説明

機器位置判定システムおよび機器位置判定方法

【目的】本発明は、機器位置判定システムおよび機器位置判定方法に関し、障害の発生した機器がどのコンセントのどの口に接続されているか、障害の発生した機器が設置された当初とは異なるコンセントや同一のコンセントであっても異なる接続口に接続されていたとしても自動的に把握することを目的とする。
【構成】監視対象の機器と、機器を識別する機器識別情報を取得してテーブルに登録して管理するコンセントボックスと、監視対象の機器の監視を行う監視サーバとを備え、監視サーバが監視対象のいずれかの機器の障害を検出した場合に、障害発生した機器を接続しているコンセントボックスに、あるいはブロードキャストで障害発生した機器を指定してコンセントボックスに、障害検出の旨の情報を送信し、コンセントボックスが情報を受信してテーブルを参照して該当する機器の電源が接続されているコンセント口の表示器を点灯あるいはメッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された複数の監視対象の機器の接続位置を判定する機器位置判定システムおよび機器位置判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続された機器にトラブルが発生した際に、ネットワークに接続された監視機器を利用して機器のトラブルの原因の切り分けを行い、切り分け結果よりハード障害が見られた場合には、保守要員を現地に派遣し、機器のトラブルの復旧を行う。現地にて保守要員が機器の装着されたサーバラックの作業を行う場合、事前に顧客から提供を受けている機器構成図やラック構成図を参照して障害発生の機器を特定していた。しかし、顧客先の機器構成図は更新されているにもかかわらず保守要員に提供されていた機器構成図に修正情報が伝わっておらず、誤って古い情報の機器構成図をもとに障害発生の機器の特定を行うことがあり、基本的には被監視機器の号機を確認することにより誤って違う機器の操作を行うことは無いはずであるが、たまたま入れ替わった機器が同じ機器であった場合などに誤って復旧作業を開始してしまいトラブルを拡大してしまうことがある。
【0003】
これらの問題を解決するために、電力線を用いて、各電子機器の所在位置管理を行う方法として、PLC対応インテリジェントコンセントを利用し、コンセント毎にサブネットワークを構成、管理し、コンセント単位で情報端末の位置を把握する技術がある(特許文献1)。
【0004】
また、オペレータの手入力によりコンセントとコンセントに接続されている機器との関連付ける初期設定処理開始の操作を実行し、メモリに初期設定情報として登録し、これを用いたコンセントに接続されている機器を管理する技術がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2008−227561号公報
【特許文献2】特開2003−78458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の前者の技術では、コンセント毎にサブネットワークを構成、管理するため、障害機器がどのコンセントの口に接続されているか分からず、障害機器の接続先を特定することはできないという問題がある。
【0006】
また、上述した従来の後者の技術では、コンセントと機器との関連づけを手入力で初期設定していたため、設定後に顧客により機器が他のコンセントに接続するように移動されて関連づけた情報と実態に相違が出てしまい、機器の実際のコンセントの接続する位置が分からなくなってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するために、障害の発生した機器がどのコンセントのどの口に接続されているか、障害の発生した機器が設置された当初とは異なるコンセントや同一のコンセントであっても異なる接続口に接続されていたとしても自動的に把握することを目的としている。
【0008】
そのため、本発明は、ネットワークに接続された複数の監視対象の機器の接続位置を判定する機器位置判定システムにおいて、ネットワークに接続された監視対象の機器と、ネットワークに接続され、電源を前記機器に供給すると共に電源を供給する電源供給線を介して当該機器を識別する機器識別情報を取得してテーブルに登録して管理するコンセントボックスと、ネットワークに接続された監視対象の機器の監視を行う監視サーバとを備え、監視サーバが監視対象のいずれかの機器の障害を検出した場合に、障害検出した機器を接続しているコンセントボックスに、あるいはブロードキャストで障害発生した機器を指定してコンセントボックスに、障害検出の旨の情報を送信し、コンセントボックスが情報を受信してテーブルを参照して該当する機器の電源が接続されているコンセント口の表示器を点灯あるいはメッセージを表示するようにしている。
【0009】
この際、コンセントボックスは、随時あるいは所定時間毎に、電源を供給している電源供給線を介して接続されている機器にメッセージを送信してその応答があったときに、テーブルに応答のあった機器の機器識別情報を上書きして更新、および応答がなかった機器の機器識別情報を削除する手段を備えるようにしている。
【0010】
また、機器識別情報は、MACアドレスおよびIPアドレスとするようにしている。
【0011】
また、監視サーバあるいは監視対象の機器が監視対象のいずれかの機器を指定したシャットダウンコマンドあるいはネットワークエラーをコンセントボックスに送信、あるいはブロードキャストでシャットダウンあるいはネットワークエラーの機器を指定してコンセントボックス送信し、コンセントボックスがシャットダウンコマンドあるいはネットワークエラーを受信してテーブルを参照して該当する機器に電源を供給しているコンセント口の表示器を点灯あるいはメッセージを表示するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、障害の発生した機器がどのコンセントのどの口に接続されているか、障害の発生した機器が設置された当初とは異なるコンセントや同一のコンセントであっても異なる接続口に接続されていたとしても自動的に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、障害の発生した機器がどのコンセントのどの口に接続されているか、障害の発生した機器が設置された当初とは異なるコンセントや同一のコンセントであっても異なる接続口に接続されていたとしても自動的に把握することを実現した。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0015】
図1において、監視サーバ1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続された複数の被監視サーバ6を監視して障害発生した場合に保守要員の派遣を指示し、当該障害を解消させて通常運用に復旧させたりなどするものであって、制御部11などから構成されるものである(図2から図7を用いて後述する)。
【0016】
制御部11は、プログラムに従い各種制御を行うものであって、複数の被監視サーバ6に障害発生していないか監視して検出したり、障害検出した場合に当該障害発生した被監視サーバ6の電源ラインを接続しているコンセントボックス4のコンセント口のランプを点灯して障害発生した被監視サーバ6の位置を特定し易くしたりなどするものである(図2から図7を用いて後述する)。
【0017】
ルータ2は、ネットワーク網、LAN(社内LANなど)とを接続するルータである。
【0018】
ハブ3は、ルータ2からのLAN接続を複数に分岐するものである。
【0019】
コンセントボックス4は、商業電源7を各被監視サーバ6に供給するコンセント口(コンセント)41を設け、障害発生時に指定された被監視サーバ6のコンセント口41の情報表示機42に表示(あるいは点灯)したりなどするものであって、コンセント口41、情報表示器42、制御部43などから構成されるものである(図2から図7を用いて後述する)。
【0020】
コンセント口(コンセント)41は、商用電源7を被監視サーバ6に供給するコンセント口(コンセント)である。
【0021】
情報表示器42は、障害発生時やシャットダウンなどの指示があったときに、該当する被監視サーバ6のコンセント口41に対応する部分に情報(障害発生した被監視サーバ6、シャットダウン指示した被監視サーバ6、ネットワークエラーの発生した被監視サーバ6など)を表示するものである。
【0022】
制御部43は、プログラムに従い各種制御を行うものであって、障害検出、シャットダウン指示、ネットワークエラー発生の該当する被監視サーバ6のコンセント口41の情報表示器42に表示(点灯)したり、コンセント口41に接続されている被監視サーバ6の機器識別情報(例えばMACアドレス、IPアドレスなど)を収集して構成情報テーブル44に更新して管理したりなどするものであって、構成情報テーブル44などから構成されるものである(図2から図7を用いて後述する)。
【0023】
構成情報テーブル44は、コンセントボックス4毎に設け、当該コンセントボックス4のコンセント口41に接続されている被監視サーバ6の機器識別情報(例えばMACアドレス、IPアドレスなど)を収集して上書き更新して常に最新の情報を保持するものである(図2、図3などを用いて後述する)。
【0024】
信号合成機5は、信号を合成するものである。
【0025】
電源ライン51は、コンセントボックス4の被監視サーバ6に対応づけたコンセント口41から当該被監視サーバ6に電源(商用電源)を供給するものであって、ここでは、商用電源の供給と共に、高周波信号を重畳して載せて送受信して情報を送受信(コンセントボックス4と該当被監視サーバ6との間で情報を送受信)するためのものである。
【0026】
被監視サーバ6は、LAN(ネットワーク)に接続された、監視対象の被監視サーバ(機器)6であって、制御部61などから構成されるものである(図2から図7を用いて後述する)。
【0027】
制御部61は、プログラムに従い各種制御を行うものであって、ここでは、コンセントボックス4からの問い合わせに応じて自身の機器識別情報(例えば、ホスト名、MACアドレス、IPアドレスなど)を返答したりなどするものである。
【0028】
図2は、本発明のコンセントボックス例を示す。
【0029】
図2の(a)は、コンセントボックスの構成図を示す。
【0030】
図2の(a)において、コンセントボックス4は、既述した図1のコンセントボックス4の詳細構成図であって、ここでは、図示のエラー表示制御装置の部分とフィルタ、情報表示器42などから構成されるものである。
【0031】
エラー表示制御装置は、エラー表示、ネットワーク障害の表示、シャットダウン指示の表示などを行うものであって、ここでは、図示のように、制御部43、送受信部434、PLC435などから構成されるものである。
【0032】
制御部43は、プログラムに従い各種制御を行うものであって、ここでは、CPU431,プログラム/表示用メモリ432、フラッシュメモリ433、送受信部434、PLC435などから構成されるものである。
【0033】
CPU431は、プログラム/表示用メモリ432に格納されたプログラムに従い各種制御を行うものである。
【0034】
プログラム/表示用メモリ432は、各種制御を行うためのプログラムや、表示を行うための情報を格納するものである。
【0035】
フラッシュメモリ433は、不揮発性のメモリであって、ここで、構成情報テーブル44などを記憶するものである。
【0036】
構成情報テーブル44は、図2の(b)に示すように、コンセント口に電源ラインが接続された被監視サーバ6の機器識別情報(例えばコンセント番号、ホスト名、IPアドレス、MACアドレスなど)の最新のものなどを登録して記憶するものである。
【0037】
送受信部434は、ネットワーク、商用電源ラインを介して他の機器と送受信するものである。
【0038】
PLC435は、商用電源ラインを介して高周波信号を用いて他の機器と情報の送受信するための公知のもの(モデム)である。
【0039】
コンセント口41は、被監視サーバ6に商用電源ラインを接続して電源を供給するための口(コンセント)である。
【0040】
情報表示器42は、コンセント口41に対応づけて当該コンセント口41から電源ラインが接続されている被監視サーバ6にエラー発生(ネットワークエラーの発生、シャットダウンコマンドの発行)のときにいずれの被監視サーバ6であるかを特定するための情報を表示(あるいはランプを点灯)するものである。
【0041】
図2の(b)は、本発明の構成情報テーブル例を示す。図示の構成情報テーブル44は、図2の(a)の不揮発性のフラッシュメモリ433に格納されて記憶されるものであって、制御部43が随時、コンセント口41に接続されている被監視サーバ6に向けてブロードキャストなどにより接続されている機器識別情報を収集し、最新の機器識別情報に更新して保持するものである(後述する図3参照)。ここでは、構成情報テーブル44には、図示の下記の情報を対応づけて登録して記憶するものである。
【0042】
・コンセント番号:
・ホスト名:
・IPアドレス:
・MACアドレス:
・その他:
ここで、コンセント番号は、図2の(a)のコンセントボックス4のコンセント口41に付与したコンセント番号である。ホスト名、IPアドレス、MACアドレスは、コンセント口41に接続されていると確認された被監視サーバ6の機器識別情報である、ホスト名、IPアドレス、MACアドレスである。
【0043】
次に、図3のフローチャートの順番に従い、図1、図2の構成のもとで、コンセントボックス4毎に設けた構成情報テーブル44に最新の機器識別情報に更新するときの手順を詳細に説明する。
【0044】
図3は、本発明の動作説明フローチャート(被監視サーバの関連付け)を示す。
【0045】
図3において、ステップS1は、i=1,nを実行する。これは、コンセントボックス4のコンセント41(コンセント口41)の総数をnとした場合に、初期値1を変数iに初期設定し、繰り返す毎に2,3,4・・・を変数iに設定することを繰り返し、nまで繰り返す。全てのコンセント41についてステップS2からS7までの処理をそれぞれ実行して一連の処理(コンセントボックス4によるコンセントと被監視サーバ6との関連付けの処理)を終了する。
【0046】
ステップS2は、CBiに対し、ブロードキャストでサーバ名、ネットワーク網用のIPアドレス、MACアドレスを求めるリクエスト(パケット)を送信する。これは、コンセントボックス4がステップS1で変数iに設定したコンセントCBiに向けて、ブロードキャストでサーバ名、IPアドレス、MACアドレスの返信を求めるリクエストパケットを送信する。
【0047】
ステップS3は、CBiから、サーバ名、ネットワーク網用のIPアドレス、MACアドレスを受信する。これは、コンセントボックス4がステップS2でブロードキャストでリクエストパケットを送信したことに対応して、該当コンセントCBiに接続されている被監視サーバ6から当該被監視サーバ6のサーバ名(ホスト名)、IPアドレス、MACアドレスを設定した返信パケットを受信する。
【0048】
ステップS4は、情報の変化が有りか判別する。これは、ステップS3で受信した返信パケットに設定されていた、当該コンセントCBiに接続されている被監視サーバ6のホスト名、IPアドレス、MACアドレスが、図2の(b)の構成情報テーブル44中のコンセント番号がCBiのレコードに設定されているもの(ホスト名、IPアドレス、MACアドレス)から変化しているか判別する。YESの場合には、ステップS5に進む。NOの場合には、前回と同一であると判明したので、ステップS7でテーブル(図2の(b)の構成情報テーブル44)の行を上書きし、ステップS8でステップS1に戻り繰り返す。
【0049】
ステップS5は、ステップS4のYESで情報の変化がありと判断され、コンセントCBiに接続されている被監視サーバ6が変更された(他の被監視サーバ6に変更された、あるいは取り外された)と判明したので、構成情報テーブル44の行を最新化するために上書きする。
【0050】
ステップS6は、ステップS4で情報変化があると判断され、情報が変化したことを監視サーバ1にネットワークを通じて送信する。
【0051】
ステップS7は、ステップS4で情報の変更は無いと判断されているので、情報を最新化するため、構成情報テーブル44の行の情報に上書きする。
【0052】
ステップS8は、[0045]に示されているように、nの回数繰り返し行う。n回繰り返し処理を行った場合、ステップS1に戻り、再度1つ目のコンセントから情報のやり取りを行う。
【0053】
以上によって、図1、図2のコンセントボックス4が一定時間毎にブロードキャストでコンセントCBiに接続されている被監視サーバ6にホスト名(サーバ名)、IPアドレス、MACアドレスなどの機器識別情報のリクエストパケットを送信し、被監視サーバ6から応答パケットを受信したときに構成情報テーブル44中の該当コンセントCBiのホスト名(サーバ名)、IPアドレス、MACアドレスを上書きして更新すると共に、一致しなかったときに監視サーバ1に変更後の情報(変更されたコンセント番号、ホスト名、IPアドレス、MACアドレスなど)を送信し、動的(例えば10分毎)に常に最新のコンセントCBiに接続されている被監視サーバ6の機器識別情報(ホスト名、IPアドレス、MACアドレスなど)を登録して管理することが可能となる。
【0054】
図4は、本発明の動作説明図(エラー検出時)を示す。
【0055】
図4の(a)は、動作説明フローチャートを示す。
【0056】
図4の(a)において、ステップS11は、監視サーバ1が監視対象の被監視サーバ6、コンセントボックス4のエラーを検出する。エラーの検出方法として、右側に記載したように、
・Ping応答なし:
・閾値超過:
・ネットワークダウン:
などによってエラーを検出する。ここで、「Ping応答なし」は、監視サーバ1がPINGコマンドを設定したパケットを全ての被監視サーバ6、コンセントボックス4に送信し、所定時間経過しても応答パケットを受信できなかったときにエラーと検出する。「閾値超過」は、被監視サーバ6で構築時に設定したCPUの使用率が一定値を超えた場合に、メールなどのソフトを使用して監視サーバ1へエラーを通知する。「ネットワークダウン」は、監視サーバ1(あるいは被監視サーバ6)が被監視サーバ6、コンセントボックス4の接続されているネットワークのダウンを検出したときにエラーと検出する。
【0057】
ステップS12は、監視サーバ1がCBnにエラー表示の必要性ありか判別する。これは、監視サーバ1がステップS11で検出したエラーについて、コンセントボックス4の該当コンセントCBiにエラー表示する必要性があるか判別する。例えば検出したエラーがハードウェアエラーと判明し部品を保守員が交換する必要があると判明した場合には、エラー表示する必要があると判断する。YESの場合には、ステップS13に進む。NOの場合には、終了する。
【0058】
ステップS13は、ステップS12でエラー表示する必要があると判明したので、メッセージを作成する。例えば右側に記載した下記のようなメッセージを設定したパケットを作成する。
【0059】
・パケットの固定位置に「light up error」との表示を埋め込む。
【0060】
・パケット内には該当機器のホスト名、IPアドレス、MACアドレス、その他、エラー情報(例えば”監視サーバの起動失敗”)をデータ部に含める。
【0061】
ステップS14は、ブロードキャストでメッセージを送信する。これは、ステップS13で作成したメッセージを設定したパケットをブロードキャストで送信する。これにより、エラーの検出された被監視サーバ6が接続されているコンセントボックス4がブロードキャストされた当該パケットを受信し、後述する図5の処理により、該当コンセントCBiの情報表示器にメッセージを表示(あるいは点灯表示)し、エラー検出された被監視サーバ6が接続されているコンセント口41を明示的にメッセージ表示(点灯表示)し、保守員に知らせることが可能となる。
【0062】
以上によって、監視サーバ1などが被監視サーバ6(コンセントボックス4)のエラーを検出すると、エラー表示の必要性を判断して必要性がありと判明したときに、メッセージを設定したパケットを該当コンセントボックス4に送信することが可能となる。そして、後述する図5のフローチャートに従い、当該コンセントボックス4が受信したパケットに従い、エラー検出された被監視サーバ6の接続されているコンセントCBiの情報表示器42にメッセージを表示し、保守員にエラー検出した被監視サーバ6の接続されているコンセント口41を明示的に表示して知らせることが可能となる。
【0063】
図4の(b)は、パケット例を示す。これは、図4の(a)のステップS14で送信するメッセージを設定したパケット例を示し、ここでは、図示の下記の情報をパケットに設定する。
【0064】
・宛先MACアドレス:
・送信元MACアドレス:
・宛先IPアドレス:
・送信元IPアドレス:
・データ部:エラー情報(被監視サーバの起動失敗など)
ここで、メッセージの宛先はブロードキャストで送付し、コンセントボックスにて関係あるかどうか判断する。宛先MACアドレス、宛先IPアドレスは、ブロードキャストにてメッセージを送付するため、図4の(b)に表示しているアドレスである。送信元MACアドレス、送信元IPアドレスは監視サーバ1のMACアドレス、IPアドレスである。データ部は、エラー検出した被監視サーバの機器識別情報(ホスト名、IPアドレス、MACアドレス)およびそのエラー原因(例えば”起動失敗”)を設定する。そして、当該パケットを受信したコンセントボックス4は、図2の(b)の構成情報テーブル44を参照してデータ部に設定されたエラー検出された被監視サーバ6の機器識別情報(ホスト名、IPアドレス、MACアドレス)をもとに該当コンセントCBiの情報表示器42にメッセージを表示などし、保守員に知らせる。
【0065】
図5は、本発明の動作説明フローチャート(コンセントボックスの動作)を示す。
【0066】
図5において、ステップS21は、コンセントボックス4が監視サーバ1からのブロードキャストメッセージを受信する。これは、コンセントボックス4が既述した図4の(a)のステップS14で送信されたパケット(ブロードキャストメッセージ)を受信する。
【0067】
ステップS22は、エラーメッセージか判別する。これは、ステップS21で受信したパケットに設定されているメッセージが、エラーメッセージか判別する。YESの場合には、ステップS23に進む。NOの場合には、終了する。
【0068】
ステップS23は、変数i=1,nを設定する。これは、変数iに初期値1で、続いて繰り返す毎に2,3,4、・・・と続き、nまで設定することを繰り返す毎に繰り返し、nとなったときに終了する(End)。
【0069】
ステップS24は、テーブルi行を読み込む。これは、ステップS23で設定された変数iの行に対応する、図2の(b)の構成情報テーブル44中の該当行iのレコードを読み込む。これにより、コンセントボックス4内に設けたコンセント1〜コンセントnに対応づけて構成情報テーブル44中に登録されている、現在、接続されている被監視サーバ6の機器識別情報(ホスト名、IPアドレス、MACアドレス)を読み込む。
【0070】
ステップS25は、エラーメッセージ内のMACアドレスが同一か判別する。これは、ステップS21で受信したパケットのエラーメッセージ内(データ部内)の機器識別情報のうちMACアドレスが、ステップS24で読み込んだ構成情報テーブル44のi行のレコード中のMACアドレスと同一であるか判別する。YESの場合には、MACアドレスが同一であって、エラー検出された被監視サーバ6のMACアドレスと、構成情報テーブル44中のi行(i番目)のコンセントに接続されている被監視サーバ6のMACアドレスと同一と判明したので、ステップS26に進む。一方、NOの場合には、MACアドレスが同一でないと判明したので、ステップS28でステップS23に戻り繰り返す。
【0071】
ステップS26は、ステップS25のYESでMACアドレスが同一であると判明したので、表示メッセージの組み立てを行う。これは、エラー検出された被監視サーバ6のMACアドレスと、構成情報テーブル44中のi行のレコード中のMACアドレスと同一と判明し、エラー検出の被監視サーバ6が見つかったので、当該i行に対応するコンセント口41の情報表示器42に表示する表示メッセージを組み立てる。
【0072】
ステップS27は、CBiの表示器にメッセージ表示する。これは、ステップS26で組み立てたメッセージを、エラー検出した被監視サーバ6に対応するコンセントボックス4内のコンセント41の情報表示機42にメッセージ(例えば起動未確認)を表示する。
【0073】
以上によって、コンセントボックス4が監視サーバ1からエラー検出をパケットで受信すると、当該エラー検出した被監視サーバ6のMACアドレスと同一のMACアドレスを構成情報テーブル44中から行単位に読み出して見つけ、当該見つけた行に対応するコンセントiの情報表示器42にメッセージを表示し、エラー検出した被監視サーバ6が当該コンセントiに接続されている旨を保守員に明示的に知らせることが可能となる。
【0074】
図6は、本発明の動作説明フローチャート(シャットダウンコマンドの動作)を示す。
【0075】
図6において、ステップS31は、被監視サーバ6のシャットコマンド処理を開始する。これは、保守員などが、被監視サーバ6を操作してシャットダウン・コマンド処理の開始を行う。
【0076】
ステップ32は、シャットダウン・メッセージを監視サーバ1とコンセントボックス4に送付する。これは、ステップS31でシャットダウン・コマンド処理の開始に対応して、被監視サーバ6がシャットダウン・メッセージを、監視サーバ1とコンセントボックス4にパケットで送信する。
【0077】
ステップS33は、シャットダウン・メッセージをコンセントボックス4が受信する。
【0078】
ステップS34は、シャットダウン・メッセージか判別する。これは、コンセントボックス4がステップS33で受信したパケットに、シャットダウン・メッセージが設定されているか判別する。YESの場合には、ステップS35に進む。NOの場合には、ここでは、終了する(End)。
【0079】
ステップS35は、変数i=1,nを設定する。これは、変数iに初期値1で、続いて繰り返す毎に2,3,4、・・・と続き、nまで設定することを繰り返す毎に繰り返し、nとなったときに終了する(End)。
【0080】
ステップS36は、テーブルi行を読み込む。これは、ステップS35で設定された変数iの行に対応する、図2の(b)の構成情報テーブル44中の該当行iのレコードを読み込む。これにより、コンセントボックス4内に設けたコンセント1〜コンセントnに対応づけて構成情報テーブル44中に登録されている、現在、接続されている被監視サーバ6の機器識別情報(ホスト名、IPアドレス、MACアドレス)を読み込む。
【0081】
ステップS37は、エラーメッセージ内のMACアドレスが同一か判別する。これは、ステップS33で受信したパケットのエラーメッセージ内(データ部内)の機器識別情報のうちMACアドレスが、ステップS36で読み込んだ構成情報テーブル44のi行のレコード中のMACアドレスと同一であるか判別する。YESの場合には、MACアドレスが同一であって、エラー検出された被監視サーバ6のMACアドレスと、構成情報テーブル44中のi行(i番目)のコンセントに接続されている被監視サーバ6のMACアドレスと同一と判明したので、ステップS38に進む。一方、NOの場合には、MACアドレスが同一でないと判明したので、ステップS40でステップS35に戻り繰り返す。
【0082】
ステップS38は、ステップS37のYESでMACアドレスが同一であると判明したので、表示メッセージの組み立てを行う。これは、シャットダウン・メッセージの検出された被監視サーバ6のMACアドレスと、構成情報テーブル44中のi行のレコード中のMACアドレスと同一と判明し、シャットダウン・メッセージの被監視サーバ6が見つかったので、当該i行に対応するコンセント口41の情報表示器42に表示する表示メッセージを組み立てる。
【0083】
ステップS39は、CBiの表示器にメッセージ表示する。これは、ステップS38で組み立てたメッセージを、シャットダウン・メッセージの被監視サーバ6に対応するコンセントボックス4内のコンセント41の情報表示機42にシャットダウン・メッセージを表示する。
【0084】
以上によって、コンセントボックス4がシャットダウン・メッセージを設定したパケットで受信すると、当該シャットダウン・メッセージの被監視サーバ6のMACアドレスと同一のMACアドレスを構成情報テーブル44中から行単位に読み出して見つけ、当該見つけた行に対応するコンセントiの情報表示器42にシャットダウン・メッセージを表示し、シャットダウンする被監視サーバ6が接続されたコンセントiの情報表示器42にシャットダウン・メッセージを表示して保守員に明示的に知らせることが可能となる。
【0085】
図7は、本発明の動作説明フローチャート(ネットワークエラー)を示す。
【0086】
図7において、ステップS41は、被監視サーバ6がネットワーク・エラーを検出する。これは、被監視サーバ6が接続されているネットワーク、LANに障害が発生してパケットの送受信ができないネットワークエラーを検出する。
【0087】
ステップS42は、コンセントボックス4に対してネットワーク・エラー内容を送信する。これは、図1の被監視サーバ6が検出したネットワーク・エラーを設定したパケットを、電源ラインを介して接続されているコンセントボックス4に送信する。
【0088】
ステップS43は、コンセントボックス4がネットワーク・エラー内容を受信する。これは、コンセントボックス4がステップS42で送信されたパケットを、電源ライン経由で受信する。
【0089】
ステップS44は、表示メッセージの組み立てを行う。これは、ステップS43で受信したパケットのデータ部に設定されたネットワーク・エラー内容をもとにネットワーク・エラーメッセージを組み立てる。
【0090】
ステップS45は、CBiの表示器にメッセージ表示する。これは、ステップS44で組み立てたネットワーク・エラー・メッセージを、受信したコンセント口の情報表示器42に表示し、当該コンセント口に接続されている被監視サーバ6にネットワーク・エラーが検出されたことを明示的に表示し、保守員に知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明のコンセントボックス例である。
【図3】本発明の動作説明フローチャート(被監視サーバの関連付け)である。
【図4】本発明の動作説明図(エラー検出時)である。
【図5】本発明の動作説明フローチャート(コンセントボックスの動作)である。
【図6】本発明の動作説明フローチャート(シャットダウン・コマンドの動作)である。
【図7】本発明の動作説明フローチャート(ネットワーク・エラー)である。
【符号の説明】
【0092】
1:監視サーバ
11:制御部
2:ルータ
3:ハブ
4:コンセントボックス
41:コンセント(コンセント口)
42:情報表示器
43:制御部
44:構成情報テーブル
5:信号合成機
51:電源ライン
6:被監視サーバ
61:制御部
7:商用電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された複数の監視対象の機器の接続位置を判定する機器位置判定システムにおいて、
ネットワークに接続された監視対象の機器と、
ネットワークに接続され、電源を前記機器に供給すると共に電源を供給する電源供給線を介して当該機器を識別する機器識別情報を取得してテーブルに登録して管理するコンセントボックスと、
ネットワークに接続された前記監視対象の機器の監視を行う監視サーバとを備え、
前記監視サーバが前記監視対象のいずれかの機器の障害を検出した場合に、障害検出した機器を接続している前記コンセントボックスに、あるいはブロードキャストで当該障害発生した機器を指定して前記コンセントボックスに、障害検出の旨の情報を送信し、該当コンセントボックスが当該情報を受信して前記テーブルを参照して該当する機器の電源が接続されているコンセント口の表示器を点灯あるいはメッセージを表示する、
ことを特徴とする機器位置判定システム。
【請求項2】
前記コンセントボックスは、随時あるいは所定時間毎に、電源を供給している電源供給線を介して接続されている機器にメッセージを送信してその応答があったときに、前記テーブルに当該応答のあった機器の機器識別情報を上書きして更新、および応答がなかった機器の機器識別情報を削除する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の機器位置判定システム。
【請求項3】
前記機器識別情報は、MACアドレスおよびIPアドレスとしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の機器位置判定システム。
【請求項4】
前記監視サーバあるいは前記監視対象の機器が前記監視対象のいずれかの機器を指定したシャットダウンコマンドあるいはネットワークエラーを該当コンセントボックスに送信、あるいはブロードキャストで当該シャットダウンあるいはネットワークエラーの機器を指定してコンセントボックス送信し、該当コンセントボックスが当該シャットダウンコマンドあるいはネットワークエラーを受信して前記テーブルを参照して該当する機器に電源を供給している該当コンセント口の表示器を点灯あるいはメッセージを表示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の機器位置判定システム。
【請求項5】
ネットワークに接続された複数の監視対象の機器の接続位置を判定する機器位置判定方法において、
ネットワークに接続された監視対象の機器と、
ネットワークに接続され、電源を前記機器に供給すると共に電源を供給する電源供給線を介して当該機器を識別する機器識別情報を取得してテーブルに登録して管理するコンセントボックスと、
ネットワークに接続された前記監視対象の機器の監視を行う監視サーバとを設け、
前記監視サーバが前記監視対象のいずれかの機器の障害を検出した場合に、障害検出した機器を接続している前記コンセントボックスに、あるいはブロードキャストで当該障害発生した機器を指定して前記コンセントボックスに、障害検出の旨の情報を送信し、該当コンセントボックスが当該情報を受信して前記テーブルを参照して該当する機器の電源が接続されているコンセント口の表示器を点灯あるいはメッセージを表示するステップ
を有する機器位置判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−205158(P2012−205158A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69030(P2011−69030)
【出願日】平成23年3月26日(2011.3.26)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】