説明

樹脂組成物およびこれを用いた膜状光学部材

【課題】透明、高屈折率でかつ膜状の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、およびこれを用いた光学部材を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)金属アルコキシドと、(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または(C)反応性モノマと、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)成分以外の少なくとも1つの成分が窒素原子を有し、該樹脂組成物中の窒素原子のモル数をnN、窒素原子の質量をWN、金属アルコキシドのモル数をnM、該樹脂組成物全体の質量をWtotalとしたとき、
N/nM≧0.01であり、かつWN/Wtotal≧0.0001であり、系全体の水分が1重量%以下である樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、液晶ディスプレー用部材、プラズマディスプレー用部材、プリズムシート、ディフューザー、光散乱フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルム、偏光子、太陽電池用集光フィルム等に代表される膜状光学部材、およびその樹脂材料に関し、特に、高い屈折率を有する薄膜状光学部材、およびその樹脂材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽量でかつ加工性に富み、各種の光学部材として好適な樹脂材料として、1.8〜2.2程度の高い屈折率を有する透明樹脂材料が要求されている。
【0003】
従来技術における高屈折率樹脂材料は、ポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物から得られるチオウレタン(特許文献1)、エポキシ樹脂またはエピスルフィド樹脂から得られる重合体(特許文献2)などが挙げられるが、これらイオウ系の高屈折樹脂は、屈折率の限界が1.72程度であるのに加え、硬化前の臭気が激しく、工程上の制約を受ける。また、ベンゼン環に臭素を導入したポリマが既に市販化されているが、その屈折率は1.6程度である。
【0004】
また、樹脂中に酸化チタンや酸化亜鉛などの高屈折率金属酸化物微粒子を分散させる技術が提案されているが(例えば、特許文献3)、光散乱を引き起こさないようにこれらの微粒子を分散させるのは極めて難しい。
【0005】
また、チタンアルコキシドのゾルゲル反応を樹脂マトリクス中で行う有機−無機ハイブリッド系も多々報告されているが(例えば、特許文献4や5参照)、光学用途としては、光散乱を引き起こしてしまうため実用化には至っていない。
【0006】
また、本発明と比較的近いものとして、特許文献6や7が挙げられるが、特許文献6の発明では、粘度が低すぎて1〜1000μm程度の厚膜を形成することはできない。また、特許文献7にある有機・無機ポリマー複合体およびその製造方法では、反応性の高い金属アルコキシドを用いる場合、その反応性制御と均一分散が困難である。例えば、チタンアルコキシドのゾルゲル反応は、非常に反応性が高いため、酸化チタン粒子が光を散乱させる程度以上の粒子サイズ(>100nm)になり易い。
【特許文献1】特公平4−58489号公報
【特許文献2】特開平3−81320号公報
【特許文献3】特開2002−277609号公報
【特許文献4】特開平6−107461号公報
【特許文献5】特開2001−89196号公報
【特許文献6】特公平7−14834号公報
【特許文献7】特開平6−322136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、透明、高屈折率でかつ膜状の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、およびこれを用いた膜状光学部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、樹脂組成物中の金属アルコキシドの反応性を抑制し、その粒子成長を抑えることで、透明、高屈折率かつ所望膜厚の膜状光学部材を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記(1)〜(10)に記載の事項をその特徴とするものである。
【0010】
(1)(A)金属アルコキシドと、(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または(C)反応性モノマと、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)成分以外の少なくとも1つの成分が窒素原子を有し、該樹脂組成物中の窒素原子のモル数をnN、窒素原子の質量をWN、金属アルコキシドのモル数をnM、該樹脂組成物全体の質量をWtotalとしたとき、nN/nM≧0.01であり、かつWN/Wtotal≧0.0001であり、系全体の水分が1重量%以下である樹脂組成物。
【0011】
(2)前記(A)金属アルコキシドが、チタンアルコキシドまたはジルコニウムアルコキシドである上記(1)記載の樹脂組成物。
【0012】
(3)前記(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または前記(C)反応性モノマが、窒素原子を有する上記(1)または(2)記載の樹脂組成物。
【0013】
(4)前記(B)ポリマもしくはオリゴマが、水酸基もしくはカルボキシル基を有しないもの、または、水酸基もしくはカルボキシル基を有し、かつ窒素原子を有するものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0014】
(5)前記(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または前記(C)反応性モノマが、下記式
【化1】

【0015】
(式中、Rは、水素もしくはC〜Cアルキル基を示す)
で示される構造を有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0016】
(6)(D)溶媒をさらに含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0017】
(7)前記(D)溶媒が窒素原子を有する溶媒を含有する上記(6)記載の樹脂組成物。
【0018】
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物を用いてなる膜状光学部材。
【0019】
(9)膜厚が1〜1000μmの範囲である上記(8)に記載の膜状光学部材。
【0020】
(10)屈折率が1.8以上である上記(8)または(9)に記載の膜状光学部材。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来よりも透明、高屈折率でかつ所望する膜厚の光学部材を形成することが可能な樹脂組成物、およびこれを用いた光学部材を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の樹脂組成物は、(A)金属アルコキシドと、(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または(C)反応性モノマと、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)成分以外の少なくとも1つの成分が窒素原子を有し、該樹脂組成物中の窒素原子のモル数をnN、窒素原子の質量をWN、金属アルコキシドのモル数をnM、該樹脂組成物全体の質量をWtotalとしたとき、nN/nM≧0.01であり、かつWN/Wtotal≧0.0001であり、系全体の水分が1重量%以下であることをその特徴とするものである。さらに、(D)溶媒や(E)添加剤を含んでいてもよい。
【0023】
上記窒素原子は、本発明の樹脂組成物中において、金属アルコキシドに配位し、加水分解反応の進行を制御し、金属酸化物粒子の成長を抑制する役割を有する。上記のように樹脂組成物中の窒素原子の配合量を規定することにより、特に、加水分解反応が急激に進行し易いチタンアルコキシドに対しても、酸化チタン粒子の成長を抑制し、硬化物の光散乱を引き起こさないようにすることが可能となる。
【0024】
樹脂組成物中の窒素原子は、(A)成分以外の少なくとも1つの成分、すなわち、(B)ポリマもしくはオリゴマ、(C)反応性モノマ、(D)溶剤および(E)添加剤のいずれかの成分により供給されればよい。組成物の安定性、膜や硬化物の形成工程でのゾルゲル反応の制御性を考慮すると、窒素原子は、(B)成分や(C)成分のように、樹脂の膜、硬化物を得る工程で揮発しにくく、系に最後まで残るものにより供給されることが望ましい。
【0025】
上記(A)金属アルコキシドの金属としては、特に限定されないが、好ましくは、Ti、Zn、Zr、La、Th、Taから選ばれる金属であり、より好ましくは、Ti、Zn、Zrから選ばれる金属であり、特に好ましくはTiである。
【0026】
上記(A)金属アルコキシドの加水分解性アルコキシ基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。炭素数が少な過ぎると、ゾルゲル反応の制御が困難になり、炭素数が多過ぎるとゾルゲル反応が進みにくくなることから、好ましくはプロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基であり、特に好ましくはイソプロポキシ基である。金属上のこれらアルコキシ基の種類はすべて同一であっても、違っていても構わない。
【0027】
上記(A)金属アルコキシドの金属がチタンである場合のアルコキシドとしては、例えば、チタニウムテトラメトキシ、チタニウムテトラエトキシ、チタニウムテトラ−n−プロポキシ、チタニウムテトラ−iso−プロポキシ、チタニウムテトラ−n−ブトキシ、チタニウムテトラ−sec−ブトキシ、チタニウムテトラ−tert−ブトキシ、チタニウムテトラフェノキシ等のテトラアルコキシ、チタニウムトリメトキシ、チタニウムトリエトキシ、チタニウムトリプロポキシ、チタニウムフルオロトリメトキシ、チタニウムフルオロトリエトキシ、チタニウムメチルトリメトキシ、チタニウムメチルトリエトキシ、チタニウムメチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムメチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムメチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムメチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムメチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムメチルトリフェノキシ、チタニウムエチルトリメトキシ、チタニウムエチルトリエトキシ、チタニウムエチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムエチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムエチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムエチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムエチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムエチルトリフェノキシ、チタニウムn−プロピルトリメトキシ、チタニウムn−プロピルトリエトキシ、チタニウムn−プロピルトリ−n−プロポキシ、チタニウムn−プロピルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムn−プロピルトリ−n−ブトキシ、チタニウムn−プロピルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムn−プロピルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムn−プロピルトリフェノキシ、チタニウムiso−プロピルトリメトキシ、チタニウムiso−プロピルトリエトキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−n−プロポキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−n−ブトキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムiso−プロピルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムiso−プロピルトリフェノキシ、チタニウムn−ブチルトリメトキシ、チタニウムn−ブチルトリエトキシ、チタニウムn−ブチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムn−ブチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムn−ブチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムn−ブチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムn−ブチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムn−ブチルトリフェノキシ、チタニウムsec−ブチルトリメトキシ、チタニウムsec−ブチルトリエトキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムsec−ブチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムsec−ブチルトリフェノキシ、チタニウムt−ブチルトリメトキシ、チタニウムt−ブチルトリエトキシ、チタニウムt−ブチルトリ−n−プロポキシ、チタニウムt−ブチルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムt−ブチルトリ−n−ブトキシ、チタニウムt−ブチルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムt−ブチルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムt−ブチルトリフェノキシ、チタニウムフェニルトリメトキシ、チタニウムフェニルトリエトキシ、チタニウムフェニルトリ−n−プロポキシ、チタニウムフェニルトリ−iso−プロポキシ、チタニウムフェニルトリ−n−ブトキシ、チタニウムフェニルトリ−iso−ブトキシ、チタニウムフェニルトリ−tert−ブトキシ、チタニウムフェニルトリフェノキシ、チタニウムトリフルオロメチルトリメトキシ、チタニウムペンタフルオロエチルトリメトキシ、チタニウム3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシ、チタニウム3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシ等のトリアルコキシ、チタニウムジメチルジメトキシ、チタニウムジメチルジエトキシ、チタニウムジメチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジメチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジメチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジメチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジメチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジメチルジフェノキシ、チタニウムジエチルジメトキシ、チタニウムジエチルジエトキシ、チタニウムジエチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジエチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジエチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジエチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジエチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジエチルジフェノキシ、チタニウムジ−n−プロピルジメトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジエトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−n−プロピルジフェノキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジメトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジエトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−iso−プロピルジフェノキシ、チタニウムジ−n−ブチルジメトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジエトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−n−ブチルジフェノキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジメトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジエトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−sec−ブチルジフェノキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジメトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジエトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジ−tert−ブチルジフェノキシ、チタニウムジフェニルジメトキシ、チタニウムジフェニルジエトキシ、チタニウムジフェニルジ−n−プロポキシ、チタニウムジフェニルジ−iso−プロポキシ、チタニウムジフェニルジ−n−ブトキシ、チタニウムジフェニルジ−sec−ブトキシ、チタニウムジフェニルジ−tert−ブトキシ、チタニウムジフェニルジフェノキシ、チタニウムビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシ、チタニウムメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシ等のジオルガノジアルコキシ等が挙げられる。
【0028】
上記(B)ポリマもしくはオリゴマとしては、特に限定されないが、その主鎖や側鎖に窒素原子を有するものであることが好ましい。また、水酸基もしくはカルボキシル基を有しないもの、または、水酸基もしくはカルボキシル基を有し、かつ窒素原子を有するものであることが好ましい。(B)ポリマもしくはオリゴマとして、水酸基もしくはカルボキシル基を有し、なおかつ窒素原子を有しないものを用いると、ゾルゲル反応が急速に進行し、ポリマ組成液がゲル化したり、粒子が光を散乱する程度の大きさまで成長してしまう可能性がある。特にカルボン酸の存在は、ゾルゲル反応の第2段階(第1段階は、加水分解、第2段階は、脱水縮合)を過度に抑制し、金属酸化物を生成させず、目的の高屈折率を得られなくしてしまう。
【0029】
主鎖に窒素原子を有するものとしては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミン、ポリイミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。側鎖に窒素原子を有する場合には、例えば、ポリビニル、ポリアクリル、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリケトンなどの側鎖としてアミド基やアミノ基が置換されていればよい。もちろん、主鎖と側鎖に窒素原子を有するものでも構わない。また、(C)反応性モノマ、(D)溶媒、(E)添加剤など他の成分により、樹脂組成物に窒素原子が供給される場合には、(B)のポリマもしくはオリゴマが必ずしも窒素原子を有する必要はない。
【0030】
上記ポリウレタンやポリ尿素の原料になりうるものとして、例えばトリレンジイソシアネ−ト(TDI)、フェニレンジイソシアネ−ト(PDI)、キシリレンジイソシアネ−ト(XDI)1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(HMDI)、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネ−ト(CHDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト(DCHMDI)等のジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、あらかじめ合成しておいたポリイソシアネートを用いてもよく、経日変化を避けるために適当なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。
【0031】
また、上記ポリエステルとポリウレタンの原料になりうるものとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、p−キシレン−α,α′−ジオール等の芳香族基含有ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールなどが挙げられる。
【0032】
また、上記ポリアミドとポリエステルの原料になりうるものとして、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ヘット酸、テトラブロムフタル酸、トリメリト酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、こはく酸、アゼライン酸、ロジン−マレイン酸付加物等の芳香族カルボン酸、飽和酸及びこれらの無水物等の誘導体などが挙げられる。
【0033】
また、上記ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドの原料になりうるものとして、例えば、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、3,3′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチルジフェニルエーテル、2,2−[4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニル]プロパン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロペンタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4′−カルボニルビス(p−フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられる。
【0034】
また、上記ポリアミドイミドの原料になりうるものとして、例えば、トリメリット酸、3,3,4′−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4′−ジフェニルトリカルボン酸、2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4′−ベンズアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸、1,5,6−ナフタレントリカルボン酸、2′−クロロベンズアニリド−3,4,4′−トリカルボン酸などが挙げることができる。また、上記芳香族トリカルボン酸の反応性誘導体として、前記芳香族トリカルボン酸の酸無水物、ハライド、エステル、アミド、アンモニウム塩等を挙げることができ、例えば、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4−ジカボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6−ジカルボキシ−5−カルバモイルナフタレン、などが挙げられる。
【0035】
また、上記ポリビニル、ポリアクリルの原料になりうるものとして、例えば、ビニル化合物、アクリル化合物、メタクリル化合物を挙げることができる。
【0036】
上記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、o−ブロモスチレン、p−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、o−フルオロスチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン類、4−ビニルビフェニル、3−ビニルビフェニル、2−ビニルビフェニル等のビニルビフェニル類、1−(4−ビニルフェニル)ナフタレン、2−(4−ビニルフェニル)ナフタレン、1−(3−ビニルフェニル)ナフタレン、2−(3−ビニルフェニル)ナフタレン、2−(3−ビニルフェニル)ナフタレン、1−(2−ビニルフェニル)ナフタレン、2−(2−ビニルフェニル)ナフタレン等のビニルフェニルナフタレン類、1−(4−ビニルフェニル)アントラセン、2−(4−ビニルフェニル)アントラセン、9−(4−ビニルフェニル)アントラセン、1−(3−ビニルフェニル)アントラセン、1−(3−ビニルフェニル)アントラセン、2−(3−ビニルフェニル)アントラセン、9−(3−ビニルフェニル)アントラセン、1−(2−ビニルフェニル)アントラセン、2−(2−ビニルフェニル)アントラセン、9−(2−ビニルフェニル)アントラセン等のビニルフェニルアントラセン類、1−(4−ビニルフェニル)フェナントレン、2−(4−ビニルフェニル)フェナントレン、3−(4−ビニルフェニル)フェナントレン、4−(4−ビニルフェニル)フェナントレン、9−(4−ビニルフェニル)フェナントレン、1−(3−ビニルフェニル)フェナントレン、2−(3−ビニルフェニル)フェナントレン、3−(3−ビニルフェニル)フェナントレン、4−(3−ビニルフェニル)フェナントレン、9−(3−ビニルフェニル)フェナントレン、1−(2−ビニルフェニル)フェナントレン、2−(2−ビニルフェニル)フェナントレン、3−(2−ビニルフェニル)フェナントレン、4−(2−ビニルフェニル)フェナントレン、9−(2−ビニルフェニル)フェナントレン等のビニルフェニルフェナントレン類、1−(4−ビニルフェニル)ピレン、2−(4−ビニルフェニル)ピレン、1−(3−ビニルフェニル)ピレン、2−(3−ビニルフェニル)ピレン、1−(2−ビニルフェニル)ピレン、2−(2−ビニルフェニル)ピレン等のビニルフェニルピレン類、4−ビニル−p−ターフェニル、4−ビニル−m−ターフェニル、4−ビニル−o−ターフェニル、3−ビニル−p−ターフェニル、3−ビニル−m−ターフェニル、3−ビニル−o−ターフェニル、2−ビニル−p−ターフェニル、2−ビニル−m−ターフェニル、2−ビニル−o−ターフェニル等のビニルターフェニル類、4−(4−ビニルフェニル)−p−ターフェニル等のビニルフェニルターフェニル類、4−ビニル−4’−メチルビフェニル、4−ビニル−3’−メチルビフェニル、4−ビニル−2’−メチルビフェニル、2−メチル−4−ビニルビフェニル、3−メチル−4−ビニルビフェニル等のビニルアルキルビフェニル類、4−ビニル−4’−フルオロビフェニル、4−ビニル−3’−フルオロビフェニル、4−ビニル−2’−フルオロビフェニル、4−ビニル−2−フルオロビフェニル、4−ビニル−3−フルオロビフェニル、4−ビニル−4’−クロロビフェニル、4−ビニル−3’−クロロビフェニル、4−ビニル−2’−クロロビフェニル、4−ビニル−2−クロロビフェニル、4−ビニル−3−クロロビフェニル、4−ビニル−4’−ブロモビフェニル、4−ビニル−3’−ブロモビフェニル、4−ビニル−2’−ブロモビフェニル、4−ビニル−2−ブロモビフェニル、4−ビニル−3−ブロモビフェニル等のハロゲン化ビニルビフェニル類、4−ビニル−4’−メトキシビフェニル、4−ビニル−3’−メトキシビフェニル、4−ビニル−2’−メトキシビフェニル、4−ビニル−2−メトキシビフェニル、4−ビニル−3−メトキシビフェニル、4−ビニル−4’−エトキシビフェニル、4−ビニル−3’−エトキシビフェニル、4−ビニル−2’−エトキシビフェニル、4−ビニル−2−エトキシビフェニル、4−ビニル−3−エトキシビフェニル等のアルコキシビフェニル類、4−ビニル−4’−メトキシカルボニルビフェニル、4−ビニル−4’−エトキシカルボニルビフェニル等のアルコキシカルボニルビフェニル類、4−ビニル−4’−メトキシメチルビフェニル等のアルコキシアルキルビフェニル類、4−ビニル−4’−トリメチルスタンニルビフェニル、4−ビニル−4’−トリブチルスタンニルビフェニル等のトリアルキルスタンニルビフェニル類、4−ビニル−4’−トリメチルシリルメチルビフェニル等のトリアルキルシリルメチルビニルビフェニル類、4−ビニル−4’−トリメチルスタンニルメチルビフェニル、4−ビニル−4’−トリブチルスタンニルメチルビフェニル等のトリアルキルスタンニルメチルビフェニル類、p−クロロエチルスチレン、m−クロロエチルスチレン、o−クロロエチルスチレン等のハロゲン置換アルキルスチレン類、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、m−エトキシスチレン、o−エトキシスチレン等のアルコキシスチレン類、p−メトキシカルボニルスチレン、m−メトキシカルボニルスチレン等のアルコキシカルボニルスチレン類、アセチルオキシスチレン、エタノイルオキシスチレン、ベンゾイルオキシスチレン等のアシルオキシスチレン類、p−ビニルベンジルプロピルエーテル等のアルキルエーテルスチレン類、p−トリメチルシリルスチレン等のアルキルシリルスチレン類、p−トリメチルスタンニルスチレン、p−トリブチルスタンニルスチレン、p−トリフェニルスタンニルスチレン等のアルキルスタンニルスチレン類、ビニルベンゼンスルフォン酸エチル、ビニルベンジルジメトキシフォスファイド、p−ビニル等のビニルスチレン類、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−アルキルスチレン類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
【0037】
また、ビニル化合物として、得られる膜の透明性、強度、耐熱などの観点からN−置換マレイミド重合体であってもよく、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、 N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−ブロモフェニル)フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニルマレイミド、N−(2−メトキシフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−(4−ベンジルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリブロモフェニル)マレイミド等があげられる。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
【0038】
上記アクリル化合物、メタクリル化合物としては、例えば、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸シアノノルボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸メンチル、アクリル酸フェンチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−4−メチル、アクリル酸シクロデシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸フェニルノルボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル等が挙げられる。このうち、低吸湿性の点で、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル等が好ましい。さらに、耐熱性、低吸湿性の点でより好ましいものとしては、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−イル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−4−メチルが挙げられる。また、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等のアクリレート化合物、ジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート化合物、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルアクリレート、アクリロキシエチルホスフェート、アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のアクリレート化合物、ベンジルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロピラニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート等のメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等のメタクリレート化合物、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ダイマージオールジアクリレート等のジアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ダイマージオールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等のジアクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合物が挙げられる。
【0039】
また、窒素含有アクリル重合体であるものは2級アミノ基、3級アミノ基、含窒素複素環基などの官能基を含む群から選ばれた物とすることが好ましい。例えば、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチルアクリレート、メチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ(メタ)アクリレート類、2−シアノエチルアクリレート、アクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸シアノノルボルニル、2−シアノエチルメタクリレート等のシアノ(メタ)アクリレート類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、N−(2‘、2’、6‘、6’−テトラメチル−4−ピペリジル)−メタクリルアミド、N−(2‘、2’、6‘、6’−テトラメチル−4−ピペリジル)−アクリルアミド、N−(1‘、2‘、2’、6‘、6’−ペンタメチル−4−ピペリジル)−メタクリルアミド、N−(1‘、2‘、2’、6‘、6’−ペンタメチル−4−ピペリジル)−アクリルアミドなどがあげられる。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
【0040】
また、(B)成分は、エポキシ樹脂であってもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[AER−X8501(旭化成工業(株)、商品名)、R−301(油化シェルエポキシ(株)、商品名)、YL−980(油化シェルエポキシ(株)、商品名)]、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[YDF−170(東都化成(株)、商品名)]、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂[R−1710(三井石油化学工業(株)、商品名)]、フェノールノボラック型エポキシ樹脂[N−730S(大日本インキ化学工業(株)、商品名)、Quatrex−2010(ダウ・ケミカル社、商品名)]、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂[YDCN−702S(東都化成(株)、商品名)、EOCN−100(日本化薬(株)、商品名)]、多官能エポキシ樹脂[EPPN−501(日本化薬(株)、商品名)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社、商品名)、VG−3010(三井石油化学工業(株)、商品名)、1032S(油化シェルエポキシ(株)、商品名)]、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂[HP−4032(大日本インキ化学工業(株)、商品名)]、脂環式エポキシ樹脂[EHPE−3150、CELー3000(ダイセル化学工業(株)、商品名)、DME−100(新日本理化(株)、商品名)]、脂肪族エポキシ樹脂[W−100(新日本理化(株)、商品名)]、アミン型エポキシ樹脂[ELM−100(住友化学工業(株)、商品名)、YH−434L(東都化成(株)、商品名)、TETRAD−X、TETRAC−C(三菱瓦斯化学(株)、商品名)]、レゾルシン型エポキシ樹脂[デナコールEX−201(ナガセ化成工業(株)、商品名)]、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂[デナコールEX−211(ナガセ化成工業(株)、商品名)]、ヘキサンディネルグリコール型エポキシ樹脂[デナコールEX−212(ナガセ化成工業(株)、商品名)]、エチレン・プロピレングリコール型エポキシ樹脂[デナコールEX−810、811、850、851、821、830、832、841、861(ナガセ化成工業(株)、商品名)]などが挙げられる。
【0041】
上記(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0〜1000重量部であることが好ましい。
【0042】
上記(C)反応性モノマは、熱や光により重合、硬化する樹脂組成物においては必須の成分となる。(C)成分の重合形態には、例えば、イオン重合やラジカル重合が良く知られているが、本発明は、それら重合形態を限定するものではない。また、(B)ポリマもしくはオリゴマ、(D)溶媒、(E)添加剤など他の成分により窒素原子が供給される場合には、(C)反応性モノマは必ずしも窒素原子を含む必要はない。
【0043】
上記(C)の反応性モノマとしては、例えば、ウレタンアクリレートビスコート831(大阪有機化学工業社製商品名)、ポリエーテル型ウレタンアクリレートBTG−A(共栄社油脂化学工業社製商品名)、ポリエステル型ウレタンアクリレートD−200A(共栄社油脂化学工業社製商品名)、ウレタンアクリレートフォトマー6008(サンノプコ社製商品名)、ウレタンジアリレートケムリンク9503(サートマ社製商品名)等のウレタン(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(SR−454、サートマー社製商品名)、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート(R−924、日本化薬社製商品名)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリルレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート等のグリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、無水フタル酸等の多価カルボン酸とβ−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質とのエステル化物、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステルなどが挙げられる。また、上記(B)成分の原料として記載した各種のビニル化合物、アクリレート、メタクリレートを(C)反応性モノマーとして用いることもできる。
【0044】
上記(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0〜1000重量部であることが好ましい。
【0045】
また、上記(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または前記(C)反応性モノマが、下記式
【化2】

【0046】
(式中、Rは、水素もしくはC〜Cアルキル基を示す)
で示される構造(ヒンダードアミン)を有するものであると、膜の光安定性が向上するため好ましい。例えば、FA−711MM(日立化成工業社製、ファンクリル、ペンタメチルピペリジルメタクリレート)、FA−712HM(日立化成工業社製、ファンクリル、テトラメチルピペリジルメタクリレート)を用いることが好ましい。
【0047】
上記(D)溶媒としては、炭化水素系溶剤、エーテル・ケトン類溶剤、エステル系溶剤、ハロゲン化炭化水素類、鉱物油や合成油、動植物油、アルコール系溶剤等が挙げられ、これらは1種類もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、窒素原子を有する溶媒を用いることが好ましい。
【0048】
上記炭化水素系溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン、ナフテン、オクテン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0049】
上記エーテル・ケトン類溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンなどが挙げられる。
【0050】
上記エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸オクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸オクチル、フタル酸エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸アルキル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、アゼライン酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジエチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシルなどが挙げられる。
【0051】
上記ハロゲン化炭化水素類としては、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、フロン−113、フロン−112、ブロムペンテン、塩素化パラフィンなどが挙げられる。
【0052】
上記鉱物油や合成油としては、灯油、軽油、ガソリン、スピンドル油、タービン油、ギヤー油、マシン油、トランス油、ラバーゾール、ホワイトゾール、ミネラルターペン、ミネラルスピリット、n−パラフィン、イソ−パラフィン、流動パラフィン、パラフィンワックス、シリコンオイル、ポリブテンなどが挙げられる。
【0053】
上記動植物油としては、牛脂、スクワラン、ラノリン、大豆油、ヤシ油、菜種油、亜麻仁油、桐油、ひまし油、綿実油などが挙げられる。これらの液体は触媒液の作製前に、シリカゲルや活性アルミナ、珪藻土、活性白土などでろ過したり。減圧脱気や窒素やアルゴンなどの不活性ガスで置換しても良い。
【0054】
上記アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0055】
上記(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0〜1000重量部であることが好ましい。
【0056】
上記(E)添加剤としては、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等の重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等の安定化剤、カップリング剤、難燃剤などを挙げることができる。
【0057】
上記熱ラジカル重合開始剤としては、1,1,3,3−テトラメチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、イソブチルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシバレリック酸−n−ブチルエステル、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシフェノキシアセトン、α−クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの過酸化物は、各々単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0058】
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N−N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
これらラジカル重合開始剤の配合量は、(B)成分と(C)成分の総量100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.5〜5重量部の範囲であることがより好ましい。
【0060】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、パラ−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独又は2種類以上併用してもよい。
【0061】
上記光安定化剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などのヒンダードアミン系光安定剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
上記紫外線吸収剤や光安定化剤は、通常、(B)成分と(C)成分の総量100重量部に対し0.05〜20重量部の範囲で添加されうる。
【0063】
上記酸化防止剤としては、パラベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、パラ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾールハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロールなどのフェノール類、ナフテン酸銅やオクテン酸銅などの銅塩、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムマレエート、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩類、キノンジオキシムやメチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、トリエチルアミン塩酸塩やジブチルアミン塩酸塩などのアミン塩酸塩類、鉱油、精油、脂肪油などの油類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
酸化防止剤は、充填材との相性や目的とする成形作業性及び樹脂保存安定性などの条件により種類、量を変えて添加する。通常、(B)成分と(C)成分の総量100重量部に対し10〜10,000ppmである。
【0065】
上記カップリング剤としては、特に限定されないが、シラン系カップリング剤であることが好ましい。このシラン系カップリング剤は、通常、Y(Si)X(Yは官能基を有し、Siに結合する1価の基、Xは加水分解性を有しSiに結合する1価の基)で表される。上記式中のYの官能基としては、例えば、ビニル、アミノ、エポキシ、クロロ、メルカプト、メタクリルオキシ、シアノ、カルバメート、ピリジン、スルホニルアジド、尿素、スチリル、クロロメチル、アンモニウム塩、アルコール等の基が挙げられる。Xとしては、例えばクロル、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ等が挙げられる。具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン塩酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらを混合して使用することも可能である。カップリング剤は、通常、(B)成分と(C)成分の総量100重量部に対し、0.001〜5重量部添加する。
【0066】
上記難燃剤としては、例えば、ヘキサブロムベンゼン、テトラブロムビスフェノールA、デカブロムジフェニルオキサイド、トリブロムフェノール、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、パークロロペンタシクロデカン、ヘット酸誘導体等のハロゲン系化合物が挙げられ、これらは単独又は2種以上併用されうる。また、リン酸トリス(ジクロロプロピル)、リン酸トリス(ジブロモプロピル)などのリン酸化合物、ホウ酸化合物なども併用できる。さらに、助難燃剤として三酸化アンチモン、酸化鉄、水素化アルミなどを難燃剤と併用するとより難燃効果が高められる。ハロゲン系難燃剤は、一般的に、(B)成分と(C)成分の総量100重量部に対し1〜50重量部で、三酸化アンチモン等の助難燃剤は1〜15重量部の範囲で用いられる。また、プラスチック用充填材として市販の水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水和物も難燃を目的とした充填材として用いることができる。これらの添加量は(B)成分と(C)成分の総量100重量部に対し10〜300重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0067】
本発明の樹脂組成物は、上記した(A)成分と、(B)成分および/または(C)成分とを必須成分とし、その他必要に応じて添加される成分を、通常の樹脂組成物と同様に攪拌、混合することにより得ることができる。なお、このときに注意が必要な点は、水分の混入であり、樹脂組成物中に含まれる水分は1重量%以下であることが好ましい。それゆえ上記混合攪拌は密閉系で行うことが望ましい。
【0068】
本発明の膜状光学部材は、例えば、本発明の樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥し、必要に応じて硬化させることにより得ることができる。樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、刷毛塗り、スピン塗布法、スプレー法、スリットコーター、グラビア印刷、スクリーン印刷などを挙げることができる。また、上記基材としては、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム、太陽電池セルなどを挙げることができる。
【0069】
また、樹脂組成物の塗布後に行う乾燥は、膜中の溶剤が十分に揮発すればよく、その方法や条件は特に限定されないが、例えば、電気炉等を用い、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜80℃の範囲で行うことができる。乾燥温度50℃未満では、(D)成分などの乾燥が不十分になる恐れがあり、150℃を越えると(C)成分などが揮発してしまう恐れがあり、良好な硬化膜をえることが困難になる傾向がある。
【0070】
また、乾燥後の硬化は、熱硬化性配合の場合には、その成分や配合量により硬化温度と時間を適宜決定すればよいが、好ましくは130〜200℃の温度で2〜60分間、より好ましくは130〜200℃の温度で2〜30分間加熱して行うことができる。この加熱が130℃未満であると、十分な硬化が行えない恐れがある。また、樹脂組成物が光硬化性配合の場合にも特に制限されないが、高圧水銀灯などを用い、100〜2000mJ/cmで露光し、最終硬化させることが好ましい。
【0071】
本発明の膜状光学部材の膜厚は、本発明の樹脂組成物の粘度を調整したり、膜形成手段やその条件を適宜選択することにより、容易に所望厚さに形成することが可能である。例えば、上記(D)成分である溶剤の配合量を少なくすると、樹脂組成物の粘度が上昇し、比較的厚膜の光学部材を形成しやすくなり、上記(D)成分の配合量を多くすると、樹脂組成物の粘度が低下し、比較的薄膜の光学部材を形成しやすくなる。また、樹脂組成物の塗布手段として、スピン塗布法を適用する場合には、その回転数を下げたり、塗布回数を増やしたりすることで、比較的厚膜の光学部材を形成することができ、その回転数を上げたり、塗布回数を減らしたりすることで、比較的薄膜の光学部材を形成することが可能である。具体的に好ましい厚さは、用途にもよるが1〜1000μmの範囲である。また、本発明の膜状光学部材の屈折率は、1.8以上であることが好ましい。
【実施例】
【0072】
<ポリマ合成例>
(含窒素アクリルポリマの合成)
耐圧2.3kg/cmGの4リットルのステンレス鋼製オートクレーブに重合溶媒としてトルエン1950gを投入し、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(FA−711MM、日立化成工業社製)500gを秤取した。その後、室温にて窒素ガスを約1時間通し、溶存酸素を置換し、オートクレーブ内を加圧・密閉にして、60℃まで昇温した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、和光純薬社製)1.0g、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル(ACHN、和光純薬社製)0.5gをトルエン50gに溶解して、室温にて窒素ガスを約10分間通し、溶存酸素を置換した混合溶液を添加した。さらに、同温度を約18時間保持し、90℃まで昇温した後、同温度で約6時間保持し、アクリルポリマ溶液を得た。ポリマの重合率は98.6%であった。このポリマをL−3と呼ぶことにする。
【0073】
以下同様にして、上記L−3でトルエンのところをメチルエチルケトンとしたL−4を合成した。また、上記L−3の合成でFA−711MMを使っているところを、ジメチルアミノエチルアクリレート(DE、興人社製)を用いたもので、D−1〜D−4を合成した。
【0074】
(ウレタンポリマの合成)
撹拌機、温度計、冷却管及び空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート115部(ヒドロキシル基:1.0当量)、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと塩化カルボニルからなるポリカーボネートジオール(T5650J:旭化成ケミカルズ株式会社製PCDL、Mw=800)4000部(ヒドロキシル基:4.0当量)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製)0.5部、ジブチル錫ジラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名:L101)5.0部及びトルエン4000部を仕込み、70℃に昇温後、70〜75℃で30分間保温し、これに、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト(住友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモジュール W)650部(イソシアネート基:5.0当量)及びトルエン300部の混合液体を70〜75℃で3時間かけ均一滴下し、反応させた。
【0075】
滴下完了後、70〜75℃で約5時間保温して反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認した後、反応を終了させた。さらに、ベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)150部を加え攪拌・溶解し、ウレタン系UV硬化樹脂組成物(S−1)を得た。
【0076】
<樹脂組成物の調製と評価>
表1〜8に示される配合量(重量部)にて各成分を12時間攪拌混合することで、実施例1〜81の樹脂組成物を調製した。
【0077】
ついで、得られた各樹脂組成物の溶解性と色を目視により観察した。また、各樹脂組成物をガラス上に数滴たらし、溶媒を乾燥させて厚み5〜100μmの膜を作製し、その膜質を目視により観察した。
【0078】
さらに、各樹脂組成物を適当に溶媒で希釈し、これを、約25mm角に切断したシリコンウエハ上(屈折率測定用)、およびガラス上(吸光度測定用)のそれぞれに、2000rpm、30secの条件でスピンコートし、ホットプレート(90℃、約120sec)を用いて、溶媒を乾燥させた。なお、熱硬化性配合の樹脂組成物に関しては、さらに150℃で10分間ホットプレートにて硬化させた。また、屈折率測定に用いる試料膜の膜厚は、0.01〜0.2μmであり、吸光度測定に用いる試料膜の膜厚は、1〜20μmである。
【0079】
このようにして得た各試料膜について、屈折率測定と吸光度測定を行った。屈折率測定は、エリプソメータ(633nm)を用いて測定し、吸光度測定は、日立ハイテク社製UV分光光度計U−3310を用い、450nmの範囲で測定した。なお、吸光度は、膜厚を触針型膜厚計Solan社製Dektakを用いて測定し、単位膜厚当たりの吸光度として評価した。
【0080】
各評価結果についても表1〜8にまとめて示す。なお、表中の略号の意味は、以下のとおりである。
【0081】
(成分項目)
<(A)成分>
TiOiPr:チタニウムテトライソプロポキシド
<(B)成分>
MS-12:アクリル系UV硬化樹脂組成物(日立化成工業社製)
ピッツコールK-30:ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製)
ピッツコールK-90:ポリビニルピロリドン(第一工業製薬社製)
L-3:FA-711MMアクリルホモポリマ(TLS70重量%含)
L-4:FA-711MMアクリルホモポリマ(MEK70重量%含)
D-1:DEアクリルホモポリマ(TLS80重量%含)
D-2:DEアクリルホモポリマ(オリゴマ、TLS80重量%含)
D-3:DEアクリルホモポリマ(TLS60重量%含)
D-4:DEアクリルホモポリマ(ACS60重量%含)
S-1:AHEC-T/T5650J/DISMO-W=2.8/71.6/25.6(AHEC-T:共栄社化学製、2-ヒドロキシエチルアクリレート、T5650J:旭化成ケミカルズ株式会社製PCDL、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと塩化カルボニルからなるポリカーボネートジオール(Mw=800)、DISMO-W:住化バイエルウレタン株式会社製、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、TLS55重量%含)
S-2:AHEC-T/T5650J/MPD/DISMO-W=3.4/49.6/8.6/38.4(MPD:株式会社クラレ製、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、TLS40重量%含)
S-3:AHEC-T/P1010/DISMO-W=2.5/75.2/22.3(P1010:株式会社クラレ製、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−alt−アジピン酸]、TLS50重量%含)
S-4:AHEC-T/T5652/DISMO=2.7/83.4/13.8(T5652:旭化成ケミカルズ株式会社製PCDL、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと塩化カルボニルからなるポリカーボネートジオール(Mw=2000)、TLS50重量%含)
LM-1:FA-711MM/MMA=75/25(MMA:メチルメタクリレート、TLS70重量%含)
LM-2:FA-711MM/MMA=50/50(TLS70重量%含)
LH-2:tBAEM(デグサ ジャパン株式会社製、2-t-ブチルアミノエチルメタクリレート、TLS70重量%含)
LH-3:FA-712HM(日立化成工業社製ファンクリル、テトラメチルピペリジルメタクリレート、TLS70重量%含)
LH-3-1:FA-711MM(CHN/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
PMMA:ポリメチルメタクリレート(TLS90重量%含)
AS:シアン化ビニル/スチレン共重合体(TLS70重量%含)
LC-1:FA-711MM/HEMA(HEMA:日本触媒社製、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、TLS/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LC1-0:FA-711MM/HEMA(TLS70重量%含)
LC-2:FA-711MM/HOMS(HOMS:共栄社化学製、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、TLS/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LC-3:FA-711MM/HOA(HOA:共栄社化学製、2−ヒドロキシエチルアクリレート、TLS/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LC-4:FA-711MM/HOA-MS(HOA-MS:共栄社化学製、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、TLS/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LC-5:FA-711MM/HOA-MPL(HOA-MPL:共栄社化学製、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、TLS/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LC-5-0:FA-711MM/HOA-MPL(TLS70重量%含)
LI-1:FA-711MM/CHMI=80/20(CHMI:シクロヘキシルマレイミド、TLS/BuOH=80/20溶媒70重量%含)
LI-1C:FA-711MM/CHMI=80/20(CHN/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LI-3-1C:FA-711MM(CHN/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
MI-1:MMA/CHMI=80/20(TLS/BuOH=80/20溶媒80重量%含)
MI-1C:MMA/CHMI=80/20(CHN/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
LS-1:FA-711MM/HOA-MS=90/10(TLS/BuOH=80/20溶媒70重量%含)
LS-1C:FA-711MM/HOA-MS=90/10(CHN/EtOH=80/20溶媒80重量%含)
LS-2:FA-711MM/HOA-MS=95/5(TLS/BuOH=80/20溶媒70重量%含)
LS-2C:FA-711MM/HOA-MS=95/5(CHN/EtOH=80/20溶媒80重量%含)
DS-1C:DE/HOA-MS=90/10(CHN/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
DS-2C:DE/HOA-MS=95/5(CHN/EtOH=80/20溶媒70重量%含)
<(C)成分>
MAA:メタクリル酸
FA-711MM:日立化成工業社製ファンクリル、ペンタメチルピペリジルメタクリレート
DE:大阪有機化学社製、ジメチルアミノエチルアクリレート
R-712:日本化薬社製、カヤラッド、EO変性ビスフェノールFジアクリレート
ACMO:興人社製、アクロイルモルフォリン
AOEC:共栄社化学製、2−エチルヘキシルアクリレート
IB-XA:大阪有機化学社製、イソボニルアクリレート
<(D)溶媒>
EtOH:エタノール
IPA:イソプロピルアルコール
BuOH:ブタノール
TLS:トルエン
CHN:シクロヘキサノン
MEK:メチルエチルケトン
ACS:アセトン
<(E)添加剤>
22-70E:トリゴノックス22-70E、化薬アクゾ社製、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
パークミルD:日本油脂社製、ジクミルパーオキサイド
I-184:チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア
A-714:日本ユニカー社製、シランカップリング剤
(評価項目)
<樹脂組成物の溶解性>
良:良好、難:難溶(致命的ではない)、分:分離、濁:濁り、ゲ:ゲル化、
<溶液色>
透:無色透明、淡:淡黄、黄:黄色、濃:濃い黄色〜橙色、濁:濁り
<膜質>
良:良好、濁:濁り(ヘイズ)、不延:製膜時に樹脂溶液が延びない(致命的ではない)、ス:ストリーク(致命的ではない)、ム:ムラ(致命的ではない)、べ:べとつき、割:フィルム割れ、荒:フィルム表面が荒れている、析:膜中に微粒子が析出、薄:膜が薄い(1μm未満)
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
【表3】

【0085】
【表4】

【0086】
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
【表7】

【0089】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)金属アルコキシドと、(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または(C)反応性モノマと、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)成分以外の少なくとも1つの成分が窒素原子を有し、該樹脂組成物中の窒素原子のモル数をnN、窒素原子の質量をWN、金属アルコキシドのモル数をnM、該樹脂組成物全体の質量をWtotalとしたとき、
N/nM≧0.01であり、かつWN/Wtotal≧0.0001であり、系全体の水分が1重量%以下である樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)金属アルコキシドが、チタンアルコキシドまたはジルコニウムアルコキシドである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または前記(C)反応性モノマが、窒素原子を有する請求項1または2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記(B)ポリマもしくはオリゴマが、水酸基もしくはカルボキシル基を有しないもの、または、水酸基もしくはカルボキシル基を有し、かつ窒素原子を有するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記(B)ポリマもしくはオリゴマおよび/または前記(C)反応性モノマが、下記式
【化1】

(式中、Rは、水素もしくはC〜Cアルキル基を示す)
で示される構造を有する請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項6】
(D)溶媒をさらに含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記(D)溶媒が窒素原子を有する溶媒を含有する請求項6記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の樹脂組成物を用いてなる膜状光学部材。
【請求項9】
膜厚が1〜1000μmの範囲である請求項8に記載の膜状光学部材。
【請求項10】
屈折率が1.8以上である請求項8または9に記載の膜状光学部材。

【公開番号】特開2008−255124(P2008−255124A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221910(P2005−221910)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】