説明

樹状細胞

本発明は、腫瘍関連抗原タンパク質又はその断片をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び少なくとも一つの腫瘍関連抗原タンパク質又はその断片を取り込んだ樹状細胞に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹状細胞及びそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
樹状細胞(DC)は、免疫応答の誘導及び調節の両方において重要な役割を果たす、骨髄由来の抗原提示細胞(APC)である。ヒトDCのインビトロでの生成及び操作は、癌に対する免疫系を刺激するために特に有効であり得、腫瘍との戦いにおいて新規の強力なツールであると記載された。実際、異なる種類の癌、例えば、限定されないが、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、頭頸部腫瘍、結腸直腸腫瘍、腎腫瘍、肝細胞癌及び悪性黒色腫を患っている患者において、宿主の免疫系が癌形成を効果的に攻撃する能力の無いことは、DC機能の低下と完全に相関することが示された。これらの変化は、主に血液中、浸潤性癌の細胞中、及びリンパ節(LN)中において主に検出された。さらに、大部分の化学療法は、DC機能を著しく害し、一方で患者のT細胞が効果的な免疫応答を引き起こす能力は、健常人において観察されるものと同程度であることが実証されている。この観察は、癌患者の免疫系によって提示された腫瘍形成への開放が、大部分において、DCにおける機能的な欠陥の存在、例えば、未成熟な表現型の維持、及び/又は、IL−12分泌とIL−10分泌との間の不正確なバランスによるものであることを示唆している。したがって、IL−10の血清レベルが、癌を患う患者において、健常な同一年齢かつ同一性別の対照においてよりも著しく高いことが示された。IL−10は、DC機能の幾つかの態様、例えば、共刺激分子(costimulatory molecules)の発現、及びIL−12を合成する能力に対して、著しい阻害効果を有することが示されている。重要なことに、IL−10で処理されたDCは、寛容原性となる。さらに、徐々に腫瘍が増殖している患者において、DCは未成熟であり、かつスイッチがオフの状態であることが報告された。DCの抗腫瘍効果は、それらの活性レベル及び成熟レベルに依存するため、細胞障害性応答を促進する腫瘍特異的T細胞の誘導の失敗は、IL−10とIL−12との間の誤ったバランス、及び期待されたT細胞の活性化を引き起こすために必要とされる成熟マーカーの不在に基づく。実際には、IL−10の免疫抑制機能は、IL−12の同時産生によって調節され得る。例えば、単球由来の成熟DCは通常、CD40Lを用いて刺激したとき、IL−12及びIL−10の両方を分泌することが明らかとされている。この場合において、IL−12及びIL−10の連動した分泌は、IL−12単体の分泌で観察されるもの以上に、癌に対してより効果的な免疫応答を誘導する。IL−12産生の軽−高レベルの存在下において、IL−10分泌は、ヘルパーT細胞(CD4+T細胞)の活性化を促進し、したがって免疫系の適応力(adaptive arm)を引き起こす。
【0003】
現在の免疫治療法の主な目的の一つは、癌に対する宿主の免疫系を効果的に活性化することである。それらの中で、インビトロにおいて培養かつ修飾された、DC及びT細胞の使用は、最も一般的な方法である。多くの小規模なインビトロにおける試験、動物モデル、及び臨床試験が、特に、CD8+T細胞によって媒介される強い細胞障害性応答を引き起こすことに関して部分的な成功を示したが、それらは全て、強力な適応応答の確立を示すことができず、そして当該治療が終了して数年後においてでさえ、任意の腫瘍の再発と戦うことができなかった。
【0004】
ワクチン用にDCを使用する最も一般的な手法は、多くの自己の成熟したミエロイドDC(MDC)をエクスビボ(ex vivo)において調製し、それらに癌特異的抗原(単数又は複数)を取り込み(load)、そしてそれらを対象へと注射して戻すことである。単球から成熟DCへの分化転換率が低いため、成熟DCの大規模産生に対応するDC前駆体量を得ることが重要である。この目的は通常、(1)GM−CSF及びIL−4を有する、又はGM−CSF及びIL−13を有する、白血球分離/水簸由来の単球と、DCとを区別することによって、あるいは(2)密度勾配遠心分離法によって、又は免疫磁性ビーズの使用に基づく市販の閉鎖系を用いて、白血球分離産物から直接的に単離することによって、代替的に達成される。
【0005】
単球から分化転換された後、未成熟DC(iDC)は取り込みがなされ、そしてインビトロにおいて成熟がなされるべきである。取り込み(loading)ステップは、幾つかの方法に従って、単一の天然又は修飾タンパク質抗原、mRNA、cDNA、腫瘍溶解物などとして行われ得るが、成熟化は通常、以下のカクテルの一つの添加によって行われる:(a)IL−1β、IL−6、TNF−α、及びPGE2;(b)LPS及びIFN−γ;(c)Ribomunyl及びIFN−γ。当技術分野において、PGE2を含むカクテルを用いて成熟したDCはCCR7をなお発現し、そしてTh1及びCD8+T細胞応答を誘導するが、LPS/Ribomunyl及びIFN−γを用いて成熟されたDCとは対照的に、それらは検出可能に生物活性IL−12p70を分泌することができない。
【0006】
Zhou Y.他(J.Immu.Thera.25(2002):289−303)において、樹状細胞に腫瘍抗原を取り込むための方法が記載されている。この刊行物の著者は、当該取り込みがペプチド若しくはタンパク質、又は代替的に前記ペプチド及びタンパク質をコードする核酸分子を用いて起こり得ると報告している。
【0007】
Onaitis M.他(Surg.Oncol.Clin.N.Am.11(2002):645−660)において、樹状細胞に抗原を取り込むための幾つかの方法が開示されている。
【0008】
Osada T.他(Int.Rev.Immunol.25(2006):377−413)の総説において、樹状細胞に基づく免疫療法が記載されている。これらの方法において使用される樹状細胞は、腫瘍関連抗原を取り込み得る。
【0009】
Rammensee H−G(Immunol.Cell Biol.84(2006):290−294)において、ワクチン接種の目的のために、ペプチド又はRNA分子のいずれかを取り込んだ樹状細胞の利点が記載されている。
【0010】
国際公開第2006/020889号において、樹状細胞への、TERTをコードするmRNA分子又はその断片の取り込みが開示されている。
【0011】
Ciesielski M.J.他(Cancer Immunmol.Immunother.55(2006):1491−1503)において、サバイビン(survivin)をコードするDNAを取り込んだ樹状細胞を産生するための方法が開示されている。かかる細胞は、前記樹状細胞中においてサバイビンを発現することができる。
【0012】
Otto K.他(Vaccine 23 (2005):884−889)において、腫瘍の予防接種のための、サバイビンのエピトープを取り込んだ樹状細胞の有用性が調べられた。
【0013】
Hsu A.K.W.他(Biol.Blood Marrow Transplant.12(2006):855−867)において、サバイビンをコードするmRNA分子を取り込んだ樹状細胞が開示されている。
【0014】
Morse M.A.他(Cancer Res.58(1998):2965−2968)において、樹状細胞への、腫瘍関連抗原であるCEAに由来するペプチド又はそれをコードするRNAの取り込みが開示されている。
【0015】
同様にNair S.K.他(Int.J.Cancer 82(1999):121−124)において、腫瘍関連抗原であるCEAを取り込んだ樹状細胞が開示されている。
【0016】
Fuessel S.他(Prostate 66(2006):811−821)において、PSA、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、サバイビン、プロステイン(prostein)及び一過性受容体電位p8(transient receptor potential p8)を取り込んだ樹状細胞を8人の患者へ投与する臨床試験が開示されている。
【0017】
これらの全ての文献は、タンパク質抗原(単数若しくは複数)又はmRNA/cDNA抗原(単数又は複数)のいずれかに基づく取り込み方法を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
向上した免疫学的特性を示す樹状細胞を提供することが、本発明の目的である。
【0019】
これらのDCは、(a)iDCと比較して、少なくとも80%減少した食作用(phagocyting)の能力;(b)刺激(例えば、限定されないが、CCL19及び/又はCD40L)に応答して遊走する能力;(c)成熟した表現型、すなわち、CD80、CD86、CD40、CD83、HLA−ABC及びHLA−DRの高い表面発現;(d)IL10分泌を伴うか又は伴わない、軽〜高レベルのIL−12分泌;(e)CD40Lを用いた刺激に基づく、取り込んだ抗原(単数又は複数)の表面発現、を好ましくは示すはずである。
【0020】
CD8+T細胞(細胞障害性)による短期間免疫応答、及びCD4+T細胞(適応性)による長期間免疫応答の両方の活性化かつ確立が、これらのDCによって達成されるさらなる目的である。
【0021】
本発明は、腫瘍関連抗原タンパク質又はその断片をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び少なくとも一つの腫瘍関連抗原タンパク質又はその断片を取り込んだ樹状細胞に関する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、実施例に記載した通りに培養された、取り込みをしていない未成熟DC、取り込みをしていない半成熟DC、サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC及びサバイビンmRNA+ペプチドを取り込んだ成熟DC中の、サバイビン及びPSAの発現を示す。
【図2】図2は、実施例に記載した通りに培養された、取り込みをしていない未成熟DC、取り込みをしていない半成熟DC、サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC及びサバイビンmRNA+ペプチドを取り込んだ成熟DCの表現型を示す。
【図3】図3は、実施例に記載した通りに培養された、取り込みをしていない未成熟DC、取り込みをしていない半成熟DC、サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC及びサバイビンmRNA+ペプチドを取り込んだ成熟DCによるIL−10及びIL−12の分泌を示す。
【図4】図4は、実施例に記載した通りに培養された、取り込みをしていない未成熟DC、取り込みをしていない半成熟DC、サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC及びサバイビンmRNA+ペプチドを取り込んだ成熟DCと共にインキュベーションしたときにおけるT細胞の増加誘導を示す。
【図5】図5は、実施例に記載した通りに培養された、取り込みをしていない未成熟DC、取り込みをしていない半成熟DC、サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC及びサバイビンmRNA+ペプチドを取り込んだ成熟DCにより示される、自発的な及び(CCL19によって)誘導された細胞遊走を示す。
【図6】図6は、実施例に記載した通りに培養された、未成熟、半成熟の、取り込みしていないDC/mRNAを取り込んだDC、及びサバイビンmRNAを取り込んだ成熟DCにより示される、自発的な及び(CCL19によって)誘導された食作用を示す。
【図7】図7は、二重取り込みしたDCと共にインキュベーションした時における、細胞障害性T細胞及びT−memの刺激を示す。一方で、T−regの数が、二重取り込みしたDCを用いたインキュベーション時において強く下方制御された。
【発明を実施するための形態】
【0023】
少なくとも一つの核酸分子によってコードされた抗原は、内因性タンパク質へと翻訳され、したがってDCによって処理され、そしてMHC−Iと複合化してそれらの細胞膜上において曝される。このようにして、MHC−IがCD8+のみに抗原を曝すという事実のために、それは細胞障害性応答を誘発する。一方、DCへと取り込まれたタンパク質抗原は、前記DCによって外来性のタンパク質抗原として処理され、そしてMHC-IIと複合化されてそれらの細胞膜上に曝されるであろう。このようにして、MHC−IIがCD4+のみに抗原を曝すという事実のために、それは適応性応答(adaptive response)を誘発する。したがって、少なくとも一つの核酸分子及び腫瘍抗原タンパク質の二重の取り込みは、以下を保証する:(a)MHC−Iを通じて曝された抗原の認識に基づく、細胞障害性T細胞、NK、及びNKTを通じた細胞障害性を活性化することによる免疫系の短期間応答;(b)MHC−IIを通じて曝された抗原の認識に基づく、CD4+依存性持続的CD8+活性化による、細胞障害性応答の安定性;(c)MHC−IIを通じて曝された抗原の認識に基づく、メモリーT細胞及びB細胞のカスケード活性化による、抗体媒介性メモリー応答の活性化。
【0024】
簡潔に言えば、二重取り込み法は、(a)最初の効果的な腫瘍除去に必要とされる、短期間での細胞障害性応答を活性化し;(b)ヘルパーT細胞を活性化することによって、一般的に遷移するものであり、したがって高度に効率的ではない細胞障害性応答期間を拡張し;(c)長期間必要であるが、細胞障害性とは異なり、治療の終了から数年後でさえ腫瘍に対して免疫系を活性化する適応免疫応答の活性を促進し、そしてその確立を維持する。
【0025】
本発明のDCは、好ましくは(a)万能性腫瘍関連抗原(universal Tumor Associated Antigen)(又はuTAA、そしてそれは、2個超、好ましくは5個超、より好ましくは10個超、さらにより好ましくは20個超、特に30個超の異なるタイプの腫瘍中に存在する)を取り込み、及び/又は、(b)タイプ特異的(type−specific)腫瘍抗原(TAA;単一の腫瘍タイプ、及び/又は単一の腫瘍ファミリータイプの特性)を取り込む。例えば、本方法は、2つの最も一般的なuTAA:サバイビン及びテロメラーゼ逆転写酵素(TElomerase Reverse Transcriptase)(TERT)との併用での使用に適用され得る。実際、これら2つの抗原の発現は腫瘍細胞において限定されており、一方で健常細胞/組織において全く発現していないか、又はごく少量のレベルで発現している。実際、サバイビンはアポトーシス(プログラム細胞死)から細胞を救出し、そしてTERTは細胞の不死化を促進し、これら2つの特徴は健常細胞よりも制限が解除されているのが典型的である。したがって、サバイビンは、ほとんど胚及び胎児発達の間においてのみ発現されるが、最終的に分化した正常な成人組織において検出不能となり、一方でそれは、腫瘍細胞株及び幾つかのヒト癌細胞において、34〜100%の頻度で再発現する。同様にTERTタンパク質は、そのRNAサブユニットからではないのだが、腫瘍形成の非常に早期の段階においてさえ、ほとんど腫瘍細胞においてのみ発現されている。予後因子として、サバイビン及びTERTの発現は、癌、例えば乳癌、卵巣癌、神経芽細胞腫、結腸直腸癌、肺癌及び食道癌における芳しくない臨床転帰と非常に関連がある。サバイビン及びTERTは、正常組織と比較して腫瘍組織において優先的に発現されているため、正常な分化細胞における副作用は起こり得ない。実際、サバイビンペプチド又はTERT mRNA若しくはペプチドを取り込んだDCで処理された患者は、IFN−γ ELISPOTによって測定されるような、サバイビン又はTERTに対する優れた免疫反応性の誘導にもかかわらず、ワクチン接種部位における局所的反応以外で、免疫療法と関連する任意の有害事象へと発展しないことが、最近の研究において実証された。さらに、腫瘍応答時における、サバイビン及びTERTに対する強い免疫応答は、ワクチン接種後における腫瘍退縮を強調する。
【0026】
代替的に、本発明のDCは、特定の腫瘍を処置及び/又は予防するために使用され得る。例えば乳癌の場合において、DCは、Her2−タンパク質及びMuc−1 mRNAを取り込んでもよい。
【0027】
DCに取り込まれるべき抗原の別の可能な組み合わせは、前立腺癌の場合において、PSAタンパク質及びサバイビン−mRNAである。
【0028】
最終的に、DCに核酸分子の混合物及びタンパク質抗原の混合物を同時に取り込ませることが可能である。
【0029】
特定の腫瘍細胞によって特異的に発現される腫瘍関連抗原は、当業者に既知である。したがって当業者は、別個のタイプの癌を患う個人、又は癌となるリスクを有する個人を治療するために、または予防的にワクチン接種するために使用され得る、取り込みを行う樹状細胞を製造するために必要とされる抗原を選択し得る。
【0030】
したがって、本発明のDCは、2つの異なるタイプの分子:核酸分子(単数又は複数)及びタンパク質分子(単数又は複数)を取り込む。
【0031】
免疫増強性DCを製造する場合において、核酸、特にmRNAのトランスフェクションは、他の抗原取り込み技術よりも優れていることを比較試験は示唆している。さらに、DCへの、例えばmRNAの取り込みは単純かつ効果的である。微少量の腫瘍組織から核酸分子を増幅する能力は、各々の癌患者へのDCワクチン接種の使用を拡張する。
【0032】
DCへの、核酸をコードする限定された腫瘍抗原の取り込みは、単純であり、再生産性があり、そして有効である。配列が既知である、遺伝子産物に対応する核酸分子は、好適なプライマー及びポリメラーゼ連鎖反応、mRNAの場合においては、転写反応と連動された逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用して、インビトロにおいて速やかに生成され得る。インビトロにおいて製造される非細胞由来産物の臨床的使用のための核酸の製造は、費用効果があるように、そして定められた方法で行われ、したがって規制認可行程を合理化かつ簡素化する。これは、試験研究における利用可能性を限定し、そしてそれらの臨床的評価を制限する、ウィルスベクターの使用の複雑性及び制限と対比される。さらに、特にRNA手法は、この種の治療において遭遇する一般的な問題:大部分の場合において、癌患者に対する有効かつ持続的な免疫プロトコルのために必要とされる抗原の量を発生させるために十分な腫瘍組織を得ることが可能ではないという事実、に対する実用的な解決を提供する。実際、当該RNA手法によって、微少量の腫瘍組織由来の対象の抗原の、単純かつ直接的なPCR型増幅が可能であり、そしてそれは実質上、無尽蔵の抗原を提供する。未成熟ヒト単球由来DCの、抗原mRNAとの、培地のみ中におけるインキュベーションは、抗原特異的CTL応答を刺激するために、DCを感作するために十分であり、脂質の存在中においてトランスフェクトされたDCに関連するものほど優れていないとしても、同程度のものであることが示された。
【0033】
本明細書において使用される用語「腫瘍関連抗原タンパク質」は、タンパク性構造、例えばポリペプチド、タンパク質及びペプチドを含むか、又はからなる、腫瘍関連抗原のことである。本発明の腫瘍関連抗原タンパク質の断片は、少なくとも10個の、好ましくは少なくとも20個の、より好ましくは少なくとも30個の、さらにより好ましくは少なくとも50個の、前記腫瘍関連抗原の連続したアミノ酸残基を有する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態に従って、少なくとも一つの核酸分子によってコードされた腫瘍関連抗原又はその断片は、(a)uTAAの群、例えば、限定されないが、サバイビン及びテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)、並びに/又は、(b)腫瘍特異的腫瘍関連抗原(TAA)、例えば、限定されないが、PSA、muc−1などから選択される。特定の好ましい実施形態において、少なくとも一つの核酸分子によってコードされる腫瘍関連抗原又はその断片は、サバイビン及びテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)からなる群から選択される。
【0035】
本発明の樹状細胞は、当技術分野において既知である、取り込みされた樹状細胞を超える幾つかの利点を有する:(a)たとえ原発腫瘍が、続発性の転移とは異なる(u)TAA発現パターンを示すとしても、及び/又は、腫瘍の進行によって、一つ以上の腫瘍病巣における(u)TAA発現パターンの変化を伴うとき、より多くの抗原の同時使用によって、標的範囲を増加させることが可能である;(b)場合によりTAAとの併用によるuTAAの使用は、実質的に任意の腫瘍への治療の適用性を拡張する;(c)発現が腫瘍細胞にほぼ完全に制限され、一方で治療の有効性を増大させる、uTAAの使用は、任意の(深刻な)副作用の増大を著しく減少させる;(d)核酸分子によってコードされる少なくとも1つの(u)TAA、及び少なくとも一つのタンパク質uTAAの使用は、短期間の遷移性細胞障害性応答、及び長期間の安定性適応応答の両方の確立を誘発し、そして維持する。
【0036】
特に、核酸(例えばRNA)及びタンパク質取り込みの同時使用は、外因性タンパク質抗原の処理(processing)及び存在(presentation)を通じた、MHC−IIの活性化のみによって誘発され得るT−regの応答を引き起こす危険性を回避し、一方で、2つの異なる応答を引き起こす:(a)MHC−I分子と結合した抗原を認識する、CD8+T細胞によって媒介される、細胞障害性の、早期及び短期間応答。これらの細胞は、それらの表面上にDC提示抗原を保持する他の細胞を直接攻撃する。この種の応答は、厳密に制御され、そして一般的に非常に強いMHC/抗原活性化シグナル、及び/又は「ヘルパーT」細胞によって提供される追加の活性化シグナルを必要とする;(b)マクロファージ、CTL及び抗体を産生するB細胞の活性を刺激するCD4+T細胞(Th)によって媒介される、メモリー性の、安定かつ長期間応答。実際、ヘルパーT細胞は、先天性及び適応性の両方の免疫応答を制御し、そしてどのタイプの免疫応答を身体が産生するかを決定することを助ける。長期間活性メモリーは、B及びT細胞の特異的な活性化によってのみ獲得され、かかる活性化を誘発する抗原が非常に免疫原性であることを必要とする。核酸分子によってコードされる少なくとも一つの(u)TAA、及び少なくとも一つの(u)TAAタンパク質抗原を取り込んだ本発明のDCは、(a)大部分が食作用の能力を失っている。この特徴は、取り込まれた抗原に対する独占的なT細胞の特異的活性化を保証するために重要である;(b)刺激要因、例えばCCL19及び/又はCD40Lに対する応答で遊走する能力を保持している。この特徴によって、DCは注入部位からリンパ節、及び/又は高濃度のT細胞が存在する場所へと遊走することができる;(c)成熟した表現型、すなわち、CD80、CD86、CD40、CD83、HLA−ABC、及びHLA−DRの高い表面発現を示す。適切な数のT細胞を減少させ、及び活性化するために重要である;(d)軽〜高レベルのIL−12、及び軽〜無のIL−10を分泌する。この特徴は、DCが細胞障害性応答を維持し(IL−12)、そしてヘルパーT細胞の活性化を潜在的に増加させる(IL−10)ことを保証する;(e)CD40Lを用いた刺激に基づいて、取り込まれた抗原(単数又は複数)の表面発現を示す。この特徴は、T細胞のDC刺激の特異性を決定するために重要である;(f)凍結/解凍サイクルの後に採取及び再培養する場合、小円形細胞から伸長する幾つかの指状のものの接着及び存在によって、及び細胞集団の存在によって特徴付けられる、典型的な樹状形態を示す。この特徴は、抗原提示細胞(APC)としてのDC機能の特質を構成する;(g)それらの活性表現型及び/又は機能を失わせることなく、−80℃〜−180℃で貯蔵され得る。
【0037】
さらに、本発明はまた、異なる固形癌及び血液癌を患う患者の治療における、異なるタンパク質腫瘍抗原又はその断片との併用での、TERT及び/又はサバイビンmRNAを取り込んだ、成熟DCの使用に関し、好ましくは、遊走できるが食作用の無い前記成熟DCの使用に関する。
【0038】
本発明、特にその好ましい実施形態は、先行技術を超える多くの利点、例えば、患者のPBMNC由来の純粋な単球の多量の単離、末梢血単球(pMos)から成熟DCへの、40〜80%の形質転換率、GMP及びre−vivoにおける使用準拠プロトコル、GMP準拠実験室における標準的な製造、無血清プロセスの可能性、任意のタイプの固形及び液体腫瘍に実質的に適用可能な治療、表現型的及び機能的に成熟した、大量のDCの利用可能性、数年間貯蔵され得る、すぐに使用可能な製造物、非常に増大された細胞障害性応答、非常に増大された適応性応答、T−reg応答の阻害、最少の細胞操作を用いた技術、腫瘍組織/細胞の不要性、タンパク質形態で投与された抗原との併用の結果としての、MHC−IIの同時活性化と一緒になった、mRNA取り込みの結果としての、MHC−Iを用いて腫瘍抗原を曝す可能性、万能に発現される抗原、及び癌特異的抗原の組み合わせ、凍結/解凍サイクルの後の高い細胞生存率、及び凍結/解凍サイクルの後における細胞の機能及び表現型の完全な保存を提供する。
【0039】
本明細書において使用される用語「断片」は、少なくとも一つの野生型タンパク質のエピトープを保持する、万能性又はタイプ特異的腫瘍関連抗原の一部又は一続き(strech)のことである。結果的に、樹状細胞に組み込まれるために使用された、万能性又はタイプ特異的腫瘍関連抗原の「断片」は、少なくとも一つのT細胞受容体と結合し、そしてそれは、かかる万能性又はタイプ特異的腫瘍関連抗原を発現する細胞に対して非常に特異的な免疫応答を促進する。当該「断片」は、同様に、その免疫活性を増加させるために、インビトロで修飾かつ合成された、万能性又はタイプ特異的腫瘍関連抗原の一部又は一続きのことである。
【0040】
用語「断片」は、RNA及びタンパク質抗原の両方のことである。
【0041】
同様に、「タンパク質腫瘍抗原」の定義は、単離された、又は化学的に/組み換えにより製造された、タンパク質及びペプチドの全体及び一部に加えて、腫瘍滲出物及び溶解物を含む。本発明にしたがって、アミノ酸修飾(欠失、置換、挿入)を含む腫瘍関連抗原及びその断片は、本明細書において使用されるように、腫瘍関連抗原及びその断片の定義に含まれる。これは、これらの修飾分子がなお、野生型腫瘍関連抗原又はその断片と類似の又は同一の機能を示すという条件下においてである。
【0042】
本発明の好ましい実施形態に従って、核酸分子はリボ核酸、好ましくはmRNAである。
【0043】
mRNA及び腫瘍特異的タンパク質/ペプチドを同時に取り込んだDCは、ほぼ完全に食作用の能力を失っているが、刺激因子への応答おける遊走能力を保持し;軽度のIL−10分泌を伴うか、又は伴わずに、高いIL−12産生を示し;T細胞の細胞障害性応答を向上させ;mRNAによってコードされた抗原が、DCによって内因性タンパク質として処理されるため、したがってMHC−Iと複合化され;外因性タンパク質がMHC−IIと共に複合化されたDCによって処理されるという事実のために、MHC−IIを通じたT−mem応答を誘導し;T−regを活性化しない。
【0044】
DCは、mRNAをコードした抗原を、以下の理由で取り込む:
・mRNAをトランスフェクトしたDCは、インビトロにおけるCTL応答を刺激するときにおいて、ペプチドパルス(peptide−pulsed)DCと同等、又はより強力である(Boczkowski,D.et al.(2000).Cancer Res 60(4):1028−34);
・mRNAをトランスフェクトしたDCは、最も効果的なAPCであり、インビトロにおいてCD8+応答を刺激することができる(Gilboa,E.and J.Vieweg(2004).Immunol Rev 199:251−63);
・mRNAトランスフェクションは、非常に有効であるため、それはDC変異工程を誘導し及び貢献することができる(Weissman,D.et al.(2000).J Immunol 165(8):4710−7 and Heiser,A.et al.(2002).J Clin Invest 109(3):409−17);
・mRNAは、CTL応答として測定されるように、受動的トランスフェクションを経由して、非常に効率的にDCに組み込まれ得る(Nair,S.K.(1998).Gene Ther 5(11):1445−6)。
【0045】
mRNA及び核酸分子を取り込む方法は、他の取り込み技術に対して幾つかの利点を示すが、この手法はまた、少なくとも1つの弱点がある:それは、CD8+細胞の活性化を通じて強力なCTL応答を引き起こすが、たとえかかる応答が腫瘍に対する効率的な免疫応答の確立に重要であることが示されているとしても、それは効果的なCD4+応答を誘導することができない。実際、CD4+細胞は、CD8+CTLの拡張及び持続のために重要な機能を提供し;腫瘍部位における免疫系の固有の力を刺激し、そして局所的な血管新生を阻害する。最適な抗腫瘍免疫応答は、したがって、CD4+及びCD8+T細胞が引き起こす免疫応答の両方の同時の活性化を必要とする。
【0046】
この目的を達成するために、mRNA取り込み手法に加えて、第二の取り込みステップ:受動的インキュベーションによるタンパク質抗原の取り込み、が導入された。mRNAインキュベーションによって刺激されたDCは、例えば、短いペプチドを食作用により取り込む(phagocyte)能力の増大を示す。したがって、CD4+及びCD8+T細胞の免疫応答力を誘導するための二重取り込み(double−loading)法の使用が有利であることが判明した。この方法は、それが、CD8+の活性化による短期間応答、及びCD4+T細胞の活性化を通じた長期に渡るメモリー応答を同時に誘導することができるため、DCをベースとした癌免疫治療の大きな改善を構成する。
【0047】
この二重取り込み法は、当技術分野において既知の他の方法に対して、幾つかの利点を有する:
・免疫系の細胞障害性及びメモリー力の両方の特異的活性化;
・T−reg応答の不在;
・刺激因子の感受性及び力の両方において結果的に生じる利益を有する、個々の免疫系の力の活性化を目的とする異なる抗原の使用;
・固形腫瘍及び血液腫瘍の任意のタイプに実質的に利用可能な治療;
・万能性及びタイプ特異的腫瘍抗原の組み合わせ;
・GMP及びre−vivo使用における全準拠性;
・数年間貯蔵可能である使用準備済みの製造物;
・最少の細胞操作;
・腫瘍組織/細胞の不要性;
・核酸分子(単数又は複数)によってコードされた(u)TAA(単数又は複数)及び(u)TAA(単数又は複数)タンパク質抗原(単数又は複数)のそれぞれを取り込む時における、MHC−I及びMHC−II複合体の同時活性化;
・凍結/解凍サイクルの後における、細胞の高い生存率;
・凍結/解凍サイクルの後における、細胞の機能及び表現型の高い保存;
・当該方法の多用途性。
【0048】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、核酸分子は、完全長野生型mRNA、当該野生型mRNAの断片、完全長インビトロ修飾mRNA、当該インビトロ修飾mRNAの断片、2つ以上の完全長、断片、野生型、又は修飾型のmRNAの混合物をさらに含む。
【0049】
本発明の好ましい実施形態に従って、タンパク質抗原は、完全長野生型mRNA;当該野生型mRNAの断片;完全長インビトロ修飾mRNA;当該インビトロ修飾mRNAの断片、2つ以上の完全長、断片、野生型、又は修飾型のmRNAの混合物;異種抗原と結合した、完全長抗原又は抗原断片、例えば、限定されないが、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(Keyhole Limpet Hemocyanin)(KLH);単離された又は化学的/組み換えによって産生された腫瘍溶解物及びペプチドを含む。用語、タンパク質抗原は、抗原、タンパク質、ペプチド及び溶解物の混合物を同様に含む。
【0050】
本発明の樹状細胞の製造は、任意の種類の腫瘍関連抗原を取り込んでなされ得る。しかし、当該腫瘍関連抗原は、好ましくは、癌胎児性抗原(CEA)、ムチン(MUC)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、BRCA及びrasからなる群から選択される特異的腫瘍関連抗原、並びに/或いはサバイビン及びTERTからなる群から選択される万能性腫瘍関連抗原である。
【0051】
本発明の好ましい実施形態に従って、樹状細胞は、ヒト又は動物由来である。
【0052】
本発明の樹状細胞は、好ましくは、ヒト個人の末梢血からの自己DCの拡張に基づく。末梢血単核細胞(PBM−NC)を、白血球分離を通じて回収し、その後、選択されたDC前駆体を構成する単球(Mo)画分を増大させるために、水簸又は勾配遠心分離(すなわち、Ficoll勾配遠心分離)を行う。個人からMoを得るために、この方法は、したがって、中間ステップ、例えば、一方でGMPに準拠しない、及び他方で汚染源となり得るビーズの使用を通じた濃縮の必要性無しに、速やかに培養され得る、高純度かつ大量のDC前駆体を保証する。Moをその後、GMP準拠実験室において、GMPのみならず無血清かつre−vivo順応した培養培地を用いてDCへと分化させる。
【0053】
DCは、好ましくは、それらがまだ未成熟であるときに核酸分子(単数又は複数)を取り込み、成熟され、そしてその後タンパク質抗原(単数又は複数)を取り込む。代替的に、DCは、それらがまだ未成熟のときに、核酸分子(単数又は複数)を第一に取り込み、そしてその後タンパク質抗原(単数又は複数)を取り込み得、そしてその後成熟される。さらに、DCは、核酸分子(単数又は複数)を第一に取り込み、その後成熟され、そして同時にタンパク質抗原(単数又は複数)を取り込み得る。最終的に、核酸分子(単数又は複数)が最初であり、タンパク質抗原(単数又は複数)がその後であるという取り込みの順番は、逆にされ得る。使用される方法に従って、取り込んだDCによってなされる免疫応答を調節することが可能である。
【0054】
DCは、現在利用可能である標準的なカクテルの一つを添加することによって成熟され得るが、好ましくはRibomunyl及びIFN−γの使用によってなされ得る。
【0055】
成熟したDCは、それらの少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%が二重に取り込んでいる場合にのみ、好ましくは患者へと注射される。
【0056】
本発明の別の態様は、腫瘍関連抗原をコードする少なくとも一つの核酸分子、又はその断片、及び腫瘍関連抗原であるタンパク質分子、又はその断片を取り込んだ樹状細胞の製造方法に関し、好ましくは、本発明に従って、以下のステップ:
・樹状細胞を提供し;
・上記の通り、前記細胞に腫瘍関連抗原をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び腫瘍関連抗原であるタンパク質分子、又はその断片を取り込み;そして場合により
・前記DCを成熟させること
を含む、前記製造方法に関する。
【0057】
本発明の好ましい実施形態に従って、樹状細胞源は、それらの自己前駆体、すなわちPBMNC由来単球からなる。当該単球は、GM−CSF及びIL−4を添加したCellGro中で5〜6日かけて、未成熟DCへと分化変換される。
【0058】
樹状細胞は、代わりに、直接的に全血から単離され得る。樹状細胞の直接的な単離、及び単球の樹状細胞への分化転換の手順は、当技術分野において既知である。本発明の手順は、40〜80%の初期MoがDCとなることを保証するが、普及している手順は約10〜20%保証する。
【0059】
DCは、共刺激分子のレベルを増大させるために、及び強力かつ持続的な腫瘍特異的T細胞の細胞障害性応答を引き起こすために、最終的にインビトロで成熟される。本発明の成熟化カクテルは完全にGMPに準拠したものであり、そして現在普及して行われている方法と比較して、軽度のIL−10分泌を伴わない又は伴う、長期のIL−12産生を保証する。さらに、これらのDCは、CD40Lを用いた刺激で、高レベルのIL−12及び低量のIL−10を産生することができ、そして凍結/解凍サイクルにおいて、DMSO10%中、又はグリセロール10%中において1年間の冷凍保存(−150℃)された後でさえ、生存可能で、表現型において、形態学的に、そして機能的に活性であり続ける。本明細書において記載された方法がGMP準拠最終生産物の製造のために使用される時、その放出は、生存率、表現型的、形態学的、及び機能的活性、冷凍保存及び冷凍/解凍サイクルにおける安定性、患者へ適用されなければならないDCの純度及び滅菌度を完全に決定するために設計された、厳密な最終生産物調節(End Product Control)(EPC)の成功する通過への条件である。最終生産物は、好ましくはグリセロール(10%)又はDMSO(10%)中で、すなわち、その質を長期間保存することによって当該生産物をすぐに使用可能とするものであり、GMPに準拠しており、そして使用された濃度において副作用を引き起こさない凍結培地中で保存される。これらの冷凍培地は同様に、当該製造物の長期に渡る活性(IL−12分泌、T細胞刺激及び遊走)を供与する。二重取り込みされたDCは、ほぼ完全にそれらの食作用を行う能力を失っているが、刺激因子及び非常に低い温度への応答における遊走する能力、自発的に遊走する能力を保持し、軽度のIL−10分泌を伴う又は伴わない、高いIL−12産生を示し;そしてT−regの活性化を引き起こさずに、T細胞の細胞障害性応答及びT−mem応答を向上させる。
【0060】
本発明の別の実施形態にしたがって、未成熟の樹状細胞は、取り込み時又は取り込み後において、及びタンパク質抗原の取り込み中に成熟される。
【0061】
樹状細胞は、好ましくは、Ribomunyl及びINF−γを添加することによって成熟される。
【0062】
本発明の別の態様は、本発明において記載された方法に従って分化転換され、及び/又は培養され、取り込まれ、及び成熟がなされた樹状細胞に関する。
【0063】
本発明の樹状細胞が医薬/臨床グレードの調製物中において提供され得るため、本発明のさらに別の態様は、本発明の樹状細胞を含む、医薬/臨床グレードの調製物である。前記調製物は、実質的に任意のタイプの固形癌及び血液癌の治療又は予防において使用される。二重取り込み成熟DCは、好ましくは一週間に一回、又は二週間に一回接種される。この製造物は、自家産物から成り、したがって多くの個別の成分を示し得るため、継続的なモニタリングの間に患者において観察される結果に従って、投与経路は一週間に一回から一か月に一回の投与の間で変化し得る。DCは、好ましくは皮内投与又は節内(intranodally)投与される。代わりにそれらは、治療される癌に依存して、傍絞輪部に(paranodally)、結節周囲に(perinodally)、皮下に、又は静脈内に投与される。
【0064】
DCは、好ましくはできる限り腫瘍近辺で投与される。標準的投与量は、好ましくは約7〜13×106個のDCであり、そしてそれは最終容積0.5〜1mLの凍結培地に溶解される。
【0065】
当該治療は、2〜20回に含まれる注入回数でなされる。当該産物は、限定されないが、10%グリセロール又は10%DMSO中で貯蔵され、最大で10分間(10’)、室温で解凍され、そして速やかに投与される。
【0066】
本発明の好ましい実施形態に従って、当該産物の投与は、免疫刺激剤及び/又はアジュバントの投与を伴い得る。その使用は、化学療法に付随して、及び化学療法の間の休止期間中において同様に好適であるが、免疫抑制療法及び/又はT細胞(癌に対する免疫応答の、DCによる活性化の好ましい標的)の著しい減少下において好適ではない。
【0067】
本発明のさらなる態様は、個人における癌を治療又は予防するためのワクチンの製造のための、本発明の樹状細胞の使用に関する。
【0068】
腫瘍関連抗原(上記参照)をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び腫瘍関連抗原(上記参照)である少なくとも一つのタンパク質分子を取り込む、本発明の樹状細胞は、癌を患う個人を治療するため、又は個人が癌を発症することを予防するために好適に使用され得る。
【0069】
本発明は、以下の図及び実施例によってさらに説明されるが、それらに限定されるものではない。
【実施例】
【0070】
1.前臨床パイロット実験
単球を、患者の白血球除去物(leukapheresate)から単離し、そして以下のマーカーで観測した:
【0071】
【表1】

【0072】
続いて、白血球除去により回収したPBMNCをフィコライズ(ficolized)し、再集計し、そして先に記載した通りに観測した。この点について、フィコライズされた細胞又は水簸由来の細胞を、吸着のために2時間CellGro中において固定し、GM−CSF(1000〜2500U/mL)及びIL−4(400〜1000U/mL)を添加した。その後、上清と共に非吸着細胞を除去し、そして吸着細胞を、GM−CSF(1000〜2500U/mL)及びIL−4(400〜1000U/mL)を添加したCellGro中で、1〜2Mio/mLで5〜6日間、単球を未成熟DCへと分化転換するためにさらに培養した。その後、当該細胞にmRNAを取り込んだ。簡単に、DCをPBSで二度洗浄し、集計し、そして300xgで10分間回転させた。それらをCellGro培地中で再懸濁し、そして37℃/5%CO2の加湿インキュベーター中、2〜4時間、mRNA含有溶液(0.1〜100μgRNA/1×106DC)中でインキュベートした。洗浄することなく、当該培地をその後、37℃/5%CO2の加湿インキュベーター中、2〜12時間、タンパク質抗原溶液(0.1〜100μgペプチド/1×106DC)と共にインキュベートした。その後、洗浄することなく、当該培地にRibomunyl(0.1〜10μg/mL)及びINF−γ(400〜1000U/mL)を添加し、そして8〜24時間成熟させた。グリセロール(水溶液)10%中、各々少なくとも1000万個のDCの分割量で成熟DCを貯蔵した。
【0073】
品質管理(QC)を下記の通りに行った:1分割量の細胞を解凍し、そして培地中に48時間置いた。
【0074】
表現型:
【0075】
【表2】

【0076】
成熟DCは、CXCR4、CD40、CD80、CD83、HLA−ABC、及びHLA−DRの上方制御を示した。
【0077】
細胞の生存率を、GMP遵守ソフトウェアと共にCasy Counterによって測定し、そしてそれは少なくとも70%以上でなければならない。
【0078】
T細胞及びB細胞による汚染を、FACSを通じてCD3及びCD19陽性細胞を検出することによって観測した。汚染は常に25%未満に維持された。
【0079】
機能性:
免疫活性試験を、ISO9002認証されたELISAアッセイを通じた、IL12対IL10の産生の分析を通じて、及び混合白血球反応を経由した白血球増殖の誘導の分析を通じて行った。
【0080】
dl−DCの食作用及び遊走活性を、FITC−デキストラン摂取及びTranswellアッセイのそれぞれによって観測した。
【0081】
2.臨床試験計画
表題:「アジュバント療法終了後8週間である進行性卵巣上皮癌の対象において、TERT−mRNA及びサバイビン−ペプチド二重取り込み完全成熟DCを用いた、活性な免疫療法の安全性を調査するための、フェーズI無作為化オープン試験」
【0082】
フェーズ:フェーズI
適応:進行性卵巣上皮癌
【0083】
試験目的:アジュバント療法終了後8週間である進行性卵巣上皮癌の患者において、TERT(テロメラーゼ逆転写酵素)−mRNA及びサバイビン−ペプチド二重取り込み完全成熟DC(樹状細胞)を用いた、活性な免疫療法の安全性を調査するため。播種性腫瘍細胞(DTC)減少の観点における有効性は、第二の目的として調査される予定である。
【0084】
試験計画:これは、進行性卵巣上皮癌の患者におけるオープンフェーズI試験である。患者は、1週間に1回投与での治療アームA対2週間に1回投与での治療アームBへと無作為化された。個々の患者は、全体で8回の皮内注射を受けることとなる。当該治療コースは、治療群Aに関する週1回の8回注射、及び治療群Bに関する2週間に1回の8回注射を含む。
【0085】
患者は安全性パラメータを調査され、そして腫瘍状態を12、24、36、48、72、及び96週目において疾患の増悪まで評価される。治療の終了後(治療アームAにおいては7週目、治療アームBにおいては14週目)、患者は、疾患増悪、死亡又は試験の終了まで24ヶ月間調査される。疾患増悪後、患者は、死亡又は試験終了まで調査されることとなる。
【0086】
cGCPガイドラインルールを準拠するために、最初の6人の患者は、管理された条件下において48時間観察されることになる。
【0087】
予定されるサンプルサイズ:25人の患者
【0088】
治療継続期間:各々の患者は、合計8回の皮内注射を受け、臍傍に投与されることになる。治療コースは、8回の注射サイクル(1サイクルにつき1回注射)を含み、治療アームAにおいては1週間に1回、そして治療アームBにおいては2週間に1回である。
【0089】
試験治療:IMPは、5%グルコースの生理水(physiologic water)溶液中に溶解された10%DMSOから構成される、0.5mL標準凍結溶液中で希釈された、GCP準拠の標識付き2mLクライオバイアル(cryovial)中に含まれる、TERT−mRNA及びサバイビン−ペプチドを二重取り込みした、1×107±30%の自己の完全成熟DCからなる。IMPは、凍結されて提供され、そして一旦RTにて最大10分間解凍された場合、それは速やかに投与されなければならない。
【0090】
IMPの製造は下記の通りに行われる:
【0091】
患者は白血球除去を受け、そして回収されたPBMNCを24時間以内に2〜20℃で清潔な室内施設へと輸送し、ここで単球画分を、フィコール(Ficoll)濃度勾配遠心分離を通じて濃縮する。フィコールの後、当該単球の純度は、生じた細胞を単純CellGro中に播種し、そしてそれらを2時間、37℃/5%CO2でインキュベートすることによって増大される。この時点において、非吸着細胞(リンパ球)を洗い流し、そして吸着細胞(単球)を、IL−4及びGM−CSFを追加したCellGro中、1〜2×106/mLの最終濃度でさらに培養する。
【0092】
IL−4及びGM−CSFの存在下で播種された後、当該細胞を5日間培養する。この時点で、それらを洗浄し、単純CellGro中に播種し、そして初めにTERT−mRNAと共に2時間インキュベートする。この時点で、洗浄ステップをすることなく、Ribomunyl及びINF−γを追加したCellGro中、37℃/5%CO2で16時間、それらをインキュベートすることによって当該細胞は完全に成熟される。この時点において、吸着成熟細胞を一度PBS中で洗浄し、そして最終的にサバイビン−ペプチドと37℃/5%CO2で2時間、合わされた。その後、当該細胞を採取し、集計し、そして生存率及び純度を検定し、その後バイアルへ1×107±30%の細胞ずつのバイアルへと等分し、そして、5%グルコースの生理水溶液中に溶解された10%DMSOから構成される、0.5mLの凍結溶液中で凍結される。
【0093】
IMPの採取は、患者へ注射されるべき、8個のIMPバイアルの貯蔵物を含む;1個の滅菌サンプル;1個の維持サンプル;3〜5個のEPCサンプル、及び潜在的な過剰サンプル。当該産物の放出は、滅菌性、生存率、表現型、純度、機能性及び安定性に関するEPC基準で厳格に条件付けされる。当該バッチを正式に放出した後、各々のIMPバイアルは、ドライアイス中で、密閉された輸送ボックス中で最大24時間貯蔵され得る試験場へ単独で輸送される。一旦、室温で最大で10分間解凍された場合、IMPは、10分間以内で皮内、及び臍傍を通じて速やかに患者へ注射されなければならない。
【0094】
3.原理検証
健常対照の白血球除去物から単離された単球は、水簸を通じてその後濃縮され、その後以下のマーカーを使用して観測され、そして集計される:
【0095】
【表3】

【0096】
この時点において、単球は、その後バイアルへ5×107個の細胞ずつの分割量へと分けられ、そして、5%グルコースの水溶液で希釈された10%DMSOで、1.8mLの最終容量で凍結される。当該分割量を、−150℃にて、使用がなされるまで貯蔵した。同一バッチに属する少なくとも14個の分割量を同時に解凍し、そして貯蔵して各々の実験を実施する。解凍後、細胞をPBSで一度洗浄し、前記マーカー、生存率及び量を観測する。その後それらを、GM−CSF(1000〜2500U/mL)及びIL−4(400〜1000U/mL)を添加したCellGro中へ播種した。その後、非吸着細胞を上清と共に捨て、そして吸着細胞をGM−CSF(1000U/mL)及びIL−4(400U/mL)を添加したCellGro中で、1〜2Mio/mLの濃度で5日間、単球を未成熟DCへと分化転換するために、さらに培養する。その後、当該細胞にmRNAを取り込ませる。簡単に、DCを一度PBS中で洗浄し、集計し、そして1000rpmで10分間回転させた。それらをCellGro培地中で再懸濁し、そしてmRNA含有溶液(50ng RNA/1×106DC)中で、37℃/5%CO2で2時間、加湿インキュベーター中でインキュベートする。洗浄することなく、その後当該培地へ、Ribomunyl(100μg/mL)及びINF−γ(1000U/mL)を添加し、そして16時間成熟させる。この時点で、当該細胞をPBS中で一度洗浄し、そしてタンパク質抗原溶液を添加した(1〜10μgペプチド/1×106DC)単純CellGro中に再播種し、そして37℃/5%CO2で2時間、加湿インキュベーター中でインキュベートする。実験セットに依存して、当該ペプチドは成熟前に、又は成熟化カクテルと同時に代替的に取り込まれた。その後、当該細胞をPBS中で一度洗浄し、そして吸着細胞を採取し、そして速やかに処理するか、又は、5%グルコースの水溶液で希釈されたDMSO 10%で、0.5mLの最終容量となるように1×107個のDCの分割量へと分けられる。
【0097】
品質管理(QC)を下記の通りに行う。
【0098】
播種時、又は凍結/解凍サイクル時において、細胞を培地中において12〜24時間置く。
【0099】
QCの開始時、及び特定の時点(0〜4〜12/14及び24時間)おいて、細胞を以下のパラメータに関して観測する:
【0100】
【表4】

【0101】
形態に加えて、生存率、及びIL−10及びIL−12の分泌。
【0102】
原料及び方法
1.前臨床パイロット実験
1.1 細胞の単離
白血球除去及び水簸を、GAMBRO装置を用いて、及び製造指示書に従って行う。
【0103】
1.2 フィコール精製
10mLの血液/apheresateを30mLのPBS+10%クエン酸バッファーと共に混合する。その後、30mLの当該混合物を20mLのフィコールへ加え、そして20分間2000rpmで、RTにて遠心分離する。その後、界面を回収し、そして10分間1200rpmで、RTにて遠心分離する。最終的に、沈殿物をPBS中で再懸濁し、10分間1200rpmで、RTにて二回洗浄し、そしてCellGro中で再懸濁する。
【0104】
1.3 細胞培養
DCを、プラスチック製のフラスコ内で、GM−CSF(400〜1000U/mL)及びIL−4(100〜400U/mL)を添加したCellGro中で5〜6日間培養し、そしてRibomunyl(0.5〜1μg/mL)及びINF−γ(200〜1000U/mL)を添加し、24時間成熟させる。
【0105】
1.4 FACS
50μLの全血、又は50μLの細胞懸濁液(解凍されたDC、1×106細胞/mLPBS、1%BSA、0.1%NaN3の最終濃度)を、製造業者の推奨に従って、15分間室温にて、好適な量のFACS抗体と共にインキュベートし(全血の赤血球は化学的に溶解され)、800rpm(RT)で、各々1.5mL又は0.8mLのPBSを用いて洗浄し、0.5mLのPBS中で再懸濁し、固定剤を追加し、そしてさらにFACS(登録商標)によってさらに処理する。
【0106】
1.5 ELISA
凍結されたDCを解凍し、そして2%HSを添加したRPMI中で、1×106細胞/mLの最終濃度で再培養する。24時間後、上清を採取し、そしてCellScience ELISA KIT ISO9002を使用して、及び製造指示書に従って、IL−10及びIL−12p70について分析する。
【0107】
1.6 混合白血球反応
凍結DCを解凍し、そして2%ヒト血清(凝固の避けられた、AB)、10%AlamarBlue(登録商標)を添加したRPMI中において、1×106細胞/ウェルの最終濃度である、健常者由来のフィコール分離されたPBMNCの非吸着画分と共に、1×104細胞/ウェルの最終濃度で、150μLの最終容量で、96ウェルUボトムプレート中、共培養する。増殖は、酸化型(非蛍光、青)から還元型(蛍光、赤)へと変化する染色剤の還元を引き起こす。2〜7日間、4時間ごとに吸光度を595nmにて、参考波長である620nmと共に、プレートリーダーで測定する。
【0108】
1.7 DTCの単離
DTCの単離を、OncoQuickキット(Gentech)で提供されている手順に従って行われる。
【0109】
1.8 サバイビンmRNAの転写及び精製
サバイビンmRNA及び精製を、製造業者の手順に従って、mMESSAGE mMACHINE(登録商標)T7/T3キット(Ambion)及びOligotex mRNAミニ・キット(Qiagen)の各々の使用を通じて行う。
【0110】
1.9 タンパク質合成
使用される腫瘍特異的タンパク質/ペプチドの全てを、American Peptide Company,Incによる、又はGMPグレードのペプチドを臨床使用のために製造する、同様に認定された会社によるGMP遵守規則に従って合成される。指示書に従って、及び研究グレードである「EasyXpress Protein Synthesis」キット(Qiagen)を用いて、タンパク質抗原を比較cDNA(Origine)から出発して製造する。
【0111】
1.10 ウェスタンブロット
当該細胞をFrackeltonバッファー中20分間氷中にて溶解し、そして1000gにて10分間4℃で遠心分離する。上清を回収後、タンパク質濃度を、Bradfordアッセイを用いて測定し、そして青色サンプルバッファーを、各サンプルへ4:1の比率で添加する。ポリアクリルアミドゲルを調製した後、タンパク質を流し、そしてニトロセルロース膜上にブロットする。その後、当該膜をTBS−T中で洗浄し、そして最初に1時間、0.5mLのTween−20及びミルク5%を添加したTBS−T 1Xで構成される、約10mLのブロッキング溶液中でインキュベートし、その後、3%BSA及び0.02%NaNsを添加したTBS−T w/oミルクで希釈された10mLの第一抗体中、o/nでインキュベートする。その後、当該膜をTBS−T中、三回洗浄し、そして第二抗体と共に40分間RTでインキュベートする。最終的に、タンパク質の発現を、ECLキットを用いて検出する。
【0112】
2.臨床試験及び原理検証
1.1 細胞の単離
白血球除去及び水簸を、GAMBRO装置を用いて、及び製造指示書に従って行った。
【0113】
1.2 単球の凍結
水簸により得られた細胞を集計し、そしてFACSにより特徴付けを行う。最終的に、単球を3×107細胞ずつの分割量に分け、そして1.8mLの最終容量となるように、5%グルコース水溶液で希釈したDMSO10%中で凍結される。当該分割量は、使用の時まで−150℃で貯蔵される。
【0114】
1.3 細胞培養
DCを、プラスチック製のフラスコ内で、GM−CSF(1000U/mL)及びIL−4(400U/mL)を添加したCellGro中で5日間培養し、そしてRibomunyl(100μg/mL)及びINF−γ(1000U/mL)を添加し、16時間成熟させる。
【0115】
1.4 FACS
50μLの細胞懸濁液(0.5%BSA、2mM EDTAを加えた、又は加えていないPBS中において、最終濃度1×106細胞/mLに達するサンプル由来)を、15分間、冷却装置中でインキュベートし、そして製造業者の推奨に従って、暗所にて、好適な量のFACS抗体と一緒にし、1.0mLのPBSを用い、0.5%BSA、2mM EDTAを用いて、又は用いずに約4℃、1000rpmで洗浄し、固定剤を添加した0.5mLのPBS中で再懸濁し、FACS(登録商標)でさらに処理する。
【0116】
1.5 ELISA
採取された、又は凍結されたDCを解凍し、そしてCD40Lの存在下、又は不在下において、1×106細胞/mLの最終濃度で、CellGro中で再培養する。特定のチェックポイントにおいて、24時間かけて散乱させ、上清を採取し、そしてCellScience ELISA KIT ISO9002を使用して、及び製造指示書に従って、ヒトIL−10及びIL−12p70に関して分析する。
【0117】
1.6 TERT mRNA転写及び精製
TERT mRNA転写を、製造業者の手順に従って、mMESSAGE mMACHINE(登録商標)T7/T3キット(Ambion)の使用を通じて行う。
【0118】
1.7 サバイビンペプチド
サバイビンペプチドは、Global peptide、又はAmerican Peptide Company,Incによって、凍結乾燥(liophylized)産物として供給された。一旦、水中で戻されると、それは100μg/mLずつと等しい分割量で、−80℃で貯蔵された。
【0119】
結果
・前臨床パイロット実験
この節において示される全ての結果は、先に記載された通りに培養され、そしてグリセロール10%中において凍結されたDCで行われた。解凍後の細胞生存率は75%超であった。10%グリセロール溶液を用いて得られた結果は、DMSO10%で凍結したときに示されるものと同程度か、又は若干優れている。グリセロール中における細胞の凍結は、それが、毒性物質(DMSO)を除去する遠心分離ステップを必要とせず、したがってそれにより、特別な道具及び装置(遠心分離、層流、無菌環境)の必要性無しに、DCを患者へより容易に注射することが可能であるという点で、細胞をDMSOと共に凍結させる場合よりも大きな利点を有する。
【0120】
サバイビンmRNA及びタンパク質抗原(PSA)と共にインキュベートされたDCが実際に取り込んだことを認めるために、食作用により取り込まれたmRNAが、同様に転写されたか否か、及びタンパク質抗原がDCによって発現されたか否かを決定するためのウェスタンブロットが行われた。
【0121】
1Mioの細胞をPBS中で2度洗浄し、Frackeltonバッファー中で溶解し、そしてウェスタンブロットで処理した。図1で報告された結果は、未成熟DC(iDC)及び取り込みされていない半成熟DC(smDC)は、サバイビン及びPSAのいずれも発現しないことを示している。サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC(mDC)は、この抗原の発現を示すが、PSAの発現は示さず、そしてサバイビン及びPSAを取り込んだ成熟DC(dmDC)は、両方の抗原の発現を示す。これらの結果は、取り込み手順が、担体又は活性トランスフェクション手段の必要性無しでmRNA及びタンパク質の両方の取り込みに関して有効であり、そしてそれは非常に効率的であることを裏付ける。
【0122】
10人の患者において、本発明の手順中において記載された通りに培養されたDCは、異なる段階の変異に従って、それらの表面上に異なるCD群を発現したことが示された。刺激されていないDCは、成熟マーカー、例えばCD80及びCD83を発現しなかったが、未成熟マーカー、例えばCCR3を発現した。取り込みをしていない半成熟DCは、CCR3のような未成熟マーカー、及び少ないCD80、並びにCD83のような成熟マーカーの組み合わせを示す。サバイビンmRNAを取り込んだ完全成熟DCは、成熟マーカー、例えばCD80及びCD83のみを示し、未成熟マーカー、例えばCCR3を示さなかった(図2)。
【0123】
本手順によって、DCの表現型における変異のみならず機能的変異が可能か否かを決定するために、上清におけるIL−10及びIL−12の分泌が分析された。IL−12は、腫瘍細胞を死滅させる免疫系の能力を向上させることが知られており、そして腫瘍への血流を阻害し得る。IL−12は、細胞障害性T細胞の活性化を刺激することにより、腫瘍除去を向上させる。他の面において、IL−10は、DCの機能の幾つかの特徴、例えば共刺激性分子の発現、及びIL−12を合成する能力において著しい阻害効果を有することが示された。重要なことに、IL−10で処理されたDCは、寛容原性となる。通常、iDCは、IL−10及びIL−12のいずれも産生せず(又はIL10に関して非常に少量産生され)、一方でmDCは高レベルのIL−12、及び存在するのであれば、非常に低いレベルのIL−10を分泌する。
【0124】
予想された通り、iDCは、IL−12を産生せず、そして最少量のIL−10のみを産生し、一方で我々の手順に従って培養された、取り込みをしていない半成熟DC、サバイビンmRNAを取り込んだ成熟DC、及びサバイビンmRNA+タンパク質を取り込んだ成熟DCは、高レベルのIL−12及び非常に低レベルのIL−10を産生した(図3)。
【0125】
本発明のDCが機能的に活性であることをさらに実証するために、混合白血球反応を通じた異種T細胞の増殖に対するそれらの効果が評価される。
【0126】
取り込みをしていない半成熟DC、及びサバイビンmRNA/サバイビンmRNA+タンパク質を取り込んだ成熟DCのインキュベーションにより、T細胞増殖が増大し、このことは本発明の実施例において記載されたように培養されたDCが、腫瘍の除去において潜在的な利益を示す、免疫系の主役(T細胞)の少なくとも一つに対して、高いプラスの効果のあることを示す。予想された通り、T細胞とのiDCのインキュベーションは、それらの増殖率を増加させなかった(図4)。
【0127】
iDCは、強い遊走能力によって特徴付けられ、そしてそれは、iDCにおけるCXCR4/CCR7発現の欠如のために、CCL19の付加によっては誘導できない。逆に、半成熟DCは、CCL19の誘導に応答するが、より少ない程度であったとしても、iDCと比較して自発的遊走能力をなお保持している。取り込みを行った成熟DCは、(ほぼ)完全に自発的に遊走する能力を失うが、それらは、CCL19の誘導時に遊走する(図5)。これは、取り込みをしていない半成熟DC、及びサバイビンmRNA+タンパク質を取り込んだ成熟DCは、注射部位から刺激源(すなわち、腫瘍部位)へと移動することができ、したがってそれらは節内に(intranodally)直接的に投与される必要はないが、それらは同様に、腫瘍周囲に注射され得る。この事実は、DCワクチンが正確にリンパ節の位置を決定するために、特定の道具、例えば超音波装置を必要としないため、DCワクチンの使用をより容易にする。
【0128】
最終的に、当該手順中において記載された通りに培養されたDCが、自発的に、又はCCL19に対する応答において、活動的になお食作用を行うことができるか否かが調査された。
【0129】
iDCは、強い食作用能力によって特徴付けられ、そしてそれは、iDCにおけるCXCR4/CCR7の発現の欠如のために、CCL19によって誘導することができない。半成熟DC及びサバイビンmRNAを取り込んだDCは、反対に、CCL19誘導に応答するが、例えば低い程度であっても、iDCと比較して、自発的な食作用能力をなお保持する。サバイビンmRNA及びタンパク質を取り込んだ成熟DCは、自発的な及びCCL19誘導に基づくものの両方における、食作用能力を完全に失う。
【0130】
これは、本発明の手順に従って製造された、取り込みをしていない半成熟DC、及びmRNAを取り込んだDCは、腫瘍抗原に対して食作用を行う準備ができており、そしてそれは、腫瘍に対する直接的な免疫応答を強く増大させる、非常に活性の強い表現型を示し、一方で二重取り込み(mRNA+タンパク質)のなされた完全成熟DCは、T細胞の増殖及び活性化を誘導する準備ができているが、腫瘍組織に対してさらに食作用を行う能力を失っており、既に取り込まれた抗原への免疫応答の特異性を増大させる(図6)。
【0131】
最終的に、mRNA及びタンパク質の二重取り込みがなされたDCは、異種リンパ球と共にインビトロにてインキュベーションされるとき、T−regの活性化を引き起こすことなく、高い細胞障害性及びメモリー応答を誘導することができることが示された(図7)。
【0132】
2.原理検証
本節において示される全ての結果は、健常対照の水簸由来の凍結単球から培養されるDCから出発して行われた。以下のバッチは比較された:
・バッチ1:単球は、5日間で未成熟DC(iDC)へと分化転換され、TERT mRNAを取り込み、成熟され、そして最終的にサバイビンを取り込んだ。当該細胞は凍結されないで、そして採取時、及び24時間の再培養における以下の時点:0時間(採取);4時間及び24時間に速やかに分析された;
・バッチ2:単球は、5日間で未成熟DC(iDC)へと分化転換され、TERT mRNAを取り込み、成熟され、そして同時にサバイビンを取り込んだ。当該細胞はDMSO中で凍結され、そして採取時、解凍時、及び再培養後4時間及び24時間において分析された;
・バッチ3:単球は、6日間で未成熟DC(iDC)へと分化転換され、TERT mRNAを取り込み、成熟され、そして最終的にサバイビンを取り込んだ。当該細胞はDMSO中で凍結され、そして解凍時、及び再培養後12時間及び24時間において分析された。
【0133】
解凍時における単球の生存率は、常に70%以上であった。原理検証の間、異なる取り込み法が比較された:
・バッチ1:50ng/mL TERT−mRNAと共に2時間インキュベーションし、その後16時間成熟化を行い、その後10μg/mL サバイビン−ペプチドと共に2時間インキュベーションした;
・バッチ2:50ng/mL TERT−mRNAと共に2時間インキュベーションし、その後、同時に投与される10μg/mL サバイビン−ペプチド及び成熟化カクテルと共に16時間インキュベーションした;
・バッチ3:50ng/mL TERT−mRNAと共に2時間インキュベーションし、その後、16時間成熟化を行い、その後10μg/mL サバイビン−ペプチドと共に2時間インキュベーションした。
【0134】
GM−CSF及びIL−4を添加したCellGro中で5日間培養し、50%超の初期量の単球が未成熟DCとなり、それらの半分が付着性の表現型を示した。反対に、当該細胞を6日間培養した場合、当該細胞の10%のみが付着性であった。
【0135】
TERT−mRNAの存在下、2時間のインキュベーションの後、少なくとも70%の細胞が付着性となった。サバイビン−ペプチドが成熟化カクテルと共に投与されたとき、当該細胞は優れたクラスターを形成し、一方でサバイビンペプチドが成熟化カクテルの後に投与された場合、当該細胞は、より長い樹状突起を示す傾向に、及び固いクラスターの形成を避ける傾向にあった。
【0136】
(任意の形態における)取り込み及び成熟化の完結後、当該細胞は、95%超で吸着性であった。当該細胞が、GM−CSF及びIL−4の存在下で、5日間の代わりに6日間培養された場合、当該付着細胞は全体量の約50%を構成した。
【0137】
採取時、細胞生存率は、3つのバッチ中において同程度であり、分化転換の時間、取り込み方法、及び成熟化計画は、このパラメータに影響を与えず、常に限界の70%超で維持された(Nicolette et al.,2007)。
【0138】
凍結/解凍サイクルにおいて、細胞生存率は、分析された2つのバッチ間において同程度であり、そして採取時において得られる結果と比較して微かに減少するのみであった。先の場合と同様に、取り込み方法及び成熟化計画は、生存率に影響を与えず、そしてそれは、常に限界の70%超で維持された。
【0139】
主な手順の異なる変形に従って培養されたバッチの生存率は、採取時及び解凍時において同程度である。
【0140】
【表5】

【0141】
取り込まれた抗原であるTERT及びサバイビンは、FACSによって、細胞表面上において、採取時又は解凍直後において検出されなかった。再培養時、2つの抗原の表面発現は、4時間〜12時間の間で増加した。12時間から24時間まで、それは安定に維持された。細胞がCD40Lを用いて刺激された場合、4時間の再培養後、2つのマーカーの表面発現は、単純培地(plain medium)中で培養された細胞において検出されるものと比較して増加した。しかし、12時間後、当該2つの抗原の発現が停滞期に到達したとき、CD40Lの効果は検出不能となった:
a)採取時及び単純培地中での24時間再培養との間における、取り込まれた抗原(TERT及びサバイビン)の検出
【0142】
【表6】

【0143】
b)採取時、及びCD40L刺激の存在下での24時間再培養との間における、取り込まれた抗原(TERT及びサバイビン)の検出。
【0144】
【表7】

【0145】
これらの結果は、本明細書において記載された方法の異なるバリエーションに従って培養されたDCが、取り込まれた抗原の表面発現率を増加させることによって、生理学的刺激因子、例えばCD40Lに応答することができ、したがって、前記抗原を発現する細胞に対する免疫応答を引き起こすT細胞を誘導する能力を増大させることを示した。
【0146】
採取時において、バッチ1及び2の両方は、機能的DCに対する標準マーカーの発現に従って、成熟表現型を示し、すなわち、CD14(未成熟DC)、並びにCD3(T細胞)及びCD19(B細胞)の低発現、又は発現しないことと対になる、CD40、CD80、CD83、HLA−ABC、及びHLA−DRの高い発現を示し、そしてそれは、潜在的なリンパ球の汚染のレベルを決定するために使用された。したがって、異なる取り込み法及び成熟化計画は、最終産物の表現型に影響を与えず、そしてそれは文献中において報告された基準を達成していると思われた(Nicolette et al.,2007)。
【0147】
凍結/解凍のサイクルの直後に得られた結果は、最終産物が、表現型に従って安定なままであることを示した(バッチ2における、採取時の表現型と解凍時の表現型との間の比較を参照):
【0148】
a)採取時及び単純培地中での24時間再培養との間における、バッチ1のDCの表現型の検出
【0149】
【表8】

【0150】
b)採取時及びCD40L刺激下での24時間再培養との間における、バッチ2のDCの表現型の検出
【0151】
【表9】

【0152】
c)採取時及びCD40L刺激下での24時間再培養との間における、バッチ3のDCの表現型の検出
【0153】
【表10】

【0154】
興味深いことに、当該細胞が5日間の代わりに6日間分化転換された場合、それらの表現型は、非機能的表現型と相関し、すなわち、CD40、CD80、及びCD83の表面発現は、基準レベルの3分の1に減少し、一方で、HLA−DRにおいては基準レベルの2分の1に減少した。24時間再培養後、5日間で分化転換された細胞の表現型は、全体的に安定なままであったが、一方でそれらが6日間分化転換されたとき、それらは成熟表現型マーカーのレベルを緩やかに増加させたが(図10)、それらの基準レベルには達することができないままであった。
【0155】
少なくとも本明細書において記載された方法に従って培養されるDCにおいては、5日よりも長い期間での分化転換は、非機能的表現型を誘導し得、その結果、より低いDCの活性(CD83の発現の減少)及びT細胞と結合する能力の減少(CD80の発現の減少)をもたらし、そしてそれはCD4+T細胞へのあまり有効ではない提示を伴う(HLA−DRの発現の減少)ことを、当該結果は示した。これらの特徴は、形態の変化、すなわち細胞付着の消失を伴い、そしてそれは機能的及び表現型的に成熟していないDCに対応する。本明細書において記載された同一の方法における変形の使用は、DCの表現型における成熟化に影響を与えず、最新の形態的及び表現型的の両方で成熟したDCを提供する。
【0156】
再培養時において、IL−10及びIL−12の産生は増加し、興味深いことに、IL−12の分泌のみがCD40Lによってプラスに影響されると思われ、一方で、IL−10の分泌はこの種の刺激とは独立していた。IL−12の分泌は、IL−10のものと比較して常に少なくとも2倍であった。Lopez et al.,2005の文献に従って、かかるパターンは、(IL−12を用いた)細胞障害性応答、及び(IL−10を用いた)適応応答の両方を活性化するその両立性のために、単一のIL−12の分泌と比較して、癌に対する免疫系の活性化についてより有効であろう:
【0157】
a)単純培地中における24時間再培養時の、IL−10分泌の分析
【0158】
【表11】

【0159】
b)CD40L刺激下における24時間再培養時の、IL−10分泌の分析
【0160】
【表12】

【0161】
c)単純培地中における24時間再培養時の、IL−12分泌の分析
【0162】
【表13】

【0163】
d)CD40L刺激下における24時間再培養時の、IL−12分泌の分析
【0164】
【表14】

【0165】
反対に、6日間分化転換された細胞は、IL−10及びIL−12のいずれも分泌することができなくなっており、このことは、形態及び表現型に関して既に観察された、成熟しすぎた(out−matured)パターンを確認する。
【0166】
結論
実施例に記載された方法は、主要な目的に従って、異なる変形において適用され得る。例えば、臨床ツールとしてのDCの使用のために必要とされる、臨床グレードの調製物を得ることが重要であるとき、GMP遵守ペプチドの価格及び入手可能性が、対応するGMPタンパク質に関するものよりも好適であるという事実のために、タンパク質抗原は、ペプチドによって構成され得る。個々のペプチドは、その長さ及びその免疫原性に従って、mRNA抗原と成熟化カクテルとの組み合わされた投与に関して、異なる配列で投与され得る。一般的に、タンパク質抗原と組み合されたmRNA抗原の取り込みが5日間又は6日間の培養されたDCのいずれかで行われ得るが、TERT−mRNA及びサバイビンの特異的な同時使用では、5日間分化転換されたDCにおいて優れた結果を与える。
【0167】
現在までに行われた実験は、特異的な抗原の使用が、最も優れた結果を得るための手順の小さな調節/変形を必要とし得ることを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍関連抗原タンパク質又はその断片をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び少なくとも一つの腫瘍関連抗原タンパク質又はその断片を取り込んだ樹状細胞。
【請求項2】
前記少なくとも一つの核酸分子によってコードされた、前記腫瘍関連抗原又はその断片が、サバイビン及びテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)からなる群から選択されることで特徴付けられる、請求項1に記載の細胞。
【請求項3】
前記核酸分子が、リボ核酸、好ましくはmRNA、及び/又はデスオキシリボ核酸(desoxyribonucleic acid)であることで特徴付けられる、請求項1又は2に記載の細胞。
【請求項4】
前記腫瘍関連抗原が、癌タイプ特異的腫瘍関連抗原、好ましくは、癌胎児性抗原(CEA)、ムチン(MUC)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、BRCA及びras、並びに/又は、サバイビン及びTERTからなる群から選択される万能性腫瘍関連抗原、からなる群から選択されることで特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項5】
前記樹状細胞がヒト又は動物由来であることで特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項6】
前記樹状細胞が成熟されることで特徴付けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項7】
腫瘍関連抗原又はその断片をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び腫瘍関連抗原又はその断片である少なくとも一つのタンパク質分子を取り込んだ樹状細胞、好ましくは請求項1〜6のいずれか一項に記載の細胞を製造するための方法であって、以下のステップ:
・樹状細胞を提供し;
・前記細胞が、腫瘍関連抗原又はその断片をコードする少なくとも一つの核酸分子、及び腫瘍関連抗原又はその断片である少なくとも一つのタンパク質分子を取り込む
ことを含む、前記方法。
【請求項8】
樹状細胞が、単球を未成熟樹状細胞へと分化転換することによって提供されることで特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記未成熟細胞が、取り込み時又は取り込み後に、及び前記タンパク質抗原の取り込みの間に成熟されることで特徴付けられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法によって得られる樹状細胞。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹状細胞、又は請求項10に記載の樹状細胞を含む、医薬調製物。
【請求項12】
少なくとも一つの医薬賦形剤、少なくとも一つの免疫刺激剤(immunostimmulatory agent)、少なくとも一つのアジュバントをさらに含むことで特徴付けられる、請求項11に記載の調製物。
【請求項13】
個人における癌を治療又は予防するためのワクチンの製造のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹状細胞、又は請求項10に記載の樹状細胞の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−536330(P2010−536330A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520579(P2010−520579)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060668
【国際公開番号】WO2009/021982
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(510041430)セル メト リサーチ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】