説明

止水材

【課題】相対的に上下動する橋桁部間の目地への浸水を防ぐ機能を有するとともに、ゴミがたまりにくく視認性が高い止水材を提供する。
【解決手段】止水材14は、長手方向に直交する断面が略一定となるよう可撓性を有する部材により一体形成されているとともに、第1の中央分離帯21の第1の外側面22に固定される平板状の背部40と、第1の外側面22から離れるように背部40の下端から斜め下方に延びる平板状の上方傾斜部41と、第1の外側面22に近づくように上方傾斜部41の下端から斜め下方に延びる平板状の下方傾斜部43と、第1の外側面22から離れるように下方傾斜部43の下端から第2の中央分離帯31の第2の上面33に沿って延びる座部44とを備え、上方傾斜部41よりも下方傾斜部43の方が屈曲しやすいように形成されているとともに、背部40と座部44との間の山状部は1つである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架道路において相対的に上下動する橋桁部間の目地への浸水を防ぐ止水材に関する。
【背景技術】
【0002】
橋脚間に複数の橋桁部を架け渡すことにより橋や高速道路などの一部を構成する高架道路では、車両通行方向に直交する幅方向の一方の縁部に、車両通行方向に沿って中央分離帯を形成し、各中央分離帯が隣接するように2つの橋桁部を設置することがある。2つの橋桁部を隣接させると橋桁部間にわずかな隙間である目地が形成され、目地に雨水などが入り込むと橋桁部の下方に水が漏れる弊害が生じる。そのため、目地を塞ぐ止水手段が必要となる。
【0003】
ところが、目地を形成する中央分離帯の形状は一定ではない。例えば、高架道路によっては、一方の橋桁部の中央分離帯のみを大きく形成し、他方の橋桁部の中央分離帯を小さく形成することがある。この場合、一方の中央分離帯の略垂直な外側面が、他方の中央分離帯の略水平な上面の上方に露出する。このようなL字状に配置された一方の中央分離帯の外側面と他方の中央分離帯の上面との間の目地を塞ぐためには、2つの中央分離帯の高さが同じである場合とは異なる止水手段を採用する必要がある。特に、止水手段が一方の橋桁部の路面から視認されやすくなるため、運転手の視線を車両通行方向に誘導して車両の安全な走行を実現する必要がある。
【0004】
例えば、高架道路ではないが特許文献1では、隣接する建築物間に設けた目地部を覆うエキスパンションジョイントカバーにおいて、表面と裏面の少なくとも一方に長さ方向に連続する凹部を形成したほぼ一定厚さの板材からなる金属製カバー板と、このカバー板の幅方向両側を前記両建築物にそれぞれ固定する固定部材とを備えることを特徴とするエキスパンションジョイントカバーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−284271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のエキスパンションジョイントカバーは建物の変位を吸収することのみを対象としている。建物の変位は、一過的に発生したり、長期にわたってゆっくり発生するものであるため、特許文献1では高架道路のように連続して変位することは考慮されていない。特許文献1のように単にじゃばら状の金属板で形成された止水手段は、高架道路のように連続して振動する状況において中央分離帯に衝突して破損したり、運転手に見えやすい部分が必要以上に変形又は振動して運転手の視線が乱されたり、ゴミがたまって汚れが持続したりするという問題を抱えている。特に、運転手の視線が乱されると安全な運転に支障が生じる虞がある。
【0007】
本発明は、相対的に上下動する橋桁部間の目地への浸水を防ぐことができるとともに、橋桁部間の相対的な振動を吸収しながら、ゴミの溜まりや視線を乱すような振動が発生しにくく安定して視認することができる止水材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の止水材は高架道路に取り付けるよう構成されている。本発明の第1の止水材を取り付ける高架道路は、車両通行方向に沿って形成された第1の中央分離帯を有する第1の橋桁部と、車両通行方向に沿って形成された第2の中央分離帯を有する第2の橋桁部とを備え、第1の中央分離帯の第1の外側面と第2の中央分離帯の第2の外側面とが対向しているとともに第2の外側面に交わる第2の中央分離帯の上面より上方に第1の外側面の一部が位置しているように構成されている。本発明の第1の止水材は、長手方向に直交する断面が略一定となるよう可撓性を有する部材により長尺に一体形成されているとともに、長手方向に沿った第1の一端部と長手方向に沿った第1の他端部との間に広がる平板状の背部と、長手方向に沿った第2の一端部と長手方向に沿った第2の他端部との間に広がる平板状に形成された上方傾斜部と、長手方向に沿った第3の一端部と長手方向に沿った第3の他端部との間に広がる平板状に形成された下方傾斜部と、長手方向に沿った第4の一端部と長手方向に沿った第4の他端部との間に広がる平板状に形成された座部と、第1の他端部と第2の一端部とを接続するように背部及び上方傾斜部とともに一体形成された上方関節部と、第2の他端部と第3の一端部とを接続するように上方傾斜部及び下方傾斜部とともに一体形成された中央関節部と、第3の他端部と第4の一端部とを接続するように下方傾斜部及び座部とともに一体形成された下方関節部と、を備え、第1の外側面に背部を固定したとき、長手方向に直交するとともに第1の外側面に沿う方向において中央関節部が上方関節部と下方関節部との間に位置するとともに、第1の外側面と下方関節部との最短距離が第1の外側面と中央関節部との最短距離よりも短くなるように、上方関節部、中央関節部及び下方関節部が配置され、上方傾斜部よりも下方傾斜部の方が屈曲しやすいように形成されているとともに、背部と座部との間において第1の中央分離帯から第2の中央分離帯に向かって突出した山状部が1つであることを特徴とする。
【0009】
第1の止水材によれば、第1の中央分離帯と第2の中央分離帯との間の目地に雨水等の水が入り込むことを防止しながら、第1の橋桁部と第2の橋桁部とが相対的に上下に動いても止水効果を維持することができる。特に、下方傾斜部が上方傾斜部に比べて大きく変形するように形成されているため、止水材が所定量圧縮又は伸長するまで上方傾斜部の傾斜角度及び平面度をほぼ一定に維持することができる。上方傾斜部の傾斜角度及び平面度は、止水材が所定量圧縮又は伸長するまでほとんど変化しないことから、第2の橋桁部を通行する運転手の視線を車両通行方向に誘導する上方傾斜部の機能を維持して交通の安全を高めることができるとともに、上方傾斜部の上面に土砂、ゴミ及び汚れが溜まりにくくなり運転手からの視認性を維持することができる。更に、第2の橋桁部側に突出する山形状を1つとすることにより、上下方向に複数の山形状を形成する場合に比較して山形状が揺らぐといった不安定さを無くすことができ、運転手が視認しやすくなる。更に、従来のように第1の中央分離帯に固定したゴムシートを第2の中央分離帯に垂らして目地を覆う場合には、第1の橋桁部と第2の橋桁部とが相対的に上下に動いたときに目地が露出しないように余裕をもって第1の中央分離帯から第2の中央分離帯の広い面をゴムシートで覆っておく必要がある。一方、本発明の第1の止水材によれば、座部を第2の中央分離帯の上面内に収めることができるため従来よりも設置範囲を小さくすることができる。更に、背部と座部との間の山状部を1つとすることにより、複数の山状部を形成する場合に比較して形状が変化しにくくゴミがたまりにくいので、上方傾斜部の視認性を維持することができる。
【0010】
本発明の第2の止水材は、本発明の第1の止水材において、上方傾斜部が下方傾斜部より厚く形成されていることを特徴とする。
【0011】
第2の止水材によれば、上方傾斜部と下方傾斜部との材質を同じにしたまま、上方傾斜部よりも下方傾斜部の方を屈曲しやすくすることができるため、異なる材質で形成する場合に比較して一体形成しやすく製造が容易となる。
【0012】
本発明の第3の止水材は、本発明の第1の止水材又は第2の止水材において、上方関節部は、背部の一の面と上方傾斜部の一の面とを接続する上方内周曲面を有し、中央関節部は、上方傾斜部の他の面と下方傾斜部の一の面とを接続する中央内周曲面を有し、下方関節部は、下方傾斜部の他の面と座部の一の面とを接続する下方内周曲面を有し、断面内で見た時、上方内周曲面を構成する円弧の曲率半径を表す上方曲率半径は、中央内周曲面を構成する円弧の曲率半径を表す中央曲率半径より大きく、断面内で見た時、中央曲率半径は、下方内周曲面を構成する円弧の曲率半径を表す下方曲率半径より大きいことを特徴とする。
【0013】
第3の止水材によれば、下部曲率半径より中央曲率半径の方が大きく、中央曲率半径より上方曲率半径の方が大きくなるように形成されているため、上方関節部よりも中央関節部の方が屈曲しやすくなるとともに中央関節部よりも下方関節部の方が屈曲しやすくなり、上方傾斜部の傾斜角度及び平面度を更に維持しやすくすることができる。なお、中央関節部は、長手方向に直交する断面を見た時に、複数の円弧の間に直線が配置された内周曲面及び外周曲面を含むものであってもよい。
【0014】
本発明の第4の止水材は、本発明の第3の止水材において、下方関節部は、第1の外側面と第2の外側面との間の目地の上方に位置しているとともに第1の外側面から離れていることを特徴とする。
【0015】
第4の止水材によれば、止水材が上下方向に圧縮されたときに下方関節部が目地に沈み込み、下方傾斜部がそのまま下方に移動するので、上方傾斜部の傾斜角度及び平面度を更に維持しやすくすることができる。更に、下方関節部を第1の外側面から離すことにより止水材が第1の外側面に衝突して破損することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の止水材によれば、相対的に上下動する橋桁部間の目地への浸水を防ぐことができるとともに、橋桁部間の相対的な振動を吸収しながら、ゴミの溜まりや視線を乱すような振動が発生しにくく安定して視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、一実施形態の高架道路の部分斜視図である。
【図2】図2は、図1の止水材の断面図である。
【図3】図3(a)は、図2の止水材の正面図であり、図3(b)は、接続前の止水材のE−E断面図であり、図3(c)は、接続後の止水材のE−E断面図である。
【図4】図4は、図1の止水材付近における高架道路の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態の高架道路1の部分斜視図である。図1では、高架道路1の一部を構成する第1の橋脚10及び第2の橋脚11と、第1の橋脚10と第2の橋脚11との間に架け渡された第1の橋桁部12及び第2の橋桁部13と、複数の止水材14とを概略的に図示している。
【0019】
第1の橋桁部12の第1の路面20には車両通行方向に直交する幅方向の一方の縁部に、第1の中央分離帯21が形成されている。第1の中央分離帯21は、第1の橋桁部12の第1の路面20から上方に盛り上がるように形成され、車両通行方向に直交する断面が略一定となるように車両通行方向に沿って延びている。第1の中央分離帯21の幅方向外側の第1の外側面22は、車両通行方向及び上下方向に沿って形成され、第1の中央分離帯21の上端部において上方に露出した第1の上面23は略水平となるように形成されている。なお、第1の外側面22の全体又は一部は、上下方向に対して若干傾いていてもよい。
【0020】
第2の橋桁部13の第2の路面30には車両通行方向に直交する幅方向の一方の縁部に、第2の中央分離帯31が形成されている。第2の中央分離帯31は、第2の橋桁部13の第2の路面30から上方に盛り上がるように形成され、車両通行方向に直交する断面が略一定となるように車両通行方向に沿って延びている。第2の中央分離帯31の幅方向外側の第2の外側面32は車両通行方向及び上下方向に沿って形成され、第2の中央分離帯31の第2の上面33は略水平となるように形成されている。第2の中央分離帯31は第1の中央分離帯21よりも小さく形成されており、第1の路面20と第2の路面30とを同じ高さに配置したとき第2の上面33の方が第1の上面23よりも低い位置に配置される。なお、第2の上面33の高さは第2の路面30と同じであってもよい。第2の外側面32の全体又は一部は、上下方向に対して若干傾いていてもよいが、第1の外側面22と平行であることが好ましい。
【0021】
第1の橋桁部12及び第2の橋桁部13は、第1の中央分離帯21の第1の外側面22と第2の中央分離帯31の第2の外側面32とが近接するように、共に第1の橋脚10と第2の橋脚11とを結ぶ方向に車両通行方向を向けるように設置されている。第2の中央分離帯31の第2の上面33は第1の中央分離帯21の第1の上面23よりも低い位置に配置されているため、第1の外側面22の一部が第2の外側面32及び第2の上面33の上方に位置している。なお、本実施形態の第1の外側面22及び第2の上面33はコンクリートにより形成されている。
【0022】
各止水材14は長尺形状を有しており、長手方向を車両通行方向に沿わせて第1の外側面22と第2の上面33とに固定されている。複数の止水材14は、車両通行方向に線状に並べて配置されている。
【0023】
図2は、長手方向に直交する平面で切断された止水材14の断面図である。以下、図2の紙面上下方向を止水材14の上下方向とし、紙面左右方向を止水材14の左右方向として説明する。
【0024】
止水材14は、背部40、上方傾斜部41、頂部42、下方傾斜部43、座部44及び第1の関節部51〜第4の関節部54により一体的に構成されている。図2では構成要素間の境界を2点破線で描いているが、実際に止水材14を形成する構成要素に明確な境界があるわけではない。
【0025】
背部40、上方傾斜部41、頂部42、下方傾斜部43及び座部44は、それぞれ、平面状の板形状に形成されている。以下、背部40、上方傾斜部41、頂部42、下方傾斜部43及び座部44の各構成要素の厚み方向中央を通り厚み方向に直交する平面を、それぞれ、各構成要素を規定する平面と称して説明する。
【0026】
背部40を規定する平面は、長手方向及び上下方向に沿うよう配置されている。背部40は、長手方向に沿う一端部40aから、一端部40aより下方に位置して長手方向に沿う他端部40bまで、長方形状に広がった表面40cと長方形状に広がった裏面40dとを有している。
【0027】
上方傾斜部41を規定する平面は、背部40を規定する平面に対して傾斜するように長手方向に沿って配置されている。上方傾斜部41を規定する平面と背部40を規定する平面とがなす小さい方の角Aは鈍角である。上方傾斜部41は、長手方向に沿う一端部41aから、一端部41aより下方に位置して長手方向に沿う他端部41bまで、長方形状に広がった表面41cと長方形状に広がった裏面41dとを有している。
【0028】
頂部42を規定する平面は、背部40を規定する平面と平行に配置されている。頂部42を規定する平面と上方傾斜部41を規定する平面とがなす小さい方の角Bは鈍角である。頂部42は、長手方向に沿う一端部42aから、一端部42aより下方に位置して長手方向に沿う他端部42bまで、長方形状に広がった表面42cと長方形状に広がった裏面42dとを有している。
【0029】
下方傾斜部43を規定する平面は、頂部42を規定する平面に対して傾斜するように長手方向に沿って配置されている。下方傾斜部43を規定する平面と頂部42を規定する平面とがなす小さい方の角Cは鈍角である。下方傾斜部43は、長手方向に沿う一端部43aから、一端部43aより下方に位置して長手方向に沿う他端部43bまで、長方形状に広がった表面43cと長方形状に広がった裏面43dとを有している。
【0030】
座部44を規定する平面は、背部40を規定する平面に対して直交するように長手方向に沿って配置されている。座部44を規定する平面と下方傾斜部43を規定する平面とがなす小さい方の角Dは鋭角である。座部44は、長手方向に沿う一端部44aから、一端部44aより下方に位置して長手方向に沿う他端部44bまで、長方形状に広がった表面44cと長方形状に広がった裏面44dとを有している。
【0031】
上方傾斜部41は、下方傾斜部43よりも厚く形成されている。本実施形態では、背部40の厚さは上方傾斜部41の厚さにほぼ一致し、頂部42及び座部44の厚さは下方傾斜部43の厚さにほぼ一致している。本実施形態では、背部40及び上方傾斜部41の厚さは4mmに形成され、頂部42、下方傾斜部43及び座部44の厚さは3mmに形成されている。背部40を規定する平面と頂部42を規定する平面との最短距離は45mmである。
【0032】
上方傾斜部41は着色されており、第2の橋桁部13を走行する車両の運転手に対して視線を誘導する機能を発揮する。なお、止水材14の上方傾斜部41以外の構成要素を着色してもよく、色分けを施してもよい。
【0033】
第1の関節部51より下方に第2の関節部52が位置し、第2の関節部52より下方に第3の関節部53が位置し、第3の関節部53より下方に第4の関節部54が位置する。第2の関節部52、第3の関節部53及び第4の関節部54は、背部40を規定する平面に対して同じ側に位置し、第2の関節部52と背部40を規定する平面との距離は、第3の関節部53と背部40を規定する平面との距離に等しい。第4の関節部54は、第2の関節部52及び第3の関節部53よりも背部40を規定する平面に近くなるよう配置されている。
【0034】
第1の関節部51〜第4の関節部54は、それぞれ、円弧状の内周曲面と円弧状の外周曲面との間でなだらかなV字状の経路に沿うように形成されている。
【0035】
第1の関節部51は、背部40の他端部40bと上方傾斜部41の一端部41aとをつないでおり、第1の内周曲面61は、背部40の表面40cと上方傾斜部41の表面41cとをなだらかにつなぎ、第1の外周曲面71は、背部40の裏面40dと上方傾斜部41の裏面41dとをなだらかにつないでいる。
【0036】
第2の関節部52は、上方傾斜部41の他端部41bと頂部42の一端部42aとをつないでおり、第2の内周曲面62は、上方傾斜部41の裏面41dと頂部42の裏面42dとをなだらかにつなぎ、第2の外周曲面72は、上方傾斜部41の表面41cと頂部42の表面42cとをなだらかにつないでいる。
【0037】
第3の関節部53は、頂部42の他端部42bと下方傾斜部43の一端部43aとをなだらかにつないでおり、第3の内周曲面63は、頂部42の裏面42dと下方傾斜部43の裏面43dとをなだらかにつなぎ、第3の外周曲面73は、頂部42の表面42cと下方傾斜部43の表面43cとをなだらかにつないでいる。
【0038】
第4の関節部54は、下方傾斜部43の他端部43bと座部44の一端部43aとをなだらかにつないでおり、第4の内周曲面64は、下方傾斜部43の表面43cと座部44の表面44cとをなだらかにつなぎ、第4の外周曲面74は、下方傾斜部43の裏面43dと座部44の裏面44dとをなだらかにつないでいる。
【0039】
背部40の他端部40bは、背部40の表面40cと第1の内周曲面61との境界と、背部40の裏面40dと第1の外周曲面71との境界とを通る平面により止水材14を切断したときの背部40側の仮想的な断面である。
【0040】
上方傾斜部41の一端部41aは、第1の内周曲面61と上方傾斜部41の表面41cとの境界と、第1の外周曲面71と上方傾斜部41の裏面41dとの境界とを通る平面により止水材14を切断したときの上方傾斜部41側の仮想的な断面である。上方傾斜部41の他端部41bは、上方傾斜部41の表面41cと第2の外周曲面72との境界と、上方傾斜部41の裏面41dと第2の内周曲面62との境界とを通る平面により止水材14を切断した時の上方傾斜部41側の仮想的な断面である。
【0041】
頂部42の一端部42aは、第2の外周曲面72と頂部42の表面42cとの境界と、第2の内周曲面62と頂部42の裏面42dとの境界とを通る平面により止水材14を切断した時の頂部42側の仮想的な断面である。頂部42の他端部42bは、頂部42の表面42cと第3の外周曲面73との境界と、頂部42の裏面42dと第3の内周曲面63との境界とを通る平面により止水材14を切断した時の頂部42側の仮想的な断面である。
【0042】
下方傾斜部43の一端部43aは、第3の内周曲面63と下方傾斜部43の裏面43dとの境界と、第3の外周曲面73と下方傾斜部43の表面43cとの境界とを通る平面により止水材14を切断したときの下方傾斜部43側の仮想的な断面である。下方傾斜部43の他端部43bは、下方傾斜部43の裏面43dと第4の外周曲面74との境界と、下方傾斜部43の表面43cと第4の内周曲面64との境界とを通る平面により止水材14を切断した時の下方傾斜部43側の仮想的な断面である。
【0043】
座部44の一端部44aは、第4の内周曲面64と座部44の表面44cとの境界と、第4の外周曲面74と座部44の裏面44dとの境界とを通る平面により止水材14を切断したときの座部44側の仮想的な断面である。
【0044】
第1の内周曲面61の曲率半径は、第2の内周曲面62の曲率半径及び第3の内周曲面63の曲率半径よりも大きくなるように形成されており、第2の内周曲面62の曲率半径及び第3の内周曲面63の曲率半径は、ともに第4の内周曲面64よりも大きくなるよう形成されている。また、第1の内周曲面61の曲率半径は第1の外周曲面71の曲率半径よりも大きく、第2の内周曲面62の曲率半径は第2の外周曲面72の曲率半径よりも小さく、第3の内周曲面63の曲率半径は第3の外周曲面73の曲率半径よりも小さく、第4の内周曲面64の曲率半径は第4の外周曲面74の曲率半径よりも小さい。
【0045】
本実施形態では、第1の内周曲面61の曲率半径は20mm、第1の外周曲面71の曲率半径は2mm、第2の内周曲面62及び第3の内周曲面63の曲率半径は5mm、第2の外周曲面72及び第3の外周曲面73の曲率半径は8mm、第4の内周曲面64の曲率半径は2mm、第4の外周曲面74の曲率半径は5mmに形成されている。座部44を規定する平面に対する第1の関節部51の高さは70mm、第2の関節部52の高さは45mm、第3の関節部53の高さは35mmである。
【0046】
背部40及び座部44には、厚み方向に貫通した複数の取り付け孔46が形成されている。複数の取り付け孔46は、車両通行方向に所定間隔で配置されている。
【0047】
図3(a)は、図1に示された2つの止水材14の接続箇所を、第2の橋桁部13側から車両通行方向に直交する水平方向に見た部分正面図である。止水材14の長手方向の一端には、長尺帯状の接続部45が形成されており、他端には接続部45が形成されていない。止水材14の長手方向における接続部45の幅は一定であり、接続部45の幅方向半分の領域は、図2において右側を向いている止水材14の表面に沿って取り付けられている(後述する図3(b)を参照)。接続部45の上端は図2の背部40の一端部40aと表面40cとの境界に重なり、接続部45の下端は座部44の他端部44bに重なっている。接続部45全体は、止水材14の表面に沿って背部40の一端部40aから座部44の他端部44bまで隙間なく密着している。
【0048】
図3(b)は、一の止水材14における接続部45が取り付けられている一端と、他の止水材14における接続部45が取り付けられていない他端とを接続する前の状態であって、両止水材14を長手方向及び厚み方向に沿う平面で切断したときの断面図である。各止水材14の一端には、あらかじめ工場において熱溶着により接続部45が取り付けられている。図3(c)は、図3(b)の2つの止水材14を接続した後の状態を示す断面図である。止水材14を取り付ける現場において、一の止水材14の一端に取り付けられている接続部45を、他の止水材14の他端に接着剤により接着することにより、隣り合った2つの止水材14を接続する。接着後の接続部45は、止水材14の長手方向において2つの止水材14の境界を中心として対称な形状となる。
【0049】
本実施形態の接続部45は、止水材14の長手方向における幅が50mm、厚さが1mmとなるよう形成されている。
【0050】
図4は、図1の高架道路1を車両通行方向に直交する平面で切断したときの止水材14付近における断面図である
【0051】
止水材14を第1の中央分離帯21に取り付ける際には、背部40の上端から若干下方までの領域を押さえ金具80と第1の外側面22との間に挟んだ状態で、押さえ金具80に形成された孔と背部40の取り付け孔46とにストライクアンカー81を通して打ち込むことにより、背部40を第1の中央分離帯21に固定する。押さえ金具80は、止水材14の長手方向に延びた長尺の長方形状を有している。止水材14を第2の中央分離帯31に取り付ける際には、座部44の右側約半分を構成する不動部47を押さえ金具80と第2の上面33との間に挟み、押さえ金具80に形成された孔、座部44の取り付け孔46及び第2の中央分離帯31に形成された穴にストライクアンカー81を通して打ち込むことにより、不動部47を第2の中央分離帯31に固定する。座部44の左側約半分を構成する可動部48は、押さえ金具80で押さえられていないため、第2の上面33に対して接したり浮き上がったりすることができる。本実施形態では、不動部47の左右の幅は40mmである。
【0052】
止水材14を第1の中央分離帯21及び第2の中央分離帯31に固定すると、背部40は第1の外側面22に密着し、座部44は左端の一部を残して第2の上面33に密着する。第4の関節部54及び座部44の一部は、第1の外側面22と第2の外側面32との間の目地の上方に位置している。本実施形態の目地の左右方向における幅は約32mmである。
【0053】
本実施形態の止水材14は、ウレタンを配合した塩化ビニルで形成されているため、以下のような特徴を有する。すなわち、止水材14は可撓性を有しているため、容易に変形して第1の外側面22と第2の上面33との相対的な変位を吸収することができるとともに、第1の外側面22から第2の上面33への振動の伝達及び第2の上面33から第1の外側面22への振動の伝達を低減させることができる。更に、止水材14は弾性を有しているため、座部44を第2の上面33に固定していない場合であっても、あらかじめ上下方向に圧縮された状態で設置しておけば復元力によって座部44と第2の上面33との接触を維持したまま第1の外側面22と第2の上面33との相対的な変位に追従して変形することができる。更に、止水材14は、復元力に優れているため圧縮及び伸長を繰り返しても設置時の形状を長期間維持することができるとともに、屈曲疲労耐性に優れているため繰り返し変形しても破壊されにくい。更に、止水材14は、耐候性に優れているため長時間日光にさらされても劣化しにくく、耐水性に優れた加水分解しない材料で形成されているため降雨にさらされても劣化しにくい。更に、止水材14は、可撓性を有する材料で形成されているため設置場所まで長手方向に丸めて運搬することができるとともに、圧縮永久歪が少ない材料で形成されているため設置時及び設置後に丸めた状態の形状が残りにくい。特に、止水材14は、塩化ビニルを主に含有することにより耐水性の機能を実現し、ウレタン樹脂を配合することにより塩化ビニルのみの場合に比べて屈曲疲労に対する耐性を高めるとともに、塩化ビニルのみの場合に比べて圧縮永久歪みを発生させにくくしている。
【0054】
止水材14は、例えば、ゴム材料若しくは樹脂材料又はゴム材料と樹脂材料との両方を含有する材料で形成されていることが好ましく、他の物質を添加したものであってもよい。ゴム材料としては、クロロプレンゴム及びEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)が例示される。樹脂材料としては、軟質の塩化ビニル、オレフィン系樹脂及びウレタン樹脂が例示される。なお、エーテル系のウレタン樹脂を使用することにより、加水分解が生じにくくなるようにすることが望ましい。
【0055】
図1に示すように、第1の橋桁部12及び第2の橋桁部13は、ともに第1の橋脚10と第2の橋脚11との間に架け渡されているため、車両が通行すると、車両通行方向における中央部に近い位置ほど大きく上下動する。第1の橋桁部12を通行する車両と第2の橋桁部13を通行する車両の通行量及び進行方向は均等ではないため、第1の橋桁部12の上下動と第2の橋桁部13の上下動は一致しない。従って、車両の通行に伴って、第1の中央分離帯21が第2の中央分離帯31に対して相対的に上下動する。第1の中央分離帯21の上下動に伴って図4に示す止水材14の背部40が第1の中央分離帯21と一体となって上下動し、第2の中央分離帯31の上下動に伴って止水材14の不動部47が第2の中央分離帯31と一体となって上下動する。以下、説明の便宜上、第1の中央分離帯21及び止水材14の上下動は、第2の中央分離帯31の第2の上面33に対する相対的な動きを表すものとする。
【0056】
図4の第1の中央分離帯21が下方に移動すると、背部40が第1の中央分離帯21とともに下方に移動することにより止水材14が圧縮される。上方傾斜部41が下方傾斜部43よりも厚く形成されているので、止水材14が圧縮されたときに上方傾斜部41よりも下方傾斜部43の方が大きく変形し、上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度が下方傾斜部43の傾斜角度及び平面度よりも変化しにくくなっている。更に、第1の内周曲面61の曲率半径が第2の内周曲面62の曲率半径及び第3の内周曲面63の曲率半径よりも大きく形成され、第2の内周曲面62の曲率半径及び第3の内周曲面63の曲率半径が第4の内周曲面64の曲率半径よりも大きく形成されているため、第1の関節部51よりも第2の関節部52及び第3の関節部53の方が屈曲しやすく、第2の関節部52及び第3の関節部53よりも第4の関節部54の方が屈曲しやすい。すなわち、図2の角Aよりも角B及び角Cの方が狭くなりやすく、角B及び角Cよりも角Dの方が狭くなりやすい。従って、止水材14が圧縮されたときに第1の関節部51が最も屈曲しにくくなっているため、上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度が下方傾斜部43よりも変化しにくくなっている。更に、第4の関節部54が、第1の外側面22と第2の外側面32との間の目地上方に位置しているとともに座部44に可動部48設けられているため、止水材14が圧縮されたときに第4の関節部54が目地に沈み込み、下方傾斜部43がそのまま下方に移動するので上方傾斜部41が一層変形しにくくなる。
【0057】
図4の第1の中央分離帯21が上方に移動すると、背部40が第1の中央分離帯21とともに上方に移動することにより止水材14が伸長する。上方傾斜部41が下方傾斜部43よりも厚く形成されているので、止水材14が圧縮されたときに上方傾斜部41よりも下方傾斜部43の方が大きく変形し、上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度が下方傾斜部43の傾斜角度及び平面度よりも変化しにくくなっている。更に、第1の内周曲面61の曲率半径が第2の内周曲面62の曲率半径及び第3の内周曲面63の曲率半径よりも大きく形成されているため、図2の角Aよりも角B及び角Cの方が広がりやすい。更に、第2の内周曲面62の曲率半径及び第3の内周曲面63の曲率半径が第4の内周曲面64の曲率半径よりも大きく形成されているため、角B及び角Cよりも角Aの方が広がりやすい。従って、止水材14が伸長したときに、角Aが最も広がりにくいので、上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度が下方傾斜部43よりも変化しにくくなっている。
【0058】
シミュレーションの結果、本実施形態の場合には、止水材14が所定量圧縮されるまでは上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度がほとんど変化せず、止水材14が所定量伸長されるまでは上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度がほとんど変化しなかった。上方傾斜部41が大きく変形するのは止水材14の圧縮量又は伸長量が所定量を超えた後であった。一方、上方傾斜部41の厚さが下方傾斜部43の厚さと同じであるか下方傾斜部43より薄い場合には、止水材14の圧縮量及び伸長量が所定量に達しなくても、圧縮及び伸長を開始してすぐに上方傾斜部41が下方傾斜部43と同様に変形し始めた。また、第1の関節部51の曲率半径を第2の関節部52の曲率半径及び第3の関節部53の曲率半径と同じに形成した場合、及び、第1の関節部51の曲率半径を第4の関節部54の曲率半径と同じに形成した場合には、止水材14の圧縮量及び伸長量が所定量に達しなくても、圧縮及び伸長を開始してすぐに上方傾斜部41の傾斜角度が下方傾斜部43の傾斜角度と同様に変化し始めた。
【0059】
本実施形態の止水材14によれば、第1の中央分離帯21と第2の中央分離帯31との間の目地に雨水等の水が入り込むことを防止しながら、第1の橋桁部12と第2の橋桁部13とが相対的に上下に動いても止水効果を維持することができる。特に、第4の関節部54、下方傾斜部43及び可動部48が第1の関節部51及び上方傾斜部41に比べて大きく変形するように形成されているため、止水材14が所定量圧縮又は伸長するまで上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度を維持することができる。第1の中央分離帯21が第2の中央分離帯31に対して相対的に上下動したとしても、止水材14が所定量圧縮又は伸長するまで上方傾斜部41の傾斜角度及び平面度が変わらないことから、第2の橋桁部13を通行する運転手の視線を誘導する上方傾斜部41の機能を維持して交通の安全を高めることができるとともに、上方傾斜部41の上面に土砂、ゴミ及び汚れが溜まりにくくなり運転手からの視認性を維持することができる。
【0060】
本実施形態の止水材14は、第2の橋桁部13側に水平方向に突出した部位が、頂部42を頂点とする1つの山形状だけであるため、上下方向に複数の山形状を形成する場合に比較して山形状が揺らぐといった不安定さを無くすことができ、運転手が視認しやすくなる。更に、複数の山状部を形成する場合に比較して形状を維持しやすくゴミがたまりにくいため視認性を維持しやすくなっている。
【0061】
本実施形態の止水材14によれば、第4の関節部54が背部40を規定する平面から離れていることにより、止水材14が圧縮又は伸長する際に第1の外側面22に接触しにくくなり、破損を防ぐことができる。
【0062】
本実施形態の止水材14によれば、止水材14は、第1の外側面22及び第2の上面33に密着しやすいウレタンを配合した塩化ビニルで形成されているため、金属で形成する場合に比べて目地に水を浸入させにくくすることができる。更に、止水材14と接続部45を熱溶着又は接着剤で接続するため、2つの止水材14の間から水が入ることを防ぐことができる。更に、本実施形態の止水材14を形成しているウレタンを配合した塩化ビニルは金属に比べて柔軟に変形するため、高架道路1のように車両進行方向における各位置で振動量が異なる場合にも各位置で振動に柔軟に追従することができる。更に、止水材14をウレタンを配合した塩化ビニルで形成することにより、工場から設置場所までロール状に小さく巻いて運搬することが可能であるとともに、巻いた状態の形状を残りにくくすることができる。
【0063】
従来のように第1の中央分離帯21に固定したゴムシートを第2の中央分離帯31に垂らして目地を覆う場合には、第1の橋桁部12と第2の橋桁部13とが相対的に上下に動いたときに目地が露出しないように余裕をもって第1の中央分離帯21から第2の中央分離帯31の広い面をゴムシートで覆っておく必要がある。一方、本実施形態の止水材14によれば、座部44を第2の中央分離帯31の第2の上面33内に収めることができるため従来よりも設置範囲を小さくすることができる。
【0064】
なお、本実施形態の止水材14は、上方傾斜部41の厚さを下方傾斜部43の厚さよりも厚くすることにより、上方傾斜部41が下方傾斜部43よりも屈曲しにくくなるようにしているが、材料を選択することにより上方傾斜部41が下方傾斜部43よりも屈曲しにくくなるようにしてもよい。上方傾斜部41が下方傾斜部43よりも屈曲しにくくなるよう形成されていれば、上方傾斜部41の厚さは下方傾斜部43の厚さと同じであってもそれ以下であってもよい。本実施形態の止水材14の寸法は一例であり、これに限られるものではない。
【0065】
なお、目地への浸水を十分に防ぐために本実施形態のように背部40と座部44との両方を固定することが好ましいが、座部44を固定できない場合などには背部40だけを固定して、座部44を第2の上面33に乗せるだけとしてもよい。座部44を第2の上面33に乗せるだけでも圧縮方向の変位を止水材14で吸収することができる。座部44を固定しない場合には、圧縮及び伸長の両方の変位を吸収するために、止水材14を上下方向に圧縮した状態で背部40を固定することが好ましい。なお、背部40及び座部44の固定方法は本実施形態のようにストライクアンカー81を使用するものに限られない。
【0066】
なお、止水材14の不動部47と第2の中央分離帯31の第2の上面33とを接着剤によって固定してもよい。接着剤を使用することにより、不動部47と第2の上面33とを接触面全体で強固に固定することができる。特に、第2の中央分離帯31の全体又は一部が鋼製である場合のように、ストライクアンカー81を打ち込んで止水材14を固定することが困難な場合であっても、接着剤を使用することにより止水材14を第2の中央分離帯31に強固に固定することができる。
【0067】
なお、本実施形態において、第1の関節部51が本発明の上方関節部に相当し、第4の関節部54が本発明の下方関節部に相当する。第2の関節部52、第3の関節部53及び頂部42の全体が本発明の中央関節部に相当する。なお、本実施形態では、第2の関節部52と第3の関節部53とのいずれか一方によって上方傾斜部41と下方傾斜部43との間を接続するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、本実施形態の止水材に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種の止水材に適用できる。
【符号の説明】
【0069】
1 高架道路
10 第1の橋脚
11 第2の橋脚
12 第1の橋桁部
13 第2の橋桁部
14 止水材
20 第1の路面
21 第1の中央分離帯
22 第1の外側面
23 第1の上面
30 第2の路面
31 第2の中央分離帯
32 第2の外側面
33 第2の上面
40 背部
40a 一端部
40b 他端部
40c 表面
40d 裏面
41 上方傾斜部
41a 一端部
41b 他端部
41c 表面
41d 裏面
42 頂部
42a 一端部
42b 他端部
42c 表面
42d 裏面
43 下方傾斜部
43a 一端部
43b 他端部
43c 表面
43d 裏面
44 座部
44a 一端部
44b 他端部
44c 表面
44d 裏面
45 接続部
46 取り付け孔
47 不動部
48 可動部
51〜54 第1〜第4の関節部
61〜64 第1〜第4の内周曲面
71〜74 第1〜第4の外周曲面
80 押さえ金具
81 ストライクアンカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両通行方向に沿って形成された第1の中央分離帯を有する第1の橋桁部と、当該車両通行方向に沿って形成された第2の中央分離帯を有する第2の橋桁部とを備え、当該第1の中央分離帯の第1の外側面と当該第2の中央分離帯の第2の外側面とが対向しているとともに当該第2の外側面に交わる当該第2の中央分離帯の上面より上方に当該第1の外側面の一部が位置している高架道路に取り付けられる止水材であって、
長手方向に直交する断面が略一定となるよう可撓性を有する部材により長尺に一体形成されているとともに、
前記長手方向に沿った第1の一端部と前記長手方向に沿った第1の他端部との間に広がる平板状の背部と、
前記長手方向に沿った第2の一端部と前記長手方向に沿った第2の他端部との間に広がる平板状に形成された上方傾斜部と、
前記長手方向に沿った第3の一端部と前記長手方向に沿った第3の他端部との間に広がる平板状に形成された下方傾斜部と、
前記長手方向に沿った第4の一端部と前記長手方向に沿った第4の他端部との間に広がる平板状に形成された座部と、
前記第1の他端部と前記第2の一端部とを接続するように前記背部及び前記上方傾斜部とともに一体形成された上方関節部と、
前記第2の他端部と前記第3の一端部とを接続するように前記上方傾斜部及び前記下方傾斜部とともに一体形成された中央関節部と、
前記第3の他端部と前記第4の一端部とを接続するように前記下方傾斜部及び前記座部とともに一体形成された下方関節部と、を備え、
前記第1の外側面に前記背部を固定したとき、前記長手方向に直交するとともに前記第1の外側面に沿う方向において前記中央関節部が前記上方関節部と前記下方関節部との間に位置するとともに、前記第1の外側面と前記下方関節部との最短距離が前記第1の外側面と前記中央関節部との最短距離よりも短くなるように、前記上方関節部、前記中央関節部及び前記下方関節部が配置され、
前記上方傾斜部よりも前記下方傾斜部の方が屈曲しやすいように形成されているとともに、前記背部と前記座部との間において前記第1の中央分離帯から前記第2の中央分離帯に向かって突出した山状部が1つである
ことを特徴とする止水材。
【請求項2】
前記上方傾斜部は前記下方傾斜部より厚く形成されている
ことを特徴とする請求項1の止水材。
【請求項3】
前記上方関節部は、前記背部の一の面と前記上方傾斜部の一の面とを接続する上方内周曲面を有し、前記中央関節部は、前記上方傾斜部の他の面と前記下方傾斜部の一の面とを接続する中央内周曲面を有し、前記下方関節部は、前記下方傾斜部の他の面と前記座部の一の面とを接続する下方内周曲面を有し、
前記断面内で見た時、前記上方内周曲面を構成する円弧の曲率半径を表す上方曲率半径は、前記中央内周曲面を構成する円弧の曲率半径を表す中央曲率半径より大きく、
前記断面内で見た時、前記中央曲率半径は、前記下方内周曲面を構成する円弧の曲率半径を表す下方曲率半径より大きい
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の止水材。
【請求項4】
前記下方関節部は、前記第1の外側面と前記第2の外側面との間の目地の上方に位置しているとともに前記第1の外側面から離れている
ことを特徴とする請求項3の止水材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−149150(P2011−149150A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8834(P2010−8834)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【出願人】(000107044)ショーボンド建設株式会社 (71)
【Fターム(参考)】