説明

機器の評価方法および評価システム

【課題】機器の性能劣化や異常の評価に用いるデータ量を抑えながらも、高精度に、かつ効率的に異常発生を判定することができる評価方法を提供する。
【解決手段】機器の動作を監視して評価するに際して、当該機器(GT)の動作特性に関する動作特性データを一定の周期で瞬時値として取得し、当該機器(GT)の運転状態に応じて、前記動作特性データを、同種の動作であるイベント毎に整理するか、またはその運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求めて評価に供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントのような機器の性能劣化や動作異常を監視および評価するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種プラントのような機器の動作状態の監視・評価は、一定のサンプリング間隔で機器動作状態についての特性を測定し、得られたデータを、予め登録された正常値や異常値(評価基準データ)と逐一比較して性能低下や動作異常について評価を行うことによりなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−105053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一定のサンプリング間隔毎にデータを採取し、これを評価基準データと比較するのみでは、サンプリング間隔が大きい場合、機器に異常が生じていても、正常時との差異が評価用データに現れないことがある。さらに、この方式で正常時と異常時との差異を正確にかつ確実に評定するためには、サンプリング間隔を狭めたうえで、広範囲に渡ってサンプリングされた大量のデータと評価基準データとを逐次比較判定することが考えられるが、膨大な量のデータを照合する作業が必要となるので、評価の負担が。
【0005】
そこで、本発明の目的は、機器の性能劣化や異常の評価に用いるデータ量を抑えながらも、高精度に、かつ効率的に異常発生を判定することができる評価方法および評価システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る機器の評価方法または評価システムは、当該機器の動作特性に関する動作特性データを一定の周期で瞬時値として取得し、当該機器の運転状態に応じて、前記動作特性データを、同種の動作であるイベント毎に整理するか、またはその運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値、および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求めて評価に供する。前記機器は、例えば、ガスタービンエンジンである。
【0007】
この構成によれば、運転状態に応じて、動作特性データをイベントごとのデータ、または最大値、最小値データなどの必要最小限のデータを評価に供するので、一定周期で取得した大量のデータを用いる場合に比べて、きわめて効率的に機器の異常評価をおこなうことが可能となる。さらには、取得する動作特性データの精度を高めるために特性を測定するサンプリング周期を短くしても、評価に供するデータ量は増加しないので、高精度の評価を効率的に行うことが可能となる。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記運転状態が定常運転状態である場合に、その運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値、および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求め、前記運転状態が当該機器の停止状態と定常運転状態との間の過渡状態である場合に、前記動作特性データをイベント毎に整理することが好ましい。この構成によれば、機器の運転状態が、動作特性データの変化量が比較的小さい定常運転状態である場合には最大値等を用いることにより、動作特性データの変化量が比較的大きい過渡状態である場合には、イベント毎に整理されたデータを用いることにより、少ないデータ量であっても高精度に評価を行うことができる。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記最大値および最小値に、発生日時を付加することが好ましい。この構成によれば、一層精度の高い評価を行うことができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記最大値、最小値または偏差のうち、正常値から所定の幅以上ずれた値のみを評価に供することが好ましい。この構成によれば、機器の劣化や異常またはその兆候が発生したことを、より効率的に評価することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る評価方法または評価システムによれば、以上のように、機器の性能劣化や異常の評価に用いるデータ量を抑えながらも、高精度に、かつ効率的に異常発生を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る方法を実行する監視・評価システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る監視・評価手順を示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る評価方法におけるデータの整理形態を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る評価方法における、データ取得および提示例を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る評価方法における、データ取得および提示例を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る評価方法における、データ取得および提示例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下,本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る監視・評価方法を実行する評価システム1が設けられた機器の概略構成を示す。本実施形態では、監視・評価の対象となる機器として、ガスタービンエンジンGTを例として説明する。
【0015】
ガスタービンエンジンGTは、空気を圧縮する圧縮機3と、圧縮機からの圧縮空気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器5と、圧縮機3に回転軸7を介して連結され、燃焼器5からの燃焼ガスによって駆動されるタービン9とを備えており、回転軸に連結された発電機のような負荷Lを駆動する。
【0016】
評価システム1は、図2に示すように、ガスタービンエンジンGTの動作特性に関する動作特性データを一定の周期で瞬時値として取得し、ガスタービンエンジンGTの運転状態に応じて、動作特性データを、同種の動作であるイベント毎に整理するか、またはその運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求め、評価用データとして表示等することにより評価に供する。ここで、「イベント」とは、例えば始動時のエンジン着火、始動状態から定常状態への移行等のような、その機器における同種の動作を意味する。
【0017】
換言すれば、評価システム1は、機器の異常および劣化について、監視と評価に効果的な動作特性データを、機器の各運転状態に適した方式で整理して評価に使用する。つまり、始動から定格運転開始まで、および定格運転の終了(停止状態への移行)から停止完了までの過渡状態の動作特性データと、始動状態完了から停止状態開始までの定常運転状態の動作特性データとについて、各運転状態の特徴に合わせたデータの整理、利用を行う。
【0018】
より具体的には、過渡状態、すなわち機器の始動・停止時には、比較的短い時間において特性の状態変化量が大きいことから、サンプリング周期を短くし、かつ、過渡状態での異常判定に有効なイベント毎の動作特性データの採取を集中的に行う。一方、定常運転状態は、比較的長時間にわたって続くが、特性の状態変化量がほぼ一定範囲内に収まるので、採取データを統計的に処理することにより、データ取得のサイクルを長く設定して利用するデータ量を抑えつつ、評価の高精度化を図る。
【0019】
図1に示すように、ガスタービンエンジンGTには、ガスタービンエンジンGTの動作特性データを、一定の周期で瞬時値として取得する手段である測定装置11が取り付けられている。ガスタービンエンジンGTに取り付けられる測定装置11の種類、取り付け部位および数は、監視・評価のために必要な特性の項目に応じて適宜選択される。本実施形態においては、測定装置11として、例えば、タービンからの燃焼ガス排出口の温度を測定する温度測定装置、回転軸7の振動数を測定する振動数測定装置、回転軸7の回転数を測定する回転数測定装置などが設置されている。
【0020】
ガスタービンエンジンGTの測定装置11によって採取された動作特性データは、ネットワーク13のような有線または無線の通信回線を介して、本実施形態の評価システム1を構成する管理サーバ15に送られる。管理サーバ15は、送られてきた動作特性データを整理および解析して評価に供する手段であり、例えば、データの各種制御および処理を行う、CPU等からなる制御部17、ハードディスクのような、データを保存する記憶部19、評価用データを表示する表示部21、外部から管理サーバ15を通して評価システム1に指令を与えるキーボードのような入力部23を備えている。管理サーバ15が備える記憶部19のほかに、外付けの記憶機器が管理サーバ15に接続されていてもよい。
【0021】
管理サーバ15に送られた動作特性データは、制御部17において、図3(a)に示すように、イベントごとに整理される過渡状態(始動時、停止時)のデータファイルD1と、最大値等を求めて整理される定常運転状態のデータファイルD2とに分けて記憶部19に保存される。各データファイルD1,D2では、動作特性データが、以下に説明するように所定のデータ整理単位(REC)ごとに整理される。
【0022】
(A)過渡状態データファイルD1
過渡状態データファイルD1では、ガスタービンエンジンGTの始動から停止までを1データ整理単位(REC)として、図3(b)に示すように、各RECにおいて、例えば以下のようなイベント項目ごとに動作特定データを整理する。
・始動回数:当該始動時までの累計始動回数。直近の保守点検後の始動回数を併せて記録しておいてもよい。
・始動(停止)指令時刻:始動(停止)指令信号受付時のカレンダー時刻。
・始動時エンジン最高温度:始動指令を受けてから定常運転に移行するまでの間のエンジン温度の最高値。ガスタービンエンジンGTの場合は、例えば、排気温度をエンジン温度とする。
・着火性能:着火時から、エンジン温度が所定の値(例えば7℃)上昇するまでの所要時間およびその時点のエンジン回転数。
・始動時(停止時)軸振動数極大値:過渡状態における回転軸に固有の極大振動数。本実施形態では、始動時と停止時に各2つ現れる。
・始動時経過時間:始動指令を受けてから定常運転に移行するまでの所要時間。定常運転への移行完了は、例えば、定格回転数の95%に達した時点を基準とする。
・停止時経過時間:停止指令を受けてから完全に停止するまでの所要時間。停止完了は、回転軸振動数の上昇により判断する。
【0023】
(B)定常運転状態データファイルD2
定常運転状態データファイルD2では、所定の評価単位時間(本実施形態では1時間)を1データ整理単位として、図3(c)に示すように、各RECにおいて、各測定項目の、測定単位時間における最大値、平均値、最小値を求めて、以下のような測定項目ごとに動作特性データを整理する。
・瞬時値:評価単位時間ごとに所定のサンプリング間隔(0.1秒)で測定された測定値。対象となる測定時点の前後数点の平均値としてもよい。
・最大値:評価単位時間内に所定のサンプリング間隔(0.1秒)で測定された36000個の測定値の最大値。
・平均値:評価単位時間内に所定のサンプリング間隔(0.1秒)で測定された36000個の測定値の移動平均値。
・最小値:評価単位時間内に所定のサンプリング間隔(0.1秒)で測定された36000個の測定値の最小値。
【0024】
定常運転状態における動作特性データの測定項目は、機器の性能劣化や動作異常と因果関係を有する種々の因子を考慮して、適宜設定してよいが、ガスタービンエンジンGTの監視・評価を行う場合は、例えば、回転軸の回転数、回転軸の振動数、エンジン温度(排気部分の温度)などが測定項目として挙げられる。また、各値に発生日時を付して整理しておくことにより、より精度の高い評価が可能となる。
【0025】
ガスタービンエンジンGTの過渡状態についてのイベント毎の動作特性データ取得および評価は、例えば次のようにして行う。図4に、ガスタービンエンジンGTの始動から定常運転へ移行するまでの動作特性評価方法の一例を示す。ここでは、イベントに着目した監視項目として、
(1)エンジン着火特性
(2)エンジン始動時間
(3)始動時最高エンジン温度
の3項目を測定している。
【0026】
図4(a)は、エンジン始動時の、経過時間に対するエンジン回転数特性およびエンジン温度特性を模式的に示すグラフである。エンジン着火特性としては、例えば、エンジン温度を同時にモニターしながら、着火前のエンジン温度から所定の温度上昇した時点tiでの回転数を測定する。エンジン始動時間は、エンジン回転数が所定の値(本実施形態では、定格回転数の95%)に達して定常運転状態に移行するまでの所要時間(始動時移行時間)Tsを測定する。始動時最高エンジン温度は、エンジン始動時のエンジン温度の最大値を測定する。これらの測定データは、すべて、所定のサンプリング間隔におけるイベント発生時の瞬時値データとして取得される。
【0027】
(1)〜(3)のイベント毎のデータをエンジンの始動の度に取得し、各取得データをエンジン始動回数に対してプロットした例を図4(b)に示す。図4(a)に示したエンジン始動時特性の監視・評価において、従来のように、所定のサンプリング間隔(同図の例では1秒毎)で測定したデータをすべて取得して評価を行う場合、各測定項目について48点のデータを取得する必要があるのに対し、本実施形態の監視・評価方法によれば、各測定項目について、測定開始点とイベント発生時点の2点のデータを取得すればよい。しかも、評価の精度を上げるために、サンプリング間隔を小さくした場合、従来の方法では、それに伴って取得すべきデータが増大するのに対し、本実施形態によれば、取得すべきデータ数は増加しない。
【0028】
ガスタービンエンジンGTの過渡状態におけるイベント毎の動作特性データ取得の他の例を、図5を参照しながら説明する。
【0029】
ガスタービンエンジンGTの始動時において、図5(a)に示す始動開始から始動完了(定常運転移行)までの始動時移行時間Tsは、機器が正常状態にあればほぼ一定している。しかし、機器本体や始動制御系統などに異常がある場合には、始動時移行時間Tsは正常時に比べて長くなる傾向がある。したがって、このような機器の劣化や異常判定には、始動時移行時間Tsを監視・評価することが有効である。
【0030】
また、ガスタービンエンジンGTの停止時において、図5(a)の定常運転停止指令から完全停止までの時間(停止時移行時間)は、機器が正常状態にあればほぼ一定しており、比較的長時間を掛けて完全停止に至る。一方、回転軸の変形、回転軸と軸固定子部との接触不良、軸受部の損傷、回転系の拘束等の異常が発生している場合は、停止時移行時間は、正常時よりも短くなる傾向がある。もっとも、従来は、完全停止状態を自動的に判定することが困難であったため、停止時移行時間を自動的に測定することも困難であった。
【0031】
本実施形態では、図5(a)の完全停止時に振動数が一時的に上昇する特性を利用して停止時移行時間を自動的に測定する。つまり、回転軸の振動数を計測する装置として設置されている加速度振動計によって、完全停止直前の振動数が最大となった時点(一般に、停止直前に大きく振動する)を停止完了時として特定し、停止指令時から停止完了時までの時間を停止時移行時間として算出する。
【0032】
また、ガスタービンエンジンGTのような回転機械では、一般に、図5(a)に示すように、定格運転範囲以外での回転域、つまり、始動時および停止時の各々において、その回転軸に固有の2つの極大振動数Fs1,Fs2およびFe1,Fe2が現れる。回転軸系に異常がなければ、固有極大振動数Fs1,Fs2およびFe1,Fe2が現れる軸回転数(固有回転数)は一定になる。一方、回転軸や回転体の軸受部等に異常がある場合、例えば、軸受部に緩みが発生した場合には、固有極大振動数Fs1,Fs2およびFe1,Fe2が現れる固有回転数は、異常状態の程度に応じて変化する。
【0033】
本実施形態では、このような現象を利用して、始動・停止毎に固有回転数を動作特性データとして採取し、各回の数値を比較することにより、回転軸系の異常発生を評価する。回転固有値域でのデータ採取は、予め判明している固有回転数から測定を行う軸回転数の範囲を定めておき、その範囲内での軸振動数極大時の回転数を求める。例えば、始動時の一次固有振動数Fs1が回転数20%域にある場合は、10%〜30%回転数の範囲における振動数最大時の回転値を採取する。
【0034】
次に、ガスタービンエンジンGTの定常運転状態について監視・評価する方法の例を、図6を参照しながら説明する。本実施形態では、比較的長い一定周期サンプリング間隔のままで、ガスタービンエンジンGTの異常・劣化評価を効果的に行う。
【0035】
具体的には、定常運転状態において、動作特性データを一定のサンプリング周期(本実施形態では、例えば0.1秒)で測定しながら、動作特性データの一定評価単位時間(本実施形態では、例えば1時間)ごとの瞬時値、最大値、平均値および最小値を求めて評価に使用する。例えば、ガスタービンエンジンGTのような回転機器での回転軸振動数は、一般に、図6(a)に示すように、一定の周期および振幅で変動する。機器に異常な傾向が現れると、振幅が大きくなるとともに振動数の絶対値が上昇する傾向がある。そこで、図6(b)に示すように、採取した瞬時値、最大値、平均値および最小値を各計測点毎にプロットして表示することにより、回転機器での劣化および異常判定を効果的に行うことができる。また、図6(b)では、これらの採取値の絶対値に加えて、最大値から最小値を差し引いた偏差も併せて表示している。これにより、振幅の変動傾向も捉えることができるので、回転機器の異常を早期に、かつ高い精度で発見することが可能になる。
【0036】
なお、機器の劣化や異常またはその兆候が発生したことを、より効率的に評価するために、図5(b)および図6(b)に示した評価用データの提示において、各動作特性の正常状態を示す値から所定の幅ずれた範囲を性能劣化または機器の異常を示す範囲として設定しておき、その範囲の数値が得られた場合にのみ評価用データとして提示するようにしてもよい。
【0037】
このように、本実施形態に係る監視・評価情報の監視・評価方法または評価システム1によれば、運転状態に応じて、動作特性データをイベントごとのデータ、または最大値、最小値データなどの必要最小限のデータを評価に供するので、一定周期で測定した大量のデータを用いる場合に比べて、きわめて効率的に機器の異常評価をおこなうことが可能となる。さらには、取得する動作特性データの精度を高めるために特性を測定するサンプリング周期を短くしても、評価に供するデータ量は増加しないので、高精度の評価を効率的に行うことが可能となる。
【0038】
なお、本発明は、ガスタービン発電機のほか、ディーゼル発電機、各種プラント等、種々の機器の監視・評価に適用することができる。
【0039】
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1 監視・評価システム
11 測定器
15 管理サーバ
17 制御部
19 記憶部
21 表示部
GT ガスタービンエンジン(機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の動作を監視して評価する方法であって、
当該機器の動作特性に関する動作特性データを一定の周期で瞬時値として取得し、
当該機器の運転状態に応じて、前記動作特性データを、同種の動作であるイベント毎に整理するか、またはその運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値、および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求めて評価に供する、
機器の評価方法。
【請求項2】
請求項1において、前記運転状態が定常運転状態である場合に、その運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値、および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求め、前記運転状態が当該機器の停止状態と定常運転状態との間の過渡状態である場合に、前記動作特性データをイベント毎に整理する機器の評価方法。
【請求項3】
請求項1または2において、前記最大値および最小値に、発生日時を付加する機器の評価方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項において、前記最大値、最小値または偏差のうち、正常値から所定の幅以上ずれた値のみを評価に供する機器の評価方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項において、前記機器としてガスタービンエンジンの動作を監視して評価する機器の評価方法。
【請求項6】
機器の動作を監視して評価するシステムであって、
当該機器の動作特性に関する動作特性データを一定の周期で瞬時値として取得する動作特性データ取得手段と、
当該機器の運転状態に応じて、前記動作特性データを、同種の動作であるイベント毎に整理するか、またはその運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値、および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求めて評価に供する、評価用データ整理手段と、
を備える機器の評価システム。
【請求項7】
請求項6において、前記評価用データ整理手段は、前記運転状態が定常運転状態である場合に、その運転状態における前記瞬時値の最大値、最小値、および最大値と最小値間の偏差のいずれか一つ以上を求め、前記運転状態が当該機器の停止状態と定常運転状態との間の過渡状態である場合に、前記動作特性データをイベント毎に整理する機器の評価システム。
【請求項8】
請求項6または7において、前記評価用データ整理手段は前記最大値および最小値に発生日時を付加する機器の評価システム。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項において、前記評価用データ整理手段は、前記最大値、最小値または偏差のうち、正常値から所定の幅以上ずれた値のみを評価に供する機器の評価システム。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項において、前記機器としてガスタービンエンジンの動作を監視して評価する機器の評価システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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