ポリマーの全成分が多孔質材料と組み合わされ、これに水を添加することによりポリマーの硬化が始まる。ブロックコポリマーなどのコポリマーを用いることができ、この場合、マトリックスは、2種以上の異なる官能性ポリマー基、及び/又は上記のように多孔質材料への侵入を容易にするように設計されたコポリマー系などのグラフトコポリマーを組み込むように設計することができる。
【0098】
表面仕上げ材及び/又はコーテイング材を型に導入した後、反応混合物を導入することにより、表面仕上げ材又はコーテイング材を発明の物品に適用できる。完全補強材料を製造するように、型に補強材料(金属金網、セラミック又はシリカ系材料、織物又はその他の布、ゴムなど)を加えることも本発明の範囲である。表面材料を物品に付着させている本発明に従う物品例の概略図が図7に示される。
【0099】
発明の材料に応用を意図する表面仕上げ材料は、自然に発生する材料(例えば、木材、竹、又はその他の植物から誘導される繊維など)、合成シート材料(例えば、アクリルシート材料など)、天然織布材料(例えば、綿又は麻など)、合成織布材料(例えば、ケブラー織布、炭素、グラファイト、ガラス繊維などの種々の合成繊維織布など)を含む。当業者が容易に理解するように、表面仕上げ材料は、発明の材料の一面又は複数の面に接合できる(例えば、発明の材料の上面及び底面が適用された表面仕上げ材を含むことができ、発明の材料の全面が適用された表面仕上げ材を含むことができ、かつその他の変更は当業者に明らかであろう)。
【0100】
当業者が容易に理解するように、広く多様なコーテイングが、発明の材料に塗布できる。発明の材料に塗布しようとするコーテイング材料は、ポルトランドセメント(典型的には水のスラリーとして、又はシリカ系材料と共に塗布して、処理製品に難燃性を与える)、石膏、ゲルコート、クリアーコート、カラー層、非粘着性コーテイング、耐スリップコーテイング、接着剤、耐擦過性コーテイング、金属粉コーテイングなどを含む。図8は、塗布したコーテイング材料を備えた発明の材料の概略説明図である。ある種のコーテイング材料にとって、発明の物品に接着するためにコーテイング能力を向上することは有利である。これは、例えば、このような物品表面を物理的及び/又は化学的にエッチングするなどの種々の方法で達成できる。本明細書で説明したように、コーテイングが適用される物品の表面積を増すことができ、それによって、処理される物品に接着されるコーテイング材料の能力を向上させる。
【0101】
表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料が、発明の材料に適用される場合、表面仕上げ材及び/又はコーテイングが適用される本発明の材料の表面が、物理的及び/又は化学的に粗面化処理されて、基体の気孔率を高め、かつ表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料の基体への接着力を向上させる。例えば、発明の材料は、サンドブラスト及び/又は化学的エッチング又は粗面化されて、それらの表皮層を摩耗粗面化させ、発明の材料が、表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料の適用を受けやすくする。本発明の幾つかの実施形態において、表面仕上げ材料及び/又はコーテイング材料を支持体のいずれかの面に適用することができる。このような構造が図9に概略示される。
【0102】
当業者は、本発明で用いるガス発生性又はその他の重合性成分の重合に適した条件を容易に決めることができる。概して、このような条件は、一般的に室温又はその周辺温度で、多孔質材料とガス発生性又はその他の重合性成分の前駆体との組み合わせに重合剤を添加することを含む。本発明の方法では加熱及び冷却の要求が最小限であるから、この方法は、例えば、配合物に重合剤を導入直後に、多孔質材料、ガス発生性又はその他の重合性成分の前駆体及び重合剤を含む装置を振動させることにより、容易に完了できる。
【0103】
本発明の幾つかの実施形態に従えば、用いる多孔質材料の約25、30、35、40、45、50重量%まで又はそれ以上が、上記のようなリサイクル(粉砕)構造材料を含むことができる。当業者が容易に理解するように、リサイクルされる材料及びそれによって意図される最終用途に応じて、より多くの量のリサイクルされた発明の材料でも用いることができる。
【0104】
本発明の別の観点に従えば、上記の方法に従って製造された物品が提供される。
【0105】
本発明の別の観点に従えば、発明の材料から製造された物品が提供される。このような物品は、限定された形状、優れた圧縮強度及び弾性率、所望により、高い曲げ弾性率をもつことができる。このような物品は、全体にわたり実質的に均一に分散された多孔質材料を含有する可撓性又は硬質ポリマーマトリックスを含むことができる。発明の物品は、それらを広く多様な用途に適するようにした優れた性能特性を備える。発明の材料の特に有用な用途は、それらから製造された構造物が地震活動に曝されるリスクを負う用途である。発明の材料が、このような高い強度及びその他の望ましい特性(優れた構造弾性及び記憶性)、及び比較的低い重量を有するので、若しそれらから製造された構造物が地震荷重に曝された時に、非常に低い運動量が発生する。したがって、発明の材料は、多様な建築用途に対して特に望ましい特性を有する。
【0106】
発明の物品を使用できる広く多様な用途例のリストを本明細書に開示するが、用途の全てを網羅したものではない。発明の物品は、下記の用途の任意のものに役立つように相応しく成形できる:
航空機/航空宇宙/防衛/発電(例えば、航空機部品、遠隔操縦飛行機部品、巡航ミサイル、太陽発電航空機、防熱装置、ロケットモーターケーシング、アクセサリー、軍用無人機、キット飛行機、超軽量飛行機、航空警備/ステルス部品、軽量/強化ドアー、航空機備品、パネル、自国保安構造保護システム、風力発電プロペラ及び翼、水力発電ホイール又は翼、タービン、太陽発電用支持構造物、船底翼効果舟艇(wing−in−ground−effect craft)、レーダー吸収材料、航空機エンジン導風板、航空機プロペラ翼、航空機フラップ、航空機方向舵、航空機胴体、航空機補助翼、水上機フロート、ハンググライダ、ロケットモーター燃料タンク用断熱材など)、
農業(例えば、植物保護装置及び種まき機、家畜給餌機、電気フェンス支柱、追込畜舎など)、
造園/芝生/庭園/ペット/園芸/温室(例えば、ドッグハウス、給餌及び給水皿、シェルター及び天蓋、犬小屋、睡眠マット、動物運搬籠、犬猫ベッド、猫用爪とぎ、プラスッチク備品(例えば、芝生、ポーチ、庭園、中庭など)、装飾芸術パネル及びスクリーン、装飾スタンプ及び額縁、防雪柵、フラワーボックス、ポット、チューブ、花瓶、芝生及び庭園噴水、庭園装飾、壷など)、
電子製品(例えば、通信アンテナ、ケーブルリール、ケーブルトレー、バッテリボックス、バッテリ貯蔵棚、太陽電池、セルラーアンテナ、電気配線軌道など)、
家庭器具(例えば、冷蔵庫、食器洗浄機、レンジ、電子レンジ、洗濯機、乾燥機などの家庭電化製品、並びに、テレビジョン、コンピュータ、CRT、ビジネスマシーン、電子レンジ、食器洗浄機、洗濯機及び乾燥機、コンパクター、フリーザー、冷蔵庫、空調機、脱湿機、可搬ヒーターなどの種々の製品の格納庫)、
冷蔵(例えば、低温貯蔵庫、シャンパンバケット、アイスペール、飲料保冷容器、冷却機露受、立入り形冷凍庫、冷蔵鉄道貨車、氷タンク、冷蔵トレーラー、冷蔵断熱など)、
事務用備品及び電子部品(例えば、複写機、コンピュータ、コンピュータ部品、テレビジョン部品、電話機、家庭電化製品成形品及び外箱、電子治工具、電子外箱及び棚など)、
建物及び建築用品(カビ、シロアリ被害に耐性の材料から利益を受けることができる任意の用途、例えば、水泳用プール、水泳用プール覆い、ホットタブ、ホットタブ覆い、冷却塔、タブ及びシャワーユニットなど、橋床、橋、陸橋構造物、地震補強構造物、道路標識、高速道路エネルギー吸収防護壁及び吸音側壁、防音構造パネル、個人住宅建築、市販の建造物建築用パネル、建築小部品及びファサード(facade)、音減衰防護壁、防音材、防水材料、コンクリート型枠及び型、製造型枠及び型、構造枠組システム、杭材、サンドイッチ部品、道路誘導標識、組立住宅、組立事務所、道路衝撃吸収防護壁、レーストラック衝撃吸収防護壁、屋根材料、床材料、羽目板、ドアー積層板、木工積層板、枠組壁工法構造用製材及びパネル、災害及び軍事用仮居住シェルター、衛生施設排水処理建造物及びタンク、病院及び手術室、クリーンルーム及び実験室、汚染除去建造物、浴場、冷蔵貯蔵庫、キッチン、食堂、事務所、倉庫、作業所及び車両整備建物、コンピュータ管理室、什器、テーブル、ドアー、飛行機格納庫、担架、棺、ベッド、厨芥缶、断熱飲料水缶、断熱生鮮食料品容器、暖房及び空調装置用断熱管路、住宅の現場組立及び建築、収容施設、事務所、仮宿舎、建設用建築ブロック及びレンガ、極地構造物、発泡ポリスチレンフォーム製住宅用の内部構造充填材、下地タイル張りランデイング表面用グリーンボード代替物、カウンター天板、テーブル天板、デスク天板、作業台表面、飾り板、サッシ、シャッター、羽目板、せき板、建築用成形品及び装飾成形品、ドアー、ドアーフレーム、窓枠、防音及び構造用引戸板、土留擁壁、軽量可搬式歩み板及び作業用橋梁、敷板、ガードレール、フェンス、門、畜舎、車庫、天幕、重装備用泥水マット、クレーン外囲い用マット、自動車及び歩行者用防護壁、セーフテイコーン、ガードレール及び支柱、警告及び安全標識、タクシー及びバス営業所シェルター、農舎及び貯蔵倉庫、可搬式建物、プレハブ構造物、事前設計製作された建物及び構造物、小屋、天蓋、壁板、可搬式クラスルーム、クリーンルーム、囲いぜき、セメント及びコンクリート配置用建築型枠、建築業者用混合パン、枠組壁工法複合構造用製材、種々のタイプのせき板、設計製作された製材及び梁、押出せき板及び形材、注型暖炉前飾り、屋根及び床組桁、防音ドアー、断熱屋根システム、積層ベニヤ薄板、サンドイッチハニカム板、遮音壁、歩道橋、ガレージドアー、屋根板、屋根葺板、道路、足場システム、足場板、サウナ建築物及び浴室、ドアー外板、仮歩道板、床下地、飾り棚など)、
工業製品(例えば、保管庫、防弾外囲構造及びシステム及びトラップ、天蓋、仮設食堂、ローデイングブーム(laoding boom)、樋、注ぎ口、ガスケット、チューブ、照明装置、天井ファン翼、空気吸出口、洗濯籠、ファン収納箱、ホイール、羽根、マンホール及び覆い、消火ホース格納庫、安全覆い、パレット梱包、郵便受け、パレット(再利用及び/又はリサイクル)、パレットボックス、オーバーヘッドドアー、駐車防壁、駐車縁石、間仕切り、シート及びベンチ、棚、弾道遮蔽板、シャワー及び浴室仕切り、リール及びストール、トレー、など)、
工業用ライナー(例えば、バルクコンテナーライナー及びシステム、貨車ライナー、クロゼットライナー、あらゆる種類のコーテイング、ドラムライナー、フード、用水路ライニング、騒音制御外囲構造など)
什器(例えば、飾り付け家具構造物、ベンチ、野外席、シート、椅子、ストール、折り畳みカードテーブル、テーブル、事務室間仕切りなど)、
消費者及び工業用梱包製品(例えば、塵芥容器及び運搬箱、食品保存容器、超軽量航空貨物容器、再利用箱及び輸送コンテナー、枠組木箱、地下貯蔵室、霊廟、リサイクル梱包、梱包及び輸送コンテナー、墓地地下納骨室、カートン、保護容器、大砲、弾倉箱及び弾薬箱、キャスク及びバレル、組立式ボックス及び輸送枠組み木箱、外洋輸送コンテナー、波型プラスチックコンテナー及び梱包用品、外注成形プラスチックボックス及び格納箱、ドラム、卵カートン及びケース、機器ケース、折畳箱、カートン、厨芥缶、穀物貯蔵箱、小売店装備、棚、成形ケース及びボックス、カウンター天板、什器など)、
標示板及び製品デイスプレー(例えば、掲示板、消去可能ボード、可変型外幕板、クリップボード、デイスプレーボード、ボックス、戸棚、ケース、備品、パネル、ラック及びスタンド、テーブル、トレー、軽量ボックス、額縁、軍事目標(陸上、海上、空中)、屋外広告標示板、舞台装置及び支柱、展示会ブース及びデイスプレーなど)、
娯楽用品(例えば、スポーツ用品、ゴルフクラブ、キャンピングカー、エクササイズ用品、スノーボード、サーフボード、ブギボード(boogie board)、ゴルフカート、ボウリング用品、通い箱、自動二輪車用ヘルメット、自転車ヘルメット、その他のスポーツヘルメット、肘及び膝プロテクター、グローブ、シューズ及びブーツを含む運動用及び非運動用履物、スキー、スケートボート、キャンピングトレーラー、ライフル、ショットガン、リボルバー銃床、前腕、偽構築物、雪上靴、乗馬用サドル、雪ぞりなど)、
子供玩具/屋外玩具(例えば、城、遊戯建物、ブランコの腰掛、滑り台、サンドボックス、玩具タンス及びボックス、積み木、アルファベット玩具、乗客安全シート及び束縛、幼児用高椅子などの備品、椅子、サークルベッド、デスク、ベッド、サンドボックス、テーブル、乗り物玩具及び乗り物、ワゴン、ブランコの腰掛、スプリング付き騎乗動物、ホビーホース、ロッキングホースなど)、
耐食性装置(例えば、公害防止装置、排水処理製品、管具、地上・地下貯蔵タンク、ポンプ、コンテナー、化学処理に用いられる種々の装置、パルプ/紙処理及びオイル/ガス産業、オイル及びガス回収装置、発電ホイールなど)、
電気/電子装置(例えば、格納容器及び回路遮断箱、柱上線ハードウエアー、電子接続及び絶縁、ロッド及びチューブ、変電所装置、電子マイクロ波部品、電気的格納装置及び照明格納装置、3Dボード、ポリエステル板ボードなど)、
船舶(例えば、ヨット、ボート、ジェットスキー、カヌー、船用ドック、個人用船艇及び係船、海軍船舶、船、競争用舟艇、商用船舶及び船舶装置及びモーター覆いを含む構成部品、ホーバークラフトで作動する水上車両、マーカーブイ、係船ブイ、機器回線、科学ブイ、天気ブイ、魚網ブイ、救命筏、ボートフェンダー、膨張式ボート用硬質船体、ドック用貯蔵ボックス、艦載小艇及び給水艇、浮上式パドル及びオール、水中スポーツ玩具、ダイブヤック(diveyak)、ウインチ台車、カニ及びロブスター捕獲標識、ハッチ覆い、組立ボートアンカー、ドックステップ、水泳踏み板フロート、乗船はしご、浮橋用舟艇、操舵コンソール、可搬式及び組立式調理室氷箱、冷蔵庫、調理室テーブル及び戸棚、魚洗浄場所、コックピットテーブル、救命用具、救命環状ブイ、帆船用硬質帆、魚用疑似餌及びルアー、階段式魚道、組立式ボート、浮き桟橋及びデッキ、ダッガボード及び帆船用方向舵、屋形船、ボート及び船体、救命ボート、帆船など)、
ドック(例えば、浮上式折畳式可搬式昇降台、複合渡り板及び材木、天蓋、覆い、シェルター、手摺、潜水浮標、個人舟艇の陸上格納のための浮上式格納ドックなど)、
輸送(例えば、自動車部品、トラック運転室、自動車運転室及び内装、リクリエーション自動車(RV)部品、農業設備、バンパー補強、側面衝撃補強、構造強化、安全設備、ボックス、輸送コンテナー、列車部品、地下鉄部品、ボックスカー、複合鉄道枕木、自動二輪車、スクーター、自動車パネル、外観装飾、警察自動車の補強、後部衝突及び火災から保護するためのプレハブ衝撃装置、前部及び後部バンパー、新規生産車両及び現存車両の裏打ち取付け品、モノコック車体設計補強、運転席設計補強及びねじれ帯設計強化、モノコック車体の硬質化、構造的完全性を失うことなく高い衝撃耐性を可能にする車、リムと接触トレッド表面間のタイヤ内側に本発明に従う補強を施した自動車タイヤ(タイヤ破壊又はパンク後に安全停止できる車、尻ふり、車線跨ぎ及びロールオーバーを防ぐ車、かつスペアタイヤの不要化)、サンバイザー、ハンドル、組立式アームレスト、ホイールカバー、踏み板、防火壁用の自動車断熱防音材、屋根、フード、ドアー、床板、搭乗者用内部運転室衝撃吸収材、支柱、ドアーパネル、屋根、ダッシュボード、フロントシート後部、座席フレーム、発明の材料で裏打ちしたリアーフェンダー内部パネル、トランクの蓋及び床、後部シート固定パネル、フレームポイントアンカーの貫通破壊及び炎上を防止しかつ車への後部衝突、側面衝撃、側面貫入から発生するエネルギーを吸収することを助けるガソリンタンク周辺、トラック及び車のバンパー、自動車及び商用、工業用装備、タクシー車体、フロアーマット、貨車、車止及びレール支材、装甲車及びトラック、カスタムトレーラー、バン、車、ダッシュボード、航空機、ボート、船、シップホール(ship hole)デッキカバー、自動車及び船舶電池ケース、ケーブルゴンドラ車、移動バンなど)、
環境/排水処理(例えば、有害物質事故のための一時的かつ可搬式二次汚染封じ込めシステム及び汚染除去物質格納システム、浮動式タンク蓋、浮動式汚水処理池覆い、組立式タンク、樋、水門、堰のゲート、角落とし、浮動式飲料水ビン、石油流出防止フェンス、汚染溜めマス及び溜め槽、汚水溜め、洗浄タンク及び覆い、シュート、冷却桶、蒸解タンク、風洞、野外組立式貯蔵タンク、魚養殖タンク、養魚池、石油汚染回収システム用浮標、処理池ライナー、埋立ライナー、石油汚染回収システム、集電板など)、
医療/健康管理(例えば、医療装置、整形外科装置のキャスト、取り付け、ケーシング、補てつ材、使い捨て副木、備品など)。
【0107】
発明の方法の現在好ましい用途、及び発明の方法から製造される物品は、建築パネル、構造補強材、防音材、防水材、天板、水泳プール、水泳プール覆い、サーフボード、温浴槽、温浴槽覆い、冷却塔、浴槽、シャワーユニット、貯蔵タンク、自動車部品、個人船艇部品などを含む。
【0108】
本発明の別の実施形態に従えば、最終用途に応じて、上記物品は、種々の手段で更に改良できる。例えば、耐火コーテイング、ノンスリップコーテイング、木材仕上げ材、アクリル層、織布仕上げ材などが、物品に適用できる(例えば図7、8及び9を参照されたい)。この物品は、予め決められた形状に形成でき、又はそれらの厚みを減少させるために、十分な圧縮エネルギーに曝してもよい。所望する形状に裁断可能であり及び/又は物品に穴あけでき、物品を粉砕して全量リサイクルでき、ペーパーがけ、平削り加工、成形、穴あけ、圧縮、溝付けなどができる。
【0109】
本発明の別の実施形態に従えば、任意の上記方法により製造された物品が提供される。
【0110】
本発明の更なる実施形態に従えば、少なくとも20,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を含む高められた特性を有する構造材料及びその他の複合材料を製造する方法が提供される。この方法は、
多孔質材料をガス発生性重合性成分と組み合わせて前重合混合物を製造すること、
前重合混合物を、ガス発生性重合性成分を重合させるために適した条件に曝して、硬化物品を製造すること、かつその後、
硬化物品を、約5〜10、10〜40、40〜80、80〜100、100〜400、400〜800、800〜1,600、1,600〜3,000、3,000〜5,000又は5,000から10,000psi又はより高い範囲の圧縮圧力に、所望する物品の物理的特性を達成するために十分な時間曝すことを含む。
【0111】
当業者は、ガス発生性重合性成分を重合させるために適した条件を容易に決めることができる。選らばれた条件は、用いた重合性成分の種類に依存する。例えば、ポリウレタン樹脂の場合、種々の成分がひとたび組み合わされると、ポリウレタンは、典型的には比較的温和な温度(およそ室温(約25℃)から約70℃までの範囲)で硬化開始するであろう。
【0112】
本発明の別の実施形態に従えば、少なくとも20,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を有する構造材料及びその他の複合材料を製造する方法が提供される。この方法は、
少なくともその一部が多孔質である粒子状材料、及び発泡性重合性成分を含む前重合混合物を、発泡性重合性成分を重合させるために適した条件に曝して、硬化物品を製造すること、かつその後、
硬化物品を、約5〜10、10〜40、40〜80、80〜100、100〜400、400〜800、800〜1,600、1,600〜3,000、3,000〜5,000又は5,000から10,000psi又はより高い範囲の圧縮圧力に、所望する物品の物理的特性を達成するために十分な時間曝すことを含む。
【0113】
本発明の別の実施形態に従えば、少なくとも20,000psiの圧縮弾性率、及び約10,000psiから約14,000psiまでの範囲の曲げ弾性率を有する構造材料及びその他の複合材料を製造する方法が提供される。この方法は、
硬化物品を、約5〜10、10〜40、40〜80、80〜100、100〜400、400〜800、800〜1,600、1,600〜3,000、3,000〜5,000又は5,000から10,000psi又はより高い範囲の圧縮圧力に、所望する物品の物理的特性を達成するために十分な時間曝すこと、
その際、少なくともその一部が多孔質である粒子状材料、及び発泡性重合性成分を含む前重合混合物を、発泡性重合性成分を重合させるために適した条件に曝すことにより硬化物品が製造されることを含む。
【0114】
本発明は、以下の実施例を参考にして一層詳細に説明されるが、この実施例に限定するものではない。
【実施例】
【0115】
(実施例1)
本発明に従って多孔質材料と混合するために幾つかのポリウレタン配合が準備された。各配合について、(各構成要素の)全成分を密閉系混合ポットに導入し、次に一定の攪拌下で、バッチサイズに応じて1から2時間混合した。硬化プロセスを実施するために加熱の必要がなかった。
(配合1(クロ/難燃性))
(配合2(白))
(配合3(自然色))
(配合4)
(配合5(1成分配合))
【0116】
(実施例2)
(性能特性)
本明細書でまとめたように、本発明の実施に有用な幾つかのポリマー系を製造し、それらの性能特性を評価した。
【0117】
実施例1に記載の配合1を用いて、2成分、硬質、水発泡したポリウレタン構造材料を製造した。この材料は、硬質又は強靭な表面を必要とする用途に対して優れた性能を提供し、コスト効率の良い木材代替品であり、これにより家具産業(例えば、家具製造、指物細工などのため)及び額縁事業などの種々の産業で用途を見出している。ウレタン材料から部品が容易に成形できるが、そうでない場合には労働集約的彫刻又はラス(lathing)が必要になるであろう。硬化した材料の代表的物理特性を表1に示す。
【0118】
この配合のクリーム時間は、約30秒から約60秒であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。立ち上がり時間は約2分から約4分であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。成分A(イソシアネート)及び成分B(樹脂)の保管又は貯蔵寿命は,これらの材料を約65°Fから約85°Fの温度で維持することにより最大にすることができる。貯蔵容器を気密に保つことにより、湿気及び異物から保護することができる。
【0119】
実施例1に記載の配合2(IPS 3001−10LV)は、2成分、硬質、水発泡したポリウレタン構造材料である。また、この材料は、硬質又は強靭な表面を必要とする用途に対して優れた性能を提供し、コスト効率の良い木材代替品として用いることができる。ウレタン系材料から部品が容易に成形できるが、そうでない場合には労働集約的彫刻又はラスが必要になるであろう。それらの代表的物理特性を表2に示す。
【0120】
この混合物は、ジフィー(jiffy)ミキサー(直径3インチ)を用いて1,200rpmで手攪拌することができる。配合物のクリーム時間は約180秒であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。立ち上がり時間は約60分から約70分であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。成分A(イソシアネート)及び成分B(樹脂)の保管又は貯蔵寿命は,これらの材料を約65°Fから約85°Fの温度で維持することにより最大にすることができる。貯蔵容器を気密に保つことにより、湿気及び異物から保護することができる。
【0121】
実施例1に記載の配合3は、2成分、硬質、水発泡したポリウレタン構造材料である。また、この材料は、硬質又は強靭な表面を必要とする用途に対して優れた性能を提供し、コスト効率の良い木材代替品として用いることができる。ウレタン系材料から部品が容易に成形できるが、そうでない場合には労働集約的彫刻又はラスが必要になるであろう。それらの代表的物理特性を表3に示す。
【0122】
この配合のクリーム時間は、約4秒であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。立ち上がり時間は約14分であったが、これは処理条件の調節により、又は添加剤の使用により変更できる。成分A(イソシアネート)及び成分B(樹脂)の保管又は貯蔵寿命は,これらの材料を約65°Fから約85°Fの温度で維持することにより最大にすることができる。貯蔵容器を気密に保つことにより、湿気及び異物から保護することができる。この配合に難燃剤を添加することができる。
【0123】
(実施例3)
(典型的ペトリフォーム(登録商標)材料を製造する)
上に述べたように、反応混合物中の成分比率は、最終製品の所望される物理的特性に依存するので、材料の最終用途を特定することなくして、詳細に記入できない。
【0124】
発明の方法は、バッチモード及び連続モードの両方で実施できる。バッチモードは以下のように実施できる。10から20パーセントだけ型容積を過装填するに十分な量の多孔質粒子材料(例えば、発泡したポリスチレンビーズ、又はポリエチレンビーズ、又はポリプロピレンビーズ、又はそれらの任意の2種以上の混合物)を混合バットに配置する。攪拌しながら、ビーズに樹脂(例えば、イソシアネート試薬)を混合し、個々のビーズを樹脂で実質的にコーテイングする。次に、この樹脂/ビーズ混合物に高分子グリコール(硬化性)試薬を加え、グリコールが混合物全体に均一に分布するまで混合を続ける。重合反応は、グリコールの最初の添加で始まる。型全体を満たすように、十分な作業時間を保証する迅速なやり方で、この材料を適切な離型剤を塗布してある待機中の型に移すことが好ましい。型が満たされた後に、型を密閉し、ポリウレタンガスが発生するように混合物を加圧する。混合物及び物品の性質又は調製された材料に応じて、約10分後から約30分後までに型を開くことができる。この工程を反復して追加の物品又は材料を製造することができる。通常は、物品は、十分に硬化されて約24時間後に最終的物理的特性を得る。この硬化工程では、成形物及び/又は液体成分を補足的に加熱して硬化促進される。
【0125】
一成分配合を用いる時、加工方法は、樹脂を多孔質粒子状材料と混合する時点まで実質的に同じである。この時点で、理論量の水(硬化に影響を及ぼす)を攪拌された混合物中に噴霧し、前記のように最終的混合物を型に加え、型を閉じ加圧する。
【0126】
連続的モードによる発明の材料の製造は以下のように実施することができる。多孔質粒子状材料を含有する1個又は複数のタンクが準備され、ガス発生性重合性成分を含有する1個又は複数のタンクが準備され、かつ最終製品に組み込まれる任意のその他の成分を含有する1個又は複数のタンクが準備される。計量したそれぞれの成分をミキサー押出機に投入し、単一混合工程又は複数の工程(ポリウレタン樹脂のイソシアネート前駆体を適切な多孔質粒子状材料と混合し、その後引き続きそれにポリオールを加えることができる)を実施する。その後、成分混合ブレンドが、発明の材料を成形したい位置に送り込まれる。
【0127】
(実施例4)
(発明の構造材料の性能特性)
本発明に従って製造した構造材料について種々の試験を行い、表4に示したごとく、それらの物理的特性を測定した。この材料は、直径1.5mmの発泡ポリスチレンビーズ及びIPSウレタン混合物(50重量%/50重量%)を用い、カーボンブラック及び難燃化剤を添加して製造した。ビーズを過剰(型の容積の115%)に型に加えた。この試験は、アメリカ材料試験協会(ASTM)に従って行い、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料の圧縮、屈曲、変形及びせん断に関する強度及び性能を測定した。加えて、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料の熱伝導性、耐水性、剥離強度、耐疲労性、耐衝撃性、及び音響減衰に関する性能特性を評価した。
【0128】
表4に表した試験結果、及び図10及び11に表した曲げ弾性率及び圧縮試験結果は、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料が優れた性能特性及び特質をもつことを例証する。実施された主要な試験は、ASTM1621「硬質発泡プラスチックの圧縮試験」、及びASTM790「非補強プラスチックの曲げ特性及び電気的絶縁に関する標準試験法」を含んだ。これらの試験は、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料が、多くのポリウレタンフォーム及びスチロフォームの何倍もの圧縮強度及び曲げ強度を有していることを示す。典型的ポリウレタンフォームは、40psiから100psiの範囲の圧縮強度をもち、一方、典型的スチロフォームは、5psiから30psiの範囲の圧縮強度をもつ。ここに提供されたデータで例証されるように、ペトリフォーム(登録商標)ブランドの構造材料は、従来材料に比べて、非常に大きい強度特性を与えることができる最終的に優れた材料を提供するように製造できる。
【0129】
(実施例5)
(構造パネルの製造)
支柱、レール、溝形鋼、及び織布又は装飾的に被覆されたその他のオフィスパネルを支える硬質枠組を提供するその他の鋼鉄部品と共に用いられるように形成された構造パネルを製造した。従来のパネルは、木材又はパーテイクルボードから構成され、両表面は、モデル又はオフィス装飾に応じて、クッション及び織布又はその他の装飾的材料で仕上げられているマソナイト(MASONITE)(登録商標)で被覆されている。全部品の組み立ては労働集約的であり、大変コスト高になる。また、輸送は、完成パネルが大変重いので高価格になる。普通の床モップ掃除によるなどの、パネルへの如何なる水の浸入であっても、パーテイクルボードを膨潤かつ劣化させる。好ましい実施形態に従った材料から製造されたパネルは、優れた耐水性、軽量を示し、かつ従来の締め具を用いて従来の枠に挿入できる。
【0130】
基板として1インチのダグラスファー合板を用いた適切な内部寸法をもつ型であって、側面用にそのコーナーに結合した2インチのアングルブロック、及び型の上面を形成するためにアングルブロックの一つの長手片上にヒンジで取り付けた4個の1×2インチの鋼板をもつ型を作成した。材料混合物が重合し、発泡し、硬化する時に、配置されたこの材料を押さえつけた状態で保持するように、上部のフリーな面を対向するアングルブロックに対してボルトで下方に締め付けるように作成した。この型に発泡ポリスチレンビーズをその上部まで満たし、続いて少量の余分のビーズを加えた。次に、このビーズを容器に移し、十分なミキサー(内装壁仕上げ用の泥を混合するために用いるミキサーと同様なもの)を用いてウレタンのパートAを混合し、ビーズを樹脂で完全に湿潤させた。続いて、ウレタンのパートBを加え、得られた混合物を2分間混合した。用いた配合は、混合物の重量にして、48%のパートA、52%のパートBであった(37オンスのビーズ、100オンスのA、及び115オンスのBに相当)。3枚のパネルを製造した。
【0131】
(実施例6)
(表面材の使用)
内部寸法が12×12×2インチの型を作成した。上面及び底面は、1インチ厚で、約18インチ平方のダグラスファー合板で、側面は切り出した2×4インチの素材を用いて作成した2×2インチの加工素材から構成した。4隅及び側面の中間点に、ワッシャー付きで12個の3/8インチボルト、上面及び底面、底面を通して、側面及び上面を用いて、上面を固定しかつ発泡した混合物を押さえつけた。12インチ平方の薄い合板からスペーサーを切り取り、型内に配置して、最終製品の厚みを2インチ、1インチ、及び1/2インチに変更した。SCジョンソン(登録商標)ペーストワックスを離型剤として用いた。
【0132】
種々の表面材料を型内に配置した後、混合物を加えた。アクリル、木材ベニヤ板、ケブラー(登録商標)、及び金属金網を含む試験した全ての被覆材料について、材料本体に対する優れた接着力が観察された。ケブラー(登録商標)をしみ込ませ被覆した1/2インチの材料は、著しく強く、ねじれ抵抗性があった。また、この材料は、ガラス繊維型ゲルコートに容易になじみ、特に完全に外皮をとった試料に対して、最低数のコーテイングで美観の表面を作り出す。
【0133】
(実施例7)
(ビーズ寸法及び表面材料組み込みの効果)
異なるビーズ寸法及び樹脂量の変更が、異なる最終重量の試料ボードに影響を及ぼすことを試験した。A及びB成分の比率は、その最適比率で相対的に一定に維持された。定量的な調査は、ビーズ寸法が小さいほどボードが強くなることを示した。また、ビーズ寸法に無関係に、総樹脂量の割合を高くすることがボードを強くする。
【0134】
型を開くまでの硬化時間は、相対的に一定であり、2インチ以下の厚みであり、発熱重合反応により発生した熱は、木製型の外側を殆んど暖めなかった。
【0135】
(実施例8)
(ビーズ寸法及び表面材料組み込みの効果)
8×9×9インチの型を製造した。この型は、型内に110容量%以上の充填材の配置を容易にするために、上面の内側に1インチ厚のスペーサーを含み、その最適量はビーズ寸法及びそれに続く混合物の圧縮力に依存した。この材料の優れた断熱性、及び発熱重合反応により発生する熱が、1時間以上の「硬化後の開型時間」の原因となった。開型が速すぎると、材料は熱く、スポンジ状で、寸法が不安定であった。それ故、ある用途に必要とされる材料の最小寸法の厚みが大きいほど、材料製造に時間をかけることが一層好ましい。
【0136】
9×9×7インチの材料ブロックを製造するために、110容量%のビーズと共に、21オンスのウレタンのパートA、及び20オンスのウレタンのパートBを加える。得られたブロックの外皮を十分に除くことにより、ねじれ強度及び圧縮強度が高くなる。
【0137】
本明細書に提供された詳細な説明及び説明のための実施例に基づいて、本発明の観点を実施するために用いることができる本明細書に記載及び/又は例示した成分の多くの既知の代替物が存在すること、及び追加成分が恒常的に追加されることを当業者は理解するであろう。このような代替物、及びこのような代替物の製造及び/又は試験に利用できる方法を記載した多くの技術的参考文献が入手できる。例えば、種々のプラスチックポリマー、添加剤、複合材及び関連する系及び方法を説明した参考文献は以下の通りである:Plastic Encyclopedia、Dominick Rosatoによる、1993年;Physics of Plastics:Processing,Properties and Materials Engineering、Jim Batchelorらによる、1992年;Reaction of Polymers、Wilson Gumらによる、1992年;Plastics for Engineers:Materials,Properties and Applications、Hans Dominghausによる、1993年;Reactive Polymer Blending、Warren E.Bakerらによる、2001年、Plastic Additives Handbook、Hans Zweifelによる、2001年;Guide to Short Fiber Reinforced Plastics、Roger F.Jonesによる、1998年;Coloring of Plastics:Fundamentals,Colorants,Preparations、Albrecht Mullerによる、2003年;Plastics Flammability Handbook:Principles,Testing,Regulation and Approval、Jurgen H.Troitzschによる、2004年;Discovering Polyurethanes、Konrad Uhligによる、1999年;Polyurethane Handbook:Chemistry,Raw Materials,Processing,Application,Properties、Gunter Oertelによる、1994年;Introduction to Industrial Polymers、Henri Ulrichによる、1993年;Performance of Plastics、Witold Brostowによる、2000年;Rheology of Polymeric Systems、Pierre J.Carreauらによる、1997年;Plastics:How Structure Determines Properties、Geza Gruenwaldによる、1993年;Polymeric Material and Processing:Plastics,Elastmers and Composites、Jean−Michel Charrierらによる、1990年;Composite Materials Technology:Process and Properties、P.K.Mallickによる、1990年;Compression Molding、Bruce Davisらによる、2003年、Plastics Failure Guide:Cause and Prevention、Meyer Ezrinによる、1996年;Failure of Plastics、Witold Brostowによる、1986年;Wear in Plastics Processing:How to Understand,Protect,and Avoid、Gunter Menningによる、1995年;Polymer Interface:Structure and Strength、Richard P.Woolによる、1995年;Polymer Engineering Principles、Richard C.Progelhofらによる、1993年;Polymer Mixing、Chris Rauendaalによる、1998年;Polymeric Compatibilizers:Uses and Benefits in Polymer Blends、Sudhim Dattaらによる、1996年;Material Science of Polymers for Engineers、Georg Mengesによる、2003年、Reaction Injection Molding、Christopher W.Makoskoによる、1988年;Successful Injection Molding、John Beaumontらによる、2002年;Injection Molding Handbook、Paul Gramannによる、2001年;Mold Engineering、Herbert Reesによる、2002年;Mold Making Handbook for the Plastics Engineer、Gunter Menningによる、1998年、Total Quality Process Control for Injection Molding、Joseph M.Gordon,Jr.、1992年;Adhesion and Adhesives Technology、Alphonsus V.Pociusによる、2002年;Performance Enhancement in Coatings、Edward W.Orrによる、1998年;Plastics and Coatings、Rose Ryntzによる、2001年;Advanced Protective Coatings for Manufacturing and Engineering、Wit Grzesikによる、2003年;など。
【0138】
当業者が、本明細書で提供した詳細な説明、及び説明のための実施例に基づいて理解するように、前段落で引用した参考文献は、本明細書で説明又は引例した成分及び/又は方法に関係する範囲で、並びにこのような成分又は方法の代替に関する範囲で特に妥当であると考えられる。
【0139】
上記の説明は、本発明の幾つかの方法及び材料を開示する。本発明は、方法及び材料の改良、並びに製造方法及び装置の変更を受け入れることができる。本明細書に開示された本発明の開示又は実施を考慮することにより、このような改良は当業者には明白である。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。本発明は、付属した特許請求の範囲で具体化した本発明の真の範囲及び精神の中で生まれた全ての改良及び変更をカバーするものである。本明細書に引用された全ての特許、用途、及びその他の参考文献の全体を参考として本明細書に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】発泡ポリスチレンビーズの断面の走査型電子顕微鏡画像を示した説明図である。
【図2】発泡ポリスチレンビーズの走査型電子顕微鏡画像を示した説明図である。
【図3】多孔質ビーズを含むポリマーマトリックスの概略断面を示した説明図であり、多孔質ビーズに伸びているポリマーフィラメント又はその他の突起物が示されている。
【図4】代表的な発明の物品の断面を示した説明図である。
【図5】別の代表的な発明の物品の断面を示した説明図である。
【図6】別の代表的な発明の物品の断面を示した説明図である。
【図7】本発明の構造材料及びそれに接着された仕上げ材料を含む発明の物品の断面を示した説明図である。
【図8】本発明の構造材料及びその上にコーテイングを含んだ発明の物品の断面を示した説明図である。
【図9】サンドイッチ構造の発明の物品の断面を示した説明図である。
【図10】代表的な発明の材料の曲げ弾性率試験結果を示した説明図である。
【図11】代表的な発明の材料の圧縮試験結果を示した説明図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の融点より低い温度で硬化できる重合性成分から製造され、かつ多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを含むポリマーであって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びているポリマーを含む構造材料。
【請求項2】
重合性成分が、多孔質材料の気孔内で重合できる第一の重合性成分、及び直接又は結合子を介して、第一の重合性成分のポリマーに結合できる第二の重合性成分を含み、この重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に部分的に侵入する実質的に固体のマトリックスを形成する請求項1に記載の構造材料。
【請求項3】
多孔質材料が、ポリオレフィン、砂利、ガラスビーズ、セラミック、ひる石、パーライト、ライタッグ、微粉化フライアッシュ、不焼成炭素、活性化炭素及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の構造材料。
【請求項4】
多孔質材料がポリスチレンを含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項5】
多孔質材料が発泡ポリスチレンビーズを含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項6】
重合性成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリウレタン、及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の構造材料。
【請求項7】
重合性成分がポリウレタンである請求項1に記載の構造材料。
【請求項8】
ポリウレタンが、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ジュレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、及び1,5−ナフタレンジイソシアネートからなる群から選ばれた少なくとも一種の芳香族ジイソシアネートと、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、ポリ(ビニルアルコール)、及び部分加水分解セルロースアセテートからなる群から選ばれた少なくとも1種のポリオールとから製造される請求項7に記載の構造材料。
【請求項9】
流動改良剤、可塑剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、UV保護剤、染料、顔料、充填剤、及び難燃化剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を更に含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項10】
多孔質材料の直径が、約0.4mmから約5mmまでの範囲である請求項1に記載の構造材料。
【請求項11】
多孔質材料が、構造材料の約80から約99容量%までの範囲を占める請求項1に記載の構造材料。
【請求項12】
多孔質材料が、構造材料の約15重量%から約40重量%までの範囲を占める請求項1に記載の構造材料。
【請求項13】
構造材料の圧縮弾性率が、少なくとも約8,000psiである請求項1に記載の構造材料。
【請求項14】
構造材料の圧縮弾性率が、約8,000psiから約10,000psiまでの範囲である請求項1に記載の構造材料。
【請求項15】
構造材料の曲げ弾性率が、少なくとも約10,000psiである請求項1に記載の構造材料。
【請求項16】
構造材料の曲げ弾性率が、約10,000psiから約14,000psiまでの範囲である請求項1に記載の構造材料。
【請求項17】
材料の厚さ1インチ当たりのR値が、少なくとも3である請求項1に記載の構造材料。
【請求項18】
1種又は複数の補強構造物を更に含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項19】
補強材料が、天然繊維、合成繊維、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選ばれる請求項18に記載の構造材料。
【請求項20】
構造材料上に施された少なくとも1種の表面仕上げ剤を更に含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項21】
仕上げ剤が、金属、ポリマー、布、ガラス、セラミック、天然繊維、合成繊維、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選ばれる請求項20に記載の構造材料。
【請求項22】
仕上げ剤が、固体の表面、多孔質表面、化学的にエッチング可能な表面、化学的にエッチングされた表面、物理的に粗面化可能な表面、物理的に粗面化された表面、及びそれらの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる請求項20に記載の構造材料。
【請求項23】
構造材料が実質的に排ガスを放出しない請求項1に記載の構造材料。
【請求項24】
マトリックスが可撓性である請求項1に記載の構造材料。
【請求項25】
マトリックスが硬質である請求項1に記載の構造材料。
【請求項26】
構造材料が、本質的に耐水性、UV安定性であり、かつ本質的に虫、カビ、湿気及び大気条件への暴露に起因する分解に耐性がある請求項1に記載の構造材料。
【請求項27】
構造材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の融点より低い温度で硬化できるガス発生性重合性成分から製造され、かつ多孔質材料を封入する寸法安定性のある構造物を実現する弾力性があり、実質的に不浸透性のマトリックスを含む可撓性ポリマーマトリックスであって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びている可撓性ポリマーマトリックスを含む構造材料。
【請求項28】
材料であって、
多孔質材料と、
多孔質材料を実質的に封入するマトリックスを含むポリマーであって、マトリックスが固体であり、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びているポリマーを含む材料。
【請求項29】
明確な形状、優れた圧縮強度、及び高い曲げ弾性率を有し、全体に実質的に均一分散させた多孔質材料を含むポリマーマトリックスを含む物品であって、ポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びている物品。
【請求項30】
圧縮弾性率が少なくとも約8,000psiである請求項29に記載の物品。
【請求項31】
構造材料の圧縮弾性率が、約8,000psiから約10,000psiまでの範囲である請求項29に記載の物品。
【請求項32】
曲げ弾性率が少なくとも約10,000psiである請求項29に記載の物品。
【請求項33】
マトリックスが硬質である請求項29に記載の物品。
【請求項34】
物品が、建築パネル、構造補強材、防音材、断熱材、防水材、カウンタトップ、水泳プール、水泳プールカバー、サーフボード、ホットタブ、ホットタブカバー、冷却塔、バスタブ、シャワー装置、貯蔵タンク、自動車部品、及び民間船艇部品からなる群から選ばれる請求項33に記載の物品。
【請求項35】
マトリックスが可撓性である請求項29に記載の物品。
【請求項36】
物品が、防音材、断熱材、防水材、自動車部品、家具詰物、及び衝撃吸収障壁からなる群から選ばれる請求項35に記載の物品。
【請求項37】
構造材料の製造方法であって、
多孔質材料及び重合性成分を組み合わせることと、
得られた組み合わせ体を、型内で、重合性成分の硬化に適した条件にさらすことによって、硬化中に発生したあらゆるガスが多孔質材料により実質的に吸収され、かつ重合性成分の一部が多孔質材料中に押し込まれることによって構造材料を形成し、その際に構造材料が、実質的に固体のポリマーマトリックス内に封入された多孔質材料を含み、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、少なくとも部分的に多孔質材料中に伸びていることを含む方法。
【請求項38】
得られた組み合わせ体が第二の重合性成分と更に接触させられ、第一の重合性成分が実質的に多孔質材料内で重合し、かつ第二の重合性成分が実質的に多孔質材料外で重合し、第一及び第二の重合性成分が、直接又は結合子を介して相互に結合する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
固体のポリマーマトリックス内で実質的に発泡が起きない条件下で、硬化が行われる請求項37に記載の方法。
【請求項40】
組み合わせることが、多孔質材料の表面を、重合性成分の前駆体で実質的に完全にコーテイングすることを含む請求項37に記載の方法。
【請求項41】
重合性成分を重合させるための適切な条件が、多孔質材料及び重合性成分前駆体の組合わせ体に重合剤を添加することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項42】
多孔質材料、重合性成分前駆体、及び重合剤を含む組合わせ体が、重合剤の導入後に振動させられる請求項41に記載の方法。
【請求項43】
重合性成分が、約200から約50,000センチポアズまでの範囲の粘度を有する請求項37に記載の方法。
【請求項44】
重合性成分が、少なくとも約50℃の温度に対して安定である請求項37に記載の方法。
【請求項45】
硬化時に実質的に排ガスが発生しない請求項37に記載の方法。
【請求項46】
構造材料にコーテイングを行うことを更に含み、コーテイングが、耐火コーテイング、難燃化コーテイング、滑り止めコーテイング、木材仕上げ、アクリル仕上げ、及び織布仕上げからなる群から選ばれる請求項37に記載の方法。
【請求項47】
構造材料を前以て決めた形状に形成することを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項48】
構造材料の厚みを減少させるために十分な圧縮エネルギーに構造材料をさらすことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項49】
構造材料を裁断して明確な形状にすることを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項50】
明確な形状を穿孔して構造材料にすることを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項51】
多孔質材料の少なくとも一部がリサイクルされた(粉砕された)構造材料である請求項37に記載の方法。
【請求項52】
構造材料を粉砕し、かつリサイクルすることを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項53】
構造材料を、化学的エッチング及び物理的エッチングの少なくとも一つにさらすことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項54】
構造材料を、構造材料の圧縮弾性率を少なくとも20,000psiに増大させるために十分な、かつ構造材料の曲げ弾性率を少なくとも約10,000psiから約14,000psiまで増大させるために十分な時間、圧縮圧力にさらすことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項55】
構造材料の製造方法であって、多孔質材料及びガス発生性重合性成分の組合わせ体を、密閉型内で、ガス発生性重合性成分を硬化するために適した条件にさらし、それによって硬化時に発生したガスが多孔質材料によって実質的に吸収され、かつ重合性成分の一部分が多孔質材料中に押し込まれることにより、構造材料を形成し、その際に構造材料が固体のポリマーマトリックス内に封入された多孔質材料を含み、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びていることを含む方法。
【請求項56】
請求項37から55の任意の一項に記載の方法により製造された製品。
【請求項57】
配合物であって、
多孔質材料、
ガス発生性又はその他の重合性成分と、
流動改良剤、可塑剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、UV保護剤、染料、顔料及び充填剤からなる群から選ばれた少なくとも一種の添加剤とを含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつガス発生性又はその他の重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化でき、ガス発生性又はその他の重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に不浸透性の固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物。
【請求項58】
配合物であって、
多孔質材料と、
ガス発生性又はその他の重合性成分とを含む配合物であって、
多孔質材料が、発泡ポリスチレンではなく、かつ約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつガス発生性又はその他の重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化でき、ガス発生性又はその他の重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に不浸透性の固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物。
【請求項59】
配合物であって、
多孔質材料と、
ガス発生性又はその他の重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、ガス発生性又はその他の重合性成分が、ポリウレタンではなく、かつ多孔質材料の融点より低い温度で硬化でき、ガス発生性又はその他の重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に不浸透性の固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物。
【請求項60】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む可撓性又は硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、その上に耐火コーテイング、滑り止めコーテイング、木材仕上げ、アクリル仕上げ、又は織布仕上げを適用することを含む方法。
【請求項61】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む可撓性又は硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、前もって決められた形状に物品を形成することを含む方法。
【請求項62】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、その厚みを減少させるために十分な圧縮エネルギーにこの物品をさらすことを含む方法。
【請求項63】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む可撓性又は硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、所望の形状を裁断及び/又は穿孔して物品にすることを含む方法。
【請求項1】
構造材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の融点より低い温度で硬化できる重合性成分から製造され、かつ多孔質材料を封入する実質的に固体のマトリックスを含むポリマーであって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びているポリマーを含む構造材料。
【請求項2】
重合性成分が、多孔質材料の気孔内で重合できる第一の重合性成分、及び直接又は結合子を介して、第一の重合性成分のポリマーに結合できる第二の重合性成分を含み、この重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入しかつ多孔質材料に部分的に侵入する実質的に固体のマトリックスを形成する請求項1に記載の構造材料。
【請求項3】
多孔質材料が、ポリオレフィン、砂利、ガラスビーズ、セラミック、ひる石、パーライト、ライタッグ、微粉化フライアッシュ、不焼成炭素、活性化炭素及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の構造材料。
【請求項4】
多孔質材料がポリスチレンを含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項5】
多孔質材料が発泡ポリスチレンビーズを含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項6】
重合性成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリウレタン、及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の構造材料。
【請求項7】
重合性成分がポリウレタンである請求項1に記載の構造材料。
【請求項8】
ポリウレタンが、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ジュレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、及び1,5−ナフタレンジイソシアネートからなる群から選ばれた少なくとも一種の芳香族ジイソシアネートと、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、ポリ(ビニルアルコール)、及び部分加水分解セルロースアセテートからなる群から選ばれた少なくとも1種のポリオールとから製造される請求項7に記載の構造材料。
【請求項9】
流動改良剤、可塑剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、UV保護剤、染料、顔料、充填剤、及び難燃化剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を更に含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項10】
多孔質材料の直径が、約0.4mmから約5mmまでの範囲である請求項1に記載の構造材料。
【請求項11】
多孔質材料が、構造材料の約80から約99容量%までの範囲を占める請求項1に記載の構造材料。
【請求項12】
多孔質材料が、構造材料の約15重量%から約40重量%までの範囲を占める請求項1に記載の構造材料。
【請求項13】
構造材料の圧縮弾性率が、少なくとも約8,000psiである請求項1に記載の構造材料。
【請求項14】
構造材料の圧縮弾性率が、約8,000psiから約10,000psiまでの範囲である請求項1に記載の構造材料。
【請求項15】
構造材料の曲げ弾性率が、少なくとも約10,000psiである請求項1に記載の構造材料。
【請求項16】
構造材料の曲げ弾性率が、約10,000psiから約14,000psiまでの範囲である請求項1に記載の構造材料。
【請求項17】
材料の厚さ1インチ当たりのR値が、少なくとも3である請求項1に記載の構造材料。
【請求項18】
1種又は複数の補強構造物を更に含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項19】
補強材料が、天然繊維、合成繊維、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選ばれる請求項18に記載の構造材料。
【請求項20】
構造材料上に施された少なくとも1種の表面仕上げ剤を更に含む請求項1に記載の構造材料。
【請求項21】
仕上げ剤が、金属、ポリマー、布、ガラス、セラミック、天然繊維、合成繊維、及びそれらの任意の2種以上の組み合わせからなる群から選ばれる請求項20に記載の構造材料。
【請求項22】
仕上げ剤が、固体の表面、多孔質表面、化学的にエッチング可能な表面、化学的にエッチングされた表面、物理的に粗面化可能な表面、物理的に粗面化された表面、及びそれらの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる請求項20に記載の構造材料。
【請求項23】
構造材料が実質的に排ガスを放出しない請求項1に記載の構造材料。
【請求項24】
マトリックスが可撓性である請求項1に記載の構造材料。
【請求項25】
マトリックスが硬質である請求項1に記載の構造材料。
【請求項26】
構造材料が、本質的に耐水性、UV安定性であり、かつ本質的に虫、カビ、湿気及び大気条件への暴露に起因する分解に耐性がある請求項1に記載の構造材料。
【請求項27】
構造材料であって、
約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有する多孔質材料と、
多孔質材料の融点より低い温度で硬化できるガス発生性重合性成分から製造され、かつ多孔質材料を封入する寸法安定性のある構造物を実現する弾力性があり、実質的に不浸透性のマトリックスを含む可撓性ポリマーマトリックスであって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びている可撓性ポリマーマトリックスを含む構造材料。
【請求項28】
材料であって、
多孔質材料と、
多孔質材料を実質的に封入するマトリックスを含むポリマーであって、マトリックスが固体であり、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びているポリマーを含む材料。
【請求項29】
明確な形状、優れた圧縮強度、及び高い曲げ弾性率を有し、全体に実質的に均一分散させた多孔質材料を含むポリマーマトリックスを含む物品であって、ポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に伸びている物品。
【請求項30】
圧縮弾性率が少なくとも約8,000psiである請求項29に記載の物品。
【請求項31】
構造材料の圧縮弾性率が、約8,000psiから約10,000psiまでの範囲である請求項29に記載の物品。
【請求項32】
曲げ弾性率が少なくとも約10,000psiである請求項29に記載の物品。
【請求項33】
マトリックスが硬質である請求項29に記載の物品。
【請求項34】
物品が、建築パネル、構造補強材、防音材、断熱材、防水材、カウンタトップ、水泳プール、水泳プールカバー、サーフボード、ホットタブ、ホットタブカバー、冷却塔、バスタブ、シャワー装置、貯蔵タンク、自動車部品、及び民間船艇部品からなる群から選ばれる請求項33に記載の物品。
【請求項35】
マトリックスが可撓性である請求項29に記載の物品。
【請求項36】
物品が、防音材、断熱材、防水材、自動車部品、家具詰物、及び衝撃吸収障壁からなる群から選ばれる請求項35に記載の物品。
【請求項37】
構造材料の製造方法であって、
多孔質材料及び重合性成分を組み合わせることと、
得られた組み合わせ体を、型内で、重合性成分の硬化に適した条件にさらすことによって、硬化中に発生したあらゆるガスが多孔質材料により実質的に吸収され、かつ重合性成分の一部が多孔質材料中に押し込まれることによって構造材料を形成し、その際に構造材料が、実質的に固体のポリマーマトリックス内に封入された多孔質材料を含み、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、少なくとも部分的に多孔質材料中に伸びていることを含む方法。
【請求項38】
得られた組み合わせ体が第二の重合性成分と更に接触させられ、第一の重合性成分が実質的に多孔質材料内で重合し、かつ第二の重合性成分が実質的に多孔質材料外で重合し、第一及び第二の重合性成分が、直接又は結合子を介して相互に結合する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
固体のポリマーマトリックス内で実質的に発泡が起きない条件下で、硬化が行われる請求項37に記載の方法。
【請求項40】
組み合わせることが、多孔質材料の表面を、重合性成分の前駆体で実質的に完全にコーテイングすることを含む請求項37に記載の方法。
【請求項41】
重合性成分を重合させるための適切な条件が、多孔質材料及び重合性成分前駆体の組合わせ体に重合剤を添加することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項42】
多孔質材料、重合性成分前駆体、及び重合剤を含む組合わせ体が、重合剤の導入後に振動させられる請求項41に記載の方法。
【請求項43】
重合性成分が、約200から約50,000センチポアズまでの範囲の粘度を有する請求項37に記載の方法。
【請求項44】
重合性成分が、少なくとも約50℃の温度に対して安定である請求項37に記載の方法。
【請求項45】
硬化時に実質的に排ガスが発生しない請求項37に記載の方法。
【請求項46】
構造材料にコーテイングを行うことを更に含み、コーテイングが、耐火コーテイング、難燃化コーテイング、滑り止めコーテイング、木材仕上げ、アクリル仕上げ、及び織布仕上げからなる群から選ばれる請求項37に記載の方法。
【請求項47】
構造材料を前以て決めた形状に形成することを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項48】
構造材料の厚みを減少させるために十分な圧縮エネルギーに構造材料をさらすことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項49】
構造材料を裁断して明確な形状にすることを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項50】
明確な形状を穿孔して構造材料にすることを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項51】
多孔質材料の少なくとも一部がリサイクルされた(粉砕された)構造材料である請求項37に記載の方法。
【請求項52】
構造材料を粉砕し、かつリサイクルすることを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項53】
構造材料を、化学的エッチング及び物理的エッチングの少なくとも一つにさらすことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項54】
構造材料を、構造材料の圧縮弾性率を少なくとも20,000psiに増大させるために十分な、かつ構造材料の曲げ弾性率を少なくとも約10,000psiから約14,000psiまで増大させるために十分な時間、圧縮圧力にさらすことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項55】
構造材料の製造方法であって、多孔質材料及びガス発生性重合性成分の組合わせ体を、密閉型内で、ガス発生性重合性成分を硬化するために適した条件にさらし、それによって硬化時に発生したガスが多孔質材料によって実質的に吸収され、かつ重合性成分の一部分が多孔質材料中に押し込まれることにより、構造材料を形成し、その際に構造材料が固体のポリマーマトリックス内に封入された多孔質材料を含み、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びていることを含む方法。
【請求項56】
請求項37から55の任意の一項に記載の方法により製造された製品。
【請求項57】
配合物であって、
多孔質材料、
ガス発生性又はその他の重合性成分と、
流動改良剤、可塑剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、強度改良剤、UV保護剤、染料、顔料及び充填剤からなる群から選ばれた少なくとも一種の添加剤とを含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつガス発生性又はその他の重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化でき、ガス発生性又はその他の重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に不浸透性の固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物。
【請求項58】
配合物であって、
多孔質材料と、
ガス発生性又はその他の重合性成分とを含む配合物であって、
多孔質材料が、発泡ポリスチレンではなく、かつ約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、かつガス発生性又はその他の重合性成分が、多孔質材料の融点より低い温度で硬化でき、ガス発生性又はその他の重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に不浸透性の固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物。
【請求項59】
配合物であって、
多孔質材料と、
ガス発生性又はその他の重合性成分を含む配合物であって、
多孔質材料が、約0.05mmから約60mmまでの範囲の直径、及び約0.1kg/m3から約1,000kg/m3までの範囲のビーズ密度を有し、ガス発生性又はその他の重合性成分が、ポリウレタンではなく、かつ多孔質材料の融点より低い温度で硬化でき、ガス発生性又はその他の重合性成分が、硬化時に、多孔質材料を封入する実質的に不浸透性の固体のマトリックスを形成し、かつこのポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びている配合物。
【請求項60】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む可撓性又は硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、その上に耐火コーテイング、滑り止めコーテイング、木材仕上げ、アクリル仕上げ、又は織布仕上げを適用することを含む方法。
【請求項61】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む可撓性又は硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、前もって決められた形状に物品を形成することを含む方法。
【請求項62】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、その厚みを減少させるために十分な圧縮エネルギーにこの物品をさらすことを含む方法。
【請求項63】
全体に亘り実質的に均一分散させた多孔質材料を含む可撓性又は硬質のポリマーマトリックスを含む物品を改良する方法であって、このポリマーを含むフィラメント又はその他の突起物が、多孔質材料中に少なくとも部分的に伸びており、所望の形状を裁断及び/又は穿孔して物品にすることを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−519908(P2006−519908A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507182(P2006−507182)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/007800
【国際公開番号】WO2004/081311
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505341165)ペトリテック、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/007800
【国際公開番号】WO2004/081311
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505341165)ペトリテック、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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