説明

【課題】 従来の橋の、橋脚の中央は、自動車の重量をささえるために、補強が付いていたが、補強を付け過ぎると重くなっていたので、それを支える橋脚は何倍もの力がかかる。そこで、圧縮した空気で自動車を支えるものである。
【解決手段】 本発明の橋は、自動車の重量をささえるために橋桁(1)の内部(2)を加圧して、床面(4)が膨れるのを押さえるための補強(5)が付いていることで、空気の力で加圧補強するため、橋桁(1)を軽くできる。しかし強風の時は、通行止めにし、橋桁(1)を注水して重たくし、風の影響を避ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋桁の内部に圧力をかけて加圧補強することで、橋の重量を軽くする橋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の橋梁の上部構造は、桁と床版の材質により、桁と床版を全てコンクリートで成形しているコンクリート橋と、桁を鋼製とした鋼橋にわかれている。その鋼橋の鋼桁上に架設する床版(RC床版)や、プレストストコンクリート床版(PC床版)からなるコンクリート系床版と、鋼製型枠にコンクリートを打設してなる合成床版と、鋼床版に分類される。さらに、上記RC床版やPC床版は、予め工場で制作して、現場に搬送して鋼桁上に架設するプレキャスト床版と、現場でコンクリートを打設する場所打ち床版に分類されることも知られている。そのコンクリートは、重量も重たいので、そのコンクリートを支えるため色々な工法が考えられている。
【0003】
以前の事故では、タコマナロウス橋は馬乗りガーティーとあだ名されるものは、なぜなら非常に弱い風でも側方から側方への横揺れだけでなく、床構造に沿ってさざ波のような揺れが生じたからである。斜索を追加して揺れを抑える試みがなされたが成功しなかった。1940年11月7日に時速68キロ(19メートル毎秒)というごく普通の風速により、床構造の激しいねじれと、それと同時の長手方向のさざ波が生じて崩壊した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−7925
【特許文献2】特開2010−37802
【特許文献3】特開平11−13014
【特許文献4】特願2010−106307
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の橋の床版は、鋼製型枠にコンクリートを打設してなる合成床版などが使用されていたが、橋の橋桁の中央は重さが問題になっていた。橋桁の中央は、重さが1トンの物を支えるためには、何倍もの力が橋脚に加わっていた。そのため、とくに中央部分には軽くするための工夫が必要であった。
【0006】
そこで、本発明の橋は、特許文献4の特願2010−106307の名称フロートのように、橋桁(1)の内部(2)にコンプレッサーまたは圧搾ボンベで圧力をかけて、床面(4)が膨れるのを補強(5)が押さえる。したがって、空気は軽いのと、圧力は全体に加わるので、全体を加圧補強する橋を提供するものである。
【0007】
請求項2の課題は、タコマナロウス橋のように非常に弱い風でも側方から側方への横揺れだけでなく、床構造に沿ってさざ波のような揺れが生じたので、それが起こらないように風洞実験して、床構造の激しいねじれと、それと同時の長手方向のさざ波が生じない工夫が成されていた。
【0008】
長大吊橋では、耐風性が問題となる。まず高風速で、発散振動をもたらすフラッターを設計風速範囲内で発現されないようにしなければならない。すなわち、フラッターを設計風速を充分高くする必要がある。フラッターの設計風速を向上させる方法として主種のものが開発提供されている。その方法の1つが、桁に、一時的に質量を付加する方法である。一時的である理由は、橋の耐用年数に一度あるか無いかの暴風時を予想して、当初から桁重量を大きくするのは不経済だからである。
【0009】
この方法は、暴風時に一時的に水、土砂などの質量を橋軸方向に沿って、主桁内の中心に付加することで、その質量効果により耐風性を向上させる方法である。橋軸方向全長にわたって質量を付加する場合、あるいは中央径間の中央部付近と側径間全体に付加した場合において、最もフラッター発現風速が高くなる。付加重量は強度に影響を及ぼさない範囲で、最大の重量を付加することが望ましい。さらに、吊橋の大きさによってもその効果は異なるが、中央径間2000〜3000メートル程度であれば、桁重量の10%程度の付加により、フラッター発現風速は5〜9%程度上昇することが報告されている。
【0010】
重量付加方法については、トロッコ等を用いて、水または土砂などを桁の中に設置されたレールにより運搬する方法と、導水路を別途に設けて海水をポンプアップして送り込む方法などがあった。しかしながら、従来の技術では、土砂、水を運搬するためのガイドを付加設備・構造を設備しなければならないという問題があった。また、特許文献3の特開平11−13014の、名称 吊橋の重量付加方法及び重量付加構造は橋の橋桁を構成するパイプに水を注水するものであったが、橋桁を構成するパイプには10%ぐらいしか重たくできなかった。
【0011】
そこで、本発明の請求項2の橋は、軽すぎると強風のとき、風の影響で揺れてしまうので、橋桁(1)の内部(2)を注水して、橋桁(1)を重くして風の影響を少なくする橋を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の橋の加圧補強は、橋桁(1)の内部(2)をコンプレッサーまたは圧搾ボンベで加圧して、床面(4)が膨れるのを補強(5)が押さえることで目標を達成した。
【0013】
請求項2の橋は、橋桁(1)の内部(2)に水ホース(13)を取り付け、その水ホース(13)に注水して、その橋桁(1)全体の重量を重くすることで、風の影響を少なくすることで目標を達成した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の橋は、次のような効果がある。
(イ)橋の加圧補強は、床面の内部の空気が補強するので、空気は軽い。
(ロ)橋の加圧補強は、橋桁の内部を加圧すると、中に溜まった空気は、床面が膨れるので、それを押さえるために補強する。
(ハ)橋の加圧補強は、0.01パスカル(1mAq)の圧力で、1平方メートルあたり1トンを支える。
(ニ)コンプレッサーは、0.01パスカルの圧力で良いため、送風機に分類されるブロワで良い。
(ホ)酸素の入っていない気体に置換すると、内部が錆びないので塗装が不要である。
(ヘ)橋桁の内部が破損すると、全体の圧力が下がるので分かる。
(ト)強風の時は、橋桁の内部に水を張り、重さで外からの風圧に耐える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図は、橋桁の断面図である。
【図2】図は、補強(5)が付いてない場合の、橋の断面図である。
【図3】図は、一般的な吊り橋の側面図である。
【図4】図は、水ホースが付いた橋桁の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の、橋の加圧補強は、自動車(6)が通行するときの路面にかかる重力を、橋桁(1)の内部(2)に圧力をかけ、自動車(6)が床面(4)を通行するときの重力に耐えるものである。しかし、圧力をかけると膨れてしまう。そこで、補強(5)を取り付けて、膨れるのを押さえて、床面(4)を平らに保つ。
【0017】
この圧力を内部(2)に加える方法の原理は、缶ビール(0.1ミリのアルミ缶)の封を切っていない場合、簡単には潰れないが、缶の封を切って中の圧力を抜いてやると、缶は簡単に潰れてしまう。つまり、空気という圧力をかけて補強しても、重さが変わらないところが利点である。
【0018】
その橋桁(1)は、床面(4)に補強(5)を取り付け、その下部に圧力板(8)が取り付けており、その形は蒲鉾型のアーチになったものを、2個取り付けている。
また、圧力板(8)と圧力板(8)を繋ぐ床面(4)には、継ぎ板(7)が具備されており、左側の圧力板(8)と、右側の圧力板(8)を補強をしている。したがって、補強(5)と同じ所に設置しなければならない。
【0019】
その圧力板(8)の、最も下がっている場所同士をくっつけている鋼板が、下板(9)である。その下板(9)は、台風などの強風にさらされた場合、風が通りやすくするためと、橋桁(1)全体の形からすると、翼を逆にしたような形になっていて、床面(4)が平らなのに比べ、圧力板(8)と下板(9)が作った凸面は、風が吹くと下に力が加わり安定する。
【0020】
それを説明すると、床面(4)が平らな形をしており、圧力板(8)と下板(9)で作ったアーチは、風が通り抜けるとき、上の床面(4)と、下のアーチでは、アーチの方が風が遠回りになるため速度が早く流れ、速度が早いと辺りの空気を巻き込むため、アーチの方に引っ張られ、下に重量がかかる。
【0021】
そのとき、下に重量が加わるのは、吊橋にとって許容重量が5倍にしてあるため、それほど問題ではないが、もし上に浮力がかかり、上に持ち上がったとすると、ほんの小さな力で持ち上がる。このことで、風が吹くと下に下がる方がよい。また下板(9)には、ほんの少し圧力をかけて下板(9)の加圧補強をする。これもまた、空気の力で補強するものである。
【0022】
そして、吊材(3)は橋桁(1)の端に取り付けてあり、吊材(3)でぶら下げても持つだけの強度がある。しかし、中央の継ぎ板(7)部分から吊材(3)を取り付け、3点を支えると良い。吊材(3)は、両側と、真中の継ぎ板(7)の上に取り付け具を設置し、そこへ真中の吊材(3)を取り付け、その真中の吊材(3)は斜めに張って、ケーブル(10)に繋がっている。
【0023】
請求項2の橋で、橋桁(1)は、異常に軽いため、軽すぎると風の影響で橋桁(1)が揺れてしまうので、橋桁(1)の内部(2)を注水して、重さで橋桁(1)が、フラッターで揺れて壊れるのを防いだ。これは、台風などで橋桁(1)に注水しなければならない時には、自動車(6)は当然のことながら通行止めになっているので、橋桁(1)の許容重量一杯まで、水を注水することができる。重たくなれば、風の影響を受け難いことは、常識である。つまり、風の影響を心配できるときには、通行止めにして、重量を重くするが、普段から重量を重くして設計するのは不経済であるため、風の強い時だけ注水して重くする。その時は、数年に一度である。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
(イ)図1の断面図は、図3の一般的な吊り橋の断面である。その図は、床面(4)が横20メートルになっており、厚みは6ミリの鋼板を使用して、平らになっており、その上を自動車(6)が通行するように舗装をしてある。舗装は、6ミリの床面(4)ではあまりにも薄いため、舗装を高強度繊維補強コンクリートなどを使用し、厚み6センチの舗装をした。
【0025】
その床面(4)の下部には、圧力板(8)が付いており、その圧力板(8)の厚みは6ミリでサイクロイドのように、定円が一直線上に転動するとき、その円周上の1点が描く軌跡をいうが、その形が似ており半円形になっており、圧力0.01パスカルの圧力を支えている。圧力が、0.01パスカルで、小さいから圧力板(8)は6ミリの鋼板でも耐える。
【0026】
しかし圧力が、0.01パスカルで1平方メートルあたり1トンの支える力がある。そのため、20トンのトラックでも、長さ10メートル、横幅2メートルとして20トンを支える力があるため、圧力は0.01パスカルで良い。その図の橋桁(1)の内部(2)はX模様で、圧力の加わる所が、左右に2個を現している。また、橋桁(1)は通しでできており、2000〜3000メートルの橋長さがある。
【0027】
そして、床面(4)が圧力で膨れてしまうのを、図2で現すと補強(5)を取り付けていない場合には、床面(4)が膨れて図のようになってしまう。そのため、道路で無ければ補強(5)も要らず、圧力もそれなりに高圧にできるが、道路が凸面になっていたのでは都合が悪いので、そのため、図1のように補強(5)を2メートル間隔に取り付けなければならない。
【0028】
また、内部(2)に圧力をかけるのは、窒素など酸素が入っていない物、またはイナートガスという酸素を燃やして作る気体を置換して、内部(2)を錆から守る。また補強(5)は、橋桁(1)の内部(2)の床面(4)を、下から補強する物で、補強(5)のピッチは2メートル間隔で取り付けており、幅200ミリの鋼板で、厚みは10ミリで、軽量のためにφ140の穴が開いている。それが、左右2個付いており、その左の補強(5)と右側の補強(5)の間を繋ぐため継ぎ板(7)を取り付けている。その継ぎ板(7)は、補強(5)と目違いにならないように注意が必要である。
【0029】
さらに、左側の圧力板(8)の最も低い所と、右側の圧力板(8)の最も低い所を下板(9)で繋ぎ、橋桁(1)全体の形を、翼を逆様にしたような形になっている。したがって、下板(9)には圧力も、何も加わっていないから3ミリの鋼板で良いが、これもまた圧力0.001パスカル加えて(圧力板(8)の内部(2)の、気圧10分の1)、ほんの少し外側に張るくらいの方が、下板(9)の補強をとらなくて済む。これもまた、圧力で補強しなかったら、軽く押しただけで引っ込むので、圧力をかけることで補強板を取り付けなくて済む。
【0030】
このようにして、横幅20メートル、縦を20メートルのブロックとして組み立てると、全体の重さは120トンになる。従来の橋桁で、同じ大きさの物を作るとしたら約400トンになる。したがって、軽いので橋脚(11)とケーブル(10)と吊材(3)も軽くでき、3分の1の重量を支える橋脚(11)とケーブル(10)と吊材(3)は5分の1以下に軽量できる。
【実施例2】
【0031】
しかし、本発明の橋は異常に軽いため、風の影響を受けやすい。そこで、台風などの強風になった時は、危険なため通行止めになる。そうすると、今まで走っていた自動車(6)が通らなくなると橋桁(1)は軽くなるのと、外部からの風圧に耐えるための、図4のように水ホース(13)内に水を張り、重さで風の力に耐える。危険なため通行止めになった橋は、許容重量以上の水ホース(13)を橋桁(1)の内部(2)に溜めても、人身事故にはならないので、充分に水を水ホース(13)の中に注水できる。その水ホース(13)は、普段は水が入っていないので、右側の水ホース(13)のように潰れている。
【0032】
そして、水ホース(13)に水を入れて、左側のように水ホース(13)が膨れる。水ホース(13)は、橋桁(1)の橋長方向は緩やかな凸面になっており、両岸に水ホース(13)の中に水を注水する注水口を、全部で4個取り付けている。また、水ホース(13)に水を注水するとき、水量が少ないときは風上にあたる水ホース(13)から注水すると安定する。そして、そこから水を注水すると、水ホース(13)に水が入って膨れた分、内部(2)にかかっていた圧力を抜いてやらないと、水圧は1パスカルぐらい普通のポンプでかかっているので、水ホース(13)が膨れた分を計算すると0.1パスカルかかるので、0.1パスカルかかると破裂するので注意する。
【0033】
そこで安全弁、0.01パスカルで作動するものを取り付けて、橋桁(1)の内部(2)の圧力を0.01パスカル以下に保つ。また、水ホース(13)を取り除いて、直接橋桁(1)の内部(2)に水を注水する方法があるが、水は錆びるのであまり良い方法とはいえないが、数年に1度のことなら我慢する。また、台風が通り過ぎて橋桁(1)を通常に戻す時は、ポンプを給水から排水にして、さらに橋桁(1)の内部(2)の気圧を、水ホース(13)が少なくなって分、気圧が下がるので、その分をコンプレッサーなどで補充する。その時、水ホース(13)に溜める水を水道水から借りる方法がある。強風で、水ホース(13)の中に溜めた水道水は、逆流さして水道に戻す。水道水は、全部で1万トンも使用するため、この方法が最も良いと思う。
【実施例3】
【0034】
また、簡単なトラス橋や、アーチ橋などは、圧力板(8)を一個しか付いていないものもある。それは、片側1車線の橋梁では、わざわざ2個の圧力板(8)を取り付ける必要がない。この橋桁(1)も、床面(4)の下に補強(5)を取り付け、内部(2)を0.01パスカルで加圧して、橋梁全体の重さを軽量するため経済的である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この橋の加圧補強は、建物の床面に使用できる。この方法を用いれば、軽くできることは、いうまでのことはないが、上の振動が下へ伝わらないところが利点である。
また、インテリアの関係から、圧力板(8)は圧力さえ耐えるものであればシートで良く、加える圧力は0.001パスカルで、1平方メートルあたり0.1トンを支える力がある。
【符号の説明】
【0036】
1 橋桁 2 内部 3 吊材 4 床面 5 補強
6 自動車 7 継ぎ板 8 圧力板 9 下板 10 ケーブル
11 橋脚 12 海 13 水ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋桁(1)の内部(2)を、コンプレッサーまたは圧搾ボンベで加圧して、
床面(4)が膨れるのを補強(5)が押さえることを特徴とする橋。
【請求項2】
橋桁(1)の内部(2)に、水を注水して、
該橋桁(1)全体の重量を重くすることで、風の影響を少なくすることを特徴とする橋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−52329(P2012−52329A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195257(P2010−195257)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(391011113)
【Fターム(参考)】