説明

様々な動作湿度に最適化されたガス拡散層および対応する燃料電池

電気化学的電池および拡散媒体を使用する他のデバイスの水分管理に関する問題に対処するために、拡散媒体および拡散媒体のパラメータを調整する方法が提供される。多孔質炭素紙上にメソ多孔質層を提供するために疎水性ポリマー材料と混合されたフィラー材料としての炭素の粒径や表面積など、拡散媒体の様々なパラメータが、燃料電池の特定の動作湿度に合わせて調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は拡散媒体の設計および製造に関し、より詳細には水分管理が重要な設計問題である電気化学的電池に使用する拡散媒体に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明によれば、電気化学的電池および拡散媒体を使用する他のデバイスの水分管理に関する問題に対処するために、拡散媒体および拡散媒体のパラメータを調整する方法が提供される。本発明の一実施形態によれば、含水素の燃料源を電気エネルギーに変換するように構成されたデバイスが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0003】
このデバイスは、第1の反応物質入力、第2の反応物質入力、加湿された反応物質出力、デバイス内の多相の反応物質を通過させるように構成された拡散媒体、および高い相対湿度でデバイスを動作させるように構成されたコントローラを備える。コントローラは、加湿された反応物質出力の相対湿度が約150%を上回るように構成される。拡散媒体は、拡散媒体基体およびメソ多孔質層を備える。拡散媒体基体は、第1および第2の主要面を画定する炭素質多孔質繊維のマトリックスを含む。メソ多孔質層は、基体の第1および第2の主要面の一方の少なくとも一部に沿って延び、親水性炭素質成分および疎水性成分を含む。親水性炭素質成分は、当該の粒子が実際には粒子の塊りでもよいという理解のもとで、約85m/g未満の表面積および約35nm〜約70nmの平均粒径によって特徴づけられる小さい表面積の炭素を含む。
【0004】
本発明の他の実施形態によれば、コントローラは、加湿された反応物質出力の相対湿度が約100%〜約150%であるように構成される。親水性炭素質成分は、約200m/g〜約300m/gの表面積および約15nm〜約40nmの平均粒径によって特徴づけられる中程度の表面積の炭素を含む。
【0005】
本発明の他の実施形態によれば、コントローラは加湿された反応物質出力の相対湿度が約100%未満であるように構成される。親水性炭素質成分は、約750m/gを上回る表面積および約20nm未満の平均粒径によって特徴づけられる大きい表面積の炭素を含む。
【0006】
本発明の他の実施形態によれば、本発明に従って拡散媒体を製作する方法が提供される。この方法では、燃料電池の動作相対湿度が低、中、または高に識別され、拡散媒体が燃料電池の特定の動作湿度に合わせて調整される。
【0007】
したがって、本発明の一目的は、拡散媒体およびそのような拡散媒体を使用するデバイスにおける水分管理問題に対処する手段を提供することである。本発明の他の目的は、本明細書で実施された本発明の説明に照らせば明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せ読むことにより最もよく理解され得る。図では同じ構造は同じ参照番号で示されている。
先ず図1に、本発明による多孔質拡散媒体20を組み込んだ燃料電池10が示されている。具体的には、燃料電池10は、燃料電池10のアノード流路40とカソード流路50の間に挿入された膜電極組立体30を備える。流路40、50ならびに膜電極組立体30は、本発明の範囲から逸脱することなく、従来の、または未開発の、様々な形態をとることができることが企図されている。膜電極組立体30のこの特定の形態は本発明の範囲外であるが、図示の実施形態では、膜電極組立体30はそれぞれの触媒電極層32とイオン交換膜34を含む。
【0009】
図2には、本発明の一実施形態による拡散媒体20が概略的に示されている。拡散媒体20は拡散媒体基体22およびメソ多孔質層24を備える。拡散媒体基体22は、第1および第2の主要面21および23を画定する多孔質繊維のマトリックス、例えば炭素繊維紙、および基体22を導電性にするのに十分な量の炭素質の物質を含む。図示の実施形態では、拡散媒体基体22は、基体22の第1の主要面21に沿ってメソ多孔質層24を延ばす。本発明を定義し説明するために、メソ多孔質構造が、数ナノメートルから数百ナノメートルもの範囲におよび得る孔径によって特徴づけられることに留意されたい。
【0010】
メソ多孔質層24は親水性炭素質成分28および疎水性成分26を含む。親水性炭素質成分28は小さい表面積の炭素を含む。適切な炭素粒子は、例えばカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、フラーレン、およびナノチューブを含む。入手可能な市販のカーボンブラックには、Vulcan XC72RT(商標)(マサチューセッツ州ビレリカ(Bilerica)のCabot Corp.製)、Shawinigan C−55(商標)50%圧縮されたアセチレンブラック(テキサス州ヒューストンの Chevron Chemical Co.製)、Norit type SX1(商標)(ジョージア州アトランタのNorit Americas Inc.製)、Corax L(商標)およびCorax P(商標)(ニュージャージー州リッジフィールドパークのDegussa Corp.製)、Conductex 975(商標)(ジョージア州アトランタのColombian Chemical Co.製)、Super ST(商標)およびSuper P(商標)(ベルギーのブリュッセルのMMM nvのMMM Carbon Div.製)、Ket JenBlack EC 600JD(商標)(Ketjen Black International Co.製。イリノイ州シカゴのAkzo Nobel Chemicals Inc.から入手可能)、Black Pearls(商標)(マサチューセッツ州ビレリカのCabot Corp.製)があるが、これらだけには限定されない。本発明の特定の実施形態では、約60m/g〜約70m/gの表面積を有するアセチレンブラック、約250m/gの表面積を有するVulcan XC72(商標)、約800〜1300m/gの表面積を有するKetJen Black(商標)、および1300m/gを上回る表面積を有するBlack Pearls(商標)を使用する。親水性炭素質成分は、導電性を向上させるために、大きい表面積の炭素に加えて小さい比率のカーボングラファイトを含んでよい。
【0011】
疎水性成分26はフッ化重合体(例えばポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化重合体の組合せ、あるいは他の適切な疎水性物質または疎水性物質の組合せ)を含んでよい。
【0012】
親水性および疎水性のそれぞれの成分の重量%に関して、メソ多孔質層は約80重量%〜約95重量%の炭素質成分を含んでよく、すなわち、より詳細には、高い動作湿度向けでは約80重量%の炭素質成分を、低い動作湿度向けでは約90重量%〜約95重量%の炭素質成分を含んでよい。
【0013】
本発明の多くの実施形態では、水分管理問題に対処する上で、メソ多孔質層24は、燃料電池の流路に面して位置するのでなく、燃料電池10の膜電極組立体30に向かって位置するとより効果的である。しかし、拡散媒体基体22は、どちらの面が膜電極組立体30に向かって位置するかにかかわらず、メソ多孔質層24が基体22の主要面21および23のどちらに沿って延びてもよいことが企図されている。さらに、メソ多孔質層24は、それ自体が沿って延びる面のすべてまたは一部を覆ってもよい。図2に示されるように、メソ多孔質層24は少なくとも部分的に拡散媒体基体22に浸透する。図2中の想像線で示される第1の面21により概略的に図示された浸透の範囲は、メソ多孔質層24および拡散媒体基体22の特性に依存して広範囲に変化することになる。本発明のいくつかの実施形態には、メソ多孔質層を拡散媒体基体の繊維状マトリックスより多孔性であるように構成すると有利であると思われるものがある。
【0014】
本発明は、燃料電池10で含水素の燃料源を電気エネルギーに変換するための特定の機構を対象とするものではない。したがって、本発明の説明では、燃料電池10が特に、第1の反応物質入力R、第2の反応物質入力Rおよび加湿された反応物質出力ROUTを含むことに言及すれば十分である。拡散媒体20は、膜電極組立体30と燃料電池10のそれぞれの流路40、50との間で多相の反応物質、すなわち反応性ガス、液体、および蒸気を通過させるので、拡散媒体20の水分管理特性を最適化すべきであると本発明者は認識した。
【0015】
燃料電池コントローラは、一般にブロック要素として示されるため、また、その個々の構成が本発明の理解に密接な関係がないため、図示されていないが、動作湿度を含めて燃料電池の多くの動作条件を制御する。例えば、コントローラは温度、圧力、湿度、第1および第2の反応物質入力の流量、またはそれらの組合せを調整するように構成され得る。いずれにしても、コントローラは、高い相対湿度(燃料電池の加湿された反応物質出力において約150%の相対湿度を上回る)、中程度の相対湿度(約100%〜約150%の相対湿度)、または低い相対湿度(約100%未満の相対湿度)で燃料電池10が動作するように構成され得る。本発明によれば、拡散媒体20の様々なパラメータが、燃料電池の特定の動作湿度に合わせて調整される。もちろん、燃料電池デバイス内の拡散媒体の下流で、加湿された反応物質出力の前に、湿度調整要素が用いられる場合も、そのような湿度調整要素がデバイス内に存在しない場合と同様に、本明細書に示された相対湿度対策が与えられる。
【0016】
下表は、拡散媒体基体22および拡散媒体のメソ多孔質層24の選択されたパラメータの適切な近似値を、燃料電池10の動作湿度の関数として表す。
【0017】
【表1】

【0018】
表に示されるように、比較的小さい表面積の炭素質成分28の方が高い動作湿度での動作により適する。比較的小さい表面積の炭素を含む拡散媒体20は、より大きな表面積の炭素より、燃料電池10の膜電極組立体30から水分を逃がすのに適することになる。炭素の表面積が大きくミクロ細孔の割合が高いと、膜電極組立体から水分を逃がすのがより困難になるが、この拡散媒体は低湿度での動作により適するようになる。同様の理由により、比較的大きな粒径の炭素質成分28は小さな粒径のものより高い動作湿度に適する。メソ多孔質層24中の炭素質成分28の体積基準重量百分比も、燃料電池10の動作湿度に関連した必要に対処するために増減され得る。動作湿度の各範囲におけるこれらのパラメータの近似値は、上の表に与えられている。
【0019】
湿度増加に伴って基体の孔径の値がおおむね増加しているのは、水分を移す必要性がより顕著になるのに従って、低い動作湿度では基体の多孔度をより低く、高い動作湿度では多孔度をより高くすべきであることを表す。同様に、比較的低い動作湿度では、拡散媒体20の貯水容量を増加させるために、基体22の厚さbをより大きくすべきである。メソ多孔質層24に関して、その厚さaおよび基体22中への浸透度は、比較的高い動作湿度では一般により制限される。これらのパラメータの近似値も、動作湿度の各範囲で、上の表に与えられている。
【0020】
図3で、本発明によって拡散媒体を組み込んだ燃料電池システムは、車両100用の動力源として動作するように構成され得る。具体的には、燃料貯蔵ユニット120からの燃料は、燃料、例えばH2を電気に変換するように構成された燃料電池組立体110に送られ得る。生成された電気は、その後車両100で原動力電源として使用され、電気がトルクおよび車両の並進運動に変換される。
【0021】
本明細書では、「好ましくは」、「普通」、および「一般に」のような用語は、請求された発明の範囲を限定したり、あるいはある特徴が、請求された発明の構造または機能にとって決定的、不可欠、または重要であることを示唆したりするためには使用されないことに留意されたい。むしろ、これらの用語は、本発明の特定の実施形態で利用されることもされないこともある代わりのまたは追加の機能を強調するためのものであるにすぎない。
【0022】
本発明を説明し定義するために、本明細書では、用語「デバイス」は、ある構成要素が他の構成要素と組み合わされるかどうかにかかわらず、構成要素の組合せおよび個々の構成要素を表すために使用されることに留意されたい。本発明では、例えば「デバイス」は、拡散媒体、本発明による拡散媒体を組み込んだ燃料電池、本発明による燃料電池を組み込んだ車両などを含んでよい。
【0023】
本発明を説明し定義するために、用語「実質的に」は、何らかの量的比較、値、測定、または他の表現に帰され得る固有の不確定性の度合を表すために本明細書で使用されることに留意されたい。本明細書では、用語「かなり」は、ある量的表現が、問題となる対象の基本機能を変化させずに、記載された基準から変化し得る度合を表すためにも使用される。
【0024】
本発明を、その特定の実施形態に即して詳細に述べてきたが、添付の特許請求の範囲に定義する本発明の範囲から逸脱することなしに、変更および改変が可能であることは、明らかであろう。より具体的には、本発明のいくつかの態様をここでは好ましいものとして、または特に有利なものとして特定したが、本発明は、必ずしもこれらの本発明の好ましい態様に限定されるものではないことが企図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による多孔質拡散媒体を組み込んだ燃料電池の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による多孔質拡散媒体の概略図である。
【図3】本発明による燃料電池を組み込んだ車両の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水素の燃料源を電気エネルギーに変換するように構成されたデバイスであって、第1の反応物質入力と、第2の反応物質入力と、加湿された反応物質出力と、前記デバイス内の多相の反応物質を通過させるように構成された拡散媒体と、前記デバイスを高い相対湿度で動作させるように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の相対湿度が約150%を上回るように構成され、
前記拡散媒体が、拡散媒体基体およびメソ多孔質層を備え、
前記拡散媒体基体が、第1および第2の主要面を画定する炭素質多孔質繊維のマトリックスを含み、
前記メソ多孔質層が、前記基体の前記第1および第2の主要面のうち1つの少なくとも一部に沿って延び、親水性炭素質成分および疎水性成分を含み、
前記親水性炭素質成分が、約85m/g未満の表面積および約35nm〜約70nmの平均粒径によって特徴づけられる小さい表面積の炭素を含むデバイス。
【請求項2】
前記親水性炭素質成分が、約60m/g〜約80m/gの表面積によって特徴づけられる小さい表面積の炭素を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記親水性炭素質成分が、前記小さい表面積の炭素を大きい比率で含み、前記小さい表面積の炭素に加えて小さい比率のカーボングラファイトを含む請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記親水性炭素質成分が、約42nmの平均粒径によって特徴づけられる小さい表面積の炭素を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記親水性炭素質成分が、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素フラーレン、カーボンナノチューブ、およびこれらの組合せから選択される請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記親水性炭素質成分が、アセチレンブラックを含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記メソ多孔質層が、前記炭素質成分約90重量%〜約95重量%を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記メソ多孔質層が、約80重量%を上回る前記炭素質成分を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記疎水性成分が、フッ化重合体を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記メソ多孔質層が、約15μm未満の厚さを画定する請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記メソ多孔質層が、約10μm〜約12μmの厚さを画定する請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記メソ多孔質層が、少なくとも部分的に前記拡散媒体基体に浸透する請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記メソ多孔質層が、前記拡散媒体基体に5μm未満の深さまで浸透する請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記メソ多孔質層が、前記拡散媒体基体の前記繊維状マトリックスの多孔度より大きな多孔度によって特徴づけられる請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記基体が、炭素繊維紙を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記炭素繊維紙が、約80%を上回る多孔度によって特徴づけられる請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記炭素繊維紙が、約100μm〜約300μmの厚さを画定する請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記基体が、約25μmを上回る平均孔径によって特徴づけられる請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記基体が、約25μm〜約35μmの平均孔径によって特徴づけられる請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記デバイス内の前記拡散媒体の下流に湿度調整要素がない場合、前記加湿された反応物質出力より以前における前記相対湿度が約150%を上回るように前記コントローラが構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の前記相対湿度が約150%を上回るように、前記第1および第2の反応物質入力の少なくとも一方の相対湿度を調整するように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の前記相対湿度が約150%を上回るように、前記第1および第2の反応物質入力の温度、圧力、湿度および流量を調整するように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の相対湿度が約300%であるように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスが燃料電池を備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスが、前記燃料電池で動く車両を定義する構造をさらに備える請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記親水性炭素質成分が、約60m/g〜約80m/gの表面積によって特徴づけられるアセチレンブラックを含み、
前記メソ多孔質層が、約80重量%未満の前記炭素質成分を含み、
前記疎水性成分が、PTFE、PVDF、PVFおよびこれらの組合せから選択されたフッ化重合体を含み、
前記メソ多孔質層が、約15μm未満の厚さを画定し、
前記拡散媒体基体が、約80%を上回る多孔度によって特徴づけられ、約100μm〜約300μmの厚さを画定する炭素繊維紙を含み、
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の前記相対湿度が約150%を上回るように、前記第1および第2の反応物質入力の温度、圧力、湿度および流量を調整するように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
含水素の燃料源を電気エネルギーに変換するように構成されたデバイスであって、第1の反応物質入力と、第2の反応物質入力と、加湿された反応物質出力と、前記デバイス内の多相の反応物質を通過させるように構成された拡散媒体と、前記デバイスを中程度の相対湿度で動作させるように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の相対湿度が約100%〜約150%であるように構成され、
前記拡散媒体が、拡散媒体基体およびメソ多孔質層を備え、
前記拡散媒体基体が、第1および第2の主要面を画定する炭素質多孔質繊維のマトリックスを含み、
前記メソ多孔質層が、前記基体の前記第1および第2の主要面の一方の少なくとも一部に沿って延び、親水性炭素質成分および疎水性成分を含み、
前記親水性炭素質成分が、約200m/g〜約300m/gの表面積および約15nm〜約40nmの平均粒径によって特徴づけられる中程度の表面積の炭素を含むデバイス。
【請求項28】
前記親水性炭素質成分が、約250m/gの表面積によって特徴づけられる中程度の表面積の炭素を含む請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記親水性炭素質成分が、約30nmの平均粒径によって特徴づけられる小さい表面積の炭素を含む請求項27に記載のデバイス。
【請求項30】
前記メソ多孔質層が、約10μm〜約20μmの厚さを画定する請求項27に記載のデバイス。
【請求項31】
前記メソ多孔質層が、前記拡散媒体基体に10μm未満の深さまで浸透する請求項27に記載のデバイス。
【請求項32】
前記基体が、約70%〜約80%の多孔度によって特徴づけられる炭素繊維紙を含む請求項27に記載のデバイス。
【請求項33】
前記炭素繊維紙が、約150μm〜約300μmの厚さを画定する請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記基体が、約20μm〜約30μmの平均孔径によって特徴づけられる請求項27に記載のデバイス。
【請求項35】
前記メソ多孔質層が、約80重量%を上回る前記炭素質成分を含む請求項27に記載のデバイス。
【請求項36】
含水素の燃料源を電気エネルギーに変換するように構成されたデバイスであって、第1の反応物質入力と、第2の反応物質入力と、加湿された反応物質出力と、前記デバイス内の多相の反応物質を通過さえるように構成された拡散媒体と、前記デバイスを低い相対湿度で動作させるように構成されたコントローラとを備え、
前記コントローラが、前記加湿された反応物質出力の相対湿度が約100%未満であるように構成され、
前記拡散媒体が、拡散媒体基体およびメソ多孔質層を備え、
前記拡散媒体基体が、第1および第2の主要面を画定する炭素質多孔質繊維のマトリックスを含み、
前記メソ多孔質層が、前記基体の前記第1および第2の主要面のうち1つの少なくとも一部に沿って延び、親水性炭素質成分および疎水性成分を含み、
前記親水性炭素質成分が、約750m/gを上回る表面積および平均粒径が約20nm未満の平均粒径によって特徴づけられる大きい表面積の炭素を含むデバイス。
【請求項37】
前記親水性炭素質成分が、約800m/g〜約1300m/gの表面積によって特徴づけられる中程度の表面積の炭素を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記メソ多孔質層が、約10μm〜約40μmの厚さを画定する請求項36に記載のデバイス。
【請求項39】
前記メソ多孔質層が、前記拡散媒体基体に25μm未満の深さまで浸透する請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記メソ多孔質層が、前記拡散媒体基体に約20μm〜約25μmの深さまで浸透する請求項36に記載のデバイス。
【請求項41】
前記基体が、約70%〜約75%の多孔度によって特徴づけられる炭素繊維紙を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項42】
前記炭素繊維紙が、約190μm〜約300μmの厚さを画定する請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
前記基体が、約25μm未満の平均孔径によって特徴づけられる請求項36に記載のデバイス。
【請求項44】
前記メソ多孔質層が、約80重量%を上回る前記炭素質成分を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項45】
前記メソ多孔質層が、約90重量%〜約95重量%の前記炭素質成分を含む請求項36に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−500424(P2007−500424A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521842(P2006−521842)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020570
【国際公開番号】WO2005/018029
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(590001407)ゼネラル・モーターズ・コーポレーション (118)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL MOTORS CORPORATION
【Fターム(参考)】