説明

樹脂成形品及び樹脂成形品の加飾方法

【課題】 凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、外観上綺麗な仕上がりとすることのできる樹脂成形品の加飾方法を提供する。
【解決手段】 樹脂成形品11の被加飾部12に対して、平滑な版面22を有する第1版21を用いて第1スタンピングホイル25の箔26を転写する第1工程と、凹凸パターン29が形成された版面24を有する第2版23を用いて、前記第1工程で転写された第1スタンピングホイル25の箔26の上から、第2スタンピングホイル27の箔28を転写するとともに、前記第2版23の版面24の凹凸パターン29を刻印する第2工程と、を含むことを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品及び樹脂成形品の加飾方法に関し、特に、ホットスタンプを用いた樹脂成形品及び樹脂成形品の加飾方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図5に示すような化粧品容器の蓋等の樹脂成形品111に対して、口周り等の被加飾部112にスタンピングホイルの箔126の転写と、凹凸パターンの刻印とを行う加飾方法が知られている。従来の第1の加飾方法は、図6aに示すように、凹凸パターン129が形成された版面122を有する版121を用いて、スタンピングホイル125を樹脂成形品111の被加飾部112に加熱加圧し、図6bに示すように、スタンピングホイル125の箔126の転写を行うと同時に、被加飾部112を塑性変形させて凹凸パターン129を刻印する方法である。
【0003】
上記従来の第1の加飾方法では、版面122の凹凸パターン129の範囲(凹凸パターン129が形成されている部分の幅や長さ)が狭い場合や、凹凸パターン129の凹凸がなだらかな場合は、比較的良好に加飾を行うことができる。しかしながら、例えばローレットパターンのように、凹凸パターン129の範囲が広い場合や、凹凸パターン129の凹凸がシャープで深い場合には、樹脂成形品111に凹凸パターン129を刻印する際に、スタンピングホイル125の箔126が凹凸に追従できず、図6cに示すように、箔欠けやピンホール等の欠損部141が生じるという問題がある。
【0004】
その第1の原因としては、凹凸パターン129の範囲が広い場合や、凹凸パターン129の凹凸がシャープで深い場合には、凹凸パターン129がスタンピングホイル125を押さえ付けてしまい、加熱加圧すると凹凸の内側に対して側方からの箔126の供給がなくなり、特に箔126の伸びの大きい部分で箔126が切れてしまう、ということが考えられる。
【0005】
また、第2の原因としては、凹凸パターン129が形成された版面122で、スタンピングホイル125を被加飾部112に押し下げると、この段階で、版面122の凹凸によりスタンピングホイル125表面に当たる部分と当たらない部分に圧力の差が発生する、ということが考えられる。圧力の差が発生すると、平面のスタンピングホイル125に皺等が発生し易くなる。例えば皺が発生した部分では、スタンピングホイル125の接着剤層が被加飾部112に付かない部分が生じ、箔126が転写されない部分が生じることとなる。
【0006】
一方、従来の第2の加飾方法は、まず、被加飾部分にスタンピングホイルの箔の転写を行い、続いて、転写部分の上から凹凸パターンの刻印を行うものである(図示省略)。しかしながら、この方法の場合、凹凸パターンの刻印時に、先に転写された箔に版面が直接当接し、箔が剥がされる問題がある。
【0007】
このため、従来の第3の加飾方法として、図7に示すように、まず、平滑な版面を有する版を用いて、スタンピングホイルを樹脂成形品111の被加飾部112に加熱加圧し、スタンピングホイルの箔126の転写を行い、次に、図7a、図7bに示すように、被加飾部112と凹凸パターン129の版面との間に熱伝導性の良いフィルム130を介在させ、この状態で、被加飾部112を塑性変形させて凹凸パターン129を刻印する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
上記従来の第3の加飾方法では、版面122の凹凸パターン129の範囲が狭い場合や、凹凸パターン129の凹凸がなだらかな場合は、比較的良好に加飾を行うことができ、また、凹凸パターン129の刻印時に、先に転写された箔126に版面122が直接当接することが防止され、箔126が剥がされることも回避できる。
【0009】
しかしながら、従来の第3の加飾方法では、凹凸パターン129の範囲が広い場合や、凹凸パターン129の凹凸がシャープで深い場合には、図7cに示すように、箔欠けやピンホール等の欠損部141が生じるという問題がある。この原因としては、樹脂成形品111に凹凸パターン129を刻印する際に、先に転写された箔126が凹凸の変化に追従できず、箔126が伸びて切れてしまう、ということが考えられる。
【特許文献1】特公昭61−47710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであって、被加飾部にスタンピングホイルの箔の転写と、凹凸パターンの刻印とを行う樹脂成形品及び樹脂成形品の加飾方法において、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることのできる、樹脂成形品及び樹脂成形品の加飾方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、第1の発明においては、
樹脂成形品の被加飾部に対して、平滑な版面を有する第1版を用いて第1スタンピングホイルの箔を転写する第1工程と、
凹凸パターンが形成された版面を有する第2版を用いて、前記第1工程で転写された第1スタンピングホイルの箔の上から、第2スタンピングホイルの箔を転写するとともに、前記第2版の版面の凹凸パターンを刻印する第2工程と、
を含むことを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0013】
第2の発明においては、第1の発明において、
前記第1工程の前に、樹脂成形品の被加飾部に対して、平滑な版面を有する第3版を用いて第3スタンピングホイルの箔を転写し、又は凹凸パターンが形成された版面を有する第3版を用いて、第3スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第3工程を行い、前記第3工程で転写された箔の上に、前記第1スタンピングホイルの箔を転写する前記第1工程を行うことを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0014】
第3の発明においては、第1又は第2の発明において、
前記第1工程と前記第2工程の間に、前記第1工程で転写された第1スタンピングホイルの箔の上から、平滑な版面を有する第4版を用いて第4スタンピングホイルの箔を転写し、又は凹凸パターンが形成された版面を有する第4版を用いて、第4スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第4工程を行い、前記第4工程で転写された箔の上に、前記第2スタンピングホイルの箔を転写する前記第2工程を行うことを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0015】
第4の発明においては、第1から第3のいずれかの発明において、
前記第2工程の後に、前記第2工程で転写された第2スタンピングホイルの箔の上から、平滑な版面を有する第5版を用いて第5スタンピングホイルの箔を転写し、又は凹凸パターンが形成された版面を有する第5版を用いて、第5スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第5工程を行うことを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0016】
第5の発明においては、第1から第4のいずれかの発明において、
最も外側に転写するスタンピングホイルの箔は、その内側に転写するスタンピングホイルの箔の欠損部をマスキングする色目、色調であることを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0017】
第6の発明においては、第1から第5のいずれかの発明において、
最も外側に転写するスタンピングホイルの箔は、その内側に転写するスタンピングホイルの箔と同色であることを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0018】
第7の発明においては、第1から第6のいずれかの発明において、
前工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部より内側に、後工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部が形成されることを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0019】
第8の発明においては、第1から第7のいずれかの発明において、
平滑な版面を有する版を用いてスタンピングホイルの箔を第1加圧時間で転写し、凹凸パターンが形成された版面を有する版を用いて、第2加圧時間でスタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印し、前記第2加圧時間は、第1加圧時間より長い時間であることを特徴とする樹脂成形品の加飾方法とする。
【0020】
第9の発明においては、
樹脂成形品の被加飾部に、凹凸パターンが刻印されているとともに、前記凹凸パターン上にスタンピングホイルの箔が重ねて転写されていることを特徴とする樹脂成形品とする。
【0021】
第10の発明においては、第9の発明において、
最も外側に転写されたスタンピングホイルの箔は、その内側に転写されたスタンピングホイルの箔の欠損部をマスキングする色目、色調であることを特徴とする樹脂成形品とする。
【0022】
第11の発明においては、第9又は第10の発明において、
最も外側に転写されたスタンピングホイルの箔は、その内側に転写されたスタンピングホイルの箔と同色であることを特徴とする樹脂成形品とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0024】
第1の発明によれば、樹脂成形品の被加飾部には、第1工程において、樹脂成形品の加飾部に平滑な版面を有する第1版を用いて転写された第1スタンピングホイルの箔が下地として第1層を形成しており、その上の外側には、第2工程において、凹凸パターンが形成された版面を有する第2版を用いて転写された第2スタンピングホイルの箔が第2層を形成している。このため、第2層の箔に、箔欠けやピンホール等が生じても、箔欠けやピンホール部分の下から第1層の箔が見えることとなる。従って、第2層の箔の欠損部から、樹脂成形品の生地が露出等することが防止され、外観上綺麗な仕上がりとなる。
また、第2工程で凹凸パターンが転写される際に、第1層の箔が伸びて箔欠けやピンホール等が生じても、第2層の箔が第1層の箔欠けやピンホール等をマスキングするため、第1層の箔の欠損部から、樹脂成形品の生地が露出等することが防止され、外観上綺麗な仕上がりとなる。
尚、第1層の箔の欠損部と、第2層の箔の欠損部とが重なる可能性はある。しかしながら、第2層の箔に欠損部が発生する原因は、版面の凹凸パターンによって、第2スタンピングホイルに皺等が発生し易くなり、この皺等の部分において、第2スタンピングホイルの接着剤層が被加飾部に付かない部分が生じ、その結果、第2層の箔に転写されない部分が生じることであると考えられる。一方、第1層の箔に欠損部が発生する原因は、第2工程において、樹脂成形品に凹凸パターンを刻印する際に、第1層の箔が凹凸の変化に追従できず、箔が伸びて切れてしまうことであると考えられる。ここで、第2層の欠損部となる第2スタンピングホイルの皺等の部分は、第2スタンピングホイルが重なっている部分であり、この部分では、第2版面の熱も凹凸パターンの凹凸形状も比較的、樹脂成形品に伝わりにくくなり、被加飾部の樹脂の伸びも小さくなることが考えられる。このため、第2層の欠損部となる皺等の部分においては、第1層の箔が伸びにくく、第1層の箔に欠損部が発生しにくくなる。従って、第1層の箔の欠損部と、第2層の箔の欠損部とが重なる可能性は非常に低くなり、外観上綺麗な仕上がりが確保される。
よって、第1の発明によれば、被加飾部にスタンピングホイルの箔の転写と、凹凸パターンの刻印とを行う樹脂成形品の加飾方法において、第1工程による下地の第1層と、第2工程による外側の第2層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
【0025】
第2の発明によれば、第3工程、第1工程による下地の層と、第2工程による外側の層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
また、第3工程と第1工程による箔に、第2工程による箔を組み合わせることができるため、樹脂形成品の加飾部の意匠性を多様化させることができる。
【0026】
第3の発明によれば、第1工程、第4工程による下地の層と、第2工程による外側の層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
また、第1工程と第4工程による箔に、第2工程による箔を組み合わせることができるため、樹脂形成品の加飾部の意匠性を多様化させることができる。
【0027】
第4の発明によれば、第1工程、第2工程による下地の層と、第5工程による外側の層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
また、第1工程と第2工程による箔に、第5工程による箔を組み合わせることができるため、樹脂形成品の加飾部の意匠性を多様化させることができる。
【0028】
第5の発明によれば、最も外側に転写するスタンピングホイルの箔は、その内側に転写するスタンピングホイルの箔の欠損部をマスキングする色目、色調である。このため、内側のスタンピングホイルの箔の欠損部が外側のスタンピングホイルの箔によってマスキングされるため、外観上より綺麗な仕上がりとすることができるだけでなく、意匠性を更に向上させることができる。
【0029】
第6の発明によれば、最も外側に転写するスタンピングホイルの箔は、その内側に転写するスタンピングホイルの箔と同色である。このため、内側の箔が外側の箔の欠損部から見えた場合に、内側と外側の区別がつきにくく、内側と外側とが同化して見えるため、外観上より綺麗な仕上がりとすることができるだけでなく、意匠性を更に向上させることができる。
【0030】
第7の発明によれば、前工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部より内側に、後工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部が形成される。下地として前工程で転写されるスタンピングホイル箔の周縁部より内側に、後工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部が形成されるため、後工程で転写される箔の段差が目立たなくなり、外観上より綺麗な仕上がりとすることができる。
【0031】
第8の発明によれば、平滑な版面を有する版を用いてスタンピングホイルの箔を第1加圧時間で転写し、凹凸パターンが形成された版面を有する版を用いて、第2加圧時間でスタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印し、前記第2加圧時間は、第1加圧時間より長い時間であることとした。これにより、凹凸パターンが形成された版面を有する版によって、樹脂成形品に凹凸パターンを確実に形成できるとともに、平滑な版面を有する版を用いてスタンピングホイルの箔を転写するのに要する時間を短縮することができ、トータルの加工時間を短縮することができる。
【0032】
第9の発明によれば、樹脂成形品の被加飾部に、凹凸パターンが刻印されているとともに、凹凸パターン上にスタンピングホイルの箔が重ねて転写されている。このため、下地の層と、外側の層とが加工時に発生した欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
【0033】
第10の発明によれば、最も外側に転写されたスタンピングホイルの箔は、その内側に転写されたスタンピングホイルの箔の欠損部をマスキングする色目、色調である。このため、内側のスタンピングホイルの箔の欠損部が外側のスタンピングホイルの箔によってマスキングされるため、外観上より綺麗な仕上がりとすることができる。
【0034】
第11の発明によれば、最も外側に転写されたスタンピングホイルの箔は、その内側に転写されたスタンピングホイルの箔と同色である。このため、内側の箔が外側の箔の欠損部から見えた場合に、内側と外側の区別がつきにくく、内側と外側とが同化して見えるため、外観上より綺麗な仕上がりとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【実施例1】
【0036】
本発明の実施例1に係る樹脂成形品11の加飾方法について、図1から図4を用いて説明する。以下の説明では、樹脂成形品11としての化粧品容器の蓋(図5の樹脂成形品111参照)に加飾する場合について説明し、特に被加飾部12としての蓋の口周りに、一定幅の箔26、28を転写するとともに、凹凸パターン29の刻印を行う場合について説明する。ここで、凹凸パターン29は、凹凸パターン29の範囲(凹凸パターン29が形成されている部分の幅や長さ)が広いものであり、また、凹凸パターン29の凹凸がシャープで深いものである。凹凸パターン29の形態は特に限定されないが、例えばローレットパターンである。尚、樹脂成形品11としての化粧品容器の蓋は、熱可塑性合成樹脂で形成されており、耐薬品性を備えたポリプロピレン素材で形成されている。その他使用可能な素材としては、使用目的や使用状態に応じて、スチレン系やスチロール系等の熱可塑性合成樹脂素材を用いることができる。
【0037】
まず、本発明の加飾方法の実施に用いる、従来公知のホットスタンプ加工装置31について、図1、図2を用いて簡単に説明する。ホットスタンプ加工装置31は、台座32、支持部33、昇降装置34、熱板35、第1版21、第2版23、供給装置36等を備えている。
【0038】
台座32は、樹脂成形品11が載置される部分であり、台座32上には、樹脂成形品11を支持及び移動させる支持部33が設けられている。支持部33は、略円筒形状である化粧品容器の蓋を、スタンピングホイル25、27の箔26、28が転写される被加飾部12が上方となるように支持しており、スタンピングホイル25、27の箔26、28の転写中は、図2に示すように、化粧品容器の蓋を等速でゆっくり図示時計回りに回転させながら、図示右端から図示左端まで移動させるものである。昇降装置34は、第1版21又は第2版23を樹脂成形品11に対して圧接させるものであり、流体圧シリンダや他の駆動装置によって昇降自在である。熱板35は昇降装置34に装着されており、第1版21又は第2版23を加熱するものである。熱板35の加熱手段としては、超音波発生手段や高周波発生手段等が用いられる。
【0039】
第1版21及び第2版23は、熱板35に装着されてスタンピングホイル25、27を樹脂成形品11の被加飾部12に対して加熱加圧するものである。第1版21は、平滑な版面22を有しており、第2版23は、凹凸パターン29が形成された版面24を有している。版面22、24の幅は、第1スタンピングホイル25の箔26又は第2スタンピングホイル27の箔28を転写する幅に対応している。版面22、24の幅は、同一でもよく、あるいは、第1版21の版面22より第2版23の版面24の幅をやや狭くしてもよい。各版面22、24の長さは、化粧品容器の蓋の側面にある被加飾部12上を少なくとも1周以上押圧できるよう、被加飾部12の周長よりやや長く形成されている。供給装置36は、被加飾部12と版面22又は版面24との間に第1スタンピングホイル25又は第2スタンピングホイル27を供給するものであり、図示左側に第1スタンピングホイル25又は第2スタンピングホイル27の供給リール37が設けられ、図示右側に転写後のスタンピングホイル25、27を巻き取る巻取リール38が設けられる。また、転写中にスタンピングホイル25、27を案内するためのガイドローラ39が熱板35の両側部に設けられている。
【0040】
次に、樹脂成形品の加飾方法に用いる第1スタンピングホイル25及び第2スタンピングホイル27について説明する。第1スタンピングホイル25及び第2スタンピングホイル27は従来公知のものであり、ポリエステルフィルムであるベースフィルムに対して、離型処理塗膜層、金色等の色彩を出す着色塗膜層、金属感を出す金属蒸着膜層、及び接着塗膜層が順に形成されている。転写する際には、接着塗膜層を被加飾部12に接触させてベースフィルム側から加熱加圧して、着色塗膜層、金属蒸着膜層、接着塗膜層が転写されて箔26、28となる。尚、本実施例では、第1工程で用いる第1スタンピングホイル25と、第2工程で用いる第2スタンピングホイル27は同色のものを用いている。また、スタンピングホイルは金属蒸着膜が形成されたものに限定されず、金属蒸着膜のないスタンピングホイルなど、種々の公知のスタンピングホイルを用いることができる。
【0041】
続いて、本実施例に係る樹脂成形品の加飾方法の第1工程について説明する。第1工程は、樹脂成形品11の被加飾部12に対して、平滑な版面22を有する第1版21を用いて第1スタンピングホイル25の箔26を転写する工程である。図1を参照して、熱板35に第1版21を装着し、供給装置36に第1スタンピングホイル25を装着して第1工程を開始する。第1工程を開始すると、図2に示すように、昇降装置34が下降し、第1版21が第1スタンピングホイル25を樹脂成形品11である化粧品容器の蓋の被加飾部12に加熱加圧する。この状態で支持部33が図示左方に移動しながら、化粧品容器の蓋が図示時計回りに回転することにより、被加飾部12に第1層の箔26が転写される。
【0042】
尚、第1工程では、第1版21の温度は、第1スタンピングホイル25の転写に適した温度とし、例えば、摂氏200度から220度とする。また、第1工程では転写の速度、すなわち支持部33の移動速度は毎秒50mmから60mmとする。従って、第1工程に要する時間は、この速度で被加飾部12に転写するのに要する第1加圧時間となる。
【0043】
第1工程で転写された第1層の箔26について、図3に示す簡略図で説明すると、第1工程では、平滑な版面22を有する第1版21を用いて第1スタンピングホイル25の箔26を転写するため(図3a)、被加飾部12には平滑な第1層の箔26が転写された状態となる(図3b)。
【0044】
次に、樹脂成形品の加飾方法の第2工程について説明する。第2工程は、凹凸パターン29が形成された版面24を有する第2版23を用いて、第1工程で転写された第1スタンピングホイル25の箔26の上から、第2スタンピングホイル27の箔28を転写するとともに、第2版23の版面24の凹凸パターン29を刻印する工程である。図1を参照して、熱板35に第2版23を装着し、供給装置36に第2スタンピングホイル27を装着して第2工程を開始する。第2工程を開始すると、第1工程と同様に、図2に示すように、昇降装置34が下降し、第2版23が第2スタンピングホイル27を樹脂成形品11である化粧品容器の蓋の被加飾部12に加熱加圧する。この状態で支持部33が図示左方に移動しながら、化粧品容器の蓋が図示時計回りに回転することにより、被加飾部12に第2層の箔28が転写される。
【0045】
尚、第2工程では、第2版23の温度は、第2スタンピングホイル27の転写と、凹凸パターン29の刻印に適した温度とし、例えば、摂氏210度とする。また、第2工程では転写の速度、すなわち支持部33の移動速度は毎秒5mmから10mmとする。このように第2工程の移動速度を第1工程より大幅に遅くするのは、樹脂成形品11を充分加熱して軟化させた状態で凹凸パターン29を刻印するためである。従って、第2工程に要する時間は、この速度で被加飾部12に凹凸パターン29を刻印するのに要する第2加圧時間となる。
【0046】
第2工程で転写された第2層の箔28について、図4に示す簡略図で説明すると、第2工程では、凹凸パターン29が形成された版面24を有する第2版23を用いて、第1工程で転写された第1スタンピングホイル25の箔26の上から、第2スタンピングホイル27の箔28を転写するとともに、第2版23の版面24の凹凸パターン29を刻印するため(図4a)、被加飾部12には凹凸パターン29が刻印された第1層の箔26が下地として転写され、その上の外側に第2層の箔28が転写された状態となる(図4b)。
【0047】
ここで、図4cでは、第2層の箔28に、箔欠けやピンホール等の欠損部42が生じている。しかしながら、第2層の欠損部42の下から第1層の箔26が見えることとなる。従って、第2層の箔28の欠損部42から、樹脂成形品11の生地が露出等することが防止され、外観上綺麗な仕上がりとなっている。
【0048】
また、図4dでは、第2工程で凹凸パターン29が転写される際に、第1層の箔26が伸びて箔欠けやピンホール等の欠損部41が生じている。しかしながら、第2層の箔28が第1層の箔欠けやピンホール等の欠損部41をマスキングするため、第1層の箔26の欠損部41から、樹脂成形品11の生地が露出等することが防止され、外観上綺麗な仕上がりとなっている。
【0049】
尚、第1層の箔26の欠損部41と、第2層の箔28の欠損部42とが重なる可能性はある。しかしながら、第2層の箔28に欠損部42が発生する原因は、版面24の凹凸パターン29によって、第2スタンピングホイル27に皺等が発生し易くなり、この皺等の部分において、第2スタンピングホイル27の接着剤層が被加飾部12に付かない部分が生じ、その結果、第2層の箔28に転写されない部分が生じることであると考えられる。一方、第1層の箔26に欠損部41が発生する原因は、第2工程において、樹脂成形品11に凹凸パターン29を刻印する際に、第1層の箔26が凹凸の変化に追従できず、箔26が伸びて切れてしまうことであると考えられる。ここで、第2層の欠損部42となる第2スタンピングホイル27の皺等の部分は、第2スタンピングホイル27が重なっている部分であり、この部分では、第2版23の版面24の熱も凹凸パターン29の凹凸形状も比較的、樹脂成形品11に伝わりにくくなり、被加飾部12の樹脂の伸びも小さくなることが考えられる。このため、第2層の欠損部42となる皺等の部分においては、第1層の箔26が伸びにくく、第1層の箔26に欠損部41が発生しにくくなる。従って、第1層の箔26の欠損部41と、第2層の箔28の欠損部42とが重なる可能性は、非常に低くなり、外観上綺麗な仕上がりが確保される。
よって、第1工程による下地の第1層である箔26と、第2工程による外側の第2層である箔28が、それぞれの欠損部41、42を相互に補い合うため、凹凸パターン29の範囲が広い場合や、凹凸パターン29の凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイル25、27の箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
【0050】
また、第1スタンピングホイル25の箔26が下地として第1層を形成しており、その上の外側には、第2スタンピングホイル27の箔28が第2層を形成しており、第1工程で転写する第1スタンピングホイル25と、第2工程で転写する第2スタンピングホイル27とが、同色である。このため、下地の第1層が外側の第2層の欠損部42から見えた場合に、第1層と第2層の区別がつきにくく、同化するため、外観上より綺麗な仕上がりとなっている。
【0051】
また、第1版21の版面22より第2版23の版面24の幅をやや狭くすることにより、下地としての第1層の箔26の周縁部より内側に、その上の第2層の箔28の周縁部が形成されるようにした場合、第2工程で凹凸パターン29の刻印を行った場合に生じる、その周囲の段差が目立たなくなり、外観上より綺麗な仕上がりとなる。
【0052】
第1スタンピングホイル25の箔26を第1加圧時間で転写し、第2スタンピングホイル27の箔28を第2加圧時間で転写し、第2加圧時間は、第1加圧時間より長い時間としている。これにより、第2工程において、樹脂成形品11に凹凸パターン29を確実に形成できるとともに、第1工程に要する時間を短縮することができ、第1工程と第2工程に要するトータルの加工時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0053】
次に、本発明の実施例2に係る樹脂成形品11の加飾方法について説明する。実施例2では、第1工程の前に第3工程を行う点が実施例1と大きく異なっている。実施例1と同一の構成については同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0054】
実施例2では、第1工程の前に、樹脂成形品11の被加飾部12に対して、平滑な版面を有する第3版を用いて第3スタンピングホイルの箔を転写する第3工程を行い、第3工程で転写された箔の上に、第1スタンピングホイル25の箔26を転写する第1工程を行う。
【0055】
実施例2によれば、第3工程、第1工程による下地の層と、第2工程による外側の層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
また、第3工程と第1工程による箔に、第2工程による箔を組み合わせることができるため、樹脂形成品の加飾部の意匠性を多様化させることができる。
【0056】
尚、第3工程で用いる第3版は、凹凸パターンが形成された版面を有するものでもよく、第3工程において、第3版を用いて、第3スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印するようにしてもよい。
【実施例3】
【0057】
本発明の実施例3に係る樹脂成形品11の加飾方法について説明する。実施例3では、第1工程と第2工程の間に第4工程を行う点が実施例1と大きく異なっている。実施例1と同一の構成については同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0058】
実施例3では、第1工程と第2工程の間に、第1工程で転写された第1スタンピングホイル25の箔26の上から、平滑な版面を有する第4版を用いて第4スタンピングホイルの箔を転写する第4工程を行い、第4工程で転写された箔の上に、第2スタンピングホイル27の箔28を転写する第2工程を行う。
【0059】
実施例3によれば、第1工程、第4工程による下地の層と、第2工程による外側の層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
また、第1工程と第4工程による箔に、第2工程による箔を組み合わせることができるため、樹脂形成品の加飾部の意匠性を多様化させることができる。
【0060】
尚、第4工程で用いる第4版は、凹凸パターンが形成された版面を有するものでもよく、第4工程において、第4版を用いて、第4スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印するようにしてもよい。
【実施例4】
【0061】
本発明の実施例4に係る樹脂成形品11の加飾方法について説明する。実施例4では、第2工程の後に第5工程を行う点が実施例1と大きく異なっている。実施例1と同一の構成については同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0062】
実施例4では、第2工程の後に、第2工程で転写された第2スタンピングホイル27の箔28の上から、凹凸パターンが形成された版面を有する第5版を用いて、第5スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第5工程を行う。
【0063】
実施例4によれば、第1工程、第2工程による下地の層と、第5工程による外側の層が欠損部を相互に補い合うため、凹凸パターンの範囲が広い場合や、凹凸パターンの凹凸がシャープで深い場合であっても、スタンピングホイルの箔欠けやピンホール等の欠損部が生じにくく、外観上綺麗な仕上がりとすることができる。
また、第1工程と第2工程による箔に、第5工程による箔を組み合わせることができるため、樹脂形成品の加飾部の意匠性を多様化させることができる。
【0064】
尚、第5工程で用いる第5版は、平滑な版面を有するものを用いてもよく、第5工程において、第5版を用いて第5スタンピングホイルの箔を転写するようにしてもよい。
【0065】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、以下のように変更することができる。
【0066】
各工程に用いられる版の版面の幅は、略同一でもよく、あるいは、前工程の版の版面より、後工程の版の版面の幅を狭くしてもよい。各工程の版の版面の幅を略同一にした場合は、前工程の箔の略全ての面に後工程の箔が転写されるとともに、凹凸パターンが形成されることとなり、凹凸パターンを広い範囲に形成することができる。また、後工程の版の版面の幅を前工程の版の版面より狭くした場合は、前工程の箔の一部に後工程の箔が転写され、外観上綺麗な仕上がりの凹凸パターンが形成されることとなり、樹脂形成品11の加飾部12の意匠性を多様化させることができる。
【0067】
本実施例1では、樹脂成形品11の加飾方法に用いた第1スタンピングホイル25と第2スタンピングホイル27は同色としたが、これに限定されず、樹脂成形品11の加飾方法や樹脂成形品11に対して、第1スタンピングホイル25と第2スタンピングホイル27とで異なる色のスタンピングホイルを組み合わせて用いてもよい。例えば、第2スタンピングホイル27が第1スタンピングホイル25の箔欠けやピンホール等をマスキングする色目、色調であれば、第1層の箔26の欠損部から、樹脂成形品11の生地が露出等することが防止され、外観上綺麗な仕上がりとなる。
【0068】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記の実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】ホットスタンプ加工装置31の正面簡略図。
【図2】ホットスタンプ加工装置31の正面簡略図。
【図3】本発明の実施例1に係る樹脂成形品の加飾方法の第1工程を示す簡略図。
【図4】本発明の実施例1に係る樹脂成形品の加飾方法の第2工程を示す簡略図。
【図5】化粧品容器の蓋の斜視図。
【図6】従来の第1の加飾方法を示す正面簡略図。
【図7】従来の第2の加飾方法を示す正面簡略図。
【符号の説明】
【0070】
11 樹脂成形品
12 被加飾部
21 第1版
22 第1版の版面
23 第2版
24 第2版の版面
25 第1スタンピングホイル
26 第1スタンピングホイルの箔
27 第2スタンピングホイル
28 第2スタンピングホイルの箔
29 凹凸パターン
31 ホットスタンプ加工装置
32 台座
33 支持部
34 昇降装置
35 熱板
36 供給装置
37 供給リール
38 巻取リール
39 ガイドローラ
41 第1層の欠損部
42 第2層の欠損部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形品の被加飾部に対して、平滑な版面を有する第1版を用いて第1スタンピングホイルの箔を転写する第1工程と、
凹凸パターンが形成された版面を有する第2版を用いて、前記第1工程で転写された第1スタンピングホイルの箔の上から、第2スタンピングホイルの箔を転写するとともに、前記第2版の版面の凹凸パターンを刻印する第2工程と、
を含むことを特徴とする樹脂成形品の加飾方法。
【請求項2】
前記第1工程の前に、樹脂成形品の被加飾部に対して、平滑な版面を有する第3版を用いて第3スタンピングホイルの箔を転写し、又は凹凸パターンが形成された版面を有する第3版を用いて、第3スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第3工程を行い、前記第3工程で転写された箔の上に、前記第1スタンピングホイルの箔を転写する前記第1工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項3】
前記第1工程と前記第2工程の間に、前記第1工程で転写された第1スタンピングホイルの箔の上から、平滑な版面を有する第4版を用いて第4スタンピングホイルの箔を転写し、又は凹凸パターンが形成された版面を有する第4版を用いて、第4スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第4工程を行い、前記第4工程で転写された箔の上に、前記第2スタンピングホイルの箔を転写する前記第2工程を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項4】
前記第2工程の後に、前記第2工程で転写された第2スタンピングホイルの箔の上から、平滑な版面を有する第5版を用いて第5スタンピングホイルの箔を転写し、又は凹凸パターンが形成された版面を有する第5版を用いて、第5スタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印する第5工程を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項5】
最も外側に転写するスタンピングホイルの箔は、その内側に転写するスタンピングホイルの箔の欠損部をマスキングする色目、色調であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項6】
最も外側に転写するスタンピングホイルの箔は、その内側に転写するスタンピングホイルの箔と同色であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項7】
前工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部より内側に、後工程で転写されるスタンピングホイルの箔の周縁部が形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項8】
平滑な版面を有する版を用いてスタンピングホイルの箔を第1加圧時間で転写し、凹凸パターンが形成された版面を有する版を用いて、第2加圧時間でスタンピングホイルの箔を転写するとともに凹凸パターンを刻印し、前記第2加圧時間は、第1加圧時間より長い時間であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の樹脂成形品の加飾方法。
【請求項9】
樹脂成形品の被加飾部に、凹凸パターンが刻印されているとともに、前記凹凸パターン上にスタンピングホイルの箔が重ねて転写されていることを特徴とする樹脂成形品。
【請求項10】
最も外側に転写されたスタンピングホイルの箔は、その内側に転写されたスタンピングホイルの箔の欠損部をマスキングする色目、色調であることを特徴とする請求項9に記載の樹脂成形品。
【請求項11】
最も外側に転写されたスタンピングホイルの箔は、その内側に転写されたスタンピングホイルの箔と同色であることを特徴とする請求項9又は10のいずれか1項に記載の樹脂成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−137158(P2009−137158A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315833(P2007−315833)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(398000428)株式会社ハタ (3)
【Fターム(参考)】