説明

樹脂製食器

【課題】食器からの揮発成分の遊離を抑制し、食事をより快適に取ることができる食器を提供する。
【解決手段】加熱重量減率が10ppm/日以下である樹脂からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製食器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、碗類、皿類、鉢類などの食器として、陶磁器製食器、ガラス製食器、樹脂製食器等が広く用いられている。
【0003】
中でも、樹脂製食器は、軽量で割れにくく、形状および品質が均質なものを安価で入手することができるため、学校、病院、企業の社員食堂など、大規模に給食する施設で広く用いられている。
【0004】
樹脂製食器の材質としては、耐熱性、耐水性を有するものが望まれ、通常メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが使用されている。例えば、特許文献1には、ポリプロピレン樹脂を成形してなる食器であって、表面をプラズマ処理した後、ポリウレタン樹脂塗料によって塗装した樹脂製食器が開示されている。しかしながら、樹脂製食器としてフッ素樹脂を用いたものはこれまでなかった。
【0005】
ところで、食器は繰り返し洗浄して使用されるものであるため、洗浄の容易化等のために防汚性を有することが求められる。防汚性を改善した食器としては、例えば、特許文献2には、ガラス等の基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリコーンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成された防汚食器が開示されている。また、特許文献3には、ガラス基材と、該基材の表面に付着された防汚性非粘着性コーティングとを含む被覆物品が開示されている。しかしながら、ガラス製食器や陶器製食器は、衝撃で割れたり欠けたりしやすい問題や、重いといった問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−116220号公報
【特許文献2】特開平10−137098号公報
【特許文献3】特表2010−510158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
樹脂製食器は、加熱したり、高温の食物を食器上にのせたりした場合、食器中に含まれる比較的分子量が低い成分(オリゴマー)や未反応のモノマー、可塑剤、熱分解物質などの揮発しやすい成分が遊離して、臭気を発したり、食物にこれらの揮発しやすい成分が付着したりするおそれがあることが本発明者らによって見出された。
【0008】
本発明は、食器からの揮発成分の遊離を抑制し、食事をより快適に取ることができる食器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、加熱重量減率が10ppm/日以下であることを特徴とする樹脂製食器である。
【0010】
本発明の樹脂製食器は、フッ素樹脂からなるものであることが好ましい。
【0011】
本発明の樹脂製食器は、顔料を含むものであることも好ましい。
【0012】
本発明の樹脂製食器は、比重が1.1〜3.0であることが好ましい。
【0013】
本発明の樹脂製食器は、上記フッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなることも好ましい。
【0014】
上記フッ素樹脂は、フッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)の合計質量に対して50質量%を超えることが好ましい。
【0015】
上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)は、メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0016】
上記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及び、ポリフッ化ビニルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の食器は、上記構成からなることによって、揮発成分の遊離を抑制することができるため、臭気の発生や、食器から揮発した成分が食物に付着したりすることを抑制することができる。そのため、食事をより快適に取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は、実施例1〜6で成形した皿の形状を示す断面模式図であり、(b)は平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の樹脂製食器は、加熱重量減率が10ppm/日以下である。本発明の樹脂製食器は、樹脂製食器から比較的分子量が低い成分(オリゴマー)や未反応のモノマー、可塑剤、熱分解物質などの揮発成分が遊離して、食事の際に樹脂製食器から臭気が発生することや、食物に揮発した成分が付着し、味が変化することを抑制することができる。加熱重量減率は8ppm/日以下であることが好ましく、6ppm/日以下であることがより好ましい。
加熱重量減率(Z)は、樹脂製食器の全部又は樹脂製食器の一部を3〜5g切り取った試料を準備し、未加熱の重量(W)、80℃で1日間加熱した後(24時間加熱した後)の重量(W)、80℃で10日間加熱した後(240時間加熱した後)の重量(W10)を測定し、下記式(1):
【0020】
【数1】

により求めた値である。なお、本発明の樹脂製食器が2種以上の樹脂からなるものである場合、樹脂製食器の全部に対して上記測定を行うことが好ましい。80℃での加熱は、例えば、熱風循環炉を用いて行うことができる。熱風循環炉としては、アドバンテック東洋株式会社製の送風定温乾燥器(型番:DRM420DA)を用いることができる。
加熱重量減率は、加熱により遊離する物質の量を、1日あたりの遊離量に換算した値である。なお、加熱を開始してから1日間(24時間)の重量の変化を除いて加熱重量減率を求めるのは、樹脂製食器に含まれる水分の影響を排除するためである。
【0021】
本発明の樹脂製食器は、食物が直接接することとなる容器又は器具であり、例えば、茶碗、皿、鉢、箸、ナイフ、フォーク、又は、スプーンである。
【0022】
本発明の樹脂製食器は、フッ素樹脂からなるものであることが好ましい。フッ素樹脂からなるものであることにより、樹脂製食器から揮発しやすい成分が遊離することをより抑制することができる。
また、ガラス製食器や陶器製食器と比較して軽量であるため、取り扱い性に優れる。更に、衝撃に強く割れにくいため、安全性にも優れる。
そして、フッ素樹脂を含有しない樹脂製食器と比較して、比重が大きくなり水に沈みやすい。そのため、洗浄が容易となる。
また、フッ素樹脂を用いることで、防汚性に優れ、洗浄が容易である。更に、洗剤等に対する耐薬品性にも優れる。
【0023】
フッ素樹脂を用いることで樹脂製食器から揮発しやすい成分が遊離することを抑制することができるという知見は、本発明者らによって見出された新たな知見である。
【0024】
フッ素樹脂は、樹脂製食器の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。また、50質量%超えることがより好ましく、60質量%を超えることが更に好ましく、70質量%を超えることが更にまた好ましく、80質量%を超えることが特に好ましい。フッ素樹脂の量が少なすぎると、樹脂製食器から揮発する成分の遊離を充分に抑制できないおそれがある。
【0025】
上記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル〔VF〕、へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、へキサフルオロイソブテン〔HFIB〕、CH=CX(CF(式中、XはH又はF、XはH、F又はCl、nは1〜10の整数である。)で示される単量体、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、及び、テトラフルオロイソブテンからなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素単量体に基づく重合単位を有することが好ましい。フッ素樹脂は、フッ素非含有単量体として、エチレン〔Et〕、プロピレン〔Pr〕、及び、アルキルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位を有していてもよい。
フッ素樹脂は、TFE、HFP、PAVE、CTFE、VdF及びVFからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位を含む重合体であることがより好ましい。フッ素樹脂は、フッ素非含有単量体として、Etに基づく重合単位を有する共重合体であることも好ましい。
【0026】
本明細書において、上記「重合単位」は、フッ素樹脂の分子構造上の一部分であって、対応する単量体に基づく部分を意味する。
【0027】
フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/PAVE共重合体〔PFA〕、Et/TFE共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、CTFE/TFE共重合体、Et/CTFE共重合体、ポリフッ化ビニリデン〔PVdF〕、TFE/VdF共重合体、VdF/HFP共重合体、及び、ポリフッ化ビニル〔PVF〕からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、本明細書中で、上述のように、「TFE/HFP共重合体」と記載する場合には、TFEに基づく重合単位(TFE単位)と、HFPに基づく重合単位(HFP単位)とを含む共重合体であることを意味する。他の共重合体についても同様である。
【0028】
PTFEは、TFE単独重合体であってもよいし、変性PTFEであってもよい。本明細書において、上記「変性PTFE」とは、得られる共重合体に溶融加工性を付与しない程度の少量の共単量体(変性剤)をTFEと共重合してなるものを意味する。
【0029】
上記変性PTFEにおける変性剤としてはTFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、HFP等のパーフルオロオレフィン;CTFE等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、VdF等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロブチルエチレン等のパーフルオロアルキルエチレン;エチレン等が挙げられる。また、用いる変性剤は1種であってもよいし、複数種であってもよい。
【0030】
変性剤として用いられるパーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(I):
CF=CF−ORf (I)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」は、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
【0031】
変性剤として用いられるパーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(I)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が好ましい。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜5であることがより好ましい。
【0032】
上記変性PTFEにおいて上記変性剤が上記変性剤とTFEとの全体量に占める割合(質量%)としては、通常、1質量%以下が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
【0033】
上記FEPは、HFP単位が2質量%を超え、20質量%以下であることが好ましく、6〜15質量%であることがより好ましい。
【0034】
上記PFAにおけるPAVEとしては、炭素数1〜6のアルキル基を有するものが好ましく、PMVE、PEVE又はPPVEがより好ましい。上記PFAは、PAVE単位が2質量%を超え、8質量%以下であることが好ましく、2.5〜5質量%であることがより好ましい。
【0035】
上記FEP又はPFAは、それぞれ上述の組成を有するものであれば、更に、その他の単量体を重合させたものであってよい。上記その他の単量体として、例えば、上記FEPである場合には、PAVEが挙げられ、上記PFAである場合、HFPが挙げられる。上記その他の単量体は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0036】
上記FEP又はPFAと重合させるその他の単量体は、その種類によって異なるが、通常、フッ素樹脂の質量の1質量%以下であることが好ましい。より好ましい上限は0.5質量%であり、更に好ましい上限は0.3質量%である。
【0037】
上記TFE/VdF共重合体としては、TFE単位:VdF単位のモル比が45〜85/55〜15であるものが好ましく、より好ましくは、50〜80/50〜20である。TFE/VdF共重合体は、VdFに基づく重合単位と、TFEに基づく重合単位とを含む共重合体であり、他の含フッ素単量体に基づく重合単位を有していてもよい。例えば、TFE/VdF/HFP共重合体であることも好ましい形態の一つである。
【0038】
上記Et/TFE共重合体は、Et単位:TFE単位のモル比が20〜80:80〜20であるものが好ましい。Et単位の含有量が少なすぎると、生産性が悪い場合があり、Et単位の含有量が多すぎると、耐食性が悪化する場合がある。より好ましくは、Et単位:TFE単位のモル比が35〜55:65〜45である。Et/TFE共重合体は、TFEに基づく重合単位と、Etに基づく重合単位とを含む共重合体であり、他の含フッ素単量体に基づく重合単位を有していてもよい。
【0039】
上記Et/TFE共重合体は、単量体成分として、Et単位及びTFE単位以外に、その他の含フッ素単量体、及び、フッ素を全く含まない単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく単量体単位を有するものであることも好ましい形態の一つである。上記その他の含フッ素単量体としては、エチレン及びTFEの両方に付加し得るものであれば特に限定されないが、炭素数3〜10の含フッ素ビニルモノマーが使用しやすく、例えば、ヘキサフルオロイソブチレン、CH=CFCH、HFP等が挙げられる。中でも、下記一般式:
CH=CH−Rf
(式中、Rfは炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される含フッ素ビニルモノマーも好ましい形態の一つである。また、フッ素を全く含まない単量体としては、下記一般式:
CH=CH−R
(式中、Rは、特に炭素数は限定されず、芳香環を含んでいても良く、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アミド基、シアノ基、水酸基、エポキシ基を含んでいても良い。Rは、フッ素を含まない。)で表されるビニルモノマーであっても良い。
また、Et/TFE共重合体は、Et/TFE/HFP共重合体であることも好ましい形態の一つであり、さらに他の含フッ素単量体(HFPを除く。)、あるいは、フッ素を全く含まない単量体に基づく単量体単位を有するものであっても良い。上記エチレンとTFE以外の単量体は、上記エチレンとTFEとからなる共重合体の単量体成分全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。Et単位:TFE単位:その他の含フッ素単量体、あるいは、フッ素を全く含まない単量体に基づく単量体単位のモル比としては、20〜60:80〜20:0.5〜10であることが好ましい。
【0040】
上記PCTFEは、重合単位が実質的にCTFE単位のみからなる重合体である。
【0041】
上記CTFE/TFE共重合体は、CTFE単位とTFE単位とのモル比がCTFE:TFE=2〜98:98〜2であることが好ましく、5〜90:95〜10であることがより好ましく、20〜90:80〜10であることが更に好ましい。
【0042】
上記CTFE/TFE共重合体は、CTFE、TFE、並びに、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体からなる共重合体であることも好ましい。CTFE及びTFEと共重合可能な単量体としては、エチレン、VdF、HFP、CH=CX(CF(式中、XはH又はF、XはH、F又はCl、nは1〜10の整数である。)で示される単量体、PAVE、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられ、なかでも、エチレン、VdF、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVEであることがより好ましい。PAVEとしては、上述したものが挙げられる。CTFE単位及びTFE単位の合計の重合単位と、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位と、のモル比は、90〜99.9:10〜0.1であることが好ましい。
【0043】
上記Et/CTFE共重合体は、Et単位とCTFE単位とのモル比がEt:CTFE=30〜70:70〜30であることが好ましく、40〜60:60〜40であることがより好ましい。
【0044】
上記PVdFは、重合単位が実質的にVdF単位のみからなる重合体である。
【0045】
VdF/HFP共重合体としては、VdF単位とHFP単位とのモル比が45〜85/55〜15であるものが好ましく、より好ましくは50〜80/50〜20であり、さらに好ましくは60〜80/40〜20である。VdF/HFP共重合体は、VdFに基づく重合単位と、HFPに基づく重合単位とを含む共重合体であり、他の含フッ素単量体に基づく重合単位を有していてもよい。例えば、VdF/HFP/TFE共重合体であることも好ましい形態の一つである。
【0046】
VdF/HFP/TFE共重合体としては、VdF/HFP/TFEのモル比が40〜80/10〜35/10〜25のものが好ましい。
【0047】
上記PVFは、重合単位が実質的にVF単位のみからなる重合体である。
【0048】
上記フッ素樹脂は、成形加工性及び力学強度が良好である点から、PVdF、Et/TFE共重合体及びEt/CTFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体であることが好ましい。より好ましくは、PVdFである。
【0049】
上記フッ素樹脂は、防汚性に優れる点からは、PTFE、PFA及びFEPからなる群より選択される少なくとも1種の重合体であることが好ましい。
【0050】
上記フッ素樹脂としてはまた、溶融加工性フッ素樹脂であることも好ましい。溶融加工性フッ素樹脂としては、例えば、FEP、PFA、Et/TFE共重合体、PCTFE、CTFE/TFE共重合体、Et/CTFE共重合体、PVdF、TFE/VdF共重合体、VdF/HFP共重合体、及び、PVFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。このような溶融加工性フッ素樹脂を用いることで、成形を容易に行うことができる。
【0051】
上記フッ素樹脂としては、PVdF、Et/TFE共重合体及びPFAからなる群より選択される少なくとも1種の重合体であることも好ましい。
【0052】
上述した共重合体の各単量体単位の含有量は、NMR、FT−IR、元素分析、蛍光X線分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
【0053】
上記フッ素樹脂は、融点が、例えば、150〜330℃であることが好ましい。フッ素樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めたものである。
【0054】
上記フッ素樹脂は、メルトフローレート(MFR)が5〜100g/10分であることが好ましい。MFRが大きすぎると機械的強度が充分でなくなるおそれがある。
【0055】
上記フッ素樹脂は、共重合組成及び分子量を調整することにより、上述の範囲内のメルトフローレートを有するものとすることができる。本明細書において、上記メルトフローレートは、フッ素樹脂がPFAまたはFEPの場合はASTM D3307−01に従って、温度372℃、荷重5kgとして測定される値である。フッ素樹脂がPFA、FEPのいずれでもない場合はASTM D3159に従って、温度297℃、荷重5kgとして測定される値である。
【0056】
本発明の樹脂製食器は、加熱重量減率が10ppm/日以下であるものであれば、フッ素樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
【0057】
本発明の樹脂製食器は、フッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなるものであることも好ましい形態の一つである。上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)は、例えば、フッ素非含有樹脂ということもできる。
【0058】
本発明の樹脂製食器がフッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなるものである場合、フッ素樹脂がフッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)の合計質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。フッ素樹脂が少なすぎると、樹脂製食器から発生する揮発成分の遊離を充分に抑制できないおそれがある。フッ素樹脂は、フッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)の合計質量に対して、50質量%を超えることがより好ましく、60質量%を超えることが更に好ましく、70質量%を超えることが更にまた好ましく、80質量%を超えることが特に好ましい。
【0059】
上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)としては、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂が好ましい。中でも、メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及びポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂がより好ましい。
【0060】
上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)のうち融点を有するもの(例えば、ポリプロピレン等)の融点は、例えば、100〜250℃であることが好ましい。
上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)の融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めたものである。
【0061】
上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)のうち、ポリカーボネート等の融点を有さないものは、Tgが80℃以上のものが好ましい。Tgは、ASTM E1640−94に従い、動的粘弾性測定により求める。
【0062】
上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)は、メルトフローレート(MFR)が1〜80g/10分であることが好ましい。MFRは、50g/10分以下であることがより好ましい。MFRが大きすぎると機械的強度が充分でなくなるおそれがある。
【0063】
本明細書において、上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)のメルトフローレートは、例えば、ポリプロピレンの場合、ASTM D1238に従って、温度230℃、荷重2.16kgとして測定される値である。また、ポリカーボネートの場合、ASTM D1238に従って、温度300℃、荷重1.2kgとして測定される値である。
【0064】
本発明の樹脂製食器は、フッ素樹脂からなるフッ素樹脂層を有することも好ましい形態の一つである。上記フッ素樹脂層は、食物が接する面側に設けられていることが好ましい。このような樹脂製食器の形態としては、例えば、上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなる樹脂層と、フッ素樹脂層とが積層された形態が挙げられる。すなわち、本発明の樹脂製食器は、フッ素樹脂層と樹脂層とを含み、フッ素樹脂層が食物が接する面側に設けられているものであってもよい。食物が接する面側にフッ素樹脂層が形成されていることによって、樹脂層から揮発しやすい成分が遊離して食物に付着することを抑制することができる。このような樹脂製食器としては、例えば、茶碗、皿、鉢等の容器であることが好ましい。
また、例えば、樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなる樹脂部と、該樹脂部の表面がフッ素樹脂層で被覆された形態も挙げられる。このような樹脂製食器としては、例えば、ナイフ、フォーク、スプーン等の器具であることが好ましい。
このように、上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)とフッ素樹脂とを併用することによって、樹脂製食器から発生する揮発成分の遊離を抑制するとともに、フッ素樹脂のみを用いる場合よりも低コスト化を図ることができる。
本発明の樹脂製食器は、上記樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなる樹脂層と、フッ素樹脂層とが積層された容器、又は、樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなる樹脂部と、該樹脂部の表面がフッ素樹脂層で被覆された器具であることも好ましい。
【0065】
上記フッ素樹脂層の厚みは、500μm以上であることが好ましい。例えば、上記樹脂層上にフッ素樹脂層が形成された樹脂製食器である場合、フッ素樹脂層の厚みが薄すぎると、揮発成分の遊離を充分に抑制できないおそれがある。フッ素樹脂層の厚みの上限は、得られる樹脂製食器の厚み、大きさ等によっても異なるため特に限定されないが、フッ素樹脂層の厚みとしては、例えば、5mm以下であることが好ましい。
【0066】
上記フッ素樹脂層は、射出成形又は圧縮成形により形成されたものであることが好ましい。
【0067】
本発明の樹脂製食器の製造方法としては、例えば、射出成形又は圧縮成形により成形して樹脂製食器を得る工程を含むものであることが好ましい。より好ましくは、射出成形によりフッ素樹脂を成形して樹脂製食器を得る工程を含むものであることが好ましい。
【0068】
上記射出成形によりフッ素樹脂を成形して樹脂製食器を得る工程は、例えば、溶融又は軟化したフッ素樹脂を金型に射出して成形して樹脂製食器を得る工程であることが好ましい。より具体的には、溶融したフッ素樹脂を金型に射出し、冷却して固化させることにより成形して樹脂製食器を得る工程であることが好ましい。溶融したフッ素樹脂の温度は、フッ素樹脂が溶融する温度であればよいが、例えば、フッ素樹脂の融点より、30〜100℃高い温度が好ましい。
【0069】
上記圧縮成形によりフッ素樹脂を成形して樹脂製食器を得る工程は、例えば、フッ素樹脂を金型に仕込み、圧縮成形プレスを用いてフッ素樹脂を成形して樹脂製食器を得る工程であることが好ましい。金型温度としては、例えば、フッ素樹脂の融点より、30〜80℃高い温度であることが好ましい。成形時間としては、例えば、150秒〜30分であることが好ましい。
【0070】
本発明の樹脂製食器はまた、インサート成形により製造されたものであってもよい。本発明の樹脂製食器がフッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)から形成されたものである場合、上記樹脂製食器の製造方法としては、予め成形したフッ素樹脂を金型に設置して、該金型に溶融した樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)を射出して、該予め成形したフッ素樹脂をインサート成形する工程を含むものであってもよい。予め成形したフッ素樹脂は、射出成形により成形されたものであってもよいし、圧縮成形により成形されたものであってもよい。
【0071】
本発明の樹脂製食器はまた、二色成形により製造されたものであってもよい。本発明の樹脂製食器がフッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)から形成されたものである場合、上記樹脂製食器の製造方法としては、例えば、溶融したフッ素樹脂を金型に射出して成形する工程と、成形されたフッ素樹脂上に溶融した樹脂を射出して成形する工程と、を含むものであってもよい。二色成形により、部分的に異なる部材となる成形品をインサート成形よりも生産性よく成形できる。
【0072】
本発明の樹脂製食器は、顔料を含むことが好ましい。本発明の樹脂製食器は、該樹脂製食器に描かれる模様に応じて所望の色の顔料を含むことが好ましい。上記顔料としては、特に限定されず、無機系顔料であってもよいし、有機系顔料であってもよい。無機系顔料としては、たとえばガラス微粉末、ガラスバルーン、セラミックビーズなどのセラミック系顔料;アルミニウムや鉄、ジルコニウム、コバルトなどの金属細片系顔料;酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物系顔料;酸化鉄−酸化マンガン、酸化鉄−酸化クロム、酸化銅−酸化マグネシウムなどの複合酸化物顔料;SiとAlやFe、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウムなどの金属系顔料;さらに鉄−クロム、ビスマス−マンガン、鉄−マンガン、マンガン−イットリウムなどの合金系顔料;マイカ、窒化ケイ素、表面処理を施した被覆顔料、光輝顔料、硫酸バリウムなどが挙げられる。上記顔料は、単独、または2種以上を併用することができる。有機系顔料としては、例えば、アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料(アントアンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ぺリレン系顔料、ぺリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、カーボン系顔料などの1種または2種以上が例示できる。上記顔料としては、例えば、Cr、Fe、(Ti,Ni,Sb)O、(Ti,Cr,Sb)O、CoAl、CoTiO、CuCr、TiO、2NiO・3BaO・17TiO、(Ti,Cr,Nb)O、Co(Al,Cr)、及び、(Zn,Fe)Feからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。より好ましくは、CoAl、CoTiO、TiO、2NiO・3BaO・17TiO、Co(Al,Cr)、及び、(Zn,Fe)Feからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
顔料は、樹脂製食器の全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、顔料は、樹脂製食器の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましい。
【0073】
本発明の樹脂製食器は、比重が1.1〜3.0であることが好ましい。比重が1.1以上であることによって水に沈む。そのため、洗浄が容易である。また、比重が大き過ぎると、重量が増し、取り扱い性に劣るおそれがある。本発明の樹脂製食器は、比重が1.3以上であることがより好ましく、1.5以上であることが更に好ましい。本発明の樹脂製食器は、比重が2.8以下であることがより好ましく、比重が2.6以下であることが更に好ましい。
【0074】
本発明は、フッ素樹脂からなる樹脂製食器を製造する工程、及び、当該樹脂製食器に食物を載せて使用する工程、を有する樹脂製食器の臭気抑制方法でもある。フッ素樹脂からなる樹脂製食器を製造する工程は、上述の樹脂製食器の製造方法により実施することができ、射出成形又は圧縮成形により樹脂製食器を成形する工程であることが好ましい。
【0075】
本発明はまた、フッ素樹脂からなる樹脂製食器を製造する工程、及び、当該樹脂製食器を水中に浸漬して洗浄する工程、を有する樹脂製食器の洗浄容易化方法でもある。フッ素樹脂からなる樹脂製食器を製造する工程は、上述の樹脂製食器の製造方法により実施することができ、射出成形又は圧縮成形により樹脂製食器を成形する工程であることが好ましい。
【実施例】
【0076】
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0077】
実施例及び比較例では、下記方法により、加熱重量減率の測定及び密閉加熱後臭気試験を行って、食器を評価した。
【0078】
(加熱重量減率の測定)
加熱重量減率(Z)は、食器の一部を3〜5g切り取った試料を、80℃の熱風循環炉(型番:DRM420DA、アドバンテック東洋株式会社製)に入れて加熱し、試料について、熱風循環炉に入れる前の重量(W)、熱風循環炉に入れてから1日後(24時間後)の重量(W)、10日後(240時間後)の重量(W10)を測定し、下記式(1):
【0079】
【数2】

により求めた値である。
【0080】
(密閉加熱後臭気試験)
80℃の熱風循環炉(型番:DRM420DA、アドバンテック東洋株式会社製)で24時間食器を加熱する。いったん外気中で放冷し、そののち、容量300ccのSUS製オートクレーブに、4.5〜5gに切断した食器の断片を3個入れ、密閉したのち、100℃×24時間加熱する。
オートクレーブが冷却される前にオートクレーブを開き、臭気をかぎ、その臭気の有無、強さを3段階で評価する。5人に同様の試験をして、各段階に何人評価したかを数える。
【0081】
(実施例1)
射出成形機により、PFA(品番:AP210、ダイキン工業株式会社製)を原料とし、図1に示す形状の皿を成形した。射出成形条件は、表1に示す。
【0082】
(実施例2)
射出成形機により、ETFE(品番:EP521、ダイキン工業株式会社製)を原料とし、図1に示す形状の皿を成形した。射出成形条件は、表1に示す。
【0083】
(実施例3)
射出成形機により、PVdF(品番:VP825、ダイキン工業株式会社製)を原料とし、図1に示す形状の皿を成形した。射出成形条件は、表1に示す。
【0084】
(実施例4)
射出成形機により、着色材入りPFA(AP210を100重量部、H3305(酸化チタン入り、PFAのカラーマスターバッチ、大日精化工業株式会社製)を5部混合したもの)を原料とし、図1に示す形状の皿を成形した。射出成形条件は、表1に示す。出来上がった成形体は、白く、陶器のような見かけとなっている。
【0085】
(実施例5)
H3305の代わりに、H3381(酸化鉄、カーボン入り、PFAのカラーマスターバッチ、大日精化工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様に皿を形成した。出来上がった成形体は、茶色で、木製の食器のような見かけとなっている。
【0086】
(実施例6)
PVdF(VP825)を、250℃、25分加熱したのち圧縮成形し、0.5mmtのシート1を成形する。アクリルキャスト板(アクリライトL、無色001、厚み1mmt、三菱レーヨン株式会社製)をシート1で挟み、15g/cmで加圧しながら、190℃、30分保持する。この操作により、PVdF−アクリル−PVdFの3層構造からなるシート2となる。更に、シート2を、200℃、25℃加熱したのち、金型の間に挟み込んで圧縮し変形させ、図1に示すような皿の形状に成形した。
【0087】
【表1】

【0088】
(比較例1)
市販のポリプロピレン製のコップについて、加熱重量減率の測定及び密閉加熱後臭気試験を行った。
【0089】
(比較例2)
市販のメラミン樹脂製のお碗について、加熱重量減率の測定及び密閉加熱後臭気試験を行った。
【0090】
(比較例3)
市販のポリスチレン製の透明ケースについて、加熱重量減率の測定及び密閉加熱後臭気試験を行った。
【0091】
実施例1〜6で得られた皿、並びに、比較例1〜3のコップ、お碗、透明ケースについて、加熱重量減率の測定及び密閉加熱後臭気試験を行った結果を表2に示す。
【0092】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の食器は、食器から比較的分子量が低い成分(オリゴマー)や未反応のモノマー、可塑剤、熱分解物質などの揮発しやすい成分が遊離することを抑制することができるため、食事をより快適に取ることができ、種々の食事の場で利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1:皿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱重量減率が10ppm/日以下であることを特徴とする樹脂製食器。
【請求項2】
フッ素樹脂からなる請求項1記載の樹脂製食器。
【請求項3】
顔料を含む請求項1又は2記載の樹脂製食器。
【請求項4】
比重が1.1〜3.0である請求項1、2又は3記載の樹脂製食器。
【請求項5】
フッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)からなる請求項1、2、3又は4記載の樹脂製食器。
【請求項6】
フッ素樹脂は、フッ素樹脂及び樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)の合計質量に対して50質量%を超える請求項5記載の樹脂製食器。
【請求項7】
樹脂(但し、フッ素樹脂を除く)は、メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項5又は6記載の樹脂製食器。
【請求項8】
フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及び、ポリフッ化ビニルからなる群より選択される少なくとも1種である
請求項2、3、4、5、6又は7記載の樹脂製食器。

【図1】
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