説明

機械パルプの効率を改善するための方法および化学組成物

本発明は、紙前駆物質を機械的にパルプ化するプロセスを増強させる物質組成物および方法を提供する。物質組成物は、少量の還元剤と、アルカリ源とを含む。パルプ材料、例えば、木材チップに、機械式パルピング前またはパルピング中に添加されると、組成物は動作のエネルギーコストを減少させる。さらに、組成物はそうするだけでなく、パルプの明るさを減少させず、組成物はまた、その後の漂白プロセスの有効性を増強させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし。
【0002】
連邦支援の研究または開発に関する声明
適用なし。
【0003】
本発明は、機械式パルピング(機械式パルプ化)における繊維品質およびプロセス効率の改善に関する。より詳細には、本発明は、プロセス効率およびそのようなプロセスで製造されたパルプ材料から製造された紙製品の明るさを改善するための、アルカリ媒質中での特定の化学組成物、例えば、還元化学薬品およびキラント(chelant)の組み合わせの使用に関する。本発明は、ろ水度を減少させ、エネルギーおよび化学薬品の節減を提供し、紙製品の明るさを増強させることに特に関連する。
【背景技術】
【0004】
機械式パルピングはパルプを製造する一般的な方法である。機械式パルピングが有する他のパルプ化法を超える1つの利点は、パルプ化プロセスにより有意の質量損失が起こらないことである。機械式パルピング動作は不運にも非常に多くのエネルギーを消費し、製造されるパルプの強度が低い傾向がある。化学処理、例えばアルカリ化が強度を増加させ、エネルギーを節減するために時として使用されるが、明るさが犠牲となる。現在、いくつかの技術が機械式パルピングにおいて実施され、ストーン砕木パルプ(SGW)、加圧砕木パルプ(PGW)、リファイナメカニカルパルプ(RMP)、加圧RMP(PRMP)、サーモ−RMP(TRMP)、およびサーモメカニカルパルプ(TMP)などの製品が製造されている。
【0005】
機械式パルピングにおいて必要とされるエネルギーを低減させる1つの現在公知の方法は、パルプのろ水度の低減に導くアルカリ化によるものである。パルプのろ水度を低減させる一般的な先行技術による方法は、機械式パルピングプロセス中に木材チップにアルカリを添加するものである。不運にも、木材チップへのアルカリ添加は、得られる紙の明るさの低下も引き起こしてしまう。この明るさ低下を補うために、製紙プロセスの漂白段階中に追加の漂白剤を添加しなければならず、これにより、全体コスト節減が低減し、排除されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0121625号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0000380号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0105392号明細書
【特許文献4】米国特許第3,042,575号明細書
【特許文献5】米国特許第3,933,676号明細書
【特許文献6】米国特許第4,324,612号明細書
【特許文献7】米国特許第5,129,987号明細書
【特許文献8】米国特許第5,338,402号明細書
【特許文献9】加国特許出願公開第2157154号明細書
【特許文献10】加国特許第962810号明細書
【特許文献11】中国特許第101230552号明細書
【特許文献12】独国特許第1955641号明細書
【特許文献13】独国特許第2105324号明細書
【特許文献14】独国特許第2826821号明細書
【特許文献15】欧州特許第0027369号明細書
【特許文献16】欧州特許第0485074号明細書
【特許文献17】欧州特許第1418269号明細書
【特許文献18】特開昭48−038328号公報
【特許文献19】国際公開第88/10334号パンフレット
【特許文献20】国際公開第90/11403号パンフレット
【特許文献21】国際公開第96/20308号パンフレット
【特許文献22】国際公開第97/22749号パンフレット
【特許文献23】国際公開第01/59205号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Determination of kraft NaBH4 pulping condition of Uldag fir, by Akgul, M., Pakistan Journal of Biological Sciences (2006) Volume 9 page 13
【非特許文献2】Brightening of Douglass−Fir Groundwood , Betz, R. G., Styan G. E., Pulp Paper Magazine Canada (1974) Volume 75 Pages 111−114
【非特許文献3】Further Understanding of Sodium Borohydride Assisted Peroxide Bleaching of Mechanical Pulps, He, Zh., Appita Journal (2005), Volume 58 issue 1, pages 72−76
【非特許文献4】Treatment of Mechanical Wood Pulp with Reductive Bleaching Chemicals in Refiners, Melzer, J.; Auhorn, W., Wochenblatt fur Papierfabrikation (1986), Volume 114, Number 8, pages 257−260
【非特許文献5】New hydrosulfite route reduces groundwood bleach costs, Sellers, F. G. Pulp & Paper (1973) Volume 47 Issue 12, pages 80−82
【非特許文献6】“Premix”: a novel process for improving bleaching of mechanical pulps for using a mixture of reductive agents, Wasshausen, J. et al. Pulp & Paper Canada, (2006), Volume 107 Issue 3, Pages 44−47
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
結果として、製紙業者は望ましくないトレードオフをするよう強制される。製紙業者は、エネルギーコストを低減させ、明るさを失うことを許容するか、あるいは追加の漂白剤を使用し、コスト節減を犠牲にするかのいずれかを選択しなければならない。このように、そのようなパルプから製造された紙の光学特性を危うくすることなしに、エネルギー節減を提供する技術が明らかに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、組成物およびその使用方法に関する。組成物は、製紙プロセスを改善する。組成物は塩基と、少量の強還元化学薬品と、キレート剤とを含む。組成物は木材チップの機械式パルピング前またはパルピング中、製紙プロセスに添加される。組成物は、その木材チップに添加される組成物を有していない同様の製紙パルプから同様に製造された紙と比べて、パルプ製造におけるエネルギー消費を減少させるが、製紙パルプから製造される紙の明るさの正味の減少を引き起こさない。組成物は、機械式パルピングのリファイニング前またはリファイニング中の任意の段階で、例えば、木材チップ洗浄動作、チップ浸漬、チップ上噴霧において適用することができる水溶液またはスラリーとすることができ、リファイナに直接添加してもよい。
【0010】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、塩基が下記からなるリストより選択される組成物に関する:アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウムおよび任意のそれらの組み合わせ。1つの好ましい組成物は、得られたパルプを、水酸化マグネシウムを用いた処理を含むがそれらに限定されない過酸化物またはハイドロサルファイト漂白により、より効果的に漂白させることができる。少量の水酸化マグネシウムによる機械式パルピング前またはパルピング中の木材チップの処理は、その後の漂白、とりわけ過酸化物漂白に対し、パルプを活性化させる。
【0011】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、還元化学薬品が下記からなるリストから選択される組成物に関する:水溶性ハイドロサルファイト類(ジチオナイト類)、サルファイト類、バイサルファイト類、メタバイサルファイト類、ホルミジンスルフィン酸(formidinesulfinic acid)類、ホルミジンスルフィン酸の塩類、ホウ化水素類、ホスフィン類、ホスホニウム第三塩類、;より具体的には、アルカリまたはアルカリ土類金属ハイドロサルファイト類、ホウ化水素類、ナトリウムハイドロサルファイト、水素化ホウ素ナトリウムおよび任意のそれらの組み合わせ。キレート剤は下記からなるリストから選択される遷移金属イオンキラントとすることができる:有機ヒドロキシ酸類、アミノホスホネート類、アミノホスフェート類、アミノカルボキシレート類;より具体的には、DTPAの塩類、EDTAの塩類、DTMPAの塩類および任意のそれらの組み合わせ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記定義は、本出願において,特に特許請求の範囲において使用される用語がどのように解釈されるべきかを決定するために提供される。定義の組織化は便宜上のものにすぎず、いずれかの定義をいずれかの特定のカテゴリーに制限することを意図していない。
【0013】
「CSF」は、TAPPI法および標準により記載されるカナディアンスタンダードフリーネス(Canadian Standard Freeness)を意味し、ミリメートルで測定される。
【0014】
「ろ水度」はパルプ懸濁液が水切りされる速度の測定値を意味し、一般に、TAPPI法および標準により規定されるカナディアンスタンダードフリーネス試験に従い、測定される。ろ水度の変化はパルプの化学的および物理的変化の両方に起因する可能性がある。
【0015】
「機械式パルピング(メカニカルパルピング)」は、パルプ材丸太およびチップを、機械エネルギーを使用してパルプに変換することにより引き起こされる物理的変化を意味する。
【0016】
「ケミメカニカルパルピング」は、木材粉砕またはチップリファイニングプロセスにおいて起こる穏やかな化学変化を意味する。ケミメカニカルパルピングは通常、紙強度を改善し、紙製造を容易にする。
【0017】
「リファイナ砕木パルプ」は、粉砕機を用いて製造され、リファイナと呼ばれるパルプミル処理機械において、研磨、ブラッシング、破砕、ほぐし、または切断処理に通された機械パルプを意味する。
【0018】
「リファイナメカニカルパルプ」は、未処理木材チップを、機械的常圧リファイナにおいて処理することにより製造されたパルプを意味する。
【0019】
「リファイナ」は、抄紙機で形成された最終パルプスラリーおよびシートウェブを処理する、またはそれらにある特性を付与するために、研磨、ブラッシング、破砕、ほぐし、切断が所望される場合に、パルプ製紙工場において繊維を機械的に処理するための機械を意味する。
【0020】
「少量」は、ケミメカニカルパルピングと通常関連するパルプの任意の実質的な化学的変化を引き起こすには不十分な、製紙パルプの懸濁液に添加される添加物の濃度を意味する。
【0021】
通常、アルカリ化により引き起こされるろ水度の変化を引き起こすと、パルプ化プロセスにおいて必要とされるエネルギーを低減させることができることが知られている(例えば、米国特許出願公開第2008/0105392号を参照されたい)。少なくとも1つの実施形態では、非常に少量の化学薬品が木材チップに添加されると、木材チップが機械的にパルプ化される場合のエネルギーコストが低くなる。エネルギーコストの低下は、パルプろ水度を低減させ、パルプの明るさを改善するという両方の化学薬品の相乗的組み合わせの結果である。通常、ろ水度の低減は、繊維の膨潤などの物理的なパルプ特性の変化に起因する。アルカリ環境はそのような膨潤を引き起こす可能性がある。しかしながら、アルカリ環境はまた、酸化を増加させ、高収率(機械)パルプ中に常に存在するリグニン中のフェノール基のイオン化を引き起こす可能性があるので、得られた紙の黄変を引き起こす。結果として、紙の明るさがより低くなるか、あるいは、より多くの漂白化学薬品を使用しなければならず、コストが増加する。
【0022】
本発明において、この問題は2つの方法で対処される。第1に、水酸化マグネシウムをアルカリ源として使用する。水酸化マグネシウムはその後の過酸化物またはハイドロサルファイト漂白段階におけるパルプを活性化し、これにより、漂白により得られる明るさ度を増加させる。第2に、リファイナ中での反応を酸化的ではなく、還元的に調節する。これはまた、そうでなければ、制御されていない酸化が引き起こすであろう明るさ損失を阻止する。さらにキレート剤を添加してもよく、そうでなければ黄変反応を触媒する遷移金属カチオンを固定するので、さらに黄変を低減させる。少なくとも1つの実施形態では、水酸化マグネシウムは、リファイニング前に、またはリファイナ中で、1つ以上の還元剤と、任意で必要に応じて、1つ以上のキレート剤と組み合わされる。少なくとも1つの実施形態では、この混み合わせの後に、過酸化物漂白が続く。
【0023】
本出願では、特殊化学薬品が非常に少量で使用され、機械レベルだけで、ケミメカニカルレベルではパルプに作用しないと考えられる。使用される量が少量なので、パルプ中には有意の化学的変化は起こらない。しかしながら、少量の特殊化学薬品は、パルプのろ水度低減を引き起こすには十分であり、これにより、機械式パルピングプロセス中のエネルギー消費が低減する。パルプ中で生じる化学変化はかなり小さいので、この方法は、TMP、RMP、および/または砕木パルプに基づくパルプが挙げられるが、それらに限定されない機械パルプを製造するほとんどの動作ミル中で使用される、全部ではないがほとんどの現在知られている技術と共に自由に使用することができる。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、アルカリ媒質中の少量の少なくとも1つの還元化学薬品および少なくとも1つのキラントを使用して、機械パルプの製造中に木材チップを処理する。これらの化学薬品がそのように組み合わされると、アルカリ処理に典型的である明るさ損失(brightness loss)の代わりに、明るさ利得(brightness gain)が起こる。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、リファイニング段階前、またはリファイニング段階時に適用されるアルカリ媒質中の少量の少なくとも1つの還元化学薬品および少なくとも1つのキラントは、製紙プロセスにおいて後に実施される漂白プロセスを増強させる。少なくとも1つの実施形態では、リファイニング段階前、またはリファイニング段階時に添加される特殊化学薬品(例えば、単独の、または還元化学薬品(複数)および任意でキラント(複数)との混合物中の水酸化マグネシウム)は、その後の漂白に向けてパルプ活性化を誘導し、その後、同じ程度の明るさを達成するのに必要とされる漂白材料がより少なくなる。少なくとも1つの実施形態では、漂白は過酸化物またはハイドロサルファイト漂白である。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、アルカリ源の少なくとも1つは水酸化マグネシウム(MH)である。少なくとも1つの実施形態では、MHは単独で使用され、過酸化物またはハイドロサルファイト漂白段階後に、明るさに対するプラス効果が観察される。少なくとも1つの実施形態では、MHはナトリウムハイドロサルファイトおよびキラントと組み合わされる。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの還元化学薬品はナトリウムハイドロサルファイト(SH)である。少なくとも1つの実施形態では、SHは水酸化マグネシウムおよびキラントと組み合わされる。少なくとも1つの実施形態では、少量の強還元化学薬品、例えば水素化ホウ素ナトリウム(BH)ありまたはなしのSHはMHと組み合わされる。少なくとも1つの実施形態では、少量の強還元化学薬品、例えばBHありまたはなしのSHは水酸化ナトリウムと組み合わされる。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの還元化学薬品は非常に少量のBHである。少なくとも1つの実施形態では、BHはナトリウムハイドロサルファイトおよびキラントと組み合わされる。少なくとも1つの実施形態では、アルカリ源はMHである。少なくとも1つの実施形態では、少量の強還元化学薬品、例えばBHありまたはなしのSHはMHと組み合わされる。
【0029】
本方法は、製紙工場において普通に入手可能な化学薬品を使用するが、それらを新規様式で使用する。下記参考文献において示されるように、BHおよびハイドロサルファイトの使用は紙製造において公知であるが漂白プロセスにおいて中性〜弱酸性条件下で、およびクラフトパルピングプロセスでのみ使用されており、機械式パルピングプロセスにおいては使用されていない。(例えば、特許および特許出願:米国特許第5,129,987号、欧州特許第141826号、米国特許出願公開第2004/0000380号、欧州特許第485074号、国際公開第88010334号、欧州特許第00027369号、独国特許第2826821号、日本国特許出願公開第48038328号ならびに学術論文:「プレミックス(“Premix”)」:還元剤混合物を使用するための機械パルプの漂白を改善するための新規プロセス(a novel process for improving bleaching of mechanical pulps for using a mixture of reductive agents)、ワッショーセン(Wasshausen),J.ら、パルプアンドペーパーカナダ(Pulp & Paper Canada),(2006),107巻,3号,44〜47ページおよび新規ハイドロサルファイト経路は砕木パルプ漂白コストを低減させる(New hydrosulfite route reduces groundwood bleach costs),セラーズ(Sellers),F.G. Pulp & Paper (1973) 47巻 12号,80〜82ページを参照されたい。
【0030】
さらに、水素化ホウ素ナトリウムに補助される過酸化物漂白は、機械パルプの水素化ホウ素ナトリウムに補助される過酸化物漂白のさらなる理解(Further Understanding of Sodium Borohydride Assisted Peroxide Bleaching of Mechanical Pulps),He,Zh.,アピタジャーナル(Appita Journal)(2005),58巻,1号,72〜76ページにおいて開示される。漂白化学薬品としてBHを直接使用することは、米国特許出願公開第2004/000380号、国際公開第1996/020308号、および国際公開第90011403号において開示されており、前漂白/多段階漂白化学薬品としての使用は、国際公開第01059205号において開示されている。クラフトパルピングでの大量(1〜3%)のBHの使用は、UldagモミのクラフトNaBH4パルピング条件の決定(Determination of kraft NaBH4 pulping condition of Uldag fir), アクガル(Akgul), M.,パキスタン生物化学ジャーナル(Pakistan Journal of Biological Sciences)(2006)、9巻、13ページにおいて記載された。最後に、クラフトおよびサルファイト蒸解のためのいくつかの化学薬品による木材チップの前処理は、独国特許第1955641号および独国特許第2105324号において記載されている。
【0031】
リファイナ中での水酸化マグネシウムの使用は、中国特許出願(CN2008−10014053号、20080123)において他の場所に記載されている。この記載は、Mg(OH)および過酸化水素を用いて実施されるリファイナ漂白として知られているプロセスに関する。これらの参考文献のいずれも、機械式パルピングにおける、単独の、または少量の還元化学薬品と組み合わせた水酸化マグネシウムの使用または塩基性環境における、機械式パルピング動作でのこれらの化学薬品の使用を記載していない。
【0032】
米国特許第4,324,612号は、漂白されたストーン砕木スプルースパルプの調製において砥石表面に適用される噴霧シャワーに添加される亜ジチオン酸ナトリウムの使用を記載し、その後、過酸化物塔においてスクリーニングされたパルプがさらに漂白される。しかしながら、この参考文献は、エネルギー節減のための塩基の使用を含まず、マグネシウムの使用に言及していない。
【0033】
米国特許第5,129,987号はアルカリナトリウムハイドロサルファイトを用いたリファイナ漂白を記載する。しかしながら、この参考文献は本質的には、漂白手順に典型的な大量のハイドロサルファイトを含む、高濃度漂白プロセスである。
【0034】
国際公開第9722749号は、パルプ化プロセスにおいてエネルギーを低減させる方法を記載するが、これは、pHおよびセルロースの結晶構造を標的とする異なる処理手順全体を調整することを含む。
【0035】
米国特許第5,338,402号は、本発明と同様の化学薬品を使用するが、異なるパルプ特性を標的とする、異なるプロセス条件下でのケミメカニカルパルピングに十分なほど大量のものにすぎない。例えば、サルファイトイオンよりも電気陰性の還元剤を、ナトリウムサルファイトもしくはバイサルファイトまたは二酸化硫黄および水酸化ナトリウムの混合物と共に使用する100℃以上の温度での蒸解を含む、CTMP製造に言及する。還元剤は、二酸化チオ尿素、水素化ホウ素ナトリウム、または亜ジチオン酸ナトリウムとしてもよい。
【0036】
別の先行技術情報源は、還元剤を含むが、本発明の一工程プロセスとは異なる多段階前処理プロセスを記載する。情報源は、最初に、少なくとも1つの還元剤を用い(例えば、ナトリウムサルファイトおよび水素化ホウ素ナトリウムの混合物を用い)、その後、アルカリ過酸化物溶液を用いるチップの前処理を含むプロセスを介して、木材チップから、漂白されたパルプを製造することを記載する。前処理後、続いてリファイナ離解であった(ベイマツ砕木パルプの増白(Brightening of Douglass−Fir Groundwood),ベッツ(Betz),R.G.,スチアン(Styan)G.E.,パルプペーパーマガジンカナダ(Pulp Paper Magazine Canada)(1974)75巻111〜114ページ)。
【0037】
別の先行技術では、砕木パルプの機械式リファイニングおよびビーティングにおいて消費されるエネルギーを、リファイナまたはビーターに直接亜ジチオン酸ナトリウムを添加することにより、明るさおよび強度特性を改善しながら、低下させることが提案された(リファイナ中での還元漂白化学薬品による機械木材パルプの処理(Treatment of Mechanical Wood Pulp with Reductive Bleaching Chemicals in Refiners),メルザ(Melzer),J.;オーホーン(Auhorn),W.,Wochenblatt fur Papierfabrikation(1986),114巻,8号,257〜260ページ。しかしながら、この方法は、アルカリを欠いており、ずっと多くのハイドロサルファイトを使用し、本質的には、ハイドロサルファイトリファイナ漂白であるので、本発明のプロセスとは異なっている。
【0038】
少なくとも1つの実施形態では、特殊化学薬品はパルプを黒くしてしまうが、得られた紙は黒くない。パルプはアルカリ化により黒くなる。しかしながら、特殊化学薬品はパルプを活性化し、その後に黒くなった機械パルプを漂白するプロセスが増強され、必要とされる漂白剤が少なくなる。この方法は、アルカリ源として水酸化マグネシウムを用いると、および漂白が過酸化物漂白により達成される場合、特に効果的である。リファイナ後漂白を標的とするパルプ活性化は、水酸化マグネシウム単独の適用により達成することができる。
【0039】
少なくとも1つの実施形態では、機械パルプが過酸化物漂白またはハイドロサルファイト漂白を受ける前に、水酸化マグネシウムおよびナトリウムハイドロサルファイトが機械パルプとリファイナ中で合わされ、より明るい機械パルプが製造される。少なくとも1つの実施形態では、キラントもまたリファイニング動作前に、またはリファイナ中で木材チップに添加される。
【0040】
少なくとも1つの実施形態では、特殊化学薬品は水酸化マグネシウムであり、任意で必要に応じてキラントと一緒にされる。本発明者らは、水酸化マグネシウムは、水酸化ナトリウムとは異なり、ハイドロサルファイト、とりわけ、過酸化物漂白後のパルプの明るさを、これらのプロセスの少し前のパルプ活性化により改善するが、リファイニング直後の明るさは依然として減少し得ることを見出した。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、特殊化学薬品は、直接リファイナに供給することができる、または木材チップ上に噴霧することができる水溶液またはスラリーの形態である。
【0042】
少なくとも1つの実施形態では、特殊化学薬品は浸漬または洗浄動作中に木材チップ上に適用することができる水溶液またはスラリーの形態である。
【0043】
前述の事項は、説明目的で提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない下記実施例を参照することにより、よりよく理解されるであろう。
【0044】
以下で示されるいくつかの方法を、本発明を実施することができる環境をシミュレートするために使用した。パルプサンプルは、米国中西部工場および欧州工場(針葉樹 TMP, TMP一次および二次廃棄物)から入手した。別記されない限り、添加量は活性物質に基づく。DTPAは常に38%溶液(普通、産業界において使用される)の形態で使用されており、添加量はこの溶液を示す。
【0045】
試験A.高温衝撃条件:水酸化ナトリウムを有する、ボロハイドライド系(borohydride-based)組成物
実験的試験を、機械的処理が起こるリファイナ中の条件をシミュレートする湿性温度衝撃条件下で実施した。TMPのサンプルをステンレス鋼蒸解窯に入れ、化学薬品を水に添加し、最終濃度がスラリー中3〜5%の乾燥パルプとなるようにした。サンプルを150℃で10分間、回転蒸解窯セットアップ中で維持し、冷却し、洗浄し、pHを測定し、それらからハンドシートを製造させた。サンプル全てのpHはアルカリから弱酸性であり、化学反応が終了したことが示され、そのため、スラリーの酸性化は必要なかった。
【0046】
試験B.適温衝撃条件:水酸化ナトリウムを有するハイドロサルファイト含有組成物
実験的試験を、機械的処理が起こるリファイナ中の条件をシミュレートする湿性温度衝撃条件下で実施した。TMPのサンプルを、脱ガスフラスコ内の隔壁(内容物を空気から保護するが、針を貫通させることができるソフトプラスチック)下に置き、シリンジを介して、化学薬品を窒素流中で添加し、3,6%の総濃度とした。サンプルを水浴中で1時間15分間、80℃で維持し、冷却し、洗浄し、pHを測定し、pH5まで酸性化した時点でハンドシートを製造させた。プロセス後のサンプルのpHは弱アルカリであった。水素化ホウ素ナトリウムが適用される試験では、ロームアンドハース社製ボロール(Borol)の形態で使用したが、これは(39%NaOH、12%NaBH)である。導入される水酸化ナトリウムの量を変化させることにより、標的となるアルカリ度(例えば、o.d.パルプに対し、0.75%NaOH、0.25%NaBH)を維持した。
【0047】
試験C.水酸化ナトリウムを用いたハイドロサルファイト処理後漂白
サンプルを試験Bで記載したように調製し、洗浄し、脱水し、標準条件(70℃、1時間、1.5%NaOH、2%H)下で漂白した。サンプルを洗浄し、pH5まで酸性化した時点でハンドシートを製造させた。
【0048】
試験D.ろ水度改善
単なる衝撃温度処理よりも良好な熱機械プロセスの機械および温度効果の両方をシミュレートするプロトコルを開発した。パルプを化学薬品と10%濃度で混合し、その後、PFI−型研究室用パルプリファイナ(150℃)でビーティング(叩解)した。その後、パルプを3%まで希釈し、試験Aで記載されるように熱に曝露させた。0.75〜1%NaOHの存在下で処理したパルプのろ水度(CSF)は、対照よりも約20mL低く、ホウ化水素およびDTPAは結果に影響しなかった。
【0049】
試験E.高温衝撃条件:水酸化マグネシウムを有するハイドロサルファイト−含有組成物
明るさ試験をリファイナ(機械処理なし)中の条件をシミュレートする湿性温度衝撃条件下で実施した。TMPサンプルをプラスチックバッグに入れ、水酸化マグネシウムおよびDTPAとよく混合した。バッグを開き、サンプルをステンレス鋼蒸解窯に移し、それぞれ7分間窒素で脱ガスした。シリンジを介して、残りの化学薬品を大量のパルプの中に窒素流中で添加した。5%の濃度のサンプルを150℃で10分間、回転蒸解窯セットアップ中で維持し、冷却し、洗浄し、pHを測定し、ハンドシートを製造させるか、あるいはパルプをその後漂白した。サンプル全てのpHはアルカリから弱酸性となり、化学反応が終了したことが示され、そのため、スラリーの酸性化は必要なかった。
【0050】
試験F.適温衝撃条件:水酸化マグネシウムを有するハイドロサルファイト−含有組成物
明るさに対する還元化学薬品の効果の評価をリファイナ(機械処理なし)中の条件をシミュレートする湿性温度衝撃条件下で実施した。TMPサンプルを脱ガスフラスコ内の隔壁下に置き、化学薬品を、シリンジを介して添加し、総濃度5%とした。希薄スラリーとしての水酸化マグネシウムおよびDTPAを最初に添加し、パルプとよく混合し、その後還元化学薬品を添加した。混合後、サンプルを水浴中で1時間15分間、80℃で維持し、冷却し、洗浄し、pHを測定し、ハンドシートを製造させる(pH調節なし)か、あるいはパルプをその後漂白した。
【0051】
試験G.水酸化マグネシウムを用いたハイドロサルファイト処理後過酸化物漂白
サンプルを試験EまたはFで記載したように調製し、2LのDI水(脱イオン水)で洗浄し、脱水し、標準条件(70℃、1時間、1.5%NaOH、2%H)下で漂白した。サンプルを2LのDI水で洗浄し、pH5まで酸性化した時点でハンドシートを製造させた。
【0052】
試験H.水酸化マグネシウムを用いたハイドロサルファイト処理後ハイドロサルファイト漂白
サンプルを試験EまたはFで記載したように調製し、1LのDI水で洗浄し、脱水し、標準条件(70℃、1時間、1 Na)下で漂白した。サンプルを2LのDI水で洗浄し、ハンドシートを製造させた。
【0053】
試験A〜Hの結果を下記表1〜18で提供し、表番号の隣の丸括弧は、データがどの試験に対応しているかを示す。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
表1および2のデータにより、最少量の特殊化学薬品は、パルプのアルカリ化による明るさ損失を完全に補うことができることが証明される。キラントは、著しくボロハイドレートの効果を増加させる。
【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
表3および4のデータから、明るさ損失なしで適用することができる最適アルカリ度は0.75%であることが証明される。
【0060】
【表5】

【0061】
表5は、組成物が過酸化物漂白を受けた後の、パルプの熱処理時の明るさに対する効果を列挙する。
【0062】
表6〜9は、紙製品に対する組成物(プロトタイプ製品、全固形分27%)の効果を列挙する。
【0063】
【表6】

【0064】
【表7】

【0065】
【表8】

【0066】
表9および10は好ましい組成物の1つ、19%NaOH、0.316%NaBH、0.48%DTPA、6.32%Na(固形分26.1〜27.2%、固体ハイドロサルファイト中の不純物に依存する)の効果を提供する。組成物はその後、製紙パルプスラリー中で希釈され、NaOHはo.d.パルプに対し0.75%まで減少した。
【0067】
【表9】

【0068】
【表10】

【0069】
表11は、アルカリとして水酸化マグネシウムを使用する効果を示す。水酸化マグネシウムは他のアルカリよりも安価である。水酸化マグネシウムを含む組成物は、パルプ化プロセスを受けるのにより少ないエネルギーを必要とする。水酸化ナトリウムの代わりに水酸化マグネシウムを使用する場合、交換比率は、0.5%水酸化マグネシウムに対して0.75%水酸化ナトリウムである。
【0070】
【表11】

【0071】
【表12】

【0072】
【表13】

【0073】
【表14】

【0074】
表11〜14からのデータにより、どうして水酸化マグネシウムが好ましいのかが実証される。穏やかな条件(75℃、漂白なし)下では、マグネシウムに関連する明るさ損失はないが、リファイニングプロセスをよりよくシミュレートする苛酷な条件(150℃、漂白なし)下では、マグネシウムに関連する明るさ損失が起こる。しかしながら、どちらの場合でも、漂白後、マグネシウムに誘発される明るさがかなり改善される。還元化学薬品はさらに著しくリファイニング後の明るさを改善し、これはハイドロサルファイトの主効果であり、過剰のホウ化水素由来のものは少ない。マグネシウム−還元パルプ前処理は明らかに、リファイニング適用での功績を明確に示す。この効果は新規なものであり、表14〜16(15および16では別のパルプが使用された)に示されるように、パルプ化スラリー中にマグネシウムイオンが存在するだけでは達成させることができない。前処理が必要とされ、提案された化学薬品が機械式パルピング段階で存在している場合、この段階は自動的に達成される。
【0075】
【表15】

【0076】
【表16】

【0077】
特殊化学薬品のプラス効果は、表17(穏やかな条件、完全な補償)および18(リファイニングプロセスをよりよくシミュレートする苛酷な条件、かなりの明るさ利得)に示されるように、その後のハイドロサルファイト漂白でも観察される。
【0078】
【表17】

【0079】
【表18】

【0080】
特許請求の範囲で規定される本発明の概念および範囲から逸脱せずに、本明細書で記載される発明の方法の組成物、動作、配列においては変更が可能である。本発明は多くの異なる形態で具体化され得るが、本明細書では、本発明の特定の好ましい実施形態が詳細に記載されている。本開示は本発明の原理の例示であり、本発明を説明される特定の実施形態に限定することを意図しない。さらに、本発明は本明細書で記載される様々な実施形態のいくつかまたは全ての任意の可能な組み合わせを含む。本出願または任意の引用特許、引用特許出願または他の引用資料のいずれかで言及された特許、特許出願、および他の引用資料は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0081】
上記開示は、例示であり、包括的なものではないことが意図される。この記載は当業者に多くの変更および代替案を示唆するであろう。これらの代替案及び変更は特許請求の範囲に含まれることが意図され、特許請求の範囲では、「含む」は「包含するが、それらに限定されない」ことを意味する。当技術に精通するものは、本明細書に記載される特定の実施形態に対する他の等価物を認識することができ、それらの等価物もまた、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0082】
これで本発明の好ましいおよび別の実施形態の説明を終える。当業者であれば、本明細書で記載される特定の実施形態に対する他の等価物を認識することができ、それらの等価物は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械製紙プロセスを改善する組成物であって、前記組成物が、
塩基と、
少量の強還元化学薬品と、
を含み、
前記組成物が木材チップの機械式パルピングが起こるまでに前記製紙プロセスに添加されると、前記組成物は、木材チップに添加される組成物を有さない同様の製紙パルプから同様に製造された紙に比べ、その機械式パルピングプロセスのエネルギー消費を減少させるが、製紙パルプから製造される紙の明るさの正味の減少を引き起こさない、組成物。
【請求項2】
得られた紙のろ水度を減少させる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウムおよび任意のそれらの組み合わせからなるリストより選択され、さらにキレート剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
得られた製紙パルプを、より効果的に過酸化物またはハイドロサルファイト漂白により漂白されるように誘発する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記還元化学薬品は、水溶性ハイドロサルファイト類、ジチオナイト類、サルファイト類、バイサルファイト類、メタバイサルファイト類、ホルミジンスルフィン酸、ホルミジンスルフィン酸の塩類、ボロハイドライド類、ホスフィン類、ホスホニウム第三塩類、アルカリ、アルカリ土類金属ハイドロサルファイト類、ボロハイドライド、ナトリウムハイドロサルファイト、水素化ホウ素ナトリウムおよび任意のそれらの組み合わせからなるリストより選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記キレート剤は有機ヒドロキシ酸類、アミノホスホネート類、アミノホスフェート類、アミノカルボキシレート類、DTPAの塩類、EDTAの塩類、DTMPAの塩類および任意のそれらの組み合わせからなるリストから選択される遷移金属イオンキラントである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、木材チップ上での噴霧、木材チップの浸漬中、木材チップの洗浄、リファイナー中への添加、任意のそれらの組み合わせのリストからの1つの方法により適用することができる水溶液またはスラリーである、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
NaOH15〜50%およびNaBH5〜20%を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記塩基は0.05〜0.5%の量の水酸化マグネシウムのみである、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物中の唯一の還元化学薬品は、水素化ホウ素ナトリウムおよびナトリウムハイドロサルファイトからなるリストから選択される1つである、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
機械製紙プロセスを改善する組成物であって、
前記組成物が、水酸化マグネシウムと、任意で必要に応じてキレート剤を含み、
前記組成物はリファイニング段階前またはリファイニング段階中に製紙プロセスに添加され、前記組成物は、リファイニング段階中に添加される組成物を有しない同様の製紙パルプから同様に製造された紙に比べ、機械式パルピングのエネルギー消費を減少させ、前記製紙パルプから製造される紙の明るさを増加させる、組成物。
【請求項12】
パルプ材料に、機械式パルピングプロセス終了前に、塩基と、少量の強還元化学薬品と、キレート剤とを含む組成物を添加する工程を含む、機械式パルピングプロセスを改善する方法であって、
前記組成物は得られる製紙パルプのろ水度を減少させ、得られる製紙パルプの明るさを増加させる、方法。
【請求項13】
前記組成物は、木材チップ上での噴霧、木材チップの浸漬、木材チップの洗浄、リファイナ中への添加、任意のそれらの組み合わせから選択される1つの方法により添加することができる水溶液またはスラリーである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記組成物は、水酸化マグネシウムと、ナトリウムハイドロサルファイトと、任意で必要に応じて水素化ホウ素ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびキラントとの相乗的混合物である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
水酸化マグネシウムをナトリウムハイドロサルファイトと、リファイナ中で組み合わせる工程をさらに含み、その後の過酸化物またはハイドロサルファイト漂白後により明るい機械パルプを製造する、請求項14記載の方法。

【公表番号】特表2012−519785(P2012−519785A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554084(P2011−554084)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/026148
【国際公開番号】WO2010/104725
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(507248837)ナルコ カンパニー (91)
【Fターム(参考)】