説明

歯車強度評価方法

【課題】歯間で歯面形状のバラツキが存在する歯車でも歯車強度を適切に評価し得る歯車強度評価方法を提供する。
【解決手段】互いに噛み合う駆動歯車1及び従動歯車2の全歯について、その歯面形状を三次元的に把握できるように歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差を測定し、これにより得られた測定結果に基づき駆動歯車1及び従動歯車2の夫々の平均歯面形状を求め、該平均歯面形状を用いて歯車強度を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車強度評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
歯車は、動力を伝達する手段として、古くから自動車のトランスミッション等に広く一般に用いられており、歯車の歯形形状(歯車の半径方向に沿う歯の高さ方向の形状)や歯すじ形状(歯車の軸心方向に沿う歯の幅方向の形状)といった歯面形状は、強度、騒音、伝達効率といった歯車の基幹性能に極めて大きな影響を及ぼすことが知られている。
【0003】
一般的に、歯面形状については、従来より周知の歯車精度測定機を用いて測定されており、その測定結果は歯車精度測定機からチャートとして出力され、同時にJIS規格等に基づいた等級判定が行われるようになっている。
【0004】
図8は従来の歯車精度測定機による測定結果の一例を示すもので、歯数25枚の歯車について全歯の歯すじ形状を歯元側、中央、歯先側の三箇所で測定したものであるが、この図8を見れば明らかなように、自動車のトランスミッション歯車のように大量生産される歯車は、一つの歯車の各々の歯で歯面形状にかなりのバラツキが存在している。これはワーク歯車が取り付いている軸の振れや、加工条件、熱処理歪み等に因るもので、一般の量産歯車では、加工コストや加工時間の制限等により、このような歯間バラツキを避けることは困難である。
【0005】
一方、近年における新たに開発された歯車精度測定機では、コンピューターが備えられており、任意の歯面について歯形方向(歯車の半径方向に沿う歯の高さ方向)の測定結果と歯すじ方向(歯車の軸心方向に沿う歯の幅方向)の測定結果からその歯面の三次元形状を生成し、これを表示する機能を持っているため、歯車の歯面精度を立体的に把握することができるようになっている。
【0006】
尚、この種の歯車強度評価方法に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−195360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術で歯車強度を評価する場合、前述の如き歯間バラツキを無視して任意の歯の歯面形状を用いたり、或いは精度が最も悪い歯の歯面形状を用いたりして評価を行っているのが実情であり、最新の歯車精度測定機により一見詳細な評価が成されているようでも、歯間バラツキを考慮していないために正しい結果が得られない場合がある。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、歯間で歯面形状のバラツキが存在する歯車でも歯車強度を適切に評価し得る歯車強度評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、互いに噛み合う駆動歯車及び従動歯車の全歯について、その歯面形状を三次元的に把握できるように歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差を測定し、これにより得られた測定結果に基づき駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求め、該平均歯面形状を用いて歯車強度を評価することを特徴とする歯車強度評価方法、に係るものである。
【0011】
而して、このようにすれば、歯間で歯面形状のバラツキが存在する駆動歯車及び従動歯車であっても、その全歯につき実施した歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差の測定結果に基づき駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求め、その平均歯面形状を用いて歯車強度を評価するようにしているので、歯間の歯面形状のバラツキを考慮した歯車強度の評価が可能となる。
【0012】
更に、本発明においては、駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求めるに際し、歯すじ方向に複数に等分した各位置で歯形方向の形状誤差を測定し且つ歯形方向の任意の位置で歯すじ方向の形状誤差を1回測定する一方、歯面上の歯形方向に均等なm点と歯幅方向に均等なn点との格子位置を定義し、先の歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果を用いて前記各格子位置での歯面の形状誤差を計算して求め、これにより歯面形状をm×n行列の数値データとし、この数値データを全歯につき求めて平均化処理することで平均歯面形状を求めることが可能である。
【0013】
また、駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求めるに際しては、歯すじ方向に複数に等分した各位置で歯形方向の形状誤差を測定し且つ歯形方向の任意の位置で歯すじ方向の形状誤差を1回測定し、これにより得られた歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果を全歯につき求めて平均化処理する一方、歯面上の歯形方向に均等なm点と歯幅方向に均等なn点との格子位置を定義し、先の歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果の平均値を用いて前記各格子位置での歯面の形状誤差を計算して求め、これにより平均歯面形状をm×n行列の数値データとして求めることも可能である。
【0014】
更に、本発明においては、駆動歯車の平均歯面形状と従動歯車の平均歯面形状との組み合わせについて二歯面の形状誤差を一方に統合した相対歯面形状を求め、全く形状誤差のない理論歯面と前記相対歯面形状を持つ歯面との噛み合いに置換して歯車強度を評価することが好ましい。
【0015】
また、より高い精度で歯車強度を評価することが求められる場合には、駆動歯車及び従動歯車の何れか一方の平均歯面形状と他方の全歯の歯面形状との組み合わせについて二歯面の形状誤差を一方に統合した相対歯面形状を求め、全く形状誤差のない理論歯面と前記相対歯面形状を持つ歯面との噛み合いに置換して歯車強度を評価すると良い。
【発明の効果】
【0016】
上記した本発明の歯車強度評価方法によれば、歯間で歯面形状のバラツキが存在する駆動歯車及び従動歯車であっても、その全歯につき実施した歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差の測定結果に基づき駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求め、その平均歯面形状を用いて歯車強度を評価するようにしているので、歯間の歯面形状のバラツキを考慮した歯車強度の評価を実現することができ、歯車強度を適切に評価することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態例における形状誤差の測定に関する説明図である。
【図2】駆動歯車及び従動歯車の平均歯面形状の求め方を図解にした説明図である。
【図3】従動歯車側のヘルツ圧力の求め方を図解にした説明図である。
【図4】駆動歯車側のヘルツ圧力の求め方を図解にした説明図である。
【図5】歯面の形状誤差を考慮しない場合の耐久試験結果を示すSN線図である。
【図6】歯面の形状誤差を考慮しているが歯間バラツキを無視した場合の耐久試験結果を示すSN線図である。
【図7】歯面の形状誤差も歯間バラツキも考慮した場合の耐久試験結果を示すSN線図である。
【図8】従来の歯車精度測定機による測定結果の一例を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1〜図7で説明する本発明の歯車強度評価方法の一形態例は、平歯車,はすば歯車等の円筒歯車について実施したもので、駆動歯車や従動歯車における任意の歯の歯面形状を用いたり、精度が最も悪い歯の歯面形状を用いたりして歯車強度を評価するのではなく、互いに噛み合う駆動歯車及び従動歯車の全歯について、その歯面形状を三次元的に把握できるように歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差を測定し、これにより得られた測定結果に基づき駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求め、該平均歯面形状を用いて歯車強度を評価するようにしている。
【0020】
より具体的には、図1に示す如く、互いに噛み合う駆動歯車1及び従動歯車2の全歯について歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差を測定するにあたり、歯すじ方向にk+1等分(図示例ではk=9)した各位置で歯形方向の形状誤差を測定(都合k回の測定)し且つ歯形方向の任意の位置(一般には中央)で歯すじ方向の形状誤差を1回測定する。この測定に関しては、図示しない既存の歯車精度測定機を用いれば良く、該歯車精度測定機の台上に回転自在に設置された駆動歯車1や従動歯車2に対し触針をX,Y,Zの三軸方向に3次元的に相対移動させながら接触させて測定を行うことが可能である。
【0021】
一方、歯面上の歯形方向に均等なm点と歯幅方向に均等なn点との格子位置を定義し、先の歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果を用いて前記各格子位置での歯面の形状誤差(理論歯面に対する歯面法線方向の偏差量)をスプライン補間等の手法を用いた計算により求め、これにより歯面形状をm×n行列の数値データとし、この数値データを一つの歯車の全歯について求めて平均化処理することで平均歯面形状を求める。尚、k、m、nは3以上の整数で測定者が任意に指定することができる。
【0022】
また、歯面形状のm×n行列の数値データを作成する際、歯面上での噛み合い始めの位置は、1行1列、1行n列、m行1列、m行n列の何れかであるが、これを一義に定めておくと、後述する相対歯面形状を生成する際に混乱がないため、本形態例では、駆動歯車1と従動歯車2の何れの場合も歯面形状データ行列の1行1列を噛み合い始め位置と定める。
【0023】
ここで、噛み合い始め位置とは、互いに噛み合う駆動歯車1及び従動歯車2において歯面上で噛み合いが始まる位置のことである。歯形方向については、駆動歯車1は歯元から、従動歯車2は歯先から噛み合いが始まり、歯幅方向については、歯幅方向の何れかの端から噛み合いが始まるが、ねじれ角の方向や歯車の回転方向により歯幅の何れの端が噛み合い始めかが異なる。噛み合い始めは、歯車の諸元、回転方向及び測定姿勢により特定することができる。
【0024】
また、歯面形状のm×n行列の数値データの平均化処理につき補足して説明すると、ここでは、一つの歯車の全歯(z枚)の各々について前述の如き測定を行い、各歯に関する歯面形状データ行列:M1(m×n)、M2(m×n)・・・Mz(m×n) を得るようにしているので、平均歯面形状も歯面上でのm×n行列の数値データとして表し、これをMmean(m×n)とすると、Mmeanの要素はM1(m×n)、M2(m×n)・・・Mz(m×n)の各要素の平均値として得られる。
【0025】
ただし、平均歯面形状を求めるにあたっては、上記とは別の方式を採ることもできる。即ち、前述のようにして駆動歯車1及び従動歯車2の全歯について歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差を測定すると、一つの歯につき歯形形状k本、歯すじ形状1本の測定データが得られるので、z枚の全歯について測定を行った場合に、1番歯の測定で得られた歯形形状をP1(1), P1(2)・・・P1(k)、歯すじ形状をT1、2番歯の測定で得られた歯形形状をP2(1), P2(2)・・・P2(k)、歯すじ形状をT2、・・・z番歯の測定で得られた歯形形状をPz(1), Pz(2)・・・Pz(k)、歯すじ形状をTzとすると、これらの測定結果から平均測定データを作成することができる。
【0026】
この平均測定データは、前述の測定データの場合と同様に、歯形形状k本、歯すじ形状1本で構成され、歯形形状1はP1(1), P2(1)・・・Pz(1)を平均化処理したもの、歯形形状2はP1(2) , P2(2)・・・Pz(2)を平均化処理したもの、・・・歯形形状kはP1(k) , P2(k)・・・Pz(k)を平均化処理したもの、歯すじ形状はT1 , T2・・・Tzを平均化処理したものである。
【0027】
そして、得られた平均測定データを用いて、先に述べた方式と同様に、歯面上で歯形方向に均等なm点、歯幅方向に均等なn点の格子位置を定義し、歯面上でのm×n行列の数値データを構築する。これが平均歯面形状データMmean(m×n)である。
【0028】
このように何れかの方式で平均歯面形状を求めることができたら、駆動歯車1の平均歯面形状と従動歯車2の平均歯面形状との組み合わせについて二歯面の形状誤差を一方に統合した相対歯面形状を求め、全く形状誤差のない理論歯面と前記相対歯面形状を持つ歯面との噛み合いに置換してCAE計算によりヘルツ圧力(曲面をなす二物体の表面が互いに押し付けられた際に接触点に働く大きな集中応力:接触応力とも言う)を求め、このヘルツ圧力を用いて歯車強度を評価する。
【0029】
ただし、相対歯面形状を生成する駆動歯車1及び従動歯車2の二歯面について、歯幅が異なる場合や、歯すじ方向にオフセットしている場合は、噛み合い始めの位置を基準として、歯面上で定義した歯形方向のm点、歯幅方向n点の格子位置が重なるように歯面形状データを再構築する必要がある。
【0030】
更に、より高い精度で歯車強度を評価することが求められる場合には、駆動歯車1及び従動歯車2の何れか一方の平均歯面形状と他方の全歯の歯面形状との組み合わせについて二歯面の形状誤差を一方に統合した相対歯面形状を求め、全く形状誤差のない理論歯面と前記相対歯面形状を持つ歯面との噛み合いに置換してCAE計算によりヘルツ圧力を求め、このヘルツ圧力を用いて歯車強度を評価すれば良い。
【0031】
より具体的に述べると、図2に図解で示しているように、駆動歯車1の歯数をz1、従動歯車2の歯数をz2とした場合に、各歯車の全歯について形状誤差の測定を実施し、これにより得られた駆動歯車1の歯面形状の測定データを歯面形状Md1、歯面形状Md2・・・歯面形状Mdz1とし、従動歯車2の歯面形状の測定データを歯面形状Mf1、歯面形状Mf2・・・歯面形状Mfz2とすると、これらの歯面形状の測定データに基づき、前述した何れかの方式を用いて駆動歯車1と従動歯車2の平均歯面形状データを平均歯面形状Mdmean、平均歯面形状Mfmeanとして求めることができる。
【0032】
そこで、図3に図解で示しているように、駆動歯車1の平均歯面形状Mdmeanと、従動歯車2の全歯の歯面形状Mf1、歯面形状Mf2・・・歯面形状Mfz2との組み合わせについて合計z2個の相対歯面形状データを作成し、この結果を用いてCAE計算を行い、ヘルツ圧力S2-1、S2-2・・・S2-z2を求め、これらの中の最大値をS2maxとする。
【0033】
また、図4に図解で示しているように、従動歯車2の平均歯面形状Mfmeanと、駆動歯車1の全歯の歯面形状Md1、歯面形状Md2・・・歯面形状Mdz1との組み合わせについて合計z1個の相対歯面形状データを作成し、この結果を用いてCAE計算を行い、ヘルツ圧力S1-1、S1-2・・・S1-z1を求め、これらの中の最大値をS1maxとする。
【0034】
そして、基本的には、S1maxとS2maxのうちで大きい方をヘルツ圧力Smeanとし、このヘルツ圧力Smeanを用いて歯車強度を評価すれば良いが、駆動歯車1と従動歯車2との歯数が大きく相違している場合には、歯数が相対的に少ない方の回転数が増えて壊れ易くなるので、S1maxとS2maxについて駆動歯車1と従動歯車2との歯数比に応じた補正を行い、その補正後の数値の大きい方をヘルツ圧力Smeanとして歯車強度を評価するようにしても良い。
【0035】
図5は歯車に一定のトルクを負荷して歯車に損傷が発生するまで運転を行った耐久試験の結果をプロットしたグラフであり、このグラフの縦軸は歯面に作用するヘルツ圧力、横軸は歯面に損傷が発生した際の歯車総回転数Nとなっていて、一般的にはSN線図と呼ばれているものである。この種のSN線図は、機械要素の疲労強度等を評価する際に用いられるもので、本来、強度が同一の供試品を用いて行った試験結果は、SN線図上で一本の直線として整理できるはずである。
【0036】
図5のグラフにおける縦軸のヘルツ圧力Sは、歯面の形状誤差を考慮せずに理論歯面形状として計算したものであるが、この図5のグラフでは試験結果に大きな散らばりが見られる。即ち、実際の歯車では、夫々の歯車で異なる歯面の形状誤差が存在するため、同じトルクを負荷しても歯面形状の違いにより歯面に発生するヘルツ圧力が異なるためである。
【0037】
一方、図6のグラフは、歯面の形状誤差を考慮して計算したヘルツ圧力Smaxを縦軸に用いて試験結果をプロットしたものであり、このヘルツ圧力Smaxは、駆動歯車1と従動歯車2の夫々において精度が最も悪い歯を取り上げて歯面形状データを作成し、これから生成された相対歯面形状データを用いて計算したものである。
【0038】
このグラフでは、歯面の形状誤差の影響を考慮しているため、図4のグラフよりも若干散らばりが小さい傾向が見られるものの、一本の直線として整理することはできない。これは、各々の歯で存在する歯面の形状誤差のバラツキを考慮していないためである。
【0039】
図7のグラフは、本形態例による平均歯面形状を用いて計算したヘルツ圧力Smeanを縦軸にとって試験結果をプロットしたものであるが、この図7のグラフを見れば明らかなように、平均歯面形状を用いて計算したヘルツ圧力Smeanを用ると、SN線図上で試験結果を一本の直線に整理することができるので、歯間で歯面形状のバラツキが存在する歯車でも歯車強度を適切に評価することができる。
【0040】
尚、本発明の歯車強度評価方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、三次元的な歯面形状を把握できる歯車であれば円筒歯車以外のものにも適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1 駆動歯車
2 従動歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに噛み合う駆動歯車及び従動歯車の全歯について、その歯面形状を三次元的に把握できるように歯形方向及び歯すじ方向の形状誤差を測定し、これにより得られた測定結果に基づき駆動歯車及び従動歯車の夫々の平均歯面形状を求め、該平均歯面形状を用いて歯車強度を評価することを特徴とする歯車強度評価方法。
【請求項2】
歯すじ方向に複数に等分した各位置で歯形方向の形状誤差を測定し且つ歯形方向の任意の位置で歯すじ方向の形状誤差を1回測定する一方、歯面上の歯形方向に均等なm点と歯幅方向に均等なn点との格子位置を定義し、先の歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果を用いて前記各格子位置での歯面の形状誤差を計算して求め、これにより歯面形状をm×n行列の数値データとし、この数値データを全歯につき求めて平均化処理することで平均歯面形状を求めることを特徴とする請求項1に記載の歯車強度評価方法。
【請求項3】
歯すじ方向に複数に等分した各位置で歯形方向の形状誤差を測定し且つ歯形方向の任意の位置で歯すじ方向の形状誤差を1回測定し、これにより得られた歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果を全歯につき求めて平均化処理する一方、歯面上の歯形方向に均等なm点と歯幅方向に均等なn点との格子位置を定義し、先の歯形方向と歯すじ方向の形状誤差についての測定結果の平均値を用いて前記各格子位置での歯面の形状誤差を計算して求め、これにより平均歯面形状をm×n行列の数値データとして求めることを特徴とする請求項1に記載の歯車強度評価方法。
【請求項4】
駆動歯車の平均歯面形状と従動歯車の平均歯面形状との組み合わせについて二歯面の形状誤差を一方に統合した相対歯面形状を求め、全く形状誤差のない理論歯面と前記相対歯面形状を持つ歯面との噛み合いに置換して歯車強度を評価することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の歯車強度評価方法。
【請求項5】
駆動歯車及び従動歯車の何れか一方の平均歯面形状と他方の全歯の歯面形状との組み合わせについて二歯面の形状誤差を一方に統合した相対歯面形状を求め、全く形状誤差のない理論歯面と前記相対歯面形状を持つ歯面との噛み合いに置換して歯車強度を評価することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の歯車強度評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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