説明

横断回路

【課題】インダクタとキャパシタといった集中定数素子により回路を構成することができ、回路の小型化を図ることができる横断回路を提供する。
【解決手段】横断回路50は、第1〜第4の入出力端子1〜4と、第1〜第8のインダクタ5〜12と、第1〜第8のキャパシタ13〜20とを有している。第1〜第4のインダクタ5〜8のインダクタンスは、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第5〜第8のインダクタ9〜12のインダクタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第1〜第4のキャパシタ13〜16のキャパシタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第5〜第8のキャパシタ17〜20のキャパシタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。横断回路50は、90度ずつの角度で回転させても同形となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一対の伝送線路を互いに交差させるための横断回路に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、横断回路の原理について簡単に説明する。図5は、横断回路の原理を説明するための説明図である。図5において、符号101〜104は、第1〜第4の入出力端子を表し、符号150は、90度ずつの角度で回転させても同形となる可逆無損失回路を表す。この可逆無損失回路とは、伝送線路や、インダクタや、キャパシタといった可逆でかつ無損失あるいはごく小さい損失の素子で構成される回路網である。また、このような可逆無損失回路150の散乱行列は、次の式(1)のように表される。
【0003】
【数1】

【0004】
但し、この式(1)において、S11は反射係数、S21、S31は通過係数を表す。
可逆無損失回路150は、可逆無損失の素子で構成されることから、上記式(1)の散乱行列はユニタリ条件を満たす必要がある。この条件から次の式(2)が得られる。
【0005】
【数2】

【0006】
但し、式(2)において、添え字*は複素共役を表す。
ここで、反射係数S11が零、即ち第1〜第4の入出力端子101〜104が整合されれば、式(2)から通過係数S21は零となり、S31の大きさ|S31|は1となる。通過係数S31の位相をθとすれば、散乱行列は、次の式(3)のように表される。
【0007】
【数3】

【0008】
つまり、第1の入出力端子101に入力された電力は、第3の入出力端子103にのみ伝送され、第2の入出力端子102に入力された電力は、第4の入出力端子104にのみ伝送される。また、第3の入出力端子103に入力された電力は、第1の入出力端子101にのみ伝送され、第4の入出力端子104に入力された電力は、第2の入出力端子102にのみ伝送される。
【0009】
このように、90度ずつの角度で回転させても同形となる可逆無損失回路150は、整合されれば、互いに対向する第1及び第3入出力端子101,103間にのみ、あるいは第2及び第4入出力端子102,104間にのみ電力が伝送される横断回路として動作するようになる。
【0010】
次に、例えば、特許文献1に示すような従来の横断回路(平面交差回路)について説明する。従来の横断回路は、第1〜第4の入出力端子と、所定の高周波信号の中心周波数において半波長の長さをもつ第1〜第6の伝送線路とを有している。具体的に、第1の入出力端子に第1及び第4の伝送線路の一端が接続され、第2の入出力端子に第1の伝送線路の他端と第2の伝送線路の一端とが接続され、第3の入出力端子に第2の伝送線路の他端と第3の伝送線路の一端が接続され、第4の入出力端子に第3及び第4の伝送線路の他端が接続されている。
【0011】
また、第1の伝送線路の中点に第5の伝送線路の一端が接続され、第3の伝送線路の中点に第5の伝送線路の他端が接続され、第2の伝送線路の中点に第6の伝送線路の一端が接続され、第4の伝送線路の中点に第6の伝送線路の他端が接続され、第5及び第6の伝送線路の中点同士が互いに接続されている。ここで、第1〜第4の伝送線路の特性インピーダンスはいずれも同一の値であり、第5及び第6の伝送線路の特性インピーダンスは互いに同一の値である。
【0012】
このように構成された従来の横断回路では、90度ずつの角度で回転させても同形であり、第1〜第6の伝送線路の長さを半波長に設定することによって、第1〜第4の入出力端子における反射係数は零となる。このため、第1〜第4の入出力端子のいずれかに入力された電力は、その入出力端子に対向する入出力端子にのみ伝送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開昭63−76502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のような従来の横断回路では、所定の高周波信号の中心周波数において半波長の長さをもつ伝送線路により構成される。このため、利用する周波数に応じて回路の大きさを変える必要があった。特に、低周波数帯では、波長が長くなるため、回路の面積が大きくなるという問題点があった。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、インダクタとキャパシタといった集中定数素子により回路を構成することができ、回路の小型化を図ることができる横断回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明の横断回路は、第1〜第4の入出力端子と、第1〜第8のインダクタと、一端が接地された第1〜第8のキャパシタとを備え、前記第1の入出力端子には、前記第1のキャパシタの他端と、前記第1、第5及び第8のインダクタの一端とが接続され、前記第2の入出力端子には、前記第2のキャパシタの他端と、前記第5のインダクタの他端と、前記第2及び第6のインダクタの一端とが接続され、前記第3の入出力端子には、前記第3のキャパシタの他端と、前記第6のインダクタの他端と、前記第3及び第7のインダクタの一端とが接続され、前記第4の入出力端子には、前記第4のキャパシタの他端と、前記第7及び第8のインダクタの他端と、前記第4のインダクタの一端とが接続され、前記第5〜第8のキャパシタと、前記第1〜第4のインダクタとの他端同士は、互いに接続され、前記第1〜第4のインダクタのインダクタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、前記第5〜第8のインダクタのインダクタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、前記第1〜第4のキャパシタのキャパシタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、前記第5〜第8のキャパシタのキャパシタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定されたものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明の横断回路によれば、所定の高周波信号の中心周波数において半波長の長さをもつ伝送線路が不要となり、インダクタとキャパシタといった集中定数素子により回路を構成することができ、回路の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1による横断回路を示す構成図である。
【図2】図1の横断回路の伝送特性(Sパラメータの周波数特性)の一例を説明するための説明図である。
【図3】この発明の実施の形態2による横断回路を示す構成図である。
【図4】図3の横断回路の伝送特性(Sパラメータの周波数特性)の一例を説明するための説明図である。
【図5】横断回路の原理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による横断回路を示す構成図である。
図1において、実施の形態1の横断回路50は、第1〜第4の入出力端子1〜4と、第1〜第8のインダクタ5〜12と、第1〜第8のキャパシタ13〜20とを有している。第1〜第8のキャパシタ13〜20のそれぞれの一端は、接地されている。
【0020】
第1の入出力端子1には、第1のキャパシタ13の他端と、第1、第5及び第8のインダクタ5,9,12の一端とが接続されている。第2の入出力端子2には、第2のキャパシタ14の他端と、第5のインダクタ9の他端と、第2及び第6のインダクタ6,10の一端とが接続されている。
【0021】
第3の入出力端子3には、第3のキャパシタ15の他端と、第6のインダクタ10の他端と、第3及び第7のインダクタ7,11の一端とが接続されている。第4の入出力端子4には、第4のキャパシタ16の他端と、第7及び第8のインダクタ11,12の他端と、第4のインダクタ8の一端とが接続されている。第5〜第8のキャパシタ17〜20の他端と、第1〜第4のインダクタ5〜8の他端とは、全体として1つの接続点をなすように接続されている。
【0022】
第1〜第4のインダクタ5〜8のインダクタンスは、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第5〜第8のインダクタ9〜12のインダクタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第1〜第4のキャパシタ13〜16のキャパシタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第5〜第8のキャパシタ17〜20のキャパシタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。このような構成により、横断回路50は、90度ずつの角度で回転させても同形となる。
【0023】
ここで、第1〜第4のインダクタ5〜8のインダクタンスをLとし、第5〜第8のインダクタ9〜12のインダクタンスをLとし、第1〜第4のキャパシタ13〜16のキャパシタンスをCとし、第5〜第8のキャパシタ17〜20のキャパシタンスをCとし、第1〜第4の入出力端子1〜4に接続される電源あるいは負荷のインピーダンスをZとし、所定の高周波信号の中心角周波数をωとする。このとき、これらのインダクタンスL、インダクタンスL、キャパシタンスC、及びキャパシタンスCは、第1〜第4の入出力端子1〜4における反射係数S11が零になるよう、次の式(4)を満たすように与えられる。
【0024】
【数4】

【0025】
次に、動作について説明する。なお、説明の便宜上、中心周波数を2GHzとし、第1〜第4の入出力端子1〜4に接続される電源あるいは負荷のインピーダンスZを50Ωとした場合を一例として挙げる。ここでは、インダクタンスLを2nH、インダクタンスLを3nHとする。これらの値を式(4)に代入すると、キャパシタンスCは8.1pFと求まり、キャパシタンスCは4.35pFと求まる。
【0026】
このようにインダクタンスL,L、及びキャパシタンスC,Cの値を与えた横断回路50のSパラメータの周波数特性(計算値)を図2に示す。なお、図2(a)〜(c)の横軸は、周波数を表す。図2(a)には、第1〜第4の入出力端子1〜4のいずれか1つから高周波信号を入力したときに、その入出力端子で反射される高周波信号の大きさの割合、即ち反射振幅|S11|を示す。
【0027】
図2(b)には、第1〜第4の入出力端子1〜4のいずれか1つから高周波信号を入力したときに、対向する入出力端子に伝送される高周波信号の大きさの割合、即ち通過振幅|S31|を示す。図2(c)には、第1〜第4の入出力端子1〜4のいずれか1つから高周波信号を入力したときに、その隣の入出力端子に伝送される高周波信号の大きさの割合、即ちアイソレーション|S21|及び|S41|を示す。
【0028】
図2に示すSパラメータの周波数特性から、2GHz及びその近傍においては、低反射振幅になるとともに、対向する入出力端子にのみ電力が伝送され、隣の入出力端子には電力が伝送されず、横断回路として動作することがわかる。
【0029】
以上のように、実施の形態1によれば、90度ずつ回転させても同形となる回路をインダクタ及びキャパシタにより構成し、第1〜第4の入出力端子1〜4の反射係数が零となるようにインダクタンス及びキャパシタンスの値を予め設定する。これにより、伝送信号の波長に応じた長さの伝送線路が不要となり、インダクタとキャパシタといった集中定数素子により回路を構成することができ、回路の小型化を図ることができる。
【0030】
なお、実施の形態1の横断回路50を、おもて面に第1の導体パターンが形成され、裏面に第1の接地導体が形成され、第1の導体パターンと第1の接地導体とを接続する第1〜第8のスルーホールが設けられた第1の誘電体基板と、チップ部品によってそれぞれ構成された第1〜第8のインダクタ及び第1〜第8のキャパシタとを用いて構成することができる。具体的に、第1の誘電体基板のおもて面に第1〜第8のインダクタ及び第1〜第8のキャパシタを配置して、第1〜第8のインダクタの両端と、第1〜第8のキャパシタの一端とを第1の導体パターンに接続し、第1〜第8のキャパシタの他端をそれぞれ第1〜第8のスルーホールを介して第1の接地導体に接続することによって構成できる。
【0031】
また、実施の形態1において、第5〜第8のキャパシタは並列に接続されていることから、第5〜第8のキャパシタのキャパシタンスCの4倍の値をもつ1つのキャパシタで、第5〜第8のキャパシタをまとめて構成しても、実施の形態1と同様に横断回路として動作する。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1における回路構成のキャパシタとインダクタとを互いに置き換えた構成について説明する。図3は、この発明の実施の形態2による横断回路を示す構成図である。図3において、実施の形態2の横断回路50は、第1〜第4の入出力端子1〜4と、第9〜第16のキャパシタ25〜32と、第9〜第16のインダクタ33〜40とを有している。第9〜第16のインダクタ33〜40の一端は、接地されている。
【0033】
第1の入出力端子1には、第9のインダクタ33の他端と、第9、第13及び第16のキャパシタ25,29,32の一端とが接続されている。第2の入出力端子2には、第10のインダクタ34の他端と、第13のキャパシタ29の他端と、第10及び第14のキャパシタ26,30の一端とが接続されている。
【0034】
第3の入出力端子3には、第11のインダクタ35の他端と、第14のキャパシタ30の他端と、第11及び第15のキャパシタ27,31の一端とが接続されている。第4の入出力端子4には、第12のインダクタ36の他端と、第15及び第16のキャパシタ31,32の他端と、第12のキャパシタ28の一端とが接続されている。第13〜第16のインダクタ37〜40の他端と、第9〜第12のキャパシタ25〜28の他端とは、全体として1つの接続点をなすように接続されている。
【0035】
また、第9〜第12のキャパシタ25〜28のキャパシタンスは、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第13〜第16のキャパシタ29〜32のキャパシタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第9〜第12のインダクタ33〜36のインダクタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。第13〜第16のインダクタ37〜40のインダクタンスも、いずれも同一の値となるように予め設定されている。このような構成により、横断回路50は、90度ずつの角度で回転させても同形となる。
【0036】
ここで、第9〜第12のキャパシタ25〜28のキャパシタンスをCとし、第13〜第16のキャパシタ29〜32のキャパシタンスをCとし、第9〜第12のインダクタ33〜36のインダクタンスをLとし、第13〜第16のインダクタ37〜40のインダクタンスをLとし、第1〜第4の入出力端子1〜4に接続される電源あるいは負荷のインピーダンスをZとし、所定の高周波信号の中心角周波数をωとする。このとき、これらのキャパシタンスC、キャパシタンスC、インダクタンスL、及びインダクタンスLは、第1〜第4の入出力端子1〜4における反射係数S11が零になるよう、次の式(5)を満たすように与えられる。
【0037】
【数5】

【0038】
次に、動作について説明する。なお、説明の便宜上、中心周波数を2GHzとし、第1〜第4の入出力端子1〜4に接続される電源あるいは負荷のインピーダンスZを50Ωとした場合を一例として挙げる。ここでは、キャパシタンスCを3.7pF、キャパシタンスCを1.6pFとする。これら値を式(5)に代入すると、インダクタンスLは0.76nHと求まり、インダクタンスLは1.08nHと求まる。
【0039】
このようにキャパシタンスC,C、及びインダクタンスL,Lの値を与えた横断回路50のSパラメータの周波数特性(計算値)を図4に示す。図4(a)〜(c)に示す各伝送特性は、実施の形態1における図2(a)〜(c)に示す各伝送特性と同様である。従って、図4に示すSパラメータの周波数特性から、2GHz及びその近傍においては、低反射振幅になるとともに、対向する入出力端子にのみ電力が伝送され、隣の入出力端子には電力が伝送されず、横断回路として動作することがわかる。
【0040】
以上のように、実施の形態2によれば、90度ずつ回転させても同形となる回路をキャパシタ及びインダクタにより構成し、第1〜第4の入出力端子の反射係数が零となるようにキャパシタンス及びインダクタンスの値を予め設定する。これにより、実施の形態1と同様に、伝送信号の波長に応じた長さの伝送線路が不要となり、インダクタとキャパシタといった集中定数素子により回路を構成することができ、回路の小型化を図ることができる。
【0041】
なお、実施の形態2の横断回路50を、おもて面に第2の導体パターンが形成され、裏面に第2の接地導体が形成され、第2の導体パターンと第2の接地導体とを接続する第9〜第16のスルーホールが設けられた第2の誘電体基板と、チップ部品によってそれぞれ構成された第9〜第16のキャパシタ及び第9〜第16のインダクタとを用いて、構成することができる。具体的に、第2の誘電体基板のおもて面に第9〜第12のキャパシタ及び第9〜第16のインダクタを配置して、第9〜第16のキャパシタの両端と、第9〜第16のインダクタの一端とを第2の導体パターンに接続し、第9〜第16のインダクタの他端をそれぞれ第9〜第16のスルーホールを介して第2の接地導体に接続することによって構成できる。
【0042】
また、実施の形態2において、第13〜第16のインダクタは並列に接続されることから、第13〜第16のインダクタのインダクタンスLの1/4の値をもつ1つのインダクタで、第13〜第16のインダクタをまとめて構成しても、実施の形態2と同様に横断回路として動作する。
【符号の説明】
【0043】
1〜4 第1〜4の入出力端子、5〜12 第1〜第8のインダクタ、13〜20 第1〜第8のキャパシタ、25〜32 第9〜第16のキャパシタ、33〜40 第9〜第16のインダクタ、50 横断回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1〜第4の入出力端子と、
第1〜第8のインダクタと、
一端が接地された第1〜第8のキャパシタと
を備え、
前記第1の入出力端子には、前記第1のキャパシタの他端と、前記第1、第5及び第8のインダクタの一端とが接続され、
前記第2の入出力端子には、前記第2のキャパシタの他端と、前記第5のインダクタの他端と、前記第2及び第6のインダクタの一端とが接続され、
前記第3の入出力端子には、前記第3のキャパシタの他端と、前記第6のインダクタの他端と、前記第3及び第7のインダクタの一端とが接続され、
前記第4の入出力端子には、前記第4のキャパシタの他端と、前記第7及び第8のインダクタの他端と、前記第4のインダクタの一端とが接続され、
前記第5〜第8のキャパシタと、前記第1〜第4のインダクタとの他端同士は、互いに接続され、
前記第1〜第4のインダクタのインダクタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、
前記第5〜第8のインダクタのインダクタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、
前記第1〜第4のキャパシタのキャパシタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、
前記第5〜第8のキャパシタのキャパシタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定された
ことを特徴とする横断回路。
【請求項2】
前記第1〜第4のインダクタのインダクタンスL、前記第5〜第8のインダクタのインダクタンスL、前記第1〜第4のキャパシタのキャパシタンスC、及び前記第5〜第8のキャパシタのキャパシタンスCのそれぞれの値は、前記第1〜第4の入出力端子に接続される電源あるいは負荷のインピーダンスをZとし、所定の高周波信号の中心角周波数をωとしたときに、次の式を満たすように予め設定された
ことを特徴とする請求項1記載の横断回路。
【数1】

【請求項3】
おもて面に第1の導体パターンが形成され、裏面に第1の接地導体が形成され、前記第1の導体パターンと前記第1の接地導体とを繋ぐ第1〜第8のスルーホールが設けられた第1の誘電体基板と、
チップ部品によってそれぞれ構成された前記第1〜第8のインダクタ及び前記第1〜第8のキャパシタと
を備え、
前記第1〜第8のインダクタ、及び前記第1〜第8のキャパシタは、前記第1の誘電体基板のおもて面に配置され、
前記第1〜第8のインダクタの両端と、前記第1〜第8のキャパシタの一端とは、前記第1の導体パターンに接続され、
前記第1〜第8のキャパシタの他端のそれぞれは、前記第1〜第8のスルーホールを介して前記第1の接地導体に接続された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の横断回路。
【請求項4】
前記第5〜第8のキャパシタは、一端が接地された1つのキャパシタによってまとめて構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の横断回路。
【請求項5】
前記第1〜第8のキャパシタは、それぞれ第9〜第16のインダクタに置き換えられ、
前記第1〜第8のインダクタは、それぞれ第9〜第16のキャパシタに置き換えられ、
前記第9〜第12のインダクタのインダクタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、
前記第13〜第16のインダクタのインダクタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、
前記第9〜第12のキャパシタのキャパシタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定され、
前記第13〜第16のキャパシタのキャパシタンスの値は、いずれも同一の値となるように予め設定された
ことを特徴とする請求項1記載の横断回路。
【請求項6】
前記第9〜第12のキャパシタのキャパシタンスC、前記第13〜第16のキャパシタのキャパシタンスC、前記第9〜第12のインダクタのインダクタンスL、及び前記第13〜第16のインダクタのインダクタンスLのそれぞれの値は、前記第1〜第4の入出力端子に接続される電源あるいは負荷のインピーダンスをZ、高周波信号の中心角周波数をωとしたときに、次の式を満たすように予め設定された
ことを特徴とする請求項5記載の横断回路。
【数2】

【請求項7】
おもて面に第2の導体パターンが形成され、裏面に第2の接地導体が形成され、前記第2の導体パターンと前記第2の接地導体とを接続する第9〜第16のスルーホールが設けられた第2の誘電体基板と、
チップ部品によってそれぞれ構成された前記第9〜第16のキャパシタ、及び前記第9〜第16のインダクタと
を備え、
前記第9〜第16のキャパシタ、及び前記第9〜第16のインダクタは、前記第2の誘電体基板のおもて面に配置され、
前記第9〜第12のキャパシタの両端と、前記第9〜第16のインダクタの一端とは、前記第2の導体パターンに接続され、
前記第9〜第16のインダクタの他端は、それぞれ前記第6〜第16のスルーホールを介して前記第2の接地導体に接続された
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の横断回路。
【請求項8】
前記第13〜第16のインダクタは、一端が接地された1つのインダクタによってまとめて構成された
ことを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の横断回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−165060(P2012−165060A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21900(P2011−21900)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】