説明

構造物の補修方法

【課題】構造物の壁の一方側と他方側を貫通する貫通孔を補修する際に、壁の一方側からの作業のみで確実にかつ速やかに補修を行うことのできる補修方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る第1の構造物の補修方法は、貫通孔4Aの一方側開口6Aから袋体10を貫通孔4Aの内部に挿入した後、袋体10の内部に充填材20を充填し、充填材20の充填完了後に袋体10の口部11を閉じることにより貫通孔4Aを閉塞する。また、本発明に係る第2の構造物の補修方法は、袋体10内部に充填材20を充填した充填材収納バッグ30を、貫通孔4Aの一方側開口6Aから貫通孔4Aの内部に挿入することによって、貫通孔4Aを閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の補修方法に関し、特に、放射線源を格納する建物や容器の壁に生じたひび割れ等の貫通孔を補修する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば原子力発電所、核燃料再処理施設、医療用放射線利用施設等のように、放射線を発生する物体(以下、これを「放射線源」という)を格納する構造物の壁は、放射線の遮蔽や耐震性の確保という観点から、放射線源の強さに応じてその壁厚や強度が法律で定められている(例えば特許文献1及び2を参照)。そのため、このような構造物の壁に大きなひび割れ等が発生するといった事態は通常起こらないと考えられる。
【0003】
しかしながら、想定を超えた力が壁に作用した場合、壁の室内側壁面と室外側壁面を貫通するような大きなひび割れ等が発生し、このひび割れ等から放射線が外部に漏れる危険性も払拭できない。このような事態が発生した場合には、高放射能にさらされる危険性があることから作業者は放射線源が格納された室内には立ち入ることはできない。このため、作業者は、室外側からの作業のみで、壁のひび割れの補修作業を速やかに行う必要がある。そこで従来は、図7に示すように、鉛板などの放射線遮蔽板でひび割れの室外側開口を塞ぐといった措置をとってきた。
【0004】
【特許文献1】特開2005−172443号公報
【特許文献2】特開2003−041661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7に示したように放射線遮蔽板でひび割れの室外側開口を塞ぐ方法では、室外側の壁面が凹凸の多い形状を有している場合には、壁面に設置した放射線遮蔽板と壁面との間の隙間から放射線が外部に漏出する虞があり、確実に放射線を遮蔽することは困難である。また、ひび割れの室外側開口の近傍に、撤去することが困難な機器類が設置されている場合には、放射線遮蔽板の設置スペースが制限されるため、この方法を採用することはできない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑み、構造物の壁の室内側と室外側を貫通するひび割れ等の貫通孔を補修する際に、壁の一方側からの作業のみで確実にかつ速やかに補修を行うことのできる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る構造物の補修方法は、構造物を構成する壁の一方側の壁面と他方側の壁面を貫通する貫通孔を補修する方法であって、前記貫通孔の一方側開口から袋体を前記貫通孔内部に挿入した後、前記袋体の内部に充填材を充填し、前記充填材の充填完了後に前記袋体の口部を閉じることにより前記貫通孔を閉塞することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る構造物の補修方法は、上記請求項1において、前記充填材を充填するノズルの先端部に前記袋体をかぶせ、前記袋体をかぶせた状態のノズルを前記貫通孔の一方側開口から前記貫通孔内部に挿入した後、前記ノズルの先端部から前記充填材を吐出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る構造物の補修方法は、構造物を構成する壁の一方側の壁面と他方側の壁面を貫通する貫通孔を補修する方法であって、袋体内部に充填材を充填した充填材収納バッグを、前記貫通孔の一方側開口から前記貫通孔内部に挿入することにより、前記貫通孔を閉塞することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る構造物の補修方法は、上記請求項1から3のいずれか1つにおいて、前記構造物が放射線源を格納する建物又は容器であり、前記充填材として放射線遮蔽材を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1及び第2の構造物の補修方法によれば、構造物の壁の一方側と他方側を貫通する貫通孔の補修作業を行う際に、壁の一方側からの作業のみで、補修作業を確実にかつ速やかに行うことができる。その結果、例えば放射線源を格納する建物等の壁に発生したひび割れに本発明の補修方法を適用した場合には、室外側壁面の表面形状等に関係なく、室外側からの作業のみで、確実かつ速やかに放射線を遮蔽することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る第1及び第2の構造物の補修方法における好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1の構造物の補修方法)
図1は、第1の構造物の補修方法を用いて、壁に発生したひび割れの補修を行った状態を示す断面図である。本実施の形態で補修対象となる壁1は、例えば原子力発電所、核燃料再処理施設、医療用放射線利用施設など、放射線源(図示せず)を格納する建物や容器の壁である。壁1には、放射線源を格納する室内側壁面2と室外側壁面3とを貫通するとともに、幅方向にほぼ水平に延在したひび割れ(貫通孔)4Aが生じている。そして、壁1の室内側壁面2及び室外側壁面3には、それぞれひび割れ開口5A,6A(以下、各々を「室内側開口5A」,「室外側開口6A」とよぶ)が生じ、内部に空間部Sが形成されている。なお、図1に例示する壁1の厚さは1m〜2m前後、ひび割れ4Aの空間部Sの鉛直方向長さは10cm程度を想定している。
【0014】
本実施の形態に係る構造物の補修方法は、後述するように、ひび割れ4Aの室外側開口6Aから柔軟性を有する袋体10を空間部Sに挿入した後、この袋体10の内部に充填材20を充填し、充填材20の充填完了後に室外側において袋体10の口部11を閉塞するものである。
【0015】
袋体10は、その内部に充填材20を充填した際にひび割れ4Aとの間に隙間が生じないように、柔軟性を有する材質で構成してある。この袋体10の材質としては、ゴムチューブのように水密性のある材質、あるいは、麻袋等のように内部に充填した充填材20が滲み出る材質のいずれを適用しても構わない。なお、空間部Sに複数の袋体10を挿入する場合には、袋体10として充填材20が滲みでる麻袋等を用いるのが好ましい。この場合、隣接する袋体10と袋体10との間に充填材20が滲み出て充填されるため、より確実な遮蔽を行うことができる。また、袋体10の寸法は、室外側からの作業を行い易くするために、図1に示すようにひび割れ4Aの壁厚方向の長さよりも長い寸法とするのが好ましい。
【0016】
袋体10に充填される充填材20は、γ線及び中性子を遮蔽する能力に優れた公知の放射線遮蔽材20を用いる(例えば特開2003−255081号を参照)。この放射線遮蔽材20は、水素含有率の高い樹脂原料、重金属及び熱中性子吸収材を所定の比率で配合し、これらを混合することにより得られるゲル状の物質である。ここで、水素含有率の高い樹脂原料とは、例えば(メタ)アクリル酸の長鎖脂肪族置換基をもつ反応性の樹脂原料(モノマー)である。また、重金属とは、具体的には原子番号が22以上の重金属又は原子番号が22以上の重金属を含む化合物であり、例えば鉛粉(ガスアトマイズ粉)である。また、熱中性子吸収材とは、例えば炭化ホウ素、窒化ホウ素、ホウ酸である。なお、上記の放射線遮蔽材20の組成はあくまでも一例であり、他の組成をもつゲル状の放射線遮蔽材20を用いてもよい。
【0017】
また、放射線遮蔽材20として、硬化していない状態のモルタル又はコンクリート等のやや粘性のある材料を用いてもよい。このモルタル、コンクリートは、通常の建設工事で用いられる一般的なモルタル、コンクリートである。なお、放射線源からの放射線量の強度に応じて、モルタル及びコンクリートの細骨材として、例えば金属(砂鉄)等の密度の大きい重量骨材を含有させてもよい。また、コンクリートの粗骨材として、例えば鉄鉱石等の密度の大きい重量骨材を含有させてもよい。
【0018】
図2−1〜図2−4は、ひび割れ4Aを補修する手順の一例を説明するための図であり、(a)はひび割れ4A部分の平面断面図、(b)はひび割れ4A部分を室外側(作業側)から見た正面図である。以下、図2−1〜図2−4を参照しながら、上述した袋体10及び充填材20を用いて、室外側からひび割れ4Aを補修する方法の手順を説明する。
【0019】
まず、放射線遮蔽材20を吐出する充填ノズル40の先端に、空の袋体10をかぶせる。そして、袋体10をかぶせた状態の充填ノズル40を、図2−1に示すように、壁1に埋設された鉄筋7をかわすようにしてひび割れ4Aに挿入する。図2−2に示すように、充填ノズル40の先端が室内側に到達したら、充填ノズル40の先端から放射線遮蔽材20を吐出する。放射線遮蔽材20の充填時には、充填ノズル40から吐出される放射線遮蔽材20の勢いで袋体10が室内側に飛ばされないように、室外側において袋体10の口部11を押さえながら充填作業を行う。図2−3に示すように、ひび割れ4Aと袋体10との間の隙間がなくなるまで袋体10の内部に放射性遮蔽材20を充填する。充填が完了した後、充填ノズル40を袋体10から抜き取り、図2−4に示すように、室外側で袋体10の口部11を緊縛する。以下では、このように袋体10の内部に放射線遮蔽材20が充填され、口部11が緊縛されたものを、放射線遮蔽材収納バッグ30と呼ぶことにする。
【0020】
図2−1〜図2−4の手順を繰り返し行うことにより、ひび割れ4Aの内部に放射線遮蔽材収納バッグ30を順次詰めていき、ひび割れ4Aを閉塞する。このように、袋体10の中に放射線遮蔽材20を充填することで、放射線遮蔽材20の充填作業中に放射線遮蔽材20が室内側に脱落することがなく、確実にひび割れ4Aの空間部Sに充填することができる。
【0021】
なお、上記の手順では、袋体10への放射線遮蔽材20の充填をひとつずつ行っているが、充填ノズル40を複数用意することで、以下に説明するように複数の袋体10に放射線遮蔽材20を同時に充填することも可能である。まず、複数の充填ノズル40の先端に、それぞれ空の袋体10をかぶせる。そして、袋体10をかぶせた状態の各充填ノズル40を、それぞれ壁1に埋設された鉄筋7をかわすようにしてひび割れ4Aに挿入する。各充填ノズル40の先端が室内側に到達したら、各充填ノズル40の先端から同時に放射線遮蔽材を吐出する。放射線遮蔽材20の充填時には、各充填ノズル40から吐出される放射線遮蔽材20の勢いで各袋体10が室内側に飛ばされないように、室外側において各袋体10の口部11を押さえながら充填作業を行う。ひび割れ4Aと各袋体10との間の隙間がなくなるまで、各袋体10の内部に放射性遮蔽材20を充填する。充填が完了した後、各充填ノズル40を各袋体10から抜き取り、室外側で各袋体10の口部11を緊縛する。以上の手順により、複数の放射線遮蔽材収納バッグ30を同時にひび割れ4Aに詰めることができる。
【0022】
本実施の形態の補修方法において補修対象となるものは上述したひび割れ4Aに限定されるものではなく、室内側壁面2と室外側壁面3を貫通するあらゆる形状の貫通孔に適用することが可能である。例えば、図3−1〜図3−4のように、配管を盛り替えた後の旧い配管孔を閉塞する場合などに、本実施の形態の補修方法を適用することができる。以下、配管孔4Bに放射線遮蔽材収納バッグ30を詰める手順について簡単に説明する。
【0023】
まず、放射線遮蔽材20を吐出する充填ノズル40の先端に空の袋体10をかぶせ、袋体10をかぶせた状態の充填ノズル40を、図3−1に示すように、室外側開口6Bから配管孔4Bに挿入する。図3−2に示すように、充填ノズル40の先端が室内側開口5Bに到達したら、室外側において袋体10の口部11を保持しながら、充填ノズル40の先端から放射線遮蔽材20を吐出する。図3−3に示すように、ひび割れ4Bと袋体10との間の隙間がなくなるまで袋体10の内部に放射性遮蔽材20を充填した後、充填ノズル40を袋体10から抜き取り、図3−4に示すように、室外側で袋体10の口部11を緊縛する。以上の手順を行うことにより、配管孔4B内に放射線遮蔽材収納バッグ30を詰められ、配管孔4Bを閉塞することができる。
【0024】
なお、図3−1〜図3−4では、配管孔4Bに一本の放射線遮蔽材収納バッグ30を詰めて配管孔4Bを閉塞したが、配管孔が大きい場合には、上記の手順を繰り返すことによって複数本の放射線遮蔽材収納バッグ30を配管孔に詰めるようにする。例えば、図4に示す例のように、配管孔4Cに4つの袋体10を挿入して、各袋体10に放射線遮蔽材20を充填する。配管孔4Cは矩形状を成しているが、袋体10が柔軟性を有しているため、複数の放射線遮蔽材収納バッグ30は容易に配管孔4Cの形状になじみ、確実に配管孔4Cを閉塞することができる。
【0025】
また、図5の左図に示すように、配管スリーブ4D内部に複数の小配管群4a〜4dが収容されており、小配管群4a〜4d周りの空隙部分を閉塞するような場合には、図5の右図に示すように、複数本の放射線遮蔽材収納バッグ30を小配管群4a〜4d周りの空隙部分に詰めるようにする。具体的には、配管スリーブ4Dと小配管群4a〜4dとの間、及び各小配管群4a〜4dの隙間にそれぞれ袋体10を挿入し、隣接する袋体10同士が密接するまで、各袋体10に放射線遮蔽材20を充填していく。図5に示すように、小配管群4a〜4d周りの空隙部分は複雑な形状を有しているが、袋体10が柔軟であるために、容易に空隙部分の形状になじみ、確実に空隙部分を閉塞することができる。
【0026】
(第2の構造物の補修方法)
次に、本発明に係る第2の構造物の補修方法について説明する。なお、上述した第1の構造物の補修方法と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0027】
図6は、第2の構造物の補修方法を用いて、壁に発生したひび割れの補修を行った状態を示す断面図である。上述した第1の補修方法では、袋体10をひび割れ4Aの空間部Sに挿入した後に、袋体10の内部に放射線遮蔽材20(充填材20)を充填することで空間部Sを閉塞したが、第2の補修方法では、予め袋体10に放射線遮蔽材20を充填して放射線遮蔽材収納バッグ30を作製しておき、予め作製しておいた放射線遮蔽材収納バッグ30を、ひび割れ4Aの空間部Sに詰めるという点が第1の補修方法と異なっている。
【0028】
放射線遮蔽材収納バッグ30は、第1の補修方法で用いたものよりも小さいサイズのものを複数用意しておく。そして、図6に示すように、ひび割れ4Aとの間に隙間が生じないように、室外側開口6から各放射線遮蔽材収納バッグ30を順次空間部Sに詰めていく。これにより、室内側に放射線遮蔽材20が脱落することなく、確実にひび割れ4Aの空間部Sに放射線遮蔽材20を充填することができる。なお、図6に示す方法は一例であり、ひび割れ4Aの大きさ、形状によっては、1つの放射線遮蔽材収納バッグ30でひび割れ4Aを塞いでもよい。
【0029】
以上説明したように、上述した第1及び第2の構造物の補修方法によれば、放射線源を格納する建物等の壁1に発生したひび割れ4の補修を行う際に、室外側壁面3の表面形状等に関係なく、室外側からの作業のみで、確実かつ速やかに放射線を遮蔽することができる。
【0030】
なお、上述した第1及び第2の構造物の補修方法では、壁1に生じたひび割れや、旧い配管孔を閉塞する例について説明したが、補修対象となるものはひび割れや配管孔に限定されるものではなく、室内側壁面2と室外側壁面3を貫通するあらゆる形状の貫通孔に適用することが可能である。
【0031】
また、上述した第1及び第2の構造物の補修方法を用いた作業については、人間が行う替わりにロボット(機械)を利用して行ってもよい。
【0032】
さらに、上述した第1及び第2の構造物の補修方法では、放射線源を格納する構造物の壁1の補修例について説明したが、本発明において適用対象となる構造物は放射線源を格納する構造物に限定されるものではなく、一般的な構造物も含まれる。要するに、壁に生じた貫通孔を閉塞する補修作業を、壁の一方側からの作業のみで行う必要がある場合に、本発明の補修方法を有効に適用することができる。なお、放射線源を格納する構造物以外の一般的な構造物に本発明の補修方法を適用する場合、充填材20の材料は、構造物の種類等に応じて適切なものを選択して用いる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る第1の構造物の補修方法を用いてひび割れの補修を行った状態を示す断面図である。
【図2−1】ひび割れを補修する手順の一例を示す図である。
【図2−2】ひび割れを補修する手順の一例を示す図である。
【図2−3】ひび割れを補修する手順の一例を示す図である。
【図2−4】ひび割れを補修する手順の一例を示す図である。
【図3−1】配管孔を補修する手順の一例を示す図である。
【図3−2】配管孔を補修する手順の一例を示す図である。
【図3−3】配管孔を補修する手順の一例を示す図である。
【図3−4】配管孔を補修する手順の一例を示す図である。
【図4】配管孔を補修する手順の他の例を示す図である。
【図5】配管孔を補修する手順の他の例を示す図である。
【図6】本発明に係る第2の構造物の補修方法を用いてひび割れの補修を行った状態を示す断面図である。
【図7】放射線源を格納する建物で発生したひび割れを補修する従来の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0034】
1 壁
2 室内側壁面
3 室外側壁面
4A ひび割れ(貫通孔)
4B,4C,4D 配管孔(貫通孔)
5A,5B 室内側開口(他方側開口)
6A,6B 室外側開口(一方側開口)
7 鉄筋
10 袋体
11 口部
20 放射線遮蔽材(充填材)
30 放射線遮蔽材収納バッグ(充填材収納バッグ)
40 充填ノズル
S 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を構成する壁の一方側の壁面と他方側の壁面を貫通する貫通孔を補修する方法であって、
前記貫通孔の一方側開口から袋体を前記貫通孔内部に挿入した後、前記袋体の内部に充填材を充填し、前記充填材の充填完了後に前記袋体の口部を閉じることにより前記貫通孔を閉塞することを特徴とする構造物の補修方法。
【請求項2】
前記充填材を充填するノズルの先端部に前記袋体をかぶせ、前記袋体をかぶせた状態のノズルを前記貫通孔の一方側開口から前記貫通孔内部に挿入した後、前記ノズルの先端部から前記充填材を吐出することを特徴とする請求項1に記載の構造物の補修方法。
【請求項3】
構造物を構成する壁の一方側の壁面と他方側の壁面を貫通する貫通孔を補修する方法であって、
袋体内部に充填材を充填した充填材収納バッグを、前記貫通孔の一方側開口から前記貫通孔内部に挿入することにより、前記貫通孔を閉塞することを特徴とする構造物の補修方法。
【請求項4】
前記構造物は、放射線源を格納する建物又は容器であり、
前記充填材として放射線遮蔽材を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の構造物の補修方法。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−121301(P2010−121301A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293826(P2008−293826)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(501204525)独立行政法人海上技術安全研究所 (185)
【Fターム(参考)】