正面画像データをコンピュータによって生成する方法及びそのコンピュータプログラム、並びに3次元CGモデルの作成方法及びそのコンピュータプログラム
【課題】 簡便に正面画像を得る。
【解決手段】 物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データをコンピュータによって生成する方法であって、前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップS3と、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップS4〜S6と、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップS7と、を有する。
【解決手段】 物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データをコンピュータによって生成する方法であって、前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップS3と、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップS4〜S6と、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップS7と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
正面画像データをコンピュータによって生成する方法及びそのコンピュータプログラム、並びに3次元CGモデルの作成方法及びそのコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リアルな仮想空間を実現するためには、表面の質感、現実感を高精度に表現する3次元モデルが必要となる。そのため、実物体に忠実な3次元形状モデルを自動生成する方法の確立が期待されている。
最近では、飛行機からレーザースキャナーを用いて、3次元点群データをスキャンしてリアルな3次元地図を作成するということも行われている。そして、このような3次元モデルに、質感、現実感を与えるには、テクスチャが必要となり、テクスチャを貼るには、人からの視点による観測データを用いた方が、より現実感を与えることができ、より自然な3次元モデルができるはずである。
【0003】
コンピュータグラフィックス(CG)において、3次元モデリングされた物体へテクスチャマッピングする場合には、高速化のためにテクスチャをアフィン変換し貼り付けることでマッピングが行われている。テクスチャデータを作成するには、ペイントソフトで作成したり、実際の写真や映像を用いる場合の2通りの方法がある。
ペイントソフトを用いた場合は、正面画像になっているため画像の歪みはあまり問題とはならない。しかし、ペイントソフトを利用する場合、誰もが簡単に作成できるわけではなく、デザイナー等が作成しなければ表面の質感、現実感をリアルに表現することは難しい。
そこで、比較的容易に得られる写真や映像を用いることが要望される。
【0004】
ところが、実際の画像を用いて、そのままテクスチャとして貼ると、大きな歪みが生じる場合がある。特に、対象平面を斜めから撮影した写真を用いるとひどい歪みが生じる。
この画像の歪みを減少させるためには、対象物体を正面からみた画像が必要である。
しかし、実際にマッピングする面に合わせた真正面からの画像を入手することは一般に不可能である。
そこで、3次元モデルへ実画像をマッピングするには、その3次元モデルに対応している面を真正面から見ているような正面画像に合うように変換する必要がある。これが可能となれば、任意の角度、視点から写真を撮影するだけでテクスチャを作成でき、3次元地図のような大規模な3次元モデルへのテクスチャ作成時に大幅に人の労力を軽減することができる。
【0005】
正面画像生成方法の従来の手法としては、非特許文献1に記載されているものがある。まず、3次元形状が既知のモデルと撮影した写真との間の関係を定める射影行列を求める。そして、求めた射影行列からカメラ座標系と物体の座標系との回転行列と並進ベクトルを求める。更に、それを利用して各パッチにおける射影行列を求め、物体の面にあわせた正面画像を生成する。
この従来の手法では、3次元モデルの座標が既知でなければならないという前提条件が必要であるという問題がある。
【非特許文献1】松井裕司、徐剛、“実画像を用いた3次元物体への正面テクスチャマップの作成”、情報処理学会研究報告、Vol99、No.3、p25−p32、1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、対象平面の形状を矩形に限定することによって、簡便な手法により、正面画像を生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データをコンピュータによって生成する方法であって、前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、を有することを特徴とする方法である。
本発明では、3次元モデルの多くが矩形であることを利用して、原画像データにおける矩形領域の4頂点の歪んだ配置から、正面画像を生成することができる。
【0008】
ここで、前記幾何学的関係は、回転行列及び並進ベクトルに基づくものとすることができる。前記内部パラメータは、カメラの焦点距離を持つものとすることができる。
また、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータの算出は、前記4頂点の座標から、前記カメラの焦点からの前記各頂点の奥行きを算出し、当該奥行きに基づく演算によって行うことができる。
【0009】
4頂点の座標の設定は、前記原画像データを表示装置に表示しておき、表示された原画像上で、前記矩形領域の4頂点の位置を指定することによって行うのが簡便である。
また、表示装置に表示された原画像上に、4頂点を指定するための頂点指定用表示体を表示し、当該頂点指定用表示体を、ユーザの操作によって、表示された原画像上の矩形領域の4頂点に移動させることによって、4頂点の位置を指定すれば、一層簡便に4頂点の座標設定が行える。
【0010】
コンピュータプログラムに係る本発明は、物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データを生成するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、を実行させるためのものである。
【0011】
3次元CGモデルの作成方法に係る本発明は、物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、を有することを特徴とする。この方法によれば、簡便に正面画像が得られ、これを3次元CGモデルに貼り付けることによって、簡単にリアルな3次元CGモデルを得ることができる。
【0012】
また、3次元CGモデルの作成用のコンピュータプログラムに係る本発明は、コンピュータに、物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、3次元モデルを形成する面の多くが矩形であることを利用して、原画像データにおける矩形領域の4頂点の歪んだ配置から、正面画像を簡便に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の正面画像生成方法を実行できる正面画像生成装置1と、この正面画像生成装置1を用いた3次元CGモデル作成装置10の概念図を示している。3次元CGモデル作成装置10は、建物等の地図上の構造物が立体的に表された3次元地図などに用いるために、建物等のリアルな3次元CGモデルを作成するためのものである。
正面画像生成装置1及び3次元CGモデル作成装置10は、コンピュータの記憶装置に、以下で説明する方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶させ、そのコンピュータプログラムの実行により機能するものである。
なお、正面画像生成装置1及び3次元CGモデル作成装置10は、様々な処理を実行する演算装置、記憶装置、画面表示可能な表示装置、そして、キーボード・マウスなどの入力装置を有している。
【0015】
原画像データ(デジタル画像データ)は、ビルなどの建物を真正面ではなく斜めからカメラで撮影したものであり、この原画像データを正面画像生成装置1によって処理すると、所定の正面画像データを生成することができる。この正面画像データ(テクスチャ)は、テクスチャマッピング部2によって、3次元CGモデルの対応する面に貼り付けられ、これにより、建物B(物体)のリアルな3次元モデルを生成することができる。
【0016】
図2は、3次元CGモデル作成装置10において、原画像データから、正面画像を生成し、3次元モデルを作成するための手順を示している。
まず、装置10の記憶装置に記憶されている原画像データをディスプレイ装置等の表示装置に画面表示させる(ステップS1;図3参照)。この原画像においては、建物Bが写っているが、この建物Bは真正面から撮影されたものではなく、斜めから撮影されたものである。なお、建物は、多くの場合、矩形面(長方形面)を持つものであり、本発明に係る方法の適用に適している。
【0017】
この原画像データから、建物Bの正面領域Fの正面画像を得たい場合、正面画像が必要な領域である建物正面Fの範囲を、ユーザが画面を見ながらマウス等の入力装置によって入力する(ステップS2)。正面画像が必要な領域の入力は、例えば、図4に示すように、当該範囲Fを囲む線の各頂点R1〜R6をマウスによって画面上で指定することによって行うことができ、この領域は矩形に限られない。この指定により、建物正面Fの範囲を囲む線の各頂点R1〜R6の原画像データ上の座標が得られ、この座標データは、後の画像切出しのためにメモリに記憶される。
なお、各頂点R1〜R6が指定されると、当該各頂点R1〜R6を示す点表示及び/又は各頂点R1〜R6を結ぶ線表示を、原画像上に表示させるようにすることで、指定された範囲Fがオペレータにとって分かり易くなり、操作性が向上する。
【0018】
続いて、正面画像が必要な領域Fのうち、実際の建物Bにおいて矩形(直角四辺形)形状である物の4頂点の指定を行う(ステップS3)。4頂点の指定は、ユーザが画面を見ながらマウス等の入力装置によって入力することで行える。例えば、図5に示すように、建物正面Fには、建物外壁を構成する複数の矩形パネルが存在し、複数の矩形パネルを合わせた矩形領域(頂点P1〜P4で示される領域)が存在するので、この矩形領域の4頂点P1,P2,P3,P4を指定すればよい。この指定により、建物正面Fにおける矩形領域の4頂点の原画像データ上の座標が得られ、これらの4頂点の座標は、後のパラメータ算出のためにメモリに記憶される。
各頂点P1〜P4が指定されると、当該各頂点P1〜P4を示す点表示及び/又は各頂点P1〜P4を結ぶ線表示を、原画像上に表示させることで、指定された頂点がオペレータにとって分かり易くなり、操作性が向上する。
なお、4頂点の指定は、正面画像が必要な領域Fのどの位置で行っても良い。
また、ステップS2とステップS3の実行順序は、逆でもよい。
【0019】
4頂点の指定をより正確に行うため、エッジ抽出など適宜の特徴点抽出のための画像処理を原画像に施すことにより、頂点の候補となる点を自動生成して原画像上に表示し、オペレータは、頂点候補の中から4頂点を選択するようにしてもよい。このように、頂点候補を自動生成して、オペレータがそれを選択するようにすることで、頂点の位置自体をオペレータがマウスなどの操作によって指定する場合よりも、誤差を少なくして4頂点を指定できる。この結果、より正確な正面画像が得られることになる。
【0020】
指定された4頂点の座標に基づいて、原画像データを正面画像データに変換するためのパラメータの算出が行われる。具体的には、焦点距離fの算出(ステップS4)、矩形の縦横比の算出(ステップS5)、回転行列H・並進ベクトルtの算出(ステップS6)が行われ、その後、正面画像データの生成が行われる(ステップS7)。なお、これらについての詳細は、後述する。
原画像データには、実際の建物正面Fにおける矩形領域P1,P2,P3,P4は、矩形ではなく歪んだ四角形として写っているが、正面画像生成処理(ステップS7)によって、矩形形状となる。
なお、正面画像生成処理は、ステップS2で指定された領域Fだけでなく、原画像データ全体に対して行われる。この際、ステップS2で指定された領域F以外であっても、当該領域Fと平行な平面であれば正面画像化される。つまり、正面画像化したい領域内で矩形4頂点を指定しにくい場合には、正面画像化したい面領域以外の領域において、正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点を指定してもよい。
正面画像化したい面領域以外の領域で4頂点を指定してもよいので、矩形面を有しない物体に対しても、本発明の方法は適用可能である。例えば、彫刻などの正面画像を得るためにも用いることができる。また、絵画のアーカイブ等にも利用することもできる。
【0021】
正面画像化処理と同様に、座標R1〜R6も原画像での座標から正面画像データでの座標に変換され、正面画像データでの建物正面領域Fも決定される。正面画像データでの建物正面領域Fに基づいて、正面画像データから建物正面領域Fの画像が切り出される(ステップS8;図7参照)。切り出された建物正面Fの正面画像データは、予め用意された建物Bの3次元CGモデルの正面に貼り付けられる(ステップS9;図8参照)。建物Bの正面F以外の側面についても、同様に正面画像を得て、3次元CGモデルに貼り付けることで、建物のリアルな3次元CGモデルを完成できる。
なお、正面画像に変換しないで3次元CGモデルに画像を貼り付けると、大きな歪みが生じたが、正面画像に変換することにより、歪みを低減できた。
【0022】
[正面画像生成に関する詳細な説明]
正面画像データは、原画像を撮影したカメラと前記矩形物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを求め、これらのパラメータに基づいて、原画像データを変換することによって得られる。以下、これらのパラメータを求める演算式について説明する。
【0023】
前述の原画像データは、デジタル画像とよばれるものである。図9に示すように、デジタル画像の座標系では、座標の原点は左上にあり、右方向が横軸u、下方向が縦軸vである。
しかし、射影関係を記述する場合には、正規化画像座標系を用いた方が便利であるので、デジタル画像座標系を正規化画像座標系へ変換する。変換式は以下のように表される。なお、「~」は、拡張ベクトルを示す。
【数1】
【0024】
ここで、
【数2】
【数3】
はそれぞれデジタル画像座標(u,v)と正規化画像座標(x,y)の拡張ベクトルである。行列A1は、カメラ内部行列であり、以下のように表される。なお、[u0,v0]は画像中心、αu,αvは画像の両座標軸の間の単位長と焦点距離の積、bは両座標軸のスキュー(skew)である。
【数4】
【0025】
しかし、最近のカメラの性能の向上により、行列A1は以下の行列A2のように表すこともでき、ここでも行列A2を採用する。また、[u0,v0]は、デジタル画像の、縦・横のサイズの半分の値とする。fはカメラの焦点距離である
【数5】
更に、
【数6】
と定義すると、
【数7】
となり、
【数8】
と表すこともできる。
【0026】
次に、正規化座標系を世界座標系に変換する。正規化座標系における座標をMc、世界座標系における座標をMw、回転行列をR、並進ベクトルをtとすると、次式のように表すことができる。
【数9】
矩形(長方形)が画像に射影される様子を図10に示す。長方形の各頂点と焦点を結ぶと、図10のような四角形が画像上に射影される。
【0027】
次に、図10の長方形の面をXY平面とし、長方形の中心の座標を(0,0,0)、長方形の縦、横の長さを2a,2bとすることで、図11のように長方形の4頂点を定義する。すなわち、図11のXYZ座標系において、長方形の各頂点(1)(2)(3)(4)のうち、頂点(1)は(a,b,0)、頂点(2)は(−a,b,0)、頂点(3)は(a,−b,0)、頂点(4)は(−a,−b,0)と定義される。
【0028】
すると、[式(1)(数1)]と、[式(2)(数9)]より、[式(3)(数13)]のようにデジタル画像と座標と世界座標との関係を表すことができる。
【数10】
ここで、回転行列Rは、
【数11】
並進ベクトルはtとする。
ここで、
【数12】
とすると[(数7)]より、以下の式(3)ように、表される。
【数13】
【0029】
よって、各頂点に対しての関係式は以下の4つの式となる。なお、siは、カメラ焦点から図11の各頂点(1)(2)(3)(4)までの奥行きを表し、それぞれの式で表されている数式記号中の番号(i=1〜4)は、図11で示した頂点番号と対応している。
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【0030】
長方形の各頂点における4つの式から、焦点距離fと長方形の縦横比(アスペクト比)を算出することができる。各頂点における式(4)等で用いられている未知数の数は、焦点距離f、回転ベクトルr1,r2、並進ベクトルt、長方形の縦と横の長さの半分であるaとbの計8つである。式(4)〜(7)から8個の方程式が得られるため、これらの未知数を求めることは可能である。
また、回転ベクトルのr3も、r1,r2に直交するので、算出することは可能である。
【0031】
焦点距離fと縦横比a:bの算出をする。まず、[式(4)(数14)]と[式(7)(数17)]の和と、[式5(数15)]と[式6(数16)]の和とは等しくなるので次式が成り立つ。
【数18】
となり、これを変形すると、
【数19】
となる。
これにより、
【数20】
とすると、BTBの最小固有値に対応する固有ベクトルとして、s1,s2,s3,s4を求めることができる。なお、Bの添え字の「T」は転置を示している。
空間の尺度は本来確定できないが、s1,s2,s3,s4の自乗和が1であることにより、とりあえず求めることができる。このように、各頂点の座標が与えられると、演算により、4頂点の奥行きs1,s2,s3,s4を求めることができる。
【0032】
次に、式(4)〜式(7)をそれぞれ以下の4式となるように変形する。
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】
【0033】
[式(9)(数22)]と[式(11)(数24)]の差より、次式が得られる。
【数25】
ここで、
【数26】
とする。
【0034】
さらに、[式(10)(数23)]と[式(11)(数24)]の差より、次式が得られる。
【数27】
ここで、
【数28】
とする。
【0035】
さらに、[式(9)(数22)]と[式(10)(数23)]の和より、次式が得られる。
【数29】
【0036】
次に、[式(12)(数25)]と[式(14)(数27)]の内積をとると次式が得られる。
【数30】
【0037】
次に、[式(12)(数25)]同士の内積をとると次式が得られる。
【数31】
【0038】
次に、[式(14)(数27)]同士の内積をとると次式が得られる。
【数32】
【0039】
[式(17)(数30)]に、[式(13)(数26)]と[式(15)(数28)]を代入すると次式が得られる。
【数33】
これをfについて解くと以下のようになる。
【数34】
【0040】
この[式(20)(数34)]を解くことで、焦点距離fが求められる(ステップS4)。すなわち、各頂点の座標と、各頂点の奥行きとから、焦点距離fを演算することができる。
なお、デジタル画像に写っている四角形の形状によっては、正確な焦点距離fを求めることができない場合がある。すなわち、[式(20)(数34)]の分母が0や限りなく0に近い場合に、fを正確に求めることができなくなる。この点については後述する。
【0041】
焦点距離fが算出されると、fを[式(18)(数31)][式(19)(数32)]に代入し、長方形の縦横の長さの半分であるa,bを求めることができる(ステップS5)。
そして、算出された焦点距離f、長方形の縦横の長さの半分a,b、を[式(12)(数25)][式(14)(数27)][式(16)(数29)]に代入すると、行列H=[r1,r2,t]を求めることができる(ステップS6)。また、r3=r1×r2として回転行列Rと並進ベクトルtに分解することもできる。
回転行列Rと並進ベクトルtは、原画像を撮影したカメラと前記矩形物体との幾何学的関係を示すものであり、行列Hは、回転行列と並進ベクトルtに基づくものであるから、この行列Hも、原画像を撮影したカメラと前記矩形物体との幾何学的関係を示したものとなっている。
【0042】
デジタル画像を正面画像に変換するための式は、以下のように表される。なお、正面画像生成装置1に入力されるデジタル画像の座標をm=[u,v,1]T、正面画像変換後のデジタル画像の座標をm’=[u’,v’,1]T、とする。
【数35】
なお、上記式において、sは、上記式の右辺の演算結果、同左辺のm’=[u’,v’,j]Tにおけるjが1になるように、座標ごとに決定される。
【0043】
以上をまとめると次のようになる。まず、矩形物体の4頂点の座標が与えられると、各頂点の奥行きsが求められる。
続いて、頂点座標及び頂点の奥行きsから焦点距離fが求まって、カメラの内部パラメータAが得られる。
しかも、頂点座標、頂点の奥行きs、及びカメラの内部パラメータAから長方形の縦横比a:bが求まる。
さらに、頂点座標、頂点の奥行きs、長方形の縦横比a:b、カメラの内部パラメータAから、行列H=[r1,r2,t]が求まる。この行列Hは、回転行列Rと並進ベクトルtに基づくものであって、カメラと矩形物体との幾何学的関係を表している。
そして、カメラの内部パラメータAと行列Hを用いて、[式(21)(数35)]から、原画像であるデジタル画像を正面画像に変換することができる。
【0044】
上記方法によって、正面画像の生成を行うと、その正面画像は、矩形物体の実際の縦横比を、ほぼ正確に保持していることが確認された。
【0045】
なお、焦点距離、回転行列、並進ベクトルなどのパラメータを求める手法は、カメラキャリブレーション手法としても研究されており、例えば、消失点(FOE)を用いた手法がある。3次元空間で平行線である2つの線は、画像平面に射影されると、それらの延長線上で1点に交わる。この点は消失点(FOE)と呼ばれている。そして、カメラの焦点から消失点に延びる直線が直行することを利用し方程式を立てることができ、その方程式を解くことで、焦点距離、回転行列、並進ベクトルといったパラメータを求めることができるが、上記実施形態の方法では、消失点を求めることなく、各パラメータを求めることができる。
【0046】
[[式(20)(数34)]の分母が0の場合]
式20の焦点距離fの算出のときに、分母となるα3β3のいずれかが0となっていればこの式は成立しない。ここで、α3=(s2−s4),β3=(s3−s4)であり、s2=s4または、s3=s4であれば、α3またはβ3は0になる。siはカメラ焦点から各頂点までの奥行きであり、s2とs4が等しい、または、s3とs4が等しいということは、同じ奥行き、つまり画像平面に対してそれぞれの頂点を結んだ直線が平行であることを意味する。
そこで、α3,β3の値が0又は0に近い所定範囲の値であれば平行であると判定し、焦点距離fの値が不安定であることを検出し、必要であれば不適切な原画像である旨を出力する。
以上から、原画像は、s2=s4またはs3=s4とならないように撮影したものが好ましい。
ただし、この焦点距離fの値を算出できない場合、つまり式20の分母が0となる際に、以下の3つに場合分けをすることで、焦点距離fを求めずに、いくつかのパラメータを算出することが可能となる。
【0047】
(条件1)α3=0かつβ3≠0の場合
[式(12)(数25)]をr2の式になるように変形し、α3に0を代入すると次式が得られる。
【数36】
すると||r2||=1からbfを求める(|| ||はベクトルのノルム)。bfを用いてr2を求めることができる。ただし、r1は一意に求まらない。
(条件2)α3≠0かつβ3=0の場合
上記(条件1)と同様に、[式(14)(数27)]を変形し、β3に0を代入すると次式が得られる。
【数37】
そして、||r1||=1からafを求める。求めたafを用いてr1を求めることができる。ただし、r2は一意に求まらない。
(条件3)α3=0かつβ3=0の場合
上記(条件1)(条件2)と同様にして、af,r2,bf,r1を求める。r1とr2よりr2を求めることができる。更に、afとbfの両方が求まるので、aとbの比(縦横比)が求まる。
また、並進ベクトルtについては、3つすべての条件下で、焦点距離を含んだ並進ベクトルであれば、[式(16)(数29)]より求めることができる。
【0048】
図12は、画面表示された原画像上で、4頂点を指定するための変形例を示している。ここでは、4頂点を指定する際には、表示装置に表示された原画像上に、4頂点を指定するための頂点指定用表示体が表示される。図示の頂点指定用表示体Dは、4つの指定用頂点D1,D2,D3,D4を有し、各頂点D1,D2,D3,D4が線分で連結された矩形状とされている。画面表示された各頂点D1,D2,D3,D4を原画像中の適当な矩形物体の4頂点に移動させることにより、矩形物体の4頂点が指定される。
このような頂点指定表表示体があることで、原画像上で単に4頂点を指定するよりも、オペレータにとって視覚的に分かり易く、操作性が向上する。
【0049】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】3次元CGモデル作成装置のブロック図である。
【図2】3次元CGモデル作成の手順を示すフローチャートである。
【図3】原画像を示す図である。
【図4】原画像上で正面画像が必要な領域を指定した状態を示す図である。
【図5】原画像上で4頂点を指定した状態を示す図である。
【図6】変換された正面画像である。
【図7】切り出された正面画像である。
【図8】3次元CGモデルに切り出された正面画像を貼り付ける様子を示す図である。
【図9】デジタル画像座標系を示す図である。
【図10】長方形の射影を示す図である。
【図11】原画像と3次元モデルの関係を示す図である。
【図12】4頂点の指定方法の典型例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 正面画像生成装置
2 テクスチャマッピング部
10 3次元CGモデル生成装置。
【技術分野】
【0001】
正面画像データをコンピュータによって生成する方法及びそのコンピュータプログラム、並びに3次元CGモデルの作成方法及びそのコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リアルな仮想空間を実現するためには、表面の質感、現実感を高精度に表現する3次元モデルが必要となる。そのため、実物体に忠実な3次元形状モデルを自動生成する方法の確立が期待されている。
最近では、飛行機からレーザースキャナーを用いて、3次元点群データをスキャンしてリアルな3次元地図を作成するということも行われている。そして、このような3次元モデルに、質感、現実感を与えるには、テクスチャが必要となり、テクスチャを貼るには、人からの視点による観測データを用いた方が、より現実感を与えることができ、より自然な3次元モデルができるはずである。
【0003】
コンピュータグラフィックス(CG)において、3次元モデリングされた物体へテクスチャマッピングする場合には、高速化のためにテクスチャをアフィン変換し貼り付けることでマッピングが行われている。テクスチャデータを作成するには、ペイントソフトで作成したり、実際の写真や映像を用いる場合の2通りの方法がある。
ペイントソフトを用いた場合は、正面画像になっているため画像の歪みはあまり問題とはならない。しかし、ペイントソフトを利用する場合、誰もが簡単に作成できるわけではなく、デザイナー等が作成しなければ表面の質感、現実感をリアルに表現することは難しい。
そこで、比較的容易に得られる写真や映像を用いることが要望される。
【0004】
ところが、実際の画像を用いて、そのままテクスチャとして貼ると、大きな歪みが生じる場合がある。特に、対象平面を斜めから撮影した写真を用いるとひどい歪みが生じる。
この画像の歪みを減少させるためには、対象物体を正面からみた画像が必要である。
しかし、実際にマッピングする面に合わせた真正面からの画像を入手することは一般に不可能である。
そこで、3次元モデルへ実画像をマッピングするには、その3次元モデルに対応している面を真正面から見ているような正面画像に合うように変換する必要がある。これが可能となれば、任意の角度、視点から写真を撮影するだけでテクスチャを作成でき、3次元地図のような大規模な3次元モデルへのテクスチャ作成時に大幅に人の労力を軽減することができる。
【0005】
正面画像生成方法の従来の手法としては、非特許文献1に記載されているものがある。まず、3次元形状が既知のモデルと撮影した写真との間の関係を定める射影行列を求める。そして、求めた射影行列からカメラ座標系と物体の座標系との回転行列と並進ベクトルを求める。更に、それを利用して各パッチにおける射影行列を求め、物体の面にあわせた正面画像を生成する。
この従来の手法では、3次元モデルの座標が既知でなければならないという前提条件が必要であるという問題がある。
【非特許文献1】松井裕司、徐剛、“実画像を用いた3次元物体への正面テクスチャマップの作成”、情報処理学会研究報告、Vol99、No.3、p25−p32、1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、対象平面の形状を矩形に限定することによって、簡便な手法により、正面画像を生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データをコンピュータによって生成する方法であって、前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、を有することを特徴とする方法である。
本発明では、3次元モデルの多くが矩形であることを利用して、原画像データにおける矩形領域の4頂点の歪んだ配置から、正面画像を生成することができる。
【0008】
ここで、前記幾何学的関係は、回転行列及び並進ベクトルに基づくものとすることができる。前記内部パラメータは、カメラの焦点距離を持つものとすることができる。
また、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータの算出は、前記4頂点の座標から、前記カメラの焦点からの前記各頂点の奥行きを算出し、当該奥行きに基づく演算によって行うことができる。
【0009】
4頂点の座標の設定は、前記原画像データを表示装置に表示しておき、表示された原画像上で、前記矩形領域の4頂点の位置を指定することによって行うのが簡便である。
また、表示装置に表示された原画像上に、4頂点を指定するための頂点指定用表示体を表示し、当該頂点指定用表示体を、ユーザの操作によって、表示された原画像上の矩形領域の4頂点に移動させることによって、4頂点の位置を指定すれば、一層簡便に4頂点の座標設定が行える。
【0010】
コンピュータプログラムに係る本発明は、物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データを生成するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、を実行させるためのものである。
【0011】
3次元CGモデルの作成方法に係る本発明は、物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、を有することを特徴とする。この方法によれば、簡便に正面画像が得られ、これを3次元CGモデルに貼り付けることによって、簡単にリアルな3次元CGモデルを得ることができる。
【0012】
また、3次元CGモデルの作成用のコンピュータプログラムに係る本発明は、コンピュータに、物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、3次元モデルを形成する面の多くが矩形であることを利用して、原画像データにおける矩形領域の4頂点の歪んだ配置から、正面画像を簡便に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の正面画像生成方法を実行できる正面画像生成装置1と、この正面画像生成装置1を用いた3次元CGモデル作成装置10の概念図を示している。3次元CGモデル作成装置10は、建物等の地図上の構造物が立体的に表された3次元地図などに用いるために、建物等のリアルな3次元CGモデルを作成するためのものである。
正面画像生成装置1及び3次元CGモデル作成装置10は、コンピュータの記憶装置に、以下で説明する方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶させ、そのコンピュータプログラムの実行により機能するものである。
なお、正面画像生成装置1及び3次元CGモデル作成装置10は、様々な処理を実行する演算装置、記憶装置、画面表示可能な表示装置、そして、キーボード・マウスなどの入力装置を有している。
【0015】
原画像データ(デジタル画像データ)は、ビルなどの建物を真正面ではなく斜めからカメラで撮影したものであり、この原画像データを正面画像生成装置1によって処理すると、所定の正面画像データを生成することができる。この正面画像データ(テクスチャ)は、テクスチャマッピング部2によって、3次元CGモデルの対応する面に貼り付けられ、これにより、建物B(物体)のリアルな3次元モデルを生成することができる。
【0016】
図2は、3次元CGモデル作成装置10において、原画像データから、正面画像を生成し、3次元モデルを作成するための手順を示している。
まず、装置10の記憶装置に記憶されている原画像データをディスプレイ装置等の表示装置に画面表示させる(ステップS1;図3参照)。この原画像においては、建物Bが写っているが、この建物Bは真正面から撮影されたものではなく、斜めから撮影されたものである。なお、建物は、多くの場合、矩形面(長方形面)を持つものであり、本発明に係る方法の適用に適している。
【0017】
この原画像データから、建物Bの正面領域Fの正面画像を得たい場合、正面画像が必要な領域である建物正面Fの範囲を、ユーザが画面を見ながらマウス等の入力装置によって入力する(ステップS2)。正面画像が必要な領域の入力は、例えば、図4に示すように、当該範囲Fを囲む線の各頂点R1〜R6をマウスによって画面上で指定することによって行うことができ、この領域は矩形に限られない。この指定により、建物正面Fの範囲を囲む線の各頂点R1〜R6の原画像データ上の座標が得られ、この座標データは、後の画像切出しのためにメモリに記憶される。
なお、各頂点R1〜R6が指定されると、当該各頂点R1〜R6を示す点表示及び/又は各頂点R1〜R6を結ぶ線表示を、原画像上に表示させるようにすることで、指定された範囲Fがオペレータにとって分かり易くなり、操作性が向上する。
【0018】
続いて、正面画像が必要な領域Fのうち、実際の建物Bにおいて矩形(直角四辺形)形状である物の4頂点の指定を行う(ステップS3)。4頂点の指定は、ユーザが画面を見ながらマウス等の入力装置によって入力することで行える。例えば、図5に示すように、建物正面Fには、建物外壁を構成する複数の矩形パネルが存在し、複数の矩形パネルを合わせた矩形領域(頂点P1〜P4で示される領域)が存在するので、この矩形領域の4頂点P1,P2,P3,P4を指定すればよい。この指定により、建物正面Fにおける矩形領域の4頂点の原画像データ上の座標が得られ、これらの4頂点の座標は、後のパラメータ算出のためにメモリに記憶される。
各頂点P1〜P4が指定されると、当該各頂点P1〜P4を示す点表示及び/又は各頂点P1〜P4を結ぶ線表示を、原画像上に表示させることで、指定された頂点がオペレータにとって分かり易くなり、操作性が向上する。
なお、4頂点の指定は、正面画像が必要な領域Fのどの位置で行っても良い。
また、ステップS2とステップS3の実行順序は、逆でもよい。
【0019】
4頂点の指定をより正確に行うため、エッジ抽出など適宜の特徴点抽出のための画像処理を原画像に施すことにより、頂点の候補となる点を自動生成して原画像上に表示し、オペレータは、頂点候補の中から4頂点を選択するようにしてもよい。このように、頂点候補を自動生成して、オペレータがそれを選択するようにすることで、頂点の位置自体をオペレータがマウスなどの操作によって指定する場合よりも、誤差を少なくして4頂点を指定できる。この結果、より正確な正面画像が得られることになる。
【0020】
指定された4頂点の座標に基づいて、原画像データを正面画像データに変換するためのパラメータの算出が行われる。具体的には、焦点距離fの算出(ステップS4)、矩形の縦横比の算出(ステップS5)、回転行列H・並進ベクトルtの算出(ステップS6)が行われ、その後、正面画像データの生成が行われる(ステップS7)。なお、これらについての詳細は、後述する。
原画像データには、実際の建物正面Fにおける矩形領域P1,P2,P3,P4は、矩形ではなく歪んだ四角形として写っているが、正面画像生成処理(ステップS7)によって、矩形形状となる。
なお、正面画像生成処理は、ステップS2で指定された領域Fだけでなく、原画像データ全体に対して行われる。この際、ステップS2で指定された領域F以外であっても、当該領域Fと平行な平面であれば正面画像化される。つまり、正面画像化したい領域内で矩形4頂点を指定しにくい場合には、正面画像化したい面領域以外の領域において、正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点を指定してもよい。
正面画像化したい面領域以外の領域で4頂点を指定してもよいので、矩形面を有しない物体に対しても、本発明の方法は適用可能である。例えば、彫刻などの正面画像を得るためにも用いることができる。また、絵画のアーカイブ等にも利用することもできる。
【0021】
正面画像化処理と同様に、座標R1〜R6も原画像での座標から正面画像データでの座標に変換され、正面画像データでの建物正面領域Fも決定される。正面画像データでの建物正面領域Fに基づいて、正面画像データから建物正面領域Fの画像が切り出される(ステップS8;図7参照)。切り出された建物正面Fの正面画像データは、予め用意された建物Bの3次元CGモデルの正面に貼り付けられる(ステップS9;図8参照)。建物Bの正面F以外の側面についても、同様に正面画像を得て、3次元CGモデルに貼り付けることで、建物のリアルな3次元CGモデルを完成できる。
なお、正面画像に変換しないで3次元CGモデルに画像を貼り付けると、大きな歪みが生じたが、正面画像に変換することにより、歪みを低減できた。
【0022】
[正面画像生成に関する詳細な説明]
正面画像データは、原画像を撮影したカメラと前記矩形物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを求め、これらのパラメータに基づいて、原画像データを変換することによって得られる。以下、これらのパラメータを求める演算式について説明する。
【0023】
前述の原画像データは、デジタル画像とよばれるものである。図9に示すように、デジタル画像の座標系では、座標の原点は左上にあり、右方向が横軸u、下方向が縦軸vである。
しかし、射影関係を記述する場合には、正規化画像座標系を用いた方が便利であるので、デジタル画像座標系を正規化画像座標系へ変換する。変換式は以下のように表される。なお、「~」は、拡張ベクトルを示す。
【数1】
【0024】
ここで、
【数2】
【数3】
はそれぞれデジタル画像座標(u,v)と正規化画像座標(x,y)の拡張ベクトルである。行列A1は、カメラ内部行列であり、以下のように表される。なお、[u0,v0]は画像中心、αu,αvは画像の両座標軸の間の単位長と焦点距離の積、bは両座標軸のスキュー(skew)である。
【数4】
【0025】
しかし、最近のカメラの性能の向上により、行列A1は以下の行列A2のように表すこともでき、ここでも行列A2を採用する。また、[u0,v0]は、デジタル画像の、縦・横のサイズの半分の値とする。fはカメラの焦点距離である
【数5】
更に、
【数6】
と定義すると、
【数7】
となり、
【数8】
と表すこともできる。
【0026】
次に、正規化座標系を世界座標系に変換する。正規化座標系における座標をMc、世界座標系における座標をMw、回転行列をR、並進ベクトルをtとすると、次式のように表すことができる。
【数9】
矩形(長方形)が画像に射影される様子を図10に示す。長方形の各頂点と焦点を結ぶと、図10のような四角形が画像上に射影される。
【0027】
次に、図10の長方形の面をXY平面とし、長方形の中心の座標を(0,0,0)、長方形の縦、横の長さを2a,2bとすることで、図11のように長方形の4頂点を定義する。すなわち、図11のXYZ座標系において、長方形の各頂点(1)(2)(3)(4)のうち、頂点(1)は(a,b,0)、頂点(2)は(−a,b,0)、頂点(3)は(a,−b,0)、頂点(4)は(−a,−b,0)と定義される。
【0028】
すると、[式(1)(数1)]と、[式(2)(数9)]より、[式(3)(数13)]のようにデジタル画像と座標と世界座標との関係を表すことができる。
【数10】
ここで、回転行列Rは、
【数11】
並進ベクトルはtとする。
ここで、
【数12】
とすると[(数7)]より、以下の式(3)ように、表される。
【数13】
【0029】
よって、各頂点に対しての関係式は以下の4つの式となる。なお、siは、カメラ焦点から図11の各頂点(1)(2)(3)(4)までの奥行きを表し、それぞれの式で表されている数式記号中の番号(i=1〜4)は、図11で示した頂点番号と対応している。
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【0030】
長方形の各頂点における4つの式から、焦点距離fと長方形の縦横比(アスペクト比)を算出することができる。各頂点における式(4)等で用いられている未知数の数は、焦点距離f、回転ベクトルr1,r2、並進ベクトルt、長方形の縦と横の長さの半分であるaとbの計8つである。式(4)〜(7)から8個の方程式が得られるため、これらの未知数を求めることは可能である。
また、回転ベクトルのr3も、r1,r2に直交するので、算出することは可能である。
【0031】
焦点距離fと縦横比a:bの算出をする。まず、[式(4)(数14)]と[式(7)(数17)]の和と、[式5(数15)]と[式6(数16)]の和とは等しくなるので次式が成り立つ。
【数18】
となり、これを変形すると、
【数19】
となる。
これにより、
【数20】
とすると、BTBの最小固有値に対応する固有ベクトルとして、s1,s2,s3,s4を求めることができる。なお、Bの添え字の「T」は転置を示している。
空間の尺度は本来確定できないが、s1,s2,s3,s4の自乗和が1であることにより、とりあえず求めることができる。このように、各頂点の座標が与えられると、演算により、4頂点の奥行きs1,s2,s3,s4を求めることができる。
【0032】
次に、式(4)〜式(7)をそれぞれ以下の4式となるように変形する。
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】
【0033】
[式(9)(数22)]と[式(11)(数24)]の差より、次式が得られる。
【数25】
ここで、
【数26】
とする。
【0034】
さらに、[式(10)(数23)]と[式(11)(数24)]の差より、次式が得られる。
【数27】
ここで、
【数28】
とする。
【0035】
さらに、[式(9)(数22)]と[式(10)(数23)]の和より、次式が得られる。
【数29】
【0036】
次に、[式(12)(数25)]と[式(14)(数27)]の内積をとると次式が得られる。
【数30】
【0037】
次に、[式(12)(数25)]同士の内積をとると次式が得られる。
【数31】
【0038】
次に、[式(14)(数27)]同士の内積をとると次式が得られる。
【数32】
【0039】
[式(17)(数30)]に、[式(13)(数26)]と[式(15)(数28)]を代入すると次式が得られる。
【数33】
これをfについて解くと以下のようになる。
【数34】
【0040】
この[式(20)(数34)]を解くことで、焦点距離fが求められる(ステップS4)。すなわち、各頂点の座標と、各頂点の奥行きとから、焦点距離fを演算することができる。
なお、デジタル画像に写っている四角形の形状によっては、正確な焦点距離fを求めることができない場合がある。すなわち、[式(20)(数34)]の分母が0や限りなく0に近い場合に、fを正確に求めることができなくなる。この点については後述する。
【0041】
焦点距離fが算出されると、fを[式(18)(数31)][式(19)(数32)]に代入し、長方形の縦横の長さの半分であるa,bを求めることができる(ステップS5)。
そして、算出された焦点距離f、長方形の縦横の長さの半分a,b、を[式(12)(数25)][式(14)(数27)][式(16)(数29)]に代入すると、行列H=[r1,r2,t]を求めることができる(ステップS6)。また、r3=r1×r2として回転行列Rと並進ベクトルtに分解することもできる。
回転行列Rと並進ベクトルtは、原画像を撮影したカメラと前記矩形物体との幾何学的関係を示すものであり、行列Hは、回転行列と並進ベクトルtに基づくものであるから、この行列Hも、原画像を撮影したカメラと前記矩形物体との幾何学的関係を示したものとなっている。
【0042】
デジタル画像を正面画像に変換するための式は、以下のように表される。なお、正面画像生成装置1に入力されるデジタル画像の座標をm=[u,v,1]T、正面画像変換後のデジタル画像の座標をm’=[u’,v’,1]T、とする。
【数35】
なお、上記式において、sは、上記式の右辺の演算結果、同左辺のm’=[u’,v’,j]Tにおけるjが1になるように、座標ごとに決定される。
【0043】
以上をまとめると次のようになる。まず、矩形物体の4頂点の座標が与えられると、各頂点の奥行きsが求められる。
続いて、頂点座標及び頂点の奥行きsから焦点距離fが求まって、カメラの内部パラメータAが得られる。
しかも、頂点座標、頂点の奥行きs、及びカメラの内部パラメータAから長方形の縦横比a:bが求まる。
さらに、頂点座標、頂点の奥行きs、長方形の縦横比a:b、カメラの内部パラメータAから、行列H=[r1,r2,t]が求まる。この行列Hは、回転行列Rと並進ベクトルtに基づくものであって、カメラと矩形物体との幾何学的関係を表している。
そして、カメラの内部パラメータAと行列Hを用いて、[式(21)(数35)]から、原画像であるデジタル画像を正面画像に変換することができる。
【0044】
上記方法によって、正面画像の生成を行うと、その正面画像は、矩形物体の実際の縦横比を、ほぼ正確に保持していることが確認された。
【0045】
なお、焦点距離、回転行列、並進ベクトルなどのパラメータを求める手法は、カメラキャリブレーション手法としても研究されており、例えば、消失点(FOE)を用いた手法がある。3次元空間で平行線である2つの線は、画像平面に射影されると、それらの延長線上で1点に交わる。この点は消失点(FOE)と呼ばれている。そして、カメラの焦点から消失点に延びる直線が直行することを利用し方程式を立てることができ、その方程式を解くことで、焦点距離、回転行列、並進ベクトルといったパラメータを求めることができるが、上記実施形態の方法では、消失点を求めることなく、各パラメータを求めることができる。
【0046】
[[式(20)(数34)]の分母が0の場合]
式20の焦点距離fの算出のときに、分母となるα3β3のいずれかが0となっていればこの式は成立しない。ここで、α3=(s2−s4),β3=(s3−s4)であり、s2=s4または、s3=s4であれば、α3またはβ3は0になる。siはカメラ焦点から各頂点までの奥行きであり、s2とs4が等しい、または、s3とs4が等しいということは、同じ奥行き、つまり画像平面に対してそれぞれの頂点を結んだ直線が平行であることを意味する。
そこで、α3,β3の値が0又は0に近い所定範囲の値であれば平行であると判定し、焦点距離fの値が不安定であることを検出し、必要であれば不適切な原画像である旨を出力する。
以上から、原画像は、s2=s4またはs3=s4とならないように撮影したものが好ましい。
ただし、この焦点距離fの値を算出できない場合、つまり式20の分母が0となる際に、以下の3つに場合分けをすることで、焦点距離fを求めずに、いくつかのパラメータを算出することが可能となる。
【0047】
(条件1)α3=0かつβ3≠0の場合
[式(12)(数25)]をr2の式になるように変形し、α3に0を代入すると次式が得られる。
【数36】
すると||r2||=1からbfを求める(|| ||はベクトルのノルム)。bfを用いてr2を求めることができる。ただし、r1は一意に求まらない。
(条件2)α3≠0かつβ3=0の場合
上記(条件1)と同様に、[式(14)(数27)]を変形し、β3に0を代入すると次式が得られる。
【数37】
そして、||r1||=1からafを求める。求めたafを用いてr1を求めることができる。ただし、r2は一意に求まらない。
(条件3)α3=0かつβ3=0の場合
上記(条件1)(条件2)と同様にして、af,r2,bf,r1を求める。r1とr2よりr2を求めることができる。更に、afとbfの両方が求まるので、aとbの比(縦横比)が求まる。
また、並進ベクトルtについては、3つすべての条件下で、焦点距離を含んだ並進ベクトルであれば、[式(16)(数29)]より求めることができる。
【0048】
図12は、画面表示された原画像上で、4頂点を指定するための変形例を示している。ここでは、4頂点を指定する際には、表示装置に表示された原画像上に、4頂点を指定するための頂点指定用表示体が表示される。図示の頂点指定用表示体Dは、4つの指定用頂点D1,D2,D3,D4を有し、各頂点D1,D2,D3,D4が線分で連結された矩形状とされている。画面表示された各頂点D1,D2,D3,D4を原画像中の適当な矩形物体の4頂点に移動させることにより、矩形物体の4頂点が指定される。
このような頂点指定表表示体があることで、原画像上で単に4頂点を指定するよりも、オペレータにとって視覚的に分かり易く、操作性が向上する。
【0049】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】3次元CGモデル作成装置のブロック図である。
【図2】3次元CGモデル作成の手順を示すフローチャートである。
【図3】原画像を示す図である。
【図4】原画像上で正面画像が必要な領域を指定した状態を示す図である。
【図5】原画像上で4頂点を指定した状態を示す図である。
【図6】変換された正面画像である。
【図7】切り出された正面画像である。
【図8】3次元CGモデルに切り出された正面画像を貼り付ける様子を示す図である。
【図9】デジタル画像座標系を示す図である。
【図10】長方形の射影を示す図である。
【図11】原画像と3次元モデルの関係を示す図である。
【図12】4頂点の指定方法の典型例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 正面画像生成装置
2 テクスチャマッピング部
10 3次元CGモデル生成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データをコンピュータによって生成する方法であって、
前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記幾何学的関係は、回転行列及び並進ベクトルに基づくものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記内部パラメータは、カメラの焦点距離を持つものであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記4頂点の座標から、前記カメラの焦点からの前記各頂点の奥行きを算出し、
当該奥行きに基づいて、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記原画像データを表示装置に表示し、表示された原画像上で、前記矩形領域の4頂点の位置を指定することによって、4頂点の座標を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
表示装置に表示された原画像上に、4頂点を指定するための頂点指定用表示体を表示し、当該頂点指定用表示体を、ユーザの操作によって、表示された原画像上の矩形領域の4頂点に移動させることによって、4頂点の位置を指定することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データを生成するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、
を有することを特徴とする3次元CGモデルの作成方法。
【請求項9】
コンピュータに、
物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データをコンピュータによって生成する方法であって、
前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記幾何学的関係は、回転行列及び並進ベクトルに基づくものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記内部パラメータは、カメラの焦点距離を持つものであることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記4頂点の座標から、前記カメラの焦点からの前記各頂点の奥行きを算出し、
当該奥行きに基づいて、前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記原画像データを表示装置に表示し、表示された原画像上で、前記矩形領域の4頂点の位置を指定することによって、4頂点の座標を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
表示装置に表示された原画像上に、4頂点を指定するための頂点指定用表示体を表示し、当該頂点指定用表示体を、ユーザの操作によって、表示された原画像上の矩形領域の4頂点に移動させることによって、4頂点の位置を指定することを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
物体が斜めに写っている原画像データから当該物体の正面画像データを生成するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
前記原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、
を有することを特徴とする3次元CGモデルの作成方法。
【請求項9】
コンピュータに、
物体が斜めに写っている原画像データにおいて正面としたい物体の面と平行な矩形領域の4頂点が存在する座標を設定するステップと、
前記4頂点の座標に基づいて、原画像を撮影したカメラと前記物体との幾何学的関係、及び前記カメラの内部パラメータを算出するステップと、
前記幾何学的関係、及び前記内部パラメータを用いて、前記原画像データを正面画像データに変換するステップと、
当該正面画像データを3次元CGモデルに貼り付けるステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−134137(P2006−134137A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323550(P2004−323550)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年5月6日から7日 社団法人情報処理学会発行の「情報処理学会研究報告 情処研報Vol.2004 No.40」に発表
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年5月6日から7日 社団法人情報処理学会発行の「情報処理学会研究報告 情処研報Vol.2004 No.40」に発表
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【Fターム(参考)】
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