説明

樹脂廃棄物処理装置

【課題】樹脂廃棄物の洗浄と細分化を低コストでしかも確実に行うことが可能な樹脂廃棄物処理装置を提供する。
【解決手段】水槽10と、水槽10内に樹脂廃棄物22を供給する樹脂廃棄物供給手段20と、水槽10に水を供給する水供給手段30と、水槽10内に配設され、樹脂廃棄物22を水槽10内の水と共に所定方向に流動させて水槽10内を攪拌する攪拌機40と、水槽10内に配設され、水槽10内の樹脂廃棄物22を水と共に切断しながら圧送するグラインダポンプ50と、を有し、樹脂廃棄物22の洗浄・切断・圧送を連続的に実行することを特徴とする樹脂廃棄物処理装置100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂廃棄物処理装置に関し、より詳細には、樹脂廃棄物をリサイクルする際において、樹脂廃棄物の洗浄および細分化した後、次工程に圧送することが可能な樹脂廃棄物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因とされている大気中への二酸化炭素排出量を削減するため、省エネルギー政策が積極的に進められている。このような省エネルギー政策の中でも石油資源の節約が強く望まれている。
しかしながら、石油由来の合成樹脂製品は日常生活において大量に供給されていて、そのほとんどが使用後に廃棄されていた。近年になってようやく使用後における合成樹脂製品のリサイクルも定着してきたといえる。とはいえ、このようなリサイクル率の高い合成樹脂製品は、使用後においても新品の状態とそん色ない状態のものや、汚れがあったとしても、一般家庭で簡単に洗浄することができる程度のものがほとんどである。
【0003】
これに対して、使用後における状態が新品の状態に比べて外観形状や汚れが著しく劣る合成樹脂製品については、使用者においての洗浄が困難であることなどの理由により、リサイクル率は依然として低い状況にある。このようなリサイクル率の低い合成樹脂製品は、従来と同様に、ほとんどが従来と同様に廃棄処理されたり、工業用の熱源として用いられることになる。
このようなリサイクル率が低い合成樹脂製品についても、最近になってようやくリサイクル材として再利用しようとする動きが見られるようになってきている。具体的には、合成樹脂製品を溶融した後、粒状化することでいわゆる再生材ペレットを製造し、合成樹脂製品の原料の一部に用いる形態がある。このような再生材ペレットの製造に用いられる合成樹脂製品としては、例えば農業用に用いられる合成樹脂シートが挙げられる。
【0004】
農業用合成樹脂シートは、廃棄物として排出される際においては土および砂や、野菜くず等の有機性廃棄物が付着したままの状態であることはもちろんのこと、長尺体をロール状にした状態や、無造作に折り畳まれた状態で廃棄物処理業者に排出されることがほとんどである。このような合成樹脂製品をリサイクルする際においては、最初に表面に付着した土砂および有機性廃棄物を除去するための洗浄に加え、適度な長さにするための細分化が必須である。
このような洗浄および細分化をすると共に、再生材ペレットを製造するための処理装置や合成樹脂の処理方法としては、例えば特許文献1,2に開示されているものがある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−165115号公報
【特許文献2】特開2006−037084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1において開示されているプラスチックフィルム廃材の処理装置は、プラスチックフィルム廃材(以下、単にフィルム廃材という)を破砕した後に遠心分離処理をすることにより、フィルム廃材に付着した土を除去する処理を行っているが、回転刃による破砕機において長尺状のフィルム廃材を破砕しようとする場合、破砕刃にフィルム廃材が巻き込まれてしまい、フィルム廃材の破砕効率が低いという課題や、破砕刃に巻きついたフィルム廃材や、フィルム廃材への付着物により破砕刃が破損してしまうことが多く、フィルム廃材の破砕は困難を極めている。
また、フィルム廃材に付着している土が乾燥している場合には、遠心分離処理を施したとしてもフィルム廃材とフィルム廃材へ付着している土は実際のところ分離することができないことがある。このように、現状におけるフィルム廃材の洗浄・切断処理はきわめて低効率の下で行われていることもあり、採算性が悪く、リサイクル処理が敬遠される原因になっている。
【0007】
また、特許文献2に開示されている樹脂の再生方法は、不純物が付着しているリサイクル対象の合成樹脂フィルム等を溶剤に溶かすことにより、樹脂部分と付着物との分離を行い、樹脂部分の溶剤を再利用する方法が開示されている。これにより、リサイクル対象の樹脂フィルム等を洗浄と細分化(溶融)を同時に行うことができるが、溶剤を用いているため、溶剤の調達コストが嵩むという課題や溶剤の取り扱いが煩雑であることに加え、排水に悪影響を与える等環境に与える負荷が大きいという課題がある。
【0008】
そこで本願発明は、樹脂廃棄物の洗浄と細分化を行う際において、周辺環境に与える影響を抑えつつも低コストでしかも確実に行うことが可能な樹脂廃棄物処理装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水槽と、前記水槽内に樹脂廃棄物を供給する樹脂廃棄物供給手段と、前記水槽に水を供給する水供給手段と、前記水槽内に配設され、前記樹脂廃棄物を前記水槽内の水と共に所定方向に流動させて前記水槽内を攪拌する攪拌機と、前記水槽内に配設され、前記水槽内の樹脂廃棄物を水と共に切断しながら圧送するグラインダポンプと、を有し、前記樹脂廃棄物の洗浄・切断・圧送を連続的に実行することを特徴とする樹脂廃棄物処理装置である。
【0010】
また、前記グラインダポンプは、前記水槽の深さ方向に昇降可能に配設されていることを特徴とする。これにより、水槽内に供給され、洗浄された樹脂廃棄物が水槽内の水量(水深)の状態にかかわらず、効率的にグラインダポンプに供給することができる。
【0011】
また、前記グラインダポンプは、吸水口の開口面が水面と直交した状態で配設されていることを特徴とする。
これにより、水槽内に供給され、洗浄された樹脂廃棄物がグラインダポンプにさらに供給されやすくすることができる。
【0012】
また、前記水槽は、すり鉢状に形成されていることを特徴とする。これにより、水槽内における水と樹脂廃棄物が流動しやすい状態になるので、樹脂廃棄物の洗浄やグラインダポンプへの樹脂廃棄物の供給を効率的に行うことができる。
【0013】
また、前記樹脂廃棄物は、長尺シート体であることを特徴とする。農業用樹脂シート等の長尺樹脂シート体をリサイクルする際において重要な洗浄と細分化を低コストで行うことができるため、今まで敬遠されていた農業用樹脂シート等のリサイクルを促進させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる樹脂廃棄物処理装置によれば、水を用いて樹脂廃棄物を洗浄することで、樹脂廃棄物への付着物の除去を行うと共に、洗浄された樹脂廃棄物を適切な長さに切断(細分化)した後、次の工程に圧送することができるため、周辺環境に負荷を与えることなく、しかも効率的な樹脂廃棄物のリサイクルを可能にする樹脂廃棄物処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる樹脂廃棄物処理装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態においては、樹脂廃棄物の一例として、いわゆる農業用マルチと呼ばれている合成樹脂製シート体を例示しているが、本願発明の処理対象樹脂廃棄物は農業用マルチに限定されるものではないのはもちろんである。
【0016】
図1は、第1実施形態にかかる樹脂廃棄物処理装置の平面図である。図2は、図1内のA−A線における断面図である。
本実施形態における樹脂廃棄物処理装置100は、水槽10に水と樹脂廃棄物である農業用マルチ22を投入し、水槽10内で水と農業用マルチ22とを流動させて攪拌した後、グラインダポンプ50が水と農業用マルチ22を吸い上げ、農業用マルチ22を切断した後に、水槽10の外部に圧送するものである。
グラインダポンプ50には、水槽10とグラインダポンプ50とにより洗浄および細分化され、水と共に圧送された農業用マルチ22の水分を削減する脱水装置や、水処理装置、樹脂溶融装置、ペレタイザ等が搬送手段を介して連設されているが、ここではそれらの図示および説明は省略する。
【0017】
本実施形態における水槽10は、図1,2に示すように直方形状に形成されていて、内部が仕切板12によりに二分割されている。仕切板12により分割されているうちの第1の空間14には、水供給手段30により水が供給され、仕切板12を越流させて樹脂廃棄物が投入される第2の空間16に水を供給している。第2の空間16の底部には、樹脂廃棄物の付着物が沈殿するため、排出口18を配設しておくことが好ましい。排出口18から排出された沈殿物および水は、図示しない水処理装置により、沈殿物と水とが分離処理される。
【0018】
本実施形態においては、水槽10に農業用マルチ22を供給する廃棄樹脂供給手段として油圧ショベル20を用いている。グラップルや油圧カッター等のアタッチメントが装着された油圧ショベル20により、排出現場から運搬されてきた農業用マルチ22をつかみとり、第2の空間16に供給する。排出現場から運搬されてきた農業用マルチ22の長さはまちまちであるため、農業用マルチ22を第2の空間16に供給する際には、油圧ショベル20のアタッチメントにより一次切断を同時に行えば本装置を用いた一連の処理が円滑に行えるため好適である。
【0019】
水槽10への水の供給は水供給手段30によりなされる。水源としては水道や地下水などを用いることができる。水槽10の内壁面(好ましくは、第2の空間16側の内壁面)に水深検出センサ(図示せず)を配設し、水深検出センサにより検出された水深情報に基づいて水供給手段30による給水量の制御を行う給水制御装置を設けても良い。
【0020】
水槽10に供給された農業用マルチ22と水は、第2の空間16の底部に配設された攪拌ポンプ40により流動および攪拌され、農業用マルチ22に付着した土などを洗浄する。攪拌ポンプ40は図示しない制御装置により出力がインバータ制御され、第2の空間16内において水と農業用マルチ22を図1に示す矢印方向の渦巻流で流動・攪拌させる。このように第2の空間16内で渦巻流を発生させることにより、農業用マルチ22の洗浄効果を向上させることができることに加え、第2の空間16内に供給された水と農業用マルチ22とを均一に分散させることができ、農業用マルチ22がグラインダポンプ50の吸水口54に吸引されやすくなる。
【0021】
また第2の空間16には、グラインダポンプ50が配設されている。グラインダポンプ50は、図2に示すように、第2の空間16内の水深方向に立設された支持柱52に上下動可能に取り付けられている。支持柱52は、第2の空間16内における水と農業用マルチ22の渦巻流を妨げない配置に配設されている。グラインダポンプ50は、水深検出センサにより検出された水深情報に基づいて第2の空間16内における高さ位置を調整する位置制御装置により自動的に第2の空間16内の水位に対するグラインダポンプ50の吸水位置(吸水口54の高さ位置)を調整することができる。このような位置制御装置は先に説明した吸水制御装置としても動作する制御装置とすれば好適である。
【0022】
本実施形態におけるグラインダポンプ50は、吸水口54の開口面が第2の空間16内の水面と直交する状態となるように(すなわち、吸水口54が水平方向を向くように)セットされている。図2に示すように、本実施形態においては吸水口54が完全に水中となり、第2の空間16の中間高さ位置となるようにグラインダポンプ50をセットしているが、吸水口54の一部が水面から露出するようにしてグラインダポンプ50をセットする形態や、グラインダポンプ50を第2の空間16の底部付近にセットすることももちろん可能である。
【0023】
第2の空間16内の水と農業用マルチ22が吸水口54からグラインダポンプ50に取り込まれ、内部のグラインダ部分で細かく切断された後に水と共に送水される。第2の空間16内で洗浄された農業用マルチ22は一次切断された長さ(1m程度が好ましい)から3〜10cm程度まで細分化された状態にすることができる。グラインダポンプ50は定期的または任意のタイミングにより、モータの回転を逆回転させる処理を行えば、グラインダポンプ50に対して吸水口54の前後(内外)部分においてかみこまれた農業用マルチ22を瞬時に開放(かみこみ状態を解除)することができる。
グラインダポンプ50に吸い込まれた水と農業用マルチ22は、メッシュ容器等の分離用器に供給される。これによりグラインダポンプ50により細分化され、水と共に圧送された農業用マルチ22と水とを分離させることができる。
【0024】
第2の空間16の底部には、農業用マルチ22を洗浄したことにより農業用マルチ22から除去された土砂や野菜くずなどが沈殿する。水槽10(第1の空間14)には水が常時供給されてはいるものの、沈殿物により第2の空間16における洗浄効果が薄れてしまうことを防ぐため、沈殿物を排出するための排出口18が配設されている。排出口18を定期的にまたは任意のタイミングで開き、第2の空間16に沈殿した土砂や野菜くずを図示しない水処理装置に排出することで、第2の空間16内における洗浄効果を常に所定のレベルに維持することができる。水処理装置において処理された水は、水槽10(第1の空間14)に循環させれば好都合である。
なお、排出口18から沈殿物を含む水を排出する際には排出口18に農業用マルチ22が詰まらないようにするため、水槽10(第2の空間16)内には農業用マルチ22が存在しない状態で行うのが好ましい。
【0025】
本実施形態によれば、土や野菜くず等が付着し、長尺体である農業用マルチ22をリサイクルする上で、洗浄処理と切断処理を同時に行うことができるため好都合である。特に、農業用マルチ22のリサイクルにおいて課題であった洗浄および細分化処理をきわめて効率的に行うことが可能になったため、低コストでのリサイクル処理が実現した。
【0026】
(第2実施形態)
図3は第2実施形態における第1実施形態の図2に該当する断面図である。本実施形態においては、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことにより詳細な説明を省略している。
本実施形態においては、図3に示されているとおり水槽10の形状が逆台形状をなした有底のすり鉢状に形成されている点が特徴的である。このような水槽10を採用することにより、水槽10内に渦流を発生させる際において必要な攪拌ポンプ40の出力を小さくすることができるため、さらに農業用マルチ22の洗浄・切断処理を低コストにより行うことができる点と、沈殿物を底部に集約させやすい点で第1実施形態に比較して優位である。本実施形態における水槽10には仕切板12は配設されておらず単槽構造に形成されている。
【0027】
また、本実施形態においては、グラインダポンプ50の吸水口54に対して高圧水を噴射する高圧水噴射装置60が配設されている。高圧水噴射装置60は、グラインダポンプ50の吸水口54が農業用マルチ22により閉塞(農業用マルチ22が吸引されず、水のみが吸引される状態を指す)されてしまった場合、強制的に農業用マルチ22を吸水口54に押し込んだり、吸水口54から取り除くことができるため、グライダポンプ50による農業用マルチ22の切断処理の効率を向上させることができる。また、樹脂廃棄物処理装置100を自動運転させることも可能になるため好都合である。
このような構成を採用する場合には、吸水口54の高さ位置は水槽10の水面位置と吸水口54の上端高さ位置が同程度であるか、吸水口54の一部が水面から露出する配置であることが好ましい。また、高圧水噴射装置60もまた、グラインダポンプ50と同様に、水槽10の水深に応じて昇降可能に配設されていることが好ましい。
【0028】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態における第1実施形態の図2に該当する断面図である。本実施形態においても、第1,2実施形態と同じ構成については同符号を付すことにより詳細な説明を省略している。
本実施形態においては、第1実施形態と同様の二槽式の水槽10の第2の空間16内に通過ポンプ70が配設され、通過ポンプ70の送水先とグラインダポンプ50の吸水口54とを直接連結している点が特徴的である。このような通過ポンプ70とグライダポンプ50とを連続させた構成を採用することにより、水槽10(第2の空間16)内における水と長尺体の農業用マルチ22とを強制的にグラインダポンプ50の吸水口54に圧送させることができるため、第2の空間16内の農業用マルチ22によりグラインダポンプ50の吸水口54が閉塞されてしまうことがなく、第1実施形態のように定期的又は任意のタイミングでグラインダポンプ50のモータを逆回転させたり、第2実施形態のように高圧水噴射装置60を配設し、グラインダポンプ50の吸水口54に高圧水を噴射することなく、グラインダポンプ50が連続的に農業用マルチ22を切断しながら圧送させることができ、樹脂廃棄物処理装置100の連続自動運転が可能である。
【0029】
以上に、本願発明について実施形態に基づいて詳細に説明してきたが、本願発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、以上の実施形態においては、水槽10に水を供給する際に第1の空間14供給された水を仕切板12から越流させることで第2の空間16に供給する形態について説明しているが、仕切板12の上端縁を鋸刃状の凹凸形状に形成し、鋸刃の凹部から第1の空間14と第2の空間16との水の流通を可能にし、第1の空間14と第2の空間16との水位差をなくした形態とすることもできる。この形態を採用することにより、第2の空間16において農業用マルチ22を洗浄することにより生じる洗浄水の上澄み部分を第1の空間14に流入させ、第1の空間14に配設した排出口から第1の空間14内の水を水処理装置に供給し、水処理装置で処理した処理水を再び第1の空間14に供給する形態とすることもできる。この場合、水供給手段30は第1の空間14の底部に、排水口は上部にそれぞれ配設すれば、第2の空間16から流入してきた汚れた水の希釈を最小限に抑えた状態で水処理装置に排出することができる。このようにすることで、第2の空間16内には常に農業用マルチ22が投入された状態とすることができる。
【0030】
樹脂廃棄物として、長尺シート体である農業用マルチ22を例示しているが、洗浄および細分化が要求される樹脂廃棄物(例えば、食品包装用樹脂フィルム等)であれば本願発明において好適に処理することができる。樹脂廃棄物の形態も農業用マルチ22のような長尺シート体に限定されるものでもないのはもちろんである。
【0031】
また、以上の実施形態においては、水槽10に供給する水は、水道水や地下水を例示しているが、グラインダポンプ50の送水先で農業用マルチ22と分離させた水(水槽10の上澄みの水ともいえる)を、そのまま、または必要に応じて図示しない水処理装置により浄水処理を行った後、再び水槽10(第1の空間14)に供給したり、排出口18から排出された水(沈殿物を含む水)を水処理装置により浄水処理を行った後、再び水槽10に供給すれば、樹脂廃棄物処理装置100で用いた水の大部分を循環させることができ、水の使用量を大幅に節約することができるため好都合である。
【0032】
また、第1実施形態および第2実施形態においては、グラインダポンプ50の吸水口54が水面と直交する状態で設置されている形態について説明しているが、吸水口54は任意の向きに調整できるように吸水口54とグラインダポンプ50の本体部とは回転可能な連結部に形成されていれば好都合である。
さらにまた、以上の実施形態においては、グラインダポンプ50は支持柱52に取り付けられた状態で水槽10(第2の空間16)内に昇降可能に配設されているが、支持柱52の配設を省略し、グラインダポンプ50を水槽10(第2の空間16)の上方側から昇降可能に吊下げた配置を採用することができる。このようなグラインダポンプ50の配置を採用することにより、水槽10(第2の空間16)内において、支持柱52への農業用マルチ22の絡みつきをより少なくすることができる。
【0033】
また、以上の実施形態においては、攪拌ポンプ40、グラインダポンプ50、通過ポンプ70がそれぞれ水槽10内に一台ずつ配設されている形態について説明しているが、水槽10の大きさや本樹脂廃棄物処理装置100に接続され、洗浄・切断した農業用マルチ22を引き続き処理するための他の処理装置の処理能力に応じてそれぞれまたはいずれかを複数台配設する形態を採用してもよい。
そして、以上に説明したすべての実施形態における構成のうち、それぞれの実施形態における任意の構成どうしを適宜組み合わせた別の実施形態とすることももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態にかかる樹脂廃棄物処理装置の平面図である。
【図2】図1内のA−A線における断面図である。
【図3】第2実施形態における第1実施形態の図2に該当する断面図である。
【図4】第3実施形態における第1実施形態の図2に該当する断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 水槽
12 仕切板
14 第1の空間
16 第2の空間
18 排出口
20 油圧ショベル
22 農業用マルチ
30 水供給手段
40 攪拌ポンプ
50 グラインダポンプ
52 支持柱
54 吸水口
60 高圧水噴射装置
70 通過ポンプ
100 樹脂廃棄物処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
前記水槽内に樹脂廃棄物を供給する樹脂廃棄物供給手段と、
前記水槽に水を供給する水供給手段と、
前記水槽内に配設され、前記樹脂廃棄物を前記水槽内の水と共に所定方向に流動させて前記水槽内を攪拌する攪拌機と、
前記水槽内に配設され、前記水槽内の樹脂廃棄物を水と共に切断しながら圧送するグラインダポンプと、を有し、
前記樹脂廃棄物の洗浄・切断・圧送を連続的に実行することを特徴とする樹脂廃棄物処理装置。
【請求項2】
前記グラインダポンプは、前記水槽の深さ方向に昇降可能に配設されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂廃棄物処理装置。
【請求項3】
前記グラインダポンプは、吸水口の開口面が水面と直交した状態で配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂廃棄物処理装置。
【請求項4】
前記水槽は、すり鉢状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の樹脂廃棄物処理装置。
【請求項5】
前記樹脂廃棄物は、長尺シート体であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の樹脂廃棄物処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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