説明

樹脂配管

【課題】既存のフッ素樹脂チューブを用いた配管では、酸素透過量に限界があり、且つ、柔軟性の点で問題があった。
【解決手段】フッ素樹脂であるPVDFにパーフルオロモノマーを添加することによってソフト化処理することによって、酸素透過量を著しく低下させることができた。更に、ナイロンチューブを外層に設けることによっても、酸素透過量を低下させることができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超純水(UPW)、薬液等の液体輸送ラインに使用されるのに適した樹脂配管に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置、液晶表示装置等を製造する場合、各種薬液等のほか、超純水(UPW)(水素またはオゾンを含む超純水、所謂、水素水・オゾン水を含む)が、樹脂配管を通して輸送、供給されることが多い。このように、半導体装置等の製造の際に超純水が用いられる理由は、洗浄工程等に使用される水中に酸素が溶存酸素の形で多量に含まれていると、当該溶存酸素により自然酸化膜が形成されるためである。また、最近では、超純水を用いた場合にも、同様に自然酸化膜が形成されることが指摘されており、超純水中の酸素、パーティクル、金属成分を徹底的に除去することが行われている。
【0003】
例えば、シリコン結晶を用いて半導体装置を形成する場合、酸素と水が共存していると、シリコン表面に自然酸化膜(SiOx)が形成される。特に、水溶液中に酸素が含まれると表面が酸化されるとともにシリコン表面がエッチングされ、表面マイクロラフネスが増加することも指摘されている。
【0004】
近年、Si(100)結晶表面より、PMOSFETの電流駆動能力が大きいSi(110)結晶表面が注目されているが、この表面は、Si(100)表面に比べても水溶液中でのエッチングが激しい。このため、通常、Si表面の洗浄は、水溶液を用いたウェット洗浄が行われるが、その場合、水溶液中に酸素を混入させないことが必要である。
【0005】
ここで、水溶液中に対する酸素の混入は、単に、洗浄工程等の処理中だけでなく、超純水、薬液等の輸送ラインを構成する樹脂配管においても生じることが指摘されている。輸送ラインにおける酸素の混入を軽減するために、特開2004-322387号公報(特許文献1)は、チューブ本体に、ガスの透過を抑制する樹脂で形成された熱収縮性の帯状フィルムを、帯状フィルム同士が一部重なり合うように螺旋状に巻回したチューブを開示している。
【0006】
更に、特許文献1は、巻回された帯状フィルムを真空雰囲気中で、当該帯状フィルムの融点より低い温度で加熱し、巻回された帯状フィルムを熱収縮させるとともに融着させ、巻回されたフィルム間の空気を排除している。また、特許文献1は、チューブ本体として、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂を使用することを開示している。更に、帯状フィルムとして、低い気体透過度を有すると共に熱収縮性を有するポリ塩化ビニリデンを用いることも開示している。このように、帯状フィルムによってガス透過量抑制外皮層を形成することにより、チューブ内に流れる超純水、薬液に、外皮層を透過したガスが溶出するのを防止できる。
【0007】
一方、特願2004-299808(特許文献2)は、半導体製造装置、液晶製造装置等に使用される配管として、フッ素樹脂を2層に積層したフッ素樹脂2重チューブを開示している。特許文献2で開示されたフッ素樹脂2重チューブは、内側層チューブと外側層チューブとを備え、内側層チューブは、耐食性、耐薬品性に優れたフッ素樹脂(例えば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、または、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)) によって構成され、他方、外側層チューブは、ガスの透過を抑制できるフッ素樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))によって構成されており、内側層チューブと外側層チューブとは溶着された構成を有している。
【0008】
特許文献2に示されたフッ素樹脂2重チューブは、優れた耐食性、耐薬品性、及び、ガス非透過性を有すると共に、内側層チューブと外側層チューブとを強固に接合できると云う利点を備えている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−322387号公報
【特許文献2】特願2004−299808号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、開示されたチューブによって配管を行い、当該配管内に流れる超純水中の溶存酸素量を溶存酸素計によって測定し、溶存酸素量を3.5ppbまで低減できることを開示している。
【0011】
他方、特許文献2は、内側層チューブと外側層チューブとの間の剥離強度が3.0N/m以上であるフッ素樹脂2重チューブを開示している。更に、特許文献2は、酸素透過量及び酸素透過係数を規定し、これら酸素透過量及び酸素透過係数を低下できることも指摘している。ここで、特許文献2では、酸素透過量として、24時間(一日)中の酸素透過量(grams/24hr)を規定し、他方、酸素透過係数として、(grams.mil/100in・24hr・atm)であらわされる係数を規定している。即ち、酸素透過量及び酸素透過係数は次式(1)及び(2)によってあらわされる。
【0012】
酸素透過量(grams/24hr)
=(溶存ガス濃度(g/l)×チューブ内容積(l)/チューブ内滞留時間(24hr)、
(1)
酸素透過係数(grams・mil/100in2・24hr・atm)
=(酸素透過量×チューブ肉厚(mil))/(チューブ表面積(100in2)×ガス差圧(atm))
(2)
【0013】
特許文献2によれば、内側層チューブと外側層チューブとして、それぞれ、PFA層及びPVDF層を備えたフッ素2重チューブは、両層間に親水化処理を施さない場合、0.135(grams・mil/100in2・24hr・atm)の酸素透過係数を示し、他方、両層間に親水化処理を施した場合、0.025(grams・mil/100in2・24hr・atm)の酸素透過係数を示すことが開示されている。PFA単層の場合における酸素透過係数は1.300(grams・mil/100in2・24hr・atm)であることから、特許文献2に示されたフッ素2重チューブは、酸素透過係数を著しく小さくできる。
【0014】
一方、最近の半導体製造装置、液晶製造装置等では、洗浄中に許容される溶存酸素量は、10ppb以下であり、それを可能にするためには、酸素透過量は、5×10(個・cm/cmsecPa)以下であることが求められる。
【0015】
しかしながら、特許文献1に示されたチューブでは、溶存酸素量を3.5ppb以下にすること、まして、1ppb以下にすることはできない。他方、特許文献2に記載された手法では、内側層チューブに親水化処理を施こしても、所望の酸素透過量を達成することはできない。換言すれば、特許文献2において、0.025(grams・mil/100in2・24hr・atm)の酸素透過係数を得るためには、例えば、金属ナトリウム、ナフタレン、及びTHF(tetrahydrofuran)の混合液を用意し、当該混合液内に内側層チューブを浸漬した後、メタノール洗浄してナフタレンを除去し、水洗によってフッ化ナトリウムを除去する親水化処理が必要である。したがって、特許文献2の手法では、所望の酸素透過特性を有するチューブを得るために複雑な作業を必要とするだけでなく、外側層チューブを形成するために用いられるPVDFは柔軟性を有していないため、配管するのが難しいと云う欠点がある。
【0016】
PVDFは単層で用いても低い酸素透過係数を有するが、その曲げ弾性率は2000Mpaであり、配管には硬くて実際に用いることはできない。
【0017】
本発明の目的は、10ppb以下の溶存酸素量を達成できるように5×10(個・cm/cmsecPa)以下の酸素透過係数を持ちかつ柔軟性のある配管を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、フッ素樹脂を用いて、所望の溶存酸素量及び酸素透過係数、曲げ弾性率を得ることができる配管を提供することである。
【0019】
本発明の更に他の目的は、柔軟性を有するフッ素樹脂によって形成された配管を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様によれば、酸素透過係数が5×106[個・cm/cm2secPa]以下、曲げ弾性率が1800Mpa以下であり、フッ素樹脂を含むことを特徴とする樹脂配管が得られる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、上記配管表面は、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、中性水溶液、有機溶剤のいずれか一つに耐性を備えている樹脂配管が得られる。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、上記配管材料がソフト化処理されたPVDF層、または組成の異なる2種類以上の材料から構成されていることを特徴とする樹脂配管が得られる。
【0023】
本発明の第4の態様によれば、酸素透過係数が2×106[個・cm/cm2secPa]以下であることを特徴とする樹脂配管が得られる。
【0024】
本発明の第5の態様によれば、ナイロン、ソフト化処理されたPVDFのいずれか一つを含み、ETFE、PTFE、PVDC、FEP、PFAとの組み合わせによって構成される樹脂配管が得られる。
【0025】
現状、薬液供給系は曲げ弾性率が600MpaであるPFAチューブが用いられることが多いが、それを透過する酸素分子は、1.56×107[個・cm/cm2secPa]程度であり、10の6乗オーダーにすることはできない。
【0026】
本発明では、水溶液中の酸素濃度を、酸素分子の数で10の6乗オーダー程度にまで低減できる樹脂配管を実現できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、樹脂材料の組成/構成を最適化することにより、供給すべき水溶液・非水溶液への耐性を有し、さらに酸素(気体)の透過率が少ない配管を形成する。このように、本発明においては、気体透過の非常に少ない配管を形成し、気体、特に、酸素濃度が低い薬液、超純水等の液体輸送用樹脂配管が実現できる。
【0028】
これによって、雰囲気空気からのO、CO等の透過を抑制できるだけでなく、水素水からの配管外への水素の透過や、塩酸やフッ素酸等からの配管外への気体の透過も抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るチューブを説明する。図示されたチューブ10は、ソフト化処理された単層のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)によって形成されている。通常のPVDFは曲げ弾性率が2000Mpaであり、柔軟性を有していないため、通常のPVDFによって形成されたチューブは、折り曲げる等の加工を行う必要のある樹脂配管には不向きである。曲げ弾性率が1800Mpa以下であれば、柔軟性があり樹脂配管として実用的に用いることができる。
【0030】
このことを考慮して、図示されたPVDFチューブ10には、パーフルオロモノマーを添加することによって分子間結合力を緩和するソフト化処理が施されている。この結果、ソフト化されたPVDFチューブ10は曲げ弾性率が1200MPaであり、柔軟性を備えたものとなり、半導体製造装置、液晶製造装置等に適用した場合、自在に折り曲げ、樹脂配管を自在に行うことができる。
【0031】
更に、前述したソフト化されたPVDFチューブ10は、PFAによって形成されたチューブに比較して、ガス(酸素、窒素)に対して、極めて良好な非透過性、即ち、極めて低い透過係数を有することが判明した。
【0032】
また、図2を参照すると、本発明の他の実施形態に係るチューブは3層構造を有するチューブであり、図示されたチューブは、内層を形成するPFAチューブ12及び外層を形成するナイロンチューブ14とを備え、当該PFAチューブ12とナイロンチューブ14とを接着剤層16によって接着した構成を有している。
【0033】
この構成では、ガスの透過を抑制し、且つ、超純水、その他の薬液、気体に対して不活性で耐久性に優れたフッ素樹脂であるPFAチューブ12によって内層を形成している。しかしながら、PFAチューブ12だけでは、ガス(酸素、窒素)の透過を充分には防ぐことができないため、所望の特性を有する樹脂配管を構成することはできない。
【0034】
このため、図示された例では、この種半導体製造装置では使用されていないナイロンによって外層を形成し、ナイロンチューブ14とPFAチューブ12とを接着剤層16によって接着したところ、PFAチューブ単層の場合に比較して極めて良好な結果が得られた。即ち、通常ナイロンはアルカリに弱く、変色しやすいため、半導体製造装置等の薬液輸送用配管には不適であると考えられているが、本発明者等の実験によれば、酸素の透過量を低減させるのに有効であることが判明した。具体的に云えば、0.2mmの厚さを有するPFAチューブ12と、0.7mmの厚さを有するナイロンチューブ14とを0.1mmの厚さを有するフッ素系接着剤層16によって接着した。
【0035】
上記した事実を明らかにするために、透過係数の測定結果を説明する。まず、図3を参照して、本発明に係る実験に使用した透過係数の測定系を説明する。図3に示すように、サンプルチューブ20としてセットされたチューブに、脱気フィルタ(図示せず)を介して超純水(UPW)(脱気UPW)を供給する。図示された測定系において、サンプルチューブ20に対するガスの透過は、ガスとサンプルチューブ20の接触面積、接触時間、圧力、温度に比例して増加し、厚さに反比例する。したがって、単位時間、単位圧力、単位厚さ当たりの透過量(透過係数)は、以下の式(3)により算出した。
【0036】
透過係数=
(透過物質の量×サンプルの厚さ)/(サンプルの面積×接触時間×透過物質の圧力差)=(個・cm)/(cm・sec・Pa) (3)
【0037】
図3に示された測定系を用いて測定された測定結果を図4に示す。ここで、各サンプルチューブ20は、外径8mm、内径6mmを持ち、且つ、長さが1.5mであった。図示された例では、23℃のUPWを、1l/minの流量で図3に示した測定系に流した場合の測定結果であり、ここでは、サンプルチューブ20に3kgf/cmの酸素負荷を加えた場合における溶存酸素(DO)の測定結果を示している。
【0038】
図4に示された特性曲線C1は、PFA単層チューブの透過量を示し、特性曲線C2は、ナイロン単層チューブの透過量の時間的な変化(24時間中)を示している。更に、特性曲線C3は、図2と同様に、PFA層、接着剤層、及び、ナイロン層の3層を積層することによって構成され、外径8mm、内径6mm、及び、長さ1.5mを有するチューブの透過量を示している。また、特性曲線C4は、図1に示されたソフト化処理されたPVDFチューブの透過量を示している。尚、図4の特性曲線C5は、柔軟な配管が出来ないステンレスチューブ(SUS)の透過量を参考のために示している。
【0039】
図4からも明らかな通り、ソフト化処理されたPVDFチューブ(C4)、3層構造のチューブ(C3)のいずれも、24時間経過しても10ppb以下の酸素透過量を示し、50ppb近くにまで達するPFA単層チューブに比較して、極めて良好な特性を有していることが判る。また、その中でも、酸素透過量は、ソフト化処理されたPVDFチューブ(C4)において最も少なく、続いて、3層構造のチューブ(C3)が酸素透過量が多くなることが判る。また、ソフト化処理されたPVDFチューブはステンレスチューブ(SUS)と同程度の低酸素透過量である。
【0040】
次に、図5を参照すると、上記したチューブの酸素透過係数の測定値が示されている。ここでは、16〜20時間中の平均値が溶存酸素(DO)として示されており、更に、図5にはUPW中に残存していた酸素量を0.14ppbとした場合の溶存酸素の変化量がΔDOとして示されている。また、式(3)及び式(2)を用いて算出された酸素透過係数も示されている。
【0041】
図5からも明らかな通り、PFA単層チューブの酸素透過係数(1.56×10:1.84 )に比較して、3層チューブ、及び、ソフト化処理されたPVDFチューブは、いずれも非常に小さい酸素透過係数(即ち、107 オーダー以下)を有していることが判る。即ち、ソフト化処理されたPVDFチューブ、及び3層チューブの酸素透過係数は、それぞれ、(1.50×10:0.02)、(1.66×10:0.20)、及び(2.14×10:0.25)(単位省略)であり、PFAチューブに比較して一桁小さい酸素透過係数を示し、特に、ソフト化処理されたPVDFチューブはPFAチューブよりも二桁小さい酸素透過係数を持っている。
【0042】
上に述べた実施形態では、ナイロンとPFAとの組み合わせたチューブについてのみ説明したが、ナイロン又はPVDFと、他のフッ素樹脂、例えば、ETFE、PTFE、PVDC、FEP等とを組み合わせることができる。この場合、内側層として、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、中性水溶液、有機溶剤のいずれかに対して耐性を示す材料を用いることが好ましい。
【0043】
ここで、本発明者等の実験によれば、ソフト化処理されたPVDF、或いは、ナイロン系樹脂を使用したチューブは、耐薬品性において問題がある。具体的に言えば、ソフト化処理されたPVDFチューブは、アンモニア(NH)によって変色してしまう。一方、ナイロン系樹脂チューブは酸性溶液によって変色してしまう。
【0044】
図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係るチューブを説明する。図6に示されたチューブは、図2に示されたチューブと同様に、3層構造を備え、PFAチューブ12によって内層を形成している点で、図2に示されたチューブと同様である。この実施形態では、外層として、ナイロン6或いはナイロン6/12の共重合によって形成された層、即ち、ナイロン6を主成分とする外層を有している点で、図2とは相違している。また、ナイロン6を主成分とする外層14とPFAチューブ12とは、フッ素系接着層16によって接着されている。このように、ナイロン6を含む層は、強靭で、耐熱性、耐油、耐薬品性において優れている。したがって、ナイロン6を含む層を外層にすることによって、外層の耐薬品性を向上することができる。一方、内層をPFAによって形成しているため、PVDFに匹敵する酸素透過係数を得ることができる。
【0045】
実際に、内層をPFAによって形成し、外層をナイロン6によって形成したチューブを作成し、図3と同様な手法により測定したところ、その酸素透過係数を測定したところ、7〜8×10(個・cm/cm・sec・Pa)であった。更に、内層をPFAによって形成し、外層をナイロン6とナイロン12との共重合体によって形成したチューブを作成し、その酸素透過係数を測定したところ、1.3×10(個・cm/cm・sec・Pa)であった。
【0046】
これらの酸素透過係数の値は、ソフト化処理されたPVDFの酸素透過係数(1.53×10個・cm/cm・sec・Pa)とほぼ同等であった。
【0047】
したがって、ナイロン6を含む層を外層にしたチューブは、PFA層を単独で使用した場合に比較して、酸素透過係数を大幅に改善できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るチューブは、容器間の配管に適用できるだけでなく、薬液供給用、超純水輸送用等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るチューブを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るチューブを説明するための断面図である。
【図3】本発明に係るチューブの特性を測定する測定系を示す図である。
【図4】図3に示した測定系を用いて測定した酸素の透過量を示すグラフである。
【図5】図3に示した測定系を使用した測定結果を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るチューブを説明するための破断図である。
【符号の説明】
【0050】
10 ソフト化処理されたPVDFチューブ
12 PFAチューブ
14 ナイロンチューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素透過係数が5×106[個・cm/cm2secPa]以下、曲げ弾性率が1800Mpa以下であり、フッ素樹脂を含むことを特徴とする樹脂配管。
【請求項2】
請求項1において、酸素透過係数が、更に、2×106[個・cm/cm2secPa]以下であることを特徴とする樹脂配管。
【請求項3】
請求項1において、組成の異なる2種類以上の材料によって一体的に形成されていることを特徴とする樹脂配管。
【請求項4】
請求項2において、ソフト化処理されたPVDF層を含むことを特徴とする樹脂配管。
【請求項5】
請求項1において、ナイロン層を含むことを特徴とする樹脂配管。
【請求項6】
請求項3において、ソフト化処理されたPVDF層またはナイロン層と、ETFE、PTFE、PVDC、FEP、PFAのいずれかによって形成された層との組み合わせによって構成されることを特徴とする樹脂配管。
【請求項7】
請求項1のいずれかにおいて、前記樹脂配管の内側表面が、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、中性水溶液、有機溶剤のいずれか一つに耐性のある材料によって形成されていることを特徴とする樹脂配管。
【請求項8】
酸素透過係数が5×106[個・cm/cm2secPa]以下、曲げ弾性率が1800Mpa以下であり、薬液または超純水輸送用であることを特徴とする樹脂配管。
【請求項9】
請求項8において、酸素透過係数が、更に、2×106[個・cm/cm2secPa]以下であることを特徴とする樹脂配管。
【請求項10】
請求項8において、電子機器または電子部品製造用の超純水または薬液の輸送用であることを特徴とする樹脂配管。
【請求項11】
請求項8のいずれかにおいて、単一材料または組成の異なる複数の材料の層によって一体化して形成されていることを特徴とする樹脂配管。
【請求項12】
請求項11において、前記単一材料の層はソフト化処理されたPVDFによって形成されたPVDF層またはナイロン層であることを特徴とする樹脂配管。
【請求項13】
請求項11において、ソフト化処理されたPVDF層またはナイロン層と、ETFE、PTFE、PVDC、FEP、PFAのいずれかとによって形成された層との組み合わせによって構成されることを特徴とする樹脂配管。
【請求項14】
請求項8のいずれかにおいて、前記樹脂配管の内側表面が、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、中性水溶液、有機溶剤のいずれか一つに耐性のある材料によって形成されていることを特徴とする樹脂配管。
【請求項15】
多層構造を有する樹脂配管において、前記樹脂配管の内層として設けられたPFA層と、当該PFA層の外側に配置されたナイロン6を含む外層とを有することを特徴とする樹脂配管。
【請求項16】
請求項15において、前記外層はナイロン6によって形成されていることを特徴とする樹脂配管。
【請求項17】
請求項15において、前記外層はナイロン6とナイロン12との共重合体によって形成されていることを特徴とする樹脂配管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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