説明

標的ストリーム中のアルデヒド濃度の低減法

カルボニル化法の標的ストリーム中のアルデヒド濃度の低減法を開示する。更に詳しくは、カルボニル化法の内部プロセスストリーム又は供給ストリーム中のアルデヒド濃度の低減法を開示する。特に、カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度を含む標的ストリームを、第一のアルデヒド濃度を第二のアルデヒド濃度に低減するに足る条件で、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含む反応に付す方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。本発明は特に、カルボニル化法の標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。本発明はまた、カルボニル化可能な反応物を含む標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法にも関する。更に詳しくは、本発明は、カルボニル化法のカルボニル化反応器への供給ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用されている酢酸合成法の中で商業的に最も有用な方法の一つは、Paulikらによる1973年10月30日発行の米国特許第3,769,329号に教示されているような、カルボニル化可能な反応物、特にメタノールと一酸化炭素との接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、典型的にはロジウム(液状反応媒体中に溶解されているか、さもなくば分散されている、又は不活性固体上に担持されている)をハロゲン含有触媒プロモーター(例えばヨウ化メチル)と共に含有する。ロジウムは反応系に多数の形態のいずれでも導入できる。同様に、ハロゲン化物プロモーターの性質も一般的には重要でない。当該特許権者は非常に多数の適切なプロモーターを開示しているが、その大部分は有機ヨウ化物である。最も典型的かつ有用的には、反応は、触媒が溶解した液状反応媒体に一酸化炭素ガスを連続通気(バブリング)することによって実施される。
【0003】
ロジウム触媒の存在下でアルコールをカルボニル化して該アルコールより1個多い炭素原子を有するカルボン酸を製造する先行技術の方法における改良が、同一出願人による米国特許第5,001,259号(1991年3月19日発行);5,026,908号(1991年6月25日発行);及び5,144,068号(1992年9月1日発行);並びに欧州特許EP 0 161 874 B2(1992年7月1日公開)に開示されている。それらに開示されているように、酢酸は、酢酸メチル、ハロゲン化メチル(特にヨウ化メチル)、及び触媒有効濃度で存在するロジウムを含有する反応媒体中でメタノールから製造される。これらの特許は、触媒の安定性とカルボニル化反応器の生産性が、反応媒体中の水分濃度が非常に低くても(すなわち4重量パーセント以下;一般的な工業慣習ではおよそ14〜15wt%の水分が維持されるにもかかわらず)、反応媒体中に、触媒有効量のロジウムと少なくとも有限濃度の水と共に、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンのほかに特定濃度のヨウ化物イオンを維持することによって、驚くほど高レベルに維持できることを開示している。このヨウ化物イオンは単塩で、ヨウ化リチウムが好適である。該特許は、酢酸メチルとヨウ化物塩の濃度は、特に反応器の水分濃度が低い場合、メタノールから酢酸を製造するカルボニル化率に影響を及ぼす重要なパラメータであることを教示している。比較的高濃度の酢酸メチルとヨウ化物塩を使用することによって、液状反応媒体が約0.1wt%ほどの低さの濃度の水しか含有しない場合でも(とても低いので広義には単に“有限濃度”の水と定義できる)、驚くほどの程度の触媒安定性と反応器生産性が得られる。さらに、使用されている反応媒体は、ロジウム触媒の安定性、すなわち特にプロセスの生成物回収ステップ時における触媒沈降に対する抵抗性を改良する。これらのステップで酢酸生成物を回収する目的で行われる蒸留は、反応容器内に維持された環境中ではロジウムに対して安定化効果を有するリガンドとなる一酸化炭素を触媒から除去しがちである。米国特許第5,001,259号、5,026,908号及び5,144,068号は引用によって本明細書に援用する。
【0004】
酢酸製造のための低水分カルボニル化法は、二酸化炭素、水素、及びプロピオン酸のような副産物を低減するが、一般的には微量存在するその他の不純物の量は、低水分カルボニル化法によって増加しうること、そして酢酸の品質は、触媒の改良又は反応条件の変更によって生産率を増大させようとすると、時に損なわれることがあることが分かった。
【0005】
これらの微量不純物は、特に反応プロセスに再循環される場合、とりわけ時間経過と共にこれらの不純物の蓄積がもたらされうるので、酢酸の品質に影響を及ぼす。アセトアルデヒドのアルドール反応から誘導される不飽和アルデヒド、特にクロトンアルデヒド及びエチルクロトンアルデヒドは、酢酸の過マンガン酸時間(permanganate time、酢酸工業で一般的に使用される品質試験)を減少させる不純物である。本明細書中で使用している“アルデヒド”という語は、アルデヒド官能基を含有する化合物を意味し、該化合物は不飽和を有していてもいなくてもよい。カルボニル化法における不純物に関する更なる考察についてはCatalysis of Organic Reaction,75,369−380(1998)参照。そのようなアルデヒド種はカルボニル化法のいくつものストリームで見出すことができる。開示のように、そのようなアルデヒド種はプロセス内で生成しうる。従って、アルデヒド種はいくつもの内部プロセスストリーム内で見出されうる。そのようなアルデヒド種は、カルボニル化法に通常使用される供給材料中にも見出されることが多い。カルボニル化可能な反応物の一般的な工業原料はアルデヒド種を含有し得、しかも望ましくない濃度で存在しうる。従ってアルデヒド種はカルボニル化反応器に供給される供給ストリーム中にも見出されうる。カルボニル化法のそのようなストリーム、例えばプロセスストリーム及び供給ストリームは、通常少なくとも一つのカルボニル化可能な反応物を含有する。
【0006】
本発明は、特にカルボニル化可能な反応物を含む標的ストリーム又はカルボニル化法の標的ストリーム中の、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、及び2−エチルブチルアルデヒドなどのような化合物として存在しうるアルデヒドの濃度を低減することに関する。
【0007】
アセトアルデヒドのような上記アルデヒド種は、カルボニル化法において形成されうるいくつものその他の望ましくない副産物のもとである。特にアセトアルデヒドはプロピオン酸のもとである。アルデヒド濃度を低減することによって、本発明はそのような望ましくない副産物の低減又は除去ももたらしうる。従って、アルデヒド種、特にアセトアルデヒドを低減するのが主目的である。
【0008】
そのようなアルデヒド不純物を除去する従来技術は、酢酸生成物ストリームを酸化剤、オゾン、水、メタノール、活性炭、アミンなどで処理することを含む。そのような処理を酢酸の蒸留と組み合わせることもある。最も典型的な精製処理は、最終生成物の一連の蒸留を含む。また、有機ストリームをヒドロキシルアミンのようなアミン化合物で処理することによって有機ストリームからアルデヒド不純物を除去することも知られている。この場合、ヒドロキシルアミンはアルデヒド種と反応してオキシムを形成するので、その後蒸留してオキシム反応生成物から精製された有機生成物を分離する。しかしながら、最終生成物の追加処理はプロセスにコストを追加することになり、処理された酢酸生成物の蒸留は更なる不純物の形成をもたらすことにもなりかねない。
【0009】
そこで、最終生成物を汚染したり不要なコストを追加したりせずに、カルボニル化可能な反応物を含有するプロセスストリーム及び供給ストリームなどのカルボニル化法におけるアルデヒド種の濃度を低減する、より採算の合う方法を特定することが重要となっている。従って、アルデヒド低減効率を改良する代替法に対する需要は依然としてある。本発明は一つのそのような代替の解決策を提供する。
【発明の要旨】
【0010】
本発明は、標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。本発明は特に、カルボニル化法の標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。本発明はまた、カルボニル化可能な反応物を含む標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法にも関する。更に詳しくは、本発明は、カルボニル化法のカルボニル化反応器への供給ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。
【0011】
一側面において、本発明は、カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度を含む標的ストリームを準備し;そして、標的ストリームを、第一のアルデヒド濃度を第二のアルデヒド濃度に低減するに足る条件で、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含む反応に付すことを含む方法を提供する。
【0012】
別の側面において、本発明は、第一のアルデヒド濃度を含むカルボニル化法の標的ストリームを準備し;標的ストリームを少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含有する反応容器に供給し;標的ストリームを第一のアルデヒド濃度を低減するに足る条件に付し;そして反応容器から、第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理されたストリームを取り出すことを含む方法を提供する。
【0013】
別の側面において、本発明は、カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度を含むカルボニル化法の供給ストリームを準備し;供給ストリームを少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含有する反応容器に供給し;供給ストリームを第一のアルデヒド濃度を低減するに足る条件に付し;そして反応容器から、第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理されたストリームを取り出すことを含む方法を提供する。
【0014】
本発明は、多様な変形及び代替の形態を受け入れる余地があるが、一例として特定の態様を示し、本明細書中に詳細に説明する。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に制限する意図はないことは理解されるべきである。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれるあらゆる変形、等価物、及び代替物をカバーするものとする。
【例示的態様の記載】
【0015】
本発明は、標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。本発明は特に、カルボニル化法の標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。本発明はまた、カルボニル化可能な反応物を含む標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法にも関する。更に詳しくは、本発明は、カルボニル化法のカルボニル化反応器への供給ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法に関する。
【0016】
本発明の例示的態様を以下に記載する。明瞭な説明にするために、実際の実施のすべての特徴を本明細書中に記載しているわけではない。当然のことながら、いずれかのそのような実際の態様の開発に際しては、開発者の特定の目標を達成するために多数の実施特有の決定(例えば各実施ごとに異なるであろうシステム関連及びビジネス関連の制約の遵守など)を下さなければならないことは理解されるであろう。さらに、そのような開発努力は複雑で時間のかかるものであるが、それでもなお本開示の利益を有する当業者にとっては引き受けるべき日常業務であることも理解されるであろう。
【0017】
本発明の様々な態様において、第一のアルデヒド濃度の少なくとも一つのアルデヒド種を含む標的ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法を提供する。ある態様においては、カルボニル化可能な反応物を含有することもしないこともあるカルボニル化法の標的ストリームが使用される。ある態様においては、少なくとも一つのカルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度の少なくとも一つのアルデヒド種を含むカルボニル化法の供給ストリーム中のアルデヒド濃度を低減する方法を提供する。
【0018】
様々な態様において、第一のアルデヒド濃度を含む標的ストリームは、第一のアルデヒド濃度を第二のアルデヒド濃度に低減するに足る条件下で、標的ストリームを少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒と接触させることを含む反応に付される。方法の実施の結果、アルデヒド種の濃度に所望の低減が達成でき、第二のアルデヒド濃度を含有する処理されたストリームが分離できる。処理されたストリームは、低減されたアルデヒド濃度を有することが望まれる次なるプロセス又はプロセスステップで都合よく使用できる。
【0019】
本発明は一般的に、第一のアルデヒド濃度を含むアルデヒド種の濃度によって限定されない。方法を実施するための望ましいプロセス条件は、標的ストリーム中の第一のアルデヒド濃度を含むアルデヒド種の濃度に応じて変動しうる。
【0020】
前に開示したとおり、“アルデヒド種”とは、アルデヒド官能基を含有する化合物(一つ又は複数)を意味する。該化合物は不飽和を有していてもいなくてもよい。本発明の実施によってストリーム中の濃度を低減できるアルデヒド種は、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒドなどである。本発明の特に望ましい使用はアセトアルデヒドの濃度を低減することである。
【0021】
標的ストリーム中のアルデヒド種は第一のアルデヒド濃度で存在する。該濃度は、単一のアルデヒド種のみが標的ストリーム中に存在する場合、単一のアルデヒド種の濃度であろうし、二つ以上のアルデヒド種が標的ストリーム中に存在する場合、二つ以上のアルデヒド種の累積濃度であろう。同様に、処理されたストリーム中に見出されるような第二のアルデヒド濃度は、単一のアルデヒド種のみが存在する場合、単一のアルデヒド種の濃度であろうし、二つ以上のアルデヒド種が存在する場合、二つ以上のアルデヒド種の累積濃度であろう。アルデヒド濃度の低減は、一つ又は複数の個々のアルデヒド種の濃度の低減に起因しうる。
【0022】
本発明に従って使用できる触媒は、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒である。本発明と共に使用できる担体の性質は一般的に制限されず、通常の商業的化学プロセスに適用できる担体であれば本発明に従って使用できるであろうと一般的に予想される。許容可能な担体は、有機及び無機担体の両方を含む。許容可能な有機又は炭素担体は、ココナツ、瀝青炭、木炭、及びその他の炭素を基にした担体などであるが、これらに限定されない。許容可能な無機担体は、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びマグネシアのような金属酸化物;混合金属酸化物;粘土;及び炭化ケイ素を基にした担体などであるが、これらに限定されない。ある態様においては、担体は硫黄含有量が低いのが望ましいであろう。同様に、本発明の実施に使用できる担体の物理的性質も、担体の特徴付けに通常使用される性質、例えば細孔径、表面積、吸水量、及びその他の性質など(これらに限定されない)によって一般的に制限されない。
【0023】
前に指摘のとおり、本発明に従って使用できる触媒は、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒である。好ましくは、触媒は少なくとも一つの8族〜10族金属を含む。なおさらに好ましくは、触媒は少なくとも一つの10族金属を含む。好適な触媒は、ルテニウム、パラジウム、及び/又は白金、さらに好ましくはパラジウム及び/又は白金、なおさらに好ましくはパラジウムを含む。触媒は単一の8族〜11族金属を含むのでよいが、二つ以上の8族〜11族金属を含む触媒も使用できる。
【0024】
本発明の実施に使用できる金属の濃度は一般的に制限されない。本発明に従って使用できる様々な濃度及び様々な担体上の様々な金属の担持触媒は、一般的に様々な商業的供給源から入手できる。望ましい触媒は、0.01重量パーセント超の金属、0.1重量パーセント超の金属、0.25重量パーセント超の金属、又はさらには0.5重量パーセント超の金属を含有しうる。望ましい触媒は、5.0重量パーセント未満の金属、2.5重量パーセント未満の金属、又はさらには1.0重量パーセント未満の金属を含有しうる。
【0025】
本発明と共に使用された触媒は、粒状炭上0.5wt%Pd(Engelhard Co.,製品番号C3880)、粒状炭上0.5wt%Pt(Engelhard Co.,製品番号C3757)、及び粒状炭上1.0wt%Ru(触媒C、5.5g、Engelhard Co.,製品番号C4023)のような商業的触媒などである。
【0026】
単一タイプの担体を単一の触媒金属又は単一の触媒金属組合せと共に使用するのが好ましいが、複合タイプの担体及び/又は複合触媒金属の使用も考慮しており、本発明の範囲に含まれる。好適な触媒は、炭素担体上のパラジウム又は白金を含むものなどである。
【0027】
本発明の様々な態様において、標的ストリームは、第一のアルデヒド濃度を第二のアルデヒド濃度に低減するに足る条件で、標的ストリームを少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒と接触させることを含む反応に付される。所望の結果を得るためにプロセスを運転できる条件は、二つの基本的様式(regime)の範囲に入る。すなわち酸化様式と分解様式である。酸化様式では反応は酸素の存在下で実施される。酸素は、純酸素、空気、又は純酸素と空気の組合せとして存在しうる。酸素源として働く化合物も使用できる。好ましくは酸素は空気として供給される。酸化様式下でアルデヒド濃度の低減をもたらす反応は、利用可能な酸素がいかなる濃度でも(有限濃度の酸素でも)起こりうる。従って、酸素のほかに窒素のような不活性担体も使用されうる。本開示の利益を有する当業者であれば、プロセスは使用する酸素濃度が高くなるにつれてより穏やかな条件(温度及び圧力など)で実施できることは分かるであろう。引火性条件下でプロセスを実施することも可能である。望ましくは、酸素濃度と温度は、所望のアルデヒド低減を達成するために設定及び/又は維持される。当業者であれば、酸素濃度と温度は触媒の寿命及び性能に影響、さらには重大な影響さえも及ぼしうることは分かるであろう。酸素濃度と温度は、望ましくは、変換が所望レベルで行われ、触媒の寿命は最大限化しながらカルボニル化可能な反応物及び存在しうるその他の成分の破壊は最小限化し、望ましくない副産物の形成も最小限化するように選ばれる。
【0028】
酸化様式で運転する場合、反応に供給される酸素、すなわち酸素供給の第一のアルデヒド濃度に対するモル比は、好ましくは0.1より大、さらに好ましくは0.5より大、さらに好ましくは1より大、なおさらに好ましくは5より大、なおさらに好ましくは7.5より大である。酸素供給の第一のアルデヒド濃度に対する最大モル比は一般的に制限されないが、ある態様では、引火限界未満にとどまらせたい又は望まざる副産物の形成を最小限に抑えたい願望に基づいて酸素供給量を制限するのが望ましいであろう。
【0029】
分解様式の場合、プロセスは酸素の不在下で実施される。分解様式の場合、標的ストリームは不活性ガス(一つ又は複数)で希釈できる。あるいは、標的ストリームは不活性キャリヤガスを使用せずにプロセスに付してもよい。
【0030】
酸化様式下でも分解様式下でも、標的ストリームは、好ましくは、標的ストリームが気相であるような、すなわち標的ストリームの露点より上となるような条件下、特に温度及び圧力下で触媒入りの容器に供給される。ある態様においては、標的ストリームを別の装置で気化してから本発明の方法にかけることもできる。好ましくは、標的ストリームは所望温度に過熱される。様々な態様に従って本発明の方法を実施するに際しては、反応器への何らかのプロセスガス(何らかの不活性キャリヤガスを含む)のフローを最初に開始するのが望ましい。系が標的ストリームの露点より高温になったら、第一のアルデヒド濃度を含む標的ストリームを反応器に供給する。ここで何らかのプロセスガスと混合された標的ストリームは、温度、圧力、及び流量を含む所望条件で触媒と接触する。その結果、アルデヒド濃度は減少する。第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理されたストリームを反応器から取り出す。
【0031】
方法に使用されうる温度及び圧力はそれ以外は一般的に制限されない。その他のプロセス条件に応じて、方法は低ければ150℃、125℃、100℃、さらには50℃の温度で実施できる。その他のプロセス条件に応じて、方法は高ければ150℃、175℃、200℃、さらには250℃の温度で実施できる。好ましくは、温度は、アルデヒドの低減を制御するだけでなく、温度と共に増加する非選択的酸化反応を回避するようにも選ぶべきである。ある態様においては、温度を225℃未満、さらに望ましくは200℃未満に維持して、標的ストリーム中に存在しうるカルボニル化可能な反応物、例えば酢酸メチル及びメタノール(これらに限定されない)の分解を回避するのが望ましいであろう。
【0032】
方法は一般的に反応器内の圧力によって制限されない。圧力を含む条件は、カルボニル化可能な反応物又は保存が所望されるその他の非アルデヒド種が、何らかの相当程度にまで酸化又はさもなければ分解されないように選ばれるべきである。その他のプロセス条件に応じて、好適な態様では、方法は一般的に0〜150psigの範囲の圧力で実施される。本開示の利益を有する当業者には分かる通り、温度、圧力、酸素濃度(酸化様式を使用する場合)及びその他の因子は、空間速度及び所望の変換といった問題に応じて変動するであろうし、標的ストリームが主成分としてカルボニル化可能な反応物を含むかどうかといった該ストリームの組成に基づいても変動するであろう。例えば、所望レベルの変換を維持するために温度又は酸素濃度を変えることができる。実際、触媒寿命全体を通じて、ある温度範囲にわたって運転するのが望ましいであろうことは予想できる。標的ストリームのアルデヒド濃度を第一のアルデヒド濃度から第二のアルデヒド濃度に低減するという所望の結果を達成するために本発明の様々な態様について行うべきプロセス条件の選択は、当然のことながら多少複雑で時間のかかるものであるが、それでもそのような努力は本開示の利益を有する当業者が引き受けるべき日常業務であろう。
【0033】
標的ストリームを反応に付すステップは、アルデヒド濃度の低減を達成するのに適切な条件を維持するのに適した任意の数の容器中で実施できる。好ましくは、容器、又は反応器は、第一のアルデヒド濃度を有する標的ストリームをプロセスに委ねて、第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含有する処理ストリームを取り出せるように連続モードで運転できるのがよい。不均一触媒作用に通常使用される様々な反応器の設計が本発明の様々な態様と共に使用できると考えている。従って、気相、スラリー相、固定床、トリクルベッド、及び流動床反応器が本発明の実施に使用できると考えている。気相、固定床反応器が好適である。
【0034】
本発明の方法は、アルデヒド種の濃度を第一のアルデヒド濃度から第二のアルデヒド濃度に低減する。アルデヒド濃度の所望低減量は、方法のそれぞれの実施に固有の特定因子によって異なると考えられる。例えば、方法がカルボニル化法の供給ストリームを処理するために使用される好適な態様においては、アルデヒド濃度の所望低減量は一般的にカルボニル化法の酢酸生成物の生成物品質要件によって決定づけられることになる。方法は、広範囲にわたるアルデヒド濃度の低減を達成するために運転できる。第一のアルデヒド濃度から第二のアルデヒド濃度へのアルデヒド濃度の低減は、(第一のアルデヒド濃度−第二のアルデヒド濃度)/第一のアルデヒド濃度 ×100%として都合よく測定できる。それぞれの実施のプロセス条件及び所望の目標に応じて、25%もの、さらには50%もの、さらには75%もの、および99.9%ものアルデヒド濃度の低減が達成できる。
【0035】
開示のとおり、ある態様において、標的ストリームは一つ又は複数のカルボニル化可能な反応物も含みうる。カルボニル化可能な反応物とは、カルボニル化法で反応して酢酸を製造できる種である。そのようなカルボニル化可能な反応物は、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、又はそれらの混合物などであるが、これらに限定されない。本発明の特に望ましい使用は、酢酸メチル、メタノール、又は酢酸メチルとメタノールの組合せを含む標的ストリームの処理における使用である。
【0036】
標的ストリームがカルボニル化可能な反応物も含む態様においては、このアルデヒド種の濃度の低減は、標的ストリーム中に元々あるカルボニル化可能な反応物の濃度を著しく低減することなく達成されるのが望ましい。すなわち、方法の実施の結果回収される処理ストリーム中のカルボニル化可能な反応物の濃度は、標的ストリーム中のカルボニル化可能な反応物の濃度と比べて著しく低減されないということである。
【0037】
本発明の様々な態様に従って、方法はカルボニル化法の標的ストリームを処理するのに使用される。そのようなカルボニル化法の標的ストリームは、カルボニル化可能な反応物を含有することもしないこともあるが、カルボニル化可能な反応物が存在する場合、標的ストリーム中のカルボニル化可能な反応物の濃度は広く変動しうる。
【0038】
本発明の方法に委ねることができるカルボニル化法の標的ストリームは、カルボニル化法の中のプロセスストリーム(一つ又は複数)及びカルボニル化反応器に供給される供給ストリーム(一つ又は複数)を含む。
【0039】
本発明の方法に委ねることができる、少なくとも一つのアルデヒド種を含む(追加的にカルボニル化可能な反応物を含むことも含まないこともある)カルボニル化法の内部プロセスストリーム、すなわちプロセスストリームは、軽質端カラムのオーバーヘッド、軽質端ストリッパーカラムのオーバーヘッド、乾燥カラムのオーバーヘッド、及び/又はその他のプロセスストリームなどであるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明のより望ましい使用は、カルボニル化法の供給ストリームの処理における使用である。該供給ストリームは、少なくとも一つのカルボニル化可能な反応物と、供給ストリームをカルボニル化法のカルボニル化反応器に供給する前に低減することが所望される第一のアルデヒド濃度とを含有する。本発明の方法に委ねることができる望ましい供給ストリームは、主成分としてカルボニル化可能な反応物又はカルボニル化可能な反応物の組合せを含む。望ましい供給ストリームは、酢酸メチル、メタノール、又は酢酸メチルとメタノールの組合せを含む。なおさらに望ましい供給ストリームは、供給ストリームの主成分として酢酸メチル、メタノール、又は酢酸メチルとメタノールの組合せを含む。
【0041】
本開示の利益を有する当業者であれば、本発明の実施に使用できる触媒はやがて、永久的、可逆的、又は一部可逆的でありうる状況のために失活しうることは分かるであろう。失活は、本発明の方法を酸化条件で運転しても分解条件で運転しても起こりうる。失活が単に又は部分的に可逆的又は一部可逆的機構によるものである場合、触媒を再生するのが望ましいであろう。再生によって触媒活性は完全に又は部分的に回復しうる。再生は本発明の一側面である。
【0042】
本発明の様々な態様に従って、再生はいくつかの方法で達成できる。一つの容認可能な方法は、触媒を、好ましくは標的ストリームの不在下で、及び好ましくは高めた温度で、酸化条件下に置く。一定のレベルの再生は、本発明の方法を実施することによっても、すなわち、標的ストリームの存在下で高酸素濃度下、望ましくは1モル%超の酸素、さらに望ましくは2モル%超の酸素、なおさらに望ましくは3モル%超の酸素下でも達成できる。再生のための許容可能な酸素濃度は、一般的にプロセスの限界及び達成できる床温度に依存する。再生のための典型的な条件のセットは3モル%の酸素及び150℃での運転などであろう。より高い酸素濃度で運転すれば、より短時間又はより低温で触媒を再生することが可能になる。様々な態様において、触媒再生は、触媒の一部が絶えずリフレッシュされている流動床反応器を使用することによって、又はマルチ床反応器を使用することによって促進できる。マルチ床の場合は、床がプロセスに活用されていないときに床を再生する。
【0043】
開示のとおり、本発明の好適な態様は、第一のアルデヒド濃度を含む(追加的にカルボニル化可能な反応物を含むことも含まないこともある)カルボニル化法の標的ストリームの処理である。そのような態様では、第一のアルデヒド濃度を含む標的ストリームを、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒入りの反応容器に供給する。反応容器中で標的ストリームは第一のアルデヒド濃度を低減するに足る条件下に置かれる。第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理ストリームを反応容器から取り出す。標的ストリームが追加的にカルボニル化可能な反応物を含む態様では、処理ストリームはカルボニル化可能な反応物も含むことになる。
【0044】
開示のとおり、別の好適な態様によれば、標的ストリームはカルボニル化法の供給ストリームである。そのような態様では、カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度を含むカルボニル化法の供給ストリームを、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒入りの反応容器に供給する。反応容器中で標的ストリームは第一のアルデヒド濃度を低減するに足る条件下に置かれる。カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理ストリームを反応容器から取り出し、次いで直接的又は間接的に(他の供給原料と組み合わせることも含みうる)カルボニル化反応器に供給する。そのような態様では、処理ストリームは望ましくは凝縮してからカルボニル化反応器に供給される。
【0045】
本発明のより良い理解を促進するために、いくつかの態様のある側面の実施例を以下に提供する。以下の実施例は決して本発明の範囲を制限又は定義するために読まれるべきではない。
【実施例】
【0046】
実施例1.実験を実験室規模の気相固定床栓流(plug flow)管状反応器で実施した。各実験で、触媒(8立方センチメートル)を内径0.5インチ×長さ48インチのステンレススチール管に装填した。使用した触媒は、粒状炭素上0.5wt%Pd(触媒A、3.41g、Engelhard Co.,製品番号C3880)、粒状炭素上0.5wt%Pt(触媒B、3.32g、Engelhard Co.,製品番号C3757)及び粒状炭素上1.0wt%Ru(触媒C、5.5g、Engelhard Co.,製品番号C4023)を包含した。反応器内の温度は電熱器で調整した。反応器の上部に石英を詰め、プレヒーター/ミキサー管として働かせた。アルデヒドを含有する液体供給物を0.75〜1.1立方センチメートル毎分の流量で反応器にポンプで送り、反応管の上部で気化させる。窒素キャリヤガス中3モル%Oを305立方センチメートル毎分(sccm)の速度で供給し、反応器手前で液体供給物に加えた。流量と反応器の温度は気相混合物を爆発限界外に維持するように選ばれた。反応器の流出物を冷却し、凝縮生成物を秤量し、オフラインのGCで分析した。未反応の供給物及び生成物を含有する非凝縮性ガス状ストリームは背圧調整器を通して排気した。反応器は50psigで運転した。液体供給物は、76wt%の酢酸メチル(MeOAc)、24wt%のメタノール(MeOH)、およそ840ppmのアセトアルデヒド(AcH)、104ppmの酢酸エチル、18ppmのジメチルアセタール及びその他の微量成分を含有していた。生成物には、ppmレベルのギ酸メチル、酢酸、炭酸ジメチル及び水を含むごく少量の不純物しか見出されなかった。三つの運転、A、B、及びCの結果を以下に示す。LHSVは液空間速度である。
【0047】
【表1】

【0048】
実施例2.実験を実施例1に記載のように実施した。ただし、窒素(N)をキャリヤガスとして使用した。三つの運転、A、B、及びCの結果を以下に示す。
【0049】
【表2】

【0050】
実施例3.実験を実験室規模の気相固定床栓流管状反応器で実施した。各実験で、触媒(200立方センチメートル、炭素上0.5wt%Pd、Engelhard Co.,製品番号C3880)を内径1.6インチ×長さ60インチのステンレススチール管に装填した。反応器内の温度はヒートテープ及びクラムシェルヒーターによって調整した。反応器の上部には石英を詰めた。アルデヒドを含有する液体供給物を、石英を詰めたプレヒーター/ミキサー管に6.2〜15.1cc/分の流量でポンプで送り込んだ。表3に示すように、0〜6モル%のOを含有する窒素を含むキャリヤガスを450〜810sccmの速度で供給した。流量とプレヒーター/ミキサーの温度は気相混合物を爆発限界外に維持するように選ばれた。反応器は50psigで運転した。液体供給物は、76wt%の酢酸メチル(MeOAc)、24wt%のメタノール(MeOH)、およそ840ppmのアセトアルデヒド(AcH)、104ppmの酢酸エチル、18ppmのジメチルアセタール及びその他の微量成分を含有していた。反応器の流出物を冷却し、凝縮生成物を秤量し、オフラインのGCで分析した。未反応の供給物及び生成物を含有する非凝縮性ガス状ストリームは背圧調整器を通して排気した。非凝縮性ガス生成物ストリームのオフラインGCによって、少量のCO、CO、及びCHが反応中に形成されたことが確認された。酸素の不在下では顕著な量のCOは形成されなかった。生成物には、ppmレベルのギ酸メチル(MeFO)、酢酸(HOAc)、水、及び炭酸ジメチルを含むごく少量の不純物しか見出されなかった。結果を以下に示す。
【0051】
【表3】

【0052】
このように、本発明は、目的を実施し、そして言及した目標及び利点だけでなく本来持ち合わせている目標及び利点を達成するのによく適応している。本発明を、本発明の例示的態様を参照しながら描写及び記載してきたが、そのような参照は本発明に対する制限を含意しておらず、そのような制限を暗示してもいない。本発明は、本開示の利益を有する当業者に思い浮かぶ通り、形態及び機能において相当の変形、変更、及び等価物が可能である。描写し記載した本発明の態様は例に過ぎず、本発明の範囲を網羅したものではない。従って、本発明は、あらゆる点において等価物への完全認識を提供する添付の特許請求の範囲の精神及び範囲によってのみ制限されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度を含む標的ストリームを準備し;
そして、標的ストリームを、第一のアルデヒド濃度を第二のアルデヒド濃度に低減するに足る条件で、少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含む反応に付すことを含む方法。
【請求項2】
カルボニル化可能な反応物が、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、及びジメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
標的ストリームがカルボニル化法の標的ストリームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
標的ストリームがカルボニル化法のプロセスストリームを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
標的ストリームがカルボニル化法の供給ストリームを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第一のアルデヒド濃度がアセトアルデヒドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
担体が炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
担体がココナツ由来の炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
金属が少なくとも一つの8族〜10族金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
金属が少なくとも一つの10族金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
金属が少なくともパラジウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
金属が少なくとも白金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記条件が酸化様式を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記条件が分解様式を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記条件が、酸素供給の第一アルデヒド濃度に対するモル比が0.5を超えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記条件が、酸素供給の第一アルデヒド濃度に対するモル比が1を超えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
触媒を再生することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
第一のアルデヒド濃度を含むカルボニル化法の標的ストリームを準備し;
標的ストリームを少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含有する反応容器に供給し;
標的ストリームを第一のアルデヒド濃度を低減するに足る条件に付し;そして
反応容器から、第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理ストリームを取り出すことを含む方法。
【請求項19】
カルボニル化可能な反応物が、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、及びジメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
標的ストリームがカルボニル化法のプロセスストリームを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
標的ストリームがカルボニル化法の供給ストリームを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
第一のアルデヒド濃度がアセトアルデヒドを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
担体が炭素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
担体がココナツ由来の炭素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
金属が少なくとも一つの8族〜10族金属を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
金属が少なくとも一つの10族金属を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
金属が少なくともパラジウムを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
金属が少なくとも白金を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記条件が酸化様式を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記条件が分解様式を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記条件が、酸素供給の第一アルデヒド濃度に対するモル比が0.5を超えることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記条件が、酸素供給の第一アルデヒド濃度に対するモル比が1を超えることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
触媒を再生することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
カルボニル化可能な反応物と第一のアルデヒド濃度を含むカルボニル化法の供給ストリームを準備し;
供給ストリームを少なくとも一つの8族〜11族金属を含む担持触媒を含有する反応容器に供給し;
供給ストリームを第一のアルデヒド濃度を低減するに足る条件に付し;そして
反応容器から、第一のアルデヒド濃度より低い第二のアルデヒド濃度を含む処理ストリームを取り出すことを含む方法。
【請求項35】
第一のアルデヒド濃度がアセトアルデヒドを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
担体が炭素を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
担体がココナツ由来の炭素を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
金属が少なくとも一つの8族〜10族金属を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
金属が少なくとも一つの10族金属を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
金属が少なくともパラジウムを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
金属が少なくとも白金を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記条件が酸化様式を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記条件が分解様式を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
前記条件が、酸素供給の第一アルデヒド濃度に対するモル比が0.5を超えることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記条件が、酸素供給の第一アルデヒド濃度に対するモル比が1を超えることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項46】
触媒を再生することをさらに含む、請求項34に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533434(P2009−533434A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505392(P2009−505392)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/008406
【国際公開番号】WO2007/120554
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(500175107)セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション (77)
【Fターム(参考)】