説明

歯種装置

【課題】
歯牙歯周組織における診断を高精度、高速におこなうことを課題とする。
【解決手段】
主に歯種配列手段を使用することにより前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を始めとす抗原、汚染物質の口腔内、特に歯牙と歯牙周囲組織への進入または遭遇、汚染、定着、汚染物質の同定、汚染物質の各種位相、歯牙周囲組織への侵襲、リスクなどを検出する技術である。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特願2003-421304号歯種試薬は、本発明における枝葉の末端であるサブクレームの2D Fixed Form 実空間2次元固定形態歯種配列手段(2次元固定形態の歯種形態手段を装備した歯種配列手段)と実空間歯種情報手段とを備える手段におけるほんの一部である。本発明においては、除くクレームを設定して本発明の権利範囲より特願2003-421304号歯種試薬の権利範囲を除くとする。 または何らかの権利のオーバーラップがもし仮に存在した場合には、本発明、本装置における権利範囲より特願2003-421304号歯種試薬の権利範囲を除くとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
個々の歯種に対応する歯牙、歯周組織における菌叢、内部または外部感染路の分析、院内感染の分析、微生物の位相の分析などを分析、診断しする事を課題とする。これにより、的確な診断、予防が可能となる。
ここでの歯種とは、口腔内の個々の歯を特定するなんらかの文字列、数列、文字数列など特定の記号(群)を歯種とする。
具体的に本発明においては、1,2,3,4,5,6,7,8が最も基本的な歯種とした。 さらにUR1(右上1番)とかLL3(左下3番)とか、左上5番、右下第1大臼歯、または右上1番(の切歯)、2番(の切歯)、3番(の犬歯)などである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1〔請求項1の手段〕
請求項1の歯種装置は、
歯種装置は、
歯種により特定された歯種配列手段と、
歯種により特定された歯種配列において、
その個々の歯種により特定された口腔内の歯(種)に関する歯牙情報、歯周組織情報、粘膜情報、歯牙が有する微生物情報、歯周組織が有する微生物情報などの歯種情報を1つ以上有することのできる(歯種)情報手段
を備えることを特徴とする。
2〔請求項2の手段〕
請求項1の歯種装置において
前記歯種配列は、歯種形態手段(フレーム手段)
備える事を特徴とする。
3〔請求項3の手段〕
請求項1または請求項2におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種配列は、階層手段
備える事を特徴とする。
4〔請求項4の手段〕
請求項1または請求項3におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種情報手段は、
記憶手段、演算手段、表示手段など仮想空間情報手段
であることを特徴とする。
5〔請求項5の手段〕
請求項1または請求項4におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種情報手段は、試薬手段、培地手段などの実空間情報手段
であることを特徴とする。
6〔請求項6の手段〕
請求項1または請求項5におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種配列は、歯種形態変化手段
備える事を特徴とする。
7〔請求項7の手段〕
請求項1または請求項6におけるいづれか1項の歯種装置は、
歯牙歯周組織を始めとした口腔組織における微生物などの感染、汚染、汚染物質などの汚染などの空間的状況を検出、分析する空間分析手段を備える事を特徴とする歯種装置。
8〔請求項8の手段〕
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、歯牙歯周組織の背景である口腔組織における微生物の常在微生物を検出、分析する背景分析手段である
事を特徴とする。
9〔請求項9の手段〕
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、口腔内の定着、感染、汚染部位から他の部位への拡散を検出する内部拡散検出手段である
事を特徴とする。
10〔請求項10の手段〕
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、口腔外からの微生物による口腔内への拡散(進入)を検出する外部拡散検出手段である
事を特徴とする。
11〔請求項11の手段〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、空気感染を見つける空気感染演算子手段である
事を特徴とする。
12〔請求項12の手段〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、咽頭方向からの感染を見つける咽頭方向感染演算子手段である事を特徴とする。
13〔請求項13の手段〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、接触感染を見つける接触感染演算子手段である
事を特徴とする。
14〔請求項14の手段〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、院内感染を見つける院内感染演算子手段である
事を特徴とする。
15〔請求項15の手段〕
請求項1から請求項14におけるいづれか1項の歯種装置は、
病原微生物の病原位相を検出する位相分析手段
を備える事を特徴とする
【発明の効果】
【0005】
1〔請求項1の作用および効果〕
請求項1の歯種装置は、
歯種装置は、
歯種により特定された歯種配列手段と、
歯種により特定された歯種配列において、
その個々の歯種により特定された口腔内の歯(種)に関する歯牙情報、歯周組織情報、粘膜情報、歯牙が有する微生物情報、歯周組織が有する微生物情報などの歯種情報を1つ以上有することのできる(歯種)情報手段
を備えることを特徴とするので、
歯種にて特定される情報を観察できる。また個々の歯種の配列による歯種情報のパターンなどから感染、汚染、将来のリスクなどが判明する。さらに空間分析や位相分析などが観察でき、さらに空間分析手段や位相分析手段を適用できる基礎を提供する。
さらにここで、2Dや3DのTransformation Formの歯種配列を使用するとさらに詳細な菌バランスや内部拡散、外部拡散の様相が明確に観察できる。さらに背景のコロニー生成状態により粘膜常在の性質が観察できる。さらに背景菌叢から歯牙歯周組織に特有な菌叢が分離観察できる場合もある。

2〔請求項2の作用および効果〕
請求項1の歯種装置において
前記歯種配列は、歯種形態手段(フレーム手段)
備える事を特徴とするので隣在や対合などにおける歯種の関係がわかる。
このことにより空間分析、位相分析、力学分析などがモデル化した状態で分析できたり、また口腔内と同じ歯種関係にて前記分析を始めとして様々な観察、計測、分析、診断や種々なシミュレーションができる。

3〔請求項3の作用および効果〕
請求項1または請求項2におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種配列は、階層手段
備える事を特徴とするので、歯種情報を複数有する事ができる。
空間分析や位相分析を非常に容易にかつ強力にできる基礎を提供する。
また、配列、行列、行列式を容易に形成できるので、ベクトル演算を容易に行える。もちろんスカラー演算もできる。また配列の内容を表示すれば、各種歯種情報による歯種の状態を一目瞭然に観察できる。これは、歯種情報毎に(分離)観察できるし、また任意に指定した歯種情報を合成し観察できる。これにより病態の診断が非常に容易にできる。

4〔請求項4の作用および効果〕
請求項1または請求項3におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種情報手段は、
記憶手段、演算手段、表示手段など仮想空間情報手段
であることを特徴とするので、高速、高精度、普遍性をもつ歯種情報を扱える。

5〔請求項5の作用および効果〕
請求項1または請求項4におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種情報手段は、試薬手段、培地手段などの実空間情報手段
であることを特徴とするので、実空間にて歯種装置における状態をリアルタイムに観察、分析、経過観察できる。 これにより一例として視覚的にシャーレ内は歯種で区画されるが、実質的にシャーレ内は培地で連続しており、口腔内より採取した採取物をシャーレ内の各歯種の培地で培養することで、上顎下顎の対向関係を含めた口腔内の菌バランスの状態を、一目で判断できる特徴を有する。

6〔請求項6の作用および効果〕
請求項1または請求項5におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種配列は、歯種の形態(フレーム)を変化させる歯種形態変化手段
備える事を特徴とするので、実際の口腔内での隣接(隣在)、対向(対合)関係を再現できる。これは抽象化、モデル化したフレームでもよいし、また3次元形状などでのリアルな形状により口腔内と寸分違わない歯種形態で合っても良いし、またその中間で合っても良い。

7〔請求項7の作用および効果〕
請求項1または請求項6におけるいづれか1項の歯種装置は、
歯牙歯周組織を始めとした口腔組織における微生物などの感染、汚染、汚染物質などの汚染などの空間的状況を検出、分析する空間分析手段を備える事を特徴とするので、口腔内、口腔外からの歯種、歯種間などに関する種々な空間分析ができる。

8〔請求項8の作用および効果〕
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、歯牙歯周組織の背景である口腔組織における微生物の常在微生物を検出、分析する背景分析手段である
事を特徴とするので、歯種で特定された歯牙または歯周組織に特異的か、非特異的か、そして非特異的なら歯種により特定された部位以外の背景に特異的かなどの背景分析ができる。

9〔請求項9の作用および効果〕
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、口腔内の定着、感染、汚染部位から他の部位への拡散を検出する内部拡散検出手段である
事を特徴とするので、内部拡散状況が検出、分析、診断できる。
一例としてこれにより歯種に特異的な病態の広がりが判明するので診断、治療、予防に大きな貢献をなす。

10〔請求項10の作用および効果〕
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、口腔外からの微生物による口腔内への拡散(進入)を検出する外部拡散検出手段である
事を特徴とするので、外部環境から口腔内への、また特定の歯種への各種感染経路の特定などができる。

11〔請求項11の作用および効果〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、空気感染を見つける空気感染演算子手段である
事を特徴とするので、空気感染する微生物や汚染物の特定ができる。これにより感染防止などもできる。

12〔請求項12の作用および効果〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、咽頭方向からの感染を見つける咽頭方向感染演算子手段である事を特徴とするので、消化器、呼吸器あるいは鼻腔が感染源である可能性を示唆できるなどの咽頭方向感染を示唆、診断、治療、予防できる。

13〔請求項13の作用および効果〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、接触感染を見つける接触感染演算子手段である
事を特徴とするので、
一例として食物による感染を分析できる。これにより特定の汚染食物の特定、食事制限ができる。

14〔請求項14の作用および効果〕
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、院内感染を見つける院内感染演算子手段である事を特徴とするので、(特に他医院での)院内感染を示唆する。これにより院内感染防止ができる。

15〔請求項15の作用および効果〕
請求項1から請求項14におけるいづれか1項の歯種装置は、
病原微生物の病原位相を検出する位相分析手段
を備える事を特徴とするので、
微生物、汚染、酸濃度、酸化還元度合、微生物、組織などの代謝産物などの位相が判明する。これにより病気の診断、病気の進行具合、感染状況などが診断できる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の歯種装置を、図1〜図30に示す実施例または変形例に基づき説明する。
ことを実施の形態とする。 なお、症例写真には、原本に個人名の記載があり、その箇所は、塗りつぶすなどした。この部位に臨床情報が入っている場合があったが、個人情報保護を優先した。
【0007】
〔実施例の構成〕
歯種装置は、少なくとも
歯種配列手段
を備える。
【0008】
歯種配列手段
歯種配列手段は、歯種により特定された配列手段であり、その特定された配列手段は、口腔内の対応した歯牙または歯牙歯周組織に存在するなんらかの情報(歯種情報)を所有できる情報手段を有する手段である。ここで「歯種」とは、歯の種類とその順位を含める。 具体的には、第1大臼歯は「6」という歯種で、第2大臼歯は「7」という歯種で表現する。この時大臼歯のみを歯種といい、その順位を第1、第2と分類するのではなく、第1大臼歯も「6」も歯種のひとつとする。
【0009】
さらなる一例として歯種配列(手段)は、RU1(ここでは右上1番である右上中切歯を指す歯種である。)と記載した四角領域などである。その四角領域に、歯種のひとつであるRU1で特定される右上1番の歯牙歯周情報などの歯種情報が歯種配列(手段)に保有されている。もちろん空の時もある。
【0010】
ここで、以下における本実施の形態における歯種は、主に番号によるものであるが、歯種を表現できれば、どのような記号、数字、文字、絵、模様でもよいが、歯種を特定できる具体性があるものや、多くの人々が認知しているものである。
一例を挙げれば、日本で使用されている歯種として1が中切歯、2が側切歯、3が犬歯、4が第1小臼歯、5が第2小臼歯、6が第1大臼歯、7が第2大臼歯、8が第3大臼歯に対応する。またFDI(国際歯科連合)方式では、11,12,13,14,15,16番は、11が右上の中切歯、12が右上の側切歯、13が右上の犬歯、14が右上第1小臼歯、15が右上第2小臼歯、16が右上第1大臼歯、17が右上第2大臼歯、18が右上第3大臼歯などである。
そして左上が20番台、左下が30番台、右下が40番台にて表現されている。
乳歯の歯種は、Aが乳中切歯、Bが乳側切歯、Cが乳犬歯、Dが第1乳臼歯、Eが第2乳臼歯を示す。
などである。
【0011】
具体性のない印象模型などの個々の歯の形は、歯種ではなく歯種情報の一種である。一例として下顎の1と2、上顎の4と5は、または6と7と8は、歯科医師でも人により区別ができない抽象的なものであるから本発明においては歯種としない。しかし模型に小臼歯がひとつしかなくとも、それを4と記載すれば具体性があり、これは歯種配列(手段)となりうる。またそれを5としても具体性があり歯種配列となりうる。
【0012】
さらに詳しくは、その歯種にて特定された配列手段は、培地などの検査試薬、または各種情報である培地情報、う蝕情報、歯周病情報、画像情報、検査情報など(の歯種情報)におけるいづれかまたはその組み合わせなどが情報手段にて保有、保存、保持、所有できる。
【0013】
この時仮想空間上の情報を保有できる仮想空間歯種配列と実空間上の情報を保有できる実空間歯種配列のいづれかまたは、その両方を組み合わせて使用しても良い。
一例として実際のシャーレなどに歯種を印記した実空間歯種配列や、コンピュータなどの仮想空間内での仮想空間歯種配列などがある。
【0014】
さらに具体的な一例として、
実空間歯種配列手段は、
具体的な一例としてシャーレに印記した歯種配列などであり、シャーレ内に情報手段として試薬、培地などを挿入して使用する。
さらに具体的には、図1におけるシャーレ(実線部四角型)にここでの情報手段である培地を満たし、右上顎中切歯なら上段の歯種配列におけるR側(右側を表す)の1番に、口腔内の右上顎中切歯から採取した歯垢などの採取物を塗布または挿入する。この時歯種配列手段の一つが図1の上段におけるR側の1の数字で区切られている領域であり、そして歯種配列手段が有する情報は、培養情報となる。これは、実空間の情報(歯種情報)である。
これをコンピュータに入力すれば、仮想空間上の培養情報となる。ここで、実空間の情報の情報手段は、この場合培地(試薬)であり、仮想空間での情報手段は、記憶手段や単なる紙などでなる。さらにシャーレ自身に情報を記載すれば、シャーレ自身が情報手段となる。写真に撮影すれば、写真が仮想空間歯種配列(手段)となる。
ここで、情報手段が培地の場合、シャーレは、歯種配列の基盤手段であり、また情報手段の基盤手段でもある。
【0015】
仮想空間歯種配列手段は、情報手段が記憶手段、演算などの実行手段、表示手段などのいづれかまたはその組み合わせなどでも実現できる。この場合は、歯種情報を容易に分析、加工などできる。
【0016】
実空間歯種配列手段は、情報手段が試薬手段、培地手段、可塑材、機能材などのいづれかまたはその組み合わせなどでも実現できる。
【0017】
また特殊な例として実空間歯列弓型歯種配列がある。この実空間歯列弓型歯種配列は、歯列弓型の歯種配列にワックスやコンパウンドを挿入して咬合を印記した咬合情報や、細菌を印記して使用するなどである。この時もちろん歯種により特定された配列手段なので、歯種が対応する歯牙歯周組織の情報に歯種の印記などの対応による歯種による特定がなされているのは言うまでもない。
【0018】
仮想空間歯種配列
一例としてコンピュータ画面上または記憶素子中の仮想空間上の歯種に対応した配列である。
具体的な一例としては、
struct 歯種配列
{
int UR1;
int UR2;
int UR3;
int UR4;
int UR5;
int UR6;
int UR7;
int UR8;
}
や、
struct 歯種配列{
int UR1,UR2,UR3,UR4,UR5,UR6,UR7,UR8;
int UL1,UL2,UL3,UL4,UL5,UL6,UL7,UL8;
int LL1,LL2,LL3,LL4,LL5,LL6,LL7,LL8;
int LR1,LR2,LR3,LR4,LR5,LR6,LR7,LR8;
}
などである。 欠損も空として歯種配列に含んでも良い。また欠損は歯種配列自身を容易しない手段もあるが、前記欠損の空の歯種情報をゆうする歯種配列が良い場合が多い。
ここで変数の型は、整数、浮動小数点、char型など目的に合えばどのような型でも良い。またUR, LR, UL, LLは、それぞれ右上、右下、左上、左下を表現する。これも上下左右が表現できれば、どのような表現でもよい。ここでは、URのみを記載した。また、class、配列、ポインタ、サブルーチンなど本発明の趣旨に添えばいづれで記載、表現しても良い。また1歯種に複数のデータ、複数の種類のデータ、または複数のプログラム(コード)を所有、保持してもよい。また場合によっては空でも「0」でもよい。
一例として前記配列の内容(変数)である歯種情報は、
感染度、汚染度、定着度、遭遇度、進入度、う蝕指数、歯周病指数、ポケット深さ、動揺度、排膿有無、炎症度、ステップリングの消失、色、歯槽骨吸収、根尖病巣の度合い、などなど個々の歯種(歯牙歯周組織)が有している病的または生理的情報などである。
特に培地を使用した場合は、
感染すなわち微生物が個々の歯種(歯牙)に遭遇または進入し、そして汚染または定着した段階での感染指数であるコロニーレベルを値となる。
【0019】
以上いづれの歯種配列を採用するかは、製造者や術者の自由である。
また 前述のごとく歯種装置、歯種配列には、基盤手段が別途必要な場合と、情報手段のみでよく、基盤手段が不必要または兼用の場合がある。
【0020】
[効果]
これらの歯種配列という配列が後述の空間分析、位相分析、さらにそれから院内感染、内部拡散、外部拡散といった様々な状態を検査、分析、診断できる基礎になるのである。この基礎(配列)が非常に有用である事が後述の開示にて、さらに理解できると考える。実空間歯種配列(手段)の効果
特に歯種配列を培地(シャーレ)に適用した場合、視覚的にシャーレ内培養情報は歯種で示される。具体的には口腔内より採取した歯垢、ポケット内容物などの採取物をシャーレ内の各歯種の培地で培養することで、上顎下顎の対向関係を含めた口腔内の菌バランスの状態を、一目で観察、判断できる特徴を有する。
さらに背景のコロニー生成状態により粘膜常在の性質などが判明する。さらに背景菌叢から歯牙歯周組織に特有な菌叢が分離観察できる場合もある。
さらにここで、後述の2次元(2D)や3次元(3D)の転換形態(Transformation Form)の歯種配列を使用するとさらに詳細な菌バランスや内部拡散、外部拡散の様相が明確に観察できる。
仮想空間歯種配列(手段)の効果
仮想空間歯種配列は、さまざまな演算、処理ができる。また保存性がよい。また電子カルテにリンクをしたり、1号、2号カルテをその情報の一部としたりできる。これによりカルテ記載、カルテ情報を高度に処理できる。
また仮想歯種配列手段を表示手段にて表示し、その上にマウスカーソルなどを移動させたときに、その歯種配列が有する情報または情報の名称を表示するようにしても良い。この場合とても便利である。もちろん情報が多い場合は、プルダウンメニューを表示しても良い。

実仮想混合歯種配列(手段)の効果
仮想空間歯種配列(の歯種情報)は、時間が凍結し、実空間歯種配列(の歯種情報)は、時が進んでゆくので、仮想空間歯種配列の情報が基準となり比較ができる。また実空間から仮想空間への情報伝達により情報が保存され、逆に仮想空間から実空間への情報を戻すことにより任意の時間軸による観察開始などもできる。

以上 フレームなし
【0021】
[変形例1] 以下 フレームあり
【0022】
さらに歯種配列手段は、(拡張機能として)
実際の歯(種)の位置または位置関係を再現した配列を実現する手段である歯種形態手段(フレーム手段)を備えても良い。
【0023】
この歯種形態手段(フレーム手段)は、図2〜図16のごとく歯種の口腔内での位置、形、またはその両方を歯種配列に付与する手段である。
【0024】
具体的には個々の歯種の幅、高さ、形、個々の歯種どおしの対向、接触関係などをはじめとして歯種情報の情報精度をより高める手段である。(もちろん形状においてはモデル化した合理的な簡素化も含むので、常に形状が現実により近ければ良いわけというわけではない。)これにより感染歯牙や汚染歯牙からの内部拡散、口腔外よりの外部拡散、咽頭からの外部拡散、それに加え歯牙単体、歯牙どおしの力学的状態を、歯種配列手段のみの使用時より、さらに精度高く把握できるようになる。
【0025】
以下に様々な歯種形態手段(フレーム手段)を有する歯種配列を列記する。
[構成]
【0026】
2D Fixed Form 2次元固定形態歯種配列(手段) (図2)
ここで、前記2次元固定形態は、歯種形態手段(フレーム手段)を表現している。
もっとも基本的な歯種形態手段(フレーム手段)である。歯種フレーム(歯種領域)の大きさが固定の歯種配列(手段)である。
【0027】
ここで、個々の前記歯種形態の形態を変化させる歯種形態変化手段を採用ししても良い。
これは、2次元以上の次元を有する。
歯種形態変化手段の一例として
2次元転換形態歯種配列(2次元変形形態歯種配列)(手段)
3次元転換形態歯種配列(3次元変形形態歯種配列)(手段)
4次元転換形態歯種配列(4次元変形形態歯種配列)(手段) アニメや動画といった時間軸を有している。また3次元でも1つの次元を時間軸としてもよい。この場合2次元の歯種形態が時間変化したりする。
また2次元歯種形態変化手段の一例として
4角形2次元歯種形態変化手段
多角形2次元歯種形態変化手段
歯牙多角形2次元歯種形態変化手段
などを採用しても良い。
【0028】
2D Transformation Form 2次元転換形態歯種配列(2次元変形形態歯種配列)(手段)
【0029】
2D Transformation Form
Rectangle Form 長方形形態
図3は、個々の歯種の幅を変化させる(1次元)歯種幅変化手段を採用した例である。隣接関係は固定である。さらに後述の(1次元)歯種高さ変化手段や2次元歯種形状変化手段を使用して隣接関係も変化させても良い。
【0030】
2D Transformation Form
Arch Form 歯列弓形態
図5は、2次元歯種形状変化手段を使用し個々の歯種の形態を歯列弓に近似した形態である。
【0031】
2D Transformation Form
Arch Form with Code 歯列弓形態 コード付き
図6は、個々の歯種の形態を歯列弓に近似した形態であり、歯種の相対位置を与えるコードであるD-Codeを含んだ例である。
このコードは、隣在歯を識別できるもので、歯種配列での位置確認など、前後上下位置の演算に使用できる。特にコンピュータなどを使用しない場合に有効である。コンピュータのような記憶素子にアドレスをつけて使用する手段の場合は、前後、上下は、アドレスやポインタなどにより特定されているので、歯種配列での位置関係をあえてつくる必要が少ないからである。ここで正中過剰歯を0として備えても良い。その場合、指数の飛びはなくなる。
このように歯種の他に分析コードを含んだ歯種を採用してもよいし、また歯種とコードを分離しても良い。分離した場合は、変形例2の階層手段を使用しても良い。さらにまた歯種配列でのコードを使用してもよいし、後述のフラグ(フラグ演算子)などの歯種情でのコードを使用してもよい。
その他の歯種配列も同様で、コードつきでも、コードなしでも良い。
【0032】
2D Transformation Form
Real Arch Form 実物近似歯列弓形態 (図7)
実物近似の歯列弓形態(フレーム)をあらかじめ既製品として作成し、歯種配列手段のフレームとしても良い。ここで、2次元歯種形状変化手段を使用し個々の患者歯列に近似、適合したフレームを創っても良い。
【0033】
2D Transformation Form
Arch Bite Form 咬合歯列弓形態 (図8)
咬合状態の歯種配列手段のフレーム。
【0034】
2D Transformation Form
Arch+ Rectangle Form 歯列+長方形 形態 (図9)
上記2D Transformation Formを組み合わせたもので、同時に多方向からの情報が得られる。いづれの歯種配列を組み合わせても良い。
【0035】
3D Transformation Form Box Form 3次元転換形態歯種配列(3次元変形形態歯種配列)
ワイヤーフレーム、またはレンダリング、テクスチャーマッピング、バンプマッピングなどしたフレームを歯種配列のフレームとして使用する場合である。
【0036】
[動作など]
ここで、歯種形態手段は、あらかじめ用意された形態の歯種形態手段を使用したが、個々の患者から適時に、歯牙の2次元画像や3次元画像を取得し、その画像などから(歯種)形態変化手段を使用して歯種形態を発生させても良い。
【0037】
具体的な一例として2D Transformation Form Rectangle Form 長方形形態において、図4において図4の写真上図における歯牙上に描画された線分を元に(1次元)歯種幅変化手段が2次元転換形態歯種配列の個々幅と対向幅とを与える。(フレームの位置やサイズを与える事である。)そして図4の写真上図が図4下図となる。これは、主に内部拡散検出手段に有用に使用される。
ここで、図4は、前方からの写真のみを使用したが、側方からの写真により3〜7などの歯種の幅をフレームの幅としても良い。

さらに一例として、
FDIの順番に従う歯種配列を創って、そのx座標を幅のパラメータとしてもよいなどである。 すなわち upper right 、upper left、lower left、lower right 順により
struct DAF {
Cube UR1,UR2,UR3,UR4,UR5,UR6,UR7,UR8;
Cube UL1,UL2,UL3,UL4,UL5,UL6,UL7,UL8;
Cube LL1,LL2,LL3,LL4,LL5,LL6,LL7,LL8;
Cube LR1,LR2,LR3,LR4,LR5,LR6,LR7,LR8;
}
としたり、(ここでCube型は、8頂点の各座標を保持する変数型である。)
ここで使用する座標はどのような座標型を使用してもよい。一例としてx、y、zまたはx、yまたはx、y、θ、または2次元座標、1次元座標、4次元座標でもよい。
struct MyCubeR{ Cube R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8; }
struct MyCubeL{ Cube L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8; }
とすると
MyCubeR U;とするとU.R1などで参照できる。
MyCubeR *U;ならU->R1で参照できる。

ここで、これら変数をサブルーチンなどで使用する場合において、DownConvertしても良い。一例をあげると
Cube型は、Rect型へ変換する。 CastまたはTransrate
または Line型、 Xr,Xl型 へ
上位 WireFrame型→Triangle型 →Line型→Xr,Xl(浮動小数点または整数)下位
上位 Cube型→Rect型 →Line型→Xr,Xl(浮動小数点または整数)下位
などである。
数1 ダウンコンバートとアップコンバート (まとめると)
【数1】


とするなどである。これらは、原点のオリジナルデータは、必要最大限のデータを使用し、サブルーチンで使用する場合は、必要な部分のみ受け渡す仕様である。これを使用すると高速、低リソース消費、高安定性となる。
もどるときは、アップコンバートであり、前述の→が逆となる。
このように必要に応じで型を変化させても良いし、また一定としてもよい。大元のデータをCubeやWireFrameとして、サブルーチンでダウンコンバートして、戻り値などでアップコンバートしても良い。

さらに以下のようなClassを使用しても良い。
public ref class Core Dental Array
{
public:
DAF MyDAF;
MyCubeR U;
MyCubeL U;
MyCubeL L;
MyCubeR L;
Cube UR1,UR2,UR3,UR4,UR5,UR6,UR7,UR8;
Cube UL1,UL2,UL3,UL4,UL5,UL6,UL7,UL8;
Cube LL1,LL2,LL3,LL4,LL5,LL6,LL7,LL8;
Cube LR1,LR2,LR3,LR4,LR5,LR6,LR7,LR8;
ここでフレームはどれを選択しても良い。

protected:
Neb(); 隣在汚染歯除去フラグルーチンなど
ContactF(); 隣在歯とのコンタクト関係ルーチンなど
LplaneOcl(); Local座標の咬合平面ルーチンなど

private:

}
などと定義しても良い。
以上は、種々なフレームを開示したが、フレームとともにまたは、フレーム内に、またはフレームと並列または階層化して歯種情報を保持しても良い。すなわち
struct DA_Rect { int Rect, int 歯種情報1、歯種情報2、... 、歯種情報n }
struct DA {
DA_Rect UR1,UR2,UR3,UR4,UR5,UR6,UR7,UR8;
DA_Rect UL1,UL2,UL3,UL4,UL5,UL6,UL7,UL8;
DA_Rect LL1,LL2,LL3,LL4,LL5,LL6,LL7,LL8;
DA_Rect LR1,LR2,LR3,LR4,LR5,LR6,LR7,LR8;
}
とするなどである。最初の変数であるRectがフレームの頂点座標を保持する。そして2番目以降の変数は、歯種情報を保持する。ここで歯種情報は、整数でも浮動小数点でも目的に合えばどのようでも良い。さらに歯種情報をポインタとして動的に情報を増減させてもよい。Rectは、Cubeでもよいし、また前述の型でもよい。
さらにまた
struct DA {
DAF MyDAF;
歯種配列 MyData;
}
等としても良い。この場合は、相対フレームアドレスが一定という利点がある。
さらに後述の階層化手段を動的に確保、解除して歯種配列の階層を動的に増減しても良い。
一例としては、
struct DA {
DAF MyDAF;
歯種配列 *pMyData;
}
として、*pMyDataをnew,deleteしたりして、階層構造を増減するなどである。
ここで、確保した領域をキャストして階層化してもよい。キャストして階層化する場合は、人間が理解しやすいコードとなり見通しが良い。
【0038】
具体的な一例として歯種形態手段は、手動歯種形態変化手段を使用して手動的に歯種形態を変形、変化させても良いし、また口腔内の対応している歯牙歯周組織の形態に合わせて自動的に変形、変化させる自動歯種形態変化手段を採用しても良い。また咬合平面を局所の基準座標として使用し、この座標型の平面や線分にCube、Rect、Line、またはXr,Xlなどを位置決めしても良い。その時咬合のズレや隣接関係を調べる隣接歯検出手段を設けても良い。そして、隣接関係と、非隣接関係フラグなどを立てても良い。また開離度を算出し内部拡散の度合いとすると良い。
【0039】
前記の具体的な一例として、シャーレなどの容器に歯種を記入し培地を挿入し歯種配列(手段)を作成したり、コンピュータ上にて歯種配列(手段)を作成したり、写真などの2次元像、3次元計測からの3次元像を直接入力して歯種配列やフレームを作成しても良い。
自動歯種形態変化手段の一例として、実際の口腔内写真にパターンマッチングさせて歯種(歯牙)の位置、形状を再現させる口腔内歯牙形状歯種形態変化手段を採用しても良いなどである。
【0040】
口腔2次元情報による2次元口腔内歯牙形状歯種形態変化手段における具体的な一例としては、図10のごとく初期状態形状を歯種形態手段(フレーム手段)にてを有しており、歯種形態変化手段が、このフレーム手段に形状情報を口腔内の歯列2次元画像に重ね合わせて(図11)、重ね合わせた歯種フレームの集合歯列弓の個々の歯種フレームを画像中の個々の歯牙外形に適合させ、(図12)、適合させた歯種フレームの集合歯列弓をとりだす。(図13)
歯種形態変化手段が、この一連の操作を上下顎に適用し(図14)、画像を除去し(図15)、下顎を咬合させる(図16)。これが隣接関係と対合関係が確立された歯種配列(手段)ができあがるなどである。
【0041】
口腔3次元情報による3次元口腔内歯牙形状歯種形態変化手段
口腔内3次元形状計測手段、印象3次元形状計測手段、模型3次元形状計測手段から得られた3次元形状情報をそのまま歯種形態手段(フレーム手段)として、すなわちフレームとして使用する。ここで、各歯種を形状情報に対応しておくこと、そして情報手段を対応させておくことが必要である。具体的な一例では、形状情報のデータ群のポインタを歯種にリンクするなどである。この場合3次元形状が歯種の情報として存在するので、これがこの場合の最もシンプルな歯種情報となる、この場合は歯種形態手段(フレーム手段)も兼用する。さらに個々の歯種配列に歯種情報を挿入できるように構造体、クラス、単なる変数を歯種に対応しても良い。
【0042】
さらに歯種形態変化手段が、前記2Dまたは3Dの歯種形態を時間変化させて、2次元を3次元に、3次元を4次元に拡張する時間手段歯種形態手段に採用しても良い。
【0043】
[効果]
歯種形態手段(フレーム手段)を有する歯種配列(手段)の効果]
歯種形態手段(フレーム手段)により歯種どおしの位置関係が明確になり、感染歯牙や汚染歯牙からの内部拡散、口腔外よりの外部拡散、咽頭からの外部拡散、それに加え歯牙単体、歯牙どおしの力学的状態を、歯種配列手段のみの使用時より、さらに精度高く把握できるようになる。
実空間歯種配列(手段)の効果
特に歯種配列を培地(シャーレ)に適用した場合、視覚的にシャーレ内は歯種でフレーム(手段)にて区画されているが、実質的にシャーレ内培地は連続しており、口腔内より採取した歯垢、ポケット内容物などの採取物をシャーレ内の各歯種の培地で培養することで、上顎下顎の対向関係を含めた口腔内の菌バランスの状態を、一目で判断できる特徴を有する。
さらに背景のコロニー生成状態により粘膜常在の性質などが判明する。さらに背景菌叢から歯牙歯周組織に特有な菌叢が分離できる効果も有している。
さらにここで、前記2次元(2D)や3次元(3D)の転換形態(Transformation Form)の歯種配列を使用するとさらに詳細な菌バランスや内部拡散、外部拡散の様相が明確になってくる。
仮想空間歯種配列(手段)の効果
仮想空間歯種配列は、さまざまな演算、処理ができる。また保存性がよい。また電子カルテにリンクをしたり、1号、2号カルテをその情報の一部としたりできる。これによりカルテ記載、カルテ情報を高度に処理できる。3次元形状情報を歯種形態手段(フレーム手段)として使用する場合は、現実に最も近い位置関係を提供するし、また歯種情報としての形状情報も兼用できるなど、歯種形態手段(フレーム手段)が歯種情報の一部または全部となることもある。他例では、2次元の四角でも、面積を実物の歯牙と同じとすれば、歯種形態手段(フレーム手段)は、一部歯種情報を備えることになるなど、歯種形態手段(フレーム手段)は、歯種情報の一部または全部であることがある。2次元の四角形では、歯牙を染め出したプラーク指数を表現したりできる。
また仮想歯種配列手段を表示手段にて表示し、その上にマウスカーソルなどを移動させたときに、その歯種配列が有する情報または情報の名称を表示するようにしても良い。この場合とても便利である。もちろん情報が多い場合は、プルダウンメニューを表示しても良い。

実仮想混合歯種配列(手段)の効果
実空間歯種配列(手段)である歯種培地を時分割的に撮影し、その撮影時に作成した仮想空間歯種配列(手段)を実空間歯種配列(手段)である歯種培地と比較することにより、培養情報を時間的に比較検討ができる。
初診時に撮影した口腔写真(図11上図写真など)を元にして作成したフレームに染め出し情報を記録し仮想空間歯種配列(手段)として記録し、後日に染め出した歯牙を同様に処理し初診時の仮想空間歯種配列(手段)と比較照合して、前回と同じ歯磨き状態になった時間を計測するとこなどに使用できる。
また実際の口腔内の歯と仮想空間歯種配列の照合により本人確認が容易にできるなどの効果がある。
【0044】
[変形例2]
さらに歯種配列手段は、(拡張機能として)
歯種と情報(歯種情報は1つ以上)を階層保持する階層手段を採用しても良い。(図17)
特に紙の場合には、フレームの中に歯種を記載すると、フレームが大きければ歯種情報も記載ができる。しかしこの場合においても、フレームが肥大して変形などしフレームの有する情報に歪みがでてしまう場合がある。小さく書けば見えにくいし、また小さく書くには限界があり、また不便である。このため透明または半透明紙の裏に歯種を記載し、表に歯種情報を記載するなどの階層手段を使用すると便利である。
ここで、階層手段の他には、フレームの外に歯種を記載するフレーム外歯種記載手段を採用して、前記問題を解消しても良いが、歯種の記載が邪魔である。それゆえフレーム外歯種記載手段を除く歯種装置としても良い。
ここで階層手段は、前述のごとく仮想空間歯種配列に特に簡単に実現できる。
さらに歯種配列の上に歯種配列を階層手段にて積み上げてもよい。この場合は、咬合の観察、咬合による力学的関係、力学的分析、咬合関係による対向分析などができる。
さらにまた階層手段により仮想空間歯種配列の最上部に1号カルテを搭載してもよい。
前記階層手段の階層切換は、フェードインフェードアウトでもよいし、回転による表裏構造でも良いし、また瞬間差し替えによる表示切り替えでもよい。
【0045】
[変形例3]
【0046】
ここで、歯種装置は、歯種情報入力手段を備えても良い。
【0047】
歯種情報入力手段(人間が行っても良い。)は、
う蝕歯、欠損歯、修復物(治療中、治療終了後時間、リーク状態など)、ポケット深さ、動揺度、出血、排膿、歯槽骨吸収、炎症程度など、どの歯(種)がう蝕であるか、どの歯が欠損なのか、またどの歯がどのように修復されているか、などなどの個々の歯(種)の状態を入力する入力手段。
【0048】
歯種情報入力手段の具体的な一例として
コロニー画像データ変換手段 (人間が行っても良い。)は、
単なる画像から歯種毎のコロニーレベル(数値)データへの変換を行うなどの歯種情報入力手段がある。
【0049】
ここで、コロニー画像データ変換手段 は、
歯種培地を撮影する撮像手段と
前記撮像された画像を画素毎または画素の集合体であるブロック画像にするブロック画像手段と
ブロック画像の中において歯種領域を検出または認識する歯種領域手段と
前記検出または認識された領域内のコロニーレベルを検出するコロニーレベル検出手段と前記検出されたコロニーレベルと前記検出または認識された領域を対応させて、歯種に整合する歯種整合手段と
を備える。
これは、人間が読み取りキーボード、マウスなどで歯種配列手段に対して入力しても良い。
【0050】
[効果]
歯種情報が自動的に入力できるので、手間がなく便利である。
【0051】
上記手段は、術者や製造者が取捨選択し使用、製造する。
また ここで主にう蝕の3位相における代表微生物であるStreptococcus Mutans(Stm)ストレプトコッカスミュータンス、Lactobacillus(LB)ラクトバチラス、Candida(CA)カンジダは、本願において、前記微生物名は、それぞれ()内に表示した略称にて記載する場合もある。
ここでphase3のう蝕においてカンジダは、とくにカンジダ アルビカンスが重要である。



【実施例1】
【0052】
第1実施例は、空間分析手段を採用する歯種装置である。
具体的には、空間分析手段は、感染すなわち微生物が個々の歯種(歯牙)に遭遇または進入し、そして汚染し、そして定着する各段階での感染指数であるコロニーレベルを値として歯種情報保持手段に保持できる。
【0053】
ここで、感染を組織(歯牙歯周組織)にたいして、第1段階を遭遇(進入)、第2段階を汚染、第3段階を定着とする。
【0054】
そして、このコロニーレベルを歯種形態手段(フレーム手段)の位置関係において分析する空間分析手段を備える。歯種形態手段(フレーム手段)がなくてもある程度の空間分析は可能であるが、フレーム手段を使用することによりさらに精度良く分析が可能となる。
【0055】
[第1実施例の形態]
第1実施例は、少なくとも空間分析手段を採用する歯種装置である。
【0056】
[構成]
空間分析手段は
背景分析手段(歯牙常在−非歯牙常在判定手段)、内部拡散検出手段、または外部拡散(汚染)検出手段のいづれかまたは、その組み合わせを採用する。
【0057】
背景分析手段(歯牙常在−非歯牙常在判定手段)は、
[構成]
背景分析手段は、
閾値を少なくとも一つ以上有する論理回路または、コンパレータを有する事を特徴とする。
ここでは入力値範囲を0%〜100%の範囲とする。
【0058】
[変形例]
前処理手段として以下の手段を採用するのが好適である。
【0059】
歯種情報入力手段は、前述のごとく歯種毎の情報をコンピュータなどに自動入力する手段である。
【0060】
走査検索手段は、2値化走査検索手段または多値化走査検索手段のいづれかまたはその組み合わせを有する。
2値化走査検索手段
歯種配列の情報を走査検索して、歯種配列の個々の情報の有無をカウントするカウント手段を備える。
具体的な一例では個々の歯種配列(の情報手段)にコロニーがあれば1なければ0を加算カウントしていき合計値を記憶手段などに保持する。そして並行して走査検索した歯の数を数えて記憶手段などにその数を保持する。すなわちコロニーが生じた感染歯数被走査検索歯数の2つの値が記憶手段などに保持される。ここでは走査検索した歯の数は、残存歯数となるように全歯牙を走査検索する。
さらにう蝕歯牙を歯種情報に有している場合は、上記カウントをあらかじめ除外して、走査検索する特定病巣部位歯種情報量減算手段を採用しても良い。
【0061】
割合算出手段は、全走査検索歯の内、何%の割合にて歯牙が感染していたかを示す。
割合 = 感染歯数/被走査検索歯数
を計算出力する。
を行う手段であり、ここでは汚染または定着した歯牙の割合を算出する。
(被走査検索歯数は、走査検索した歯の数である。)
【0062】
多値化走査検索手段
歯種配列の情報を走査検索して、歯種配列の個々の情報量を合算する合算手段を備える。ここでは使用しないが、
具体的な一例では、う蝕菌などによる平均コロニーレベルと比較して、1より大きければ背景情報なし、1以下なら背景情報ありと出力しても良いなどである。
さらにう蝕歯牙を歯種情報に有している場合は、個々の歯種情報から平均コロニーレベルをあらかじめ減算して、走査検索する特定病巣部位歯種情報量減算手段を採用しても良い。
【0063】
そして背景分析手段(歯牙常在−非歯牙常在判定手段)は、
走査検索割合結果値 表示内容(出力値)
100% → +3 特に背景に強く常在(非歯牙常在分)
90〜100%未満 → +2 背景に強く常在(非歯牙常在分)
70〜90未満 → +1 背景に弱く常在(非歯牙常在分)
50〜70未満 → ± 擬陽性または不明
50%未満 → − 特定歯牙に感染、または歯牙に強く常在(歯牙常在)
とする手段である。ここで、走査検索割合結果値は、検査歯数が28本で、コロニーの有無を各歯牙(各歯種)にて有りが1なしが0とすると、各歯牙ごとの合計値/検査歯数にて算出される値などである。図28の上、中は、100%である。下は、72%である。
ここで、この値を2値化でなく連続値や断続値、多値化としても良い。
この閾値は、個々に設定しても良い。一例として100%のみを常在とし、100%未満は、非常在とするなどである。
【0064】
ただしCAやLBなどにおけるう蝕歯牙の存在は要注意である。治療、予防のちに使用した
り、またう蝕歯牙のコロニーレベルを除去するう蝕歯牙コロニーレベル除去手段を使用してから計測すると良い。
【0065】
[動作]
歯種培地の個々の歯種に口腔内の対応する歯種から歯垢などのサンプルを採取塗布し培養した結果を前記歯種情報入力手段が歯種配列をなした記憶手段に歯種情報として記憶保持する。この情報を元に走査検索手段が走査検索し、その値を割合算出手段が割合に変換し、それを歯牙常在−非歯牙常在判定手段(背景分析手段)が前記結果のいづれかを求め出力表示する。
具体的な一例として図18におけるLBT歯種培地を背景分析手段が分析する。
すると結果、出力値 +3 で 特に背景に強く常在(非歯牙常在分) と出力される。
ここで、一例として、コロニーバンドが出現している歯牙をのぞき、その他の歯牙の平均を求める背景バイアスレベル検出手段を使用して、背景バイアスを求めても良い。
そしてもとめたレベルを歯種情報のコロニーレベルから差し引けば、歯牙から出現しているコロニーバンドのみが判明する。
【0066】
内部拡散検出手段は、
内部環境どうしの拡散(汚染)を検出する内部拡散検出手段は、
う蝕歯(感染源)からの拡散検出確認(隣在歯レベル1、隣在歯の隣在レベル2)(内部拡散)
【0067】
[構成]
内部拡散検出手段は、
感染源や汚染源の歯牙(歯種)の隣在歯を検出する隣在検索手段
内部拡散走査検索手段とを
少なくとも備える。
【0068】
ここで、源の性質と演算子(Operator)を図19にしめす。
【0069】
レベル1の構成
隣在検索手段は、ある感染情報を歯種情報として保持する歯種配列において、そのフレームに線で接している歯種を隣在歯とする演算子(手段)を採用する。この演算子は、隣在歯の歯種情報に隣在歯フラグを立てる。(図20) ここで、演算子は、演算子手段でも良い。
具体的な一例では、図20のごとく
1 DCF う蝕フラグを設定
う蝕なら DCF=1、健全は、DCF=0
2 MCF コロニーフラグを設定
コロニーあれば、MCF = 1、なければMCF = 0
3 NCF 個々の隣在歯の隣在フラグを計算 (隣在歯が1本なら1つのみ)
感染源なら0、感染源でなければ1、すなわち
( N_DCF & N_MCF )^ 演算子(手段)を使用して
NCF = ( N_DCF & N_MCF )^ NCF フラグを演算する。
ここでは^は、インバーター、反転である。 図19,図20などでは、上線で表現 ( 演算一例: 1^=0 0^=1である。)
4 NCF 総隣在フラグを設定
(基本的に全ての隣在歯からのNCFを論理積する。すなわち隣在歯の一カ所でも感染源があれば、NCFは0となる。)総NCFをNCFとする。
5 CiC_MCF = { NCF or ( DCF & MCF ) } and MCF
ここで、MCFは、MCDであるコロニーレベル(1,2,3,4など)を使用しても良い。
この演算子を使用すれば、汚染歯のみを演算や表示から除去したり、逆に汚染歯のみを表示または演算したりすることができる。
【0070】
レベル2の構成
前述4のCiC_MCFを図19のごとく
CiC_MCF = { ( N_N_DCF & N_N_MCF & N_MCF )^ or ( DCF & MCF ) } and MCF
として、隣在の隣在歯に感染源がある場合までも内部拡散とするのがレベル2である。
ここでもまたMCFは、MCDであるコロニーレベル(1,2,3,4など)を使用しても良い。
ここで、隣在歯か隣の隣かを示すフラグを設けても良い。これは、前述のCube,Rect,Linw,Xr,Xlなどの値により隣接しているか、離開しているか、などを隣接歯検出手段(これは上下顎の隣接関係も含む)を使用して判定しても良い。その値により隣接フラグを設定して、前述の演算子を使用してもよい。
【0071】
[動作]
内部拡散走査検索手段は、歯種情報における前記隣在歯フラグを走査検索し、その値と個々の歯種配列に存在する健全歯フラグ(健全歯)を論理積し、その値を内部拡散フラグとして歯種配列の1階層に設けた内部拡散情報にフラグを立てたり、また内部拡散による汚染歯のみを除去する。その結果を表示手段に表示する。または、汚染歯のみを表示しても良い。

【0072】
[効果]
歯牙や歯牙疾患に特定の微生物の検出、検査、診断ができる。また背景すなわち粘膜などの組織に常在する微生物がわかる。
感染微生物や汚染物質の住処、出所が判明する。これにより的確な感染リングの切断ができる。
また内部拡散の結果において汚染のみの歯牙が判明するので、汚染のみの歯牙は、クリーニングを実施しするなどオーバートリートメントを防止できる。
【0073】
外部拡散検出手段は、
外部環境からの拡散(汚染)を検出する外部拡散検出手段は、
1 空気感染演算子手段
図21上図における演算子(Operator)を使用
上の演算子(Operator)は、D-Code仕様(歯種配列レベルでの処理)で、
下の演算子は、eC Flag仕様(歯種情報レベルでの処理)による演算子である。
空気感染の疑いがわかる。

D-Code仕様は、記名してある配列のみが演算に使用される事を意味している。すなわち−7、−1、+1、+7のみの歯種配列が演算に使用される。その結果この配列における歯種情報(ここではコロニーレベル)を表示する事になる。以下の咽頭方向感染や接触感染も同様である。

eC Flag仕様は、コロニーフラグまたはコロニーレベルに乗算され、その結果が記憶手段に記憶されたり、表示手段などで表示される。また歯種配列ごとの歯種情報であるこれらの結果の個々の値において、合計値を算出し表示しそれぞれの演算結果としても良いし、歯種合計値や平均値により除した値を採用してもよい。さらにまた上顎、下顎に分けて演算してもよいし、全顎でもよい。
ここでのそれぞれとは、空気感染量、咽頭方向感染量、接触感染量である。

ただし背景情報が除去できない場合は、要注意である。一例としてCAやLBなどにおける感染歯牙の存在、LBのような粘膜常在による背景情報である。これらは、基本的には治療、予防のちに使用する。すなわち再感染、再汚染の時に特に有効である。
【0074】
2 咽頭方向感染演算子手段(空気、液体、流動体、固体、汚染物体の運動性において)
図21中図における演算子(Operator)を使用する。
上の演算子(Operator)は、D-Code仕様で、
下の演算子は、eC Flag仕様による演算子である。
咽頭方向感染の疑いがわかる。
【0075】
3 接触感染演算子手段 (食物感染演算子手段)
図21下図における演算子(Operator)を使用する。
上の演算子(Operator)は、D-Code仕様で、
下の演算子は、eC Flag仕様による演算子である。
接触感染の疑いがわかる。
【0076】
4 院内感染演算子手段
歯種情報のひとつの階層に治療中の歯牙を識別するフラグを立てておく。フラグは、1または0の値をゆうし、治療歯は1、それ以外は0とする。
この値を別の階層の歯種情報である感染フラグに乗算または論理積する。その値を院内感染予備フラグとして保存する。
レベル1では、この院内感染予備フラグがあれば、院内感染の疑いを表示出力する。
レベル2では、院内感染予備フラグと隣在歯の感染歯牙フラグとを表示し、院内感染の疑いを表示出力する。
レベル3では、院内感染予備フラグと近接歯の感染歯牙フラグとを表示し、院内感染の疑いを表示出力する。
レベル4では、院内感染予備フラグと全歯の感染歯牙フラグとを表示し、院内感染の疑いを表示出力する。
一例として、図30におけるCATを院内感染演算子手段が演算する。するとUL7は、コロニーレベルが2値化の場合は、1を得、多値化の場合は、1を得る。ここでコロニーレベルが3なら多値化の場合は、3となる。この結果 院内感染の疑いを表示出力する。


のいづれかまたはその組み合わせを有する。

【0077】
以上の手段は、仮想空間上でもハードウェアで実現しても良い。
【0078】
[動作]
前記演算子手段が歯式をスキャンする。すると歯種ごとのコロニーレベルが歯式ごとに表示される。ここで、背景レベル演算子が背景をキャンセルしても良い。
そして個々の演算子を使用し結果を表示手段などにて見てみる。
0 異常な所見なし
1 空気感染の疑いがわかる。
2 咽頭方向感染の疑い
3 接触感染の疑い
4 院内感染の疑い
などが表示される。
【0079】
[効果]
微生物の歯牙歯周組織への遭遇または進入、汚染、定着などの検査、診断ができる。
空間分析ができる。
内部拡散検出手段は、特定の病態の歯牙からの他の歯牙への汚染、定着が判明する。
また粘膜に常在している微生物か歯牙のみに常在している微生物かの判断ができる。

外部拡散検出手段は、
感染経路、外部感染源の特定に威力を発揮する。これにより予防対策が具体的となり、予防効果がさらに良好となる。

【実施例2】
【0080】
[第2実施例の形態]
第2実施例は、位相分析手段を採用する歯種装置である。
位相分析手段は、1口腔単位の歯種配列(手段)を複数有しており、その複数の同じ歯種間の分析を行うものである。 ここでもまた歯種形態手段(フレーム手段)が存在していた方が良いが、歯種形態手段(フレーム手段)が存在しなくともある程度の位相分析は可能である。
具体的には、
【0081】
[構成]
第2実施例の歯種装置は、
2つ以上の歯種配列
歯種配列に保持されている歯種情報
その歯種情報を比較分析する位相分析手段と、
を備える。
ここで、
位相データ仮想空間歯種配列(手段)の各歯種にデータを階層化する階層手段と、
を備えてもよい。
そして、階層化された位相データを位相分析手段にて位相分析しても良い。
【0082】
具体的な一例では、ひとつをLactobacillus(LBと略す)を選択培養する既知のラクトバチラス培地を歯種情報(手段)として採用した歯種培地、他方をCandida(CAと略す)を選択培養する既知のカンジダ培地を歯種情報(手段)として採用した歯種培地を用意し、その培養結果をコンピュータの歯種配列に入力する。すなわちLBとCAの仮想空間歯種配列(手段)が2組できあがる。
この2つの仮想空間歯種配列(手段)
位相分析手段とをそなえる。
ここで位相分析手段は、コンピュータの演算機能による構成されている。もちろんハードウェアにて実現させても良い。

すなわち、
位相分析手段αは、図22のごとくに個々の歯種毎に比較手段が動作する。
すなわち2つ以上の歯種配列の同じ歯種を比較する比較手段が、個々に歯種情報を比較する。すなわち
LB(歯種情報)>CA(歯種情報)ならLBが位相が早いとし、
LB(歯種情報)<CA(歯種情報)ならCAが位相が早いとし、
LB(歯種情報)= CA(歯種情報)なら同相とする。もちろんLB、CA以外の菌で位相分析を行っても良い。ここで、LB(歯種情報)は、コロニーレベルやコロニーの有無となる。もちろん他の歯種情報を位相分析しても良い。
そして、個々の位相状況の合計、平均、中央値、などの統計値を計算する位相統計手段を採用しても良い。

位相分析手段βは、個々の歯種配列における全陽性歯種結果を比較手段が比較する。
2つ以上の歯種配列の同じ歯種を比較する比較手段と、
ひとつの歯種配列内の歯種情報である全歯種の内陽性の結果の歯種数を算出する陽性歯種数算出手段とを有する。
【0083】
ここで位相データ手段を採用した場合は、位相データ手段は、この2組の同じ歯種を走査し、位相データ仮想空間歯種配列(手段)の各歯種の情報手段に階層配列する。
【0084】
[動作]
図18のごとく、ひとつを上段のLBT培地によるLactobacillus(LB)を選択培養する歯種情報手段として採用した歯種培地、他方を下段のCAT培地によるCandida(CA)を選択培養する歯種情報手段として採用した歯種培地とする。そしてその両者の位相を、特定の歯種毎に位相分析手段が分析してゆく。(図22参照)

位相分析手段α
まず前述の背景分析手段が、背景である歯牙に依存していないコロニーを差し引く。
その結果図18の個々の歯種配列における歯種情報(コロニーレベル)は、以下の値となる。
LB歯種配列、歯種情報 CA歯種配列、歯種情報
UR1, 0 UR1, 0
UR2, 0 UR2, 0
UR3, 0 UR3, 0
UR4, 0 UR4, 0
UR5, 4 UR5, 3
UR6, 4 UR6, 3
UR7, 4 UR7, 2
UL1, 0 UL1, 0
UL2, 0 UL2, 0
UL3, 4 UL3, 1
UL4, 4 UL4, 2
UL5, 4 UL5, 3
UL6, 4 UL6, 3
UL7, 4 UL7, 2

LL1, 0 LL1, 0
LL2, 0 LL2, 0
LL3, 0 LL3, 0
LL4, 0 LL4, 0
LL5, 4 LL5, 1
LL6, 4 LL6, 2
LL7, 4 LL7, 3
LR1, 0 LR1, 0
LR2, 0 LR2, 0
LR3, 0 LR3, 0
LR4, 0 LR4, 0
LR5, 0 LR5, 0
LR6, 4 LR6, 1
LR7, 4 LR7, 0


そして、図22のごとく順に比較手段が比較する。
UR1, 不明
UR2, 不明
UR3, 不明
UR4, 不明
UR5, LB(4)>CA(3)
UR6, LB(4)>CA(3)
UR7, LB(4)>CA(2)
UL1, 不明
UL2, 不明
UL3, LB(4)>CA(1)
UL4, LB(4)>CA(2)
UL5, LB(4)>CA(3)
UL6, LB(4)>CA(3)
UL7, LB(4)>CA(2)


LL1, 不明
LL2, 不明
LL3, 不明
LL4, 不明
LL5, LB(4)>CA(1)
LL6, LB(4)>CA(2)
LL7, LB(4)>CA(3)
LR1, 不明
LR2, 不明
LR3, 不明
LR4, 不明
LR5, 不明
LR6, LB(4)>CA(1)
LR7, LB(4)>CA(0)

と分析し、その結果を記憶手段に記憶したり、表示手段に表示する。

ここで、位相分析手段αにおける簡易比較手段を採用し、
簡易比較手段がLB陽性でCA陰性歯種が1本、LB陰性でCA陽性歯種が0本、LB陽性でCA陽性12本と走査する。そしてその結果、位相分析手段は、LBがCAより位相が早いと表示してもよい。

位相分析手段β−1
さらに陽性歯種数算出手段β−1が、
上顎においてLB陽性が8本、CA陽性が8本と算出し、比較手段がLB=CAとし、
下顎においてLB陽性が5本、CA陽性が4本と算出し、比較手段がLB>CAとする。
そして、位相分析手段は、位相の差のある方を採用し、位相はLBが早いと表示装置などに位相の結果を表示する。
ここで、LBは、phase2の菌であるので、CAは、phase3となる。

位相分析手段β−2
さらにここで陽性歯種数算出手段β−2が、
コロニーレベルを陽性歯に乗じて、さらに詳細に位相分析手段が位相を分析しても良い。
すなわち
上顎において
総LB陽性コロニーレベルが8本×4=32、
総CA陽性コロニーレベルが4本×3+3本×2+1本×1=19と算出し、
32(LB)>19(CA) となり位相は、LBが早い。
下顎において
総LB陽性コロニーレベルが5本×4=20、
総CA陽性コロニーレベルが1本×3+1本×2+2本×1=6と算出し、
比較手段が
20(LB)>6(CA)にて位相は、LBが早いとする。
ここで、LBは、phase2の菌であるので、CAは、phase3となる。

位相分析手段β−3
さらにまたここで陽性歯種数算出手段β−3が
上顎において
平均LB陽性コロニーレベルが32/8本=4本、
平均CA陽性コロニーレベルが19/8=2.375本と算出し、
4(LB)>2.375(CA)にて位相は、LBが早い。
下顎において
平均LB陽性コロニーレベルが20/5本=4、
平均CA陽性コロニーレベルが6/4本=1.5と算出し、
比較手段が
4(LB)>1.5(CA)にて位相は、LBが早いとする。
ここで、LBは、phase2の菌であるので、CAは、phase3となる。

などなど位相分析手段が位相を算出する。ここで、どの算出手段を使用するかは、術者、製造者の自由な選択である。
【0085】
ここで、LBとStreptococcus Mutans(Stm)では、Stmがphase1初期位相であり、その後の位相がLBであることが判明しているのでLBがphase2であり、前述の結果よりCAがphase3となる。
さらに時間経過を追えば、CA陽性の歯種部分が増加してゆく。この増加傾向も位相情報の判断材料となる。
【0086】
[効果]
1口腔単位の歯種配列(手段)を複数有しており、その複数の同じ歯種間の同じ歯種情報を串刺しにするがごとく情報を集めたり、また個々の歯種配列の総陽性、総陰性などの情報を集める。これらの情報により微生物の病原性位相が判明する。
【0087】
[変形例]
上記では、う蝕菌を例にしたが、歯周病菌の位相を分析しても良い。
【0088】
〔総合変形例〕
ここで人間の脳の中で空間分析、位相分析、院内感染分析を行っても良い。この場合は、医療行為における診断特許となる。
【0089】
上記培地は、LB培地、CA培地などを使用したが、Porphyromonas gingivalis(PG) 、Prevotella intermedia (PI)、Tannerella forsythensis (TF)培地でもよい。
それらの嫌気性菌の培地においては、製造時に金属カリウム、金属リチウム、金属マグネシウムを溶血液に添加して、凍結融解を行っても良い。その場合溶血液にKOHと水素が発生する。この内KOHは、後に培地のpH調整剤として使用され、水素は溶血液の酸素被爆を予防する還元剤となり溶血液を保護できる。
また水素ガスを環流して溶存水素を生成しても良い。
【0090】
歯種情報は、ポケット深さ、動揺度、歯槽骨吸収、歯周復物の性状、う蝕指数、歯周病指数、ポケット内性状、炎症性細胞浸潤、歯垢やポケット内pH、歯垢やポケット内酸化還元電位、染め出し情報、αグルカン情報、微生物の代謝産物、微生物の分解速度、などなど歯種により特定できる情報は何でも良い。
【0091】
本発明における実施例または変形例は、仮想空間上でもハードウェアで実現しても良い。
また個々の手段もまた仮想空間〜手段であっても、実空間〜手段であってもよい。
また演算子なども演算子手段で合っても良い。
【0092】
上記実施例または変形例は単独で実施しても良いし、また組み合わせて実施しても良い。
一例としては、特願2002−137841号健康計測診査装置または特願2007−22525号ファイナルフレームワーク(FF)と組み合わせても良いなどである。
特にファイナルフレームワークのページ0に使用すると好適である。さらにページ0の口腔内写真を上下顎咬合面写真(図14の2枚)と前方位写真(図4)と図4の側面写真(3〜7などの正面的な写真)(図示しない)2枚とのいづれかまたはその組み合わせにてをページ0とすると前述のごとくに接触対合関係も判明して前述のごとくに大変便利である。さらにFFの他の機能と連携しとても便利である。

さらに具体的な一例として、歯垢特徴pH計測装置と組み合わせて、歯垢の特徴pHを歯種情報として歯面別に登録しておく、この計測を期間毎に繰り返すとpHにおける位相(情報)が得られる。これとう蝕の進行度合いを別の階層にいれておくと、C0,C1,C2,C3,C4という位相と歯垢特徴pHの位相、さらにStm,LB,CAの位相の3つの位相比較ができる。これにより歯垢特徴pHにのみでもう蝕リスクが判明できる場合を見つけることができる。
【0093】
ここで、特徴pHとは、特願2003−381874号や特願2002−137841号歯科診断装置などに記載されている歯垢の特徴的なpHであり、具体的には特願2003−381874号の図8に記載の曲線が代表的な種々な歯垢特徴pHを表している。
試薬に蔗糖液(一例として5%)を使用する場合は、 1 初期のピーク(極大値)は、歯垢中に溶存している主に唾液由来のバッファの消耗を意味している。蔗糖液が歯垢に滴下されると、歯垢中の微生物が蔗糖を分解して酸を産生する。その微生物からの酸が歯垢中の溶存バッファ(リン酸バッファや炭酸バッファなど)を消耗してゆく、pH計測手段は、0スタートするとすると、pH計測手段の時定数と、酸、バッファの3つの作用により極大値が観察される。
ここで、ΔpHは、正の値をとる場合がほとんどである。もちろんpH計測手段の時定数にも大きく左右される。
(大まかには、バッファが多ければ多いほど、産生される酸が少なければ少ないほどピークトップにおける振幅は大きく、また単位時間あたりの酸産生量が少なければピークにいたるΔpHである速度は小さい。)
(ここで、pH計測手段の時定数が十分早ければ、ΔpHが負になった時点が、ほぼバッファの消失の時点となる。)

2 引き続き微生物から産生された酸によりバッファの消耗から消失に至り、極大値からpH値は下がってゆく。(ΔpHは負の値)そして、最低pH(極小値)をなし、pHは上昇してゆく。(ΔpHは正の値)そして平衡状態となる。

3 ここで歯垢中には種々な微生物が存在しており、ある微生物からは、乳酸などの比較的強い酸が産生されている、そしてこの強い酸を分解して弱酸にする微生物が存在する事をこの極小値、そして極小値からpHが上昇していく現象が指し示している。
これは、唾液のバッファ(緩衝)を第1バッファとすると、第2のバッファである。
従来は、歯垢pHの回復は、この唾液のバッファ(緩衝)のみとされてきたが、この微生
物叢による第2バッファ(Secondary Buffer)によるpHの回復(酸の分解、解消)の影響も非常に大きく、場合によっては、唾液のバッファより酸の解消に寄与している場合もあるようである。(おそらくこれらの微生物は、Hプロトンを利用しているのだろう。)
さらに重要なことは、強酸を分解している微生物が歯牙との位置関係においてどの位置に存在しているかである。Stmなどの菌とこれらの乳酸などの分解菌が歯牙との位置関係において、より歯牙よりに位置していると歯牙は保護されることになる。
もちろん歯垢採取には計量探針と滴下試薬にはスポイトなどの定量された試薬をお薦めする。
【0094】
さらに一例としては、特願2002−137841号における顕微鏡と組み合わせて、白血球の破壊産物の計測を歯種情報としてもよいなどである。

【産業上の利用可能性】
【0095】
歯科における診断精度が現状よりはるかに高精度、迅速になる。

ここで以下の論文に記載の内容が産業上の利用可能性のひとつを示唆する。

論文挿入部位
歯種培地の重要性
痘瘡のようにCandidaは、撲滅できるか?
感染リングを断ち切るために住処を特定できるか?
特にphase3(final phase)のう蝕菌の生体への脅威と検査、そして除菌、撲滅への道



Can remove Candida in your mouth? カンジダ菌は、除菌できるか?
Infection ring is cut off . Step1 感染リングの切断 段階1

歯科や医科においてCandida(以下CA)はfinal phaseの感染菌であり(例外あり)、様々なトラブル、すなわち消化器、呼吸器、膣を初めとした感染症 特にCA背景混合感染の末期重症感染症、悪性腫瘍に併発する感染、臓器移植の定着不適、眼部混濁などなど、さまざまな問題をひき起こしてきた。さらに従来CAは、常在菌といわれてきたこともあり、除菌、感染に関してほとんど無策であった。
しかしながら歯種培地による口腔内歯牙(歯周組織などの背景組織も含む)における空間分析、位相分析、時間分析などにより、この菌のおそらく最も大きな感染源(住処)は、う蝕歯牙である事が非常に鮮明に明確になってきた。その結果口腔内のCA除菌率がほぼ100%となり、再感染に関しても軽い汚染程度がいくつかの症例にみられるのみになり、かつそれら汚染症例は、容易に汚染を解除できた。このことは感染経路の判明に極めて有用な現象となり、それゆえCAにおける感染リングのcut offを可能としだした。
このように歯種培地による検査、診断、処置は、従来、常在菌としてあきらめてきたCA菌感染に対しての多くの難症例に解決の光をもたらしつつある。

まずCAが口腔単位(残存歯牙歯周組織の成績)において、常在菌か否かの判断材料のひとつを以下に示す。 表1は、当医院での過去4年間での初診時におけるCAの口腔単位での結果である。

表1 初診時 検査患者数 353人 (クロモアガー斜面培地使用)
【表1】


Methods 1
これは、陽性患者スクリーニングのため写真1上段のごとく歯牙全体から滅菌綿棒にて採取し、写真1中段の斜面培地に塗布し検査する。もちろん歯頚部をなぞる時は、歯周ポケットの入り口をなぞる事でもあり、さらに採取歯牙周囲における辺縁歯肉、歯間乳頭などの軟組織もサンプリングしている事を意味している。(さらにLBTからの所見も参照)さらに後述の歯種培地への塗布は、個々の歯牙別に塗布した。写真1下段
Medium 使用した培地は、殆どがクロモアガーである。一部WVGカンジダ培地を使用したが、カンジダが選択発育すれば、どのような培地でもよいのである。ただしクロモアガーは、おおまかなCAの鑑別診断ができる点で、他の培地よりすぐれている。

これらの結果からCAは、常在菌でない強い可能性が浮かび上がる。
そして以上の表1の結果をCAのコロニーレベルと、DMFT指数とを比較して分類したものが表2である。

表2 口腔全体(歯牙、歯周組織)でのCA検査とDMFT
【表2】


CAが陽性の患者は、全体にDMFTが高くそして、+4になるとDMFTが非常に高いのが判る。これはう蝕に特異性がある可能性と、う蝕の末期(final phase)に大きな役割をはたしている強い可能性を示唆している。またCAは、歯科医院でう蝕治療において院内感染している可能性があるかもしれない傾向ととらえることもできるかもしれない。しかし院内感染について、この口腔全体の調査のみでは、SDが大きく、その結果院内感染の可能性に有意差はないとも統計学的に言われそうなので、後述の空間分析とともに考察しないといけないかもしれない。

Methods 2
以上の結果を受けそこで新たに空間分析手段位相分析手段を可能とする培地および各分析手段を設計、作成した。そしてその培地が写真1下段に示す歯種培地である。これは、歯種に対応して採取を可能とするために歯の種類に応じて領域を設けた。そしてその領域に対応した前述のごとく歯牙歯周組織からサンプリングするのである。そして、この歯種培地の歯種情報に対して空間分析、位相分析を行うのである。その以下記に示す歯種培地での検査結果をみるとさらに、明確にCAの性質(特に住処など)が鮮明に浮かび上がる。

CAT( Candida Teeth Medium )
一例として写真2、3、4などに示されるように、少数歯感染の場合におては、比較的きれいに特定歯牙からの検出を見る場合が多い。特に写真4のようにレントゲンでは読影できないう蝕も高感度にとらえることができる。(この場合は目視できるケースを選んだ。)
表3にCAが検出された歯牙の状態を分析してみる。表1におけるCA検査患者353人の内、CA陽性の患者143人のうちCAT検査を行った患者60人についての内訳が表3である。 検査した歯牙(ブリッジポンテック11本を含む)は、1493本である。

表3 CAT患者 60人 残存歯数 24.9 本/人
【表3】


[空間分析]
CAが検出された歯牙452本中のC1からC3までの全う蝕歯は、329本(72.8%)にのぼる。そして隣在健全歯(真健全歯+処置健全歯)が46本(10.2%)、隣在歯でない健全歯(真健全歯+処置健全歯)が66本(14.6%)となっている。これは、主に写真5などのごとく多数歯感染では、、う蝕歯でない歯牙からも検出されあたかも常在菌のごとくみえる。
しかしそれらの非う蝕CA陽性歯の顛末を、空間分析すると、
隣在健全歯における陽性歯牙46本のうち顛末の判明した24本がう蝕治療後のクリーニング(プロフェッショナルクリーニング)またはホームケアのブラッシングなどにて除去されている。22本が経過不明歯であった。
隣在歯でない健全歯における陽性歯牙66本のうち顛末の判明した36本がう蝕治療後のクリーニングまたはホームケアのブラッシングなどにて除去されている。経過不明歯は現30本であった。
これらは、
内部拡散(う蝕歯牙から)によるもの
外部拡散(空気、食事、飛沫、他の組織、院内感染など)によるもの
などの軽い感染、すなわち後述の汚染によるものと考えられる。
以上の結果はCAの感染を3つの段階に分類して考察するのが合理的で必要である事を示唆しているとも解釈できる。
1 組織との遭遇(場合により進入)
2 組織の汚染 クリーニングなどで除去できる段階。病巣がない状態、
3 組織での定着 病巣に定着している段階。 感染の成立(段階)でもある。
である。 表3における真健全歯、処置健全歯からのCA検出は、クリーニングなどで除菌できているものが殆どであるに対してう蝕病変からの除去は、う蝕処置を行わないと除菌でない事が、この3段階分類の根拠であり、必要性である。

そしてう蝕歯でCA陽性歯の329本からの内部拡散歯として強く示唆されるう蝕CA陽性隣在健全歯でクリーニングなどで汚染を除去できた24本と、内部拡散と外部拡散のいづれかまたはその組み合わせである可能性が非常に強い非隣在健全歯でクリーニングなどで汚染を除去できた36本を合計すると389本となり、389/452にて86.1% となる。 さらにダミーは、外部または内部拡散による結果であるので、11本をくわえて、400/ 452にて88.5%となる。
さらに、経過不明歯52本をのぞけば、400/400にて100%となる。

これらの結果は、CAの定着場所すなわち住処(感染源)は、う蝕歯牙であることを意味しているとしか思えない結果である。さらに除菌の手法も、う蝕治療を中心として内部拡散防止につとめれば良いことも判断材料のひとつでもある。さらに他のphaseのう蝕菌の空間分布からもそれを示唆できる。

[phase2う蝕菌であるLactobacillus(LB)との空間分析]
他の菌との比較による空間分布、空間分析
LBT( Lactbacilus Teeth Medium )
LBは、バックグラウンドに散在しているコロニーと歯牙に対応するコロニー(バンド)とを良く見かける。(写真6) これらの事実からLBは、粘膜上の常駐と歯牙(象牙質う蝕、リーク冠)などからの検出が強く予想される。事実う蝕処置が終了すれば、歯牙に対応するバンドは通常でてこない。例外は、また別の機会に開示したい。 このようにLBTにおいては、背景にコロニーが散在しつつ、phase2う蝕で歯牙にユニークに強いバンドを形成する。つまりLBは、粘膜に常駐しつつ、ある種のう蝕(phase2のう蝕)以降に強く出現する。 一方CAは、前述のCAT歯種培地による前記表3CAT患者全歯数1493本のうち背景にコロニーが散在した症例は、実にひとつも無い。 この結果においてCAは、背景にコロニーが散在しないのでCAの居場所は、う蝕歯からという事を強く示唆している。また粘膜常在もしていない事を強く示唆している。


[位相分析]
さらにう蝕経験(DMFT91.2%)が全歯牙におよぶ患者においてCAの濃度が非常に高いのは、う蝕菌でもfinal phase末期のう蝕菌である可能性を強く示唆している。また後述のLactobacillusとの位相判断からもfinal phase末期のう蝕菌である可能性を強く示唆している。(写真7)それもかなり末期に、比較的強い病原性を発揮する事が表2のCA+4の患者(平均年齢 81歳)から推定され、さらに表3のC2からC3までの各う蝕位相においてもその母集団とにおける差異は見られず、以上の結果から初期、特に中期においては、う蝕の進行を支持する程度と推定される結果となっている。さらにC1の母集団は、隣接面など未確認部分がかなり多いと予測され、推定ではC1でのCA定着はかなり少ないと予測される。これは隣接など不可視の部分でのC1の正確な計測が望まれる。
以上の現象は他の臓器同様CAが臓器の末期的な崩壊状態程度で明確に病原性を発揮する性質である事と類似している。

[時間分析]
また写真3は、患者の都合で治療が2年半ほど遅延した例である。左上567からCAが検出され、2年半ほど後に左上5のポストがう蝕により脱落し左上5に処置を行った直後にCATを行った結果である。2年半ほど経過してもう蝕歯からCAが検出されている。持続的に内部拡散が生じていたが、他の歯牙は、無事であった。(この間にクリーニングは、3回程度したのみであった。)

[以上から判る事、そして診断から処置へ]
1初診時に陰性の患者が56.4%であること、
2さらにう蝕治療による除菌率がほぼ100%であること、
う蝕治療が抜歯となる可能性が極めて高い症例などにて患者が治療を望まない症例や患者の都合によりう蝕が放置されているう蝕歯などから持続的に観察されているなどなどを考慮すれば、う蝕病巣がカンジダの住処という結論をださざるおえないと考える。この放置症例からも、カンジダがう蝕病巣に定着しているという事実を裏づけていると考えられる。CATにおいてこれらのう蝕歯牙からのみカンジダが検出されつづけ、他の歯牙からは、クリーニングにより除去されつづけ定着をかろうじて阻止しているという状態と思われる。
4 さらに写真2の症例は、う蝕除去によりカンジダが陰性となった典型的な症例である。これは、誰が見てもう蝕病巣がカンジダの住処という結論をださざるおえないと考える症例である。

これらの事実からもCAは、う蝕に深い関係を有している事は、明白である。さらにphase1にはあまり関与せず、phase2に関与しだし、最終相phase3(final phase)に主役となる事が推察される。
(LBTとCATの同時検査にてphase2とphase3が区別できる。(写真7)これはさらに将来的に詳細に調査を必要とする。)
これは、末期の虫歯菌といってもよいのではないだろうか?生体での末期的(免疫機能不全部位)に病原性を生じる事にも共通している。
またバックグラウンドに散在していない点も健全な粘膜組織には常駐していないであろう事が理解できる。これは以下のLBTによりさらに明確になってくる。

う蝕歯牙のみに特異的に定着感染すること、そして背景に真菌の存在する細菌感染の一般的問題である菌交代症現象などを適用して考察すると、通常の研究、検査においてCAは、う蝕菌としてとらえることが困難であるとが判る。すなわち前述の空間分析、位相分析、そして時間分析に分離し考察しないとCAの病原性が浮かび上がってこない事がわかるのである。
これら空間、位相、時間分析などから、う蝕(とくに末期)の良い指標または、末期でのう蝕の主病原菌に推定される。いづれにおいても、なんらかの病原性を有した菌を歯牙に所有する必要は、ないと考えられる。またう蝕を処理するとCAは、ほとんどの場合「0」となり除菌される。表4参照
以上これらの菌の検出特徴、除菌処置は、う蝕の治療、予防に強く影響を与える。ひいては、全身への感染にも大きな影響を与えるので、その除菌は重要である。
[治療、処置指針]
以上のごとく歯種培地と空間分析、位相分析、時間分析により実に多くの重要な情報を得られ、その情報からより精度の高い治療、予防などの処置が展開される。その結果ほぼ100%の除菌率を得る。 具体的には、内部拡散や外部拡散を予防しながらの治療、処置を行えばよいことが判る。そして歯牙内部の治療に関しては、CAと他の細菌に分類し除菌をすれば、歯牙内部からの除菌に成功することがわかる。細菌は抗生剤の複数局所投与にて容易に除菌できる。これも別の機会に開示したい。
歯牙内部における除菌順序は final phaseから、2nd phase に向けて行われるか、両者同時におこなう。同時の場合がリーズナブルな場合が多い。1st phase S.mutansについては別の機会に発表したい。

1 コロニーバンドが出た歯種に関しての除菌
う蝕歯は、抗真菌剤を使用したう蝕治療を行い。その他は、抗真菌剤を使用したクリーニングを実施する。歯種培地にて写真2,3,4のごとくう蝕歯から強く発現している微生物、これらが指標のみであろうと、個々のphaseでのう蝕の主役や脇役であろうと、歯牙内部からは除菌しなければならない微生物である。厳密に言うと、もしう蝕の指標のみの菌が存在するとしても、それが出現している修復歯は、リークまたは2次カリエスがおこっているので、当然う蝕処置や再修復といった処置が必要である。そして各phaseのう蝕菌が検出されれば、当然う蝕処置を含めた除菌が必要である。
2 バックグラウンドに散在し出現したコロニー
また歯種培地のバックグラウンドに(特にランダムに)散在して出現する微生物(群)は、除菌対象にはなりえないという事が理解できる。
さらに詳細には、機会があれば発表したい。
3 メインテナンスの再感染予防 基本的にクリーニングや不良修復物の修理である。また再汚染または再感染は、感染ルートの検出につながるので、また別の機会があれば発表したい。

そして表4に示すのが当医院での除菌結果である。
【表4】


治療不可能患者7人が7人ともう蝕除去にともなう抜歯処置が必要になる要抜歯歯である。
一回目除菌率は、98.6%だが、2回目の治療を施した患者の結果は、陰性であるので100%である。この患者で除菌手技が確率したようでもある。この後の患者では、1回の治療で達成できている。
さらに治療が終了して陰性になり、そののちに再汚染し陽性となり、処置後陰性となった患者が数人程度存在している。このように再汚染患者の陰性化により徐々にその感染経路がすこしづつ見えてきている。 また再感染は、正確に言うとほとんどが前述のごとく汚染レベルであり、最悪の場合う蝕歯などに定着し感染が成立するなどの場合があったとしても、前述のこの除菌率をさげるカテゴリーに入れる必要はないと考える。また再汚染された患者に関しては、クリーニングさらには感染ルートを断ち切ることによりCAフリーの状態を確保できてゆくので、この除菌率を下げる結果にはならないと考える。
つまり歯種培地を使用した検査、診断と正しい除菌処置方法があれば、この菌に関してはなんの心配もいらないことが予測される。今後さらに前述の再汚染症例に関しても詳細に分析をしていきたい。そこから感染ルートが判明しそして、感染リングが切断されると考える。この感染ルートも、また機会があれば発表していきたい。
う蝕の無い歯牙においてクリーニングにて除菌できる事もあり、さらに再汚染(感染)を繰り返すのは特定の患者のようである事が見えてきた。つまり特定な環境においてのみ汚染や感染が行きており、それは日本における日常生活においては稀な事であるようである。もちろん院内感染の予防も大きな前提である。
除菌できない症例のそのほとんどが、治療すれば抜歯という重傷う蝕歯牙を有する患者かもしくは、治療をさぼっている患者である。これらの歯牙は顎骨への各種細菌の影響を考えると抜歯すべき症例ばかりだが、患者は咬めれば良いという事を主張し抜歯できないような極めて酷いう蝕歯牙ばかりである。 そして、義歯やTEKなどのレジンに付着したCAも忘れずに除菌しておこう。義歯などは、CAの易付着部位でもあり、ピンポン感染になりやすい口腔内人工物である。

要約
感染症の治療、予防においては、微生物の居場所の特定が最優先事項であるからであり、以上のごとく歯種培地を始めとする検査診断手法は、CAなどの感染源(住処)を的確に教えてくれる。
よって呼吸器、消化器をはじめとした全身のfinal phaseの感染症予防には、歯牙が最初のCAの巣窟となっている事実において、歯牙のCA除菌が非常に有効である事を示唆している。
もちろん歯科領域において、このように歯種培地は、う蝕、歯周病の診断、治療、予防に必要不可欠な情報を提供する。
この非常に簡単な検査こそが、歯牙におけるう蝕治療をはじめとし全身のfinal phaseの感染症予防において最も基本的にして最も重要な検査であると考えられる。そしてこの検査を行っている歯科医院は、わたしの知る限り当医院しか知らない。緊急に全世界レベルで3pahse(MutansはIR法)に対応するう蝕菌の歯種(培養)検査とくにCAの歯種培養検査を行う必要がある。
これにより非常に精度の高いfinal phaseの感染症予防ができ他臓器における種々な疾患の予防などになるとともに、非常に精度の高いう蝕治療ができ無駄に歯牙を喪失せずにもすむ。もちろん院内感染や予防といったレベルでも非常に有効である。本論文では、CAを原則的にfinal phaseの菌として扱いながら、例外的な事例(Lactobacillusリッチな環境への定着、健全部位への定着、有機化合物への定着)にも少し言及した。これは例外なのか、final phaseと深く関係しているのかは今後の課題であり、また機会があれば発表していきたい。

また感染経路の確定も進めていきたい問題である。まず口から呼吸器、または消化器、鼻腔、副鼻腔などへの感染である。さらに口から膣、そして出産時に胎児の目に感染し、そして眼部混濁、内視現象などを生じている可能性の検討などである。特に眼部のオペ時に採取された組織液はクロモアガー培地により検査されるべきである。現在のところ、除菌患者の再感染率が少ないので、ピンポン感染は、少ないと思われる。またそれは、歯牙、とくにう蝕が原発病巣であることを示唆しており、ピンポン感染も少ないと思われるのである。

これらの努力により、近未来には人類がCAの病原性から解き放たれる可能性が非常に強い事を示しており、痘瘡ウィルスにつづき撲滅宣言ができるであろう病原性微生物となる可能性は強い。





最後に
歯科医の仕事は、う蝕、歯周病、咬合などの治療、予防だけでなくCAを初めとした口腔内微生物の(フローラ)コントロールが非常に重要な仕事となろう。これは急務である。
たとえば、H. pylori, Treponema, P.gingivalis, S.aureus, αStreptococcii,など緊急に歯科医師がFCしないといけないと思われる菌があるように感じられる。これらなどの機会があれば、発表していきたい。
さらに今日、唾液検査がもてはやされている。しかし唾液からのサンプリングは、時として的外れな情報を提供しがちである。 それがこの歯種培地により明確となってゆく。
真に歯科医師が必要な情報は、歯牙からの微生物検査と歯周ポケットからの微生物検査、そして舌、粘膜、それぞれの局所からの情報である。唾液といった全体からの検査は、保健所検診などの集団検診や初診などに短時間で効率的に、口腔内のどこかに異常があるかを判断できるので、そういった場合には有効であるが、治療、予防といった詳細な処置のための診断には不向きなのである。このことを踏まえて検査を振り分ける必要がある。また検査にも培養、顕微鏡、LAMP(PCR)、抗体などの検査があるが、適材適所が望ましいのは言うまでもない。機会があれば、これらの検査を、どの段階で使用し、どういった処置につなげるかを発表していきたい。

【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実空間歯種配列手段の一例。
【図2】2D Fixed Form 2次元固定形態歯種配列(手段)の一例。 もっとも基本的な歯種配列で、歯種の大きさは固定である。
【図3】2D Transformation Form Rectangle Form 長方形形態の一例。
【図4】Rectangle Form 長方形形態を歯種形態変化手段で歯牙幅に対応させた一例。 写真は、前方位の口腔内写真で主に2〜2の幅、対向関係を採得する。もちろん3〜3などとしても良い。
【図5】2D Transformation Form Arch Form 歯列弓形態の一例。
【図6】2D Transformation Form Arch Form with Code 歯列弓形態コード付きの一例。
【図7】2D Transformation Form Real Arch Form実物近似歯列弓形態の一例。
【図8】2D Transformation Form Arch Bite Form咬合歯列弓形態の一例。
【図9】2D Transformation Form Arch+ Rectangle Form歯列+長方形 形態の一例。
【図10】口腔2次元情報による2次元口腔内歯牙形状歯種変化手段 具体的な一例としては、図10のごとく初期状態形状の歯種形態手段(フレーム手段)を有している一例。 るなどである。
【図11】歯種配列を静止画像に一次合わせした一例。
【図12】歯種配列の個々のフレームを歯牙形状に適合させた一例。
【図13】静止画を除き、歯種配列(手段)ができあがった一例。
【図14】歯種配列の個々のフレームを歯牙形状に適合させた一例。
【図15】静止画を除き、歯種配列(手段)が上下顎個々にできあがった一例。
【図16】隣接関係と対合関係が確立された歯種配列(手段)ができあがった一例。
【図17】歯種と情報(歯種情報は1つ以上)を階層保持する階層手段を採用した一例。
【図18】LBT歯種培地とCAT歯種培地を空間分析(背景分析、内部拡散分析、外部拡散分析)、位相分析、などする一例。
【図19】源の性質と演算子(Operator)の一例。
【図20】内部拡散の分析一例。
【図21】外部拡散検出手段の一例。 1 空気感染演算子手段 上の演算子がD-codeによる演算子 下の演算子がeC Flagによる演算子 2 咽頭方向感染演算子手段 上の演算子がD-codeによる演算子 下の演算子がeC Flagによる演算子 3 接触感染演算子手段 (食物感染演算子手段) 上の演算子がD-codeによる演算子 下の演算子がeC Flagによる演算子
【図22】位相分析手段の一例。
【図23】写真1に対応 CA検査の一例。 上段 採取方法 滅菌綿棒にて歯牙歯周組織を歯種ごとにサンプリングする。 中段 バイアル培地(全顎)への塗布。 下段 歯種培地の一例
【図24】写真2に対応 う蝕部分の除去によるCA除菌の一例。う蝕少数歯から検出の一例 要抜歯歯UL6からは+4であり、う蝕を除去すると陰性となる。
【図25】写真3に対応 ポスト脱落う蝕歯治療の一例。 治療お休み期間長い症例。う蝕少数歯から検出の一例
【図26】写真4に対応 コーヌス内冠のう蝕歯の一例。う蝕少数歯から検出の一例 レントゲンにも写らないう蝕を高感度にて検出できた。
【図27】写真5に対応 多数歯感染の一例。あたかも常在菌のごとく見える。しかし、 下段の向かって左は、術前でコロニー+3程度であったのが、 下段のむかって右、術後は、陰性となった。
【図28】写真6に対応 LBT(LBの歯種培地)の一例。 背景に散在するコロニーとコロニーバンド出現部位とが明確に見られる。
【図29】写真7に対応 LBT歯種培地とCAT歯種培地を空間分析する。 (背景分析、内部拡散分析、外部拡散分析)、位相分析、などする一例。
【図30】写真8に対応 院内感染が強く示唆される一例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯種装置は、
歯種により特定された歯種配列手段と、
歯種により特定された歯種配列において、
その個々の歯種により特定された口腔内の歯(種)に関する歯牙情報、歯周組織情報、粘膜情報、歯牙が有する微生物情報、歯周組織が有する微生物情報などの歯種情報を1つ以上有することのできる(歯種)情報手段
を備えることを特徴とする歯種装置。
【請求項2】
請求項1の歯種装置において
前記歯種配列は、歯種形態手段(フレーム手段)
備える事を特徴とする歯種装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種配列は、階層手段
備える事を特徴とする歯種装置。
【請求項4】
請求項1または請求項3におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種情報手段は、
記憶手段、演算手段、表示手段など仮想空間情報手段
であることを特徴とする歯種装置。
【請求項5】
請求項1または請求項4におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種情報手段は、試薬手段、培地手段などの実空間情報手段
であることを特徴とする歯種装置。
【請求項6】
請求項1または請求項5におけるいづれか1項の歯種装置において
前記歯種配列は、歯種の形態(フレーム)を変化させる歯種形態変化手段
備える事を特徴とする歯種装置。
【請求項7】
請求項1または請求項6におけるいづれか1項の歯種装置は、
歯牙歯周組織を始めとした口腔組織における微生物などの感染、汚染、汚染物質などの汚染などの空間的状況を検出、分析する空間分析手段を備える事を特徴とする歯種装置。
【請求項8】
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、歯牙歯周組織の背景である口腔組織における微生物の常在微生物を検出、分析する背景分析手段である
事を特徴とする歯種装置。
【請求項9】
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、口腔内の定着、感染、汚染部位から他の部位への拡散を検出する内部拡散検出手段である
事を特徴とする歯種装置。
【請求項10】
請求項7の歯種装置において、
前記空間分析手段は、口腔外からの微生物による口腔内への拡散(進入)を検出する外部拡散検出手段である
事を特徴とする歯種装置。
【請求項11】
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、空気感染を見つける空気感染演算子手段である
事を特徴とする歯種装置。
【請求項12】
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、咽頭方向からの感染を見つける咽頭方向感染演算子手段である事を特徴とする歯種装置。
【請求項13】
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、接触感染を見つける接触感染演算子手段である
事を特徴とする歯種装置。
【請求項14】
請求項10の歯種装置において、
前記外部拡散検出手段は、院内感染を見つける院内感染演算子手段である
事を特徴とする歯種装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14におけるいづれか1項の歯種装置は、
病原微生物の病原位相を検出する位相分析手段
を備える事を特徴とする歯種装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図4】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図18】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−301838(P2008−301838A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138463(P2007−138463)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(302008858)有限会社 ミクロデント (28)
【Fターム(参考)】