説明

歯科用チェアユニット

【課題】操作パネル上の操作ボタンの操作後初期設定値の操作値に戻す機能を持ち、また表示板に表示される操作項目を任意に選定することのできる歯科用チェアユニットを提供する。
【解決手段】本発明は、従来複雑な操作を行う必要があった前記歯科用チェアユニットの初期設定値の操作値へ戻すリセット機能と、歯科用チェアユニットのメインスイッチ投入時に、最初に操作パネル1の表示板4に表示される操作項目を任意に選定できる機能及び、その順列を選定できる機能を既存の決定ボタン3に追加し、あるいは初期設定値の操作値へ戻す専用のリセットボタン7を新たに操作パネル1に設けて、前記リセット、及びメインスイッチ投入時に最初に表示する操作項目や、順列の設定をワンタッチで実行可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェアユニットの複数の操作項目が順次表示される表示板と、該表示板に表示する操作項目の選択及びその操作項目における操作値を設定するための選択・設定ボタンと、前記選択・設定ボタンによって設定された操作値を実行値として決定する決定ボタンとを備えた操作パネルを有する歯科用チェアユニットにおいて、
ハンドピースをハンドピースホルダーから取り出した時に、ユーザーにより設定された操作値を初期設定値として記憶保存する機能及び、変更した操作値をキャンセルし前記記憶保存設定されている初期設定値に戻す機能や、チェアユニットのメイン電源を投入した時に表示板に最初に表示される操作項目を任意に設定できる機能並びに、ユーザー設定により主要操作の表示順が選択できる機能を有し、また、前記初期設定された操作値を変更した後、初期操作値に戻す機能を備えたリセットボタンを、操作パネルに備えてなる歯科用チェアユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科用チェアユニットでは、操作パネルの表示板にチェアユニット操作に係わる任意の操作項目を選択、表示させ、かつ、その操作項目における操作値を設定する複数の選択・設定ボタンと、前記選択・設定ボタンによって設定された操作値を実行値として決定する決定ボタンを備え、これら複数の選択・設定ボタンと決定ボタンにより操作項目の表示や、操作値の設定が随時行えるようになっている。
そして、ユーザーごとに使用頻度の高い操作項目、操作値はある程度一定しているので、チェアユニットは、ユーザーの希望に基づいて使用頻度の高い操作項目、操作値(例えばハンドピース使用時の操作値)が通常のメモリに記憶され、納入されるのが通例であり、納入後は必要に応じて、ユーザーが前記複数の選択・設定ボタンと決定ボタン、または操作パネルに設置されるハンドピース設定操作ボタン等を使用して前記納入時にメモリに記憶された操作値を変更して必要な作業を行っている状況にあるが、例えば、納入時の操作値を変更して作業しても、その後は次の作業に備えて前記使用頻度の高い変更前の設定値の操作値に戻しておくことがユーザーにとっては好ましい。
【0003】
しかしながら、従来の歯科用チェアユニットでは、前記当初の変更前のメモリは現在の操作のメモリに上書きされてなくなっているため、変更前の設定値の操作値に戻す(リセット)ためには、再度複数の選択・設定ボタンと決定ボタン及び操作パネル上のハンドピース設定操作ボタン等やその他のスイッチを用いて変更時と同様な複雑な操作を行う必要があった。
したがって、複数の操作項目の操作値を変更して作業した場合には、それぞれの操作項目の操作値に対して当初設定の操作値に戻す操作をしなければならず、時間と手間のかかる煩雑な作業となっていた。
また、主たる操作項目であるメインメニューの表示順は固定されており、必要な項目を表示させるのに選択・設定ボタンを複数回繰り返して押さなければならない不便さもあった。
【非特許文献1】歯科用チェアユニット(シグノートレファート)カタログ 2004年10月、(株)モリタ・(株)モリタ製作所・(株)モリタ東京製作所発行。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑み、従来複雑な操作を行う必要があった前記歯科用チェアユニットの初期操作値を記憶保存する(イニシャルメモリ)機能と、
初期操作値に復帰(イニシャルリセット)させるリセット機能と、
歯科用チェアユニットのメインスイッチ投入時に、最初に操作パネルの表示板に表示される操作項目を任意に選定できる機能及び、前記メインメニューの表示順の順列を選択設定できる機能等を既存の決定ボタンに追加し、
あるいは、前記イニシャルリセットさせるための専用のリセットボタンを新たに操作パネルに設けて、前記イニシャルリセットがワンタッチで実行可能な歯科用チェアユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑み本発明者等は鋭意実験研究の結果、下記の手段によりこの課題を解決した。
(1)歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る数の操作値が表示される表示板と、ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択、設定するための複数の選択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択・設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択・設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【0006】
(2)歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る数の操作値が表示される表示板と、ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択、設定するための複数の選択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択・設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択・設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、前記操作パネルが、前記表示板に表示されるチェアユニットの主要操作項目を設定するためのメインメニューにおける複数の操作項目のいずれかを、前記決定ボタンを長時間押すことによって、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【0007】
(3)歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る数の操作値が表示される表示板と、ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択・設定するための複数の選択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択・設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、前記操作パネルが、前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細の設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目において、複数通りの順列が選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【0008】
(4)前項(1)又は(2)に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルにおいて、前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能並びに、表示板に表示されるチェアユニットの主要操作項目を設定するためのメインメニューにおける複数の操作項目のいずれかを、前記決定ボタンを長時間押すことによって、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【0009】
(5)前項(1)又は(3)に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルにおいて、前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能並びに、前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細の設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目において、複数通りの順列が選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【0010】
(6)前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルにおいて、操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能並びに、表示板に表示されるチェアユニットの主要操作項目を設定するためのメインメニューにおける複数の操作項目のいずれかを、前記決定ボタンを長時間押すことによって、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能並びに、表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細の設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目において、複数通りの順列が選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【0011】
(7)前項(1)〜(6)のいずれか1項に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルにおいて、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能のうち、上記初期設定値に戻す機能を有する専用の復帰ボタンを操作パネルに配設し、同ボタンを長時間押すことにより、初期設定値に復帰させることを実行可能にしたことを特徴とする歯科用チェアユニット。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば次のような優れた効果を発揮する。
1、本発明の請求項1の発明によれば、
歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る数の操作値が表示される表示板と、ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択、設定するための複数の選択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択・設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択・設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能を有するため、
初期設定値の操作値への復帰が容易であり、作業効率が向上する。
特に複数の操作項目の操作値を変更して作業した場合には、操作ボタンによりメインメニュウのイニシャルリセットを選択して、前記決定ボタンを押すだけで、対象となるハンドピースの操作項目に関し初期設定の操作値に戻すことができるので、操作性の優れた歯科用チェアユニットとなる。
【0013】
2、請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記決定ボタンを長時間押し続けることによって、複数の操作項目のいずれかを、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を備えてなるため、
頻繁に操作値を変更する可能性のある項目を表示板に表示させた後、決定ボタンを長時間押すことにより、チェアユニットのメインスイッチを投入する度に複数の選択・設定ボタンを繰り返して押すことなく、随時変更を必要とする操作項目を最初に表示することができる。
【0014】
3、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1に記載の操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細の設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目の表示順を複数通り設定して選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し、決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有するため、
メインメニュー内の項目の表示順序の順列パターンの選択ができ、最初に所要の順列パターンを表示することができる。
【0015】
4、請求項4の発明によれば、
請求項1又は2に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択、設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能を有し、
かつ、決定ボタンを長時間押し続けることによって、複数の操作項目のいずれかを、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を備えてなるため、
前記請求項1又は2における効果に加えて、初期設定値の操作値への復帰が容易であり、作業効率が向上する。
特に複数の操作項目の操作値を変更して作業した場合には、操作ボタンによりメインメニューのイニシャルリセットを選択して、前記決定ボタンを押すだけで、対象となるハンドピースの操作項目に関し初期設定の操作値に戻すことができるので、操作性の優れた歯科用チェアユニットとなる。
そして、頻繁に操作値を変更する可能性のある項目を表示板に表示させた後、決定ボタンを長時間押すことにより、チェアユニットのメインスイッチを投入する度に複数の選択・設定ボタンを繰り返して押すことなく、随時変更を必要とする操作項目を最初に表示することができる。
【0016】
5、請求項5の発明によれば、
請求項1又は3に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能を有し、
かつ、前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細な設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目の表示順を複数通り設定して選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有するため、
前記請求項1又は3における効果に加えて、初期設定値の操作値への復帰が容易であり、作業効率が向上する。
特に複数の操作項目の操作値を変更して作業した場合には、操作ボタンによりメインメニューのイニシャルリセットを選択して、前記決定ボタンを押すだけで、対象となるハンドピースの操作項目に関し初期設定の操作値に戻すことができるので、操作性の優れた歯科用チェアユニットとなる。
そして、メインメニュー内の項目の表示順序の順列パターンの選択ができ、最初に所要の順列パターンを表示することができる。
【0017】
6、請求項6の発明によれば、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択、設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能を有し、
かつ、 決定ボタンを長時間押し続けることによって、複数の操作項目のいずれかを、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を有し、
さらに、前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細の設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目の表示順を複数通り設定して選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し、決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有するため、
請求項1〜4のいずれか1項における効果に加えて、初期設定値の操作値への復帰が容易であり、作業効率が向上する。
特に複数の操作項目の操作値を変更して作業した場合には、操作ボタンによりメインメニュウのイニシャルリセットを選択して、前記決定ボタンを押すだけで、対象となるハンドピースの操作項目に関し初期設定の操作値に戻すことができるので、操作性の優れた歯科用チェアユニットとなる。
そして、頻繁に操作値を変更する可能性のある項目を表示板に表示させた後、決定ボタンを長時間押すことにより、チェアユニットのメインスイッチを投入する度に複数の選択・設定ボタンを繰り返して押すことなく、随時変更を必要とする操作項目を最初に表示することができる。
さらに、メインメニュー内の項目の表示順序の順列パターンの選択ができ、最初に所要の順列パターンを表示することができる。
【0018】
7、請求項7の発明によれば、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルにおいて、
前記ハンドピース操作ボタンによりユーザーが選択設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能のうち、上記初期設定値に戻す機能を有する専用の復帰ボタンを操作パネルに配設し、同ボタンを長時間押すことにより、初期設定値に復帰させることを実行可能にしたため、
請求項1〜6のいずれか1項における効果に加えて、前記復帰ボタン(リセットボタン)を長時間押すことにより、選択・設定及び決定の操作と初期設定値の操作値への復帰とをワンタッチで簡単に間違いなく実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明を実施するための最良の形態を図に基づいて以下に説明する。
図1−1は 本発明の歯科用チェアユニットにおける操作パネルの色別表示器及び表示板の選択・設定ボタン及び決定ボタン並びにハンドピース設定操作ボタンの配置図である。
図において、1は操作パネル、2は選択・設定ボタン、3は決定ボタン、4は表示板、5はハンドピース(HP)設定操作ボタン、6は色別表示器、5aは一定・可変(可変モード切替)ボタン、5bはレンジ切り替えボタン、5cは注水(ON,OFF)切り替えボタン、5dはハンドピース(HP)ライト(ON,OFF)ボタン、5eはマイクロモータ(Ls)正逆(回転方向切り替え)ボタンを示す。
なお、ここで選択・設定ボタン、決定ボタン、設定操作等のボタンとは、スイッチ機能を有する押しボタンや、タッチパネル等をいう。また、選択・設定ボタン及び決定ボタンによる操作項目の表示切替や操作値の設定、決定等の制御は、操作パネルの背部に配設されたCPUによって行われる。
図1−2は本発明の歯科用チェアユニットの他の実施例における操作パネルの色別表示器及び表示板の選択・設定ボタンと決定ボタン及びハンドピース設定操作ボタン並びにリセットボタンの配置図である。
図において、7はリセットボタンを示す。
【0020】
前記図1−1に示すように、操作パネル1の表示板4に表示されるチェアユニットの操作項目選択と、その操作項目における操作値の設定を行う選択・設定ボタン2は、U(アップ)、D(ダウン)、R(右)、L(左)の4個のボタンで構成されている。この4個のボタンは、表示板4の操作項目に係り、例えば以下の図に示すような機能を有する。
図2はメインメニューの操作項目の表示板に表示される画像と選択・設定ボタン及び決定ボタンの作用説明図である。
図2に示したようにメインメニュー(歯科用チェアユニットの主要な操作項目を設定するためのメニユー)における表示板4に表示した操作項目〈1〉減算タイマー、〈2〉オペレータ番号、〈3〉オペレータ選択、〈4〉チェアロック選択、〈5〉HPロック選択、〈6〉ユーザー設定、〈7〉初期操作値復帰、を順に選択表示させる機能を有し、Uボタンは1回押すごとに〈1〉→〈2〉・・・→〈7〉の順に、また、Dボタンは〈7〉→〈6〉・・・→〈1〉の順にいずれもエンドレス(例えばDボタンでは〈7〉の次は〈1〉に戻る)に表示されるので、どちらかのボタンを押すことによって操作項目とその操作項目における操作値を表示板4に表示させることができる(図2の初期表示画面列参照)。
【0021】
また、Lボタン及びRボタンは、図2の表示操作画面列に示すように、表示板4に表示されたいくつかの操作値、例えば〈3〉オペレータ選択では1、2、3、4、5、〈4〉チェアロック選択ではON、OFFの操作値を選択、設定するカーソルの機能を有し、Lボタンはカーソルを右から左に、Rボタンは左から右に移動させる。
【0022】
選択・設定ボタン2の下方に配設されている決定ボタン3は、前記選択・設定ボタン2によって設定された操作項目における操作値を実行値として決定する機能を有し、該決定ボタン3を押すことによって、前記表示板4に表示されLボタン又はRボタンのカーソル機能によって選択された操作値を実行値として決定させる(図2の決定画面列参照)。
そして、決定ボタン3を押すことにより〈1〉減算タイマーではタイマーが作動を始め、〈3〉オペレータ選択では選択、設定されたオペレータ番号(図ではオペレータ番号2)の操作値に切り替わり、〈4〉チェアロック選択ではONでチェアがロックされ、OFFでロックが解除され(図ではONを選択)、〈5〉HPロック選択では、複数のハンドピースのいずれか1つ又は複数を選択してロックされる(図では1、2のハンドピースのロックを選択)。
また、〈6〉ユーザー設定では、ONでユーザーが必要に応じて設定できる後述の(図4−1、図4−2:ユーザ設定用メニュー)に示すような操作項目とその操作項目における操作値を設定し、決定するユーザー設定用メニューに表示板4の表示画面が切り替えられる。
【0023】
上記の選択・設定ボタン2及び決定ボタン3の機能は、すでに従来のチェアユニットにも備わっているが、従来のチェアユニットでは電源を投入した際のメインメニューの表示が、本実施例においては、「〈1〉減算タイマー」から必ず始まるものであった。
したがって、ユーザーによってよく操作値を変更する操作項目が存在する場合、例えば「〈4〉チェアロック選択」では常に〈1〉から〈4〉までUボタンでは3回、Dボタンでは4回押さなければならない煩雑さがあった。
【0024】
図3は、決定ボタンを長時間押すことによりメインメニューの表示板に表示される操作項目の表示順が変わることの説明図である。
本発明のチェアユニットでは、前記決定ボタン3に、該決定ボタン3を長時間押すことによって、それまで図3(a)のように4番目に表示されていた「〈4〉チェアロック設定」を、図3(b)に示すように次回チェアユニットのメインスイッチを投入した時、最初に表示することができるという新たな機能が備えられている。
【0025】
次に複数のHP(ハンドピース)設定操作ボタンの各ボタン(図1−1、図1−2)は、HPをホルダーから取り出したときに設定操作するもので、表示は色別表示器(本器ではLED)を、切り替えに応じて色彩及び点灯数を変えて表示される。
図1−3は、HP操作設定ボタンと色別表示器の配置図である。
本事例では、対象となるHPは、〈A〉エアタービン(Hs)、〈B〉マイクロモータ(Ls)、〈C〉スケーラ(Sc)及び〈D〉可視光線照射器(VL)である。
図示した各HP操作設定ボタンは、それぞれ可変モードボタン(一定・可変)5a、レンジ切り替えボタン(回転速度、パワー、照射量の切り替え)5b、注水切り替えボタン(注水のON/OFF切り替え)5c、HPライトボタン(ライトのON/OFF切り替え)5d、Ls正逆ボタン(回転方向切り替え)5eであって割り当てられた操作の実行や変更をする機能を実行し、各ボタンの切り替え操作にに応じて色別表示器6の色及び点灯数が変わる。
なお、前記可視光線照射器(VL)には、注水切り替え5c及び、HPライト5dによる作用はなく、切り替え表示もない。
【0026】
前記各操作ボタンの操作によって、各HP〈A〉〜〈D〉の機能及び、表示器の表示は次のように変化する。
1、可変モードボタン5aにおいて一定を選択すると、表示器(LED)はオレンジに点灯する。、そして
〈A〉エアタービン(Hs)は、ペダルONで直ちにレンジに応じてメモリされた回転になり、ペダルOFFで停止する。
〈B〉マイクロモータ(Ls)も上記に同じ。
〈C〉スケーラ(Sc)は、ペダルONで直ちにレンジに応じてメモリされたパワーになり、ペダルOFFで停止する。
〈D〉可視光線照射器(VL)は、ペダルONで、レンジに応じて、メモリされたパワーで照射し、メモリされた時間が経過すると停止する。
ただし、マニアルレンジのときは、ペダルOFFで停止する。
また、可変を選択すると表示器(LED)は緑に点灯する。そして、
〈A〉Hsは、ペダルの踏み込み加減に応じた回転になり、レンジに応じてメモリされた回転数が最高回転数になる。
〈B〉Lsも上記に同じ。
〈C〉Scは、ペダルの踏み込み加減に応じたパワーになり、レンジに応じてメモリされたパワーが最高パワーになる。
〈D〉VLには可変の機能はない。
【0027】
2、レンジ切り替えボタン5bの操作によって、回転速度、パワー、照射量のレンジを切り替えると、色別表示器(LED)は、緑又はオレンジと緑の混合に点灯し、レンジに応じて表示器が1〜3個点灯する。そして、
〈A〉Hsでは、エアの流量をL(低速)、M(中速)、H(高速)の3レンジに切り替えられ、色別表示器の点灯色は緑で、Lの場合は左端の1個、Mの場合は左端と中央の2個,Hの場合は3個全てが点灯する。
〈B〉Lsでは、回転速度の範囲をUL(超低速)、L(低速)、M(中速)、H(高速)の4レンジに切り替えられ、ULの場合は左端の色別表示器1個がオレンジに点灯し、Lの場合は左端の1個が緑に、Mの場合は左端と中央の2個が緑に、Hの場合は3個全てが緑に点灯する。
〈C〉Scでは、パワーをENDO(根尖手術)、PERIO(歯槽骨手術)、Sc(歯周手術)等の用途によって、3つのレンジに切り替えられ、色別表示器はENDOの場合は左端の1個が緑に、PERIOの場合は左端と中央の2個が緑に、Scの場合は3個全てが緑に点灯する。
〈D〉VLでは、パワー及び照射時間をマニュアル(手動)、レジン(樹脂)、ボンディング(接合)の3レンジに切り替えられ、色別表示器はマニュアルの場合は左端の1個が緑に、レジンの場合は左端と中央の2個が緑に、ボンディングの場合は3個全てが緑に点灯する。
【0028】
3、注水切り替えボタン5cの操作によって、注水のON/OFFを行うと、注水ONの場合には色別表示器は緑に、OFFの場合は赤に点灯する。
この操作は、前記〈A〉Hs、〈B〉Ls、〈C〉Scで、それぞれのHPごとに設定可能である。
【0029】
4、HPライト切り替えボタン5dの操作によって、ライトのON/OFFと照度の切り替えが行える。
HPのライトH(高照度)では、左、右両端の色別表示器が緑に、HPのライトM(中間照度)は、左端の色別表示器が緑で、右端の色別表示器が赤に、そしてHPのライトOFFの場合は、左右両端の色別表示器が赤に点灯する。
この操作は、前記〈A〉Hs、〈B〉Ls、〈C〉Scで、それぞれのHP毎にに設定可能である。
【0030】
5、Ls正逆切り替えボタン5eの操作によって、エアタービンの回転方向を切り替えることができ、正転(時計回り)の場合は色別表示器が緑に、逆転(反時計回り)の場合は赤に点灯する。
上記の操作設定は、後記HPのイニシャルメモリ、イニシャルリセット機能に係る決定ボタンあるいはリセットボタンに関連する。
【0031】
複数のハンドピースそれぞれの操作値は、ユーザーの要望によって選択され、チェアユニット納入時にメモリに初期設定値として記録保存されているのが通例である。
しかし、使用する間には納入時の初期設定値を変更する必要が出てきたり、患者ごとに一時的に変更して使用したい場合が出てきたりする。そこで、一時的に操作値を変更して使用したい場合に操作値を変更するために、操作パネル1上には、ハンドピースの設定を変更するための専用の操作スイッチが複数設けられている(図1−3参照)。
また、従来、ユーザの設定によって当初の設定値として記録保存されていた操作項目は、その後変更すると現在の操作値に、上書き変更されていた。
【0032】
本発明の歯科用チェアユニットにおいては、当初の操作値あるいは、その後の操作項目における操作値を変更したユーザー希望の操作値を、初期設定値として記録保存することができる(図4−1)に示すようなユーザー設定用メニュー、「イニシャルメモリ」が準備されている。
図4−1、図4−2は、ユーザー設定用メニューの表示板に表示される操作項目とその操作値の表示例を示す図である。
したがって、前記図2のメインメニューの操作項目「〈6〉ユーザー設定」をONにし、決定ボタン3を押すと前記「イニシャルメモリON、OFF」が表示板4に表示されるので、前記選択・操作ボタン2のLボタン又はRボタンでいずれかを設定し、決定ボタン3で設定された操作値を実行値として決定する。
【0033】
そして、前記ハンドピース設定操作ボタン5a〜5eで一時的に操作値を変更して作業をした後に、前記初期設定値の操作値に戻したいときには、
前記ユーザー設定用メニューから、前記選択・設定ボタン2により前記メインメニュー図2の初期操作値復帰「イニシャルリセット」を選択して、
前記決定ボタン3を押すことにより、前記の操作スイッチ5a〜5eによる変更をキャンセルし、前記初期設定値の操作値に戻すことができる構成となっており、煩雑な操作をすることなく、変更した操作値をリセットできる操作性に優れたものである。
【0034】
また、前記ユーザー設定用メニューには、前記HP設定操作ボタンにて表示板4に表示されるHPに係る詳細設定を、前記選択・設定ボタンにて行うことができる。例えば(図5)のUの点線ライン、図4−1・図4−2に示したように〈2’〉、〈3’〉、〈7’〉,〈8’〉〈12’〉、〈13’〉、〈14’〉、〈15’〉の各設定を行うことができる。
【0035】
次に前記HPを取り出し、HP設定操作ボタンにて設定される表示板への表示及び使用中の表示の事例を下記に示す。
図4−3は、Hs取り出し時の前記レンジH、M、Lの速度表示と、同回転中(使用中)の速度表示を示す。
【0036】
図4−4は,Sc取り出し時の前記レンジSc、PERIO、ENDOにおけるパワー表示と、同発振中(使用中)のパワー表示を示す。
図4−5はVL取り出し時の前記レンジ、ボンディング、レジン、マニュアルの照射時間表示と、同照射中(使用中)の残り時間表示を示す。
【0037】
図4−6は、Ls1取り出し時のレンジ速度表示と、アタッチメント(HP先端、倍率ギア入り交換可)の倍率表示、モーターの最高回転数、チップエア(エア供給のON、OFF)並びに回転中(使用中)のモータ回転数を示す。
取り出し時、
レンジ:UL、4:1(アタッチメントの倍率)、300rpm(モーターの最高回転数)、同チップエア−:ON/OFF、
同レンジ:L、1:1、3,000rpm、チップエア−:ON/OFF、
同レンジ:M、1:5、20,000rpm、チップエアー:ON/OFF、
同レンジ:H、1:5、40,000rpm、
回転時(モータの回転数:連続可変)
40,000〜300
【0038】
また、本発明では、ユーザー設定用のメニューに、新たに図4−1、図4−2に二重枠で表示した「〈9’〉メインメニュー順列パターン」として、別途メインメニューで表示される操作項目の表示順が異なる複数順列が用意され(図ではa、b、cの3組)そのいずれかを選択できる操作項目と、「〈18’〉リターンメインメニュー」として、ユーザー設定用メニューの設定完了後、メインメニューへの復帰をワンタッチで行える操作項目とが追加されており、それに伴い決定ボタン3にはこれら2項目の操作値を決定値として決定する機能が必然ながら備えられている。
これにより最適なメインメニューの表示順が容易に得られ、また、ユーザー設定用のメニューの操作がより容易になっている。
【0039】
なお、その他のユーザー設定用のメニューの操作項目は、従来のチェアユニットで使用されているものと同じであるので詳述は割愛するが、ユーザー設定用のメニューでの設定を終えた後、「〈1’〉イニシャルメモリ(初期値設定)」に戻ってその操作値「ON」を選択して決定ボタンを押すと、最後の「〈17’〉タイマーサウンド」の設定を終え「〈18’〉リターンメインメニュー」を表示して決定ボタンを押すとユーザー設定用のメニューでこれまでの設定した操作値が新たな初期値として記憶保存される。
また、「〈1’〉イニシャルメモリ」に戻ることなく「〈18’〉リターンメインメニュー」でメインメニューに戻り、Uボタン又はDボタンでメインメニューの「〈7〉初期操作値復帰」の「ON」を選択した後、決定ボタン3を押すと、ユーザー設定用メニューでの変更がすべてキャンセルされメモリは変更前の初期設定値を保持する。
【0040】
上述した本発明の歯科用チェアユニットのメインメニュー、ユーザー設定用メニュー、ハンドピースの相互関係を次図に示す。
図5はメインメニュー及びユーザー設定用メニューの操作項目の表示板に表示される画像と、選択・設定ボタン及び決定ボタンとの機能並びにハンドピース設定操作ボタンの操作項目と色別表示器との関連を示す説明図である。
図において実線の矢印は表示板4及び表示器6に表示される操作項目の表示順を示し、実線はハンドピースとHP操作ボタンに係る表示器との関連を示す。
【0041】
点線の矢印はその始点側の操作項目において決定ボタン又はHP操作ボタンが押されたときにその終点側の操作項目に影響することを示すものである。
例えば、(A)メインメニューの「〈6〉ユーザー設定」が「ON」のとき決定ボタンが押されれば表示板の表示が(B)ユーザー設定用メニューに移り、
また、ハンドピース〈A〉Hs、〈B〉Ls、〈C〉Sc、〈D〉VLを取り出すことにより各ハンドピースに関連する初期操作値が表示板4に表示され、
かつ該初期操作値を変更した場合、その変更操作値が新たな初期操作値として記録保存されること、
さらに、変更した操作値をキャンセルして初期操作値に戻すリセット機能を備えていること、
そして、(B)ユーザー設定用メニューのHPに関する例えば、「〈7’〉LS増速アタッチメントの倍率設定」、「〈8’〉LS減速アタッチメントの倍率設定」によって詳細の設定ができること、
「〈9’〉メインメニュー順列パターンの選択」によって(A)メインメニューの操作項目の表示順が異なっている複数の順列のいずれかを選択できること等を示したものである。
【0042】
上述のように、本発明の歯科用チェアユニットの操作パネル1に配設された決定ボタン3は、以下のような機能が備えられている。
・長時間押すことによって、チェアユニットのメインスイッチを再投入したとき最初に表示板4に表示される操作項目を任意に選択できる機能
・別途用意されたメインメニューの各操作項目の表示順が異なる複数の順列からいずれか1つを選択する機能
・表示板に表示される画面を、ユーザー設定用のメニューからワンタッチでメインメニューに戻す機能
・ハンドピース設定操作スイッチで変更した操作値を使用して作業した後、決定スイッチを押すことによって前記変更した操作値をキャンセルし、初期設定値の操作値に戻す機能が新たに付与されている。
【0043】
次に前記図1−2の本発明の歯科用チェアユニットの他の実施例における操作パネルの色別表示器及び表示板の選択・設定ボタンと決定ボタン及びハンドピース設定操作ボタン並びにリセットボタンの配置図、に示した操作パネルについて説明する。
本事例は、操作パネルに専用のリセットボタン7を設けた場合の、リセットボタン7及び前記決定3ボタンの機能である。
ハンドピース設定操作スイッチ5a〜5eで操作値を変更して作業した後、前記決定ボタンを押すことによって前記変更した操作値をキャンセルし、初期設定値に戻す機能を決定ボタン3から分離し、長時間押すことにより初期設定値の操作値に戻す機能を備えたリセットボタン7を、決定ボタン3の近傍に配設している。
これにより、前述した決定ボタン3に多様な機能を持たせることによって生じる誤操作を防止し、ワンタッチで確実にかつ容易に初期設定値に戻すことができる。
なお、他の機能、作用は実施例1と同様であるので、詳細は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1−1】本発明の歯科用チェアユニットにおける操作パネルの色別表示器及び表示板の選択・設定ボタン及び決定ボタン並びにハンドピース設定操作ボタンの配置図
【図1−2】本発明の歯科用チェアユニットの他の実施例における操作パネルの色別表示器及び表示板の選択・設定ボタンと決定ボタン及びハンドピース設定操作ボタン並びにリセットボタンの配置図
【図1−3】HP操作設定ボタンと色別表示器の説明図
【図2】メインメニューの操作項目の表示板に表示される画面と選択・設定ボタン及び決定ボタンの作用説明図
【図3】決定ボタンを長時間押すことによりメインメニューの表示板に表示される操作項目の表示順が変わることの配置図
【図4−1】ユーザ設定用メニューの表示板に表示される操作項目とその操作値の表示例を示す図
【図4−2】ユーザ設定用メニューの表示板に表示される操作項目とその操作値の表示例を示す図
【図4−3】Hs取り出し時の前記レンジH、M、Lの速度表示と、同回転中(使用中)の速度表示を示す図
【図4−4】Sc取り出し時の前記レンジSc、PERIO、ENDOにおけるパワー表示と、同発振中(使用中)のパワー表示を示す図
【図4−5】VL取り出し時の前記レンジ、ボンディング、レジン、マニュアルの照射時間表示と、同照射中(使用中)の残り時間表示を示す図
【図4−6】Ls1取り出し時のレンジ速度表示と、アタッチメント(HP先端、倍率ギア入り交換可)の倍率表示、モーターの最高回転数、チップエア(エア供給のON、OFF)並びに回転中(使用中)のモータ回転数を示す図
【図5】メインメニュー及びユーザー設定用メニューの操作項目の表示板に表示される画像と、選択・設定ボタン及び決定ボタンとの機能並びにハンドピース設定操作ボタンの操作項目と色別表示器との関連を示す説明図
【符号の説明】
【0045】
1:操作パネル
2:選択・設定ボタン
3:決定ボタン
4:表示板
5:HP設定操作ボタン
5a:一定・可変ボタン
5b:レンジ切り替えボタン
5c:注水切り替えボタン
5d:ハンドピースライトボタン
5e:マイクロモータ正逆ボタン
6:色別表示器
7:リセットボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る複数の操作値が表示される表示板と、
ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、
前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択、設定するための複数の選択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択、設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、
前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択、設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース設定操作ボタンによりユーザーが選択、設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、
前記表示板に表示される操作項目を選択、設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【請求項2】
歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る複数の操作値が表示される表示板と、
ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、
前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択、設定するための複数の選
択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択、設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、
前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択、設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記表示板に表示されるチェアユニットの主要操作項目を設定するためのメインメニューにおける複数の操作項目のいずれかを、前記決定ボタンを長時間押すことによって、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【請求項3】
歯科用チェアユニットの複数の操作項目のうちのいずれか1項目及び該操作項目に係る数の操作値が表示される表示板と、
ハンドピース設定操作ボタンの操作項目に係る色別表示器と、
前記表示板に表示する操作項目を選択し、かつ、表示された操作項目における複数の操作値の中から実行する操作値(実行値)を選択、設定するための複数の選択・設定ボタン及び、前記選択・設定ボタンによって選択、設定された操作項目の操作値を実行値として決定するための決定ボタン並びに、
前記色別表示器に表示されるハンドピースに係る操作項目における操作値を選択、設定するための複数のハンドピース設定操作ボタンを有する操作パネルを備えた歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細な設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、前記メインメニューの複数の設定項目の表示順を複数通り設定して選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、
前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し、決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを有する歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース設定操作ボタンによりユーザーが選択、設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、
前記表示板に表示される操作項目を選択、設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能並びに、
表示板に表示されるチェアユニットの主要操作項目を設定するためのメインメニューにおける複数の操作項目のいずれかを、前記決定ボタンを長時間押すことによって、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【請求項5】
請求項1又は3に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを有する歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース設定操作ボタンによりユーザーが選択、設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、
前記表示板に表示される操作項目を選択、設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能並びに、
前記表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細な設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、
前記メインメニューの複数の設定項目の表示順を複数通り設定して選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、
前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し、決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを有する歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース設定操作ボタンによりユーザーが選択、設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、
前記表示板に表示される操作項目を選択、設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能並びに、
表示板に表示されるチェアユニットの主要操作項目を設定するためのメインメニューにおける複数の操作項目のいずれかを、前記決定ボタンを長時間押すことによって、前記チェアユニットのメインスイッチを再投入したときに前記表示板に最初の表示画面として表示させられるよう記憶保存する機能並びに、
表示板に表示されるチェアユニット操作項目のさらに詳細な設定や、変更を行うことができるユーザー設定用メニューに設けられた複数の設定項目中に、
前記メインメニューの複数の設定項目の表示順を複数通り設定して選択できる「メインメニューの順列パターン」の項目を設け、
前記操作・選択ボタンにより該項目を選択して表示板に表示し決定ボタンにより記憶保存して、メインメニュー操作項目の順列機能を有することを特徴とする歯科用チェアユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の各種操作ボタン及び表示板、色別表示器を有する操作パネルを有する歯科用チェアユニットにおいて、
前記操作パネルが、前記ハンドピース設定操作ボタンによりユーザーが選択、設定した操作値を、初期設定値として記憶保存する機能と、
前記表示板に表示される操作項目を選択設定する選択・設定ボタン及び決定ボタンによって、前記記憶保存されている初期設定値を変更設定した変更設定値を、前記初期設定値に戻す機能のうち、決定ボタンを長時間押すことによって行っていた該初期設定値に戻す機能を、別途操作パネルに配設した専用の復帰ボタンを長時間押すことにより実行可能にしたことを特徴とする歯科用チェアユニット。


【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−346260(P2006−346260A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−177877(P2005−177877)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(390011121)株式会社モリタ東京製作所 (28)
【Fターム(参考)】