標的化のためのErbB4細胞外ドメインおよびニューレグリンヘパリン結合ドメインを有するハイブリッドタンパク質
ニューレグリン(NRG)ヘパリン結合ドメイン(N−HBD)のポリペプチドおよびそれをコードする核酸が、開示される。特に、融合ポリペプチドが産生され、この融合ポリペプチドは、標的構造として、N−HBDのポリペプチド、フラグメント、ホモログ、または機能的誘導体、および標的化されるタンパク質を含む。これは、ヘパラン硫酸プロテオグリカンが豊富な細胞表面に対して標的化されるポリペプチドまたはペプチド(Ptrg)に融合されて、チロシンキナーゼレセプターにおける相互作用を、活性化または阻害する。好ましい融合ポリペプチドは、N−HBD、スペーサーおよびerbB4(NRGによってシグナル伝達される数種のレセプターの1つ)の細胞外ドメインを含み、この融合タンパク質は、強力なNRGアンタゴニストである。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−HBD融合ポリペプチドをコードするハイブリッド核酸分子であって、該分子は、以下:
(a)動物N−HBDポリペプチド、または該ポリペプチドのホモログもしくは機能的誘導体をコードする約100ヌクレオチドより長くない第1の核酸配列であって、該ポリペプチド、該ホモログまたは該機能的誘導体が、以下:
(i)免疫グロブリンスーパーファミリーのC2サブファミリーのメンバーであるが、同じ動物種由来の免疫グロブリン重鎖または免疫グロブリン軽鎖のC2ドメインに対して約40%未満の配列同一性を有し;そして
(ii)従来のヘパリン結合アッセイまたはヘパラン硫酸結合アッセイにおいて測定される場合、10−5M以下のKdでヘパリンおよびヘパラン硫酸のプロテオグリカンに結合する;
ことにおいて特徴付けられる、第1の核酸配列;
(b)必要に応じて、該第1の核酸配列とインフレームで融合される、リンカーペプチドをコードするリンカー核酸配列;および
(c)第2の核酸配列であって、該第2の核酸配列が、(i)該第1の核酸配列または該リンカー核酸配列にインフレームで連結され、そして(ii)第2のポリペプチドPtrgをコードし、該第2の核酸配列がerbB4レセプター(B4)細胞外ドメインをコードする、第2の核酸配列、
を含み、該コードされた融合ポリペプチドは、ニューレグリンアンタゴニストである、ハイブリッド核酸分子。
【請求項2】
前記N−HBDポリペプチドが、以下:
【化1】
(d)(a)、(b)、または(c)の機能的誘導体またはホモログ、
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
請求項1に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、以下:
【化2】
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項4】
配列番号4のヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の核酸分子。
【請求項5】
発現ベクターであって、以下:
(a)プロモーターおよび
(b)必要に応じて、真核生物細胞における該核酸の発現を調節する、さらなる調節配列、
に作動可能に連結される請求項1〜5のいずれかに記載の核酸を含み、該ベクターが、細胞へのインビトロまたはインビボでの送達の後に、該細胞中で発現され得る、発現ベクター。
【請求項6】
プラスミドである、請求項5に記載の発現ベクター。
【請求項7】
ウイルスベクターである、請求項5の発現ベクター。
【請求項8】
ベクター組成物であって、以下:
(a)第1の組換え発現ベクターであって、該第1の組換え発現ベクターは、その核酸中に、N−HBDポリペプチドまたは該N−HBDの生物学的に活性なフラグメント、ホモログ、もしくは他の機能的誘導体をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を組み込んでいる、第1の組換え発現ベクター;および
(b)第2の組換え発現ベクターであって、該第2の組換え発現ベクターは、その核酸中に、B4細胞外ドメインであるポリペプチドPtrgをコードするヌクレオチド配列を組み込んでいる、第2の組換え発現ベクター、
を含み、該発現ベクターは、宿主細胞を同時感染または同時トランスフェクトして、PtrgおよびN−HBDポリペプチド、N−HBDフラグメント、N−HBDホモログ、またはN−HBD誘導体の同時発現をもたらし得る、ベクター組成物。
【請求項9】
前記第1のベクターが、配列番号4、配列番号5または配列番号6を含む、請求項8に記載のベクター組成物。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかの核酸分子によって、形質転換されたか、またはトランスフェクトされた細胞。
【請求項11】
請求項5〜7のいずれかの発現ベクターによって、形質転換されたか、またはトランスフェクトされた細胞。
【請求項12】
請求項8または9の組成物によって、形質転換されたか、またはトランスフェクトされた細胞。
【請求項13】
哺乳動物細胞である、請求項10に記載の細胞。
【請求項14】
ヒト細胞である、請求項13に記載の細胞。
【請求項15】
哺乳動物細胞である、請求項11に記載の細胞。
【請求項16】
ヒト細胞である、請求項15に記載の細胞。
【請求項17】
融合ポリペプチドであって、以下:
(a)第1の標的化ポリペプチドであって、該第1の標的化ポリペプチドは、該融合ポリペプチドが細胞または組織に接触し得る場合に、ヘパラン硫酸に結合し、それによって該ヘパラン硫酸に富んだ細胞または組織表面に、該融合ポリペプチドを局在化し;
該融合ポリペプチドは、従来のヘパリン結合アッセイまたはヘパラン硫酸結合アッセイにおいて測定される場合、10−5M以下のKdでヘパリンまたはヘパラン硫酸のプロテオグリカンに結合する、
第1の標的化ポリペプチド;ならびに
(b)B4細胞外ドメインを含み、そして該ヘパラン硫酸に富んだ細胞または組織表面に標的化および局在化される、第2の標的化されるポリペプチドPtrg;
を含み、ここで、該融合ポリペプチドは、該Ptrgの作用を介して、標的レセプターのブロックにおいて、ネイティブのPtrgまたは該標的化ポリペプチドに融合されないPtrgと比較して増強された生物学的活性を有する、融合ポリペプチド。
【請求項18】
請求項17に記載の融合ポリペプチドであって、ここで、前記第1の標的化ポリペプチドが、N−HBDまたはそのホモログもしくは機能的誘導体の全てまたは一部を含み、該第1の標的化ポリペプチドは、
(i)前記第2の標的化されるポリペプチドに直接的に融合されるか、または
(ii)必要に応じて、該第2の標的化されるポリペプチドに融合されるリンカーまたはスペーサーペプチド配列Sに融合される、融合ポリペプチド。
【請求項19】
前記N−HBDと前記B4細胞外ドメインとの間にリンカーまたはスペーサー配列Sを含む、請求項18に記載の融合ポリペプチド。
【請求項20】
前記スペーサーが、配列番号14の残基131〜195のアミノ酸配列、またはそれと相同な配列を有するニューレグリンの天然のアミノ酸スペーサーである、請求項19に記載の融合ポリペプチド。
【請求項21】
タグ配列をさらに含む、請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチド。
【請求項22】
前記タグ配列が、前記融合ポリペプチドのC末端にある、請求項21に記載の融合ポリペプチド。
【請求項23】
前記タグ配列が、インフルエンザ赤血球凝集素(HA)配列である、請求項21に記載の融合ポリペプチド。
【請求項24】
前記ヘパラン硫酸結合領域、またはN−HBDの全てもしくは一部、またはホモログもしくは機能的誘導体は、前記B4ドメインに対するN−末端である、請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチド。
【請求項25】
HBD−S−B4−HAのN−末端からC−末端までの模式的な構造を有する、請求項24に記載の融合ポリペプチド。
【請求項26】
前記HBD−S−B4領域が、配列番号13の配列を有する核酸分子によってコードされる、請求項25に記載の融合ポリペプチド。
【請求項27】
前記HBD−S−B4領域が、配列番号14の配列を有する、請求項25に記載の融合ポリペプチド。
【請求項28】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するため、および該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項29】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項24に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項30】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項25に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項31】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項26に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項32】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項27に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項33】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、該細胞において発現され、そしてニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する融合ポリペプチドまたはそのホモログもしくは機能的誘導体を産生する、請求項1〜4のいずれかに記載の核酸の有効量を該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項34】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、該細胞において発現され、そしてニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する融合ポリペプチドまたはそのホモログもしくは機能的誘導体を産生する、請求項5〜7のいずれかに記載の発現ベクターの有効量を該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項35】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、請求項8または9のいずれかに記載のベクターが該細胞において同時発現され、そしてニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する前記Ptrgおよび前記N−HBDポリペプチド、N−HBDフラグメント、N−HBDホモログまたはN−HBD誘導体を産生するように、請求項8または9のいずれかに記載のベクター組成物の有効量を該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項36】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項37】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項21に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項38】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項24に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項39】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項25に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項40】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項26に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項41】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項27に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項42】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項28に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、ここで、前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項43】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記腫瘍または前記癌の細胞表面における前記ヘパラン硫酸が、N−硫酸化、2−O−硫酸化および6−O硫酸化を含むパターンで硫酸化される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記腫瘍または前記癌が、乳房もしくは卵巣の腫瘍または癌である、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項29に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項47】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項30に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項49】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項31に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項51】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項32に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項53】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項52に記載の方法。
【請求項1】
N−HBD融合ポリペプチドをコードするハイブリッド核酸分子であって、該分子は、以下:
(a)動物N−HBDポリペプチド、または該ポリペプチドのホモログもしくは機能的誘導体をコードする約100ヌクレオチドより長くない第1の核酸配列であって、該ポリペプチド、該ホモログまたは該機能的誘導体が、以下:
(i)免疫グロブリンスーパーファミリーのC2サブファミリーのメンバーであるが、同じ動物種由来の免疫グロブリン重鎖または免疫グロブリン軽鎖のC2ドメインに対して約40%未満の配列同一性を有し;そして
(ii)従来のヘパリン結合アッセイまたはヘパラン硫酸結合アッセイにおいて測定される場合、10−5M以下のKdでヘパリンおよびヘパラン硫酸のプロテオグリカンに結合する;
ことにおいて特徴付けられる、第1の核酸配列;
(b)必要に応じて、該第1の核酸配列とインフレームで融合される、リンカーペプチドをコードするリンカー核酸配列;および
(c)第2の核酸配列であって、該第2の核酸配列が、(i)該第1の核酸配列または該リンカー核酸配列にインフレームで連結され、そして(ii)第2のポリペプチドPtrgをコードし、該第2の核酸配列がerbB4レセプター(B4)細胞外ドメインをコードする、第2の核酸配列、
を含み、該コードされた融合ポリペプチドは、ニューレグリンアンタゴニストである、ハイブリッド核酸分子。
【請求項2】
前記N−HBDポリペプチドが、以下:
【化1】
(d)(a)、(b)、または(c)の機能的誘導体またはホモログ、
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
請求項1に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、以下:
【化2】
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項4】
配列番号4のヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の核酸分子。
【請求項5】
発現ベクターであって、以下:
(a)プロモーターおよび
(b)必要に応じて、真核生物細胞における該核酸の発現を調節する、さらなる調節配列、
に作動可能に連結される請求項1〜5のいずれかに記載の核酸を含み、該ベクターが、細胞へのインビトロまたはインビボでの送達の後に、該細胞中で発現され得る、発現ベクター。
【請求項6】
プラスミドである、請求項5に記載の発現ベクター。
【請求項7】
ウイルスベクターである、請求項5の発現ベクター。
【請求項8】
ベクター組成物であって、以下:
(a)第1の組換え発現ベクターであって、該第1の組換え発現ベクターは、その核酸中に、N−HBDポリペプチドまたは該N−HBDの生物学的に活性なフラグメント、ホモログ、もしくは他の機能的誘導体をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を組み込んでいる、第1の組換え発現ベクター;および
(b)第2の組換え発現ベクターであって、該第2の組換え発現ベクターは、その核酸中に、B4細胞外ドメインであるポリペプチドPtrgをコードするヌクレオチド配列を組み込んでいる、第2の組換え発現ベクター、
を含み、該発現ベクターは、宿主細胞を同時感染または同時トランスフェクトして、PtrgおよびN−HBDポリペプチド、N−HBDフラグメント、N−HBDホモログ、またはN−HBD誘導体の同時発現をもたらし得る、ベクター組成物。
【請求項9】
前記第1のベクターが、配列番号4、配列番号5または配列番号6を含む、請求項8に記載のベクター組成物。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかの核酸分子によって、形質転換されたか、またはトランスフェクトされた細胞。
【請求項11】
請求項5〜7のいずれかの発現ベクターによって、形質転換されたか、またはトランスフェクトされた細胞。
【請求項12】
請求項8または9の組成物によって、形質転換されたか、またはトランスフェクトされた細胞。
【請求項13】
哺乳動物細胞である、請求項10に記載の細胞。
【請求項14】
ヒト細胞である、請求項13に記載の細胞。
【請求項15】
哺乳動物細胞である、請求項11に記載の細胞。
【請求項16】
ヒト細胞である、請求項15に記載の細胞。
【請求項17】
融合ポリペプチドであって、以下:
(a)第1の標的化ポリペプチドであって、該第1の標的化ポリペプチドは、該融合ポリペプチドが細胞または組織に接触し得る場合に、ヘパラン硫酸に結合し、それによって該ヘパラン硫酸に富んだ細胞または組織表面に、該融合ポリペプチドを局在化し;
該融合ポリペプチドは、従来のヘパリン結合アッセイまたはヘパラン硫酸結合アッセイにおいて測定される場合、10−5M以下のKdでヘパリンまたはヘパラン硫酸のプロテオグリカンに結合する、
第1の標的化ポリペプチド;ならびに
(b)B4細胞外ドメインを含み、そして該ヘパラン硫酸に富んだ細胞または組織表面に標的化および局在化される、第2の標的化されるポリペプチドPtrg;
を含み、ここで、該融合ポリペプチドは、該Ptrgの作用を介して、標的レセプターのブロックにおいて、ネイティブのPtrgまたは該標的化ポリペプチドに融合されないPtrgと比較して増強された生物学的活性を有する、融合ポリペプチド。
【請求項18】
請求項17に記載の融合ポリペプチドであって、ここで、前記第1の標的化ポリペプチドが、N−HBDまたはそのホモログもしくは機能的誘導体の全てまたは一部を含み、該第1の標的化ポリペプチドは、
(i)前記第2の標的化されるポリペプチドに直接的に融合されるか、または
(ii)必要に応じて、該第2の標的化されるポリペプチドに融合されるリンカーまたはスペーサーペプチド配列Sに融合される、融合ポリペプチド。
【請求項19】
前記N−HBDと前記B4細胞外ドメインとの間にリンカーまたはスペーサー配列Sを含む、請求項18に記載の融合ポリペプチド。
【請求項20】
前記スペーサーが、配列番号14の残基131〜195のアミノ酸配列、またはそれと相同な配列を有するニューレグリンの天然のアミノ酸スペーサーである、請求項19に記載の融合ポリペプチド。
【請求項21】
タグ配列をさらに含む、請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチド。
【請求項22】
前記タグ配列が、前記融合ポリペプチドのC末端にある、請求項21に記載の融合ポリペプチド。
【請求項23】
前記タグ配列が、インフルエンザ赤血球凝集素(HA)配列である、請求項21に記載の融合ポリペプチド。
【請求項24】
前記ヘパラン硫酸結合領域、またはN−HBDの全てもしくは一部、またはホモログもしくは機能的誘導体は、前記B4ドメインに対するN−末端である、請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチド。
【請求項25】
HBD−S−B4−HAのN−末端からC−末端までの模式的な構造を有する、請求項24に記載の融合ポリペプチド。
【請求項26】
前記HBD−S−B4領域が、配列番号13の配列を有する核酸分子によってコードされる、請求項25に記載の融合ポリペプチド。
【請求項27】
前記HBD−S−B4領域が、配列番号14の配列を有する、請求項25に記載の融合ポリペプチド。
【請求項28】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するため、および該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項29】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項24に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項30】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項25に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項31】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項26に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項32】
標的化されるポリペプチドを細胞または組織表面に送達するためおよび該標的化されるポリペプチドの生物学的活性を増強するために有用な薬学的組成物であって、以下:
(a)請求項27に記載の融合ポリペプチド;および
(b)薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、
を含む、薬学的組成物。
【請求項33】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、該細胞において発現され、そしてニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する融合ポリペプチドまたはそのホモログもしくは機能的誘導体を産生する、請求項1〜4のいずれかに記載の核酸の有効量を該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項34】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、該細胞において発現され、そしてニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する融合ポリペプチドまたはそのホモログもしくは機能的誘導体を産生する、請求項5〜7のいずれかに記載の発現ベクターの有効量を該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項35】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、請求項8または9のいずれかに記載のベクターが該細胞において同時発現され、そしてニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する前記Ptrgおよび前記N−HBDポリペプチド、N−HBDフラグメント、N−HBDホモログまたはN−HBD誘導体を産生するように、請求項8または9のいずれかに記載のベクター組成物の有効量を該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項36】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項17〜20のいずれかに記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項37】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項21に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項38】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項24に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項39】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項25に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項40】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項26に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項41】
EGF−レセプターのニューレグリンによる活性化および/またはニューレグリンによるこのようなレセプターを有する細胞の増殖の刺激を阻害する方法であって、該方法は、ニューレグリンの結合および該レセプターの活性化を阻害する、請求項27に記載の融合ポリペプチドの有効量を、該レセプターまたは該細胞に提供する工程を包含する、方法。
【請求項42】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項28に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、ここで、前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項43】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記腫瘍または前記癌の細胞表面における前記ヘパラン硫酸が、N−硫酸化、2−O−硫酸化および6−O硫酸化を含むパターンで硫酸化される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記腫瘍または前記癌が、乳房もしくは卵巣の腫瘍または癌である、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項29に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項47】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項30に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項49】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項31に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項51】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ニューレグリンシグナル伝達の阻害によって処置可能な被験体における疾患または状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項32に記載の薬学的組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、それによって前記融合ポリペプチドのB4の生物学的活性は、ネイティブのB4または標的化ポリペプチドに融合されないB4の活性と比較して増加され、それによって該疾患または該状態を処置する、方法。
【請求項53】
前記疾患または前記状態は、腫瘍の増殖および/もしくは転移がNRGによるオートクライン刺激に依存する腫瘍、または癌である、請求項52に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5−1】
【図5−2】
【図6】
【図7−1】
【図7−2】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5−1】
【図5−2】
【図6】
【図7−1】
【図7−2】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2008−520184(P2008−520184A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520539(P2007−520539)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024279
【国際公開番号】WO2006/017184
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.POLAROID
【出願人】(399029721)ウェイン・ステイト・ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024279
【国際公開番号】WO2006/017184
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.POLAROID
【出願人】(399029721)ウェイン・ステイト・ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】
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