説明

樹脂組成物及び樹脂成形体

【課題】 生分解性を向上させた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供する。
【解決手段】 粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている樹脂組成物において、有機陽イオンは、生分解性を有する有機陽イオン又は両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンである。樹脂成形体は、前記樹脂組成物を用いて形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会においては、様々な樹脂が、化粧品の容器を含む様々な生活消費財の材料として使用されている。特に、地球的規模での環境問題を考慮し、近年では、生活消費財の材料として、自然環境の中で分解し得る樹脂である生分解性樹脂を利用することが、注目されている。このような生分解性樹脂は、加水分解、微生物又は酵素によって、最終的には、水及び二酸化炭素に分解されるため、生物濃縮及び環境ホルモン効果等を生じさせず、環境を汚染しない点で優れている。
【0003】
ここで、粘土鉱物の陽イオンを有機イオンでイオン交換して得られる有機変性粘土鉱物を樹脂に添加した樹脂組成物が、樹脂の成形体に用いられている。このような樹脂組成物は、樹脂の成形体のガスバリア性を向上させ、また、生分解性樹脂の成形体の剛性を十分高く維持すると共に生分解速度を高めることができる。ここで、多くの場合、粘土鉱物をイオン交換する有機イオンとしては、陽イオン性界面活性剤から生じる有機陽イオンが用いられる。
【0004】
例えば、ガスバリア性に優れた生分解性として、乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステル及び膨潤性層状ケイ酸塩からなる生分解性ポリエステル材料が開示されている(特許文献1参照。)。ここで、膨潤性層状ケイ酸塩は、例えば、四つの互いに独立な、炭素数1〜30のアルキル基又はアルキレンオキシ基が窒素原子に結合している第四級アンモニウムイオンのような、陽イオン界面活性剤から生じる有機陽イオンで処理されたケイ酸塩である。
【0005】
また、生分解性樹脂と、生分解性樹脂中に分散されている有機化剤により有機化された層状粘土鉱物とを含み、有機化された層状粘土鉱物の平均粒径が1μm以下である生分解性樹脂組成物も開示されている(特許文献2参照。)。このような生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂の成形体の剛性を十分高く維持すると共に生分解速度を高めることができる。ここで、有機化剤は、第一級、第二級、第三級、又は第四級アンモニウムイオンを含む有機アンモニウム化合物、有機ホスホニウム化合物、有機ピリジニウム化合物、及び有機スルホニウム化合物のような陽イオン界面活性剤から生じる有機陽イオン化合物である。
【0006】
しかしながら、上記のような、粘土鉱物の無機陽イオンを、陽イオン性界面活性剤から生じる有機陽イオンでイオン交換して得られる有機変性粘土鉱物を樹脂に添加した樹脂組成物は、生分解性が不十分である。
【特許文献1】特開2002−338796号公報
【特許文献2】特開2001−89646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生分解性を向上させた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている樹脂組成物において、前記有機陽イオンは、生分解性を有する有機陽イオンであることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、生分解性を向上させた樹脂組成物を提供することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている樹脂組成物において、前記有機陽イオンは、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンであることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、生分解性を向上させた樹脂組成物を提供することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の樹脂組成物において、前記樹脂は、生分解性樹脂であることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、樹脂組成物の生分解性をさらに向上させることができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の樹脂組成物において、前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、樹脂組成物をより容易に製造することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4いずれか1項記載の樹脂組成物において、前記有機変性粘土鉱物の平均粒子径は、1μm以下であることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、樹脂組成物のガスバリア性、水分の遮断性及び耐熱性を向上させることができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、樹脂成形体において、請求項1乃至5いずれか1項記載の樹脂組成物を用いて成形されていることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、生分解性を向上させた樹脂成形体を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、生分解性を向上させた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0022】
まず、本発明による樹脂組成物を説明する。本発明による樹脂組成物においては、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている。
【0023】
ここで、本発明による樹脂組成物に含まれる樹脂としては、任意の樹脂を用いることができる。すなわち、本発明による樹脂組成物に含まれる樹脂は、生分解性樹脂であってもよく、また、非生分解性樹脂であってもよい。しかしながら、生分解性樹脂は、加水分解、微生物又は酵素によって、最終的には水及び二酸化炭素に分解されるため、生物濃縮及び環境ホルモン効果等を生じさせず、環境の汚染を低減することができるため、本発明による樹脂組成物に含まれる樹脂は、生分解性樹脂であることが好ましい。
【0024】
本発明による樹脂組成物に含まれる樹脂として用いられる生分解性樹脂は、微生物又は酵素によって分解若しくは低分子量化され得る樹脂であれば、特に制限されないが、ポリエステル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、多糖類(ポリサッカリド)、ポリペプチド、リグニン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0025】
ここで、ポリエステル系樹脂は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、及びネオペンチルグリコールなどのような少なくとも一種類のジオールとコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸及びこれらの無水物などのような少なくとも一種類の脂肪族ジカルボン酸との重縮合反応によって得られる脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエステル共重合体、並びにこれらの混合物を含む。上記の脂肪族ポリエステルの例としては、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ヘキサメチレンサクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(エチレンオキサレート)、ポリ(ブチレンオキサレート)、ポリ(ヘキサメチレンオキサレート)、ポリ(エチレンセバケート)、及びポリ(ブチレンセバケート)が挙げられる。上記脂肪族ポリエステル共重合体の例としては、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンアジペート)が挙げられる。
【0026】
なお、ジオールに加えて、三個以上の水酸基を有するポリオールを用いてもよく、脂肪族ジカルボン酸に加えて、芳香族ジカルボン酸及び/又は三個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸を用いてもよい。ジオールと芳香族ジカルボン酸との重縮合反応によって得られるポリエステル系樹脂としては、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンテレフタレート)及びポリ(ブチレンアジペート−co−ブチレンテレフタレート)が挙げられる。
【0027】
また、ポリエステル系樹脂は、ポリ(ヒドロキシ酸)及びこれらの共重合体も含む。ポリ(ヒドロキシ酸)の例としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロキオラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)、ポリ(3−ヒドロキシバリレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、及びポリ(3−ヒドロキシカプレート)が挙げられる。
【0028】
また、多糖類としては、セルロース、ヘミセルロース、キチン、及びキトサンが挙げられる。これらの多糖類は、その分子の少なくとも一部が他の化学物質で置換された、また、その分子の少なくとも一部に他の化学物質が付加した多糖類の誘導体であってもよい。セルロースの誘導体としては、例えば、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
【0029】
また、ポリペプチドとしては、例えば、コラーゲン及びコラーゲン誘導体が挙げられる。
【0030】
また、リグニンは、木化した植物体から得られるフェニルプロパン骨格の樹脂及びその誘導体であればよく、その単離方法には制限はない。
【0031】
なお、ポリエステル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、多糖類(ポリサッカリド)、ポリペプチド、リグニン、及びこれらの誘導体を、単独で、又は組み合わせで用いてもよい。
【0032】
上記の生分解性樹脂の中で、ポリ乳酸は、その原料が植物(トウモロコシなど)由来の原料であり、入手が容易である。よって、樹脂成形体の材料としてポリ乳酸を用いれば、樹脂成形体を容易及び安価に製造することができる。また、ポリ乳酸は、透明性及び安定性の点でも優れている。よって、本発明による樹脂組成物に含まれる樹脂は、生分解性樹脂であるポリ乳酸であることが好ましい。
【0033】
本発明による樹脂組成物に含まれる樹脂として用いられる非生分解性樹脂としては、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、及びポリスチレンのようなビニル重合体、ポリアミド、上記生分解性樹脂のポリエステル系樹脂を除くポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ブ夕ジエン/スチレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、及びエチレン/プロピレン/ジエン共重合体のようなビニル共重合体、天然ゴム、アクリルゴム、塩素化ブチルゴム、及び塩素化ポリエチレンのようなエラストマー又はこれらの無水マレイン酸等による酸変性物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/フェニルマレイミド共重合体、ポリアセタール、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリメチルメタクリレート、並びにポリアリレートなどが挙げられる。
【0034】
次に、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物を説明する。本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物においては、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つが、生分解性を有する有機陽イオンでイオン交換されているか、又は両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンでイオン交換されている。
【0035】
本発明において、有機変性粘土鉱物に使用される粘土鉱物は、特に制限されないが、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、及びフッ素マイカなどの天然又は合成のスメクタイト型の粘土鉱物を挙げることができる。ここで、本発明に使用される粘土鉱物には、上記のスメクタイト型の粘土鉱物を単独又は組み合わせで用いることができる。
【0036】
また、本発明に使用される粘土鉱物は、一般に、無機陽イオンを含む。例えば、上記のスメクタイト型の粘土鉱物は、層状の結晶構造を有し、粘土鉱物の層間には、Na、K、Mg2+、Ca2+、及びAl3+などの無機陽イオンが存在する。これら粘土鉱物の無機陽イオンの一部又は全部は、粘土鉱物のSi−O基の酸素原子にイオン結合しているか、又は遊離の無機陽イオンとして粘土鉱物の層間に存在する。本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物においては、これらの無機陽イオンの少なくとも一つ(一部又は全部)が、有機陽イオンでイオン交換される。このような有機陽イオンも、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物においては、粘土鉱物のSi−O基の酸素原子にイオン結合しているか、又は遊離の有機陽イオンとして粘土鉱物の層間に存在する。
【0037】
次に、本発明に使用される粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つをイオン交換する有機陽イオンは、生分解性を有する有機陽イオンである。生分解性を有する有機陽イオンとしては、両性界面活性剤から生じる有機陽イオン及び半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンが挙げられる。よって、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物において、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つをイオン交換する有機陽イオンは、両性界面活性剤から生じる有機陽イオン及び半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンの一方又は両方であってもよい。
【0038】
ここで、両性界面活性剤は、陽イオンを生ずる基及び陰イオンを生ずる基の両方を有する界面活性剤である。このため、両性界面活性剤が溶解する溶液又は分散する分散系のpHにより、両性界面活性剤は、陽イオン、陰イオン、又は中性分子となる。すなわち、上記のpHが等電点より酸性側にあるときには、両性界面活性剤は、水素イオンが陽イオンを生ずる基に配位することによって陽イオン性界面活性剤となり、逆に上記のpHが等電点より塩基性側にあるときには、両性界面活性剤は、水素イオンが陰イオンを生ずる基から電離することによって陰イオン性界面活性剤として作用する。
【0039】
また、半極性界面活性剤は、半極性結合(無極性結合及び極性結合の中間の性質を有する結合)を有する界面活性剤である。半極性結合は、小さい双極子モーメントを有し、半極性結合を構成する原子のうち弱い正電荷を帯びた原子には、水酸化物イオンのような陰イオンが配位し、半極性結合を構成する原子のうち弱い負電荷を帯びた原子には、水素イオンのような陽イオンが配位する。その結果、半極性界面活性剤が溶解する溶液又は分散する分散系のpHにより、半極性界面活性剤は、陽イオン、陰イオン、又は中性分子となる。すなわち、上記のpHが酸性側にあるときには、半極性界面活性剤は、水素イオンが負電荷を帯びた原子に配位することによって陽イオン性界面活性剤となり、逆に上記のpHが塩基性側にあるときには、半極性界面活性剤は、水酸化物イオンが正電荷を帯びた原子に配位することによって陰イオン性界面活性剤として作用する。
【0040】
本発明に使用される両性界面活性剤及び半極性界面活性剤は、特に限定されない。本発明で用いられる両性界面活性剤及び半極性界面活性剤しては、例えば、一般式1
【0041】
【化1】

で表される、アミドベタイン型両性界面活性剤、一般式2
【0042】
【化2】

で表される、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、一般式3
【0043】
【化3】

で表される、アルキルベタイン型両性界面活性剤、一般式4
【0044】
【化4】

で表される、スルホベタイン型両性界面活性剤、一般式5
【0045】
【化5】

で表される、イミダゾリニウム型両性界面活性剤等、一般式6
【0046】
【化6】

で表される、三級アミンオキシド型半極性界面活性剤が挙げられる。
【0047】
上記の一般式1〜6において、Rは、炭素原子数9〜17のアルキル基又はアルケニル基、Rは、炭素原子数10〜18のアルキル基又はアルケニル基、xは、2〜4の整数、yは、0〜3の整数、zは、1〜2の整数である。また、本発明においては、これらの両性界面活性剤及び半極性界面活性剤の一種又は二種以上を任意に用いることができる。
【0048】
上記のアミドベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン等が挙げられる。
【0049】
上記のアミドスルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
【0050】
上記のアルキルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルベタイン等が挙げられる。
【0051】
上記のスルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルアミドアルキレンジメチルアミノスルホベタイン等が挙げられる。
【0052】
上記のイミダゾリニウム型両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミドヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ココイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0053】
上記の三級アミンオキシド型半極性界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0054】
なお、アミドベタイン型両性界面活性剤の市販品としては、レボン2000(登録商標)(三洋化成社製)、アノンBDF(登録商標)(日本油脂社製)等が挙げられる。アミドスルホベタイン型両性界面活性剤の市販品としては、ロンザイン−CS(登録商標)(ロンザ社製)、ミラタインCBS(登録商標)(ミラノール社製)等が挙げられる。アルキルベタイン型両性界面活性剤の市販品としては、アノンBL(登録商標)(日本油脂社製)、デハイントンAB−30(登録商標)(ヘンケル社製)等が挙げられる。スルホベタイン型両性界面活性剤の市販品としては、ロンザイン12CS(登録商標)(ロンザ社製)等が挙げられる、イミダゾリニウム型両性界面活性剤の市販品としては、オバゾリン662−N(登録商標)(東邦化学社製)、スワノールAM−101(登録商標)、スワノールAM−102EX(登録商標)(日光ケミカルズ社製)、アノンGLM(登録商標)(日本油脂社製)等が挙げられる。三級アミンオキシド型半極性界面活性剤の市販品としては、ユニセーフA−LM(日本油脂株式会社製)、ワンダミンOX−100(新日本株式会社製)、カチナールAOC(東邦化学株式会社製)、BARLOX 12(ロンザ社製)等が挙げられる。
【0055】
本発明によれば、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている樹脂組成物において、有機陽イオンとして、生分解性を有する有機陽イオン又は両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンを用いることで、生分解性を向上させた樹脂組成物及び樹脂成形体を提供することができる。すなわち、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物においては、生分解性を有する有機陽イオン又は両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンが、従来の有機変性粘土鉱物に使用される陽イオン性界面活性剤と比較して殺菌性が低く、微生物により分解され得る。
【0056】
なお、陽イオン性界面活性剤の殺菌性が高く、陽イオン性界面活性剤は、微生物を殺菌するため、生分解性を有さないのに対して、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の殺菌性は低く、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤は、微生物により分解されることは、一般的に知られており、例えば、1991年9月13日に開催された国際化粧品技術者会連盟のヘルシンキ大会で、Dr.Andreas Domschによって発表された論文RAW MATERIALS FOR COSMETIC PRODUCTS AS VIEWED FROM ENVIRONMENTALASPECTS − BIODEGRABILITY,ECOTOXICITY,ANIMAL TESTINGにも記載されている。
【0057】
実際に、本発明者等は、界面活性剤の生分解性を評価するために、昭和49年 環保業第5号・薬発第615号・49基局第392号に定める通達「新規化学物質に係る試験の方法について」に準拠して、閉鎖系酸素消費量測定装置によって、両性界面活性剤の生物学的酸素消費量(BOD)の測定を行い、陽イオン性界面活性剤の生物学的酸素消費量(BOD)と比較した。その結果、通産省公報(官報番号2−184)に開示されている陽イオン性界面活性剤であるヘキサデシルトリメチルアンモニウム=ブロミドのBODが、0%であるのに対して、両性界面活性剤であるドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン(商品名:アノンBL(登録商標))の生物学的酸素消費量(BOD)の測定値は、16〜17%であった。なお、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインのBODの測定値は、28日間経過後のドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインのBODであり、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン並びに所定の汚泥及び基礎培養基の混合物を、測定の対象としてBODを測定した。以上の結果から、陽イオン性界面活性剤が、生分解性を有さないのに対して、両性界面活性剤は、生分解性を有することを確認することができた。
【0058】
また、粘土鉱物は、天然に存在するため、粘土鉱物は、分解する必要がない。よって、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物は、環境を汚染する可能性が低減することができる。さらに、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物は、従来の有機変性粘土鉱物と比較して皮膚に対する刺激性が低い。よって、本発明によれば、皮膚に対する刺激性が低減された樹脂組成物を提供することができる。
【0059】
次に、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物の製造方法について説明する。本発明において使用される有機変性粘土鉱物は、上記のように、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを、生分解性を有する有機陽イオンでイオン交換することで製造される。また、本発明による有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンでイオン交換することで製造される。この場合には、酸性の液体において両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤を粘土鉱物と反応させる。このように、酸性の液体において両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤を粘土鉱物と反応させることで、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンを生成させることができる。具体的には、上述したように、両性界面活性剤は、水素イオンが陽イオンを生ずる基に配位することによって有機陽イオンとなり、半極性界面活性剤は、水素イオンが負電荷を帯びた原子に配位することによって有機陽イオンとなる。そして、このように生成した両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生成した有機陽イオンが、粘土鉱物の酸素原子にイオン結合した有機変性粘土鉱物を得ることができる。
【0060】
酸性の液体において両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤を粘土鉱物と反応させる場合において、酸性の液体のpHは、使用する両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤によって異なるが、好ましくは、2以上4以下である。上記の酸性の液体のpHが、2より小さい場合には、液体における水素イオンの濃度が高すぎて、粘土鉱物の無機イオンが、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンではなく、水素イオンでイオン交換され、本発明による有機変性粘土鉱物を得ることが困難になる。また、pHが2よりも小さい液体を調製することは、実際には、容易ではなく、pHが2よりも小さい液体は、反応器を腐食するなどの作業性が良好でない。また、上記の酸性の液体のpHが、4より大きい場合には、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から十分な濃度の有機陽イオンを生成せず、よって、粘土鉱物の無機イオンを有機陽イオンで十分にイオン交換することができず、本発明に用いられる有機変性粘土鉱物を得ることが困難になる。従って、本発明に用いられる有機変性粘土鉱物は、好ましくは、2以上4以下であるpHの液体中で両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤を粘土鉱物と反応させることで、より容易に及び効率良く得られる。
【0061】
なお、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物の平均粒子径は、好ましくは、1μm以下である。すなわち、本発明による樹脂組成物は、ナノコンポジットであることが好ましい。有機変性粘土鉱物の平均粒子径が1μm以下であることによって、樹脂における有機変性粘土鉱物の凝集が抑制され、樹脂に分散される有機変性粘土鉱物の分散性が向上する。その結果、樹脂に含まれる有機変性粘土鉱物が、本発明による樹脂組成物を用いて形成された樹脂成形体を通じた分子の通過を阻害し、本発明による樹脂成形体のガスバリア性及び水分の遮断性等を高めることができる。また、有機変性粘土鉱物の平均粒子径が1μm以下であることによって、本発明による樹脂成形体の耐熱性も向上させることができる。一方、有機変性粘土鉱物の平均粒子径が、1μmより大きいときには、樹脂成形体のガスバリア性及び水分の遮断性及び耐熱性が必ずしも十分ではない。
【0062】
また、本発明による樹脂組成物は、樹脂及び有機変性粘土鉱物以外に、本発明による樹脂組成物及び樹脂成形体の特性を損なわない限り、通常用いられる添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、末端封鎖剤、及び充填剤等を含んでもよい。具体的には、酸化防止剤としては、p−t−ブチルヒドロキシトルエン及びp−t−ブチルヒドロキシアニソールのようなヒンダードフェノール系酸化防止剤;熱安定剤としては、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、及びトリスノリルフェニルホスファイト等;紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、及び2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等;滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、及びパルミチン酸ナトリウム等;帯電防止剤としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキルアリールスルホネート、及びアルキルスルホネート等;難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等;結晶化促進剤としては、タルク、ボロンナイトライト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(トランスシクロヘキサンジメタノールテレフタレート)等;末端封鎖剤としては、カルボジイミド基、エポキシ基、イソシアネート基、グリシジル基等の少なくとも一つを含む化合物;無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、タルク、マイカ、硫酸バリウム、及びアルミナ等;有機充填剤としては、木粉、もみがら、新聞紙等の古紙、各種デンプン(アルファ化しされたデンプン等を含む)、及びセルロース等が挙げられる。
【0063】
次に、本発明による樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明による樹脂組成物は、所望の樹脂、所望の有機変性粘土鉱物、及び必要に応じて添加剤を、所定の割合で、溶融混練することで得ることができる。この溶融混練は、樹脂の融点又は軟化点以上の温度に加熱することで行われる。溶融混練は、実際には、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、及びブラベンダー等の一般的な混練機を用いて行えばよいが、加熱時にせん断力を加えて有機変性粘土鉱物を樹脂に均一に分散させるためには、二軸押出機を用いることが好ましい。また、本発明による樹脂組成物に関して、樹脂における有機変性粘土鉱物の分散性は、電子顕微鏡を用いた樹脂組成物の観察により確認することができる。
【0064】
また、本発明による樹脂組成物は、公知の層間重合法によっても製造することができる。すなわち、所望の樹脂を形成し得るモノマー、及び所望の有機変性粘土鉱物を、所定の割合で混合し、適当な触媒の存在下で、加熱などの方法により、上記のモノマーを重合させる。このように上記のモノマーを重合させて所望の樹脂を形成させることにより、所望の樹脂に所望の有機変性粘土鉱物が分散した樹脂組成物を得ることができる。
【0065】
例えば、ポリ乳酸に有機変性粘土鉱物が分散した樹脂組成物を層間重合法によって製造する場合には、ポリ乳酸のモノマーとしての乳酸の二量体であるラクチドに、有機変性粘土鉱物を混合し、その混合物に、重合触媒としての微量のオクチル酸スズを添加する。その後、ラクチド、有機変性粘土鉱物、及びオクチル酸スズの混合物を、160℃程度の温度で加熱することにより、ラクチドを重合させてポリ乳酸を形成し、ポリ乳酸に有機変性粘土鉱物が分散した樹脂組成物を得ることができる。このため、本発明によるポリ乳酸及び有機変性粘土鉱物を含む樹脂組成物の製造方法として、層間重合法を好適に使用することができる。
【0066】
次に、本発明による樹脂成形体を簡単に説明する。本発明による樹脂成形体は、公知の射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、圧空成形、及びインフレーション成形の少なくとも一種類の成形方法によって、本発明による樹脂組成物を成形することで得られる。
【0067】
本発明による樹脂成形体は、化粧品用の容器を含む生活消費財及びその他の耐久素材として広く使用することができる。本発明による樹脂成形体の具体例は、例えば、射出成形体としては、生活雑貨、包装容器、及び電気電子機器筐体;ブロー成形体としては、飲料又は化粧品などの流動体の容器、食品又は薬品の容器、及び燃料等のタンク類;押出成形体としては、深絞り成形用原反シート、バッチ式発泡用原反シート、クレジットカード等のカード類、下敷き、クリアファイルのような包装用又は農業若しくは工業用のフィルム及びシート、並びにストロー及び農業若しくは園芸用硬質パイプ等のパイプ類;真空成形体又は圧空成形体としては、生鮮食品のトレー、インスタント食品容器、ファーストフード容器、及び弁当箱等などの食品容器、商品陳列用のブリスターパック容器、並びに薬品用のプレススルーパック容器が挙げられる。
【実施例1】
【0068】
(実施例)
まず、本発明による樹脂組成物に含まれる有機変性粘土鉱物を製造した。両性界面活性剤であるドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン(商品名:アノンBL(登録商標))に塩酸を添加し、pH=3の塩酸水溶液を調整した。この塩酸水溶液におけるドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインの濃度は、0.05mol/lであった。次に、この塩酸水溶液に、粘土鉱物である1gの合成マイカ(組成:Na0.66Mg2.63(Si3.98Al0.02)O10.021.96)(コープケミカルより入手可能なフッ素マイカ、商品名ME100)を分散させて、室温で2時間攪拌した。このようにして合成マイカにドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインを反応させ、合成マイカの無機イオンを、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインから生ずる有機陽イオンでイオン交換した。イオン交換の反応後の液体を濾過し、得られた固体を、水/エタノール=1/1溶液で洗浄した後、乾燥させて、上記の両性界面活性剤から生じる有機陽イオンを含む有機変性粘土鉱物を得た。
【0069】
次に、本発明による樹脂組成物を上記の有機変性粘土鉱物を用いて製造した。得られた有機変性粘土鉱物を、樹脂であるポリ乳酸に混合した。ここで、上記の有機変性粘土鉱物及びポリ乳酸の混合比は、質量比で4:96とした。上記の有機変性粘土鉱物及びポリ乳酸の混合物を、二軸混練機において、温度160℃及びスクリュー回転数400rpm(回転/分)の条件で混練して、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインから生じる有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物がポリ乳酸に分散した樹脂組成物を得た。
【0070】
次に、得られた樹脂組成物を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。図1は、透過型電子顕微鏡によって撮影された、得られた樹脂組成物の電子顕微鏡写真である。図1に示すように、得られた樹脂組成物においては、1μm以下の粒子径を有する(ナノメートルサイズの)有機変性粘土鉱物が、ポリ乳酸中に均一に分散しており、得られた樹脂組成物が、ポリマーナノコンポジットであることを確認することができた。
【0071】
また、得られた樹脂組成物の生分解性及び有機変性粘度鉱物を混合してないポリ乳酸の生分解性を測定した。得られた樹脂組成物の生分解性の測定は、ISO14855に準拠した方法に従って行った。すなわち、所定量の牛糞由来の堆肥に、所定量の得られた樹脂組成物を混合し、樹脂組成物及び堆肥の混合物を定温器に入れて、温度60℃に保持した。そして、定温器において樹脂組成物及び堆肥の混合物から発生した二酸化炭素の量を測定した。このとき、樹脂組成物に含まれるポリ乳酸の一部は、堆肥に存在する微生物によって分解されて、二酸化炭素を発生させるため、堆肥に予め加えた樹脂組成物に含まれるポリ乳酸の量と、樹脂組成物から発生した二酸化炭素の量とから、微生物による樹脂組成物の生分解率を算出した。また、上記の有機変性粘土鉱物を混合してないポリ乳酸についても、同様の測定を行った。すなわち、所定量の牛糞由来の堆肥に、所定量のポリ乳酸を混合し、ポリ乳酸及び堆肥の混合物を定温器に入れて、温度60℃に保持した。そして、定温器においてポリ乳酸及び堆肥の混合物から発生した二酸化炭素の量を測定した。このとき、上述したようにポリ乳酸の一部は、堆肥に存在する微生物によって分解されて、二酸化炭素を発生させるため、堆肥に予め加えたポリ乳酸の量と、樹脂組成物から発生した二酸化炭素の量とから、微生物によるポリ乳酸の生分解率を算出した。図2は、得られた樹脂組成物及びポリ乳酸の生分解性の測定結果を示すグラフである。図2において、横軸は、樹脂組成物又はポリ乳酸及び堆肥の混合物を温度60℃に保持された定温器に入れた時点からの経過時間(日)を表し、縦軸は、堆肥に混合させた樹脂組成物又はポリ乳酸の生分解率(%)を表す。また、図2において、黒三角の測定点は、定温器における経過時間に対する本実施例で得られた樹脂組成物の生分解率を表し、白丸の測定点は、定温器における経過時間に対する本実施例で得られたポリ乳酸の生分解率を表す。図2に示すように、定温器における同じ経過時間に対して、本実施例で得られた樹脂組成物の生分解率は、有機変性粘土鉱物を混合していないポリ乳酸の生分解率と比較して低下せず、同程度以上であった。よって、ポリ乳酸に、上記の両性界面活性剤から生じる有機陽イオンを含む有機変性粘土鉱物を加えても、得られた樹脂組成物の生分解性は、低下しないことを確認することができた。
【0072】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、生分解性を向上させた樹脂組成物及び樹脂成形体に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】透過型電子顕微鏡によって撮影された、実施例で得られた樹脂組成物の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例で得られた樹脂組成物及びポリ乳酸の生分解性の測定結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている樹脂組成物において、
前記有機陽イオンは、生分解性を有する有機陽イオンであることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
粘土鉱物の無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオンでイオン交換した有機変性粘土鉱物が、樹脂に含有されている樹脂組成物において、
前記有機陽イオンは、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤から生じる有機陽イオンであることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂は、生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記有機変性粘土鉱物の平均粒子径は、1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか1項記載の樹脂組成物を用いて成形されていることを特徴とする樹脂成形体。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−77059(P2006−77059A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260266(P2004−260266)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】