説明

模様付き繊維性構造体

模様付き繊維性構造体、特に模様付きラテックス含有繊維性構造体、それを含む単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品、並びにこのような繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を製造するための方法が提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模様付き繊維性構造体に関し、より詳細には、模様付きラテックス含有繊維性構造体、それを含む単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品、並びに、このような繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
模様付き繊維性構造体及び模様付きラテックス含有繊維性構造体は、当該技術分野において既知である。しかしながら、模様付き繊維性構造体の少なくとも1つの表面が少なくとも約650μmの変形高さを示す模様付きラテックス含有繊維性構造体は、当該技術分野において既知ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、少なくとも約650μmの変形高さを示す少なくとも1つの表面を含む模様付き繊維性構造体、特に模様付きラテックス含有繊維性構造体、それを含む衛生ティッシュ製品、並びに、このような繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を製造するための方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、模様付き繊維性構造体、特に模様付きラテックス含有繊維性構造体を提供することにより、上述の必要性を満たす。
【0005】
本発明の1つの態様では、ラテックスを含む模様付き繊維性構造体であって、好ましくは、前記繊維性構造体が第1の表面と第2の表面とを有し、前記第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つが、少なくとも約650μmの変形高さを示す模様付き繊維性構造体が提供される。
【0006】
本発明の別の態様では、本発明に従う模様付き繊維性構造体を含む単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品が提供される。
【0007】
本発明の更に別の態様では、ラテックスを含む模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品を製造するための方法であって、前記方法が、
a.ラテックスを含む繊維性構造体を準備する工程と、
b.模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品が形成されるように前記繊維性構造体を変形生成プロセスに供する工程と、
を含む方法が提供される。
【0008】
本発明の更に別の態様では、ラテックスを含む模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品を製造するための方法であって、前記方法が、
a.模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む前記単プライの衛生ティッシュ製品を準備する工程と、
b.前記模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む前記単プライの衛生ティッシュ製品にラテックスを付与する工程と、
を含む方法が提供される。
【0009】
本発明の更に別の態様では、ラテックスを含む模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品を製造するための方法であって、前記方法が、
a.繊維性完成紙料を準備する工程と、
b.初期繊維性ウェブを形成するために多孔の層形成用表面上に前記繊維性完成紙料を堆積させる工程と、
c.繊維性構造体が形成されるように前記初期繊維性ウェブを乾燥させる工程と、
d.前記繊維性完成紙料及び/又は前記初期繊維性ウェブ及び/又は前記繊維性構造体にラテックスを付与する工程と、
e.模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品が形成されるように前記繊維性構造体を変形生成プロセスに供する工程と、
を含む方法が提供される。
【0010】
本発明の更に別の態様において、ラテックスを含む模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品を製造するための方法であって、前記方法が、
a.空気により運ばれる繊維流を準備する工程と、
b.エア・レイド繊維性構造体を形成するために前記空気により運ばれる繊維流を層形成用表面上に堆積する工程と、
c.前記エア・レイド繊維性構造体にラテックスを付与する工程と、
d.模様付きエア・レイド繊維性構造体が形成されるように前記エア・レイド繊維性構造体を変形生成プロセスに供する工程と、
を含む方法が提供される。
【0011】
本発明の更に別の態様において、模様付き多プライの衛生ティッシュ製品を製造するための方法であって、前記方法が、
a.第1繊維性構造体を準備する工程と、
b.第2繊維性構造体を準備する工程と、
c.前記第2繊維性構造体を前記第1繊維性構造体に取り付けて、多プライの衛生ティッシュ製品を形成する工程と、
d.模様付き衛生ティッシュ製品が形成されるように、前記第1繊維性構造体、第2繊維性構造体及び/又は前記多プライの衛生ティッシュ製品の少なくとも1つの表面を変形生成プロセスに供する工程と、
e.前記第1繊維性構造体、第2繊維性構造体及び/又は前記多プライの衛生ティッシュ製品の少なくとも1つにラテックスを付与する工程と、
を含む方法が提供される。
【0012】
ラテックスは、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を変形する工程の前、間又は後に付与され得る。
【0013】
本発明の方法は、特に繊維性構造体がウェット・レイド繊維性構造体である場合には繊維性構造体を乾燥させる工程、及び/又は、前記ラテックスを硬化させる工程を更に含んでもよい。
【0014】
従って、本発明は、模様付きラテックス含有繊維性構造体、模様付きラテックス含有繊維性構造体を含む単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品、及びこのような模様付き繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を製造するための方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
定義
本明細書で使用する時、「繊維」は、その見かけの幅より非常に大きい見かけの長さを有する、すなわち長さ対直径の比が少なくとも約10である、細長い微粒子を意味する。本明細書で使用する時、より具体的には、「繊維」は抄紙用繊維を指す。本発明は、多様な抄紙用繊維、例えば天然繊維もしくは合成繊維、又はあらゆるその他の好適な繊維、及びそれらのあらゆる組み合わせなどを使用することを企図する。本発明で有用な抄紙用繊維には、木材パルプ繊維として一般的に既知のセルロース繊維が挙げられる。綿リンター、バガスなど他のセルロース繊維性パルプ繊維を使用することができ、これらは本発明の範囲内にあるものとする。レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、コ−ポリエチレンテレフタレート繊維などの合成繊維もまた、単独で、又は天然セルロース繊維などの他の繊維と組み合わせて利用してもよい。合成繊維は、熱接着された合成繊維を含んでもよい。
【0016】
利用可能な木材パルプとしては、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質されたサーモメカニカルパルプを包含するメカニカルパルプが挙げられる。しかしながら、化学パルプから作製されたティッシュシートには触知できる優れた柔軟性が付与されることから、化学パルプが好ましいことがある。落葉樹(以下、「広葉樹材」とも呼ばれる)及び針葉樹(以下、「針葉樹材」とも呼ばれる)の両方に由来するパルプを使用してもよい。広葉樹の繊維及び針葉樹の繊維は、混合することができ、あるいは、層状ウェブを提供するために層状に積層することができる。米国特許第4,300,981号及び同第3,994,771号が、広葉樹及び針葉樹の繊維の層化を開示する目的で、本明細書に参考として組み込まれる。また、上記分類のいずれか又はすべて、並びに初めの抄紙を容易にするために使用された充填剤及び接着剤などの他の非繊維性材料を含有してもよい、リサイクル紙に由来する繊維も、本発明に利用できる。上記に加えて、ポリマー類、具体的にはヒドロキシルポリマー類から作製される繊維及び/又は長繊維を本発明に使用してもよい。好適なヒドロキシルポリマー類の非限定的な例としては、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体類、キトサン、キトサン誘導体類、セルロース誘導体類、ゴム類、アラビナン類、ガラクタン類、及びこれらの混合物が挙げられる。更に、タンパク質繊維も本発明の繊維性構造体で使用してもよい。
【0017】
繊維は、いかなる好適なサイズであってもよく、短くても、長くても、又は連続していてもよい。
【0018】
「湿潤破裂強度」は、本明細書で使用する時、繊維性構造体及び/又は繊維性構造体を組み込んだ衛生ティッシュ製品が、湿潤し、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の平面に対して垂直の変形を受けた時にエネルギーを吸収する能力の尺度である。1つの実施形態において、本発明による繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品は、少なくとも約100g、及び/又は少なくとも約150g、及び/又は少なくとも約200g、及び/又は少なくとも約300g、及び/又は少なくとも約305gの湿潤破裂強度を示す。
【0019】
本明細書で使用する時、「坪量」は、ポンド/3000フィート2又はg/m2で報告される試料の単位面積当りの重量である。坪量は、特定の面積(m2)の1又はそれより多くの試料を用意し、本発明による繊維性構造体及び/又はこのような繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品の1又はそれより多くの試料を、0.01gの最小感度を有する上皿天秤で秤量することによって測定される。天秤は、風防を使用することにより、気流及びその他の外乱から保護される。天秤の表示が一定になった時に、重量を記録する。平均重量(g)を算出し、試料の平均面積(m2)坪量(g/m2)を、平均重量(g)を試料の平均面積(m2)で除算することにより算出する。1つの実施形態において、本発明による繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品は、約10g/m2〜約120g/m2、及び/又は約20g/m2〜約60g/m2の坪量を示す。
【0020】
本明細書で使用する時、「機械方向」又は「MD」は、抄紙製造機及び/又は製品製造機器を通る繊維性構造体の流れに平行な方向を意味する。
【0021】
本明細書で使用する時、「機械横方向」又は「CD」は、繊維性構造体の同一平面内において、機械方向に垂直な方向を意味する。
【0022】
本明細書で使用する時、「伸び」は、繊維性構造体の機械方向及び/又は機械横方向の乾燥引張り強度を測定することにより決定される。本発明の繊維性構造体及び/又はこのような繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品が有し得るピーク荷重時のCD方向の伸びは、約10%よりも大きい、及び/又は約14%よりも大きい、及び/又は約18%よりも大きい、及び/又は約10%〜約30%、及び/又は約14%〜約28%、及び/又は約18%〜約25%である。更に、本発明の繊維性構造体及び/又はこのような繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品が有し得るピーク荷重時のMDの伸びは、約10%よりも大きい、及び/又は約14%よりも大きい、及び/又は約18%よりも大きい、及び/又は約10%〜約30%、及び/又は約14%〜約28%、及び/又は約18%〜約25%である。1つの実施形態では、繊維性構造体が示すピーク荷重時のCD及びMDの伸びは同じであるか、又は実質的に同じである。例えば、ピーク荷重時約16%のCDの伸びと、ピーク荷重時約16%のMDの伸び。別の実施形態では、本発明の繊維性構造体及び/又はこのような繊維性構造体を含む衛生ティッシュ製品が示すピーク荷重時伸びは、任意の方向において、少なくとも約10%である。
【0023】
本明細書で使用する時、「シート・キャリパー」又は「キャリパー」は、試料の巨視的な厚さを意味する。1つの実施形態では、本発明による模様付き繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品が示すシート・キャリパーは、シート・キャリパー試験方法により測定される時、少なくとも約508μm、及び/又は少なくとも約762μm、及び/又は少なくとも約1013μmである。
【0024】
本明細書で使用する時、「有効キャリパー」は、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の層が、このような繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の渦巻状に巻かれたロール内に占める肉厚を意味する。有効キャリパーの決定を容易にするため、有効キャリパー試験方法が本明細書に記載される。繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の有効キャリパーは、巻繊張力、変形のネスティングなどに起因して、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品のシート・キャリパーとは異なる可能性がある。
【0025】
「吸収性の」及び「吸収性」は、本明細書で使用する時、繊維性構造体が流体、特に水並びに水性溶液及び懸濁液を吸い上げて保持することを可能にする、繊維性構造体の特徴を意味する。紙の吸収性を評価する際、所与量の紙が保持する流体の絶対量だけが重要なのではなく、紙が流体を吸収する速度も重要である。本発明において、吸収性は、本明細書中の「試験方法」の章に記載された水平全面シート(HFS)試験方法によって測定される。1つの実施形態では、本発明による繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品が示すHFS吸収性は、約5g/gよりも大きく、及び/又は約8g/gよりも大きく、及び/又は約10g/gよりも大きく、最大で約100g/gである。別の非限定的な実施形態では、本発明による繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品が示すHFS吸収性は、約12g/g〜約20g/gである。
【0026】
本明細書で使用する時、「見掛け密度」又は「密度」は、試料の坪量をキャリパーにより、その中に組み込まれた適切な変換を用いて除算したものを意味する。本明細書で用いられる見掛け密度は、単位g/cm3(あるいはg/cc)を有する。1つの実施形態では、本発明による繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品は、約0.10g/cc以下の密度、及び/又は約0.07g/cc以下の密度を示す。
【0027】
本明細書で使用する時、「プライ」(単数又は複数)は、他のプライと実質的に隣接、向かい合わせの関係に任意に配置されて、多プライの繊維性構造体を形成する、個々の繊維性構造体を意味する。また、単一の繊維性構造体は、例えばそれ自体の上に折り重ねることにより、効果的に2つの「プライ」又は多「プライ」を形成できると考えられる。
【0028】
本明細書で使用する時、「衛生ティッシュ製品」は、排尿後及び排便後の洗浄用(トイレットペーパー)、はなかみ用(フェイシャルティッシュ)、及び多機能吸収及び/又は洗浄用途(吸収性タオル及び/又はナプキン)の拭き取り具を意味する。
【0029】
「模様付き繊維性構造体」及び/又は「模様付き衛生ティッシュ製品」は、本明細書で使用する時、当該技術分野において既知のいずれかの方法から作成され、少なくとも約650μmの変形高さを示す少なくとも1つの表面を有する繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を意味する。換言すれば、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品は、少なくとも約650μmの変形高さを示す少なくとも1つの変形を含む少なくとも1つの表面を含む。1つの実施形態では、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の両表面が、少なくとも約650μmの変形高さを示す少なくとも1つの変形を含む。
【0030】
「変形高さ」は、本明細書に記載される変形高さ試験方法に従って測定される。本発明による模様付き繊維性構造体は第1の表面及び第2の表面を有し、これら第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つは、少なくとも約650μm、及び/又は少なくとも約1000μm、及び/又は少なくとも約1250μm、及び/又は少なくとも約1500μmの変形高さを示し得る。他の実施形態では、模様付き繊維性構造体は第1の表面及び第2の表面を有し、これら第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つは、本明細書に記載される変形高さ試験方法により測定される時、約650μm〜約3000μm、及び/又は約1000μm〜約2000μm、及び/又は約1000μm〜約1500μmの変形高さを示し得る。一般に、変形高さの上限は、変形生成プロセス中、ピンホール又は引裂に抵抗する繊維性構造体の能力により制限される。
【0031】
「変形」は、本明細書で使用する時、繊維性構造体の表面及び/又は衛生ティッシュ製品の表面上に存在する凹み部又は突出部を意味する。変形は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な手段によって、繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の表面上に生成されてもよい。
【0032】
模様付き繊維性構造体
本発明による模様付き繊維性構造体は、当該技術分野で既知のいずれかの繊維性構造体の種類、例えばエア・レイド繊維性構造体及び/又はウェット・レイド繊維性構造体を含んでもよい。好適な繊維性構造体の種類及びそれを製造するための方法の非限定例は、米国特許第4,191,609号(トロカーン(Trokhan)、1980年3月4日発行)、米国特許第4,300,981号(カーステンズ(Carstens)ら、1981年11月17日発行)、米国特許第4,191,609号(トロカーン(Trokhan)、1980年3月4日発行)、米国特許第4,514,345号(ジョンソン(Johnson)ら、1985年4月30日発行)、米国特許第4,528,239号(トロカーン(Trokhan)、1985年7月9日発行)、米国特許第4,529,480号(トロカーン(Trokhan)、1985年7月16日発行)、米国特許第4,637,859号(トロカーン(Trokhan)、1987年1月20日発行)、米国特許第5,245,025号(トロカーン(Trokhan)ら、1993年9月14日発行)、米国特許第5,275,700号(トロカーン(Trokhan)、1994年1月4日発行)、米国特許第5,328,565号(ラッシュ(Rasch)ら、1994年7月12日発行)、米国特許第5,334,289号(トロカーン(Trokhan)ら、1994年8月2日発行)、米国特許第5,364,504号(スムルコウスキー(Smurkowski)ら、1995年11月15日発行)、米国特許第5,527,428号(トロカーン(Trokhan)ら、1996年6月18日発行)、米国特許第5,556,509号(トロカーン(Trokhan)ら、1996年9月17日発行)、米国特許第5,628,876号(エアーズ(Ayers)ら、1997年5月13日発行)、米国特許第5,629,052号(トロカーン(Trokhan)ら、1997年5月13日発行)、米国特許第5,637,194号(アンプルスキー(Ampulski)ら、1997年6月10日発行)、米国特許第5,411,636号(ハーマンズ(Hermans)ら、1995年5月2日発行)、欧州特許公開番号677612(ウェント(Wendt)ら、1995年10月18日公開)に記載されている。
【0033】
本発明による模様付き繊維性構造体は、空気通過乾燥された繊維性構造体、密度差のある繊維性構造体、ウェット・レイド繊維性構造体、エア・レイド繊維性構造体(その例は米国特許第3,949,035号及び米国特許第3,825,381号に記載されている)、従来型の乾燥された繊維性構造体、クレープ加工された又はクレープ加工されていない繊維性構造体、模様付きの高密度化された又は模様のない高密度化された繊維性構造体、圧縮された又は圧縮されていない繊維性構造体、合成繊維又は多成分繊維を含む不織布繊維性構造体、均質な又は多層の繊維性構造体及びこれらの混合物からなる群から選択される、当該技術分野において既知の繊維性構造体を含んでもよい。
【0034】
1つの実施形態では、エア・レイド繊維性構造体は、熱結合エア・レイド(TBAL)繊維性構造体、ラテックス結合エア・レイド(LBAL)繊維性構造体、及び混合結合エア・レイド(MBAL)繊維性構造体からなる群から選択される。
【0035】
模様付き繊維性構造体は、実質的に均一な密度を示してもよく、又は密度差のある領域、換言すれば、模様付き繊維性構造体内の他の領域と比較して高密度の領域を示してもよい。典型的には、繊維性構造体がヤンキードライヤーなどの円筒形ドライヤーに押しつけられない時、繊維性構造体が依然として濡れたままで、空気通過乾燥用布地又は別の布地によって支持されている間、又はエア・レイド繊維性構造体がスポット接合されない時、繊維性構造体は、典型的には、実質的に均一な密度を示す。
【0036】
1つの実施形態では、本発明の繊維性構造体は、約100%の木材パルプ繊維を含む。
【0037】
ラテックス
本発明の模様付き繊維性構造体は、ラテックスを含んでもよい。
【0038】
ラテックスは、天然ラテックス又は合成ラテックスであってもよい。ラテックスは、約−65℃〜約100℃及び/又は約−45℃〜約100℃のTgを示してもよい。テックスは架橋性であってもよい。ラテックスは、帯電している(アニオン性又はカチオン性)か、又は帯電していなく(非イオン性)てもよい。好適なラテックスの非限定例としては、ビニルアセテート、エチレンビニルアセテートコポリマー、アクリレートコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
本発明で使用するのに適するラテックスは、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)からUCARという商標名で、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)からDUR−O−SET、NACRYLIC及びELITEという商標名で、BASFからACRONAL及びSTYROFANという商標名で、及びエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.)からAIRFLEXという商標名で市販されている。
【0040】
ラテックスは、変形生成プロセスを受ける前、受けている間、又は受けた後に、模様付き繊維性構造体に付与されてもよい。模様付き繊維性構造体へのラテックスの付与は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な手段によって行ってもよい。好ましくは、ラテックスは、変形生成プロセスを受ける前に模様付き繊維性構造体に対して付与される。好適な付与方法の非限定例としては、噴霧、浸漬、ブラッシング、スロット押出し、グラビア印刷、フレキソ(flexo)印刷、コーティング、インクジェット、ホットメルト、含浸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ラテックスは、模様付き繊維性構造体の総重量に基づく、任意のレベルで模様付き繊維性構造体に付与されてもよい。1つの実施形態では、ラテックスは、模様付き繊維性構造体の総重量の約0.1%〜約50%、及び/又は約3%〜約40%、及び/又は約4%〜約20%のレベルで、模様付き繊維性構造体に付与される。
【0041】
ラテックスは、模様付き繊維性構造体の少なくとも1つの表面の表面積の約1%〜約100%、及び/又は約3%〜約85%、及び/又は約3%〜約15%のレベルで、模様付き繊維性構造体の表面上に存在し得る。ラテックスは、ランダム又は非ランダムなパターンにて、本発明の模様付き繊維性構造体の少なくとも1つの表面上に存在し得る。
【0042】
1つの実施形態では、ラテックスは、密度差のある模様付き繊維性構造体の高密度の領域上に顕著に存在する。換言すれば、模様付き繊維性構造体の表面上に存在するラテックス全体の50%よりも多く、及び/又は60%よりも多く、及び/又は70%よりも多くが、密度差のある模様付き繊維性構造体の高密度の領域上に存在する。
【0043】
その他の成分
ラテックスに加え、エンボス加工されたラテックス含有繊維性構造体及び/又はそれから作成される単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品は、1又はそれより多くの更なる成分、例えば柔軟化剤、界面活性剤などの吸収性剤、湿潤強度剤(即ち、一時湿潤強度剤及び/又は永久湿潤強度剤)、ローション、抗菌剤、印刷素子などの着色剤、香料及びこれらの混合物を含んでもよい。
【0044】
変形生成プロセス
本発明の模様付き繊維性構造体は、繊維性構造体を変形生成プロセスに供することによって作成してもよい。変形生成プロセスが、少なくとも約650μmの変形高さを示す少なくとも1つの表面を有する模様付き繊維性構造体を生成する限り、当該技術分野において既知のあらゆる好適な変形生成プロセスを使用することができる。変形生成プロセスの非限定例としては、エンボス加工プロセス、密度差形成プロセス、及び/又は模様付きフォーミングベルト及び/又は乾燥ベルトを使用して繊維性構造体を成形するプロセスが挙げられる。模様付きフォーミングベルト及び/又は乾燥ベルトの非限定例は、米国特許第4,637,859号、米国特許第5,496,624号及び米国特許第5,500,277号に記載されている。
【0045】
図1に概ね示されるようなエンボス加工プロセスの非限定例としては、米国特許第3,414,459号に記載されるようなノブ−トゥ−ノブ型エンボス加工、米国特許第3,867,225号に記載されるようなネスト型エンボス加工、特にディープ・ネスト型エンボス加工、米国特許第6,030,690号に記載されるような高圧型エンボス加工、面外型エンボス加工及びこれらの組み合わせが挙げられる。エンボス加工は、単一レベルのエンボス加工であっても、又は図1に示されるような多レベルのエンボス加工であってもよい。上述のものに加え、多プライの衛生ティッシュ製品が形成される時には、米国特許第5,294,475号及び米国特許第5,468,323号に記載されるような二重プライ積層体エンボス加工を利用してもよい。
【0046】
本発明による繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品は、ラテックス付与の前、間及び/又は後に変形生成プロセスを受けてもよい。
【0047】
好適な変形生成プロセスの非限定例は、図2及び図3に示されるようなディープ・ネスト型エンボス加工である。ラテックス含有繊維性構造体20は、2つのエンボス加工ロール100及び200間の間隙50でエンボス加工される。エンボス加工ロール100及び200は、このようなロールを作成するためのいずれかの既知の材料から作成されてもよく、例えば、鋼、ゴム、エラストマー材及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに制限されない。各エンボス加工ロール100及び200は、エンボスノブ110、210、及び間隙120、220の組み合わせを有する。各エンボスノブ110は、例えばノブ基部140と、ノブ面150とを有する。ロールの表面パターン、即ち多様なノブ及び間隙の設計は、製品にとって望ましいいかなる設計であってもよいが、ディープ・ネスト型エンボス加工プロセスの場合、一方のロール100のノブ面150のノブ面表面130が他方のロール200のノブ面表面230を越えて他方のロール200の間隙220内に延在し、係合300の深さを形成するように、ロールの設計を一致させなければならない。係合300の深さは、ネスト状のノブ面表面130及び230間の距離である。本発明のエンボス加工されたラテックス含有繊維性構造体を製造する際に使用する係合300の深さは、少なくとも約650μm、及び/又は少なくとも約1000μm、及び/又は少なくとも約1250μm、及び/又は少なくとも約1500μmの変形高さが繊維性構造体の一方の表面又は両表面に形成されるように、約0.1016cm(0.04インチ)〜約0.381cm(0.15インチ)、及び/又は約0.1016cm(0.04インチ)〜約0.332cm(0.13インチ)、及び/又は約0.1016cm(0.04インチ)〜約0.254cm(0.10インチ)、及び/又は約0.1016cm(0.04インチ)〜約0.2032cm(0.08インチ)、及び/又は約0.127cm(0.05インチ)〜約0.1778cm(0.07インチ)の範囲であり得る。
【0048】
図3を参照すると、模様付きラテックス含有繊維性構造体20は、第1の表面21が少なくとも約650μmの変形高さ31を示すような、ディープ・ネスト型エンボス加工プロセスから生じる変形を示す。更に、図3に示されるように、第2の表面22は、少なくとも約650μmの変形高さ32を示す。模様付きラテックス含有繊維性構造体の各表面21及び22の変形高さ31及び32は、本明細書中の「試験方法」の章に記載されるようなGFMプリモス光学プロファイラ(GFM Primos Optical Profiler)を使用する変形高さ試験によって測定される。
【0049】
1つの実施形態では、変形生成プロセスは、模様付きエンボス加工ロールと、模様のない鋼ロールを利用して、少なくとも650μmの変形高さを示す表面を1つのみ有する本発明による模様付き繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を形成する。他方の表面は、650μm未満、好ましくは300μm未満の変形高さを示し、より好ましくは、実質的に又は完全に変形を示さない。このような変形生成プロセスは、模様付き繊維性構造体の他の領域と比較して、少なくとも約650μmの変形高さを示す変形がある位置に高密度の領域を生成し得る。
【0050】
他の実施形態では、変形生成プロセスは、模様付き繊維性構造体内の他の領域と比較して面内高密度の領域を生成し得る。あるいは、変形生成プロセスは、模様付き繊維性構造体内の他の領域と比較して面内高密度の領域を生成しないこともある。
【0051】
変形生成プロセスは、模様付き繊維性構造体の少なくとも1つの表面内に変形を生成し得るものであり、これらの変形は、模様付き繊維性構造体の他の変形を含有しない領域の密度の少なくとも2倍の密度を示す高密度化領域を含む。
【0052】
変形生成プロセスは、模様付き繊維性構造体の少なくとも1つの表面内に変形を生成し得るものであり、これらの変形は、模様付き繊維性構造体内又はその上に存在する穿孔及び/又は印刷要素と同調している。
【0053】
更に、変形生成プロセスは、模様付き繊維性構造体の少なくとも1つの表面内に変形を生成し得るものであり、これらの変形は、個々に又は組み合わさって別個の画像を表し、この別個の画像は、変形を含有しない繊維性構造体の領域によって、模様付き繊維性構造体上に存在する他の別個の画像から分離されている。
【0054】
本発明の繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を変形生成プロセスに供して、模様付き繊維性構造体及び/又は模様付き衛生ティッシュ製品を形成することにより、このような模様付き繊維性構造体及び/又は模様付き衛生ティッシュ製品のキャリパーは、同一の模様のない繊維性構造体及び/又は模様のない衛生ティッシュ製品と比べて少なくとも10%及び/又は少なくとも15%増大される。
【0055】
衛生ティッシュ製品
本発明の衛生ティッシュ製品は、本明細書に記載されるような模様付き繊維性構造体を含んでもよい。あるいは、本発明の衛生ティッシュ製品は、模様のない繊維性構造体を含んでもよく、これら衛生ティッシュ製品が本発明による変形生成プロセスを受け、結果として模様付き衛生ティッシュ製品が生成される。
【0056】
本発明の衛生ティッシュ製品は、1又はそれより多くの繊維性構造体、特に模様付き繊維性構造体を含んでもよい。故に、衛生ティッシュ製品は単プライ又は多プライの製品であってもよい。多プライである場合、衛生ティッシュ製品の繊維性構造体の少なくとも1つは、本発明による繊維性構造体、好ましくは模様付き繊維性構造体である。
【0057】
本発明による衛生ティッシュ製品は、ロール形状であってもよい。ロール形状である場合、本発明による衛生ティッシュ製品は、芯の周りに渦巻状に巻かれていてもよく、又は芯なしで渦巻状に巻かれていてもよい。
【0058】
1つの実施形態では、模様付き繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品は、ロール形状である時、模様のない形状をなす同一の繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品それぞれの平均シート・キャリパーを超える平均有効キャリパーを示す。
【0059】
繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品を製造するための方法
模様付き繊維性構造体、特に模様付きラテックス含有繊維性構造体及び/又はそれを含む衛生ティッシュ製品は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な手段により製造できる。このような方法の非限定例については、先に述べている。
【0060】
図4に示されるように、本発明に適するエア・レイド繊維性構造体の製造方法40の非限定例は、繊維を圧縮状態42から開放する工程(ハンマーミル44は繊維45を圧縮状態42から個別化するために使用できる1つの装置である)、繊維45を高速空気流46に分散させる工程、所望であれば繊維45を他の繊維48と混合する工程、繊維45、又は繊維45と48の混合物を形成用表面又はベルト50上に堆積させ、それによりエア・レイド繊維性構造体52が形成される工程を含む。エア・レイド繊維性構造体が形成されたら、それに対して更なる処理行為を行ってもよい。このような更なる処理行為の非限定例としては、エンボス加工、ラテックス付与、乾燥、硬化、印刷、柔軟化剤及び/又は強度剤適用、及びロールへの巻き付けが挙げられる。混合工程に加えて、又は混合工程の代わりに、異なる繊維層が形成用表面又はベルト上に堆積されてもよい。また、繊維を圧縮して繊維性構造体とする工程、及び/又は繊維性構造体をカレンダー加工する、及び/又は1又はそれより多くの加熱したエンボスロールを用いる工程も本方法における選択肢である。
【0061】
本発明の方法は、乾燥させる及び/又はラテックスを硬化させる工程を更に含んでもよい。
【0062】
多プライの衛生ティッシュ製品の方法において、第2繊維性構造体は、ラテックスを含有しない繊維性構造体又はラテックスを含有する繊維性構造体であってもよい。更に、第2繊維性構造体は、少なくとも約650μmのエンボス高さを示す表面を有してもよく、又は少なくとも約650μmのエンボス高さを示さない表面を有さなくてもよい。
【0063】
更に、多プライの衛生ティッシュ製品の方法において、第1繊維性構造体及び第2繊維性構造体は、いずれかの好適な方法によって取り付けられてもよく、例えば、非接着的に取り付けられる、及び/又はプライ結合グルー(コールドグルー及び/又はホットメルト及び/又はホットグルー)で接着的に取り付けられてもよい。非接着的な取り付け方法の非限定例としては、繊維性構造体が結合された(即ち、互いに密着した)後、多プライの衛生ティッシュ製品をエンボス加工することが挙げられる。
【0064】
試験方法:
変形高さ試験
変形高さは、GFMエステクニック社(GFMesstechnik GmbH)(ドイツ、D14513テルトウ/ベルリン、ワルテストラッセ(Warthestra(e)21)から市販されているGFMプリモス光学プロファイラ(GFM Primos Optical Profiler)機器を用いて測定される。GFMプリモス光学プロファイラ機器は、デジタルマイクロ鏡像投影に基づいた小型光学測定センサを包含し、次の主要構成要素からなる。a)1024×768の直接デジタル制御のマイクロミラーを有するDMDプロジェクタ、b)高解像度(1300×1000ピクセル)CCDカメラ、c)少なくとも27×22mmの測定面積に適合した投影光学素子、並びに、d)少なくとも27×22mmの測定面積に適合した記録用光学素子、小さな硬質の石板上に載置される卓上三脚、冷光源、測定、制御及び評価用コンピュータ、測定、制御及び評価用ソフトウェアODSCAD4.0英語版、及び横方向(x−y)と垂直方向(z)の較正用の調整プローブ。
【0065】
GFMプリモス光学プロファイラシステムは、デジタルマイクロ鏡像パターン投影技術を用いて、試料の表面高さを測定する。分析結果は、表面高さ(z)対xy変位のマップである。システムは、解像度21ミクロンの27×22mmの視界を有する。高さ解像度は、0.10〜1.00ミクロンに設定されなければならない。高さの範囲は、解像度の64,000倍である。
【0066】
模様付き繊維性構造体及び/又は模様付き衛生ティッシュ製品の試料を測定するために、以下のことを行う:
1.冷光源の電源を入れる。冷光源の設定は、ディスプレイ上で3000Kの読み取り値が得られるように、4及びCとしなければならない。
【0067】
2.コンピュータ、モニタ及びプリンタの電源を入れ、ODSCAD4.0プリモスソフトウェアを開く。
【0068】
3.プリモスのタスクバーから「測定開始(Start Measurement)」アイコンを選択し、次に「ライブ映像(Live Pic)」ボタンをクリックする。
【0069】
4.約23℃±1℃(73°F±2°F)の温度及び50%±2%の相対湿度で調湿した模様付き繊維性構造体又は模様付き衛生ティッシュ製品の30mm×30mmの試料を投影ヘッドの下に置き、最良の焦点になるように距離を調節する。
【0070】
5.最良の焦点を得る助けとするために、「パターン(Pattern)」ボタンを繰返しクリックして複数の焦点パターンの1つを投影する(最適な焦点が得られたときには、ソフトウェアの十字線が投影された十字線と一致しているはずである)。投影ヘッドを試料表面に対して垂直に配置する。
【0071】
6.投影ヘッドの側部にある穴を通るレンズの開口を変化させることによって、及び/又はスクリーン上のカメラの「ゲイン」設定を変えることによって、画像の明るさを調整する。電子ノイズの量を制御するため、ゲインは7より大きい値に設定しない。照明が最適になると、「I.O.」と書かれたスクリーン下の赤丸が緑に変わる。
【0072】
7.技術的表面/粗面(Technical Surface/Rough)測定タイプを選択する。
【0073】
8.「測定(Measure)」ボタンをクリックする。これによってライブ画像がスクリーン上で固定され、同時に、画像が取り込まれてデジタル化される。取り込んだ画像がぼやけるのを避けるため、この間試料を静止させておくことが重要である。画像は約20秒で取り込まれる。
【0074】
9.画像が満足できるものであれば、その画像に拡張子「.omc」を付けてコンピュータファイルに保存する。これは、カメラ画像ファイル「.kam」も保存する。
【0075】
10.日付をソフトウェアの分析部分に移動するために、クリップボード/人(clipboard/man)アイコンをクリックする。
【0076】
11.次に、アイコン「切断線を描く(Draw Cutting Lines)」をクリックする。動作中の線が線1に設定されていることを確認する。コンピュータスクリーン画像の左側の最下地点に十字線を移動させて、マウスをクリックする。次に、現在の線上でコンピュータスクリーン画像の右側の最下地点に十字線を移動させて、マウスをクリックする。次に、印を付けた地点のアイコンで「整列(Align)」をクリックする。次に、この線の最下地点でマウスをクリックし、次いでこの線の最上地点でマウスをクリックする。「垂直(Vertical)」距離アイコンをクリックする。距離の測定値を記録する。次に、動作中の線を次の線まで上昇させ、前のステップを繰返し、全ての線(合計6本)の測定が終わるまでこれを実行する。記録した全ての数値の平均を取り、単位がマイクロメートルでない場合には、マイクロメートル(μm)に変換する。この数が変形高さである。模様付き繊維性構造体及び/又は模様付き衛生ティッシュ製品の試料の別の画像についてもこの手順を繰り返し、変形高さの平均を取る。
【0077】
湿潤破裂強度試験
湿潤破裂強度は、ツイング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Company)(ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA))から市販されている、2000gのロードセルを装備したツイング−アルバート破裂試験器カタログ番号177(Thwing-Albert Burst Tester Cat. No.177)を用いて測定することができる。
【0078】
湿潤破裂強度は、二つ(2)の多プライの衛生ティッシュ製品の試料を採取することによって測定される。はさみを使って、試料を、それが機械方向におよそ228mm及び機械横方向におよそ114mmであり、各二つ(2)のプライの厚さであるように、機械方向に半分に切断する(これで四つの試料ができる)。最初に、試料を温度約23℃±1℃(73°F±2°F)及び相対湿度50%±2%で2時間調湿する。次に小さな紙ばさみを用いて試料を共に積み重ねて束にしそのまま試料を寝かせ、試料の束のもう一方の末端部をクランプにより105℃(±1℃)の強制通風オーブン中で5分(±10秒)間「送風」する。加熱期間後、オーブンから試料の積み重ね体を取り出し、最低3分間冷却してから、試験を行う。1つの試料ストリップを取り、試料の幅の狭い機械横方向縁部を保持し、約25mmの蒸留水を充填した受け皿の中に試料の中央を浸す4(±0.5)秒間、水中に試料を放置する。試料を取り出し、水が機械横方向に流れ落ちるように保持したまま3(±0.5)秒間水切りする。水切り工程の直後に試験を進める。濡れた試料を、破裂試験機の試料保持装置の下部リング上に試料の外側表面が上を向くように設置し、試料の濡れた部分が試料保持リングの開いた面を完全に覆うようにする。皺が存在する場合、試料を処分し、新たな試料を用いて繰り返す。試料を下側試料保持リング上の適所に適切に置いた後、スイッチを入れて、破裂試験機上にある上側リングを下げる。この時、試験すべき試料は試料保持ユニット内においてしっかりと把持されている。破裂試験機上にある開始ボタンを押すことによって、この時点で即座に破裂試験を開始する。プランジャーが試料の濡れた表面に向かって上り始める。試料が裂けるか、又は破裂した時点で、最大読み取り値を報告する。プランジャーは自動的に反転し、元の開始位置へと戻る。合計4回の試験(即ち、4回の繰り返し)を行うために、あと3つの試料に関してこの手順を繰り返す。それらの結果を4回の繰り返しの平均としてグラム単位で報告する。
【0079】
シート・キャリパー試験
衛生ティッシュ製品の試料のシート・キャリパー又はキャリパーは、衛生ティッシュ製品の試料を、負荷足部の負荷表面よりも大きくなるように切断することによって決定されるが、この場合、負荷足部の負荷表面は約20cm2(3.14インチ2)の円形表面積を有する。試料を水平平坦面と負荷足部の負荷表面との間に押し込む。負荷足部の負荷表面は、試料に(14.7g/cm2(約0.21psi))の閉じ込め圧力を印加する。キャリパーは、平坦面と負荷足部の負荷表面との間に得られる間隙である。このような測定は、ツイング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Company)(ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA))から入手可能なVIR電子厚さ試験機モデルII(VIR Electronic Thickness Tester Model II)で得ることができる。平均キャリパーを計算できるように、キャリパー測定を少なくとも5回繰り返して記録する。結果はミルで報告される。
【0080】
有効キャリパー試験
ロール形状をなす繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の有効キャリパーは、以下の式によって決定される:
EC=(RD2−CD2)/(0.00127×SC×SL)
式中、ECは巻かれたロール形状の繊維性構造体及び/又は衛生ティッシュ製品の単一シートの有効厚さ(単位:ミル)であり、RDはロール直径(単位:インチ)であり、CDは、芯の直径(単位:インチ)であり、SCはシート枚数であり、SLはシート長さ(単位:インチ)である。
【0081】
総乾燥引張強度試験
本発明の繊維性構造体及び/又はそのような繊維性構造体を含む紙製品の「総乾燥引張強度」(「TDT」)は以下のように測定される。2.5cm×12.7cm(1インチ×5インチ)の、繊維性構造体及び/又はそのような繊維性構造体を含む紙製品のストリップが提供される。ストリップは、温度約28℃±2.2℃(73°F±4°F)、相対湿度50%±10%に調湿された室内で、インストロン社(Instron Corp.,)(マサチューセッツ州カントン(Canton))から市販されている電子引張り試験機モデル1122に置かれる。引張り試験機のクロスヘッド速度は約5.1cm/分(2.0インチ/分)、及びゲージ長さは約10.2cm(4.0インチ)である。TDTは、ストリップのMD及びCD引張り強度の算術的合計である。
【0082】
張力試験の前に、試験すべきペーパー試料を、TAPPI方法#T402OM−88に従って調湿しなければならない。すべてのプラスチック及び板紙の包装材料を、試験前に、ペーパー試料から慎重に取り外さなければならない。ペーパー試料を、相対湿度48〜52%及び22〜24℃の範囲の温度内で、少なくとも2時間調湿しなければならない。試料の準備及び張力試験のすべての段階もまた、一定の温度及び湿度の密閉された室内で行わなければならない。
【0083】
損傷した製品があればそれをすべて廃棄する。次に、4つの使用可能なユニット(シートとも呼ばれる)から5つのストリップを取り外し、互いに積み重ねて、シートが合わさっている間に穿孔を有する長い積み重ね体を形成する。シート1及び3を機械方向の張力測定用として、シート2及び4を機械横方向の張力測定用として特定する。次に、ペーパーカッター(ツイング−アルバート・インスツルメント社(ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia, Pa))からの安全シールド付きJDC−1−10又はJDC−1−12)を使用して穿孔線に沿って切断し、4つの別々の素材を作成する。積み重ね体1及び3が、依然として機械方向試験用として特定され、積み重ね2及び4が機械横方向試験用として特定されていることを確認する。
【0084】
積み重ね体1及び3から、2.54cm(1インチ)幅のストリップを2つ機械方向に切断する。積み重ね体2及び4から、2.54cm(1インチ)幅のストリップを2つ機械横方向に切断する。これで、機械方向の張力試験用に2.54cm(1インチ)幅の4つのストリップと、機械横方向の張力試験用に2.54cm(1インチ)幅の4つのストリップが得られる。これらの最終製品試料に対して、2.54cm(1インチ)幅の8つのストリップはすべて、使用可能なユニット(シートとも呼ばれる)5つの厚さである。
【0085】
加工されていない素材及び/又は巻試料に対して、ペーパーカッター(ツイング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Co.)(ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia))からの、安全シールド付きJDC−1−10又はJDC−1−12)を用いて、8プライ厚さの38.1cm(15インチ)×38.1cm(15インチ)の試料を試料の対象領域から切断する。38.1cm(15インチ)の切断の1つを機械方向に平行とし、他方の切断を機械横方向に平行とすることを確実にする。試料を、相対湿度48〜52%及び22〜24℃の範囲の温度内で、少なくとも2時間調湿することを確認する。試料の準備及び張力試験のすべての段階もまた、一定の温度及び湿度の密閉された室内で行わなければならない。
【0086】
この予め調湿した8プライ厚さの38.1cm(15インチ)×38.1cm(15インチ)の試料から、長い17.78cm(7インチ)の寸法が機械方向に平行な、2.54cm(1インチ)×17.78cm(7インチ)のストリップを4つ切断する。これらの試料を、機械方向の巻き又は加工されない素材の試料とすることに留意されたい。長い17.78cm(7インチ)の寸法が機械横方向に平行な、2.54cm(1インチ)×17.78cm(7インチ)のストリップを更に4つ切断する。これらの試料を機械横方向の巻き又は加工されない素材の試料とすることに留意されたい。これまでのすべての切断が、ペーパーカッター(ツイング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Co.)(ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia))からの、安全シールド付きJDC−1−10又はJDC−1−12)を用いて行われたことを確認する。これで試料は、17.78cm(7インチ)の寸法が機械方向に平行な、8プライ厚さの2.54cm(1インチ)×17.78cm(7インチ)のストリップ4つと、17.78cm(7インチ)の寸法が機械横方向に平行な、8プライ厚さの2.54cm(1インチ)×17.78cm(7インチ)のストリップ4つとの、合計8つになる。
【0087】
引張り強度を実際に測定するには、ツイング−アルバート・インテレクトII標準引張り試験機(Thwing-Albert Intelect II Standard Tensile Tester)(ツイング−アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Co.)、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia))を使用する。ツイング−アルバート・インテレクトII(Thwing-Albert Intelect II)の操作マニュアルによる指示に従って、平面クランプをユニット内に挿入し、試験機を較正する。機器のクロスヘッド速度を10.16cm/分(4.00インチ/分)に設定し、第1及び第2のゲージ長さを5.08cm(2.00インチ)に設定する。破断感度を20.0グラムに設定しなければならず、試料幅を2.54cm(1.00インチ)、試料厚さを0.0635cm(0.025インチ)に設定しなければならない。
【0088】
ロードセルを、試験すべき試料の張力の予測結果が、使用中の範囲の25%〜75%となるように選択する。例えば、予測張力が1250グラム(5000グラムの25%)〜3750グラム(5000グラムの75%)の範囲である試料には、5000グラムのロードセルを使用してもよい。引張り試験機はまた、予測張力が125グラム〜375グラムである試料を試験できるように、5000グラムのロードセルの10%範囲に設定することもできる。
【0089】
引張りストリップの1つを取り、その一端を引張り試験機の1つのクランプ内に配置する。ペーパーストリップの他端を、他方のクランプ内に配置する。ストリップの長い寸法が、引張り試験機の側面に平行であることを確認する。また、ストリップが2つのクランプのいずれかの側面に覆い被さっていないことも確認する。加えて、各クランプの圧力は、ペーパー試料と完全に接触していなければならない。
【0090】
ペーパー試験ストリップを2つのクランプに挿入した後、機器の張力を監視することができる。5グラム以上の値を示した場合、試料は引張られすぎている。反対に、試験を開始して値を記録する前に2〜3秒が経過した場合、引張りストリップは緩みすぎている。
【0091】
引張り試験機の機器マニュアルに記載されているように、引張り試験機を始動させる。クロスヘッドが自動的にその初期の開始位置に戻った後、試験が終了する。機器の目盛又は近接する装置のデジタルパネルメータから、グラム単位の引張り負荷を読み取って記録する。
【0092】
リセット調整を機器が自動的に実施しない場合は、必要な調整を行って、機器のクランプをその初期の開始位置に設定する。次のペーパーストリップを上述したように2つのクランプに挿入し、グラム単位の張力の読み取り値を得る。すべてのペーパー試験ストリップから張力の読み取り値を得る。試験の実施中に、クランプ中又はその端部でストリップが外れたり破断したりした場合、読み取り値は却下されなければならないことに留意されたい。
【0093】
パーセント伸びの最大値(%伸び)が所望される場合、引張り強度を測定するのと同時にその値を判定する。製造元の使用説明書に従って、伸びスケールを較正し、必要な制御機器があればそれをすべて調整する。
【0094】
デジタルパネルメータを有する電子引張り試験機では、引張り強度試験の終了時に、第2のデジタルパネルメータに表示される値を読み取って記録する。電子引張り試験機の中には、第2のデジタルパネルメータのこの値がパーセント伸びの最大値(%伸び)であるものもあり、伸びの実際のインチであるものもある。
【0095】
試験すべき引張りストリップそれぞれに対してこの手順を繰り返す。
【0096】
算出:パーセント伸びの最大値(%伸び)−第2のデジタルパネルメータにパーセント伸びを表示する電子引張り試験機の場合:
パーセント伸びの最大値(%伸び)=(伸びの読み取り値の合計)÷(実施された読み取り数)
第2のデジタルパネルメータに伸びの実際の単位(インチ又はセンチメートル)を表示する電子引張り試験機の場合:
パーセント伸びの最大値(%伸び)=(伸びのインチ又はセンチメートルの合計)÷((インチ又はセンチメートル単位のゲージ長さ)×(実施された読み取り数))
結果はパーセント単位である。5%超過の結果に対しては整数;5%以下の報告結果に対しては0.1%の近似。
【0097】
水平全面シート(HFS)吸収性試験:
水平全面シート(HFS)試験方法は、本発明の紙が吸収し、保持する蒸留水の量を決定する。この方法は、まず試験すべき紙の試料を秤量し(本明細書中では「紙の乾燥重量」と呼ぶ)、次いで、完全に紙を濡らし、濡れた紙を水平位置にて水切りし、その後再秤量する(本明細書中では「紙の湿潤重量」と呼ぶ)ことによって行われる。次いで、紙の吸収能力は、紙が吸収し、保持する水の量としてグラム単位で演算される。異なる紙試料を評価する際、試験すべきすべての試料について、同じサイズの紙を使用する。
【0098】
紙のHFS容量を決定するための装置は、以下のものを備える:感度が少なくとも±0.01gであり、最小容量が1200gである電子天秤。この天秤を天秤台の上に置き、スラブを敷いて、床/ベンチトップ秤量の振動の影響を最小に抑えなければならない。また、天秤は、試験すべき紙のサイズ(即ち、約27.9cm(11インチ)×27.9cm(11インチ)のペーパー試料)を取り扱うことができる特殊な天秤皿を有しているべきである。天秤皿は多様な材料から作成可能である。プレキシガラスは、一般的な使用材料である。
【0099】
試料支持ラック及び試料支持カバーも必要である。支持ラック及び支持カバーは両方とも軽量金属フレームからなり、このフレームには0.305cm(0.012インチ)直径のモノフィラメントが張られ、1.27cm2(0.5平方インチ)の格子が形成されている。支持ラック及び支持カバーのサイズは、試料のサイズをその2つの間に都合よく配置できるようなものである。
【0100】
HFS試験は、23±1℃、相対湿度50±2%に維持した環境で行われる。水容器又は水槽には、深さ7.6cm(3インチ)まで23±1℃の蒸留水が充填されている。
【0101】
試験すべき紙を天秤で0.01gの単位まで注意深く秤量する。試料の乾燥重量を0.01gの単位まで報告する。上述の特殊な天秤皿を備えた天秤の上に空の試料支持ラックを置く。次いで、天秤をゼロに合わせる(風袋を差し引く)。試料支持ラックの上に試料を注意深く置く。支持ラックカバーを支持ラックの上に置く。試料(この時、支持ラックとカバーの間に挟まれている)を水容器に沈める。試料を60秒間沈めた後、試料支持ラック及びカバーを容器から静かに引き上げる。
【0102】
試料を過度に揺らしたり、振ったりしないように注意しながら、試料、支持ラック及びカバーを120±5秒間水平に水切りする。次に、支持ラックカバーを注意深く取り外し、先に風袋を差し引いた天秤で濡れた試料及び支持ラックを秤量する。重量を0.01gの単位まで記録する。これが、試料の湿潤重量である。
【0103】
試料のグラム単位の紙試料吸収能力は、(紙の湿潤重量−紙の乾燥重量)として定義される。
【0104】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と見なされるべきではない。
【0105】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲内で扱うことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】変形生成プロセス及びそれから製造される模様付き繊維性構造体の多様な形態の概略図。
【図2】本発明で使用するのに適するエンボス加工プロセスの1つの実施形態の2つの係合したエンボスロール間の間隙の側面図。
【図3】本発明による模様付きラテックス含有繊維性構造体の実施形態の側面図。
【図4】本発明による繊維性構造体を製造するためのエア・レイド方法の1つの実施形態の概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラテックスを含む模様付き繊維性構造体
【請求項2】
前記繊維性構造体が、第1の表面と第2の表面とを有し、ここで前記第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つが、少なくとも650μmの変形高さを示し、好ましくは前記第1の表面及び第2の表面の両方が、少なくとも650μmの変形高さを示す、請求項1に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項3】
前記繊維性構造体が、ウェット・レイド繊維性構造体又はエア・レイド繊維性構造体である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項4】
前記ラテックスが、天然ラテックス及び/又は合成ラテックスであり、好ましくはビニルアセテート、エチレンビニルアセテートコポリマー、アクリレートコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記ラテックスが、−65℃〜100℃のTgを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項5】
前記繊維性構造体が、均一な密度を示す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項6】
前記繊維性構造体が、相互に対して相対的に高密度の領域及び低密度の領域を示し、好ましくは前記ラテックスが、前記繊維性構造体の前記高密度の領域に存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項7】
前記繊維性構造体が、8g/gを超えるHFS吸収性を示す、請求項1〜6のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項8】
前記繊維性構造体が、任意の方向において10%を超えるピーク荷重時伸びを示す請求項1〜7のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項9】
前記繊維性構造体が、少なくとも508μmのシート・キャリパーを示す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項10】
前記繊維性構造体が、少なくとも100gの湿潤破裂強さを示す、請求項1〜9のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項11】
前記繊維性構造体が、ロール形状をなす時、模様のない形状をなす同一の繊維性構造体の平均シート・キャリパーを超える平均有効キャリパーを示す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体。
【請求項12】
単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品における、請求項1〜11のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体の使用。
【請求項13】
前記衛生ティッシュ製品が、ロール形状をなす時、模様のない形状をなす同一の衛生ティッシュ製品の平均シート・キャリパーを超える平均有効キャリパーを示す、単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品における、請求項1〜12のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体の使用。
【請求項14】
a.ラテックスを含む繊維性構造体を準備する工程と、
b.模様付き繊維性構造体が形成されるように前記繊維性構造体を変形生成プロセスに供する工程と、
c.任意選択的に、前記ラテックスを硬化させる工程と、
を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体の製造方法。

【請求項15】
a.模様付き繊維性構造体を準備する工程と、
b.前記模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む前記単プライの衛生ティッシュ製品にラテックスを付与する工程と、
c.任意選択的に、前記ラテックスを硬化させる工程と、
を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体の製造方法。
【請求項16】
a.繊維性完成紙料を準備する工程と、
b.初期繊維性ウェブを形成するために多孔の層形成用表面上に前記繊維性完成紙料を堆積させる工程と、
c.繊維性構造体が形成されるように前記初期繊維性ウェブを乾燥させる工程と、
d.前記繊維性完成紙料及び/又は前記初期繊維性ウェブ及び/又は前記繊維性構造体にラテックスを付与する工程と、
e.模様付き繊維性構造体及び/又はこのような模様付き繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品が形成されるように前記繊維性構造体を変形生成プロセスに供する工程と、
f.任意選択的に、前記繊維性構造体を乾燥させる工程と、
g.任意選択的に、前記ラテックスを硬化させる工程と、
を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体の製造方法。
【請求項17】
a.空気により運ばれる繊維流を準備する工程と、
b.エア・レイド繊維性構造体を形成するために前記空気により運ばれる繊維流を層形成用表面上に堆積する工程と、
c.前記エア・レイド繊維性構造体にラテックスを付与する工程と、
d.模様付きエア・レイド繊維性構造体及び/又はこのような模様付きエア・レイド繊維性構造体を含む単プライの衛生ティッシュ製品が形成されるように前記エア・レイド繊維性構造体を変形生成プロセスに供する工程と、
e.任意選択的に、前記ラテックスを硬化させる工程と、
を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の模様付き繊維性構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−536436(P2007−536436A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511103(P2007−511103)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/016037
【国際公開番号】WO2005/107427
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】