説明

殺生物性カプセル、それらを含む製剤、及び該製剤を含む衛生パッド

本発明は、殺生物製剤中に使用するための殺生物性カプセルであって、カッティングpH値未満のpH範囲を有する水環境下では壁が溶解せず又は最低限度しか溶解しないが、カッティングpH値を超えるpH範囲では溶解するカプセル中に、少なくとも1つの有効成分が封入され、且つ壁及び充填材料の少なくとも1つが、色表示に好適な指示物質を含有する、殺生物性カプセルに関する。本発明は、膣処置物質と、一様に分布するカプセルとを含有する、殺生物製剤に関する。製剤は、健康管理の目的で、主に体表、身体開口部、開いている体腔及び閉じている体腔の病原体を殺滅するのに使用される。製剤は、膣の治療及び/又は診断に有益に使用することができる。本発明は、殺生物製剤を含有するタンポンであって、膣タンポンの場合に、内端に、膣の裏側の円蓋まで挿入可能なより長い背軸(2)と、背軸よりも短い腹腔軸(3)とを有し、それらの間に子宮膣部を受けるシート(4)を備える、好ましくは流体の作用のために放射状に膨潤する吸湿性円筒体(1)を備える、タンポンに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺生物性カプセル(biocide capsules)、該殺生物性カプセルを含む製剤、及び該製剤を含むタンポンに関する。
【0002】
殺生物有効成分(biocide active ingredient)は、病原体の存在下で本発明のカプセルから放出され、本発明のカプセル、即ち製剤は、少なくとも1つの殺生物有効成分を含有する。
【0003】
該製剤は、健康管理の目的で、主に体表、身体開口部、開いている体腔及び閉じている体腔の病原体を殺滅するのに使用される。本発明のカプセル、とりわけ製剤は、膣の治療及び/又は診断に有益に使用することができる。
【0004】
本発明によれば、殺生物有効成分は、殺菌剤、殺ウイルス剤、殺真菌剤、殺虫剤等、当業者に既知の物質である。
【背景技術】
【0005】
性的に成熟した女性の膣上皮及びデーデルライン菌叢(Doederlein flora)が、pH=3.5〜4.3である防御用酸シートを保持することが知られている。異常状態では、真骨盤、卵管、子宮、頸部から膣内に酸性度の低い排出物が滴り落ちる。また、外部から膣に入る物質は酸性度が極めて低い。子宮膣部上及び膣壁上に生じる炎症又は腫瘍の排出物も酸性が低い。上記の結果から、膣全体又はその限定部分のpHは、中性又はさらにはアルカリ性領域へと移行する。通常、こうして、不規則に成層した上皮細胞によって作られる酸性シートが角質化していない重層上皮を覆うため、常在菌叢が上皮から出なくなる。このことは、正常pHに対応するデーデルライン菌叢の代わりに、通性病原体又は偏性病原体がそれらに好適なpH環境下で増殖する理由である。重層上皮(layered epithelium)、間質物質、及びさらに結合組織を侵食又は完全に溶解するそれらの病原体はコロニーを作る。病原体自体及び/又はそれらの内毒素及び/又は外毒素は、結合組織に入り込む。それらの作用により、また細胞性防御及び体液性防御の作用により、結合組織は浮腫(oedematous)となり、その血管系が拡張し、結合組織から膣腔に入る少量の酸性の滲出物及び漏出物も膣の正常pHを下げることになる。
【0006】
この自己誘起プロセスは、広範な殺生処置により終了するが、その一方で損傷したデーデルライン菌叢が完全に死滅する。しかし、弱めた防御の根本的な根絶は再発の機会を増大させる。対象医薬品(デーデルライン菌叢に影響がないか又は影響が低い薬物を含む)により処置を行うと、実験室結果の待ちから原因治療の開始が遅れ、さらにその他の(remaining)防御の破壊がもたらされ、悪循環が続く。よくある混合感染が、塗抹研究(smear studies)及び培養研究を疑わしいものとする。これが、医者が往々にして治療的薬物処置(ex juvantibus medication)又は広範な殺生処置を用いる理由である。
【0007】
特許文献1によれば、ヨード発泡錠は、ポリビニルピロリドンヨウ素(以下、PVPヨウ素)を含有する、膣洗浄液の調製用の薬物であり、pHを3.5〜4.3の緩衝状態に維持するために、発泡成分としてクエン酸と炭酸水素ナトリウムとを含有する。これは、疾患に特徴的な過剰な分泌物を洗い流す。局在的な病原体を全て殺滅すれば、膣の最適なpHは緩衝状態で維持される。
【0008】
PVPヨウ素を含有する広範な殺生物製剤の有効pH範囲は、2.5〜7、最適には3〜6である(PVP−Iodine、International Specialty Products, 2004.)。このような膣処置製剤の欠点は、それらが、まだ生きているか又はどのみち弱っているデーデルライン菌叢を根絶させることである。処置後、これにより膣内細菌叢の再生がさらに遅れる。
【0009】
したがって、デーデルライン菌叢を傷つけないか、又は最低限度でしか傷つけない広範な殺生物性膣処置製剤が必要とされる。
【0010】
特許文献2による膣洗浄用の発泡錠はラクトースを含有し、発泡成分として、pHを3.5〜4.3の緩衝状態に維持するためのクエン酸と炭酸水素ナトリウムとを含有する。
【0011】
特許文献3による膣洗浄用の発泡錠は、凍結乾燥させた雌馬の粉末乳、ラクトースを含有し、発泡成分として、pHを3.5〜4.3の緩衝状態に維持するためのクエン酸と炭酸水素ナトリウムとを含有する。
【0012】
これらの製剤は、デーデルライン菌叢を維持するのに、又は、損傷が軽度である場合には再生するのに好適であるが、それらの有効成分及び殺生物剤物質が、貯蔵中及び製剤の適用の間に互いの他の効果を相互に害するため、殺生物剤物質と直接組み合わせることができない。
【0013】
既知の殺生物性膣処置製剤は、殺生物剤物質により分解又は変更され得る物質、例えば、デーデルライン菌叢に必要なプレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスと組み合わせることができない。したがって、殺生処置に続けて、デーデルライン菌叢の再生のために新たな処置が必要である。
【0014】
したがって、殺生物有効成分を含有し、且つデーデルライン菌叢の維持及び/又は再生の機会をさらに与える殺生物性膣処置製剤に対する要求が存在している。
【0015】
膣分泌物及び/又は膣壁のpHの直接的な表示のための多くの解決策が知られている。
【0016】
特許文献4には、pH指示物質を含有する吸着パッドが記載されている。
【0017】
特許文献5には、吸湿性物質が体液条件の変化を表示するための離れた表示帯域を有し、またこうして体液のpH変化を表示するタンポンが記載されている。
【0018】
しかし、これらの解決策は、広いpH変化を検出することしかできず、pH変化の位置を表示するのには不適切である。
【0019】
しかし、正確な診断のためには、膣内pH偏位の位置を突き止めることができるpH指示薬が必要とされる。
【0020】
従来技術からの腸溶性(enterosolvent)コーティングを有する、経口投与のための医薬カプセル製剤が知られており、このような解決策は米国特許出願第6767557号明細書に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】HU218671
【特許文献2】HU215970
【特許文献3】国際公開第2004089278号パンフレット
【特許文献4】米国特許第5217444号明細書
【特許文献5】国際公開第0018345号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、現行の技法に根付く欠点を排除すること、及び既存の満たされていない要求を満たすことに関する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
したがって、本発明の好ましい実施の形態は、殺生物製剤であって、特定の値(以下、「カッティングpH値(cutting pH value)」)未満のpH範囲を有する水環境下では壁が溶解せず又は最低限度しか溶解しないが、カッティングpH値を超えるpH範囲では溶解するカプセル中に、有効成分が封入され、且つ壁及び充填材料(load)の少なくとも1つが、色表示に好適な指示物質を含有する、殺生物製剤である。
【0024】
本明細書中、「カプセル」という表現は、マイクロカプセルを含む、それ自体が既知の任意のサイズ及びサイズ分布のカプセルを意味する。
【0025】
本明細書中、「色表示に好適な指示物質」という表現は、それ自体の色により且つ/又は任意の物質と相互作用することによって、即ち、カプセルに加えてこの目的のために成分が投与されて、含有される媒体の光学特性、主にその色を視認可能な方法で変化させることができる、任意の物質を意味する。既知の酸塩基指示薬もこの目的のために使用することができる。例えば、色表示はUV光によっても検出することができる。
【0026】
本発明によるカプセルは、任意の既知の膣処置材料、即ち、ゼリー、坐薬、液体、濃縮物、顆粒、粉末、殺精子剤、カプセル、錠剤等中に混合又は包埋することができ、このように、殺生物性カプセルを含有する製剤を調製することができる。本発明はまたこれらの製剤に関する。
【0027】
本発明は、タンポンの中に又は表面上に、殺生物製剤を含有するカプセルが存在し得るタンポンに関する。本発明のカプセル又は製剤を含有する他の生殖器衛生用製剤を含有する他の吸着材料も本発明の範囲に属することに留意しなければならない。
【0028】
以下の研究結果から、本発明の殺生物製剤の理解が導かれる。
【0029】
病原体がコロニーを作る場所且つコロニーを作るときにのみ、広範な殺生物剤物質がその効果を発揮するならば、実験室試験が大抵省かれ、医療処置を早期に始めることができ、本来の防御機能を保つことができ、再発が少なくなることが分かった。
【0030】
殺生物有効成分がカプセルに入っており、カプセル物質が、カッティングpH値未満のpH範囲の体液媒体に(以下、便宜上、水媒体に)溶解せず又はごく少量でしか溶解しないが、カッティングpH値を超えると溶解する場合には、殺生物有効成分はより塩基性のpH範囲でしかカプセルから放出されない。例えば、殺生物有効成分がPVPヨウ素であり、膣内で使用することが望まれる場合には、pH=4.5〜6.0のカッティングpH値を選択することにより、健常な膣内ミクロ環境において、即ちpH3.5〜4.3の範囲において、PVPヨウ素が溶解せず、またデーデルライン菌叢を傷つけないこととなり得る。しかし、より塩基性のミクロ環境及び/又はマクロ環境において、カプセルの溶解によって放出されるPVPヨウ素は、デーデルライン菌叢を検知することなく、病原体を殺滅することができる。
【0031】
別の研究結果によれば、カプセルの壁及び/又は充填材料が、色表示に好適な指示物質を含有する場合、カッティングpH値を超える媒体に溶解するカプセルは色によって、殺生物剤物質が、所定のミクロ環境及び/又はマクロ環境において放出されたことを示す。
【0032】
別の研究結果によれば、指示薬は有効成分と同じであってもよい。最も頻繁に使用される殺生物有効成分である、最も有効な濃度範囲(0.01重量%〜1重量%)のPVPヨウ素(PVP−Iodine、International Specialty Products, 2004.)の水溶液の色は、黄土色〜茶褐色である。この結果として、本発明による殺生物製剤及び/又はそのすすぎに使用される液体の色調は病原体の発生率も表す。表示感度は、例えば、付加的な物質及び/又は特別な機器によりさらに高めることができる。
【0033】
さらなる好ましい実施の形態では、カプセルが、殺生物剤物質の活性を改善し、pH値を調節し、好ましくは高い緩衝能力を有する添加剤を含有していてもよく、膣内PVPヨウ素製剤の場合には、その緩衝範囲がpH=3〜4.3であることを意味する。高い緩衝能力を有する添加剤は、例えば、特許文献1に記載の1つであり得る。
【0034】
別の研究結果によれば、本発明の製剤が、膣処置物質と、膣処置物質中に一様に分布するカプセルで構成される場合、pH=3〜4.3を有する膣処置物質に特徴的な媒体中でカプセルが安定なままであるとして、膣処置製剤は、別の状況では殺生物剤物質との接触が維持されない添加剤を含有していてもよい。このように、殺生物作用物質及び例えばプレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを同じ製剤中に使用してもよい。
【0035】
さらなる好ましい実施の形態では、製剤は、カプセル、デーデルライン菌叢のための選択的な炭素源として作用する物質、及び/又はウマ科(ウマに似た動物)の乳に由来する物質、並びに3.5〜4.3pH値の発生のための緩衝系、例えば、既に参照されている特許文献1の緩衝系を含む。
【0036】
さらなる好ましい実施の形態では、製剤が、10mg〜1000mg、好ましくは300mgのカプセル、0mg〜1000mg、好ましくは700mgのラクトース、0mg〜500mg、好ましくは100mgの凍結乾燥させた雌馬の粉末乳、並びに好ましくは2100mgのクエン酸及び700mgの炭酸水素ナトリウムを含有する。
【0037】
以下の研究結果から、本発明のタンポンの作製が導かれる。
【0038】
本発明のカプセルがタンポンの中及び/又はタンポンの表面上で、好ましくは固定化されて使用されるのであれば、タンポンは多くの作業を同時に果たすことができる:
− 体液を吸収及び貯蔵し、
− その内部又はその表面上の上記物質、即ち、殺生物有効成分を用いて処置を行い、
− 吸収した体液中及び/又はそれに接触する表面上で病原菌を殺滅し、その一方で有用なより酸性の微生物叢を傷つけず、
− 病原体の存在、性質及び量についての情報をその色によって与える。
【0039】
最も有効な濃度範囲(0.01重量%〜1重量%)のPVPヨウ素(PVP−Iodine、International Specialty Products, 2004.)の水溶液の色は、黄土色〜茶褐色である。また、体液がタンポンにより吸収され、PVPヨウ素含有カプセルの一部が溶解するのであれば、色はさらに変わり得る。例えば、タンポンがセルロース/デンプンを含有するのであれば、色は紫色から始まる。表示感度はさらなる特別な物質の添加によりさらに向上する。かかる表示のために、病原体の量についても新たな情報を得ることができる。
【0040】
別の研究結果によれば、膣の全長を埋め、好ましくは流体の作用により放射状に膨潤する、円筒形を有するタンポンを使用する場合、使用後に取り除かれるタンポンの表面は、酸性膣内自己防御を害する現象全てをマップとして示す。色が内端で、ついでに言えば凹面端で変化する場合、これは、排出物が子宮口(子宮口の創傷)及び/又はそれより奥の部分から生じることを示す。色が外端において変化する場合、異常pHを有する物質が小陰唇(ニンファ(nympha))及び大陰唇の方向から膣に入ってくる。押印様の色変化が腹腔面及び背面上に見ることができる場合、これは局在的且つ限定的な炎症又は腫瘍性変化により起こる。色がタンポンの内側の裏側下部チップ上で変化する場合、このことは、そのpHが7.2〜7.3であるため、炎症が裏側の円蓋(back vault)に位置すること、又は加えてこれが受精嚢であることから、射精によりそれが起こり得ることを意味する。
【0041】
また、膣壁癌の驚くほど遅い発見の理由が、検査のために差し込まれる金属ブレード(複数可)が前壁及び後壁を覆うことであることを見い出した。外子宮口の検査後に、炎症及び腫瘍の見地から最も重要な(好発)部位として、その後の留意もなくブレードが取り除かれるため、膣壁癌の早期の認識を度々逃していた。それゆえ、膣タンポンは、早期の癌診断のための手段となることができ、さらに、タンポンを使用する患者自身が検査を行う医者の注意を喚起することができる。
【0042】
別の研究結果によれば、円筒体は、膣の解剖学的形態に調節することができる。子宮膣部は、タンポンの内端のシートに入り込む。内端の唇状の背軸が裏側の円蓋中に位置する。好ましい場合には、ポジショニングマークが外端にあり、これは、正確な挿入のために、又はpH偏位について得られる「マップ」のポジション評価のために必要とされている。さらなる好ましい実施の形態において、支持面は、円筒体の外端に置かれ、タンポンの挿入後に、恥骨の外面及びその結合の奥へ向けて指で押すことができる。
【0043】
さらなる好ましい実施の形態では、膣タンポンの以下の寸法が、平均的な膣の寸法に対して最も好ましい。円筒体の長さは、6cm〜15cm、好ましくは11cmであり、乾燥状態の円筒体の直径は、0.5cm〜1.5cm、好ましくは1cmであり、湿潤状態の直径が1.5cm〜4cm、好ましくは2.5cmである。
【0044】
さらなる好ましい実施の形態では、円筒体の外端をアプリケータに入れることができ、このようにしてタンポンをあるべき位置に挿入することができる。
【0045】
別の研究結果によれば、タンポンが取り外し可能な指示薬コート(指示薬含有層)を備え、これが平面上に展開することができる場合には、評価を簡潔に行うことができ、医者に対しても証拠として提出することができる。
【0046】
さらなる好ましい実施の形態において、タンポンは、挿入後に取り外し可能な保護コート(挿入後に糸により引き下ろすことができる)を有していてもよい。
【0047】
一例として、本発明によるタンポンの可能な実施の形態を図1に例示するが、本発明はこの実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の膣タンポンの構造の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
円筒体(1)の(of the of the)内端に、より長い背軸(dorsal stalk)(2)及びより短い腹腔軸(abdominal stalk)(3)が存在し、さらにそれらの間にシート(4)を備え、外端にポジショニングマーカー(5)及び支持面(6)が存在することが図1に例示される。カプセルが膣タンポンの表面全体上に一様に分布する。
【0050】
膣タンポンの挿入後、ポジショニングマーカ(5)は、腹腔に向けておかなければならない。挿入した膣タンポンの外端は、恥骨の奥へ向けて指で押すことができ、このようにして、支持面(6)が恥骨及びその結合の内側に面して存在する。このように、膣タンポンの位置は膣内で安定であり、背軸(2)は子宮膣部の下の膣の裏側の円蓋に適合する。
【0051】
周囲から吸収される流体の作用により、タンポンは放射状に徐々に膨潤する。
【0052】
10分〜60分後に、例えば、タンポンに組み込まれた糸(図1に図示せず)により膣タンポンを引き出すことができる。
【実施例】
【0053】
実施例1
1gのPVPヨウ素及び6gのEudragit L 100を23gの96%エタノールに溶解する。100gのラクトースは高剪断Pro−C−epT造粒機中で計り、これを3分間予備混合し、新たな溶液を一定速度で投下することにより、微小粒子を作製する。黄色の細かく分布した粉末の最大寸法は160μmである。これに続けて、MiniGlatt 4流動装置において、25℃における0.10barの流動プロセスエア圧力及び0.50barの霧状エア圧力を用いて、粒子をEudragit L 30D−55の水懸濁液20mlで被覆する。このようにして得られる粒子の最大サイズは320μmである。
【0054】
pH=6と比べてpH=4.5では、被覆粒子からの有効成分のより低い溶解が観測することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺生物製剤中に使用するための殺生物性カプセルであって、カッティングpH値未満のpH範囲を有する水環境下では壁が溶解せず又は最低限度しか溶解しないが、カッティングpH値を超えるpH範囲では溶解するカプセル中に、少なくとも1つの有効成分が封入され、且つ前記壁及び充填材料の少なくとも1つが、色表示に好適な指示物質を含有する、殺生物性カプセル。
【請求項2】
前記有効成分及び前記指示物質が同じもの、好ましくはPVPヨウ素である、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記カッティングpHが4.5〜6.0である、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項4】
好ましくは高い緩衝能力を有し、且つpHを3〜4.3に設定する添加剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の殺生物性カプセルを含有する殺生物製剤であって、膣の処置のための物質と、該膣の該処置のための該物質中に一様に分布するカプセルとを含む、殺生物製剤。
【請求項6】
1つ又は複数のプレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを含む、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
前記膣処置物質が、デーデルライン菌叢のための選択的な炭素源及び/又はウマ科(ウマに似た動物)の乳由来の物質、並びに3.5〜4.3pH値の発生に好適な緩衝系を含む、請求項5又は6に記載の製剤。
【請求項8】
10mg〜1000mg、好ましくは300mgのカプセル、0mg〜1000mg、好ましくは700mgのラクトース、0mg〜500mg、好ましくは100mgの凍結乾燥させた雌馬の粉末乳、並びに好ましくは2100mgのクエン酸及び700mgの炭酸水素ナトリウムを含む、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
内部又は表面上に、好ましくは固定化された請求項1〜4のいずれか一項に記載のカプセル、又は請求項5〜8のいずれか一項に記載の殺生物製剤を有する、タンポン。
【請求項10】
内端に、前記膣の裏側の円蓋まで挿入可能なより長い背軸(2)と、該背軸よりも短い腹腔軸(abdominal stalk)(3)とを有し、それらの間に、子宮膣部を受けるシート(4)を備える、好ましくは流体のために放射状に膨潤する吸湿性円筒体(1)である、請求項9に記載のタンポン。
【請求項11】
前記円筒体(1)の外端に、ポジショニングマーカ(5)、及び/又は恥骨及びその結合の内側の奥へ向けて指で押すことができる傾斜した支持面(6)を有する、請求項10に記載のタンポン。
【請求項12】
使用後に、好ましくは取り外し可能且つ平面上に展開可能な指示薬含有コートを有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載のタンポン。
【請求項13】
好ましくは挿入後に取り外し可能なコートを有する、請求項9〜12のいずれか一項に記載のタンポン。
【請求項14】
好ましくは前記体腔への前記タンポンの定位挿入(positional insertion)を提供するように、前記円筒体(1)の前記外端をアプリケータに入れることができる、請求項9〜12のいずれか一項に記載のタンポン。
【請求項15】
前記円筒体(1)の長さが6cm〜15cm、好ましくは11cmであり、乾燥状態の前記円筒体(1)の直径が0.5cm〜1.5cm、好ましくは1cmであり、湿潤状態の直径が1.5cm〜4cm、好ましくは2.5cmである、請求項9〜14のいずれか一項に記載のタンポン。

【図1】
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【公表番号】特表2010−530408(P2010−530408A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512782(P2010−512782)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/HU2008/000069
【国際公開番号】WO2008/155589
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509343194)
【Fターム(参考)】