説明

機器検出装置及び機器検出プログラム

【課題】機器の検出範囲がネットワークセグメントによって限定されるのを適切に回避すること。
【解決手段】マルチキャストを用いて機器を検出し、検出された機器のアドレス情報を、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関連付けて第一の記憶部に記録するマルチキャスト検出部と、前記第一の記憶部に記録されている前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出するユニキャスト検出部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器検出装置及び機器検出プログラムに関し、特にネットワークに接続されている機器を検出する機器検出装置及び機器検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して機器と連携するための技術仕様として、UPnP(Universal Plug and Play)が存在する。UPnPでは、マルチキャストを使用して、動的に機器の検出(発見)及び情報交換が行われる。したがって、UPnPでは、各機器を一元的に管理するサーバ機器は不要である。また、連携元の機器は、予め連携先の機器のIPアドレス等を知っている必要はない。
【0003】
UPnPに関しては、DLNA(Digital Living Network Alliance)と呼ばれる団体が、UPnPベースで相互接続性を実現するためのDLNAガイドラインを策定している。DLNAガイドラインに従ったテレビやHDDレコーダ、NAS(Network Attached Storage)、及びプリンタ等が、家庭で普及し始めている。対応機器が安価になれば、サーバ機器が不要であることによる管理コストの削減というメリット等を考慮して、企業等における普及も予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−268010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したように、UPnPは、マルチキャストを使用する。マルチキャストでは、ネットワークに接続されている全ての機器に同じデータが送信される。家庭のように、ネットワークに接続されている機器が少数である環境では、マルチキャストによるネットワーク負荷はほとんど問題とならない。
【0006】
一方、企業のイントラネット環境では、多数の機器がネットワークに接続されている。そのような環境においてマルチキャストが発行されると、ネットワーク負荷が無視できない程度に高まる可能性がある。そこで、多数の機器がネットワークに接続されている環境では、一般的に、ルータ等によってフィルタリングが行わる。フィルタリングの結果、マルチキャストの流通範囲は一つのネットワークセグメント内に限定される。したがって、UPnP技術をオフィス環境等で利用する場合、検出及び連携できる機器の範囲は、連携元の機器と同一のネットワークセグメント内に限られてしまう。
【0007】
近年では、スマートフォン等、無線LAN機能が搭載された携帯端末が、企業内でも業務用に利用されるようになっている。携帯端末は、移動しつつネットワーク接続を行うため、異なるネットワークセグメントを跨いで使用が継続されることが多い。しかし、UPnP対応の携帯端末を用いて、企業内において機器連携を行う場合、当該携帯端末は、連携先の機器と同じネットワークセグメントに接続される必要がある。その結果、例えば、企業内のオフィス環境等では、次のような不都合が予想される。
【0008】
例えば、連携したい機器と同じネットワークセグメントに接続されている無線LANアクセスポイントが、必ずしも、ユーザにとって都合のよい位置に配置されているとは限らない。したがって、例えば、NASに保存されている文書を携帯端末を利用してオフィスの自席では操作できても、会議室では操作できない可能性がある。
【0009】
また、二つ以上の機器を携帯端末を介して連携させたい場合、当該二つ以上の機器が、同一のネットワークセグメントに接続されていなければ、連携することができない。例えば、会議室外に設置されているサーバのコンテンツデータを、携帯端末を介して会議室に配置されているネットワークテレビに表示させるといったことができない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで上記課題を解決するため、マルチキャストを用いて機器を検出し、検出された機器のアドレス情報を、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関連付けて第一の記憶部に記録するマルチキャスト検出部と、前記第一の記憶部に記録されている前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出するユニキャスト検出部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
機器の検出範囲がネットワークセグメントによって限定されるのを適切に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施の形態におけるネットワーク構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】第一の実施の形態における携帯端末の機能構成例を示す図である。
【図4】第一の実施の形態において携帯端末が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】ユニキャストを用いた被制御機器の検出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】検出用情報記憶部の構成例を示す図である。
【図7】ユニキャストM−Searchに対するレスポンスの一例を示す図である。
【図8】検出機器情報記憶部の構成例を示す図である。
【図9】マルチキャストを用いた被制御機器の検出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】検出用情報制限処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図11】検出用情報記憶部の第一の拡張例を示す図である。
【図12】検出用情報記憶部の第二の拡張例を示す図である。
【図13】第二の実施の形態におけるネットワーク構成例を示す図である。
【図14】第二の実施の形態における携帯端末の機能構成例を示す図である。
【図15】第二の実施の形態において追加される処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図16】検出許否情報記憶部の構成例を示す図である。
【図17】検出許否設定画面の表示例を示す図である。
【図18】第三の実施の形態における携帯端末の機能構成例を示す図である。
【図19】第三の実施の形態において追加される処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図20】セグメントグループ情報記憶部の構成例を示す図である。
【図21】セグメントグループ設定画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第一の実施の形態におけるネットワーク構成例を示す図である。同図のネットワークシステム1において、有線LANルータr1は、無線LANアクセスポイントap1及びap2のそれぞれと、LAN(Local Area Network)ケーブルを介して接続されている。
【0014】
無線LANアクセスポイントap1及びap2は、それぞれ、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして機能する電場中継機である。無線LANルータが、無線LANアクセスポイントap1又はap2として用いられてもよい。二つの無線LANアクセスポイントを区別しない場合、「無線LANアクセスポイントap」という。
【0015】
無線LANアクセスポイントap1の電波範囲内には、PC20等が設置されている。PC20は、無線LANアクセスポイントap1を介して、ネットワークシステム1における他の通信機器と通信可能である。
【0016】
無線LANアクセスポイントap2の電波範囲内には、テレビ30等が設置されている。テレビ30は、無線LANアクセスポイントap2を介して、ネットワークシステム1における他の通信機器と通信可能である。
【0017】
ネットワークシステム1には、更に、携帯端末10が含まれる。携帯端末10は、無線LAN(Local Area Network)等の無線LAN通信が可能であり、プログラムを実行可能な携帯型の情報処理装置である。本実施の形態において、携帯端末10は、機器検索装置の一例である。携帯端末10の一例として、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistance)、ノート型パソコン等が挙げられる。同図では、携帯端末10は、無線LANアクセスポイントap1に接続されている例が示されている。但し、携帯端末10は、移動されることにより、無線LANアクセスポイントap2にも接続されうる。破線によって描画されている携帯端末10は、無線LANアクセスポイントap2に接続された状態を示す。
【0018】
各無線LANアクセスポイントapは、それぞれ二つのネットワークインタフェースを有する。一つは、有線LANルータr1とのネットワークケーブルに接続されるネットワークインタフェースである。もう一つは、無線LAN側のネットワークインタフェースである。したがって、各無線LANアクセスポイントapは、二つのネットワークセグメントに属する。一つは、有線LANルータr1側のネットワークセグメントsg1であり、もう一つは、無線LAN側のネットワークセグメントsg2又はsg3である。なお、各ネットワークセグメントを区別しない場合、「ネットワークグメントsg」という。
【0019】
ネットワークセグメントsg1には、192.168.1.x(CIDR表記では192.168.1.0/24)で表されるIPアドレスを有する機器が接続される。例えば、ネットワークセグメントsg1において、有線LANルータr1は、IPアドレス「192.168.1.1」を有する。無線LANアクセスポイントap1は、IPアドレス「192.168.1.2」を有する。無線LANアクセスポイントap2は、IPアドレス「192.168.1.3」を有する。
【0020】
ネットワークセグメントsg2には、192.168.2.x(CIDR表記では192.168.2.0/24)で表されるIPアドレスを有する機器が接続される。ネットワークセグメントsg2において、無線LANアクセスポイントap1は、IPアドレス「192.168.2.1」を有する。PC20は、IPアドレス「192.168.2.2」を有する。
【0021】
ネットワークセグメントsg3には、192.168.3.x(CIDR表記では192.168.3.0/24)で表されるIPアドレスを有する機器が接続される。ネットワークセグメントsg3において、無線LANアクセスポイントap2は、IPアドレス「192.168.3.1」を有する。テレビ30は、IPアドレス「192.168.3.2」を有する。
【0022】
なお、携帯端末10のIPアドレスは、携帯端末10がネットワークセグメントsg2又はsg3に接続に接続された際に決定される。IPアドレスの決定には、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)等の公知技術が使用されればよい。同図において、携帯端末10は、ネットワークセグメントsg2に接続されている状態において、IPアドレス「192.168.2.3」を有する。携帯端末10は、ネットワークセグメントsg3に接続されている状態において、IPアドレス「192.168.3.3」を有する。
【0023】
なお、ネットワークシステム1における各機器のIPアドレスは、一つのIPアドレス体系に属する。したがって、或る機器から他の機器へは、当該他の機器のIPアドレスを指定すればアクセスすることができる。また、同図では、3つのネットワークセグメントsgが示されているが、本実施の形態が実施に際し、ネットワークセグメントsgの数や接続方法は、所定のものに限定されない。
【0024】
ところで、複数のネットワークセグメントが存在するような、或る程度の規模以上のネットワークでは、マルチキャストに対するフィルタリングの設定がルータに対して行われているのが一般的である。マルチキャストアドレス宛のパケットがネットワークセグメントを跨って流通することによる、ネットワーク負荷の増大を防止するためのである。本実施の形態においても、マルチキャストの到達範囲は、一つのネットワークセグメントsg内に限られる。すなわち、有線LANルータr1、無線LANアクセスポイントap1、及び無線LANアクセスポイントap2のそれぞれは、マルチキャストアドレス宛のパケットをフィルタリングする。
【0025】
換言すれば、本実施の形態において、「ネットワークセグメント」とは、マルチキャストをフィルタリングする機器によって区切られたネットワーク単位をいう。マルチキャストをフィルタリングするとは、マルチキャストのパケットの中継を行わない、又はマルチキャストのパケットの流通を遮断することをいう。
【0026】
本実施の形態において、携帯端末10、PC20、及びテレビ30等は、UPnP(Universal Plug and Play) Device Architectureの仕様に対応している。UPnPとは、パソコン、周辺機器、AV機器、電話、又は家電製品等をネットワークを介して接続し、相互に機能連携を行うための技術仕様である。UPnPにおいて、各機器は、機能を提供する被制御機器、又は被制御機器に対して制御を行う制御側機器等に分類される。被制御機器は、UPnPデバイス「UPnPデバイス(UPnP Device)」と呼ばれる。制御側機器は、「UPnPコントロールポイント(UPnP ControlPoint)」と呼ばれる。本実施の形態において、携帯端末10は、制御側機器である。PC20及びテレビ30等は、被制御機器である。
【0027】
UPnPにおいて、制御側機器が被制御機器を検出(発見)する方法としては、以下の(1)、(2)に示されるように、2通りの方法がある。
【0028】
(1)被制御機器が「Notify with SSDP:alive」と呼ばれるデータをマルチキャストで定期的に発信する。制御側機器が当該データを受信して、被制御機器を検出する。
【0029】
(2)制御側機器がM−Searchと呼ばれるデータをマルチキャスト配信する。被制御機器は、当該データを受信すると、ユニキャストでレスポンス(応答)を返信する。制御側機器は、当該レスポンスを受信して、被制御機器を検出する。
【0030】
また、既に検出されている被制御機器を、再検出する方法としては、以下の(3)に示される方法がある。
【0031】
(3)制御側機器がM−Searchと呼ばれるデータをユニキャストで送信する。被制御機器は、当該データ受信すると、ユニキャストでレスポンスを返信する。制御側機器は、当該レスポンスを受信して、被制御機器を再検出する。なお、ユニキャストによるM−Searchの配信に必要となる、被制御機器のIPアドレス及びポート番号は、「Notify with SSDP:alive」データ又はマルチキャストのM−Searchに対するレスポンスから得られる。
【0032】
したがって、制御側機器である携帯端末10は、以上のような方法により、マルチキャストの到達範囲(本実施の形態では、同一のネットワークセグメントsg内)の被制御機器を検出することができる。更に、携帯端末10は、検出した被制御機器から受信されるデータ(「Notify with SSDP:alive」又はレスポンス)に含まれている情報を使用して、UPnPデバイスと連携することができる。
【0033】
携帯端末10の詳細について説明する。図2は、本発明の実施の形態における携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。図2の携帯端末10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100と、補助記憶装置102と、メモリ装置103と、CPU104と、インタフェース装置105と、表示装置106と、入力装置107とを有する。
【0034】
携帯端末10での処理を実現するプログラムは、記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードされてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0035】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って携帯端末10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、無線LAN(Local Area Network)に接続するためのアンテナ等の部品である。表示装置106は操作画面等を表示させる液晶パネル等である。入力装置107はボタン、タッチパネル、キーボード、又はマウス等である。
【0036】
なお、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、SDメモリカード、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0037】
図3は、第一の実施の形態における携帯端末の機能構成例を示す図である。同図において、携帯端末10は、UI制御部111、ネットワーク検出部112、ネットワーク接続部113、マルチキャスト検出部114、ユニキャスト検出部115、存在通知受信部116、機器情報更新部117、検出用情報削除部118、連携部119、検出機器情報記憶部120、及び検出用情報記憶部121等を有する。
【0038】
UI制御部111は、表示装置106への操作画面等の表示を行う。UI制御部111は、また、入力装置107を介した入力を検知し、入力に応じた処理の起動等を行う。ネットワーク検出部112は、無線LANアクセスポイントapが定期的に送出するビーコンと呼ばれる信号(パケット)を受信することにより、無線LAN(無線LANアクセスポイントap)の存在を検出する。ネットワーク検出部112は、また、当該無線LANアクセスポイントapの識別情報をビーコンより抽出し、例えば、メモリ装置103に記録しておく。無線LANアクセスポイントapの識別情報は、ネットワークセグメントsgの識別情報であるともいえる。したがって、本実施の形態において、当該識別情報を「セグメント識別情報」という。セグメント識別情報は、例えば、SSID(Service Set Identifier)又は無線LANアクセスポイントapのMACアドレス等が用いられればよい。
【0039】
ネットワーク接続部113は、ネットワーク検出部112によって検出された無線LANに接続するための処理を実行する。マルチキャスト検出部114は、マルチキャストを用いて被制御機器の検出を行う。すなわち、マルチキャスト検出部114は、マルチキャストによるM−Search(以下、「マルチキャストM−Search」という。)を、ネットワークに送出する。マルチキャスト検出部114は、マルチキャストM−Searchに対するレスポンスの受信に基づいて、被制御機器を検出する。なお、M−Searchとは、UPnPにおいて、機器の検出要求を示すデータ(メッセージ)である。
【0040】
ユニキャスト検出部115は、ユニキャストを用いて被制御機器の検出を行う。すなわち、ユニキャスト検出部115は、ユニキャストによるM−Search(以下、「ユニキャストM−Search」という。)を、ネットワークに送出する。ユニキャスト検出部115は、ユニキャストM−Searchに対するレスポンスの受信に基づいて、被制御機器を検出する。なお、ユニキャスト検出部115、携帯端末10が接続中のネットワークセグメントsgと異なるネットワークセグメントsgに属する被制御機器に対して、ユニキャストM−Searchを送信する。そうすることにより、ネットワークセグメントsgを跨った機器の連携が可能となる。
【0041】
存在通知受信部116は、被制御機器が自らの存在を通知するために定期的に発信する「Notify with SSDP:alive」の受信に基づいて、被制御機器を検出する。
【0042】
検出機器情報記憶部120は、マルチキャスト検出部114、ユニキャスト検出部115、又は存在通知受信部116によって検出(検出)された被制御機器に関する情報(以下、「機器情報」という。)を、例えば、揮発性のメモリ装置103を用いて記憶する。なお、機器情報は、M−Searchに対するレスポンス又は「Notify with SSDP:alive」に含まれている情報である。なお、本実施の形態において、検出機器情報記憶部120は、第二の記憶部の一例である。
【0043】
検出用情報記憶部121は、ユニキャスト検出部115が、異なるネットワークセグメントsgに属する被制御機器を検出するための情報(以下、「検出用情報」という。)を、例えば、不揮発性の補助記憶装置102を用いて記憶する。但し、電源がON状態のまま移動される携帯端末10であれば、検出用情報は、メモリ装置103に記憶されてもよい。すなわち、検出用情報が不揮発性の補助記憶装置102に記録されるのは、携帯端末10が移動時に携帯端末10の電源が切られた場合に、検出用情報が失われないようにするためである。検出用情報の一部は、マルチキャストM−Searchに対するレスポンス又は「Notify with SSDP:alive」の送信元の情報より抽出される。また、検出用情報には、ネットワーク検出部112によって取得され、メモリ装置103に記録されているセグメント識別情報も含められる。なお、本実施の形態において、検出用情報記憶部121は、第一の記憶部の一例である。
【0044】
機器情報更新部117は、無効な機器情報を検出機器情報記憶部120より削除する。無効な機器情報とは、例えば、所定期間内に「Notify with SSDP:alive」が受信されない被制御機器に対応する機器情報である。より詳しくは、機器情報は、タイムアウト時間を示す情報を含む。機器情報更新部117は、機器情報のタイムアウト時間内に対応する被制御機器より「Notify with SSDP:alive」が受信されない場合、当該機器情報を削除する。なお、本実施の形態において、機器情報更新部117は、削除部の一例である。
【0045】
検出用情報削除部118は、所定のタイミングで、検出用情報記憶部121より一部又は全部の検出用情報を削除する。
【0046】
連携部119は、検出機器情報記憶部120に記憶されている機器情報を用いて、検出された機器の制御(検出された機器との連携)を行う。
【0047】
以下、携帯端末10が実行する処理手順について説明する。図4は、第一の実施の形態において携帯端末が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0048】
ステップS11において、ネットワーク検出部112は、携帯端末10が現在接続可能な無線LANアクセスポイントap(無線LAN)を検出し、検出された無線LANアクセスポイントapからセグメント識別情報を取得する。無線LANの検出は、例えば、無線LANアクセスポイントapより送出されるビーコンの受信に基づいて行われる。また、セグメント識別情報は、例えば、ビーコンより抽出される。ネットワーク検出部112は、取得したセグメント識別情報をメモリ装置103に記録しておく。
【0049】
続いて、ネットワーク接続部113は、ネットワーク検出部112によって検出された無線LAN(無線LANアクセスポイントap)に接続する(S12)。例えば、ネットワーク接続部113は、ビーコンに含まれているSSIDの一覧を表示装置106に表示させる、ネットワーク接続部113は、ユーザによって選択されたSSIDに係る無線LANアクセスポイントapに接続する。または、接続が許可されるSSIDが予め補助記憶装置102に記録されていてもよい。この場合、ネットワーク接続部113は、接続可能な無線LANアクセスポイントapの中から、予め記録されているSSIDに係る無線LANアクセスポイントapに接続する。なお、無線LANへの接続時に、認証情報が入力されて認証が行われてもよい。本実施の形態において、無線LANへの接続方法については所定のものに限定されない。
【0050】
無線LANへ接続されると、ユニキャスト検出部115は、ユニキャストを用いて被制御機器の検出処理を行う(S13)。続いて、マルチキャスト検出部114は、マルチキャストを用いて被制御機器の検出処理を行う(S14)。
【0051】
なお、ステップS13とS14との順番は逆であってもよい。
【0052】
続いて、ステップS13の詳細について説明する。図5は、ユニキャストを用いた被制御機器の検出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0053】
ステップS101において、ユニキャスト検出部115は、検出用情報記憶部121より検出用情報を取得する。
【0054】
図6は、検出用情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、検出用情報記憶部121は、過去においてマルチキャスト検出部114によって検出された被制御機器ごとに、検出用情報を記憶する。検出用情報は、IPアドレス、ポート番号、及びセグメント識別情報等を含む。なお、過去においてマルチキャスト検出部114によって検出された被制御機器とは、過去に実行されたステップS14において検出された被制御機器をいう。
【0055】
IPアドレスは及びポート番号は、被制御機器のIPアドレス及びポート番号である。IPアドレス及びポート番号は、本実施の形態において、機器のアドレス情報の一例である。セグメント識別情報は、被制御機器がマルチキャスト検出部114によって検出されたときに、携帯端末10が接続していたネットワークセグメントsgのセグメント識別情報である。なお、携帯端末10において、マルチキャスト検出部114による被制御機器の検出が一回も行われていない場合、検出用情報記憶部121の内容は空である。
【0056】
ステップS101では、斯かる検出用情報記憶部121より、検出用情報が取得される。但し、取得される検出用情報は、携帯端末10が現在接続中であるネットワークセグメントsgのセグメント識別情報以外のセグメント識別情報に係る検出用情報である。携帯端末10が現在接続中であるネットワークセグメントsgのセグメント識別情報とは、ステップS11においてネットワーク検知部によって取得され、メモリ装置103に記録されているセグメント識別情報である。但し、セグメント識別情報が取得されるタイミングは、必ずしも、ステップS11に限定されない。例えば、ステップS101の直前において、セグメント識別情報の取得が行われてもよい。現在接続中であるネットワークセグメントsgのセグメント識別情報が、ネットワーク検知部によって取得され、メモリ装置103に記録されているセグメント識別情報でなくてもよい点は、以降の説明においても同様である。
【0057】
取得される検出用情報が上記のように限定されることにより、ユニキャストによる通信量の不要な増加を抑制することができる。携帯端末10が現在接続中であるネットワークセグメントsgに属する被制御機器については、マルチキャスト検出部114により検出することが可能であるからである。
【0058】
続いて、ユニキャスト検出部115は、少なくとも一つの検出用情報が取得されたか否かを判定する(S102)。検出用情報が一つも取得されない場合(S102でNo)、図5の処理は終了する。
【0059】
一方、一以上の検出用情報が取得された場合(S102でYes)、ユニキャスト検出部115は、取得された検出用情報の一覧の中から、処理対象とする検出用情報(以下、「対象検出用情報」という。)を一つ選択する(S103)。続いて、ユニキャスト検出部115は、対象検出用情報に含まれているIPアドレス及びポート番号宛に、ユニキャストM−Searchを送信する(S104)。ユニキャストM−Searchは、ユニキャストであるため、一つのIPアドレス体系を形成するネットワークシステム1内であれば、ネットワークセグメントsgを跨いで宛先に到達可能である。
【0060】
ユニキャストM−Searchを受信した被制御機器は、ユニキャストM−Searchの送信元に対して、レスポンスを返信する。
【0061】
続いて、ユニキャスト検出部115は、ユニキャストM−Searchに対するレスポンスの受信を待機する(S105、S106)。所定時間内にレスポンスが受信された場合(S105でYes)、ユニキャスト検出部115は、受信されたレスポンスに含まれている機器情報を検出機器情報記憶部120に追加的に記録する(S107)。
【0062】
図7は、ユニキャストM−Searchに対するレスポンスの一例を示す図である。同図に示されるレスポンスrp1の形式については、UPnPにおいて規定されているものであるため、詳細な説明は省略する。ここでは、記述rp11及びrp12について説明する。記述rp11には、CACHE−CONTROLの値(「1800」)が含まれている。CACHE−CONTROLは、タイムアウト時間であり、その値の単位は秒である。したがって、記述rp11は、タイムアウト時間は1800秒であることを示している。記述rp12には、DATEの値が含まれている。DATEの値は、レスポンスの送信日時であり、タイムアウト時間の基準とされる。すなわち、DATEに指定された日時からタイムアウト時間が経過した日時が、タイムアウトの期限(有効期限)となる。
【0063】
ここで、タイムアウト時間とは、レスポンスrp1に基づく機器情報のキャッシュに関するタイムアウト時間である。本実施の形態において、機器情報は、検出機器情報記憶部120にキャッシュされる。したがって、タイムアウト時間とは、検出機器情報記憶部120において、機器情報が保持される時間をいう。
【0064】
通常、被制御機器は、電源OFF等により使用不可状態となる場合、SSDP:byebyeメッセージをマルチキャストする。制御側機器は、SSDP:byebyeメッセージを受信すると、当該メッセージの送信元の被制御機器の機器情報を検出機器情報記憶部120より削除する。その結果、検出機器情報記憶部120の記憶対象を、現在使用可能である可能性の高い被制御機器の機器情報に限定することができる。しかし、被制御機器は、異常終了する場合等、SSDP:byebyeメッセージをマルチキャスト送信できずに使用不可状態となる場合がある。そのような場合を考慮して、レスポンスrp1にはタイムアウト時間が含められている。すなわち、機器情報更新部117は、検出機器情報記憶部120において、タイムアウトの期限が到来している機器情報を自動的に削除する。なお、使用可能状態である被制御機器は、タイムアウト時間内に「Notify with SSDP:alive」をマルチキャストしている。タイムアウトの期限は、Notify with SSDP:alive」に含まれている情報によって更新される。
【0065】
また、図8は、検出機器情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、検出機器情報記憶部120は、検出された機器ごとに機器情報を記憶する。機器情報の内容は、基本的にレスポンスから転記されたものである。例えば、同図の一行目の機器情報は、図7のレスポンスrp1に対応する。
【0066】
但し、ユニキャスト検出部115は、タイムアウト時間(CACHE−CONTROL)については、無効化する。具体的には、タイムアウト時間は、レスポンスに含まれている値ではなく、無期限を表現する値(例えば、「0」)が記録される。上記したように、被制御機器は、通常、タイムアウト時間内に「Notify with SSDP:alive」をマルチキャストしている。但し、ユニキャスト検出部115によって検出される被制御機器は、携帯端末10が接続しているネットワークセグメントsgと異なるネットワークセグメントsgに属する。したがって、当該被制御機器によってマルチキャストされる「Notify with SSDP:alive」は、途中の無線LANアクセスポイントap又は有線LANルータr1によってフィルタリングされてしまい、携帯端末10には到達しない。その結果、タイムアウトの期限の到来に応じて、機器情報更新部117によって自動的に当該被制御機器の機器情報は検出機器情報記憶部120より削除されてしまう。そうすると、例えば、携帯端末10が、当該被制御機器と連携中に、当該被制御機器の機器情報が失われてしまい、連携が継続できなくなってしまう可能性がある。
【0067】
斯かる不都合を回避するため、ユニキャスト検出部115によって検出された被制御機器の機器情報のタイムアウト時間は、無期限を示す値に操作されるのである。なお、機器情報の有効期限を無効化する方法は、タイムアウト時間の値の操作に限定されない。例えば、自動的な削除の禁止を示すフラグ情報等が、機器情報に付加されて検出機器情報記憶部120に記録されてもよい。この場合、機器情報更新部117は、当該フラグ情報に基づいて、タイムアウトの期限の到来に応じた自動的な削除の可否を判断する。
【0068】
または、ユニキャストM−Searchによって検出された被制御機器について、タイムアウトの期限の前に、ユニキャスト検出部115が再度ユニキャストM−Searchを発行し、そのレスポンスに基づいてタイムアウト時間が更新されてもよい。この場合、機器情報ごとに、ユニキャストM−Searchによって検出されたものか否かを示すフラグ情報が検出機器情報記憶部120に記録されればよい。
【0069】
続いて、ユニキャスト検出部115は、ステップS101において取得された全ての検出用情報について、図5の処理を実行したか否かを判定する(S109)。未処理の検出用情報が残っている場合(S109でNo)、ユニキャスト検出部115は、未処理の検出用情報に関して、ステップS103以降を繰り返す。未処理の検出用情報が無い場合(S109でYes)、図5の処理は終了する。
【0070】
一方、ステップS105及びS106のレスポンスの待機が所定時間継続してもレスポンスが受信されない場合(S106でYes)、検出用情報削除部118は、対象検出用情報を検出用情報記憶部121より削除する(S108)。すなわち、ネットワークシステム1に接続される被制御機器が非常に多くなってきた場合、多数の検出用情報が検出用情報記憶部121に記録される可能性がある。そうすると、例えば、検出用情報の一覧の中から連携対象をユーザに選択させる場合、選択候補が多すぎて選択が困難になる可能性がある。ユニキャストM−Searchによって検出できない被制御機器の機器情報を検出用情報より削除することにより、選択候補を減少させることができる。
【0071】
なお、図5では、検出用情報ごとにシリアルな(直列的な)処理として表現されているが、複数の検出用情報について並列的に処理が実行されてもよい。
【0072】
続いて、図4のステップS14の詳細について説明する。図9は、マルチキャストを用いた被制御機器の検出処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0073】
ステップS201において、マルチキャスト検出部114は、現在接続中の無線LANアクセスポイントapを介してマルチキャストM−Searchを配信する。続いて、マルチキャスト検出部114は、マルチキャストM−Searchに対するレスポンスの受信を待機する(S202、S203)。
【0074】
レスポンスが受信されると、マルチキャスト検出部114は、受信されたレスポンスに含まれている機器情報と、検出機器情報記憶部120に記録されている機器情報とを比較する(S204)。マルチキャストM−Searchに対するレスポンスの形式は、図7と同様である。レスポンスに含まれている機器情報と同一の被制御機器に係る機器情報が検出機器情報記憶部120に記録されている場合(S205でYes)、マルチキャスト検出部114は、検出機器情報記憶部120の機器情報を、レスポンス内の機器情報によって更新する(S206)。例えば、DATEの値等が更新される。
【0075】
一方、レスポンスに含まれている機器情報と同一の被制御機器に係る機器情報が検出機器情報記憶部120に記録されていない場合(S205でNo)、マルチキャスト検出部114は、レスポンスに含まれている機器情報を検出機器情報記憶部120に追加的に記録する(S207)。
【0076】
ステップS206又はS207に続いて、マルチキャスト検出部114は、レスポンスの送信元のIPアドレス及びポート番号と、検出用情報記憶部121に記録されているIPアドレス及びポート番号とを比較する(S208)。レスポンスの送信元のIPアドレス及びポート番号と一致する値を含む検出用情報が検出用情報記憶部121に記録されていない場合(S209でNo)、マルチキャスト検出部114は、レスポンスの送信元の検出用情報を検出用情報記憶部121に追加的に記録する(S210)。すなわち、レスポンスの送信元のIPアドレス及びポート番号を含み、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報を含む検出用情報が検出用情報記憶部121に追加される。
【0077】
続いて、検出用情報削除部118は、検出用情報記憶部121における検出用情報の記録数を制限するための処理(検出用情報制限処理)を実行する(S211)。
【0078】
ステップS209でYesの場合又はステップS211に続いて、ステップS202以降が繰り返される。マルチキャストM−Searchの場合、複数の被制御機器よりレスポンスが受信される可能性が有るからである。レスポンスが所定時間以上継続して受信されない場合(S203でYes)、マルチキャスト検出部114は、図9の処理を終了させる。
【0079】
なお、携帯端末10の連携部119は、図4〜図9の処理において検出機器情報記憶部120に記録された機器情報を用いて、被制御機器との連携を行う。例えば、検出機器情報記憶部120に機器情報が記憶されている被制御機器の中から、連携対象がユーザによって選択される。連携部119は、選択された被制御機器と携帯端末10とを連携させる。
【0080】
続いて、図9のステップS211の詳細について説明する。図10は、検出用情報制限処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0081】
ステップS301において、検出用情報削除部118は、検出用情報記憶部121に記録されている検出用情報の数が、所定数を超えているか否かを判定する。所定数は、検出用情報記憶部121が使用可能な記憶容量等に基づいて適宜決定されればよい。検出用情報の数が所定数以下の場合(S301でNo)、検出用情報削除部118は、図10の処理を終了させる。
【0082】
検出用情報の数が所定数を超えている場合(S301でYes)、削除条件を満たす検出情報を削除対象として選択する(S302)。削除条件としては、例えば、各検出用情報に対応する被制御機器との連携回数に関する条件や、最後に連携した時期に関する条件等が挙げられる。
【0083】
具体的には、連携回数に関する条件とは、連携回数が最も少ない被制御機器に係る検出用情報を選択するという条件である。この場合、検出用情報記憶部121は、例えば、図11にされるように拡張されればよい。
【0084】
図11は、検出用情報記憶部の第一の拡張例を示す図である。同図において、検出用情報記憶部121は、被制御機器ごとに、連携回数を記憶可能とされている。例えば、連携部119は、連携対象の被制御機器が選択された際に、当該被制御機器に対応する検出用情報の連携回数をインクリメントする。
【0085】
なお、連携回数の最も少ない検出用情報が常に削除対象として選択されると、新たに検出された被制御機器の検出用情報が常に削除されてしまう。そうすると、実質的に、新たに検出された被制御機器の検出用情報を検出用情報記憶部121に記録できなくなってしまう。そこで、検出用情報が記録された時刻も検出用情報記憶部121に記録可能としてもよい。記録された時刻が最近である検出用情報は、連携回数が最小であっても、削除対象から除外されるようにすればよい。
【0086】
また、最後に連携した時刻に関する条件とは、最後に連携した時期が最も古い被制御機器に係る検出用情報を選択するという条件である。この場合、検出用情報記憶部121は、例えば、図12にされるように拡張されればよい。
【0087】
図12は、検出用情報記憶部の第二の拡張例を示す図である。同図において、検出用情報記憶部121は、被制御機器ごとに、最終連携時刻を記憶可能とされている。例えば、連携部119は、連携対象の被制御機器が選択された際に、当該被制御機器に対応する検出用情報の最終連携時刻に、現在時刻を記録する。
【0088】
続いて、検出用情報削除部118は、選択された検出用情報を検出用情報記憶部121より削除する(S303)。
【0089】
図4から図9において説明した処理内容を、具体的な状況に当てはめて説明する。当該具体的な状況の初期状態として、携帯端末10の検出用情報記憶部121の内容は空であるとする。
【0090】
まず、携帯端末10が、無線LANアクセスポイントap1(図1参照)の電波の範囲内にあるときに図4〜図9の処理が実行されると、マルチキャスト検出部114によって、PC20が検出される。したがって、PC20の検出用情報が検出用情報記憶部121に記録され、PC20の機器情報が検出機器情報記憶部120に記録される。なお、ユニキャスト検出部115による被制御機器の検出は行われない。初期状態において、検出用情報は無いからである。
【0091】
続いて、携帯端末10が、無線LANアクセスポイントap2の電波の範囲内に移動され、図4〜図9の処理が実行されたとする。この場合、ユニキャスト検出部115によりPC20が検出される。また、マルチキャスト検出部114によりテレビ30が検出される。したがって、テレビ30の検出用情報が検出用情報記憶部121に追加され、テレビ30の機器情報が検出機器情報記憶部120に追加される。その結果、連携部119は、携帯端末10と同一のネットワークセグメントsg3に属しているテレビ30のみならず、携帯端末10と異なるネットワークセグメントsg2に属しているPC20とも連携することができる。
【0092】
その結果、例えば、携帯端末10がネットワークセグメントsg3に接続されているときに、PC20に保存されているコンテンツデータを取り出し、テレビ30に表示させるといったようなことも可能となる。
【0093】
その後に改めて携帯端末10がネットワークセグメントsg3に接続された場合に、ユニキャスト検出部115が図5の処理を実行するときは、検出用情報記憶部121には、PC20及びテレビ30のそれぞれの検出用情報が記録されている。しかし、テレビ30にはユニキャストM−Searchは送信されない。テレビ30の検出用情報には、携帯端末10が現在接続中であるネットワークセグメントsg3(無線LANアクセスポイントap2)のセグメント識別情報が記録されているからである。
【0094】
なお、ステップS11において、複数の無線LANアクセスポイントap(複数の無線LAN)が検出された場合、無線LANアクセスポイントapごとに、ステップS12〜S14が繰り返されればよい。ステップS12〜S14が繰り返される場合、ネットワーク接続部113は、ステップS12において、これまで接続していた無線LANとの接続を切断し、次の無線LANとの接続処理を行う。
【0095】
そうすることにより、接続可能な無線LANアクセスポイントapが複数存在する場所に携帯端末10が配置された場合の不都合を回避することができる。すなわち、携帯端末10が、いずれの無線LANアクセスポイントapに接続されるかによって、連携したい被制御機器を検出出来たり出来なかったりする状況の発生を回避することができる。
【0096】
上述したように、第一の実施の形態によれば、ネットワークセグメントsgを超えた被制御機器の検出及び連携等を適切に実現することができる。換言すれば、被制御機器の検出範囲がネットワークセグメントsgによって限定されるのを回避することができる。
【0097】
また、本実施の形態の実施に際し、被制御機器やネットワーク等には特別な機能が実装される必要はない。また、携帯端末10に関して、本実施の形態を実現するための機能は、携帯端末10に図4〜図10に示されるような処理手順を実行するプログラムをインストールすることにより実現される。換言すれば、携帯端末10に関して、本実施の形態を実現するために特別なハードウェアは必要とされない。したがって、本実施の携帯によれば、ネットワークセグメントsgを超えた被制御機器の検出及び連携等を低コストに実現することができる。
【0098】
なお、マルチキャストM−Searchをルータ等においてフィルタリングしないことによって、ネットワークセグメントsgを超えた被制御機器の検出等を可能とすることも考えられる。しかしながら、本実施の形態によれば、マルチキャストM−Searchをルータ等においてフィルタリングしない場合に比べて、次のようにネットワークの通信量を軽減させることができる。
【0099】
例えば、ネットワークシステム1に被制御機器が1000台接続されているとする。この場合、マルチキャストのフィルタリングが行われないとすると、携帯端末10からのマルチキャストM−Searchは、全てのネットワークセグメントsgに配信される。そうすると、M−Searchのデータ量が1kバイト程度だとしても、1k×1000=1Mバイトのデータがネットワークシステム1全体に流れることになる。携帯端末10が複数台存在する場合、流れるデータ量は、携帯端末10の台数に応じて増加する。
【0100】
一方、マルチキャストのフィルタリングが行われる場合、マルチキャストM−Searchの配信範囲は、一つのネットワークセグメントsgに限定される。例えば、ネットワークシステム1を10個のネットワークセグメントsgに分割し、各ネットワークセグメントsgには100台の被制御機器が接続されるとする。また、検出用情報記憶部121には、他のネットワークセグメントsgの検出用情報が10個記憶されているとする。この場合、ユニキャストM−SearchとマルチキャストM−Searchとの配信で流れるデータ量は、1k×10+1k×100=110kバイトとなる。
【0101】
したがって、本実施の形態によれば、特に大規模ネットワークにおいて、ネットワークセグメントsgを超えた被制御機器の検出及び連携等を、ネットワーク通信量の増加を抑制しつつ実現することができる。
【0102】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、主に、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、第二の実施の形態において、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0103】
図13は、第二の実施の形態におけるネットワーク構成例を示す図である。図13中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0104】
第二の実施の形態では、ネットワークシステム2の存在も考慮する。例えば、ネットワークシステム1は、携帯端末10のユーザのオフィスのネットワーク環境であり、ネットワークシステム2は、当該ユーザの家庭のネットワーク環境であると想定してもよい。
【0105】
ネットワークシステム2において、有線LANルータr2は、無線LANアクセスポイントap3、AV機器40、及びPC50のそれぞれと、LANケーブルを介して接続されている。
【0106】
無線LANアクセスポイントap3は、二つのネットワークインタフェースを有する。一つは、有線LANルータr2とのネットワークケーブルに接続されるネットワークインタフェースである。もう一つは、無線LAN側のネットワークインタフェースである。したがって、無線LANアクセスポイントap3は、二つのネットワークセグメントに属する。一つは、有線LANルータr2側のネットワークセグメントsg4であり、もう一つは、無線LAN側のネットワークセグメントsg5である。
【0107】
ネットワークセグメントsg4には、192.168.1.x(CIDR表記では192.168.1.0/24)で表されるIPアドレスを有する機器接続される。例えば、ネットワークセグメントsg4において、有線LANルータr2は、IPアドレス「192.168.1.1」を有する。無線LANアクセスポイントap3は、IPアドレス「192.168.1.2」を有する。AV機器40は、IPアドレス「192.168.1.3」を有する。PC50は、IPアドレス「192.168.1.4」を有する。
【0108】
ネットワークセグメントsg5は、192.168.2.x(CIDR表記では192.168.2.0/24)で表されるIPアドレスを有する機器が接続される。ネットワークセグメントsg5において、無線LANアクセスポイントap3は、IPアドレス「192.168.2.1」を有する。なお、携帯端末10がネットワークセグメントsg5に接続された場合、携帯端末10のIPアドレスは、例えば、「192.168.2.2」である。
【0109】
ネットワークシステム2は、ネットワークシステム1とは異なるIPアドレス体系を有する。したがって、ネットワークシステム1における機器と、ネットワークシステム2における機器とは、直接的に通信を行うことはできない。また、同図に示されるように、ネットワークシステム1とネットワークシステム2との間で同じIPアドレスが割り振られる場合もある。
【0110】
第二の実施の形態では、携帯端末10が、ネットワークシステム1及び2の双方において使用される場合を考慮する。
【0111】
図14は、第二の実施の形態における携帯端末の機能構成例を示す図である。図14中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0112】
図14では、図3に対して、検出許否判定部122及び検出許否情報記憶部123が追加されている。検出許否情報記憶部123は、ネットワークセグメントsgごとに、被制御機器の検出処理の実行の許否を示す情報(以下、「検出許否情報」という。)、例えば、補助記憶装置102を用いて記憶する。検出許否判定部122は、検出許否情報記憶部123への検出許否情報への登録、及び検出許否情報に基づく検出処理の実行の許否の判定等を行う。なお、検出処理とは、図4のステップS13及びS14に係る処理をいう。また、本実施の形態において、検出許否判定部122は、判定部の一例である。検出許否情報記憶部123は、許否情報記憶部の一例である。
【0113】
第二の実施の形態では、図4のステップS12とステップS13との間に、図15に示される処理手順が追加される。
【0114】
図15は、第二の実施の形態において追加される処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0115】
ステップS401において、検出許否判定部122は、携帯端末10が現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報に係る検出許否情報が検出許否情報記憶部123に記録されているか否かを判定する。
【0116】
図16は、検出許否情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、検出許否情報記憶部123は、ネットワークセグメントsgごとに、セグメント識別情報及び許否を記憶する。許否は、セグメント識別情報によって識別されるネットワークセグメントsgに関して、検出処理の実行の許否を示す項目である。「許」は、検出処理の実行の許可を示す。「否」は、検出処理の実行の不許可を示す。なお、検出許否情報記憶部123の内容は、後述のステップS403において登録される。したがって、携帯端末10において、ステップS403が一回も実行されていない場合、検出許否情報記憶部123の内容は空である。但し、図15の処理とは非同期のタイミングで、予め、検出許否情報記憶部123の内容が登録されていてもよい。
【0117】
現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報に係る検出許否情報が検出許否情報記憶部123に記録されていない場合(S401でNo)、検出許否判定部122は、検出許否設定画面を表示装置106に表示させる(S402)。検出許否設定画面とは、現在接続中のネットワークセグメントsgにおける検出処理の実行の許否を問い合わせる画面である。
【0118】
図17は、検出許否設定画面の表示例を示す図である。同図において、検出許否設定画面510は、メッセージ511、Yesボタン512、及びNoボタン513等を含む。
【0119】
メッセージ511は、現在接続中のネットワークセグメントsgにおける検出処理の実行の許否の問い合わせである。Yesボタン512は、検出処理の実行の許可の入力を受け付けるためのボタンである。Noボタン513は、検出処理の実行の不許可の入力を受け付けるためのボタンである。
【0120】
検出許可設定画面510において、Yesボタン512又はNoボタン513が押下されると、検出許否判定部122は、押下されたボタンに応じた検出許否情報を、検出許否情報記憶部123に登録(記録)する(S403)。すなわち、Yesボタン512が押下された場合、検出許否判定部122は、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報と「許」とを含む検出許否情報を検出許否情報記憶部123に登録する。Noボタン513が押下された場合、検出許否判定部122は、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報と「否」とを含む検出許否情報を検出許否情報記憶部123に登録する。
【0121】
ステップS403又はステップS401においてYesの場合に続いて、検出許否判定部122は、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報に係る検出許否情報を検出許否情報記憶部123より取得する(S404)。続いて、検出許否判定部122は、取得された検出許否情報に基づいて、検出処理の実行の許否を判定する(S405)。すなわち、当該検出許否情報の許否の値が「許」である場合(S405でYes)、検出許否判定部122は、検出処理の実行は許可されたと判定し、図4のステップS13以降の処理の継続を許可する。一方、当該検出許否情報の許否の値が「否」である場合(S405でNo)、検出許否判定部122は、検出処理の実行は拒否されたと判定し、ステップS13以降の処理の実行を中止させる。
【0122】
なお、当該検出許否情報の許否の値が「否」である場合、検出処理の中止の範囲がユニキャストによる検出処理(ステップS13)に限定されてもよい。換言すれば、マルチキャストによる検出処理(ステップS14)は実行されるようにしてもよい。この場合、検出用情報記憶部121への検出用情報の記録は行われないにするのが好ましい。検出用情報が記録されてしまうと、他のネットワークセグメントsgにおいて検出処理が実行された際に、当該検出用情報に基づくユニキャストM−Searchが送信されてしまう。ユニキャストM−Searchには、宛先のIPアドレス、ポート番号、及び連携対象としたいサービスの情報等が含まれる。ユニキャストによる検出が拒否された被制御機器について、他のネットワークセグメントsg(例えば、公衆におけるネットワークセグメントsg)においてIPアドレス、ポート番号、及びサービスの情報等が流通するのはセキュリティの観点より好ましくないからである。
【0123】
本実施の形態においては、例えば、ネットワークシステム2に属するネットワークセグメントsgに関しては、ユニキャストM−Searchの検出処理の実行を許可しないように設定されることが考えられる。この場合、オフィスにおける被制御機器のIPアドレス及びポート番号を宛先とするユニキャストM−Searchが、家庭において送信されるのを防止することができる。また、ネットワークシステム2が、公衆の場におけるものである場合、オフィスにおける被制御機器のIPアドレス及びポート番号を宛先とするユニキャストM−Searchが、公衆のネットワーク上に流通するのを防止することができる。
【0124】
上述したように、第二の実施の形態によれば、ユニキャストM−Searchが送信されるネットワーク環境をユーザの意思に基づいて制限することができる。その結果、例えば、家庭におけるネットワークのように、マルチキャストのフィルタリングが行われていない場合について、ユニキャストM−Searchの送信を抑制することができる。また、ユニキャストM−Searchが無造作に送信されることによるセキュリティの劣化の可能性等を低減させることができる。
【0125】
次に、第三の実施の形態について説明する。第三の実施の形態では、主に、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、第三の実施の形態において、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0126】
図18は、第三の実施の形態における携帯端末の機能構成例を示す図である。図18中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0127】
図18では、図3に対して、検出用情報抽出部124及びセグメントグループ情報記憶部125が追加されている。
【0128】
セグメントグループ情報記憶部125は、セグメント識別情報ごとに、ネットワークセグメントsgを分類するグループ(以下、「セグメントグループ」という。)を示す情報(以下、「セグメントグループ情報」という。)を、例えば、補助記憶装置102を用いて記憶する。検出用情報抽出部124は、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報と、セグメントグループ情報とに基づいて、ユニキャストM−Searchに用いる検出用情報を限定する。より詳しくは、検出用情報抽出部124は、現在接続中のネットワークセグメントsgと同じセグメントグループに属するネットワークセグメントsgに係る検出用情報を検出用情報記憶部121より抽出する。検出用情報抽出部124は、また、セグメントグループ情報記憶部125へのセグメントグループ情報の登録も実行する。なお、本実施の形態において、セグメントグループ情報記憶部125は、グループ情報記憶部の一例である。検出用情報抽出部124は、抽出部の一例である。
【0129】
第三の実施の形態では、第二の実施の形態と同様、図13に示されるネットワーク構成が考慮される。すなわち、相互に異なるIPアドレス体系を有する複数のネットワークシステムの存在が考慮される。
【0130】
第三の実施の形態では、図4のステップS12とステップS13との間に、図19に示される処理手順が追加される。
【0131】
図19は、第三の実施の形態において追加される処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0132】
ステップS501において、検出用情報抽出部124は、携帯端末10が接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報に係るセグメントグループ情報がセグメントグループ情報記憶部125に記録されているか否かを判定する。
【0133】
図20は、セグメントグループ情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、セグメントグループ情報記憶部125は、セグメント識別情報ごとに、当該セグメント識別情報に係るネットワークセグメントsgが属するセグメントグループのグループ番号を記憶する。グループ番号は、各セグメントグループを識別する番号である。同図の例では、二つのネットワークセグメントsgは、グループ番号1のセグメントグループに属し、一つのネットワークセグメントsgは、グループ番号2のセグメントグループに属することが示されている。なお、セグメントグループ情報記憶部125の内容は、後述のステップS503において登録される。したがって、携帯端末10において、ステップS503が一回も実行されていない場合、セグメントグループ情報記憶部125の内容は空である。但し、図19の処理とは非同期のタイミングで、予め、セグメントグループ情報記憶部125の内容が登録されていてもよい。
【0134】
現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報に係るセグメントグループ情報が、セグメントグループ情報記憶部125に記録されていない場合(S501でNo)、検出用情報抽出部124は、セグメントグループ設定画面を表示装置106に表示させる(S402)。セグメントグループ設定画面とは、現在接続中のネットワークセグメントsgにおける検出処理の実行の許否を問い合わせる画面である。
【0135】
図21は、セグメントグループ設定画面の表示例を示す図である。同図において、セグメントグループ設定画面520は、メッセージ521、コンボボックス522、及び設定ボタン523等を含む。
【0136】
メッセージ521は、現在接続中のネットワークセグメントsgをいずれのセグメントグループに分類するか(所属させるか)の問い合わせである。コンボボックス522は、現在接続中のネットワークセグメントsgを分類するセグメントグループを設定させるためのコンボボックスである。すなわち、コンボボックス522には、セグメントグループ情報記憶部125に記録されているグループ番号の一覧が表示される。また、コンボボックス522には、当該一覧に含まれていないグループ番号の入力も可能である。設定ボタン523は、コンボボックス522の設定内容の決定指示を受け付けるためのボタンである。
【0137】
セグメントグループ設定画面520において、グループ番号の選択が行われ、設定ボタン523が押下されると、検出用情報抽出部124は、セグメントグループ設定画面520における設定内容をセグメントグループ情報記憶部125に登録(記録)する(S503)。すなわち、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報と、コンボボックス522に設定されたグループ番号とを含むセグメントグループ情報が、セグメントグループ情報記憶部125に登録される。
【0138】
ステップS503又はステップS501においてYesの場合に続いて、検出用情報抽出部124は、現在接続中のネットワークセグメントsgのセグメント識別情報に係るセグメントグループ番号をセグメントグループ情報記憶部125より取得する(S504)。続いて、検出用情報抽出部124は、取得されたグループ番号に対応づけられているセグメント識別情報をセグメントグループ記憶部より取得する(S505)。
【0139】
続いて、検出用情報抽出部124は、取得されたセグメント識別情報に係る検出用情報の一覧を検出用情報記憶部121より取得する(S506)。その後、ステップS13が実行される。但し、ステップS13の内容を詳細に説明する図5のステップS101において、検出用情報の取得の母集合とされるのは、ステップS506において取得(抽出)された検出用情報の一覧である。
【0140】
本実施の形態においては、例えば、ネットワークシステム1の各ネットワークセグメントsgを第一のセグメントグループに分類し、ネットワークシステム2に属する各ネットワークセグメントsgを第二のセグメントグループに分類することが考えられる。そうすることにより、携帯端末10が、ネットワークシステム1におけるいずれかのネットワークセグメントsgに接続されている場合、ユニキャストM−Searchの送信先を、ネットワークシステム1における被制御機器に限定することができる。また、携帯端末10が、ネットワークシステム2におけるいずれかのネットワークセグメントsgに接続されている場合、ユニキャストM−Searchの送信先を、ネットワークシステム2における被制御機器に限定することができる。
【0141】
上述したように、第三の実施の形態によれば、ユニキャストM−Searchが送信されるネットワーク環境を適切に区分することができる。その結果、ユニキャストM−Searchが無造作に送信されることによるセキュリティの劣化の可能性等を低減させることができる。
【0142】
なお、上記において、携帯端末10は、無線LAN通信によって被制御機器と接続される例について説明した。但し、携帯端末10は、有線LANに接続されて利用されてもよい。この場合、セグメント識別情報は、携帯端末10が接続された有線LANに係るルータのMACアドレスとすればよい。または、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバが、ネットワークセグメントsgごとに配置されるのであれば、DHCPサーバのIPアドレス又はMACアドレスが、セグメント識別情報とされてもよい。
【0143】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0144】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
マルチキャストを用いて機器を検出し、検出された機器のアドレス情報を、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関連付けて第一の記憶部に記録するマルチキャスト検出部と、
前記第一の記憶部に記録されている前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出するユニキャスト検出部とを有する機器検索装置。
(付記2)
検出された機器より返信される応答に含まれており、有効期限を有する機器情報を記憶する第二の記憶部と、
前記有効期限が到来した前記機器情報を前記第二の記憶部より削除する削除部とを有し、
前記ユニキャスト検出部は、前記機器より返信された応答に含まれている前記機器情報の有効期限を無効化して該機器情報を前記第二の記憶部に記録する付記1記載の機器検索装置。
(付記3)
ネットワークセグメントの識別情報ごとに機器の検出の許否を示す情報を記憶する許否情報記憶部と、
現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関して、前記許否情報記憶部を用いて検出の許否を判定する判定部とを有し、
前記ユニキャスト検出部は、前記判定部によって前記検出が許可されていると判定された場合に、前記機器を検出する付記1又は2記載の機器検索装置。
(付記4)
ネットワークセグメントの識別情報ごとに前記ネットワークセグメントを分類するグループを示す情報を記憶するグループ情報記憶部と、
現在接続中のネットワークセグメントと同じ前記グループに属するネットワークセグメントの識別情報を前記グループ情報記憶部より取得し、取得された前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報を前記第一の記憶部より抽出する抽出部とを有し、
前記ユニキャスト検出部は、前記抽出部によって抽出された前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出する付記1又は2記載の機器検索装置。
(付記5)
マルチキャストを用いて機器を検出し、検出された機器のアドレス情報を、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関連付けて第一の記憶部に記録し、
前記第一の記憶部に記録されている前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出する処理をコンピュータに実行させる機器検索プログラム。
(付記6)
検出された機器より返信される応答に含まれており、有効期限を有する機器情報を記憶する第二の記憶部より、前記有効期限が到来した前記機器情報を削除する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記機器を検出する処理は、前記機器より返信された応答に含まれている前記機器情報の有効期限を無効化して該機器情報を前記第二の記憶部に記録する付記5記載の機器検索プログラム。
(付記7)
現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関して、ネットワークセグメントの識別情報ごとに機器の検出の許否を示す情報を記憶する許否情報記憶部を用いて検出の許否を判定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記機器を検出する処理は、前記検出が許可されていると判定された場合に、前記機器を検出する付記5又は6記載の機器検索プログラム。
(付記8)
ネットワークセグメントの識別情報ごとに前記ネットワークセグメントを分類するグループを示す情報を記憶するグループ情報記憶部より、現在接続中のネットワークセグメントと同じ前記グループに属するネットワークセグメントの識別情報を前記グループ情報記憶部より取得し、取得された前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報を前記第一の記憶部より抽出し、
前記ユニキャストによって機器を検出する処理は、前記抽出部によって抽出された前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出する付記5又は6記載の機器検索プログラム。
【符号の説明】
【0145】
1 ネットワークシステム
10 携帯端末
20、50 PC
30 テレビ
40 AV機器
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 表示装置
107 入力装置
111 UI制御部
112 ネットワーク検出部
113 ネットワーク接続部
114 マルチキャスト検出部
115 ユニキャスト検出部
116 存在通知受信部
117 機器情報更新部
118 検出用情報削除部
119 連携部
120 検出機器情報記憶部
121 検出用情報記憶部
122 検出許否判定部
123 検出許否情報記憶部
124 検出用情報抽出部
125 セグメントグループ情報記憶部
r1、r2 有線LANルータ
ap1、ap2、ap3 無線LANアクセスポイント
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストを用いて機器を検出し、検出された機器のアドレス情報を、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関連付けて第一の記憶部に記録するマルチキャスト検出部と、
前記第一の記憶部に記録されている前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出するユニキャスト検出部とを有する機器検索装置。
【請求項2】
検出された機器より返信される応答に含まれており、有効期限を有する機器情報を記憶する第二の記憶部と、
前記有効期限が到来した前記機器情報を前記第二の記憶部より削除する削除部とを有し、
前記ユニキャスト検出部は、前記機器より返信された応答に含まれている前記機器情報の有効期限を無効化して該機器情報を前記第二の記憶部に記録する請求項1記載の機器検索装置。
【請求項3】
ネットワークセグメントの識別情報ごとに機器の検出の許否を示す情報を記憶する許否情報記憶部と、
現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関して、前記許否情報記憶部を用いて検出の許否を判定する判定部とを有し、
前記ユニキャスト検出部は、前記判定部によって前記検出が許可されていると判定された場合に、前記機器を検出する請求項1又は2記載の機器検索装置。
【請求項4】
ネットワークセグメントの識別情報ごとに前記ネットワークセグメントを分類するグループを示す情報を記憶するグループ情報記憶部と、
現在接続中のネットワークセグメントと同じ前記グループに属するネットワークセグメントの識別情報を前記グループ情報記憶部より取得し、取得された前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報を前記第一の記憶部より抽出する抽出部とを有し、
前記ユニキャスト検出部は、前記抽出部によって抽出された前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出する請求項1又は2記載の機器検索装置。
【請求項5】
マルチキャストを用いて機器を検出し、検出された機器のアドレス情報を、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報に関連付けて第一の記憶部に記録し、
前記第一の記憶部に記録されている前記アドレス情報のうち、現在接続中のネットワークセグメントの識別情報と異なる前記識別情報に関連付けられている前記アドレス情報に係る機器を検出する処理をコンピュータに実行させる機器検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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