説明

歩行者衝突検出装置

【課題】圧力チャンバ(を備えたチャンバ部材)を用いて歩行者と衝突したことを検知する構成において検出精度を向上させることができる歩行者衝突検出装置を得る。
【解決手段】衝突判定システムは、車両幅方向を長手方向として配置されかつ内部が圧力チャンバ22とされたチャンバ部材20を備えている。チャンバ部材20はバンパリインフォースメント14の前面14Aに隣接して配置されている。バンパカバーとバンパリインフォースメント14との間にはバンパアブソーバ28が配設されている。バンパアブソーバ28は下部に配置される本体部30と、チャンバ部材20とバンパカバーとの隙間に配設される隙詰め部32とで構成されている。さらに、隙詰め部32におけるチャンバ部材20との対向面には凹凸部46が形成されており、歩行者の脚部が侵入すると、2個の凸部42でチャンバ部材20を押圧するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バンパへの歩行者の衝突を検出するための歩行者衝突検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントバンパ内に介挿された硬質衝撃吸収材と軟質衝撃吸収材との間に非圧縮性流体が充填された衝突検知チューブを挿入配置すると共に、衝突検知チューブの長手方向の中央部に圧力センサを設け、この圧力センサの出力信号に基づいて歩行者の衝突を判定する車両用衝突判別装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−310095号公報(図14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の技術では、歩行者と衝突したことを検出する際の検出精度が低下するという問題点がある。すなわち、一般にフロントバンパカバーとバンパリインフォースメントとでは、車両幅方向で曲率が異なっている。このため、車両幅方向の中央部でフロントバンパカバーとフロントバンパリインフォースメントとの距離が最も長くなる。その結果、車両幅方向の中央部では、フロントバンパカバーとフロントバンパリインフォースメントとの間に配置されるバンパアブソーバの車両前後方向の厚さが厚くなる。このため、車両幅方向の中央部では、歩行者衝突時に衝突検知チューブに荷重が入り難くなり、歩行者と衝突したことを検知し難くなる。
【0005】
特に、外気温が低温の場合には、バンパアブソーバが硬くなり、剛性が上がるので、歩行者がフロントバンパに衝突した際に、バンパアブソーバが局所的に凹んで衝突検知チューブを押すのではなく、衝突部位を中心とした広い範囲でバンパアブソーバが衝突検知チューブを押圧することになる。このため、衝突検知チューブの圧力変化が小さくなり、歩行者と衝突したことを検知し難くなる。この問題点を解決するために、衝突検知チューブをバンパカバーの後面にバンパカバーに沿って配設することも考えられる。しかし、この場合には、バンパカバーの形状(曲率)に起因して車両幅方向の中央部側と両端部側とで検出精度にバラツキが生じる。
【0006】
このようにバンパアブソーバを介して圧力検知方式の衝突検知手段を押圧する場合には、種々の要因から歩行者の衝突検知精度が低下する可能性がある。よって、この点において、上記従来の技術は改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、圧力チャンバ(を備えたチャンバ部材)を用いて歩行者と衝突したことを検知する構成において検出精度を向上させることができる歩行者衝突検出装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、車両幅方向を長手方向として配置されたバンパリインフォースメントと、このバンパリインフォースメントの車両前後方向外側に配置されると共にバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向を長手方向として配置され、かつ平面視で車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだバンパカバーと、このバンパカバーとバンパリインフォースメントとの間に介在されると共に車両幅方向を長手方向として配置されたエネルギー吸収用のバンパアブソーバと、を含んで構成された車両用バンパに適用され、前記バンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面に隣接して配置されると共にバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向を長手方向として配置され、かつ内部が圧力チャンバとされたチャンバ部材と、このチャンバ部材の車両前後方向内側に配置され、圧力チャンバ内の圧力変化に応じた信号を出力する圧力検出器と、この圧力検出器の出力に基づいて歩行者と衝突したか否かを判定する衝突判定部と、前記バンパアブソーバの車両幅方向中央側に設けられると共に、平面視で前記チャンバ部材の車両前後方向の外側面と前記バンパカバーの車両前後方向の内側面との隙間に詰められるように設けられ、更にチャンバ部材の車両前後方向の外側面との対向面に当該チャンバ部材の長手方向に沿って凹凸部が形成された隙詰め部と、を備えている。
【0009】
請求項2記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、請求項1記載の発明において、前記チャンバ部材は、前記バンパリインフォースメントにおける車両前後方向の外側面の上部に配置されおり、前記バンパアブソーバは、前記隙詰め部と、前記バンパリインフォースメントにおける車両前後方向の外側面の下部に配置された本体部と、を含んで構成されており、更に隙詰め部の下面の一部が本体部に接続されている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、歩行者との衝突による脚部侵入時に、隣合う2個の凸部が主体となってチャンバ部材が押圧されるように前記凹凸部の凸部と凹部の幅がそれぞれ設定されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、車両幅方向を長手方向として配置されたバンパリインフォースメントと、このバンパリインフォースメントの車両前後方向外側に配置されると共にバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向を長手方向として配置され、かつ平面視で車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだバンパカバーと、このバンパカバーとバンパリインフォースメントとの間に介在されると共に車両幅方向を長手方向として配置されたエネルギー吸収用のバンパアブソーバと、を含んで構成された車両用バンパに適用され、前記バンパカバーの車両前後方向の内側面に隣接してバンパカバーに沿って配置されると共に平面視で車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだ形状に形成され、かつ内部が圧力チャンバとされたチャンバ部材と、このチャンバ部材の車両前後方向内側に配置され、圧力チャンバ内の圧力変化に応じた信号を出力する圧力検出器と、この圧力検出器の出力に基づいて歩行者と衝突したか否かを判定する衝突判定部と、前記バンパアブソーバの車両幅方向中央側に設けられると共に、平面視で前記チャンバ部材の車両前後方向の内側面と前記バンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面との隙間に詰められるように設けられた隙詰め部と、を備えている。
【0012】
請求項1記載の本発明によれば、歩行者が車両用バンパの車両幅方向の中央側に衝突すると、バンパカバーを介してバンパアブソーバが変形することで、衝突時のエネルギーが吸収される。このとき、隙詰め部(の凹凸部の凸部)がチャンバ部材を押圧することにより、圧力チャンバ内の圧力が変化し、圧力検出器によってこの圧力変化が検出される。衝突判定部では、圧力検出器の出力に基づいて歩行者と衝突したか否かが判定される。
【0013】
ここで、本発明では、隙詰め部におけるチャンバ部材の車両前後方向の外側面との対向面に、凹凸部がチャンバ部材の長手方向に沿って形成されている。このため、仮に外気温が低温で隙詰め部が硬化して隙詰め部の剛性が上がっている場合でも、隙詰め部の全体がチャンバ部材を押圧するのではなく、凹凸部の凸部がチャンバ部材を押圧する。このため、衝突時の衝突荷重が圧力チャンバに適切に伝達される。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、チャンバ部材はバンパリインフォースメントにおける車両前後方向の外側面の上部に配置されている。このため、チャンバ部材がバンパリインフォースメントにおける車両前後方向の外側面の下部に配置されている場合に比し、歩行者との衝突検知のみを検出することができる。つまり、一般に歩行者と衝突した場合、歩行者はバンパカバーの上部側へ倒れ込む。一方、ポール等と衝突した場合には、ポール等はバンパカバーの下方側へ倒れ込む。このため、チャンバ部材がバンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面の上部側に配置されていた方が歩行者との衝突のみを検出することができる。
【0015】
ここで、本発明では、隙詰め部の下面の一部がバンパアブソーバの本体部に接続されている。換言すれば、隙詰め部はその下面全体がバンパアブソーバの本体部に接続されているのではなく、一部においてバンパアブソーバの本体部に接続されている。このため、隙詰め部は実質的にはバンパアブソーバの本体部と分かれて存在することとなり、本体部の脚部保護性能に影響が出ない。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、歩行者との衝突による脚部侵入時、2個の凸部が主体となってチャンバ部材が押圧される。つまり、脚部が侵入したときに、脚部侵入幅に対して凸部2個分のボリュームでチャンバ部材が押圧されるので、バンパアブソーバの生産性を損なうことなく、安定した出力が得られる。
【0017】
請求項4記載の本発明によれば、バンパカバーの車両前後方向の内側面に隣接してバンパカバーに沿ってチャンバ部材が配置されるので、歩行者との衝突荷重が圧力チャンバに直接的に伝達される。このため、バンパアブソーバを介して歩行者との衝突荷重が伝達される場合に比し、検出精度は高くなる。
【0018】
しかし、バンパカバーは車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだ形状をしているため、バンパカバーに沿ってチャンバ部材が配設されると、バンパカバーの中央部側では歩行者の脚部との衝突荷重が大きくなる傾向がある。逆に、バンパカバーの両端部側では、平面視で見たときに車両幅方向に対する角度が大きいため、歩行者の脚部との衝突荷重が小さく出る傾向がある。これに対し、本発明では、バンパカバーの車両幅方向中央部側では隙詰め部が配置されているため、衝突荷重が緩和されて丁度良い荷重が圧力チャンバに伝達される。また、バンパカバーの車両幅方向の両端部側では、チャンバ部材の車両前後方向の内側面に隣接して隙詰め部が存在していない。つまり、バンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面が対向配置されている。このため、チャンバ部材はバンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面に支持されるので、バンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面からも圧力チャンバに荷重(反力)が伝達される。従って、チャンバ部材の車両幅方向の両端部側で歩行者と衝突した場合にも、適度な衝突荷重が圧力チャンバに伝達される。つまり、車両幅方向の検出精度のバラツキが解消又は低減される。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、圧力チャンバ(を備えたチャンバ部材)を用いて歩行者と衝突したことを検知する構成において、(低温環境下においても)検出精度を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0020】
請求項2記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、バンパアブソーバの歩行者の脚部保護性能を良好に維持することができるという優れた効果を有する。
【0021】
請求項3記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、脚部侵入時に安定した出力が得られると共に、バンパアブソーバの生産性も良好に保たれるという優れた効果を有する。
【0022】
請求項4記載の本発明に係る歩行者衝突検出装置は、圧力チャンバ(を備えたチャンバ部材)を用いて歩行者と衝突したことを検知する構成において、(圧力チャンバがバンパカバー側に配置されている場合においても)検出精度を向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る歩行者衝突検出装置が適用されたフロントバンパを車両前後方向を含む垂直面で切断したときの状態を示す要部拡大斜視図である。
【図2】図4の2−2線で切断した状態を示すフロントバンパの縦断面図である。
【図3】図1に示されるバンパアブソーバを単体で示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る衝突判定システムの概略全体構成を示す平面図である。
【図5】図3に示される隙詰め部の凹凸部の各部の寸法設定を説明するための説明図である。
【図6】第1実施形態に係る歩行者衝突検出装置の作用効果を説明するために示した対比例に係り、(A)はフロントバンパの縦断面図、(B)はその平面図である。
【図7】図6に示される構成において歩行者と衝突したときのバンパカバー及びバンパアブソーバの変形状態を示す説明図である。
【図8】(A)は隙間に隙詰め部を設けた別の対比例を示す図1に対応する斜視図、(B)は当該対比例に係るフロントバンパの概略平面図である。
【図9】第2実施形態に係る歩行者衝突検出装置が適用されたフロントバンパの概略斜視図である。
【図10】図9に示されるフロントバンパの断面構造を示す図2に対応する縦断面図(センタ部の断面)である。
【図11】図9に示されるフロントバンパの断面構造を示す縦断面図(サイド部の断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図8を用いて、本発明に係る歩行者衝突検出装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、又矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
【0025】
図4には、本実施形態に係る歩行者衝突検出装置としての衝突判定システム10の概略全体構成が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、衝突判定システム10は、自動車の前端に配置された車両用バンパとしてのフロントバンパ12に適用されており、該フロントバンパ12への衝突(の有無)を判別するようになっている。以下、具体的に説明する。
【0026】
フロントバンパ12は、バンパ骨格部材であるバンパリインフォースメント14を備えている。バンパリインフォースメント14は、例えば鉄系やアルミ系等の金属材料より成り、車両幅方向を長手方向として配置された骨格部材として構成されている。このバンパリインフォースメント14は、車体側の骨格部材を構成する左右一対のフロントサイドメンバ16の前端16A間を架け渡して車体に対し支持されている。
【0027】
また、フロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14を車両前後方向の外側すなわち前側から覆うバンパカバー18を備えている。バンパカバー18は、樹脂材等によって構成されており、平面視で車両幅方向の中央部18Aが車両幅方向の両端部18Bよりも車両前方側に膨らんだ形状を成している。また、バンパカバー18は、バンパリインフォースメント14との間に空間Sが形成されるように、図示しない部分で車体に対し固定的に支持されている。
【0028】
そして、フロントバンパ12におけるバンパリインフォースメント14とバンパカバー18との間の空間S内には、チャンバ部材20が配置されている。チャンバ部材20は、車両幅方向を長手方向として配置された中空構造体として構成されており、バンパリインフォースメント14の前面14A及び上面に固定的に取り付けられている。チャンバ部材20は、その長手方向両端の位置がバンパリインフォースメント14の両端14Bの位置と略一致されている。
【0029】
このチャンバ部材20は、上記の通りバンパリインフォースメント14に固定的に取り付けられた状態で、その形状(中空の断面形状)を維持可能な剛性を有しており、図示しない位置に大気と連通された連通孔を有している。従って、通常(静的には)、チャンバ部材20の内部空間である圧力チャンバ22内は、大気圧とされる構成である。このチャンバ部材20は、車両前方から比較的低い圧縮荷重を受けて上記連通孔から空気を逃がしながら潰れ、圧力チャンバ22の内圧を動的に変化させながら圧力チャンバ22の体積が減じられるようになっている。
【0030】
さらに、衝突判定システム10は、それぞれ圧力チャンバ22の圧力に応じた信号を出力する圧力検出器としての一対の圧力センサ24を備えている。各圧力センサ24は、同じ圧力に対し同じ信号を出力する構成とされており、それぞれ圧力チャンバ22内の圧力に応じた信号を後述するECU26に出力する構成とされている。以下の説明では、圧力センサ24を区別する場合に、便宜上、一方の圧力センサ24を第1圧力センサ24A、他方の圧力センサ24を第2圧力センサ24Bという場合がある。
【0031】
これら圧力センサ24は、チャンバ部材20を長手方向に等分する中心線CLに対し左右対称に配置されている。より具体的には、第1圧力センサ24Aは、チャンバ部材20の長手方向一端20Aと中心線CLとの中央部に配置されている。また、第2圧力センサ24Bは、チャンバ部材20の長手方向他端20Bと中心線CLとの中央部に配置されている。換言すれば、チャンバ部材20の車幅方向に沿った全長をLとした場合に、第1圧力センサ24Aは、チャンバ部材20の長手方向一端20Aからの距離がL/4の位置に配置され、第2圧力センサ24Bは、チャンバ部材20の長手方向他端20Bからの距離がL/4の位置に配置されている。
【0032】
従って、衝突判定システム10では、衝突体がフロントバンパ12すなわちチャンバ部材20の長手方向の何れの位置に衝突した場合でも、衝突位置から距離L/4以内に一対の圧力センサ24の少なくとも一方が位置する構成とされている。また、一対の圧力センサ24から衝突位置までの距離差は、L/2以内(0〜L/2の範囲内)となる構成である。
【0033】
また、バンパリインフォースメント14の前面14Aとバンパカバー18との間には、ウレタンフォーム等によって構成されたバンパアブソーバ28が車両幅方向を長手方向として配設されている。バンパアブソーバ28は、前面衝突に対し圧縮変形されて衝撃エネルギを吸収するようになっている。従って、衝突判定システム10では、チャンバ部材20は、バンパアブソーバ28が圧縮変形されるのに伴って、圧力チャンバ22の体積が減じるように圧縮される構成である。
【0034】
衝突判定部としてのECU26は、圧力センサ24の出力信号に基づいて、フロントバンパ12への衝突(の有無)を判定するようになっている。この実施形態では、ECU26は、2つの圧力センサ24の検出値である圧力波形に基づいて、フロントバンパ12への衝突(の有無)を判定するようになっている。
【0035】
ECU26には、第1閾値Pt1、この第1閾値Pt1よりも大きい値である第2閾値Pt2(>Pt1)が設定されている。このECU26は、第1圧力センサ24Aの第1検出値P1、及び第2圧力センサ24Bの第2圧力検出値P2の何れか一方が第1閾値Pt1を超え、かつ上記第1検出値P1及び第2圧力検出値P2の何れか他方が第2閾値Pt2を超えた場合に、フロントバンパ12に衝突体が衝突したものと判定する構成とされている。
【0036】
より具体的には、一対の圧力センサ24のうち衝突体がチャンバ部材20に衝突する衝突位置から相対的に離間して位置する圧力センサ24の検出値Pが第1閾値Pt1を超えると共に、相対的に衝突位置に近接して位置する圧力センサ24の検出値Pが第2閾値Pt2を超えた場合に、フロントバンパ12に衝突体が衝突したものと判定する構成とされている。
【0037】
ここで、バンパリインフォースメント14の前面14Aとバンパカバー18との間に介在されたバンパアブソーバ28について詳細に説明する。図1〜図3に示されるように、バンパリインフォースメント14の下部側に配置された本体部30と、バンパリインフォースメント14の上部側に配置された隙詰め部32と、によって構成されている。本体部30は、バンパリインフォースメント14の前面14Aからバンパカバー18に亘る空間Sの全幅に亘って設けられている。また、本体部30の後部の高さ方向中間部には、本体部30の後端面から車両前方側へ切れ込む溝34が形成されている。溝34は、バンパアブソーバ28の全長に亘って形成されている。
【0038】
一方、隙詰め部32は、バンパアブソーバ28の車両幅方向中央側にのみ形成されている。より具体的には、前述したようにバンパカバー18は中央部18Aが両端部18Bよりも車両前方側へ膨らんだ意匠を成しているため、車両幅方向に沿って概ねストレート形状とされたチャンバ部材20の前面20Cとの間に隙間36が形成されている。この隙間36はバンパアブソーバ28の車両幅方向中央側にのみ形成されており、バンパアブソーバ28の車両幅方向両端側では形成されていない。そして、隙詰め部32は、バンパアブソーバ28の車両幅方向中央側にのみ形成された隙間36を詰めるように形成されている。さらに、隙詰め部32は、その下面の前端縁のみで接続部38を介して本体部30と接続されている。換言すれば、バンパアブソーバ28における本体部30と隙詰め部32との境界部には、車両後方側から車両前方側へ切れ込むスリット40が形成されている。このスリット40が形成されたことにより、隙詰め部32は、本体部30に対してその一部(下面の前端縁側)のみで支持されている。
【0039】
上記から解るように、本実施形態のレイアウトでは、チャンバ部材20がバンパリインフォースメント14の前面14Aに隣接して空間Sの後部に配設されており、当該チャンバ部材20の前面20Aに隣接して空間Sの前部中央側に隙詰め部32が配設されている。隙詰め部32の後面、即ちチャンバ部材20との対向面には、凸部42と凹部44がチャンバ部材20の長手方向に沿って交互に配置された凹凸部46が形成されている。各凸部42は、チャンバ部材20の前面20C側へ向けて略垂直に突出されている。なお、凸部42の両側面には、樹脂成形時の型抜きを可能にするための抜き勾配が設定されている。また、図5に示されるように、凸部42の幅aと凹部44の幅bは、歩行者との衝突時に脚部48が隣合う2個の凸部42を同時にチャンバ部材20側へ押圧するように各々設定されている。つまり、平均的な体格の大人(又は子供)の脚部48の幅をBとしたときに、幅Bの脚部48が隙詰め部32に侵入したときに隣合う2個の凸部42が主体となってチャンバ部材20が押圧されるように、凸部42の幅aと凹部44の幅bがそれぞれ設定されている。なお、「2個の凸部42が主体となって」とは、脚部48が侵入したときに2個の凸部42が脚部48の侵入量とほぼ同じ量だけチャンバ部材20側へ変位することを意味している。従って、その際に2個の凸部42の両隣に位置する凸部42も、2個の凸部42の変位に伴って多少はチャンバ部材20側へ変位するが、これら外側に位置する凸部42は圧力チャンバ22の圧力変化に寄与しない。
【0040】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0041】
全体的な作用について概説すると、歩行者がフロントバンパ12の車両幅方向の中央側に衝突すると、バンパカバー18を介してバンパアブソーバ28が弾性変形することで、衝突時のエネルギーが吸収される。このとき、隙詰め部32(の凹凸部46の凸部42)がチャンバ部材20を押圧するので、圧力チャンバ22内の圧力が変化し、第1圧力センサ24A及び第2圧力センサ24Bによってこの圧力変化が検出される。ECU26では、第1圧力センサ24Aの出力(P1)及び第2圧力センサ24Bの出力(P2)と第1閾値Pt1及び第2閾値Pt2とを比較し、第1圧力センサ24Aの第1検出値P1、及び第2圧力センサ24Bの第2圧力検出値P2の何れか一方が第1閾値Pt1を超え、かつ第1検出値P1及び第2圧力検出値P2の何れか他方が第2閾値Pt2を超えた場合に、フロントバンパ12に歩行者が衝突したものと判定される。
【0042】
ここで、図6〜図8に示される対比例を用いながら、本実施形態の作用並びに効果を説明することにする。なお、本実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
【0043】
図6及び図7は、チャンバ部材20がバンパリインフォースメント14の前面14Aに隣接して配置されかつ隙詰め部32を設けなかった場合(即ち、隙間36がそのまま残されている場合)を表している。この場合、歩行者と衝突すると、歩行者の脚部48はバンパカバー18及びバンパアブソーバ50を変形させつつ、バンパカバー18の上部側へ倒れ込む。このため、隙間36がそのまま存在すると、歩行者の脚部48が侵入してきたときに隙間36が空走区間となり、圧力チャンバ22で検出するのが遅れる(応答遅れが生じる)可能性がある。また、隙間36が存在すると、脚部48がチャンバ部材20に対して傾斜した状態で当たるので、圧力チャンバ22で正確な検出信号が出力されない(出力が不足する)可能性がある。
【0044】
上記の問題点を解決するために、仮に図9に示されるように、本実施形態の凹凸部46が形成されていない隙詰め部52を隙間36に配設したとすると(即ち、隙間36を単にバンパアブソーバ54で埋めると)、歩行者の脚部48がバンパアブソーバ54に侵入したときに隙詰め部52の全体が一つの塊となってチャンバ部材20を押圧するので、荷重が分散されてしまう。特に低温環境下においては、隙詰め部52が硬くなり、剛性が高くなる。このため、隙詰め部52が一つの剛体のようになって、チャンバ部材20を押すので、圧力チャンバ22でより検知し難くなる。
【0045】
これに対し、本実施形態では、隙詰め部32におけるチャンバ部材20の前面20Cとの対向面に、凹凸部46がチャンバ部材20の長手方向に沿って形成されている。このため、仮に外気温が低温で隙詰め部32が硬化して隙詰め部32の剛性が上がっている場合でも、隙詰め部32の全体がチャンバ部材20を押圧するのではなく、凹凸部46の凸部42がチャンバ部材20を押圧する。このため、衝突時の衝突荷重が圧力チャンバ22に適切に伝達される。その結果、本実施形態によれば、圧力チャンバ22を用いて歩行者と衝突したことを検知する構成において、低温環境下においても検出精度を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、チャンバ部材20はバンパリインフォースメント14における車両前後方向の外側面である前面14Aの上部側に配置されている。このため、チャンバ部材20がバンパリインフォースメント14の前面14Aの下部側に配置されている場合に比し、歩行者との衝突検知のみを検出することができる。つまり、一般に歩行者と衝突した場合、歩行者はフロントバンパ12の上部側へ倒れ込む。一方、ポール等と衝突した場合には、ポール等はバンパカバー18の下方側へ倒れ込む。このため、チャンバ部材20がバンパリインフォースメント14の前面14Aの上部側に配置されていた方が歩行者との衝突のみを検出することができる。
【0047】
ここで、本実施形態では、隙詰め部32の下面の前端縁側でのみ接続部38を介して本体部30に接続されている。換言すれば、隙詰め部32はその下面全体がバンパアブソーバ28の本体部30に接続されているのではなく、その下面の前端縁においてバンパアブソーバ28の本体部30に接続されている。このため、隙詰め部32は実質的にはバンパアブソーバ28の本体部30と分かれて存在することとなり、本体部30の脚部保護性能に影響が出ない。つまり、バンパアブソーバ28の脚部保護性能は基本的には本体部30側で確保するようになっており、それを前提としてバンパアブソーバ28の硬度及び寸法等が設定されている。従って、隙詰め部32が下面の全部で本体部30と接続されていた場合には、本体部30のエネルギー吸収性能に変化が生じ、脚部保護性能に影響を与える可能性がある。しかし、本実施形態では、隙詰め部32が、下面の前端縁のみで本体部30と接続部38を介して接続されるように構成したので、本体部30への影響を最小限に抑えることができる。その結果、本実施形態によれば、バンパアブソーバ28の歩行者の脚部保護性能を良好に維持することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、歩行者との衝突による脚部侵入時、2個の凸部42が主体となってチャンバ部材20が押圧される。つまり、脚部48が侵入したときに、脚部侵入幅Bに対して凸部2個分のボリュームでチャンバ部材20が押圧されるので、バンパアブソーバ28の生産性を損なうことなく、安定した出力が得られる。
【0049】
すなわち、仮に凸部1個分のボリュームでチャンバ部材20を押圧することにすると、凸部の幅(図5のaに相当する寸法)が広くなり過ぎ、低温時にチャンバ部材20を押し難くなる懸念がある。逆に、凸部3個分のボリュームでチャンバ部材20を押圧すると、生産性の面で問題が生じる。つまり、凹部の幅(図5のbに相当する寸法)も狭くなるので、型強度を出すのが難しくなる。また、凸部の幅(図5のaに相当する寸法)も狭くなるので、成形時に樹脂材料が行き渡らなくなる。従って、本実施形態のように凸部2個分の幅aでチャンバ部材20を押圧する寸法設定にすると、脚部侵入時に安定した出力が得られると共に、バンパアブソーバ28の生産性も良好に保たれる。
【0050】
〔第2実施形態〕
以下、図9〜図11を用いて、本発明に係る歩行者衝突検出装置の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略することにする。
【0051】
図9及び図10に示されるように、この第2実施形態に係る車両用バンパとしてのフロントバンパ60では、チャンバ部材62がバンパカバー18の後面18Cに隣接してバンパカバー18の長手方向に沿って配設されている。なお、ここでいう「隣接して」には、図10に示されるように、チャンバ部材62とバンパカバー18との間に僅かな隙間が形成される場合も含まれるものとする。補足すると、前述した第1実施形態の場合は、バンパリインフォースメント14の前面14Aに接触した状態でチャンバ部材20が配設されていたが、第1実施形態の場合にはフロントバンパ12の意匠面から奥まった位置にチャンバ部材20が配設されるため、バンパリインフォースメント14の前面14Aに接触した状態でチャンバ部材20が配設されていたとしても特に問題はない。しかし、本実施形態のようにバンパカバー18の後面18Cの隣にチャンバ部材62を配設する場合、バンパカバー18は意匠面を構成する、つまりフロントバンパ60の最外側の部材を構成するので、不用意な荷重がバンパカバー18に入ってチャンバ部材62が押されることがないようにバンパカバー18との間に若干隙間を開けてチャンバ部材62を配置するのが好ましい。
【0052】
つまり、第1実施形態のようにチャンバ部材20が平面視でバンパリインフォースメント14の前面14Aに隣接して直線的に配設されているのではなく、チャンバ部材62は車両幅方向の中央部62Aが両端部62Bよりも車両前方側へ膨らんだ湾曲形状に形成されてバンパカバー18に沿って配設されている。このため、チャンバ部材62の後面62Cの中央側とバンパリインフォースメント14の前面14Aとの間には、第1実施形態で説明した隙間36と同様形状の隙間64が形成されている。なお、隙間64は、フロントバンパ60の車両幅方向の中央側に形成され、車両幅方向の両端側には形成されていない。
【0053】
一方、バンパアブソーバ66は、第1実施形態と同様構成の本体部30と、本体部30の後端部に一体に形成された隙詰め部68と、によって構成されている。つまり、隙間64がバンパリインフォースメント14側に形成されたことに伴い、隙詰め部68も本体部30の車両後方側の端部でかつ車両幅方向の中央側に立設されている。隙詰め部68は、前面68Aがチャンバ部材62の後面62Cの曲率に合致する円弧面状に形成されかつ後面68Bがバンパリインフォースメント14の前面14Aの形状に合致する平面状に形成されている。そして、この隙詰め部68が隙間64に配設されている。なお、隙詰め部68の前面68Aには、前述した第1実施形態のような凹凸部46は形成されていない。また、図11に示されるように、チャンバ部材62の車両幅方向の両端部62Bは、隙詰め部68を間に介することなく、バンパリインフォースメント14の前面14Aに隣接して配設されている。
【0054】
(作用・効果)
上記構成によれば、バンパカバー18の後面18Cに隣接してバンパカバー18に沿ってチャンバ部材62が配置されているので、歩行者との衝突荷重が圧力チャンバ22に直接的に伝達される。このため、前述した第1実施形態のようにバンパアブソーバ28を介して歩行者との衝突荷重がチャンバ部材20に伝達される場合に比し、検出精度は高くなる。
【0055】
しかし、バンパカバー18は車両幅方向の中央部18Aが両端部18Bよりも車両前方側に膨らんだ形状を成しているため、バンパカバー18に沿ってバンパカバー18と同様の平面形状を成すチャンバ部材62が配設されると、バンパカバー18の中央部18A側では歩行者の脚部との衝突荷重が大きくなる傾向がある。逆に、バンパカバー18の両端部18B側では、平面視で見たときに車両幅方向に対する角度があるため(バンパカバー18の車両幅方向の両端部18Bは中央部18Aに対して傾斜しているので)、歩行者の脚部48との衝突荷重が小さく出る傾向がある。
【0056】
これに対し、本実施形態では、バンパカバー18の車両幅方向の中央部18A側では隙詰め部68が配置されているため、隙詰め部68が弾性変形することによって衝突荷重が緩和される。このため、丁度良い荷重が圧力チャンバ22に伝達される。また、バンパカバー18の車両幅方向の両端部18B側では、チャンバ部材62の後面62Cに隣接して隙詰め部68が存在していない。つまり、バンパリインフォースメント14の前面14Aが隣接して配置されている。このため、チャンバ部材62はバンパリインフォースメント14の前面14Aに支持されるので、バンパリインフォースメント14の前面14Aからも圧力チャンバ22に荷重(反力)が伝達される。従って、チャンバ部材62の車両幅方向の両端部62B側で歩行者と衝突した場合にも、適度な衝突荷重が圧力チャンバ22に伝達される。その結果、本実施形態によれば、チャンバ部材62による歩行者衝突の検出精度のバラツキが解消又は低減されて、車両幅方向に略均一な検出精度を確保することができる。よって、本実施形態によれば、その意味において、歩行者衝突の検出精度を向上させることができる。
【0057】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、圧力センサ24の検出値Pとして圧力波形を用いてECU26が衝突を判定する例を示したが、本発明はこれに限定されず、チャンバ部材20の圧力を他の物理量等に換算した検出値を用いて衝突を判定するようにしてもよい。従って、例えば、圧力センサ24の出力信号(圧力波形)から求めた有効質量(m)を検出値(M)として衝突を判定するようにしてもよい。また、例えば、単に圧力波形(検出値P)を時間積分して得た検出値を用いて衝突を判定する構成としてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、衝突判定システム10がフロントバンパ12に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、上記各構成を前後反転してリヤバンパに適用してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 衝突判定システム(歩行者衝突検出装置)
12 フロントバンパ(車両用バンパ)
14 バンパリインフォースメント
14A 前面(車両前後方向の外側面)
18 バンパカバー
18A 中央部
18B 両端部
20 チャンバ部材
22 圧力チャンバ
24 圧力センサ(圧力検出器)
24A 第1圧力センサ(圧力検出器)
24B 第2圧力センサ(圧力検出器)
26 ECU(衝突判定部)
28 バンパアブソーバ
30 本体部
32 隙詰め部
36 隙間
38 接続部
42 凸部
44 凹部
46 凹凸部
60 フロントバンパ(車両用バンパ)
62 チャンバ部材
62A 中央部
62B 両端部
64 隙間
66 バンパアブソーバ
68 隙詰め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両幅方向を長手方向として配置されたバンパリインフォースメントと、
このバンパリインフォースメントの車両前後方向外側に配置されると共にバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向を長手方向として配置され、かつ平面視で車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだバンパカバーと、
このバンパカバーとバンパリインフォースメントとの間に介在されると共に車両幅方向を長手方向として配置されたエネルギー吸収用のバンパアブソーバと、
を含んで構成された車両用バンパに適用され、
前記バンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面に隣接して配置されると共にバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向を長手方向として配置され、かつ内部が圧力チャンバとされたチャンバ部材と、
このチャンバ部材の車両前後方向内側に配置され、圧力チャンバ内の圧力変化に応じた信号を出力する圧力検出器と、
この圧力検出器の出力に基づいて歩行者と衝突したか否かを判定する衝突判定部と、
前記バンパアブソーバの車両幅方向中央側に設けられると共に、平面視で前記チャンバ部材の車両前後方向の外側面と前記バンパカバーの車両前後方向の内側面との隙間に詰められるように設けられ、更にチャンバ部材の車両前後方向の外側面との対向面に当該チャンバ部材の長手方向に沿って凹凸部が形成された隙詰め部と、
を備えた歩行者衝突検出装置。
【請求項2】
前記チャンバ部材は、前記バンパリインフォースメントにおける車両前後方向の外側面の上部に配置されおり、
前記バンパアブソーバは、前記隙詰め部と、前記バンパリインフォースメントにおける車両前後方向の外側面の下部に配置された本体部と、を含んで構成されており、更に隙詰め部の下面の一部が本体部に接続されている、
ことを特徴とする請求項1記載の歩行者衝突検出装置。
【請求項3】
歩行者との衝突による脚部侵入時に、隣合う2個の凸部が主体となってチャンバ部材が押圧されるように前記凹凸部の凸部と凹部の幅がそれぞれ設定されている、
請求項1又は請求項2記載の歩行者衝突検出装置。
【請求項4】
車両幅方向を長手方向として配置されたバンパリインフォースメントと、
このバンパリインフォースメントの車両前後方向外側に配置されると共にバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向を長手方向として配置され、かつ平面視で車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだバンパカバーと、
このバンパカバーとバンパリインフォースメントとの間に介在されると共に車両幅方向を長手方向として配置されたエネルギー吸収用のバンパアブソーバと、
を含んで構成された車両用バンパに適用され、
前記バンパカバーの車両前後方向の内側面に隣接してバンパカバーに沿って配置されると共に平面視で車両幅方向の中央部が両端部よりも車両前後方向外側に膨らんだ形状に形成され、かつ内部が圧力チャンバとされたチャンバ部材と、
このチャンバ部材の車両前後方向内側に配置され、圧力チャンバ内の圧力変化に応じた信号を出力する圧力検出器と、
この圧力検出器の出力に基づいて歩行者と衝突したか否かを判定する衝突判定部と、
前記バンパアブソーバの車両幅方向中央側に設けられると共に、平面視で前記チャンバ部材の車両前後方向の内側面と前記バンパリインフォースメントの車両前後方向の外側面との隙間に詰められるように設けられた隙詰め部と、
を備えた歩行者衝突検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−143825(P2011−143825A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6227(P2010−6227)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】