説明

機械的なファロピーオ管取り付け部を有するファロピーオ管閉塞避妊装置

【課題】ファロピーオ管内避妊装置及び妊娠を防止するためにファロピーオ管内避妊装置を挿入する非外科方法を提供する。
【解決手段】避妊装置10の効能は構造体を少なくとも一部銅又は銅合金で形成することによって高められる。避妊装置10は、螺旋外面を有する弾性構造体のルーメン横断領域24によって、曲げられた二次形状を生成するようにバイアスされた弾性構造体の一部分と一緒に、ファロピーオ管内に固定され、二次形状はファロピーオ管よりも大きい横断面を有する。弾性構造体は真っ直ぐな形態に拘束され、そしてファロピーオ管内に子宮頸部横断して挿入され、ファロピーオ管内で弾性構造体は解放される。任意的に、電流を弾性構造体から卵管壁に通すことによって永久不妊が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には避妊に関し、特に、ファロピーオ管内避妊装置及びそれらの挿入のための非外科的方法に関する。
【背景技術】
【0002】
避妊と永久不妊の両方の安全且つ有効な方法の世界的な要求が存在する。種々の避妊法及び不妊法が利用できるけれども、既存の方法はすべて制限及び欠点を有している。かくして、先進国と途上国の両方で、避妊及び永久不妊のさらなる安全、安価及び信頼できる方法の要望が広く認識されている。
【0003】
今日利用できる多くの避妊方法は著しい使用者の掛かり合いを必要とし、使用者の不承諾は大変高い失敗率をもたらすことになる。バリヤー療法及びホルモン療法を含む既存の避妊の理論的な有効性は良く確立されているけれども、全体の効能を改善するために使用者の不承諾に打ち勝つことは難しい事が分かっている。
【0004】
使用者の不承諾に影響されにくい避妊の1つの形態は子宮内避妊装置である。子宮内避妊装置はより高い信頼度を有することが分かっており、他の市販のほとんどの避妊装置よりも長い期間有効である。不幸にして、子宮内避妊装置も重大な感染合併症と関連する。この理由で、米国内の子宮内避妊装置の使用は劇的に減ってきた。加えて、子宮内避妊装置は予期しない圧搾を受け、過剰な痛みや出血により取り出さなければならず、避妊法としての子宮内避妊装置の受け入れを更に減じている。おもしろいことに、銅製子宮内避妊装置の効能は非金属製子宮内避妊装置の効能よりも高いようである。この理由は完全には説明されていない。
【0005】
永久不妊用の商業的に利用できるものはファロピーオ管結紮及び精管切除を含む。これらの方法は外科であり、元に戻しにくく、世界の多くの人に利用されていない。精子と卵子が出会うファロピーオ管内で受精が起こることは常識である。卵管結紮はファロピーオ管の完全な閉塞によってこれを回避する。
【0006】
例えば、エラストマープラグの生体形成によって、或いは「狭部」と呼ばれるファロピーオ管の最も狭い領域の両側に避妊装置を固定することによってファロピーオ管を可逆的に閉塞することが以前に提案された。このようなファロピーオ管閉塞法は将来有望のように見えるが、今日まで提案された非外科避妊装置の相当に高い割合が以前の試作中移動するようになった。ファロピーオ管内非外科避妊装置がその場にとどまっていたとしても、ファロピーオ管内非外科避妊装置は妊娠を防ぐ上においてほんの僅か有効であるに過ぎないことがわかった。
【0007】
これらの理由で、避妊及び不妊に有効な信頼できるファロピーオ管内避妊装置を提供することが望ましい。入れるのに手術を必要としない極めて有効なファロピーオ管内避妊装置を提供することが特に望ましい。このような避妊具及び避妊方法が避妊具の入れやすさを可能にし、しかも以前に提案されたファロピーオ管内非外科避妊装置よりも移動しやすくなければ特に望ましい。
【0008】
関連技術の説明
ステンレス鋼のファロピーオ管内避妊装置の実験的な使用が、非特許文献1のカテーテル横断卵管不妊に記載されている。ファロピーオ管内避妊装置として電解的に純粋な銅線をラットに実験的に使用したことが、非引用文献2に記載されている。
【0009】
特許文献1はファロピーオ管を塞ぐための子宮内スクリュープラグを開示する。特許文献2は卵管内に入れるための避妊装置を開示し、この具は、いずれかの端にこれを固定する拡大部を有する。同じ具が特許文献3に開示されているようである。
【0010】
卵管閉塞装置の使用は、非特許文献3に記載されている。成形入れ込み式エラストマー卵管閉塞装置が特許文献4に記載されている。特許文献5は生物学的管を可逆的に閉塞するための方法及び装置を記載する。特許文献6はファロピーオ管の口を密封する子宮内避妊具を記載する。
【0011】
特許文献7は体液と接触しているとき膨潤する具で身体の管をプラグで塞ぐための装置を説明する。
【0012】
その全開示をここに援用する。別の避妊具が特許文献8に開示されている。その全開示をここに援用する。
【0013】
【特許文献1】英国特許出願公告第2,211,095号
【特許文献2】欧州特許出願公告第0,010,812号
【特許文献3】オランダ特許第7,810,696号
【特許文献4】米国特許第3,805,767号
【特許文献5】米国特許第5,065,751号
【特許文献6】米国特許第4,612,924号
【特許文献7】ドイツ特許第28 03 685号
【特許文献8】米国特許出願第08/474,799号
【非特許文献1】ラビット、ペニー エル.ロス、RT95「研究放射線学」570乃至573頁(1994年)
【非特許文献2】実験生物学の14インディアン ジャーナル 316乃至319頁(1976年5月)ディ.エヌ.グプタ「ファロピーオ管内銅避妊装置の避妊効果」
【非特許文献3】生殖医学のジャーナル65乃至68頁(1979年8月)ロバート エイ.エルブ,ピーエッチ.ディ.等の「成形入れ込み式シリコンゴムプラグで塞がれた子宮鏡卵管」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は妊娠を防止するファロピーオ管内避妊装置及び該ファロピーオ管内避妊装置を入れる方法を提供する。本発明のファロピーオ管内避妊装置は手術の必要なしに、或いは子宮内避妊装置と関連した大量の出血、痛み及び感染の危険なしに、子宮頸部横断して挿入され、ファロピーオ管内に機械的に固定されて長期の避妊、又は永久不妊を行う。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のファロピーオ管内避妊装置は一般的には、螺旋外面をもったルーメン横断領域を有する構造体からなる。螺旋面は拡大二次形状を形成するようにバイアスされ、構造体の弾性部分によって、好ましくは、遠位アンカーループ及び近位アンカーループを形成して、機械的に固定される。アンカーループは螺旋外面を位置からはずれて回転するのを防止するのを助け、且つまたファロピーオ管内での軸線方向運動を直接止めるのを助ける。
【0016】
本発明のファロピーオ管内避妊装置において銅の使用は避妊法としてその効能を改善する。しかしながら、塑性変形可能な材料で形成された避妊装置はファロピーオ管内で容易に拘束されない。明らかに、ファロピーオ管の実際の形状及び寸法の大きな変化は、予備成形された変形可能なファロピーオ管内避妊装置の信頼できる固定を行わない。従って、本発明のファロピーオ管内避妊装置は銅合金、又は銅メッキを含み、理想的には少なくとも75%の銅を含む合金からなる弾性構造体、通常は金属コイルを有する。コイル材料は典型的には、ベリリウム、錫、ステンレス鋼、プラチナ、ニチノールのような形状記憶合金等を含む。好ましくは、コイルはベリリウムと銅の合金で構成される。本発明による避妊装置は一般的には閉塞を行うけれども、この避妊装置は精子と卵子の出会いを防止するのにファロピーオ管を完全に閉塞する必要はない。その代わり、弾性構造体における銅の存在は効果的な避妊を行うのに充分である。
【0017】
都合が良いことに、本発明は子宮頸部横断導入によってファロピーオ管内避妊装置を非外科的に入れることを更に含む。弾性構造体は例えば、コアワイヤの使用によって、真っ直ぐな形態に拘束でき、導入を大変容易にし且つその危険を減ずる。かくして、既存の避妊手術及び不妊手術と関連したコスト及び危険を回避する。
【0018】
第1の観点では、本発明によるファロピーオ管内避妊具は近位アンカー、遠位アンカー、及びアンカー間に延びるルーメン横断領域を有する。ルーメン横断領域は螺旋外面及び、近位アンカー及び遠位アンカーの外径よりも小さい外径を有する。
【0019】
好ましくは、ルーメン横断領域は、一般的には、螺旋形状を形成するように外面に巻かれたリボンを有する弾性構造体からなる。固定はリボンのシャープな外縁によって高められる。上記のように、近位アンカー、遠位アンカー、及びルーメン横断領域のうちの少なくとも1つは好ましくは銅からなる。近位アンカー及び遠位アンカーは一般的には拡大二次形状を形成するようにバイアスされた弾性構造体からなり、それによって、避妊装置を子宮頸部横断導入を容易にするように真っ直ぐな形態に拘束させる。
【0020】
他の観点では、本発明によるファロピーオ管内避妊具は近位ループ、遠位ループ、及びループ間の真っ直ぐな中間部分を有する。螺旋リボンが中間部分の少なくとも一部分に巻かれて、ファロピーオ管内に避妊装置を機械的に固定する螺旋面を形成する。
【0021】
本ファロピーオ管内避妊装置のエボンは一般的には、卵管壁にしっかりと係合するに充分突出する。好ましくは、リボンは0.005乃至0.1インチの範囲の幅、0.001乃至0.2インチの範囲の厚さ、及び0.01乃至0.2インチの範囲のピッチを有する。避妊装置の全体の形状は好ましくは導入及び保持を容易にするが内部組織の運動と干渉するに充分大きかったり硬かったりしてはいけない。通常は、避妊装置は弛張状態にあるとき、1.5cm乃至7.5cmの範囲の長さを有し、遠位ループ及び近位ループは少なくとも3mmの外径を有する。好ましくは、一次コイルは0.2mm乃至5mmの範囲の外径を有する。
【0022】
他の観点では、本発明によるファロピーオ管内避妊具を入れ込む装置は近位ループ、遠位ループ、及びループ間の真っ直ぐな中間部分を有する。加えて、ルーメンは近位ループの近位端から遠位ループの遠位端近くまで延びる。螺旋リボンが中間部分の少なくとも一部分に巻かれて、ファロピーオ管内に避妊装置を機械的に固定する螺旋面を形成する。コアワイヤが一次コイルのルーメン内に取り出し可能に配置される。コアワイヤは一次コイルを真っ直ぐな形態に拘束し、子宮頸部横断導入を容易にする。任意として、コアワイヤは一次コイルによって受け入れられる。変形例として、リリースカテーテルがコアワイヤ上に一次コイルの近位方向に滑動自在に配置され、コアワイヤがファロピーオ管から近位方向に引き抜かれる間中、一次コイルを拘束する。
【0023】
螺旋リボンは遠位ループ及び近位ループによってファロピーオ管内に固定される。リボンは卵管壁にセットされ、避妊装置はコアワイヤにトルクを加えることによってコアワイヤ上に真っ直ぐな形態に拘束される。遠位アンカーは一般的には膨大部、即ち狭部の遠位部に差し込まれ、近位アンカーは口内に置かれる。これらのアンカーは避妊装置の回転を防止し、且つまた軸線方向の移動を回避するのを助ける。
【0024】
他の観点では、本発明の原理によるファロピーオ管内避妊法は避妊弾性構造体をコアワイヤ上に真っ直ぐな形態に拘束することを含み、弾性構造体は螺旋外面を有するルーメン横断領域を有する。螺旋構造体はファロピーオ管のターゲット領域、典型的には口の領域に子宮頸部横断して導入され、コアワイヤは弾性構造体から引き抜かれる。弾性構造体はファロピーオ管内に機械的に固定され、弾性構造体の一部分は断面がファロピーオ管よりも大きい拡大二次形状を呈する。任意的に、電流を弾性構造体を通してファロピーオ管に付与し、それによって、永久不妊を行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は永久避妊手段と可逆的な避妊手段の両方として択一的に使用することができるファロピーオ管内避妊装置を含む。本避妊方法及び避妊装置は先行技術の避妊技術の効能を制限していた不使用の危険を最小にする。その上、ファロピーオ管内に本避妊装置を入れることは、子宮内避妊装置と関連した感染合併症、大量の出血及び骨盤の痛みの危険を減らす。本ファロピーオ管内避妊装置の位置及び新規な形状は、予期しない圧搾及び過剰な痛み及び出血による取り出しを受けやすいことがわかっている子宮内避妊装置に比べて著しい利点をもたらす。本発明は銅子宮内避妊装置と関連した有効性の増大の利点を持ち、手術の必要なしに子宮頸部横断して位置決めすることのできる、銅を含む弾性構造体を提供する。
【0026】
本避妊法が一般的にファロピーオ管閉塞法と称される避妊技術群内に含まれるけれども、本発明は必ずしも、妊娠を防ぐのにファロピーオ管を塞ぐことに専ら頼らない。その代わり、避妊は、卵子の運搬、妊娠の過程、及び又は卵子の卵割を遮ることによって行われることは明らかである。銅がこれらの過程で有する影響は完全には理解されないけれども、銅製ファロピーオ管内避妊装置が他の材料で形成されたファロピーオ管内避妊装置よりも潜在的に著しい有効性の増大をもたらす。任意的には、本発明はファロピーオ管内の組織の成長を促進して卵管閉塞を誘発し、妊娠を更に抑制する避妊装置を更に含む。
【0027】
都合良いことに、本弾性構造体はコアワイヤ上に解放自在に固定されるようになっており、コアワイヤは弾性構造体を真っ直ぐな形態に拘束する。弾性構造体が、真っ直ぐな形態にあるとき、ファロピーオ管の内径よりも小さい外径を有するから、本ファロピーオ管内避妊装置を収容するカテーテルは子宮頸部横断して容易に導入される。
【0028】
本避妊装置はファロピーオ管の狭部内に固定され、避妊装置の意図しない圧搾を解消し、その結果、避妊法の失敗を解消する。このようなファロピーオ管内避妊装置の圧搾は容易に位置決めされるファロピーオ管内避妊技術の効能を制限する単一の最大のファクターであった。本ファロピーオ管内避妊装置は一般的には、二次形状に予備形成された細長い弾性構造体である。これらの二次形状は好ましくはファロピーオ管の最も狭い部分の近位方向及び遠位方向にアンカーを形成する。二次形状は狭部の内径よれも大きい外径を有していなければならない。
【0029】
本避妊装置は一般的には弾性構造体を近位端近くで係蹄し、弾性構造体に近位方向に引っ張りを加え、それによって、弾性構造体を真っ直ぐにし、弾性構造体をファロピーオ管を傷つけることなく引きだすことによって容易に取り出される。変形例として、避妊装置がファロピーオ管内に位置決めされた後、電流を避妊装置に加えて永久不妊を行う。
【0030】
今、図1を参照すると、本ファロピーオ管内避妊装置10の第1実施形態は弾性一次コイル12で形成される。一次コイル12は近位端14及び遠位端16を有し、遠位端は端キャップ18を有する。一次コイル12は更に3つの部分、即ち近位アンカー部分20、遠位アンカー部分22、及びルーメン横断領域24を有する。近位アンカー20及び遠位アンカー22は下記のように、アンカーループ26を形成するようにバイアスされている。
【0031】
ルーメン横断領域24は一次コイル12の実質的に真っ直ぐな部分からなる。リボン28が一次コイル12の外面に巻かれて螺旋形状を作る。リボン28はシャープな外縁29を有し、これは、トルクがファロピーオ管内避妊装置10に加えられたときファロピーオ管壁にルーメン横断領域24をしっかりと固定する。リボンは好ましくは、高強度の生物適合性金属、理想的にはステンレス鋼で形成される。リボンは半田、熱収縮管等で形成される近位接合部30及び遠位接合部32で一次コイル12に取り付けられる。
【0032】
今、図2を参照すると、一次コイル12は、好ましくは、0.005乃至0.05インチの範囲の外径を有し、且つ20mm乃至150mmの範囲の長さを有する円筒形コイル又はスプリングとして真っ直ぐな形態に最も容易に形成される。理想的には、一次コイル12は0.01インチ乃至0.05インチの範囲の外径及び30mm乃至125mmの範囲の長さを有する。
【0033】
好ましくは、一次コイル12はベリリウム銅合金製ワイヤで形成される。ベリリウム銅は避妊装置の圧搾を回避するのに必要な弾力性をもたらし、且つまたファロピーオ管内避妊装置の高い有効性をもたらす。このようなベリリウム銅性ワイヤは典型的には、0.002インチ乃至0.01インチの直径を有する。銅製避妊装置の高い効能をもたらすためには、一次コイル12は好ましくは75%の銅を含む合金からなる。変形例として、一次コイル12はステンレス鋼、プラチナ、形状記憶合金等のような弾性金属で形成される。このような材料が使用されるならば、一次コイル12を好ましくは銅又は銅合金でメッキし、さもなければ、それに銅を取り付ける。
【0034】
一次コイル12はボディ巻線42及びねじ巻線44を有する。ボディ巻線42は一次コイル12の剛さを増すために可能な最小ピッチで形成される。ねじ巻線44は典型的には近位端14に隣接して0.1cm乃至2cmからなり、ボディ巻線42のピッチのほぼ2倍のピッチを有する。
【0035】
今、図3を参照すると、近位アンカー及び遠位アンカーは一次コイル12の選択された部分に曲げ二次形状を付けることによって形成される。二次形状は好ましくは、一次コイル12を曲げ、一次コイルを曲げながら一次コイルを熱処理することによって形成されたループ26を有する。正弦波曲線、交互のループ、又は米国特許出願第08/474,779号にもっと完全に説明されているように「フラワーコイル」を形成するように真っ直ぐな部分によって分離されたループを含む、種々の二次形状を使用しても良い。すべての場合に、曲げ二次形状は効果的な固定をもたらすためにファロピーオ管よりも大きい外横断面46をもつべきである。
【0036】
今、図4を参照すると、ファロピーオ管内避妊装置10(図1)用のコアワイヤ50は遠位端54に向かってテーパした弾性ワイヤ52を有する。ワイヤ52はファロピーオ管内避妊装置10を真っ直ぐな形態に拘束するのに充分剛く、典型的には、ステンレス鋼、プラチナ等からなる。コイルの短い部分はねじ接合部 58に取り付けられたコアワイヤねじ56を形成する。ねじ56は一次コイル 12のねじ巻線44の巻き及びピッチと合う。
【0037】
今、図5を参照すると、ファロピーオ管内避妊システム60はファロピーオ管内避妊装置10のルーメン内に挿入されたコアワイヤ50を有する。ファロピーオ管内避妊装置10はねじ巻線44とねじ56との係合によって解放自在に取り付けられる。かくして、ファロピーオ管内避妊装置10が適所にあるとき、コアワイヤ50の近位端にトルクを加えることによってファロピーオ管内避妊装置10が係合から外される。
【0038】
今、図6を参照すると、本ファロピーオ管内避妊装置の変形実施形態は再び近位端114及び遠位端116を有する弾性一次コイル112で形成される。近位端は摩擦取り付け部115を有する。近位コイル112は再び3つの部分、即ち近位アンカー120、遠位アンカー122、及びルーメン横断領域124を有する。近位アンカー120及び遠位アンカー122は向かい合ったアンカーループ26を形成するようにバイアスされ、それによって、近位アンカー及び遠位アンカーの弛張した全体の横断面を増す。リボン128が一次コイル112の外面に巻かれて上記のように螺旋形状を作る。
【0039】
今、図7を参照すると、一次コイル112は均一なボディ巻線142を有する。二次形状が向かい合ったループ126として、或いは変形例として、フラワーコイルの多コイルとして真っ直ぐな円筒形コイルに付けられる。
【0040】
今図8を参照すると、変形例のファロピーオ管内避妊装置100を使用するファロピーオ管内避妊システムは遠位端154に向かってテーパしたコアワイヤ152を有する。摩擦取り付け部115がコアワイヤ152にぴったりと係合し、コアワイヤは一次コイル112を真っ直ぐな形態に拘束する。リリースカテーテル164がコアワイヤ152に、ファロピーオ管内避妊装置100の近位方向に滑動自在に配置され、コアワイヤ152をリリースカテーテルに対して引き抜くことによって避妊装置を解放する。
【0041】
本ファロピーオ管内避妊装置の使用法を図9及び図10を参照して説明する。子宮内導入器カニューレ70を子宮72を通して狭部74の領域まで子宮頸部横断して差し込む。変形例として、子宮鏡をカニューレ70の代わりに使用しても良い。
【0042】
ファロピーオ管内避妊装システム60を導入器カニューレ70の遠位方向に前進させ、好ましくは、ファロピーオ管内避妊装置10が狭部の遠位方向に延びるまで、ファロピーオ管の中を移動させる。任意的に、ファロピーオ管避妊システム60は自己で案内され、コアワイヤ52は遠位端54の近くで曲げられてルーメン内操作を助ける。変形例として、ガイドワイヤ及びカテーテルをファロピーオ管の中へ先ず前進させ、ガイドワイヤをファロピーオ管内避妊システム60で置き替える。いずれの場合にも、ファロピーオ管内避妊装置はルーメン横断領域24を狭部80に隣接したターゲット領域内にして軸線方向に位置決めする。好ましくは、遠位アンカー22の少なくとも1つのループはターゲット領域の遠位であり、近位アンカーの少なくとも1つのループがターゲット領域84の近位であって、遠位アンカー曲がり及び近位アンカー曲がりを形成する。
【0043】
いったんファロピーオ管内避妊装置が適切に位置決めされたならば、コアワイヤ50にトルクを加えてリボン28を卵管壁にセットする。次いで、コアワイヤを反対方向に回転させ、ねじ56をねじ巻線44から係合を外すことによって、コアワイヤをファロピーオ管内避妊装置10から引き出す。すると、コアワイヤは近位方向に自由に滑動し、一次コイルを解放する。一次コイルの遠位端が解放されると、遠位アンカー曲がり90が形成される。同様に、近位ループは近位アンカー曲がり92を形成する。アンカー曲がりは避妊装置をファロピーオ管内に軸線方向に拘束するのを助け、且つまたルーメン横断領域24の螺旋形状の周りに回転するのを防止する。図10でわかるように、ループは効果的に遠位アンカー又は近位アンカーを作るのに弛張状態を取る必要はない。
【0044】
本発明は更に、コアワイヤを引き出す前に、コアワイヤをとおしてファロピーオ管内避妊装置に電流を通すことによる永久不妊を含む。ファロピーオ管内避妊装置と接触したファロピーオ管組織が成長し、かくして、本ファロピーオ管内避妊装置に取り付けられる。この作用はまた永久的な卵管損傷を引き起し、ファロピーオ管内避妊装置を取り囲む傷跡組織の形成に至り、ルーメンの永久閉塞を引き起こす。明らかに、コアワイヤ/一次コイルの界面は永久不妊の本非外科方法を可能にするために導通しなければならない。
【0045】
結論として、本装置は手術しないで位置決めすることができるファロピーオ管内避妊装置を提供する。上記の説明は本発明の好ましい実施形態の完全な説明ではあるけれども、種々の変更、修正及び均等を使用してもよい。例えば、オープンループ、連続曲がり、正弦波曲線等を含む種々の二次形状を一次コイルに付けても良い。従って、上記の説明は、専ら添付の請求の範囲によって定められる発明の範囲を制限するものとすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によるファロピーオ管内避妊装置の第1実施形態を示す。
【図2】図1のファロピーオ管内避妊装置に使用される一次コイルを示す。
【図3】図1のファロピーオ管内避妊装置に使用されるような一次コイルに付けられた二次コイルを示す。
【図4】図1のファロピーオ管内避妊装置用のコアワイヤを示す。
【図5】図1のファロピーオ管内避妊装置を有する避妊挿入装置の断面図である。
【図6】本ファロピーオ管内避妊装置の変形実施形態を示す。
【図7】図6のファロピーオ管内避妊装置に使用される一次コイルを示す。
【図8】図6のファロピーオ管内避妊装置を含む避妊挿入装置を概略的に示す。
【図9】本発明によるファロピーオ管内避妊装置の挿入方法を示す。
【図10】本発明によるファロピーオ管内避妊装置の挿入方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
具の横断導入用のファロピーオ管内デリバリーシステムであって、
細長いボディ及び組織損傷エネルギーを伝えるためのシャフトを有する第1部分と、
前記細長いボディに取り外し自在に連結された第2部分と、を有し、前記第2部分はファロピーオ管内に嵌まるように寸法決めされ、且つ前記ファロピーオ管内に永久に残すために前記細長いボディから取り外しでき、前記組織損傷エネルギーは、前記ファロピーオ管内に、前記第2部分に付着する傷跡形成部を生じさせる、ファロピーオ管内供給システム。
【請求項2】
前記組織損傷エネルギーは電気エネルギーからなり、前記シャフトは電流を伝える、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項3】
前記第2部分は弾性であり,且つ固定力を前記ファロピーオ管に及ぼす、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項4】
前記シャフトは前記細長いボディのルーメン内に配置される、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項5】
前記組織損傷エネルギーは、前記第2部分が前記細長いボディから取り外される前に伝えられる、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項6】
前記第2部分は、取り外される前第1形態を有し、取り外された後第2形態を有する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項7】
前記第1形態は、前記ファロピーオ管の内径よりも小さい外径を有する、請求項6に記載のデリバリーシステム。
【請求項8】
前記第2部分はポリマー材料からなる、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項9】
前記細長いボディを挿入する導入器を更に有する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項10】
前記第2部分は前記傷跡形成部に付着する面を有する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
【請求項11】
ファロピーオ管内具の横断導入のためのファロピーオ管内カテーテルシステムであって、
電気エネルギーを伝えるためのシャフトを有する細長いボディと、
前記細長いボディに取り外し自在に連結された取り外し可能なボディと、を有し、前記取り外し可能なボディは、ファロピーオ管内に嵌まるように寸法決めされ、且つ前記ファロピーオ管内に永久に残すために前記細長いボディから取り外しでき、前記電気エネルギーは、前記ファロピーオ管内に、前記取り外し可能なボディを包み込む傷跡形成部を生じさせる、ファロピーオ管内カテーテルシステム。
【請求項12】
前記取り外し可能なボディは弾性であり,且つ固定力を前記ファロピーオ管に及ぼす、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記シャフトは前記細長いボディのルーメン内に配置される、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記電気エネルギーは、前記取り外し可能なボディが前記細長いボディから取り外される前に伝えられる、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記取り外し可能なボディは、取り外される前第1形態を有し、取り外された後第2形態を有する、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記第1形態は、前記ファロピーオ管の内径よりも小さい外径を有する、請求項15に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記取り外し可能な部分はポリマー材料からなる、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記細長いボディを挿入する導入器を更に有する、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記取り外し可能な部分は前記傷跡形成部に付着する面を有する、請求項11に記載のカテーテルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−314810(P2006−314810A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185919(P2006−185919)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【分割の表示】特願平9−500680の分割
【原出願日】平成8年5月21日(1996.5.21)
【出願人】(500132063)コンセプタス インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】