説明

樹脂組成物、半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】中空パッケージからなる半導体装置において、中空パッケージのキャビティ形状を保持しつつ、信頼性の向上を図る。
【解決手段】樹脂組成物は、半導体装置100の樹脂部材10に用いられ、熱硬化性樹脂と、溶剤と、光硬化性樹脂と、を有し、前記溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδが0.1以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の樹脂部材に用いられる樹脂組成物、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に設けられた受光素子等の半導体素子を封止する技術として、中空パッケージが知られている。中空パッケージとは、2つの基材、および当該2つの基材間を接着する樹脂部材によって囲まれた空間内に半導体素子を配置して構成されるものである。中空パッケージに関する技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、半導体基板上にスピンコートによって接着層を形成する中空パッケージに関するものである。具体的には、半導体基板上に第1の接着層をスピンコートによって形成した後、半導体基板の外周部に位置する第1の接着層を除去し、さらに半導体基板の外周部にスピンコートによって第2の接着層を設けるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−118029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の基材上に設けられた樹脂部材を介して、第1の基材と第2の基材とを接着してなる中空パッケージの製造において、第1の基材上に設けられた樹脂部材の一部が盛り上がることにより、樹脂部材が平坦に形成されない場合がある。この場合、第2の基材と樹脂部材との間の密着性が十分に得られず、半導体装置の信頼性を低下させてしまう。一方、第2の基材と樹脂部材との間の密着性を得るために、樹脂部材の盛り上がり部分を押しつぶすと、樹脂部材の形状が崩れてしまい、中空パッケージのキャビティ形状を保持することができない。
【0006】
本発明は、中空パッケージからなる半導体装置において、中空パッケージのキャビティ形状を保持しつつ、信頼性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、第1基材と、
前記第1基材上に設けられた第2基材と、
前記第1基材および前記第2基材との間に介在する樹脂部材と、
前記第1基材、前記第2基材および前記樹脂部材によって囲まれた空間に配置された半導体素子と、
を備える半導体装置の前記樹脂部材に用いられる樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、
光硬化性樹脂と、
溶剤と、
を有し、
前記溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδが0.1以上である樹脂組成物が提供される。
【0008】
本発明によれば、上記の樹脂組成物を用いて形成された半導体装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、半導体素子を有する第1基材上に熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および溶剤を含む樹脂組成物をスピンコートし、かつ前記樹脂組成物を乾燥して、前記第1基材上に樹脂部材を形成する工程と、前記樹脂部材を、365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化する工程と、前記樹脂部材を介して、前記第1基材上に第2基材を圧着させる工程と、を備え、前記樹脂部材を形成する工程において、前記樹脂部材は、前記第1基材の端部上において他の部分よりも厚く形成され、前記第1基材上に前記第2基材を圧着させる工程において、前記樹脂部材のうち前記第1基材の端部上において厚く形成された部分を前記第2基材で押しつぶし、前記樹脂組成物は、前記溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδが0.1以上である半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、中空パッケージからなる半導体装置において、中空パッケージのキャビティ形状を保持しつつ、信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】図1に示す半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】図1に示す半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1に示す半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本実施形態に係る半導体装置を実装基板上に実装した場合を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る半導体装置100を示す断面図である。半導体装置100は、基材20と、基材22と、樹脂部材10と、半導体素子30と、を備えている。基材22は、基材20上に設けられている。樹脂部材10は、基材20と基材22との間に介在している。半導体素子30は、基材20、基材22および樹脂部材10によって囲まれたキャビティ40内に配置されている。半導体装置100は、例えば固体撮像装置を構成する。
【0014】
樹脂部材10に用いられる樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、光硬化性樹脂と、溶剤と、を有する。また、樹脂部材10に用いられる樹脂組成物は、溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率(G')が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδ(損失正接、G''/G')が0.1以上である。以下、半導体装置100の構成について、詳細に説明する。
【0015】
基材20は、例えばシリコンからなる。基材22は、例えばアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、またはガラス基板等からなり、透明基板を構成する。
【0016】
半導体素子30は、例えばCCD(Charge Coupled Device)、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)といった受光素子である。半導体素子30が受光素子である場合、半導体素子30の下面、すなわち、基材20には、図示しない光電変換部が形成されており、半導体素子30で受光した光が電気信号に変換されることとなる。
【0017】
樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、溶剤を有している。樹脂部材10は、基材20上に溶剤を含む当該樹脂組成物をスピンコートし、かつ当該樹脂組成物の溶剤を乾燥することにより形成される。
樹脂組成物の溶剤を乾燥する前の状態において、溶剤の含有量は、樹脂組成物の5〜90重量%であることが好ましい。また、溶剤の沸点は、例えば40〜200℃である。
溶剤としては、特に限定されないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−ノルマル−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ノルマル−ブチル、酢酸ノルマル−プロピル、酢酸ノルマル−ペンチル、酢酸メチル、シクロヘキサノール、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ノルマルヘキサン、1−ブタノール、2−ブタノール、メタノール、メチルシクロヘキサノール、メチル−ノルマル−ブチルケトン、γ―ブチロラクトン、N―メチルピロリドン等が挙げられる。
【0018】
樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を有している。熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物のうち溶剤を除く成分全体の10〜50重量%が好ましく、20〜40重量%が特に好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が10重量%未満であると、耐熱性を向上する効果が低下する場合がある。また、熱硬化性樹脂の含有率が50重量%を超えると、樹脂部材10の靭性を向上させる効果が低下する場合がある。
【0019】
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、エポキシ変性シロキサン等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。これらの中でもエポキシ樹脂が特に好ましい。これにより、耐熱性および密着性をより向上することができる。
【0020】
また、エポキシ樹脂として室温で固形のエポキシ樹脂(特にビスフェノール型エポキシ樹脂)と、室温で液状のエポキシ樹脂(特に室温で液状のシリコーン変性エポキシ樹脂)とを併用することが好ましい。これにより、耐熱性を維持しつつ、可とう性と解像性との両方に優れる樹脂部材10とすることができる。
【0021】
また、熱硬化性樹脂には、フェノールノボラック樹脂をさらに含むことができる。フェノール樹脂を添加することにより、現像性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂とを両方含ませることにより、エポキシ樹脂の熱硬化性が向上し、樹脂部材10の強度をさらに向上させることができる。
【0022】
樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、光硬化性樹脂を有している。光硬化性樹脂としては、例えばアクリル系多官能モノマーが用いられる。多官能モノマーとは、3官能以上を有するモノマーをいい、本実施形態においては、特に3官能または4官能のアクリル酸エステル化合物を好適に用いることができる。3官能以上のモノマーを用いることにより、半導体装置100の形状保持性を確保するために十分な樹脂部材10の強度を得ることができるため好ましい。
【0023】
具体的には、アクリル系多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、等の三官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の六官能(メタ)アクリレートがある。これらの中でも三官能(メタ)アクリレートまたは四官能(メタ)アクリレートが好ましい。三官能(メタ)アクリレートや四官能(メタ)アクリレートを用いることにより、露光後の樹脂部材10の強度を高めることができ、基材20と基材22を貼り合せる際の形状保持性を向上することができる。
【0024】
アクリル系多官能モノマーの含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物のうち溶剤を除く成分全体の5〜45重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。5重量%未満であると、基材20と基材22を貼り付ける際の樹脂部材10の強度が低下する。45重量%を超えると、基材20と基材22との貼付け性が低下することがある。
【0025】
光硬化性樹脂は、エポキシビニルエステル樹脂を含有させてもよい。これにより、露光時には、多官能モノマーとラジカル重合するため、樹脂部材10の強度を高めることができる。一方、現像時には、アルカリ現像液に対する溶解性を向上するため、現像後の残渣を低減することができる。
【0026】
エポキシビニルエステル樹脂としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エポライト40Eメタクリル付加物、エポライト70Pアクリル酸付加物、エポライト200Pアクリル酸付加物、エポライト80MFアクリル酸付加物、エポライト3002メタクリル酸付加物、エポライト3002アクリル酸付加物、エポライト1600アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、エポライト200Eアクリル酸付加物、エポライト400Eアクリル酸付加物、等がある。
【0027】
エポキシビニルエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物のうち溶剤を除く成分全体の1〜25重量%が好ましい。25重量%を超えると、樹脂部材10の吸水特性が低下し、結露が発生しやすくなる。1重量%未満では、樹脂部材10のアルカリ現像液に対する溶解性が不足する場合があり、現像後に残渣が発生する場合がある。特に3〜15重量%の範囲にすると好ましい。こうすることにより、貼り付け後、基材20および基材22の各表面に残存する異物をさらに低減させることが可能となる。
【0028】
また、樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。これにより、光重合により樹脂部材10を効率良くパターニングすることができる。
【0029】
光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0030】
光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物のうち溶剤を除く成分全体の0.5〜5重量%が好ましく、特に1.0〜3.0重量%が好ましい。含有量が0.5重量%未満であると、光重合開始する効果が低下する場合がある。また、含有量が5重量%を超えると、反応性が高くなりすぎ保存性や解像性が低下する場合がある。
【0031】
なお、樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、無機充填材を含有させてもよいが、樹脂組成物のうち溶剤を除く成分全体の20重量%以下とする。20重量%を超えると、基材20、22上に無機充填材に起因する異物が付着したり、アンダーカットが発生したりするため好ましくない。なお、アンダーカットは、樹脂部材10の厚み方向の基材20側または基材22側の硬化が弱いため、現像液が樹脂部材10に染みこむことにより生じると考えられる。本実施形態において無機充填材は含んでいなくてもよい。
【0032】
無機充填材としては、例えばアルミナ繊維、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、アルミニウムボレート、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー等の針状充填材、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、鱗片状黒鉛、板状炭酸カルシウム等の板状充填材、炭酸カルシウム、シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、未焼成クレー等の球状(粒状)充填材、ゼオライト、シリカゲル等の多孔質充填材等が挙げられる。これらを1種又は2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、球状(粒状)充填材が好ましい。
【0033】
無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.005〜100μmが好ましく、特に0.01〜50μmが好ましい。平均粒子径が100μmを超えるとフィルムの外観異常や解像性不良となる場合があり、0.005μm未満であると加熱貼り付け時の接着不良となる場合がある。平均粒子径は、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000((株)島津製作所製)を用いて評価することができる。
【0034】
また、樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有していてもよい。アルカリ可溶性樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物のうち溶剤を除く成分全体の20〜60重量%が好ましい。含有量が20重量%未満であると相溶性を向上する硬化が低下する場合があり、60重量%を超えると現像性または解像性が低下する場合がある。
【0035】
アルカリ可溶性樹脂としては、特に限定されないが、カルボキシル基もしくは水酸基を有する樹脂であればよい。例えば、(メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂等の(メタ)アクリル変性ノボラック樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリロイル酸やヒドロキシスチレンなどのように水酸基もしくはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーを少なくとも1種類用いて重合された共重合体、フェノール化合物もしくはフェノール樹脂もしくはカルボキシル基を有する化合物もしくは樹脂とエポキシ樹脂を反応させて得られた生成物と酸無水物を反応させた生成物、水酸基もしくはカルボキシル基含有ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド前駆体、ポリビニルフェノール、ポリα‐メチルビニルフェノールなどが挙げられ、中でもアルカリ可溶性ノボラック樹脂が好ましく、(メタ)アクリル変性ノボラック樹脂が特に好ましい。これにより、現像液に有機溶剤ではなく、環境に対する負荷の少ないアルカリ水溶液を適用できると共に、耐熱性を維持することができる。
【0036】
樹脂部材10を構成する樹脂組成物は、上述した硬化性樹脂、充填材等に加え、本発明の目的を損なわない範囲で可塑性樹脂、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤などの添加剤を含有することができる。
【0037】
樹脂部材10のtanδおよび貯蔵弾性率の値は、例えば樹脂部材10を構成する樹脂組成物の分子鎖の動きやすさを調整することにより制御することができる。光硬化後における樹脂組成物の分子鎖の動きやすさは、例えば光硬化性樹脂の架橋密度、光硬化性樹脂の動きやすさ、または樹脂組成物全体の動きやすさ等を変動させることにより調整することができる。
分子鎖を動きやすくした場合、tanδの値は高くなる。一方で、分子鎖を動き難くした場合、貯蔵弾性率の値は高くなる。これらの値を適宜調整することで、所望のtanδおよび貯蔵弾性率の値を得ることができる。
【0038】
樹脂組成物の分子鎖は、例えば光硬化性樹脂の架橋密度を下げること、光硬化性樹脂を動きやすくすること、または樹脂組成物全体を動きやすくすること等により、動きやすくなる。光硬化性樹脂の架橋密度を下げる方法としては、例えば光硬化性樹脂として官能基数の少ない(メタ)アクリレートを使用すること等が挙げられる。光硬化性樹脂を動きやすくする方法としては、例えば光硬化性樹脂として脂肪族(メタ)アクリレートを使用すること等が挙げられる。樹脂組成物全体を動きやすくする方法としては、例えばフロー性の高い熱硬化性樹脂を使用すること、熱硬化性樹脂の添加量を増やすこと、可塑剤を添加すること、またはシリコーン樹脂を添加すること等が挙げられる。
【0039】
また、樹脂組成物の分子鎖は、例えば光硬化性樹脂の架橋密度を上げること、光硬化性樹脂を動き難くすること、樹脂組成物全体を動き難くすること等により、動き難くなる。光硬化性樹脂の架橋密度を上げる方法としては、例えば光硬化性樹脂として官能基数の多い(メタ)アクリレートを使用すること等が挙げられる。光硬化性樹脂を動き難くする方法としては、例えば光硬化性樹脂として芳香環を有する(メタ)アクリレートを使用すること等が挙げられる。樹脂組成物全体を動き難くする方法としては、例えばフロー性の低い熱硬化性樹脂を使用すること、熱硬化性樹脂の添加量を減らすこと、無機フィラーを添加すること、またはTgが貼付温度以上の有機フィラーを添加すること等が挙げられる。
ここで、貼付温度とは、基材20と基材22とを互いに接着させるための加熱処理時における温度を意味する。
【0040】
次に、図1〜図6を用いて、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法を説明する。図2〜図5は、図1に示す半導体装置100の製造方法を示す断面図である。図6は、本実施形態に係る半導体装置100を実装基板110上に実装した場合を示す断面図である。まず、図2に示すように、基材20上に半導体素子30を設ける。次いで、図3に示すように、半導体素子30が設けられた基材20上に樹脂部材10を形成する。樹脂部材10の形成は、例えば樹脂組成物を基材20上にスピンコートし、樹脂組成物中の溶剤を乾燥させることによって行われる。
【0041】
スピンコートによって形成された樹脂部材10には、基材20の端部上において、他の部分よりも厚く形成されてなるエッジクラウン12が生じる。エッジクラウン12は、例えば基材20の全周上において生じる。エッジクラウン12の高さは、樹脂部材10の他の部分における表面を基準として、例えば10〜20μmである。また、エッジクラウン12の幅は、例えば2mm程度である。
【0042】
スピンコートによりエッジクラウン12が形成される原理は次のようであると推測される。基材20上に供給された樹脂組成物に含まれる溶剤は、基材20の中央部においては、その上面からしか揮発しない。一方、基材20の端部においては、上面および側面から揮発する。これにより、スピンコート工程が進むにつれ、樹脂組成物のうち基材20の中央部に位置する部分は、基材20の端部に位置する部分よりも多く溶剤を含むこととなる。このため、基材20の中央部から基材20の端部へ、樹脂組成物中の溶剤が移動する。そして、この溶剤の移動に伴って、樹脂成分が移動する。よって、基材20の端部上においてエッジクラウン12が生じる。
【0043】
次いで、フォトマスクを用いて、樹脂部材10に電子線(例えば、紫外線)を選択的に照射する。これにより、樹脂部材10のうち光照射された部分が光硬化する。この露光工程は、例えば365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように行う。また、露光工程は、例えば水銀灯によるブロードバンド露光によって行われる。露光後の樹脂部材10を現像液(例えばアルカリ水溶液、有機溶剤等)で現像すると、光照射された部分が現像液に溶解せずに、残ることとなる。このようにして、図4に示すように、基材20上の半導体素子30を囲むように樹脂部材10を残す。樹脂部材10は、例えば格子状を有するように残される。
【0044】
次いで、図5に示すように、樹脂部材10を介して基材20上に基材22を接触させ、かつ樹脂部材10を加熱する。これにより、基材20と基材22は、樹脂部材10を介して接着する。基材20と基材22とを接触させる工程と、樹脂部材10を加熱する工程は、互いに前後してもよく、例えば加熱加圧することによってこれらを同時に行うこともできる。基材20と基材22を接触させる工程は、樹脂部材10のうち基材22と接触する面が平坦となるように、樹脂部材10に設けられたエッジクラウン12を押しつぶして行う。これにより、樹脂部材10のうち基材22と接触する面は平坦となるため、樹脂部材10と基材22との十分な密着性を得ることができる。樹脂部材10を加熱する工程は、例えば150〜200℃で樹脂部材10を加熱することにより行う。これにより、熱硬化性樹脂を含有する樹脂部材10は硬化し、基材20と基材22とが互いに接着される。
【0045】
ここで、樹脂部材10は、365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下である。貯蔵弾性率が100Pa未満であると、基材20と基材22とを圧着した後、中空パッケージのキャビティ形状を保持することができない。また、貯蔵弾性率が10000Paを超えると、樹脂部材10を押しつぶすことが困難となり、樹脂部材10と基材22との密着性が損なわれてしまう。また、樹脂部材10は、365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、tanδが0.1以上である。tanδが0.1未満であると、エッジクラウン12を押しつぶす際に十分な樹脂部材の流動が得られず、樹脂部材10と基材22との密着性が損なわれてしまう。さらに、樹脂部材10は、tanδが5.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。tanδが5.0を超えると、基材20と基材22とを圧着した後、中空パッケージのキャビティ形状を保持することができない可能性がある。
【0046】
次いで、基材20、基材22および樹脂部材10を、ダイシングにより半導体素子30ごとに分割する。これにより、図1に示す半導体装置100が得られる。なお、図6に示すように、半導体装置100は、例えば実装基板110上に実装される。この場合、半導体装置100は、基材20に形成された金属膜50および半田バンプ52を介して実装基板110と接続されることとなる。
【0047】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態に係る樹脂組成物によれば、溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδが0.1以上である。樹脂組成物の貯蔵弾性率およびtanδが上記範囲にあることにより、樹脂部材10に形成された盛り上がり部分を押しつぶすことが容易となり、基材22と樹脂部材10との十分な密着性を得ることができる。また、樹脂部材10に形成された盛り上がり部分を押しつぶす際に、キャビティ形状が崩れてしまうことを抑制できる。よって、中空パッケージからなる半導体装置において、中空パッケージのキャビティ形状を保持しつつ、信頼性の向上を図ることができる。
【実施例】
【0048】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
1.アルカリ可溶性樹脂((メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂)の合成
ノボラック型ビスフェノールA樹脂(フェノライトLF−4871、大日本インキ化学工業(株)製)の固形分60%MEK(メチルエチルケトン)溶液500gを、2Lフラスコ中に投入し、これに触媒としてトリブチルアミン1.5g、および重合禁止剤としてハイドロキノン0.15gを添加し、100℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート180.9gを30分間で滴下し、100℃で5時間攪拌反応させることにより、固形分74%のメタクリロイル変性ノボラック型ビスフェノールA樹脂MPN001(メタクリロイル変性率50%)を得た。
【0049】
2.樹脂ワニスの調製
熱硬化性樹脂として、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)10重量%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、Ep−828)15重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5重量%、光硬化性樹脂として、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)25重量%、アルカリ可溶性樹脂として上記の合成した(メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂を固形分として40重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2重量%、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)、PR53647)3重量%を秤量した。
その後、溶剤としてMEKを添加し、ディスパーザーを用いて回転数3000rpmで1時間攪拌することにより、樹脂ワニスを調整した。なお、溶剤は、樹脂ワニス全体に対する固形分含有量(Resin content)が80重量%となるように添加した。
【0050】
3.樹脂部材の形成
調整した樹脂組成物(上記樹脂ワニス)をスピンコーターによって基材20上に供給し、かつ当該樹脂組成物中の溶剤を乾燥させた。これを、露光および現像することによって、基材20上に格子状に形成された樹脂部材10を得た。露光は、365nmの波長を有する光により、積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように行った。
【0051】
4.中空パッケージの作製
樹脂部材10を介して、基材20と基材22とを圧着させた。このとき、スピンコートによって樹脂部材10の端部に形成された盛り上がり部分を押しつぶすように、基材20と基材22とを圧着させた。そして、180℃、10分の条件で樹脂部材10を加熱した。得られた基材20と基材22との接着物を、ダイシングソーを用い、所定の大きさにダイシングして、中空パッケージを得た。
【0052】
(実施例2)
アルカリ可溶性樹脂として上記の合成した(メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂を固形分として30重量%、充填材としてシリカ((株)アドマテックス製、SO−E5)10重量%を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0053】
(比較例1)
熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、Ep−828)85重量%、光硬化性樹脂として、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(新中村化学工業(株)製、M−90G)5重量%、アルカリ可溶性樹脂として上記の合成した(メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂を固形分として5重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2重量%、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)、PR53647)3重量%を秤量した。
その後、溶剤としてMEKを添加し、ディスパーザーを用いて回転数3000rpmで1時間攪拌することにより、樹脂ワニスを調整した。なお、溶剤は、樹脂ワニス全体に対する固形分含有量(Resin content)が80重量%となるように添加した。
これらの点以外は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、Ep−828)5重量%、光硬化性樹脂として、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(新中村化学工業(株)製、M−90G)5重量%、アルカリ可溶性樹脂として上記の合成した(メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂を固形分として5重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2重量%、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)、PR53647)3重量%、充填材としてシリカ((株)アドマテックス製、SO−E5)80重量%を秤量した。
その後、溶剤としてMEKを添加し、ディスパーザーを用いて回転数3000rpmで1時間攪拌することにより、樹脂ワニスを調整した。なお、溶剤は、樹脂ワニス全体に対する固形分含有量(Resin content)が80重量%となるように添加した。
これらの点以外は、実施例1と同様にした。
(比較例3)
熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、Ep−828)5重量%、光硬化性樹脂として、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)5重量%、アルカリ可溶性樹脂として上記の合成した(メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂を固形分として5重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2重量%、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)、PR53647)3重量%、充填材としてシリカ((株)アドマテックス製、SO−E5)80重量%を秤量した
その後、溶剤としてMEKを添加し、ディスパーザーを用いて回転数3000rpmで1時間攪拌することにより、樹脂ワニスを調整した。なお、溶剤は、樹脂ワニス全体に対する固形分含有量(Resin content)が80重量%となるように添加した。
これらの点以外は、実施例1と同様にした。
【0054】
(樹脂組成物の特性評価)
実施例および比較例において調整した樹脂組成物について、溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、貯蔵弾性率およびtanδを測定した。貯蔵弾性率およびtanδの測定は、動的粘弾性測定装置RS150(Thermo Haake)を用いて動的ずり粘弾性試験により行った。動的ずり粘弾性試験は、測定周波数:1Hz、測定温度範囲:25〜250℃、昇温速度:10℃/分の条件下において行い、150℃における貯蔵弾性率およびtanδを測定した。結果を表1に示す。
【0055】
(中空パッケージの評価)
実施例および比較例において作製した中空パッケージについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
(1)密着性
実施例および比較例において作製した中空パッケージについて、樹脂部材10と基材22との密着性を光学顕微鏡により評価した。
○:樹脂部材10と基材22との接着後において、樹脂部材10と基材22との間に浮きの発生がみられなかった。
×:樹脂部材10と基材22との接着後において、樹脂部材10と基板22との間に浮きの発生がみられた。
【0057】
(2)キャビティの形状保持性
作製した中空パッケージについて、キャビティ40の形状保持性を評価した。キャビティ40の形状保持性は、基材20と基材22とを接着した後における、中空パッケージのキャビティ40のつぶれ具合を光学顕微鏡により評価した。各符号は以下のとおりである。
○:基材20と基材22との接着前後においてキャビティ形状に変化がみられなかった。
×:基材20と基材22との接着後、キャビティ形状につぶれが生じ、寸法や形状が変化したものがみられた。
【0058】
【表1】

【0059】
表1から明らかなように、実施例1および2は、樹脂部材10と基材22との密着性およびキャビティ40の形状保持性のいずれにおいても良好な結果を示した。
【0060】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
10 樹脂部材
12 エッジクラウン
20 基材
22 基材
30 半導体素子
40 キャビティ
50 金属膜
52 半田バンプ
100 半導体装置
110 実装基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基材と、
前記第1基材上に設けられた第2基材と、
前記第1基材および前記第2基材との間に介在する樹脂部材と、
前記第1基材、前記第2基材および前記樹脂部材によって囲まれた空間に配置された半導体素子と、
を備える半導体装置の前記樹脂部材に用いられる樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、
光硬化性樹脂と、
溶剤と、
を有し、
前記溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδが0.1以上である樹脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂組成物において、
前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、トリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、およびエポキシ変性シロキサンのうちの少なくとも一つを含む樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の樹脂組成物において、
前記熱硬化性樹脂の重量含有率は、前記樹脂組成物のうち前記溶剤を除く成分全体の10〜50重量%である樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記光硬化性樹脂は、アクリル系多官能モノマーを含む樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記光硬化性樹脂の重量含有率は、前記樹脂組成物のうち前記溶剤を除く成分全体の5〜45重量%である樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記溶剤は、沸点が40〜200℃である樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか1項に記載の樹脂組成物において、
無機充填剤をさらに有し、
前記無機充填剤の重量含有率は、前記樹脂組成物のうち前記溶剤を除く成分全体の20重量%以下である樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された半導体装置。
【請求項9】
半導体素子を有する第1基材上に熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および溶剤を含む樹脂組成物をスピンコートし、かつ前記樹脂組成物の前記溶剤を乾燥して、前記第1基材上に樹脂部材を形成する工程と、
前記樹脂部材を、365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化する工程と、
前記樹脂部材を介して、前記第1基材上に第2基材を圧着させる工程と、
を備え、
前記樹脂部材を形成する工程において、前記樹脂部材は、前記第1基材の端部上において他の部分よりも厚く形成され、
前記第1基材上に前記第2基材を圧着させる工程において、前記樹脂部材のうち前記第1基材の端部上において厚く形成された部分を前記第2基材で押しつぶし、
前記樹脂組成物は、前記溶剤を乾燥し、かつ365nmの波長を有する光により積算光量が厚さ50μmに対して700mJ/cmとなるように露光して光硬化した後において、150℃、1Hzの条件下で粘弾性測定した場合、貯蔵弾性率が100Pa以上10000Pa以下であり、tanδが0.1以上である半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1基板上に前記第2基板を圧着させる工程の前または後において、もしくは前記第1基板上に前記第2基板を圧着させる工程と同時に、前記樹脂部材を加熱する工程を備える半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−105941(P2013−105941A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249660(P2011−249660)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】