構造物の摩擦増大部材
【課題】 アスファルトマットをプレハブ化して小型のものとして構成し、マット部材の強度を向上させるとともに、取り扱いを容易に行い得るようにする。
【解決手段】 マット部材1は、アスファルトマスチックを所定の厚さのものとして板状に構成するが、アスファルト層2の内部には、端補強材11……と接続部材12……とを組み合わせた枠体と、ネット状部材15とを一体にした補強部材10を配置して、強度の大きな板部材を構成する。また、前記補強部材に対して、袋ナット等の被係止部材17……を所定の間隔で配置し、アイボルト等を装着したワイヤ等を用いて、クレーン等により吊り上げて取り扱う作業を容易に行うことができる。
【解決手段】 マット部材1は、アスファルトマスチックを所定の厚さのものとして板状に構成するが、アスファルト層2の内部には、端補強材11……と接続部材12……とを組み合わせた枠体と、ネット状部材15とを一体にした補強部材10を配置して、強度の大きな板部材を構成する。また、前記補強部材に対して、袋ナット等の被係止部材17……を所定の間隔で配置し、アイボルト等を装着したワイヤ等を用いて、クレーン等により吊り上げて取り扱う作業を容易に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に補強部材を埋め込むように配置し、板状に成形するアスファルト層の内部に補強部材を一体に埋め込んだアスファルトマットに関し、特に、海洋構造物を支持地盤上に、安定して支持させるために使用するアスファルトマットに関する。
【0002】
【従来の技術】防波堤や護岸、岸壁等の海洋構造物を構築する際には、海底の地盤上に捨石等で支持基礎を構築し、その基礎の上面を平らに均してから、コンクリート製や鋼製のケーソン等を設置するよな工事方法が用いられる。前記ケーソン等の構造物は、下面がコンクリートまたは鋼板であるために、基礎を構成する石に対する摩擦係数が小さく、波浪の影響によりケーソンが移動する等の問題が懸念されている。また、捨石基礎を構成する石は、100〜300kg程度の重量を有する大きな石であるから、その上面を平らに均したとしても、非常に大きな凹凸があり、ケーソン等の構造物がその基礎の上面に載置された場合に、石の突出部の上に乗る状態となるために、波浪の影響を受けやすいという問題がある。
【0003】そこで、前述したような問題を解消するために、特公昭47−45284号公報等に示されるようなアスファルトマットを用いることが知られており、前記アスファルトマットをケーソンの下部に配置することにより、ケーソンの捨石基礎に対する摩擦抵抗を大きくすることができる。前記アスファルトマットを捨石基礎の上に敷設する場合や、基礎の洗掘を防止するために使用する場合には、できるだけ大サイズのものとして構成し、クレーン船を用いた作業の能率を向上させ得るようにすることが考えられている。そこで、海洋構造物に対して一般に使用されるアスファルトマットは、幅が3〜5mで、長さが10数mと非常に大きなものとして構成される。そして、大サイズで重量の大きいマットを取り扱うために、例えば、特公平3−76368号公報等に示されるように、マットの内部にワイヤロープ等を一体に埋め込んでおき、前記ワイヤロープを用いて、クレーンにより吊り下げる状態で搬送し、施工海域に敷設する方式が用いられている。
【0004】また、前述したようなアスファルトマットを、大型のケーソン等の底面に一体に取り付ける場合には、特開平4−194120号公報に示されるように、マットに所定の間隔で鉄線等の取り付け部材を突出させておき、その鉄線をケーソンの底鉄筋に接続してから、コンクリートを打設するような手段を用いている。また、前記アスファルトマットは、ケーソン等のような構造物の大きさに対応させて、出来るだけ大きいサイズのものとして構成しており、構造物の底面に対応させて、そのようなマットを多数枚密接させて並べた状態で、コンクリートケーソン等の構造物を構築している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のアスファルトマットにおいては、そのマットの両側にアイ部を設けたワイヤロープ等の吊り具を突出させて設けているために、マットを横並びに配置した場合に、そのワイヤがマットの接続部の間に残り、隙間が形成されるという問題が発生する。そこで、ワイヤをマット端部で切断して、マット間に隙間が生じないようにすることや、ワイヤをマットの上に折り込んだ状態で、マットの上にケーソン等の構造物を作成することにより、ワイヤが露出しないようにする等の処理方法が用いられている。しかしながら、マットの荷役のために用いるワイヤロープは、例えば、1m間隔で配置した場合には、両側に10数本もあるために、その処理が面倒であるという問題も残る。
【0006】また、従来のアスファルトマットは、前述したように、施工能率等を重点に考えていたために、できるだけ大サイズに構成することが必要とされており、そのような大サイズのマットは、道路を運搬できないことから、施工現場に近い海岸等で製造して、クレーン船等により搬送する手法が用いられている。したがって、前述したような大サイズのアスファルトマットを施工する場合には、マット製造装置を施工現場毎に組立て、現場で必要とする面積のマットを製造する必要がある。そして、比較的小面積のマットを製造する場合でも、現場にマットを製造する設備全部を配置するために、マットの価格が比較的高価なものとなることが多くあった。
【0007】前述したような問題の他に、従来のアスファルトマットを取り扱う場合には、大サイズのものをクレーン等に設けた専用の吊り具を用いて水平に吊る必要があり、マットのサイズに対応させて専用の吊り具を製作するために、マットの敷設経費にも大きな影響がある。これに対して、アスファルトマットと同様に使用されているゴムマットでは、工場で一定のサイズ(1m×2m)のものとして製造したものを、施工現場で組み合わせて敷設し、必要とされる面積を確保する方式が用いられている。そして、前記ゴムマットをケーソン等の海洋構造物の支持に使用する場合には、そのサイズが一定であることには大きな問題が生じていないのが現状である。
【0008】本発明は、前述したような従来のアスファルトマットの問題を解消するもので、アスファルトマットをトラック等を用いて運搬可能な大きさに構成して、工場で製造が可能であるとともに、使用する現場の状況に合わせて、複数枚のマットを組み合わせることができ、荷役等を容易に行い得る構造物の摩擦増大部材を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に補強部材を一体に埋設し、アスファルトマスチックにより補強部材を覆って構成するアスファルトマットに関する。本発明においては、四方の面に配置し、端部を相互に接続する鋼製の部材により構成する枠体と、前記枠体の鋼製の部材に取り付けてマット部材の表面に端部を露出させる複数の被係止部材と、前記鋼製の部材の内部に一体に配置する網状の部材とを組み合わせて補強部材を構成し、前記補強部材の上下の面と周囲をアスファルトマスチックにより一体に覆って、アスファルトマットを構成している。また、本発明においては、鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体を構成し、前記枠体により囲まれた内部にネット状部材を配置し、端補強材もしくは接続部材に対して被係止部材を取り付けて補強部材を構成し、前記補強部材を型枠の内部に位置決めして配置し、前記補強部材を配置した型枠内にアスファルトマスチックを打設し、前記アスファルトマスチックを板状に成形して構成することも可能である。
【0010】さらに、本発明においては、鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体の内部にネット状部材を配置して補強部材を構成し、型枠の内部に第1層のアスファルト層を打設した上面に補強部材を配置し、前記第1層のアスファルト層の上に補強部材を型枠の内部に位置決めして配置して、第2層のアスファルトマスチックを打設し、前記2層のアスファルト層を一体に接続して構成することができる。また、本発明においては、前記補強部材に対して、端補強材と接続部材の他に、別の補強部材を追加して取り付けることが可能であり、前記補強部材に取り付ける被係止部材にはネジ孔を設け、ボルト状の吊り具を挿入して吊り上げの作用に対応させることも可能である。前記構成に加えて、本発明においては、前記補強部材の枠体の内部に鉄筋を配置し、前記鉄筋の端部を枠体と一体に設けるとともに、前記鉄筋とネット状部材もしくは繊維部材を配置し、前記鉄筋に対して、中間被係止部材を設けることも可能である。
【0011】そして、前述したように構成したことにより、本発明では、工場で規格品としてのマット部材を製造して、使用する現場でマット部材を多数枚組み合わせて用いることができ、アスファルトプラントを施工現場の近くに設置して、マット部材を製造する必要がなくなる。また、本発明のマット部材は、一定のサイズのものを組み合わせて現場で使用するのであるから、適用するケーソン等の構造物のサイズに応じて、マット部材を組み合わせることにより、任意の大きさの部分をカバーすることが可能であり、マット部材の取り扱いを容易に行うことができる。したがって、大型のアスファルトマットを使用する場合のように、大重量のものを取り扱う必要がなく、1枚あたりの重量が、荷役を容易に行い得る単位のものとして構成すること等により、大型のクレーン等を使用する必要がなく、設備を大型のもので構成する必要がない。
【0012】さらに、マット部材では、アスファルト層の内部に強度の大きな補強部材を一体に埋設しているので、マット部材の荷役の際に破損したりすることがなく、構造物に取り付けた場合にも、耐久性と信頼性を向上させることができる。その他に、本発明においては、補強部材に対して、枠体の内部に鉄筋を任意の間隔で配置することができるものであり、特に大サイズのマット部材を構成する場合には、縦横補強部材と鉄筋を併用するか、または鉄筋を単独で内部補強用部材として配置することによって、マットの吊り上げの作業に対処させることができる。そして、鉄筋に対して、中間被係止部材を取り付けることにより、マットに対する吊り具の取り付け間隔を狭く設定し、荷役を行う際や、構造物に取り付ける際に、マットの支持の作用を安全な状態で行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発明の構造物の摩擦増大部材を説明する。図1に示す例は、マット部材1の構造の1つの例を示すもので、例えば、トラックを用いて陸上運搬可能なサイズのものとして構成する場合には、幅Wを2m、長さLを4mに構成する場合を示している。前記マット部材1は、アスファルト層2の内部に補強部材10を埋設したものとして構成されるもので、前記補強部材10は、マット部材の幅方向の両側に配置する端補強材11、11aと前記端補強材を接続する接続部材12、12aとを、溶接等により相互に接続して四角形または長方形状の枠体を構成する。前述したようにして、端補強材と接続部材とを組み合わせて構成する枠体の内部には、ネット状部材15を一体に取り付けることにより、前記ネット状部材15がアスファルト層の内部に補強部材を一体に接続する作用を行って、従来のアスファルトマットの場合と同様に、内部補強部材としての作用を行わせ、マットからアスファルト層が剥離したりすることがないように保持する。
【0014】前記ネット状部材15は金網等のネット状部材により構成することができるもので、前記金網を構成する鉄線の端部を、端補強材および接続部材に対してそれぞれ固着し、枠体と金網とを一体のものとして構成する。また、前記ネット状部材15を、任意の間隔で鉄等の線状部材を縦横または斜めに、所定の間隔を介して配置し、それ等の線状部材の端部を枠体に固着して構成することもできる。前述したようにして構成する補強部材10には、マット部材の完成後に荷役を行う際に、または、ケーソン等の構造物に取り付ける際に使用する被係止部材17を任意の間隔で配置する。前記被係止部材は端補強材11または接続部材12のそれぞれに対して、必要とされる間隔で溶接等の手段により固着するもので、後述するように、被係止部材17を袋ナットのように、内部にネジ孔を設けた部材で構成し、ボルト部材を被係止部材17に係止して荷役等の作業に対応させる。
【0015】図2には前記図1の接続部材付近に沿う横断面図を、図3にはマット部材の長さ方向の中央部付近での横断面図を示している。前記図2、3に示されるように、マット部材1においては、アスファルト層2の内部に補強部材10を埋め込む状態で配置しているもので、前記補強部材10を構成する金属部材が、アスファルト層2の内部に埋め込まれる状態で外部に露出しないように保護され、アスファルト層の補強部材として用いられる。また、端補強材または接続部材に対して固着する被係止部材17は、上面をマット部材の表面に露出する状態に配置するもので、前記被係止部材17に設けたネジ孔に荷役用のボルト部材等を容易に係止できるようにする。なお、前記被係止部材17のネジ孔には、マットの製造の際に栓等を取り付けて、異物が入り込まないような処理を行ってからマット部材の製造を行うようにする。
【0016】前記図1のマット部材1とは別に、本発明のマット部材においては、図4に示すように、端補強材11、11a、および、接続部材12、12aにより組立てた枠体の内部に、縦補強部材13と横補強部材14をそれぞれ配置して、枠体の強度を向上させることもできる。前記図4に示すマット部材1aとして示す例では、マット部材が大サイズの場合や重量が大きい場合、または、構造物に取り付けるために、被係止部材を用いた固着部材を多くする必要がある場合に適用される。そして、枠体を構成する端補強材、接続部材、および、縦補強部材、横補強部材の各部材に対して、被係止部材17……を所定の間隔でそれぞれ取り付けておき、吊り具のボルト部材等を用いて吊り上げる際等に、各ボルト部材が負担する荷重を均等に分配し、マット部材に対して局部的な応力が生じたりしないようにすることができるようにする。また、前記図4に示される枠体に対しても、ネット状部材を一体に取り付けておき、前記ネット状部材15を一体に取り付けることにより、前記ネット状部材15がアスファルト層の内部に補強部材を一体に接続する作用を発揮し、前記マット部材1の場合と場合と同様に、補強部材に内部補強部材としての作用を行わせ、マットからアスファルト層が剥離したりすることがないように保持する。
【0017】前述したように、アスファルト層の内部に補強部材10を埋め込む状態で配置して、マット部材1または1aを構成する場合に、マットの幅方向に配置する接続部材12、12a、および、縦補強部材13、横補強部材14等の部材は、比較的大きな応力に対応する部材としては用いないので、平鋼等で構成することができる。これに対して、マットの幅方向の両側に配置する端補強材11,11aは、マット部材を吊り上げた際の荷重を受ける部材として配置するので、マット部材の重量に対応させて強度の大きな部材を配置する。例えば、前記図1に示す例では、図2、3に示すように、L型のアングル部材を用いており、前記端補強材に取り付ける被係止部材は、端補強材の平らな部分からマット部材の表面部まで達するような長い部材を使用している。前記図1の実施例とは別に、本発明のマット部材においては、図5に示されるように、枠体を構成するL型鋼を用いて端補強材21を用いて構成しており、前記L型鋼による端補強材21の縦のフランジの上部に被係止部材17を固着して取り付けている。前記図5においては、端補強材21の上面がマット部材の上面に露出しないように、アスファルト層2の中に埋没される状態に配置し、被係止部材17の上面のみをマット部材の表面に露出させるように設け、金属製の端補強材が外の環境に影響されないように保護している。
【0018】図6に示す例では、端補強材22としてT型鋼を使用しており、前記端補強材22の縦フランジに対して、被係止部材17を固着して設けている。前記端補強材22においても、T型鋼の全体がアスファルト層の内部に埋没される状態に配置し、被係止部材17の先端部のみがマット部材の表面に露出される状態となっている。また、図7に示す例では、端補強材23を平型鋼により構成しているもので、比較的軽量なマット部材に対して適用することが可能である。そして、前記図7に示す例においても、端補強材23をアスファルト層の内部に埋設し、端補強材23からマット部材の表面に達するように、長い被係止部材17を所定の間隔で固着して配置する。さらに、図8に示す例では、端補強材24を溝型鋼により構成しており、前記端補強材24においては、上のフランジをマット部材の表面に露出させ、前記上のフランジにネジ孔25を形成して、荷役等の作業に使用できるように構成している。なお、前記図8に示すように、溝型鋼を使用する場合でも、上のフランジをマット部材の表面に露出させずに、上のフランジに被係止部材を取り付けて、被係止部材の上面のみをマット部材の表面に露出させるように配置することも可能である。
【0019】前記図5〜8に示すように、各種の型鋼を用いて端補強材を構成する場合に、前記端補強材に対して図1等に示されるような接続部材を組み合わせて構成する枠体に対して、ネット状部材15を一体に接続し、補強部材全体をアスファルト層の中に埋没させる状態で、マット部材を構成することができる。また、前述したように、端補強材をアスファルト層の内部に埋没させる状態に配置する場合には、マット部材を海洋構造物の支持部材として使用する際に、補強部材を構成する金属部材が直接海水に接触することがないので、金属部材の腐食を防止してマット部材の耐久性を向上させることが可能になる。さらに、前記マット部材を組み合わせて、広い面積をカバーする必要がある場合には、前記マット部材の端部には、従来のアスファルトマットのようにワイヤ等が突出することがないので、マット部材の接続部はアスファルト部材がそのまま隣接する状態となり、マット部材の接続の作業を容易に行うことが可能になる。
【0020】したがって、前述したようにして製造するマット部材1、1aは、プレハブ状に製造されたアスファルトマットとなり、一定の大きさのマット部材をあらかじめ工場で製造しておくことができる。そして、マット施工現場での需要に対応させて、必要とされる枚数のマット部材を出荷して、現場でマット部材を所定の枚数組み合わせることにより、従来のアスファルトマットと同様な使用形態とすることが可能になる。さらに、前記マット部材は、例えば、陸上をトラックで搬送可能なサイズのものとして構成することにより、マット部材製造場所を施工現場に限定する必要がなくなり、任意の場所で製造したマット部材を施工現場に搬送して施工することが可能になる。
【0021】
【実施例1】前述したように構成するマット部材は、例えば、図9に示すようにして製作することができるもので、マット製造ヤード31に型枠30を組み、前記型枠30の内部に端補強材11、11aと接続部材12、およびネット状部材を組み合わせた補強部材10を配置する。前述したようにして、型枠の内部に補強部材を配置した状態では、補強部材の下部の部分をヤードの表面から浮かす状態とするために、例えば、アスファルトマスチックで構成したブロック32……を介在させる。前記ブロック32をアスファルト層と同一の材質で製造する場合には、打設したアスファルト層と一体化させることができ、マット部材を敷設した際にもブロックが脱落したりすることを防止できる。また、前記ブロックとしては、ゴム製や、その他の任意の材質で、任意の大きさのものを使用できるが、アスファルトと同じような性質の材料を用いて構成することが望ましい。前述したようにして、型枠の内部に補強部材10を配置した後で、アスファルトマスチックを打設して、型枠の内部全体に押圧して隙間が生じないように、一定の厚さとなるように施工する。したがって、前記型枠の内部では、端補強材の外側の部分や、ネット状部材の下部の部分にもアスファルトが充満されて、アスファルトマスチックの内部に補強部材が埋めこまれた状態のマット部材が製造される。
【0022】図10に示す例は、補強部材に配置するネット状部材15とともに、ガラスクロス16等の内部補強部材を使用する例を示しているもので、前記複数の補強部材を使用する場合には、アスファルトマスチックを1度に打設してマット部材を製造することができないという問題がある。そこで、図10に示す例では、マット製造ヤード31に組み立てた型枠30の内部に、最初に第1層のアスファルト層3を所定の厚さで施工し、補強部材の下部のアスファルトの層を形成する。その後で、ガラスクロス16をアスファルト成分を含浸させた第1層のアスファルト層3の上に敷設してから、補強部材10を配置し、第2層としてのアスファルト層4を形成することにより、マット部材1bを構成する。したがって、前述したようにして製造したマット部材1bは、補強部材の枠体と、枠の内部に配置するネット状部材15、およびガラスクロス16のような補強部材を設けていることから、前記補強部材によりアスファルトの層を強固に保持することができ、荷役に際して、例えば、予期しない外力が加えられたとしても、アスファルトが脱落したりすることを防止できる。
【0023】前述したようにして製造されるマット部材は、図11に示されるようにして、クレーン等の吊り上げ装置を用いて荷役を行うことができる。前記図11に示される例において、被係止部材を袋ナットのような部材で構成しているマット部材に対しては、ワイヤ36の端部に吊り具35……をそれぞれ取り付け、各々の吊り具35……をマット部材の被係止部材に対して装着して、吊り下げることができる。また、前記吊り具35……は、ワイヤに取り付ける部分をアイ状の部材として構成し、下部のボルト部材を被係止部材に形成するネジ孔に対応させて構成して、前記ボルト部材を被係止部材17に装着する。したがって、前述したようにして、クレーンの吊りワイヤ37の端部に、マット部材に配置する被係止部材の数に対応させた多数本のワイヤ36……を配置し、それぞれのワイヤ36……の端部に吊り具35……を取り付けるようにする。前記ワイヤは、マット部材を水平に支持できるように長さを調整しておくことにより、マット部材を水平状態で吊り下げることができる。
【0024】前記吊り具としては、例えば、図12に示すように、吊り枠38を用いてマット部材を吊り下げることができる。前記吊り枠38を用いる場合には、クレーンの吊りワイヤ37から補助ワイヤ39を介して吊り枠38を支持し、前記吊り枠38に多数本の同一な長さのワイヤ36……を配置し、それぞれのワイヤ36……の端部に吊り具35……を配置する。そして、前述したように、吊り枠を用いる場合には、ワイヤのみを使用して吊り下げる場合よりも、荷役の効率を向上させることが可能になる。さらに、前記図12に示すような吊り枠を用いることの他に、本発明のマット部材を取り扱う際には、任意の形状の枠体を用いることが可能であり、マット部材が幅方向に十分な曲げ強度を有するものである場合には、両側からまたは四方から抱き抱える形状の吊り具等を用いても良いことは当然である。また、従来のアスファルトマットの吊り枠装置のように、マット部材の形状に対応させた大きさの枠体に対して、吊り具をそれぞれ被係止部材の間隔に対応させて配置したものを用いることも可能である。
【0025】
【実施例2】前記各実施例に示されるように構成されるマット部材は、従来のアスファルトマットの場合と同様に、ケーソン等の海洋構造物に対して、摩擦増大部材として取り付けることや、海底地盤の上に敷き詰めて、消波ブロックに対する支持部材や、海底地盤保護部材として利用することが可能である。図13に示す例は、ケーソン40の底面にマット部材を配置する場合の例を示しているもので、海底地盤41の上に、多数枚のマット部材1……を縦横に並べて敷設する。前記マット部材の表面には、被係止部材を用いて接続金具45を所定の間隔で突出させて配置し、前記接続金具45……の先端部をケーソン40の横鉄筋42に接続することにより、コンクリートを打設した状態で、前記接続金具がコンクリート中に埋設・固定されるようにして、ケーソン本体との接続を確実なものとする。
【0026】また、マット部材を横並べ状態で配置する場合に、各マット部材の接続部での防水等が要求される時には、マット部材の接続部に接着テープ46等を配置することにより、隣接するマット部材の間に隙間が生じないような処理を行うことも可能である。そして、前記横鉄筋42等の下部の鉄筋を組んでから、縦鉄筋43等を組み込み、型枠の内部にコンクリートを打設することにより、コンクリートケーソンを製造する。したがって、前記図13に示されるようにして、ケーソンを製造する場合には、摩擦増大部材の取り扱いを容易に行うことができ、多数枚のマット部材を横並べ状態で配置しても、ケーソン底面に対するマット部材の固着を良好に設定することができ、ケーソンを吊り上げた際に、マット部材が脱落する等の問題が発生することはない。なお。前記マット部材を鋼製のケーソン等の底面に配置する場合でも、鋼製ケーソン等の底の鉄板に対して、被係止部材を介して取り付けたボルト状の部材を接続することにより、マット部材を一体的に取り付けることができる。
【0027】図14に示す例は、海底地盤50上、または、捨石基礎の上面等にマット部材を配置する場合を示しており、この実施例では、従来のゴムマットの場合と同様に、所定のサイズの板状のマット部材1……を敷設地盤上に、縦横方向に必要とされる幅で敷設することができる。また、単純にマット部材を敷き詰めた状態では、マット部材の固定に問題が生じる場合には、マット部材の上面にアスファルトマスチックを所定の厚さで敷設する手段を用いることや、マット部材同士を、被係止部材に取り付けるボルト部材を用いて接続すること、マット部材の継ぎ目の部分に薄いシート状のアスファルトマスチックを接着して接続すること、その他の任意の接続固定手段を用いることもできる。
【0028】
【実施例3】前記実施例とは別に、本発明においては、鋼材で構成した枠体の内部に配置するネット状部材とともに、鉄筋を付加して設け、マット部材の強度を増大させる手段を用いることもできる。そして、鉄筋をマット部材の所定の部分に位置決めして配置するために、図15、16に示すような中間被係止部材を用いることが可能である。前記図15に示す例において、中間被係止部材51は金属、または、プラスチック等の材料を用いた円筒状の部材として構成されるもので、円筒の上部からネジ孔53を設けて、前記ネジ孔53を吊り具のボルト部材に対応させて配置し、円筒の所定の部分には、横方向に貫通する横孔52を設けて、鉄筋55を挿入させるようにする。前記中間被係止部材51は、例えば、袋ナットのような部材に対して、鉄筋を挿入するためのパイプ状の部材を取り付けて構成することもできる。
【0029】図16に示す例では、角柱状の部材を中間被係止部材51aとして構成した場合を示しており、前記中間被係止部材51aにおいては、上部から穿孔して設けたネジ孔53に対して、下部に横孔52、52aを高さを違えて配置しており、前記横孔のそれぞれには、鉄筋55、56を挿入する。前記図15、16に示す実施例において、中間被係止部材の上部に配置するネジ孔53は、吊り具のボルト部材を挿入・固定することにより、吊り上げ時のマット部材の保持を行うために使用する。また、図15の例では、中間被係止部材に設けた横孔に対して、縦横の鉄筋のうちの1つを挿入し、他の直交する鉄筋56を前記鉄筋55に対して結束手段を用いて一体に固定する。さらに、図16に示す中間被係止部材51aにおいては、直交する鉄筋55、56の双方を、中間被係止部材の横孔52、52aに対してそれぞれ挿入して、鉄筋と中間被係止部材とをマット部材の内部で一体化させるようにしている。
【0030】前記中間被係止部材を鉄筋に対して配置する例とは別に、マット部材の内部に埋設する状態で配置する補強部材の枠体においては、鉄筋の端部を枠体の端補強材に対して溶接等により固定することも可能である。しかしながら、マット部材に設ける補強部材においては、比較的サイズの小さな型鋼等を用いるものであるから、鉄筋の端部を端補強材や、接続部材に対して溶接して固定すると、それ等の鋼材に歪が生じたりすることがあり、歪みが生じている枠体を補強部材として使用することは好ましくない場合がある。そこで、本発明においては、補強部材に対して鉄筋を一体に設けるために、図17、18に示すように、端補強材に設けた孔に対して鉄筋を挿入することにより、枠体と鉄筋を一体化させる手段を構成することができる。
【0031】図17に示す例は、端補強材に対して鉄筋の端部を取り付ける場合を示しているもので、前記端補強材60を溝型鋼の開口部を下に向けて配置し、上部の水平部にネジ孔61を所定の間隔で設けている。また、前記端補強材の垂直部分としてのフランジには、所定の間隔で横孔62……を設けておき、前記横孔62に対して、鉄筋55を挿入して取り付けるようにする。そして、前記鉄筋55の端部を端補強材60に対して取り付ける場合に、鉄筋を横孔に挿入してから、端部55aを折り曲げて係止する手段を用いるか、または、端部55aを折り曲げた状態のものを、フランジの横孔62に挿入して係止する手段を用いることも可能である。
【0032】図18に示す例では、端補強材63をT型鋼を用いて構成する場合を示しているもので、前記端補強材のウエブの下部に横孔64……を所定の間隔で設けておき、鉄筋を挿入して固定できるようにする。また、前記T型鋼のウエブの側部には、袋ナット等のような被係止部材65を固定して取り付けておき、マット部材の吊り下げの動作に対応させる。なお、前記被係止部材65は、前記各実施例に示したように、任意の形状の部材で構成することができるものであり、ネジ孔を設けたL字状の板部材を取り付けることによっても構成することが可能である。さらに、本実施例においても、端補強材としては、前述したような各種の形状のものを用いることが可能であり、その型鋼の形状に応じて、鉄筋挿入用の孔を設けておくことにより、ネット状部材の他に、鉄筋を補強用に使用した内部の補強部材を構成することが可能である。
【0033】そして、前述したように構成する端補強材と接続部材とを組み合わせて、補強部材の枠体を構成し、枠体により囲まれる部分の内部に任意の鉄筋を縦横に配置して、強度の大きな補強部材を構成することができる。なお、前記枠体は接続部材に対して鉄筋を固着する場合には、前記接続部材が平板の比較的薄いもので構成されることを想定しているために、溶接によって生じる歪は容易に修正可能である。また、接続部材に対しても鉄筋挿入用の孔を設けておき、鉄筋の端部を固定保持させるようにすることも可能であるから、必要に応じて、任意の接続部材と鉄筋との組み合わせ方法を採用することができる。
【0034】前述したようにして、枠体の内部に鉄筋を配置して、強度の大きなマット部材を構成する場合には、図19に示されるようなマット部材1bとして製造される。前記図19に示す例では、図10に示したように、アスファルト層を2層に別けて施工するもので、最初に第1層のアスファルト層3を施工してから、鉄筋を一体に設けた補強部材を配置し、その鉄筋の上面に対してガラスクロス16等のような内部補強部材を配置する。その後で、第2層のアスファルト層4を施工して、上下のアスファルト層を中間の介在物を挟み、強度の大きな補強部材を埋設した状態で、所定の厚さを有するマット部材1bとして一体化させる。また、前記マット部材1bにおいては、鉄筋55に対して中間被係止部材51を配置しているのであるから、前記中間被係止部材51の上面は、マットの表面に露出した状態に配置される状態となる。そこで、前記中間被係止部材51に設けたネジ孔53に対して、上部を円弧状に曲げて構成した吊り具66、または、アイボルト状の吊り具67のボルト部材を装着して、吊り下げて搬送する作業に使用する。
【0035】前記実施例とは別に、図20に示すように、マット部材1bをケーソンの下面に取り付けて使用する場合には、略T型のボルト部材68を中間被係止部材に挿入・固定して用いることができる。前記T型のボルト部材68は、吊り具として使用することも可能なものであるが、ケーソンのコンクリート中に埋設して、マット部材とケーソン本体とを一体化する場合には有効に用いられる。そして、前述したように、吊り具としても利用可能な部材を使用して、ケーソンの横鉄筋42に接続してから、型枠の内部にコンクリート44を打設することにより、マット部材1bを下面に一体に設けたケーソン40を構成することができる。
【0036】なお、鉄筋に対して中間被係止部材を固定するためには、前記図15、16に示したような形状の中間被係止部材を使用することの他に、前記中間被係止部材51、51aと同様な作用を発揮するものであれば、その他に任意の形状の部材を用いることも可能であり、前記中間被係止部材に配置するネジ孔も、その中間被係止部材の形状に対応させて構成することが可能である。さらに、前記図19、20に示す実施例においても、鉄筋に加えて、金網のような内部補強部材を使用することができるもので、マットのサイズと厚さや、重量等の構成条件、または、使用する場所の条件に対応させて、任意の補強手段と被係止部材の配置関係を設定することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のマット部材は、前述したような構造のものとして構成するのであるから、従来のアスファルトマットのように、非常に重量が大きいものとならず、例えば、荷役を容易に行い得るような重量に構成することが可能である。そして、マット部材を製造する工場でも、大型のクレーン等を用いなくても、積み重ねや運搬車両への荷積み、ケーソン製造現場でのマット部材の敷き詰め作業等のマット部材の取り扱いを容易に行うことが可能になる。また、本発明のマット部材は、規格化したパネル状のものを工場で製作できるものであるから、マット部材の規格品を工場にストックしておくことにより、需要に対して容易に対処でき、敷設現場から離れた工場から、使用する現場まで容易に運搬が可能である。したがって、マット製造設備を需要に応じて移動させる必要がなく、マット部材の製造コストを現場の状況に影響されずに、一定に維持することができる。
【0038】さらに、本発明のマット部材は、アスファルト層の内部に荷役の際に、マット部材の吊り上げに対処できる強度を有する補強部材を一体に埋設しているので、マット部材自体の強度を十分に大きなものとして構成することができる。前記構造上の利点を有することから、マット部材を海洋構造物の下面に配置した場合でも、構造物に対する支持作用を良好に発揮することができる。また、マット部材を地盤上に敷き詰めて任意の構造物に対する支持部材として使用する場合でも、マット部材自体の強度が大きいことから、耐久性と重量物に対する支持作用を良好に発揮させることが可能になる。その他に、本発明においては、補強部材に対して、枠体の内部に鉄筋を任意の間隔で配置することができるものであり、特に大サイズのマット部材を構成する場合には、縦横補強部材と鉄筋を併用するか、または鉄筋を単独で内部補強用部材として配置することによって、マットの吊り上げの作業に対処させることができる。そして、鉄筋に対して、中間被係止部材を取り付けることにより、マットに対する吊り具の取り付け間隔を狭く設定し、荷役を行う際や、構造物に取り付ける際に、マットの支持の作用を安全な状態で行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマット部材の構成を示す説明図である。
【図2】 図1の端部の断面図である。
【図3】 図1の中央部の断面図である。
【図4】 本発明のマット部材の別の構成を示す説明図である。
【図5】 マット部材に用いる端補強材の配置状態の説明図である。
【図6】 マット部材に用いる別の形状の端補強材の配置状態の説明図である。
【図7】 マット部材に用いる他の形状の端補強材の配置状態の説明図である。
【図8】 マット部材に用いるさらに別の形状の端補強材の配置状態の説明図である。
【図9】 マット部材の製造方法の説明図である。
【図10】 マット部材を2層に別けて成形する製造方法の説明図である。
【図11】 マット部材の荷役する状態の説明図である。
【図12】 マット部材の荷役する状態の別の実施例の説明図である。
【図13】 マット部材をケーソンに配置する場合の説明図である。
【図14】 マット部材を地盤上に敷き詰める状態の説明図である。
【図15】 鉄筋に組み合わせて中間被係止部材を配置する例の説明図である。
【図16】 鉄筋に組み合わせて中間被係止部材を配置する別の例の説明図である。
【図17】 鉄筋に組み合わせる端補強材の例の説明図である。
【図18】 鉄筋に組み合わせる端補強材の別の例の説明図である。
【図19】 マット部材に吊り具を組み合わせて荷役に使用する例の説明図である。
【図20】 鉄筋を用いたマット部材をケーソンに取り付ける状態の説明図である。
【符号の説明】
1 マット部材、 2 アスファルト層、 10 補強部材、11 端補強材、 12 接続部材、 13・14 補強部材、15 ネット状部材、 16 ガラスクロス、 17 被係止部材、21〜24 端補強材、 30 型枠、 35 吊り具、36 ワイヤ、 38 吊り枠、 40 ケーソン、42 横鉄筋、 41・50 地盤、 51 中間被係止部材、55・56 鉄筋、 60・63 端補強材、 61 ネジ孔、62・64 横孔、 65 被係止部材、 66、67 吊り具、68 ボルト部材。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に補強部材を埋め込むように配置し、板状に成形するアスファルト層の内部に補強部材を一体に埋め込んだアスファルトマットに関し、特に、海洋構造物を支持地盤上に、安定して支持させるために使用するアスファルトマットに関する。
【0002】
【従来の技術】防波堤や護岸、岸壁等の海洋構造物を構築する際には、海底の地盤上に捨石等で支持基礎を構築し、その基礎の上面を平らに均してから、コンクリート製や鋼製のケーソン等を設置するよな工事方法が用いられる。前記ケーソン等の構造物は、下面がコンクリートまたは鋼板であるために、基礎を構成する石に対する摩擦係数が小さく、波浪の影響によりケーソンが移動する等の問題が懸念されている。また、捨石基礎を構成する石は、100〜300kg程度の重量を有する大きな石であるから、その上面を平らに均したとしても、非常に大きな凹凸があり、ケーソン等の構造物がその基礎の上面に載置された場合に、石の突出部の上に乗る状態となるために、波浪の影響を受けやすいという問題がある。
【0003】そこで、前述したような問題を解消するために、特公昭47−45284号公報等に示されるようなアスファルトマットを用いることが知られており、前記アスファルトマットをケーソンの下部に配置することにより、ケーソンの捨石基礎に対する摩擦抵抗を大きくすることができる。前記アスファルトマットを捨石基礎の上に敷設する場合や、基礎の洗掘を防止するために使用する場合には、できるだけ大サイズのものとして構成し、クレーン船を用いた作業の能率を向上させ得るようにすることが考えられている。そこで、海洋構造物に対して一般に使用されるアスファルトマットは、幅が3〜5mで、長さが10数mと非常に大きなものとして構成される。そして、大サイズで重量の大きいマットを取り扱うために、例えば、特公平3−76368号公報等に示されるように、マットの内部にワイヤロープ等を一体に埋め込んでおき、前記ワイヤロープを用いて、クレーンにより吊り下げる状態で搬送し、施工海域に敷設する方式が用いられている。
【0004】また、前述したようなアスファルトマットを、大型のケーソン等の底面に一体に取り付ける場合には、特開平4−194120号公報に示されるように、マットに所定の間隔で鉄線等の取り付け部材を突出させておき、その鉄線をケーソンの底鉄筋に接続してから、コンクリートを打設するような手段を用いている。また、前記アスファルトマットは、ケーソン等のような構造物の大きさに対応させて、出来るだけ大きいサイズのものとして構成しており、構造物の底面に対応させて、そのようなマットを多数枚密接させて並べた状態で、コンクリートケーソン等の構造物を構築している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のアスファルトマットにおいては、そのマットの両側にアイ部を設けたワイヤロープ等の吊り具を突出させて設けているために、マットを横並びに配置した場合に、そのワイヤがマットの接続部の間に残り、隙間が形成されるという問題が発生する。そこで、ワイヤをマット端部で切断して、マット間に隙間が生じないようにすることや、ワイヤをマットの上に折り込んだ状態で、マットの上にケーソン等の構造物を作成することにより、ワイヤが露出しないようにする等の処理方法が用いられている。しかしながら、マットの荷役のために用いるワイヤロープは、例えば、1m間隔で配置した場合には、両側に10数本もあるために、その処理が面倒であるという問題も残る。
【0006】また、従来のアスファルトマットは、前述したように、施工能率等を重点に考えていたために、できるだけ大サイズに構成することが必要とされており、そのような大サイズのマットは、道路を運搬できないことから、施工現場に近い海岸等で製造して、クレーン船等により搬送する手法が用いられている。したがって、前述したような大サイズのアスファルトマットを施工する場合には、マット製造装置を施工現場毎に組立て、現場で必要とする面積のマットを製造する必要がある。そして、比較的小面積のマットを製造する場合でも、現場にマットを製造する設備全部を配置するために、マットの価格が比較的高価なものとなることが多くあった。
【0007】前述したような問題の他に、従来のアスファルトマットを取り扱う場合には、大サイズのものをクレーン等に設けた専用の吊り具を用いて水平に吊る必要があり、マットのサイズに対応させて専用の吊り具を製作するために、マットの敷設経費にも大きな影響がある。これに対して、アスファルトマットと同様に使用されているゴムマットでは、工場で一定のサイズ(1m×2m)のものとして製造したものを、施工現場で組み合わせて敷設し、必要とされる面積を確保する方式が用いられている。そして、前記ゴムマットをケーソン等の海洋構造物の支持に使用する場合には、そのサイズが一定であることには大きな問題が生じていないのが現状である。
【0008】本発明は、前述したような従来のアスファルトマットの問題を解消するもので、アスファルトマットをトラック等を用いて運搬可能な大きさに構成して、工場で製造が可能であるとともに、使用する現場の状況に合わせて、複数枚のマットを組み合わせることができ、荷役等を容易に行い得る構造物の摩擦増大部材を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に補強部材を一体に埋設し、アスファルトマスチックにより補強部材を覆って構成するアスファルトマットに関する。本発明においては、四方の面に配置し、端部を相互に接続する鋼製の部材により構成する枠体と、前記枠体の鋼製の部材に取り付けてマット部材の表面に端部を露出させる複数の被係止部材と、前記鋼製の部材の内部に一体に配置する網状の部材とを組み合わせて補強部材を構成し、前記補強部材の上下の面と周囲をアスファルトマスチックにより一体に覆って、アスファルトマットを構成している。また、本発明においては、鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体を構成し、前記枠体により囲まれた内部にネット状部材を配置し、端補強材もしくは接続部材に対して被係止部材を取り付けて補強部材を構成し、前記補強部材を型枠の内部に位置決めして配置し、前記補強部材を配置した型枠内にアスファルトマスチックを打設し、前記アスファルトマスチックを板状に成形して構成することも可能である。
【0010】さらに、本発明においては、鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体の内部にネット状部材を配置して補強部材を構成し、型枠の内部に第1層のアスファルト層を打設した上面に補強部材を配置し、前記第1層のアスファルト層の上に補強部材を型枠の内部に位置決めして配置して、第2層のアスファルトマスチックを打設し、前記2層のアスファルト層を一体に接続して構成することができる。また、本発明においては、前記補強部材に対して、端補強材と接続部材の他に、別の補強部材を追加して取り付けることが可能であり、前記補強部材に取り付ける被係止部材にはネジ孔を設け、ボルト状の吊り具を挿入して吊り上げの作用に対応させることも可能である。前記構成に加えて、本発明においては、前記補強部材の枠体の内部に鉄筋を配置し、前記鉄筋の端部を枠体と一体に設けるとともに、前記鉄筋とネット状部材もしくは繊維部材を配置し、前記鉄筋に対して、中間被係止部材を設けることも可能である。
【0011】そして、前述したように構成したことにより、本発明では、工場で規格品としてのマット部材を製造して、使用する現場でマット部材を多数枚組み合わせて用いることができ、アスファルトプラントを施工現場の近くに設置して、マット部材を製造する必要がなくなる。また、本発明のマット部材は、一定のサイズのものを組み合わせて現場で使用するのであるから、適用するケーソン等の構造物のサイズに応じて、マット部材を組み合わせることにより、任意の大きさの部分をカバーすることが可能であり、マット部材の取り扱いを容易に行うことができる。したがって、大型のアスファルトマットを使用する場合のように、大重量のものを取り扱う必要がなく、1枚あたりの重量が、荷役を容易に行い得る単位のものとして構成すること等により、大型のクレーン等を使用する必要がなく、設備を大型のもので構成する必要がない。
【0012】さらに、マット部材では、アスファルト層の内部に強度の大きな補強部材を一体に埋設しているので、マット部材の荷役の際に破損したりすることがなく、構造物に取り付けた場合にも、耐久性と信頼性を向上させることができる。その他に、本発明においては、補強部材に対して、枠体の内部に鉄筋を任意の間隔で配置することができるものであり、特に大サイズのマット部材を構成する場合には、縦横補強部材と鉄筋を併用するか、または鉄筋を単独で内部補強用部材として配置することによって、マットの吊り上げの作業に対処させることができる。そして、鉄筋に対して、中間被係止部材を取り付けることにより、マットに対する吊り具の取り付け間隔を狭く設定し、荷役を行う際や、構造物に取り付ける際に、マットの支持の作用を安全な状態で行うことが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発明の構造物の摩擦増大部材を説明する。図1に示す例は、マット部材1の構造の1つの例を示すもので、例えば、トラックを用いて陸上運搬可能なサイズのものとして構成する場合には、幅Wを2m、長さLを4mに構成する場合を示している。前記マット部材1は、アスファルト層2の内部に補強部材10を埋設したものとして構成されるもので、前記補強部材10は、マット部材の幅方向の両側に配置する端補強材11、11aと前記端補強材を接続する接続部材12、12aとを、溶接等により相互に接続して四角形または長方形状の枠体を構成する。前述したようにして、端補強材と接続部材とを組み合わせて構成する枠体の内部には、ネット状部材15を一体に取り付けることにより、前記ネット状部材15がアスファルト層の内部に補強部材を一体に接続する作用を行って、従来のアスファルトマットの場合と同様に、内部補強部材としての作用を行わせ、マットからアスファルト層が剥離したりすることがないように保持する。
【0014】前記ネット状部材15は金網等のネット状部材により構成することができるもので、前記金網を構成する鉄線の端部を、端補強材および接続部材に対してそれぞれ固着し、枠体と金網とを一体のものとして構成する。また、前記ネット状部材15を、任意の間隔で鉄等の線状部材を縦横または斜めに、所定の間隔を介して配置し、それ等の線状部材の端部を枠体に固着して構成することもできる。前述したようにして構成する補強部材10には、マット部材の完成後に荷役を行う際に、または、ケーソン等の構造物に取り付ける際に使用する被係止部材17を任意の間隔で配置する。前記被係止部材は端補強材11または接続部材12のそれぞれに対して、必要とされる間隔で溶接等の手段により固着するもので、後述するように、被係止部材17を袋ナットのように、内部にネジ孔を設けた部材で構成し、ボルト部材を被係止部材17に係止して荷役等の作業に対応させる。
【0015】図2には前記図1の接続部材付近に沿う横断面図を、図3にはマット部材の長さ方向の中央部付近での横断面図を示している。前記図2、3に示されるように、マット部材1においては、アスファルト層2の内部に補強部材10を埋め込む状態で配置しているもので、前記補強部材10を構成する金属部材が、アスファルト層2の内部に埋め込まれる状態で外部に露出しないように保護され、アスファルト層の補強部材として用いられる。また、端補強材または接続部材に対して固着する被係止部材17は、上面をマット部材の表面に露出する状態に配置するもので、前記被係止部材17に設けたネジ孔に荷役用のボルト部材等を容易に係止できるようにする。なお、前記被係止部材17のネジ孔には、マットの製造の際に栓等を取り付けて、異物が入り込まないような処理を行ってからマット部材の製造を行うようにする。
【0016】前記図1のマット部材1とは別に、本発明のマット部材においては、図4に示すように、端補強材11、11a、および、接続部材12、12aにより組立てた枠体の内部に、縦補強部材13と横補強部材14をそれぞれ配置して、枠体の強度を向上させることもできる。前記図4に示すマット部材1aとして示す例では、マット部材が大サイズの場合や重量が大きい場合、または、構造物に取り付けるために、被係止部材を用いた固着部材を多くする必要がある場合に適用される。そして、枠体を構成する端補強材、接続部材、および、縦補強部材、横補強部材の各部材に対して、被係止部材17……を所定の間隔でそれぞれ取り付けておき、吊り具のボルト部材等を用いて吊り上げる際等に、各ボルト部材が負担する荷重を均等に分配し、マット部材に対して局部的な応力が生じたりしないようにすることができるようにする。また、前記図4に示される枠体に対しても、ネット状部材を一体に取り付けておき、前記ネット状部材15を一体に取り付けることにより、前記ネット状部材15がアスファルト層の内部に補強部材を一体に接続する作用を発揮し、前記マット部材1の場合と場合と同様に、補強部材に内部補強部材としての作用を行わせ、マットからアスファルト層が剥離したりすることがないように保持する。
【0017】前述したように、アスファルト層の内部に補強部材10を埋め込む状態で配置して、マット部材1または1aを構成する場合に、マットの幅方向に配置する接続部材12、12a、および、縦補強部材13、横補強部材14等の部材は、比較的大きな応力に対応する部材としては用いないので、平鋼等で構成することができる。これに対して、マットの幅方向の両側に配置する端補強材11,11aは、マット部材を吊り上げた際の荷重を受ける部材として配置するので、マット部材の重量に対応させて強度の大きな部材を配置する。例えば、前記図1に示す例では、図2、3に示すように、L型のアングル部材を用いており、前記端補強材に取り付ける被係止部材は、端補強材の平らな部分からマット部材の表面部まで達するような長い部材を使用している。前記図1の実施例とは別に、本発明のマット部材においては、図5に示されるように、枠体を構成するL型鋼を用いて端補強材21を用いて構成しており、前記L型鋼による端補強材21の縦のフランジの上部に被係止部材17を固着して取り付けている。前記図5においては、端補強材21の上面がマット部材の上面に露出しないように、アスファルト層2の中に埋没される状態に配置し、被係止部材17の上面のみをマット部材の表面に露出させるように設け、金属製の端補強材が外の環境に影響されないように保護している。
【0018】図6に示す例では、端補強材22としてT型鋼を使用しており、前記端補強材22の縦フランジに対して、被係止部材17を固着して設けている。前記端補強材22においても、T型鋼の全体がアスファルト層の内部に埋没される状態に配置し、被係止部材17の先端部のみがマット部材の表面に露出される状態となっている。また、図7に示す例では、端補強材23を平型鋼により構成しているもので、比較的軽量なマット部材に対して適用することが可能である。そして、前記図7に示す例においても、端補強材23をアスファルト層の内部に埋設し、端補強材23からマット部材の表面に達するように、長い被係止部材17を所定の間隔で固着して配置する。さらに、図8に示す例では、端補強材24を溝型鋼により構成しており、前記端補強材24においては、上のフランジをマット部材の表面に露出させ、前記上のフランジにネジ孔25を形成して、荷役等の作業に使用できるように構成している。なお、前記図8に示すように、溝型鋼を使用する場合でも、上のフランジをマット部材の表面に露出させずに、上のフランジに被係止部材を取り付けて、被係止部材の上面のみをマット部材の表面に露出させるように配置することも可能である。
【0019】前記図5〜8に示すように、各種の型鋼を用いて端補強材を構成する場合に、前記端補強材に対して図1等に示されるような接続部材を組み合わせて構成する枠体に対して、ネット状部材15を一体に接続し、補強部材全体をアスファルト層の中に埋没させる状態で、マット部材を構成することができる。また、前述したように、端補強材をアスファルト層の内部に埋没させる状態に配置する場合には、マット部材を海洋構造物の支持部材として使用する際に、補強部材を構成する金属部材が直接海水に接触することがないので、金属部材の腐食を防止してマット部材の耐久性を向上させることが可能になる。さらに、前記マット部材を組み合わせて、広い面積をカバーする必要がある場合には、前記マット部材の端部には、従来のアスファルトマットのようにワイヤ等が突出することがないので、マット部材の接続部はアスファルト部材がそのまま隣接する状態となり、マット部材の接続の作業を容易に行うことが可能になる。
【0020】したがって、前述したようにして製造するマット部材1、1aは、プレハブ状に製造されたアスファルトマットとなり、一定の大きさのマット部材をあらかじめ工場で製造しておくことができる。そして、マット施工現場での需要に対応させて、必要とされる枚数のマット部材を出荷して、現場でマット部材を所定の枚数組み合わせることにより、従来のアスファルトマットと同様な使用形態とすることが可能になる。さらに、前記マット部材は、例えば、陸上をトラックで搬送可能なサイズのものとして構成することにより、マット部材製造場所を施工現場に限定する必要がなくなり、任意の場所で製造したマット部材を施工現場に搬送して施工することが可能になる。
【0021】
【実施例1】前述したように構成するマット部材は、例えば、図9に示すようにして製作することができるもので、マット製造ヤード31に型枠30を組み、前記型枠30の内部に端補強材11、11aと接続部材12、およびネット状部材を組み合わせた補強部材10を配置する。前述したようにして、型枠の内部に補強部材を配置した状態では、補強部材の下部の部分をヤードの表面から浮かす状態とするために、例えば、アスファルトマスチックで構成したブロック32……を介在させる。前記ブロック32をアスファルト層と同一の材質で製造する場合には、打設したアスファルト層と一体化させることができ、マット部材を敷設した際にもブロックが脱落したりすることを防止できる。また、前記ブロックとしては、ゴム製や、その他の任意の材質で、任意の大きさのものを使用できるが、アスファルトと同じような性質の材料を用いて構成することが望ましい。前述したようにして、型枠の内部に補強部材10を配置した後で、アスファルトマスチックを打設して、型枠の内部全体に押圧して隙間が生じないように、一定の厚さとなるように施工する。したがって、前記型枠の内部では、端補強材の外側の部分や、ネット状部材の下部の部分にもアスファルトが充満されて、アスファルトマスチックの内部に補強部材が埋めこまれた状態のマット部材が製造される。
【0022】図10に示す例は、補強部材に配置するネット状部材15とともに、ガラスクロス16等の内部補強部材を使用する例を示しているもので、前記複数の補強部材を使用する場合には、アスファルトマスチックを1度に打設してマット部材を製造することができないという問題がある。そこで、図10に示す例では、マット製造ヤード31に組み立てた型枠30の内部に、最初に第1層のアスファルト層3を所定の厚さで施工し、補強部材の下部のアスファルトの層を形成する。その後で、ガラスクロス16をアスファルト成分を含浸させた第1層のアスファルト層3の上に敷設してから、補強部材10を配置し、第2層としてのアスファルト層4を形成することにより、マット部材1bを構成する。したがって、前述したようにして製造したマット部材1bは、補強部材の枠体と、枠の内部に配置するネット状部材15、およびガラスクロス16のような補強部材を設けていることから、前記補強部材によりアスファルトの層を強固に保持することができ、荷役に際して、例えば、予期しない外力が加えられたとしても、アスファルトが脱落したりすることを防止できる。
【0023】前述したようにして製造されるマット部材は、図11に示されるようにして、クレーン等の吊り上げ装置を用いて荷役を行うことができる。前記図11に示される例において、被係止部材を袋ナットのような部材で構成しているマット部材に対しては、ワイヤ36の端部に吊り具35……をそれぞれ取り付け、各々の吊り具35……をマット部材の被係止部材に対して装着して、吊り下げることができる。また、前記吊り具35……は、ワイヤに取り付ける部分をアイ状の部材として構成し、下部のボルト部材を被係止部材に形成するネジ孔に対応させて構成して、前記ボルト部材を被係止部材17に装着する。したがって、前述したようにして、クレーンの吊りワイヤ37の端部に、マット部材に配置する被係止部材の数に対応させた多数本のワイヤ36……を配置し、それぞれのワイヤ36……の端部に吊り具35……を取り付けるようにする。前記ワイヤは、マット部材を水平に支持できるように長さを調整しておくことにより、マット部材を水平状態で吊り下げることができる。
【0024】前記吊り具としては、例えば、図12に示すように、吊り枠38を用いてマット部材を吊り下げることができる。前記吊り枠38を用いる場合には、クレーンの吊りワイヤ37から補助ワイヤ39を介して吊り枠38を支持し、前記吊り枠38に多数本の同一な長さのワイヤ36……を配置し、それぞれのワイヤ36……の端部に吊り具35……を配置する。そして、前述したように、吊り枠を用いる場合には、ワイヤのみを使用して吊り下げる場合よりも、荷役の効率を向上させることが可能になる。さらに、前記図12に示すような吊り枠を用いることの他に、本発明のマット部材を取り扱う際には、任意の形状の枠体を用いることが可能であり、マット部材が幅方向に十分な曲げ強度を有するものである場合には、両側からまたは四方から抱き抱える形状の吊り具等を用いても良いことは当然である。また、従来のアスファルトマットの吊り枠装置のように、マット部材の形状に対応させた大きさの枠体に対して、吊り具をそれぞれ被係止部材の間隔に対応させて配置したものを用いることも可能である。
【0025】
【実施例2】前記各実施例に示されるように構成されるマット部材は、従来のアスファルトマットの場合と同様に、ケーソン等の海洋構造物に対して、摩擦増大部材として取り付けることや、海底地盤の上に敷き詰めて、消波ブロックに対する支持部材や、海底地盤保護部材として利用することが可能である。図13に示す例は、ケーソン40の底面にマット部材を配置する場合の例を示しているもので、海底地盤41の上に、多数枚のマット部材1……を縦横に並べて敷設する。前記マット部材の表面には、被係止部材を用いて接続金具45を所定の間隔で突出させて配置し、前記接続金具45……の先端部をケーソン40の横鉄筋42に接続することにより、コンクリートを打設した状態で、前記接続金具がコンクリート中に埋設・固定されるようにして、ケーソン本体との接続を確実なものとする。
【0026】また、マット部材を横並べ状態で配置する場合に、各マット部材の接続部での防水等が要求される時には、マット部材の接続部に接着テープ46等を配置することにより、隣接するマット部材の間に隙間が生じないような処理を行うことも可能である。そして、前記横鉄筋42等の下部の鉄筋を組んでから、縦鉄筋43等を組み込み、型枠の内部にコンクリートを打設することにより、コンクリートケーソンを製造する。したがって、前記図13に示されるようにして、ケーソンを製造する場合には、摩擦増大部材の取り扱いを容易に行うことができ、多数枚のマット部材を横並べ状態で配置しても、ケーソン底面に対するマット部材の固着を良好に設定することができ、ケーソンを吊り上げた際に、マット部材が脱落する等の問題が発生することはない。なお。前記マット部材を鋼製のケーソン等の底面に配置する場合でも、鋼製ケーソン等の底の鉄板に対して、被係止部材を介して取り付けたボルト状の部材を接続することにより、マット部材を一体的に取り付けることができる。
【0027】図14に示す例は、海底地盤50上、または、捨石基礎の上面等にマット部材を配置する場合を示しており、この実施例では、従来のゴムマットの場合と同様に、所定のサイズの板状のマット部材1……を敷設地盤上に、縦横方向に必要とされる幅で敷設することができる。また、単純にマット部材を敷き詰めた状態では、マット部材の固定に問題が生じる場合には、マット部材の上面にアスファルトマスチックを所定の厚さで敷設する手段を用いることや、マット部材同士を、被係止部材に取り付けるボルト部材を用いて接続すること、マット部材の継ぎ目の部分に薄いシート状のアスファルトマスチックを接着して接続すること、その他の任意の接続固定手段を用いることもできる。
【0028】
【実施例3】前記実施例とは別に、本発明においては、鋼材で構成した枠体の内部に配置するネット状部材とともに、鉄筋を付加して設け、マット部材の強度を増大させる手段を用いることもできる。そして、鉄筋をマット部材の所定の部分に位置決めして配置するために、図15、16に示すような中間被係止部材を用いることが可能である。前記図15に示す例において、中間被係止部材51は金属、または、プラスチック等の材料を用いた円筒状の部材として構成されるもので、円筒の上部からネジ孔53を設けて、前記ネジ孔53を吊り具のボルト部材に対応させて配置し、円筒の所定の部分には、横方向に貫通する横孔52を設けて、鉄筋55を挿入させるようにする。前記中間被係止部材51は、例えば、袋ナットのような部材に対して、鉄筋を挿入するためのパイプ状の部材を取り付けて構成することもできる。
【0029】図16に示す例では、角柱状の部材を中間被係止部材51aとして構成した場合を示しており、前記中間被係止部材51aにおいては、上部から穿孔して設けたネジ孔53に対して、下部に横孔52、52aを高さを違えて配置しており、前記横孔のそれぞれには、鉄筋55、56を挿入する。前記図15、16に示す実施例において、中間被係止部材の上部に配置するネジ孔53は、吊り具のボルト部材を挿入・固定することにより、吊り上げ時のマット部材の保持を行うために使用する。また、図15の例では、中間被係止部材に設けた横孔に対して、縦横の鉄筋のうちの1つを挿入し、他の直交する鉄筋56を前記鉄筋55に対して結束手段を用いて一体に固定する。さらに、図16に示す中間被係止部材51aにおいては、直交する鉄筋55、56の双方を、中間被係止部材の横孔52、52aに対してそれぞれ挿入して、鉄筋と中間被係止部材とをマット部材の内部で一体化させるようにしている。
【0030】前記中間被係止部材を鉄筋に対して配置する例とは別に、マット部材の内部に埋設する状態で配置する補強部材の枠体においては、鉄筋の端部を枠体の端補強材に対して溶接等により固定することも可能である。しかしながら、マット部材に設ける補強部材においては、比較的サイズの小さな型鋼等を用いるものであるから、鉄筋の端部を端補強材や、接続部材に対して溶接して固定すると、それ等の鋼材に歪が生じたりすることがあり、歪みが生じている枠体を補強部材として使用することは好ましくない場合がある。そこで、本発明においては、補強部材に対して鉄筋を一体に設けるために、図17、18に示すように、端補強材に設けた孔に対して鉄筋を挿入することにより、枠体と鉄筋を一体化させる手段を構成することができる。
【0031】図17に示す例は、端補強材に対して鉄筋の端部を取り付ける場合を示しているもので、前記端補強材60を溝型鋼の開口部を下に向けて配置し、上部の水平部にネジ孔61を所定の間隔で設けている。また、前記端補強材の垂直部分としてのフランジには、所定の間隔で横孔62……を設けておき、前記横孔62に対して、鉄筋55を挿入して取り付けるようにする。そして、前記鉄筋55の端部を端補強材60に対して取り付ける場合に、鉄筋を横孔に挿入してから、端部55aを折り曲げて係止する手段を用いるか、または、端部55aを折り曲げた状態のものを、フランジの横孔62に挿入して係止する手段を用いることも可能である。
【0032】図18に示す例では、端補強材63をT型鋼を用いて構成する場合を示しているもので、前記端補強材のウエブの下部に横孔64……を所定の間隔で設けておき、鉄筋を挿入して固定できるようにする。また、前記T型鋼のウエブの側部には、袋ナット等のような被係止部材65を固定して取り付けておき、マット部材の吊り下げの動作に対応させる。なお、前記被係止部材65は、前記各実施例に示したように、任意の形状の部材で構成することができるものであり、ネジ孔を設けたL字状の板部材を取り付けることによっても構成することが可能である。さらに、本実施例においても、端補強材としては、前述したような各種の形状のものを用いることが可能であり、その型鋼の形状に応じて、鉄筋挿入用の孔を設けておくことにより、ネット状部材の他に、鉄筋を補強用に使用した内部の補強部材を構成することが可能である。
【0033】そして、前述したように構成する端補強材と接続部材とを組み合わせて、補強部材の枠体を構成し、枠体により囲まれる部分の内部に任意の鉄筋を縦横に配置して、強度の大きな補強部材を構成することができる。なお、前記枠体は接続部材に対して鉄筋を固着する場合には、前記接続部材が平板の比較的薄いもので構成されることを想定しているために、溶接によって生じる歪は容易に修正可能である。また、接続部材に対しても鉄筋挿入用の孔を設けておき、鉄筋の端部を固定保持させるようにすることも可能であるから、必要に応じて、任意の接続部材と鉄筋との組み合わせ方法を採用することができる。
【0034】前述したようにして、枠体の内部に鉄筋を配置して、強度の大きなマット部材を構成する場合には、図19に示されるようなマット部材1bとして製造される。前記図19に示す例では、図10に示したように、アスファルト層を2層に別けて施工するもので、最初に第1層のアスファルト層3を施工してから、鉄筋を一体に設けた補強部材を配置し、その鉄筋の上面に対してガラスクロス16等のような内部補強部材を配置する。その後で、第2層のアスファルト層4を施工して、上下のアスファルト層を中間の介在物を挟み、強度の大きな補強部材を埋設した状態で、所定の厚さを有するマット部材1bとして一体化させる。また、前記マット部材1bにおいては、鉄筋55に対して中間被係止部材51を配置しているのであるから、前記中間被係止部材51の上面は、マットの表面に露出した状態に配置される状態となる。そこで、前記中間被係止部材51に設けたネジ孔53に対して、上部を円弧状に曲げて構成した吊り具66、または、アイボルト状の吊り具67のボルト部材を装着して、吊り下げて搬送する作業に使用する。
【0035】前記実施例とは別に、図20に示すように、マット部材1bをケーソンの下面に取り付けて使用する場合には、略T型のボルト部材68を中間被係止部材に挿入・固定して用いることができる。前記T型のボルト部材68は、吊り具として使用することも可能なものであるが、ケーソンのコンクリート中に埋設して、マット部材とケーソン本体とを一体化する場合には有効に用いられる。そして、前述したように、吊り具としても利用可能な部材を使用して、ケーソンの横鉄筋42に接続してから、型枠の内部にコンクリート44を打設することにより、マット部材1bを下面に一体に設けたケーソン40を構成することができる。
【0036】なお、鉄筋に対して中間被係止部材を固定するためには、前記図15、16に示したような形状の中間被係止部材を使用することの他に、前記中間被係止部材51、51aと同様な作用を発揮するものであれば、その他に任意の形状の部材を用いることも可能であり、前記中間被係止部材に配置するネジ孔も、その中間被係止部材の形状に対応させて構成することが可能である。さらに、前記図19、20に示す実施例においても、鉄筋に加えて、金網のような内部補強部材を使用することができるもので、マットのサイズと厚さや、重量等の構成条件、または、使用する場所の条件に対応させて、任意の補強手段と被係止部材の配置関係を設定することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のマット部材は、前述したような構造のものとして構成するのであるから、従来のアスファルトマットのように、非常に重量が大きいものとならず、例えば、荷役を容易に行い得るような重量に構成することが可能である。そして、マット部材を製造する工場でも、大型のクレーン等を用いなくても、積み重ねや運搬車両への荷積み、ケーソン製造現場でのマット部材の敷き詰め作業等のマット部材の取り扱いを容易に行うことが可能になる。また、本発明のマット部材は、規格化したパネル状のものを工場で製作できるものであるから、マット部材の規格品を工場にストックしておくことにより、需要に対して容易に対処でき、敷設現場から離れた工場から、使用する現場まで容易に運搬が可能である。したがって、マット製造設備を需要に応じて移動させる必要がなく、マット部材の製造コストを現場の状況に影響されずに、一定に維持することができる。
【0038】さらに、本発明のマット部材は、アスファルト層の内部に荷役の際に、マット部材の吊り上げに対処できる強度を有する補強部材を一体に埋設しているので、マット部材自体の強度を十分に大きなものとして構成することができる。前記構造上の利点を有することから、マット部材を海洋構造物の下面に配置した場合でも、構造物に対する支持作用を良好に発揮することができる。また、マット部材を地盤上に敷き詰めて任意の構造物に対する支持部材として使用する場合でも、マット部材自体の強度が大きいことから、耐久性と重量物に対する支持作用を良好に発揮させることが可能になる。その他に、本発明においては、補強部材に対して、枠体の内部に鉄筋を任意の間隔で配置することができるものであり、特に大サイズのマット部材を構成する場合には、縦横補強部材と鉄筋を併用するか、または鉄筋を単独で内部補強用部材として配置することによって、マットの吊り上げの作業に対処させることができる。そして、鉄筋に対して、中間被係止部材を取り付けることにより、マットに対する吊り具の取り付け間隔を狭く設定し、荷役を行う際や、構造物に取り付ける際に、マットの支持の作用を安全な状態で行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマット部材の構成を示す説明図である。
【図2】 図1の端部の断面図である。
【図3】 図1の中央部の断面図である。
【図4】 本発明のマット部材の別の構成を示す説明図である。
【図5】 マット部材に用いる端補強材の配置状態の説明図である。
【図6】 マット部材に用いる別の形状の端補強材の配置状態の説明図である。
【図7】 マット部材に用いる他の形状の端補強材の配置状態の説明図である。
【図8】 マット部材に用いるさらに別の形状の端補強材の配置状態の説明図である。
【図9】 マット部材の製造方法の説明図である。
【図10】 マット部材を2層に別けて成形する製造方法の説明図である。
【図11】 マット部材の荷役する状態の説明図である。
【図12】 マット部材の荷役する状態の別の実施例の説明図である。
【図13】 マット部材をケーソンに配置する場合の説明図である。
【図14】 マット部材を地盤上に敷き詰める状態の説明図である。
【図15】 鉄筋に組み合わせて中間被係止部材を配置する例の説明図である。
【図16】 鉄筋に組み合わせて中間被係止部材を配置する別の例の説明図である。
【図17】 鉄筋に組み合わせる端補強材の例の説明図である。
【図18】 鉄筋に組み合わせる端補強材の別の例の説明図である。
【図19】 マット部材に吊り具を組み合わせて荷役に使用する例の説明図である。
【図20】 鉄筋を用いたマット部材をケーソンに取り付ける状態の説明図である。
【符号の説明】
1 マット部材、 2 アスファルト層、 10 補強部材、11 端補強材、 12 接続部材、 13・14 補強部材、15 ネット状部材、 16 ガラスクロス、 17 被係止部材、21〜24 端補強材、 30 型枠、 35 吊り具、36 ワイヤ、 38 吊り枠、 40 ケーソン、42 横鉄筋、 41・50 地盤、 51 中間被係止部材、55・56 鉄筋、 60・63 端補強材、 61 ネジ孔、62・64 横孔、 65 被係止部材、 66、67 吊り具、68 ボルト部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に補強部材を一体に埋設し、アスファルトマスチックにより補強部材を覆って構成するアスファルトマットにおいて、四方の面に配置し、端部を相互に接続する鋼製の部材により構成する枠体と、前記枠体の鋼製の部材に取り付けてマット部材の表面に端部を露出させる複数の被係止部材と、前記鋼製の部材の内部に一体に配置する網状の部材とを組み合わせて補強部材を構成し、前記補強部材の上下の面と周囲をアスファルトマスチックにより一体に覆って構成することを特徴とする構造物の摩擦増大部材。
【請求項2】 鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体を構成し、前記枠体により囲まれた内部にネット状部材を配置し、端補強材もしくは接続部材に対して被係止部材を取り付けて補強部材を構成し、前記補強部材を型枠の内部に位置決めして配置し、前記補強部材を配置した型枠内にアスファルトマスチックを打設し、前記アスファルトマスチックを板状に成形して構成することを特徴とする構造物の摩擦増大部材。
【請求項3】 鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体の内部にネット状部材を配置して補強部材を構成し、型枠の内部に第1層のアスファルト層を打設した上面に補強部材を配置し、前記第1層のアスファルト層の上に補強部材を型枠の内部に位置決めして配置して、第2層のアスファルトマスチックを打設し、前記2層のアスファルト層を接続して構成することを特徴とする構造物の摩擦増大部材。
【請求項4】 前記補強部材には、端補強材と接続部材に加えて、別の補強部材を追加して取り付けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の摩擦増大部材。
【請求項5】 前記補強部材に取り付ける被係止部材にはネジ孔を設け、ボルト状の吊り具を挿入して吊り上げの作用に対応させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の摩擦増大部材。
【請求項6】 前記補強部材の枠体の内部に鉄筋を配置し、前記鉄筋の端部を枠体と一体に設けるとともに、前記鉄筋とネット状部材もしくは繊維部材を配置し、前記鉄筋に対して、中間被係止部材を設けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の構造物の摩擦増大部材。
【請求項1】 内部に補強部材を一体に埋設し、アスファルトマスチックにより補強部材を覆って構成するアスファルトマットにおいて、四方の面に配置し、端部を相互に接続する鋼製の部材により構成する枠体と、前記枠体の鋼製の部材に取り付けてマット部材の表面に端部を露出させる複数の被係止部材と、前記鋼製の部材の内部に一体に配置する網状の部材とを組み合わせて補強部材を構成し、前記補強部材の上下の面と周囲をアスファルトマスチックにより一体に覆って構成することを特徴とする構造物の摩擦増大部材。
【請求項2】 鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体を構成し、前記枠体により囲まれた内部にネット状部材を配置し、端補強材もしくは接続部材に対して被係止部材を取り付けて補強部材を構成し、前記補強部材を型枠の内部に位置決めして配置し、前記補強部材を配置した型枠内にアスファルトマスチックを打設し、前記アスファルトマスチックを板状に成形して構成することを特徴とする構造物の摩擦増大部材。
【請求項3】 鋼材で構成した端補強材と、前記端補強材を接続する接続部材を相互に接続して四角形状の枠体の内部にネット状部材を配置して補強部材を構成し、型枠の内部に第1層のアスファルト層を打設した上面に補強部材を配置し、前記第1層のアスファルト層の上に補強部材を型枠の内部に位置決めして配置して、第2層のアスファルトマスチックを打設し、前記2層のアスファルト層を接続して構成することを特徴とする構造物の摩擦増大部材。
【請求項4】 前記補強部材には、端補強材と接続部材に加えて、別の補強部材を追加して取り付けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の摩擦増大部材。
【請求項5】 前記補強部材に取り付ける被係止部材にはネジ孔を設け、ボルト状の吊り具を挿入して吊り上げの作用に対応させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の摩擦増大部材。
【請求項6】 前記補強部材の枠体の内部に鉄筋を配置し、前記鉄筋の端部を枠体と一体に設けるとともに、前記鉄筋とネット状部材もしくは繊維部材を配置し、前記鉄筋に対して、中間被係止部材を設けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の構造物の摩擦増大部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開平9−125403
【公開日】平成9年(1997)5月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−308469
【出願日】平成7年(1995)11月1日
【出願人】(594067368)ワールドエンジニアリング株式会社 (21)
【出願人】(000232508)日本道路株式会社 (48)
【出願人】(390002185)大成ロテック株式会社 (90)
【出願人】(000230711)日本海上工事株式会社 (25)
【公開日】平成9年(1997)5月13日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)11月1日
【出願人】(594067368)ワールドエンジニアリング株式会社 (21)
【出願人】(000232508)日本道路株式会社 (48)
【出願人】(390002185)大成ロテック株式会社 (90)
【出願人】(000230711)日本海上工事株式会社 (25)
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