説明

樹脂ルーフパネル

【課題】車両の空力特性を向上させることができると共に、ルーフパネル本体に対して上方から荷重が作用した場合でも、ルーフパネル本体の変形を抑制することができる樹脂ルーフパネルを提供する。
【解決手段】樹脂ルーフパネル10において、ルーフパネル本体12の上面12Aには、車両前後方向に延びる窪み18が形成されている。一方、ルーフパネル本体12の下面12Gには、窪み18を形成する一対の窪み形成面12C,12Dの合わせ部12Eに沿って車両前後方向に延びる補強リブ14が形成されている。この補強リブ14は、上述の合わせ部12Eを車両幅方向に跨いでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフを構成する樹脂ルーフパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両前後方向に延びる補強用のリブが下面に形成された樹脂製のルーフパネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−68765号公報
【特許文献2】特開2010−30465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ルーフパネルでは、上面が平らに形成されている。従って、車両の空力特性を向上させるためには、改善の余地がある。また、車両の空力特性を改善させるために、ルーフパネルの上面の形状を工夫した場合であっても、ルーフパネルの上面に対して上方から荷重が作用したときには、ルーフパネルの変形が抑制されることが望まれる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、車両の空力特性を向上させることができると共に、ルーフパネル本体に対して上方から荷重が作用した場合でも、ルーフパネル本体の変形を抑制することができる樹脂ルーフパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の樹脂ルーフパネルは、車両前後方向及び車両幅方向に延在する板状に形成されると共に、車両前後方向に延びる窪みの一部を形成する窪み形成面と、前記窪み形成面と車両幅方向に並んで形成され前記窪み形成面とで屈曲面を形成する隣接面とを上面に有する樹脂製のルーフパネル本体と、前記ルーフパネル本体の下面に一体に形成されると共に、前記窪み形成面と前記隣接面との合わせ部に沿って車両前後方向に延在され、且つ、前記合わせ部を車両幅方向に跨いでいる補強リブと、を備えている。
【0007】
この樹脂ルーフパネルによれば、ルーフパネル本体の上面には、車両前後方向に延びる窪みが形成されている。従って、窪みを有しない場合に比して、窪みが形成された分、車両正面視した場合のルーフパネル本体の投影面積を減少させることができる。これにより、車両の空力特性を向上させることができる。
【0008】
一方、ルーフパネル本体の下面には、屈曲面を形成する窪み形成面と隣接面との合わせ部に沿って車両前後方向に延びる補強リブが形成されている。この補強リブは、上述の合わせ部を車両幅方向に跨いでいる。従って、この補強リブによって合わせ部の周辺部の剛性が向上されるので、ルーフパネル本体に対して上方から荷重が作用した場合でも、合わせ部を起点としたルーフパネル本体の変形を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の樹脂ルーフパネルは、請求項1に記載の樹脂ルーフパネルにおいて、前記ルーフパネル本体が、前記窪み形成面及び前記隣接面をそれぞれ複数有し、前記補強リブが、前記合わせ部のそれぞれに沿って複数形成され、前記ルーフパネル本体の下面に一体に形成されると共に、複数の前記補強リブを連結する連結リブをさらに備えている。
【0010】
この樹脂ルーフパネルによれば、ルーフパネル本体の下面には、複数の補強リブを連結する連結リブが一体に形成されている。これにより、ルーフパネル本体の剛性が向上されると共に、複数の補強リブの剛性も向上されるので、樹脂ルーフパネルの変形をより一層抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の樹脂ルーフパネルは、請求項1又は請求項2に記載の樹脂ルーフパネルにおいて、前記窪み形成面及び前記隣接面が、車両幅方向に沿って切断した断面がV字状を成すと共に前記窪みを形成する構成とされている。
【0012】
断面V字状を成す窪み形成面と隣接面との合わせ部は、ルーフパネル本体に対して上方から荷重が作用した場合に変形の起点となり易いと想定される。ところが、この樹脂ルーフパネルによれば、この合わせ部の周辺部が補強リブによって補強されるので、この合わせ部を起点としたルーフパネル本体の変形を抑制することができる。
【0013】
請求項4に記載の樹脂ルーフパネルは、請求項1又は請求項2に記載の樹脂ルーフパネルにおいて、前記隣接面が、前記窪み形成面の車両幅方向両側に形成され、前記補強リブが、一方の前記隣接面と前記窪み形成面との一方の前記合わせ部と、他方の前記隣接面と前記窪み形成面との他方の前記合わせ部とを車両幅方向に跨ぐ構成とされている。
【0014】
この樹脂ルーフパネルによれば、補強リブは、一方の隣接面と窪み形成面との一方の合わせ部と、他方の隣接面と窪み形成面との他方の合わせ部とを車両幅方向に跨いでいる。従って、補強リブが各合わせ部に対応してそれぞれ独立して形成される場合に比して構造を簡素化することができる。
【0015】
請求項5に記載の樹脂ルーフパネルは、請求項1に記載の樹脂ルーフパネルにおいて、前記窪み形成面が、車両幅方向一方側に向かうに従って車両下側に向かうように形成され、前記隣接面が、前記窪み形成面の車両幅方向他方側に形成されると共に、車両幅方向に延在された構成とされている。
【0016】
この樹脂ルーフパネルによれば、車両幅方向一方側に向かうに従って車両下側に向かうように形成された窪み形成面と、この窪み形成面の車両幅方向他方側に形成されると共に、車両幅方向に延在された隣接面との合わせ部に沿って補強リブが形成されている。従って、例えば、この窪み形成面と、この窪み形成面の車両幅方向一方側に形成された他の隣接面との合わせ部であって上述の合わせ部よりも車両下側に位置された合わせ部に沿って補強リブが形成された場合に比して、補強リブの車両下側(室内側)への突出量を抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上詳述したように、本発明の樹脂ルーフパネルによれば、車両の空力特性を向上させることができると共に、ルーフパネル本体に対して上方から荷重が作用した場合でも、ルーフパネル本体の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネルの平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネルの第一変形例を示す図2に対応する断面図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネルの第二変形例を示す図2に対応する断面図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネルの第三変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る樹脂ルーフパネルの図2に対応する断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る樹脂ルーフパネルの変形例を示す平面図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る樹脂ルーフパネルの平面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】本発明の第三実施形態に係る樹脂ルーフパネルの第一変形例を示す図11に対応する断面図である。
【図13】本発明の第三実施形態に係る樹脂ルーフパネルの第二変形例を示す図11に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。
【0020】
なお、各図において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側(右側)をそれぞれ示している。
【0021】
図1に示されるように、本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネル10は、例えば乗用自動車等の車両のルーフを構成するものであり、その全体が樹脂で形成されている。この樹脂ルーフパネル10は、ルーフパネル本体12と、一対の補強リブ14と、一対の連結リブ16とを備えている。
【0022】
ルーフパネル本体12は、車両前後方向及び車両幅方向に延在する板状に形成されている。なお、このルーフパネル本体12は、車両幅方向中央部を中心とした面対称状に形成されている。従って、ここでは、ルーフパネル本体12について、主として車両幅方向中央部よりも右側の構成を説明し、車両幅方向中央部よりも左側の構成については、車両幅方向中央部よりも右側の構成についての説明を参照することとして、その説明を省略する。
【0023】
このルーフパネル本体12の上面12Aは、図2,図3に示されるように、車両幅方向右側の端部から中央部にかけて順に、外側面12Bと、一対の窪み形成面12C,12Dとを有している。外側面12B及び一方の窪み形成面12Cは、車両幅方向に連続して形成されており、車両上側に凸を成す湾曲面を形成している。
【0024】
他方の窪み形成面12Dは、ルーフパネル本体12の車両幅方向中央部を挟んで隣り合う窪み形成面12Dと車両幅方向に連続して形成されており、この窪み形成面12Dとで車両上側に凸を成す湾曲面を形成している。この外側面12B及び一対の窪み形成面12C,12Dは、図1に示されるように、車両前後方向に延在されており、ルーフパネル本体12における車両前後方向の全長に亘って形成されている。
【0025】
また、一対の窪み形成面12C,12Dは、図2,図3に示されるように、車両前後方向に延びる合わせ部12Eにおいて互いに接続されている。一方の合わせ部12Eと他方の合わせ部12Eとは、図1に示されるように、ルーフパネル本体12の車両前側の端部から車両前後方向中央部に向かうに従って互いに近づくと共に、ルーフパネル本体12の車両前後方向中央部から車両後側の端部に向かうに従って互いに遠ざかるように、それぞれ湾曲して形成されている。
【0026】
また、この合わせ部12Eによって互いに接続された一対の窪み形成面12C,12Dは、図2,図3に示されるように、車両幅方向に沿って切断した断面がV字状を成す屈曲面12Fを形成している。そして、ルーフパネル本体12の上面12Aには、この屈曲面12Fを形成する一対の窪み形成面12C,12Dによって、車両前後方向に延びる窪み18が形成されている。
【0027】
なお、本実施形態において、一方の窪み形成面12Cは、本発明における窪み形成面に相当し、他方の窪み形成面12Dは、本発明における隣接面に相当する。
【0028】
一対の補強リブ14は、図1に示されるように、それぞれ合わせ部12Eに沿って車両前後方向に延在されている。この一対の補強リブ14は、図2に示されるように、ルーフパネル本体12の下面12Gに一体に形成されている。また、補強リブ14は、合わせ部12Eを車両幅方向に跨いでいる。つまり、補強リブ14は、その車両幅方向両側の端面14Aの間に合わせ部12Eが位置されるように形成されている。
【0029】
一対の連結リブ16は、図1,図3,図4に示されるように、ルーフパネル本体12の下面12Gに一体に形成されている。この一対の連結リブ16は、それぞれ車両幅方向に延在されており、車両前後方向に並んで形成されている。また、各連結リブ16は、ルーフパネル本体12における車両幅方向の全長に亘って形成されており、一方の補強リブ14と他方の補強リブ14とを連結している。
【0030】
次に、本発明の第一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0031】
本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネル10によれば、ルーフパネル本体12の上面12Aには、車両前後方向に延びる窪み18が形成されている。従って、例えば、想像線Lで示される如く窪み18を有しない場合に比して、窪み18が形成された分、車両正面視した場合のルーフパネル本体12の投影面積を減少させることができる。これにより、車両の空力特性を向上させることができる。
【0032】
一方、ルーフパネル本体12の下面12Gには、屈曲面12Fを形成する一対の窪み形成面12C,12Dの合わせ部12Eに沿って車両前後方向に延びる補強リブ14が形成されている。この補強リブ14は、上述の合わせ部12Eを車両幅方向に跨いでいる。従って、この補強リブ14によって合わせ部12Eの周辺部の剛性が向上されるので、ルーフパネル本体12に対して上方から荷重が作用した場合でも、合わせ部12Eを起点としたルーフパネル本体12の変形を抑制することができる。
【0033】
特に、断面V字状を成す一対の窪み形成面12C,12Dの合わせ部12Eは、ルーフパネル本体12に対して上方から荷重が作用した場合に変形の起点となり易いと想定される。ところが、この樹脂ルーフパネル10によれば、この合わせ部12Eの周辺部が補強リブ14によって補強されるので、この合わせ部12Eを起点としたルーフパネル本体12の変形を抑制することができる。
【0034】
また、ルーフパネル本体12の下面12Gには、一対の補強リブ14を連結する連結リブ16が一体に形成されている。これにより、ルーフパネル本体12の剛性が向上されると共に、一対の補強リブ14の剛性も向上されるので、樹脂ルーフパネル10の変形をより一層抑制することができる。
【0035】
また、ルーフパネル本体12に補強リブ14及び連結リブ16が形成されることにより、ルーフパネル本体12の剛性を向上させることができるので、NV(ノイズ・バイブレーション)性能も向上させることができる。しかも、補強リブ14及び連結リブ16は、ルーフパネル本体12の下面12Gに形成されているので、樹脂ルーフパネル10の見栄えも確保することができる。
【0036】
さらに、樹脂ルーフパネル10の全体は樹脂製とされていれているので、従来の金属製のルーフパネルに比して、車両のルーフを軽量化することができる。
【0037】
次に、本発明の第一実施形態の変形例について説明する。
【0038】
本発明の第一実施形態において、ルーフパネル本体12の上面12Aには、図2に示されるように、車両幅方向に並んで一対の窪み18が形成されていたが、図5に示されるように、一つの窪み18が車両幅方向中央部に形成されていても良い。
【0039】
また、連結リブ16は、図1に示されるように、ルーフパネル本体12における車両幅方向の全長に亘って形成されていたが、図6に示されるように、一対の補強リブ14の間に形成されていても良い。また、この場合に、一対の連結リブ16は、図7に示されるように、交差されていても良い。
【0040】
なお、例えば、ルーフパネル本体12の剛性を確保できる場合には、連結リブ16が省かれても良い。
【0041】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
【0042】
図8に示される本発明の第二実施形態に係る樹脂ルーフパネル20は、上述の本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネル10に対し、次の如く構成が変更されている。
【0043】
つまり、ルーフパネル本体12の上面12Aは、外側面12B及び一対の窪み形成面12C,12Dに加えて中央面12Hを有している。また、外側面12Bは、車両幅方向に延在されており、一方の窪み形成面12Cは、車両幅方向内側に向かうに従って車両下側に向かうように車両幅方向に対して傾斜されている。この外側面12B及び窪み形成面12Cは、車両前後方向に延びる合わせ部12Iにおいて互いに接続されており、車両上側且つ車両幅方向内側に凸を成す屈曲面12Jを形成している。
【0044】
他方の窪み形成面12Dは、車両幅方向内側に向かうに従って車両上側に向かうように車両幅方向に対して傾斜されており、中央面12Hは、車両幅方向に延在されている。この窪み形成面12D及び中央面12Hは、車両幅方向に並んで形成されており、車両前後方向に延びる合わせ部12Kにおいて互いに接続されている。また、この窪み形成面12D及び中央面12Hは、車両上側且つ車両幅方向外側に凸を成す屈曲面12Lを形成している。
【0045】
また、各補強リブ14は、合わせ部12Iに沿って車両前後方向に延在されると共に、合わせ部12Iを車両幅方向に跨いでいる。
【0046】
なお、本実施形態において、一方の窪み形成面12Cは、本発明における窪み形成面に相当し、外側面12Bは、本発明における隣接面に相当する。また、合わせ部12Iは、本発明における合わせ部に相当する。
【0047】
次に、本発明の第二実施形態の作用及び効果について、上述の本発明の第一実施形態と異なる点を説明する。
【0048】
本発明の第二実施形態に係る樹脂ルーフパネル20によれば、ルーフパネル本体12の下面12Gには、屈曲面12Jを形成する外側面12Bと窪み形成面12Cとの合わせ部12Iに沿って車両前後方向に延びる補強リブ14が形成されている。この補強リブ14は、上述の合わせ部12Iを車両幅方向に跨いでいる。従って、この補強リブ14によって合わせ部12Iの周辺部の剛性が向上されるので、ルーフパネル本体12に対して上方から荷重が作用した場合でも、合わせ部12Iを起点としたルーフパネル本体12の変形を抑制することができる。
【0049】
また、一対の窪み形成面12C,12Dの合わせ部12Eよりも車両上側に位置する合わせ部12Iに沿って補強リブ14が形成されているので、例えば、合わせ部12Eに沿って補強リブ14が形成された場合に比して、補強リブ14の車両下側(室内側)への突出量を抑えることができる。
【0050】
次に、本発明の第二実施形態の変形例について説明する。
【0051】
本発明の第二実施形態において、補強リブ14は、合わせ部12Iに沿って形成されていたが、図9に示されるように、合わせ部12Kに沿って形成されていても良い。このように構成されていても、上記と同様の作用及び効果を奏することができる。また、この場合に、一対の補強リブ14は、連結リブ16によって連結されていても良い。
【0052】
なお、本変形例において、窪み形成面12Dは、本発明における窪み形成面に相当し、中央面12Hは、本発明における隣接面に相当する。また、合わせ部12Kは、本発明における合わせ部に相当する。
【0053】
また、この各合わせ部12I,12Kのそれぞれに沿って補強リブ14が形成されていても良い。
【0054】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
【0055】
図10,図11に示される本発明の第三実施形態に係る樹脂ルーフパネル30は、上述の本発明の第一実施形態に係る樹脂ルーフパネル10に対し、次の如く構成が変更されている。
【0056】
つまり、ルーフパネル本体12の上面12Aは、車両幅方向右側の端部から中央部にかけて順に、外側面12Mと、傾斜面12Nと、中央面12Oとを有している。
【0057】
外側面12Mは、車両幅方向に延在されており、傾斜面12Nは、車両幅方向内側に向かうに従って車両下側に向かうように車両幅方向に対して傾斜されている。この外側面12M及び傾斜面12Nは、車両幅方向に並んで形成されており、車両前後方向に延びる合わせ部12Pにおいて互いに接続されている。また、この外側面12M及び傾斜面12Nは、車両上側且つ車両幅方向内側に凸を成す屈曲面12Qを形成している。
【0058】
中央面12Oは、車両幅方向に延在されている。この中央面12Oは、傾斜面12Nと車両幅方向に並んで形成されており、車両前後方向に延びる合わせ部12Rにおいて互いに接続されている。また、この中央面12Oは、傾斜面12Nとで車両下側且つ車両幅方向外側に凸を成す屈曲面12Sを形成している。そして、このルーフパネル本体12の上面12Aの中央部には、一対の傾斜面12N及び一対の中央面12Oによって、車両前後方向に延びる窪み38が形成されている。
【0059】
一方、ルーフパネル本体12の下面12Gには、一対の補強リブ34が一体に形成されている。各補強リブ34は、合わせ部12Pと合わせ部12Rとに沿って車両前後方向に延在されている。また、各補強リブ34は、一方の合わせ部12Pと他方の合わせ部12Rとを車両幅方向に跨いでいる。
【0060】
また、ルーフパネル本体12の下面12Gには、一対の連結リブ36が形成されている。この一対の連結リブ36は、それぞれ車両幅方向に延在されており、車両前後方向に並んで形成されている。また、各連結リブ36は、ルーフパネル本体12における車両幅方向の全長に亘って形成されており、一方の補強リブ34と他方の補強リブ34とを連結している。
【0061】
なお、本実施形態において、傾斜面12Nは、本発明における窪み形成面に相当し、外側面12M及び中央面12Oは、本発明における隣接面に相当する。また、合わせ部12Pと合わせ部12Rは、本発明における合わせ部に相当する。
【0062】
次に、本発明の第三実施形態の作用及び効果について説明する。
【0063】
本発明の第三実施形態に係る樹脂ルーフパネル30によれば、ルーフパネル本体12の上面12Aには、車両前後方向に延びる窪み38が形成されている。従って、例えば、想像線Lで示される如く窪み38を有しないルーフパネル本体12に比して、窪み38が形成された分、車両正面視した場合のルーフパネル本体12の投影面積を減少させることができる。これにより、車両の空力特性を向上させることができる。
【0064】
一方、ルーフパネル本体12の下面12Gには、屈曲面12Qを形成する外側面12Mと傾斜面12Nとの合わせ部12Pと、屈曲面12Sを形成する傾斜面12Nと中央面12Oとの合わせ部12Rに沿って車両前後方向に延びる補強リブ34が形成されている。この補強リブ34は、上述の合わせ部12Pと合わせ部12Rとを車両幅方向に跨いでいる。従って、この補強リブ34によって合わせ部12P,12Rの周辺部の剛性が向上されるので、ルーフパネル本体12に対して上方から荷重が作用した場合でも、合わせ部12P,12Rを起点としたルーフパネル本体12の変形を抑制することができる。
【0065】
また、ルーフパネル本体12の下面12Gには、一対の補強リブ34を連結する連結リブ36が一体に形成されている。これにより、ルーフパネル本体12の剛性が向上されると共に、一対の補強リブ34の剛性も向上されるので、樹脂ルーフパネル30の変形をより一層抑制することができる。
【0066】
また、補強リブ34は、合わせ部12Pと合わせ部12Rとを車両幅方向に跨いでいる。従って、補強リブ34が各合わせ部12P,12Rに対応してそれぞれ独立して形成される場合に比して構造を簡素化することができる。
【0067】
また、ルーフパネル本体12に補強リブ34及び連結リブ36が形成されることにより、ルーフパネル本体12の剛性を向上させることができるので、NV(ノイズ・バイブレーション)性能も向上させることができる。しかも、補強リブ34及び連結リブ36は、ルーフパネル本体12の下面12Gに形成されているので、樹脂ルーフパネルの見栄えも確保することができる。
【0068】
さらに、樹脂ルーフパネル30の全体は樹脂製とされていれているので、従来の金属製のルーフパネルに比して、車両のルーフを軽量化することができる。
【0069】
次に、本発明の第三実施形態の変形例について説明する。
【0070】
本発明の第三実施形態において、補強リブ34は、合わせ部12Pと合わせ部12Rとを車両幅方向に跨いでいたが、図12,図13に示されるように、合わせ部12P及び合わせ部12Rのどちらか一方のみを車両幅方向に跨いでいても良い。
【0071】
また、図13に示される変形例において、一対の補強リブ34は、連結リブ36によって連結されていても良い。
【0072】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
10,20,30 樹脂ルーフパネル
12 ルーフパネル本体
12A 上面
12B,12M 外側面
12C,12D 窪み形成面
12E,12I,12K,12P,12R 合わせ部
12F,12J,12L,12Q,12S 屈曲面
12G 下面
12H,12O 中央面
12N 傾斜面
14,34 補強リブ
16,36 連結リブ
18,38 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向及び車両幅方向に延在する板状に形成されると共に、車両前後方向に延びる窪みの一部を形成する窪み形成面と、前記窪み形成面と車両幅方向に並んで形成され前記窪み形成面とで屈曲面を形成する隣接面とを上面に有する樹脂製のルーフパネル本体と、
前記ルーフパネル本体の下面に一体に形成されると共に、前記窪み形成面と前記隣接面との合わせ部に沿って車両前後方向に延在され、且つ、前記合わせ部を車両幅方向に跨いでいる補強リブと、
を備えた樹脂ルーフパネル。
【請求項2】
前記ルーフパネル本体は、前記窪み形成面及び前記隣接面をそれぞれ複数有し、
前記補強リブは、前記合わせ部のそれぞれに沿って複数形成され、
前記ルーフパネル本体の下面に一体に形成されると共に、複数の前記補強リブを連結する連結リブを備えた、
請求項1に記載の樹脂ルーフパネル。
【請求項3】
前記窪み形成面及び前記隣接面は、車両幅方向に沿って切断した断面がV字状を成すと共に前記窪みを形成している、
請求項1又は請求項2に記載の樹脂ルーフパネル。
【請求項4】
前記隣接面は、前記窪み形成面の車両幅方向両側に形成され、
前記補強リブは、一方の前記隣接面と前記窪み形成面との一方の前記合わせ部と、他方の前記隣接面と前記窪み形成面との他方の前記合わせ部とを車両幅方向に跨いでいる、
請求項1又は請求項2に記載の樹脂ルーフパネル。
【請求項5】
前記窪み形成面は、車両幅方向一方側に向かうに従って車両下側に向かうように形成され、
前記隣接面は、前記窪み形成面の車両幅方向他方側に形成されると共に、車両幅方向に延在されている、
請求項1に記載の樹脂ルーフパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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