説明

殺菌性の5−メチル−6−フェニルトリアゾロピリミジニルアミン

本発明は、式(I)


の5−メチル−6−フェニルトリアゾロピリミジニルアミン(各置換基の意味は、明細書中に記載されている)に関する。本発明はまた、該化合物の調製方法、該化合物を含む農薬、および植物病原性有害菌類を防除するためのその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの5−メチル−6−フェニルトリアゾロピリミジニルアミン、
【化1】

【0002】
[式中の各置換基は以下のとおり定義される:
、Lは、互いに独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C10−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、メトキシ、C〜C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンジルオキシまたはベンジルチオであり;R、Rは、水素またはC〜C−アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、CH−C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、メトキシ、C〜C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンジルオキシまたはベンジルチオであり;
ここで、L、LおよびLからなる群からの2個の隣接する基は、一緒になって、C〜C−アルキレン、C〜C−オキシアルキレン、C〜C−オキシアルキレンオキシまたはブタジエニル基であってよく;
また、L、LまたはLの少なくとも1個の基は水素ではなく、基L、LまたはLは非置換であるか、または1〜4個の同じまたは異なる基Rで置換されており;Rは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたはNRであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、NR、ヒドロキシル、メルカプト、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルチオ、カルボキシル、ホルミル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキニルオキシカルボニル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンジルオキシ、ベンジルチオまたはC〜C−アルキル−S(O)−であり;mは、0、1または2であり;
ここで、L、L、L、RおよびR中の環式基は非置換であるか、または1〜4個の基Rで置換されており;Rは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C10−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニルまたはC〜C−アルコキシである。]
に関する。
【0003】
さらに、本発明は、これらの化合物の調製方法、これらを含む組成物、および植物病原性有害菌類を防除するためのその使用にも関する。
【背景技術】
【0004】
殺菌剤として活性な個々の6−フェニルトリアゾロピリミジニルアミンは、(特許文献1)で公知である。しかしながら、多くのケースにおいて、その活性は不満足なものである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第71792号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことから、本発明は、改良された活性および/または拡大された活性スペクトルを有する化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、この目的が、冒頭で定義した化合物によって達成されることを見出した。さらに、本発明者は、それらを調製するための方法および中間体、それらを含む組成物、および化合物Iを用いた有害菌類の防除方法も見出した。
【0007】
式Iの化合物は、(特許文献1)で公知の化合物とは、基本的に、トリアゾロピリミジン骨格の6位のフェニル環の置換、および/または2位の置換が異なる。
【0008】
公知の化合物に比べて、式Iの化合物は、有害菌類に対してより効果がある。
【0009】
本発明による化合物は種々の経路で得ることができる。有利には、本発明による化合物は、式IIの置換β−ケトエステルを式IIIの3−アミノ−1,2,4−トリアゾールと反応させて、式IVの7−ヒドロキシトリアゾロピリミジンを生成させることにより得られる。式IIおよびIV中の基RおよびL〜Lは式Iに対して定義したと同じであり、また式II中の基RはC〜C−アルキルであり;ここでは、実用的な理由から、好ましいのは、メチル、エチルまたはプロピルである。
【化2】

【0010】
式IIの置換β−ケトエステルと式IIIのアミノトリアゾールの反応は、溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。溶媒については、それに対して出発物質が実質的に不活性であり、またそれにそれらが完全にまたは部分的に溶ける溶媒を用いるのが有利である。好適な溶媒は、特に、アルコール(例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、グリコールまたはグリコールモノエーテル、ジエチレングリコールまたはそのモノエーテル)、芳香族炭化水素(例えばトルエン、ベンゼンまたはメシチレン)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)、低級アルカン酸(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸)、あるいは塩基(例えばアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物)、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属水素化物およびアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属アミド化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩ならびにアルカリ金属重炭酸塩、有機金属化合物、特にアルカリ金属アルキル、アルキルマグネシウムハロゲン化物ならびにアルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ土類金属アルコキシドならびにジメトキシマグネシウム、さらには有機塩基、例えば三級アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン)およびN−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、置換ピリジン(例えばコリジン、ルチジンおよび4−ジメチルアミノピリジン)ならびに二環式アミン、さらにはこれら溶媒と水との混合物である。好適な触媒は、前に述べた塩基、またはスルホン酸や鉱酸のような酸である。特に好ましくは、上記反応は、溶媒なしで行うか、またはクロロベンゼン、キシレン、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロリドン中で行う。特に好ましい塩基は、三級アミン(例えばトリイソプロピルアミン、トリブチルアミン)、N−メチルモルホリンまたはN−メチルピペリジンである。反応が溶液中で行われる場合は、温度は50〜300℃、好ましくは50〜180℃にする(参照:欧州特許出願公開第770615号明細書;Adv. Het. Chem. 57 (1993), 81ff)。
【0011】
塩基は、一般には、触媒量で用いられるが、それらは等モル量でも、過剰量でも、あるいは適切であれば溶媒としても用いることができる。
【化3】

【0012】
多くの場合、得られる式IVの縮合物は、反応溶液から純粋な形態で析出するので、同じ溶媒または水で洗って、続いて乾燥させた後、それらはハロゲン化剤、好ましくは塩素化剤または臭素化剤と反応させて、式V(式中のHalは塩素または臭素、好ましくは塩素である)の化合物を生成させる。この反応は、好ましくは、塩素化剤、例えばオキシ塩化リン、塩化チオニルまたは塩化スルフリルを用いて、50℃〜150℃で、好ましくは還流温度にある過剰量のオキシ三塩化リン中で行う。過剰オキシ三塩化リンを蒸発させた後、残留物を、適切であれば水不混和性溶媒を加えて、氷水で処理する。多くの場合、この乾燥有機相から単離される塩素化生成物は、適切であれば不活性溶媒を蒸発させた後は、極めて純粋であり、続いてアンモニアと不活性溶媒中100℃〜200℃で反応させてトリアゾロピリミジン−7−イルアミンを生成させる。この反応は、好ましくは、1モル〜10モル過剰のアンモニアを用いて、1〜100バールの圧力下で行う。
【0013】
この新規なトリアゾロピリミジン−7−イルアミンは、適切であれば溶媒を蒸発させた後、水中での温浸により、結晶化合物として単離される。
【0014】
式IIのβ−ケトエステルは、Organic Synthesis Coll. Vol. 1, p. 248に記載されているようにして調製することができ、また/またはそれらは商業的にも入手可能である。
【0015】
あるいは、式Iの新規な化合物は、式VI(式中のL〜Lは上記で定義したと同じである)の置換アシルシアニドと、式IIIのアミノトリアゾールを反応させることによっても得ることができる。
【化4】

【0016】
この反応は、溶媒の存在下でも、不存在下でも行うことができる。溶媒については、それに対して出発物質が実質的に不活性であり、またそれにそれらが完全にまたは部分的に溶ける溶媒を用いるのが有利である。好適な溶媒は、特に、アルコール(例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、グリコールまたはグリコールモノエーテル、ジエチレングリコールまたはそのモノエーテル)、芳香族炭化水素(例えばトルエン、ベンゼンまたはメシチレン)、アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)、低級アルカン酸(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸)、または塩基(例えば上記で述べたもの)、ならびにこれら溶媒と水の混合物である。反応が溶液中で行われる場合は、反応温度は50〜300℃、好ましくは50〜150℃である。
【0017】
この新規なトリアゾロピリミジン−7−イルアミンは、適切であれば溶媒を蒸発させた後または水で希釈した後、結晶化合物として単離される。
【0018】
このトリアゾロピリミジン−7−イルアミンを調製するのに必要とされる式VIの置換アルキルシアニドのいくつかは公知であり、あるいはそれらは公知の方法によりアルキルシアニドとカルボン酸エステルとから強塩基、例えばアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アミドまたは金属アルキルを用いて調製することができる(参照:J. Amer. Chem. Soc. 73, (1951), p. 3766)。
【0019】
上記に記載した経路により個々の化合物Iを得ることができない場合は、それらは、他の化合物Iを誘導体化することによって調製することができる。
【0020】
この合成により異性体の混合物が得られる場合は、一部のケースでは、個々の異性体が、使用のための調製の段階で、あるいは施用の段階で相互変換され得る(例えば、光、酸または塩基の作用下で)ので、分離は、一般には、必ずしも必要でない。そのような変換は、使用の後でも、例えば、植物を処理するケースでは、処理した植物中で、あるいは防除されるべき有害菌類中でも起こり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
上記式中にある記号の定義では、集合的な用語を使用した。これらは、一般には、以下の置換基を表す。
【0022】
ハロゲン:フッ素、塩素、臭素およびヨウ素;
【0023】
アルキル:1から4、6、8または12個までの炭素原子を有する飽和直鎖、または一もしくは二分枝炭化水素基、例えばC〜C−アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピルおよび1−エチル−2−メチルプロピル);
【0024】
ハロアルキル:上に記載したアルキル基においてその水素原子の一部または全部が上に記載したハロゲン原子によって置換され得るもの;好ましくはクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル;
【0025】
シクロアルキル:3〜6個の炭素環員を有する一または二環式飽和炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル;
【0026】
アルコキシアルキル:酸素原子によって中断された飽和直鎖、または一、二もしくは三分枝炭化水素鎖、例えばC〜C12−アルコキシアルキル(任意の位置において酸素原子によって中断され得る、5〜12個の炭素原子を有する上に記載した炭化水素鎖)、例えばプロポキシシエチル、ブトキシエチル、ペントキシエチル、ヘキシルオキシエチル、ヘプチルオキシエチル、オクチルオキシエチル、ノニルオキシエチル、3−(3−エチルヘキシルオキシ)エチル、3−(2,4,4−トリメチルペンチルオキシ)エチル、3−(1−エチル−3−メチルブトキシ)エチル、エトキシプロピル、プロポキシプロピル、ブトキシプロピル、ペントキシプロピル、ヘキシルオキシプロピル、ヘプチルオキシプロピル、オクチルオキシプロピル、ノニルオキシプロピル、3−(3−エチルヘキシルオキシ)プロピル、3−(2,4,4−トリメチルペンチルオキシ)プロピル、3−(1−エチル−3−メチルブトキシ)プロピル、エトキシブチル、プロポキシシブチル、ブトキシブチル、ペントキシブチル、ヘキシルオキシブチル、ヘプチルオキシブチル、オクチルオキシブチル、ノニルオキシブチル、3−(3−エチルヘキシルオキシ)ブチル、3−(2,4,4−トリメチルペンチルオキシ)ブチル、3−(1−エチル−3−メチルブトキシ)ブチル、メトキシペンチル、エトキシペンチル、プロポキシシペンチル、ブトキシペンチル、ペントキシペンチル、ヘキシルオキシペンチル、ヘプチルオキシペンチル、3−(3−メチルヘキシルオキシ)ペンチル、3−(2,4−ジメチルペンチルオキシ)ペンチル、3−(1−エチル−3−メチルブトキシ)ペンチル;
【0027】
アルケニル:2から4、6、8または10個までの炭素原子、および任意の位置に1つまたは2つの二重結合を有する不飽和直鎖または分枝炭化水素基、例えばC〜C−アルケニル(例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニルおよび1−エチル−2−メチル−2−プロペニル);
【0028】
アルキニル:2から4、6、8または10個までの炭素原子、および任意の位置に1つまたは2つの三重結合を有する直鎖または分枝炭化水素基、例えばC〜C−アルキニル(例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニルおよび1−エチル−1−メチル−2−プロピニル);
【0029】
アルキレン:二価非分枝鎖(好ましくは、3〜5個のCH基の)、例えばCH、CHCH、CHCHCH、CHCHCHCHおよびCHCHCHCHCH
【0030】
オキシアルキレン:2〜4個のCH基の二価非分枝鎖であり、この場合1つの結合価は骨格に酸素原子を介して結合している。例えばOCHCH、OCHCHCHおよびOCHCHCHCH
【0031】
オキシアルキレンオキシ:1〜3個のCH基の二価非分枝鎖であり、この場合どちらの結合価も骨格に酸素原子を介して結合しており、例えばOCHO、OCHCHOおよびOCHCHCHOである。
【0032】
本発明の範囲には、キラル中心を有している式Iの化合物の(R)−異性体および(S)−異性体ならびにそのラセミ化合物も包含される。
【0033】
式Iのトリアゾロピリミジニルアミンの意図される使用を鑑みると、特に好ましいのは、置換基が、以下である場合である(それぞれの場合、それ自体で、または組合せで)。
【0034】
化合物Iの一実施形態は、6−フェニル基が、1〜3個のハロゲンまたはCH−C〜C−アルキル基で置換された化合物に関わる。
【0035】
式Iの化合物の好ましい実施形態は、基Rが存在していないものである。
【0036】
さらなる実施形態は、LおよびLが水素である式Iの化合物に関わる。
【0037】
さらなる実施形態は、LおよびLが水素である式Iの化合物に関わる。
【0038】
さらなる実施形態は、LおよびLが水素ではなく、Lが水素である式Iの化合物に関わる。
【0039】
さらなる実施形態は、LおよびLが、ハロゲンである式Iの化合物に関わる。
【0040】
さらなる実施形態は、L、LおよびLからなる群からの1つの基が、アルキル、好ましくは分枝アルキル、例えばt−ブチルである式Iの化合物に関わる。
【0041】
さらなる実施形態は、6−フェニル基が、1〜3個のシアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C10−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニルおよびメトキシ基で置換された式Iの化合物に関わる。
【0042】
さらなる実施形態は、6−フェニル基が、1〜3個のシアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C10−アルキル、C〜C−アルケニルおよびC〜C−アルキニル基で置換された式Iの化合物に関わる。
【0043】
該フェニル基は、好ましくは、2個(好ましくは1個)の置換基を有している。
【0044】
さらなる実施形態は、6−フェニル基が、ハロゲンを有さない基で置換された式Iの化合物に関わる。
【0045】
さらなる実施形態は、6−フェニル基が、1個または複数個のメトキシ基で置換された式Iの化合物に関わる。
【0046】
さらなる実施形態は、6−フェニル基が、ヒドロキシル、メルカプト、メトキシまたはアルコキシ基では置換されていない、好ましくはメトキシまたはアルコキシ基では置換されていない式Iの化合物に関わる。
【0047】
好ましい実施形態は、Rが、水素である式Iの化合物に関わる。
【0048】
化合物Iのさらなる実施形態では、Rは、NHまたはC〜C−アルキル、好ましくはメチルまたはNH、特にNHである。
【0049】
さらなる実施形態は、Lが、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C−アルキル、またはメトキシである化合物Iに関わる。
【0050】
化合物の使用に関しては、特に好ましいのは、以下の表にまとめられている化合物Iである。さらに、表中で置換基として記載されている基は、それら自体で、またそれらが記載されている組み合わせとは独立して、当該の置換基の特に好ましい実施形態でもある。
【0051】
表1
が水素であり、化合物に対するL、LおよびLの組み合わせが、それぞれのケースにおいて、表Aの1つの行に一致する式Iの化合物。
【0052】
表2
がアミノであり、化合物に対するL、LおよびLの組み合わせが、それぞれのケースにおいて、表Aの1つの行に一致する式Iの化合物。
【0053】
表3
がメチルであり、化合物に対するL、LおよびLの組み合わせが、それぞれのケースにおいて、表Aの1つの行に一致する式Iの化合物。
【0054】
表A
【表1】




【0055】
化合物Iは殺菌剤として使用するのに適している。これらは、子嚢菌類、不完全菌類、担子菌類および卵菌類(Peronosporomycetes)(別名Oomycetes)の群からの広い範囲の植物病原性菌類に対する優れた活性を特徴としている。一部のものは浸透的に作用するので、作物保護において、葉面殺菌剤として、種子ドレッシング用殺菌剤として、および土壌殺菌剤としても用いることができる。
【0056】
これらは、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、牧草、バナナ、ワタ、ダイズ、コーヒーの木、サトウキビ、ブドウの木、果樹、および観葉植物、ならびにキュウリ、インゲンマメ、トマト、ジャガイモおよびウリのような野菜などの様々な作物植物、およびさらにはこれらの植物の種子につく数多くの種類の菌類の防除で特に重要である。
【0057】
これらは、以下の植物の病的異変を防除するのに特に適している:
・野菜、ナタネ、サトウダイコン、果物、コメにつくアルテルナリア種(Alternaria species)、例えばジャガイモ、トマトにつくアルテルナリア・ソラニ(A. solani)やアルテルナリア・アルテルナタ(A. alternata)など;
・サトウダイコン、野菜につくアファノマイセス種(Aphanomyces species);
・禾穀類、野菜につくアスコキタ種(Ascochyta species);
・トウモロコシ、禾穀類、イネ、芝生につくビポラリス種(Bipolaris species)およびドレクスレラ種(Drechslera species)、例えばトウモロコシにつくドレクスレラ・マイジス(D. maydis)など;
・禾穀類につくブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)[ウドンコ病菌];
・イチゴ、野菜、草花、ブドウの木につくボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)[灰色カビ病菌];
・レタスにつくブルミア・ラクツカエ(Bremia lactucae);
・トウモロコシ、ダイズ、イネ、サトウダイコンにつくサーコスプラ種(Cercospora species);
・トウモロコシ、禾穀類、イネにつくコクリオボルス種(Cochliobolus species)、例えば禾穀類につくコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)、イネにつくコクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus)など;
・ダイズ、ワタの木につくコレトトリカム種(Colletotricum species);
・トウモロコシ、禾穀類、イネ、芝につくドレクスレラ種(Drechslera species)、ピレノホラ種(Pyrenophora species)、例えばオオムギにつくドレクスレラ・テレス(D. teres)やコムギにつくドレクスレラ・トリチシ−レペンチス(D. tritici-repentis)など;
・ブドウの木につくエスカ(Esca)[ファエオアクレモニウム・クラミドスポリウム(Phaeoacremonium chlamydosporium)、ファエオアクレモニウム・アレオヒルム(Phaeoacremonium Aleophilum)、およびホルミチポラ・プンクタタ(Formitipora punctata)(別名フェリヌス・プンクタツス(Phellinus punctatus))によって引き起こされる];
・トウモロコシにつくエクセロヒルム種(Exserohilum species);
・ウリ科植物につくエリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)およびスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea);
・様々な植物につくフサリウム種(Fusarium species)およびベルチシリウム種(Verticillium species)、例えば禾穀類につくフサリウム・グラミネアルム(F. graminearum)、フサリウム・クルモルム(F. culmorum)や例えばトマトなどの種々の植物につくフサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)など;
・禾穀類につくガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumanomyces graminis);
・禾穀類、イネにつくギベレラ種(Gibberella species)(例えばイネにつくギベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi));
・イネにつくグレインステイニング・コンプレックス(Grainstaining complex);
・トウモロコシ、イネにつくヘルミントスポリウム種(Helminthosporium species);
・禾穀類につくミクロドキウム・ニバレ(Michrodochium nivale);
・禾穀類、バナナ、ラッカセイにつくマイコスファエレラ種(Mycosphaerella species)、例えば小麦につくマイコスファエレラ・グラミニコラ(M. graminicola)やバナナにつくマイコスファエレラ・フィジエンシス(M.fijiensis)など;
・キャベツ、球根植物につくペロノスポラ種(Peronospora species)、例えばキャベツにつくペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae)やタマネギにつくペロノスポラ・デスツルクトル(P. destructor)など;
・ダイズにつくファコプサラ・パキルヒジ(Phakopsara pachyrhizi)やファコプサラ・メイボミアエ(Phakopsara meibomiae);
・ダイズやヒマワリにつくホモプシス種(Phomopsis species);
・ジャガイモやトマトにつくファイトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans);
・様々な植物につくファイトフトラ種(Phytophthora species)、例えばピーマンにつくファイトフトラ・カプシシ(P. capsici)など;
・ブドウのつるにつくプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola);
・リンゴの木につくポドスフェラ・リコトリカ(Podosphaera leucotricha);
・禾穀類につくシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides);
・様々な植物につくシュードペロノスポラ種(Pseudoperonospora species)、例えばキュウリにつくシュードペロノスポラ・クベンシス(P. cubensis)やホップにつくシュードペロノスポラ・フミリ(P. humili)など;
・様々な植物につくプッシニア種(Puccinia species)、例えば禾穀類につくプッシニア・トリチシナ(P. triticina)、プッシニア・ストリホルミンス(P. striformins)、プッシニア・ホルデイ(P. hordei)またはプッシニア・グラミニス(P.graminis)やアスパラガスにつくプッシニア・アスパラギ(P. asparagi)など;
・イネにつくピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、コルチシウム・ササキイ(Corticium sasakii)、サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)、サロクラジウム・アテヌアツム(S. attenuatum)、エンチロマ・オリザエ(Entyloma oryzae);
・ワタ、イネおよび芝生につくリゾクトニア種(Rhizoctonia species)、
・芝や禾穀類につくピリクラリア・グリセア(Pyricularia grisea);
・芝、イネ、トウモロコシ、ワタの木、ナタネ、ヒマワリ、サトウダイコン、野菜やその他の植物につくピシウム種(Pythium spp)、例えば様々な植物につくピシウム・ウルチウマム(P. ultiumum)、芝につくピシウム・アファニデルマツム(P. aphanidermatum)など;
・ワタ、イネ、ジャガイモ、芝、トウモロコシ、ナタネ、ジャガイモ、サトウダイコン、野菜やその他の植物につくリゾクトニア種(Rhizoctonia species)、例えばテンサイや各種の植物につくリゾクトニア・ソラニ(R. solani)など;
・オオムギ、ライムギ、ライコムギにつくリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)[オオムギ雲形病菌];
・ナタネやヒマワリにつくスクレロチニア種(Sclerotinia species);
・コムギにつくセプトリア・トリチシ(Septoria tritici);
・ブドウのつるにつくエリシフェ(Erysiphe)(別名ウンシヌラ(Uncinula))・ネカトール(necator);
・トウモロコシや芝につくセトスパエリア種(Setospaeria species);
・トウモロコシにつくスファセロテカ・レイリニア(Sphacelotheca reilinia);
・ダイズやワタの木につくチエバリオプシス種(Thievaliopsis species);
・禾穀類につくチレチア種(Tilletia species);
・禾穀類、トウモロコシ、サトウキビにつくウスチラゴ種(Ustilago species)、例えばトウモロコシにつくウスチラゴ・マイジス(U. maydis)など;
・リンゴの木やナシの木につくベンチュリア種(Venturia species)[疥癬菌]、例えばリンゴの木につくベンチュリア・イナエクアリス(V. inaequalis)など。
【0058】
化合物Iは、ペロノスポラ種(Peronospora species)、ファイトフトラ種(Phytophthora species)、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)およびシュードペロノスポラ種(Pseudoperonospora species)などの卵菌類(Peronosporomycetes)(別名Oomycetes)の群の有害菌類を防除するのに特に適している。
【0059】
化合物Iは、さらに、材料(例えば木材、紙、塗料分散液、繊維、または織物)を保護する際の、また貯蔵産品を保護する際の有害菌類の防除にも適している。木材の保護では、以下の有害菌類が特に注目される:オフィオストマ種(Ophiostoma spp.)、セラトキスチス種(Ceratocystis spp.)、アウレオバシジウム・プルルランス(Aureobasidium pullulans)、スクレロホマ種(Sclerophoma spp.)、カエトミウム種(Chaetomium spp.)、フミコラ種(Humicola spp.)、ペトリエラ種(Petriella spp.)、トリクルス種(Trichurus spp.)などの子嚢菌類;コニオホラ種(Coniophora spp.)、コリオルス種(Coriolus spp.)、グロエオフィルルム種(Gloeophyllum spp.)、レンチヌス種(Lentinus spp.)、プレウロツス種(Pleurotus spp.)、ポリア種(Poria spp.)、セルプラ種(Serpula spp.)およびチロミセス種(Tyromyces spp.)などの担子菌類、アスペルギルルス種(Aspergillus spp.)、クラドスポリウム種(Cladosporium spp.)、ペニシルリウム種(Penicillium spp.)、トリコデルマ種(Trichoderma spp.)、アルテルナリア種(Alternaria spp.)、パエシロミセス種(Paecilomyces spp.)などの不完全菌類、およびムコル種(Mucor spp.)などの接合菌類、さらには材料の保護では以下の酵母:カンジダ種(Candida spp.)およびサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisae)。
【0060】
化合物Iは、菌類、または菌類の攻撃から保護されるべき植物、種子、材料もしくは土壌を、殺菌剤として有効な量の活性化合物で処理することで用いられる。施用は、菌類による材料、植物または種子の感染の前と後のどちらでも行うことができる。
【0061】
殺菌剤組成物は、一般に、活性化合物を、重量で、0.1〜95%、好ましくは0.5〜90%含む。
【0062】
植物の保護で用いる場合は、施用される量は、所望の効果の程度に応じて、1ヘクタール(ha)当たり活性化合物0.01〜2.0kgである。
【0063】
種子の処理では、例えば種子に粉を塗すことによる処理、種子をコーティングすることによる処理、あるいは種子を水薬に浸すことによる処理では、種子100キログラム当たり1〜1000g、好ましくは5〜100gの活性化合物の量が一般に必要である。
【0064】
材料または貯蔵産品の保護で用いる場合は、施用する活性化合物の量は、施用土地の種類および所望の効果によって決まる。材料の保護で慣用的に施用される量は、処理される材料1立米当たり、例えば活性化合物0.001g〜2kg、好ましくは0.005g〜1kgである。
【0065】
式Iの化合物は、その生化学的な活性が異なり得る種々の結晶改変形態でも存在することができる。それらも、また、本発明の主題の一部を形成する。
【0066】
化合物Iは、慣用の製剤、例えば溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、散剤、粉剤、ペースト剤および顆粒剤に変換することができる。施用剤形は、その特定の意図される目的によって決まるものであり、それぞれの場合、本発明による化合物の細かくて均一な分散が確実になされなければならない。
【0067】
製剤は公知の方法により調製され、例えば活性化合物を、溶媒および/または担体で、所望の場合は乳化剤や分散剤を用いて薄めることによって調製される。この目的に適した溶媒/助剤は、基本的には以下である:
・水、芳香族溶剤(例えばSolvessoの製品であるキシレン)、パラフィン(例えば、石油留分)、アルコール(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン)、ピロリドン(NMP、NOP)、酢酸エステル(二酢酸グリコール)、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸、および脂肪酸エステル(原理的には、溶媒の混合物も用いることができる);
・粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク)や粉砕合成鉱物(例えば、高度分散シリカ、シリケート)などの担体;非イオン性乳化剤および陰イオン乳化剤などの乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、スルホン酸アルキルおよびスルホン酸アリール)、およびリグノ亜硫酸廃液やメチルセルロースのような分散剤。
【0068】
用いられる好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩;アルキルアリールスルホン酸塩、硫酸アルキルエステル、アルキルスルホン酸塩、硫酸脂肪アルコールエステル;脂肪酸;および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル;さらにはスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル;エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル;アルキルアリールポリエーテルアルコール;アルコールと脂肪アルコールエチレンオキシドの縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液、およびメチルセルロースである。
【0069】
直接散布可能な溶液剤、エマルション剤、ペースト剤、またはオイル分散液剤を調製するのに適している物質は、中〜高沸点の石油留分、例えばケロシンやディーゼルオイル、さらにはコールタールオイル;および植物または動物由来の油;脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール;シクロヘキサノン;イソホロン;強極性溶剤、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンおよび水;である。
【0070】
粉剤、広域散布用材料および粉散性製品は、活性物質と固体状担体とを混合し、または同時粉砕することによって調製することができる。
【0071】
粒剤、例えば被覆粒剤、含浸粒剤および均質粒剤は、活性化合物を固体状担体に結合させることにより調製することができる。固体状担体の例は、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アッタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土のような鉱物質土類(mineral earth);硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム;粉砕合成材料;例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素のような肥料;栽培植物由来の産物、例えば穀粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉;セルロース粉末;およびその他の固体状担体;である。
【0072】
種子を処理するための製剤は、バインダーおよび/またはゲル化剤ならびに適切であれば着色剤を追加的に含んでいてもよい。
【0073】
バインダーは、処理した後の種子への活性化合物の接着をよくするために加えることができる。好適なバインダーは、例えば、EO/POブロックコポリマー界面活性剤だけでなく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol[登録商標]、Polymin[登録商標])、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、チロース、ならびにこれらのポリマーのコポリマーもある。好適なゲル化剤は、例えば、カラギーン(Satiagel[登録商標])である。
【0074】
一般に、製剤は、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性化合物を含む。活性化合物は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)で用いる。
【0075】
すぐに施用できる状態である調製物中の活性化合物の濃度は、比較的広い範囲の中で変わり得る。一般に、それらは、0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%の範囲内である。
【0076】
本活性化合物は、超微量散布(ULV)法で用いても大きな成果をもたらし、活性化合物が95重量%を超える製剤を施用することができ、あるいは添加剤なしの活性化合物でさえ施用することもできる。
【0077】
種子の処理用には、該当の製剤により、2倍〜10倍の希釈の後、すぐに施用できる状態である調製物中0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%の活性化合物濃度が得られる。
【0078】
以下は、本発明による製剤の例である。
【0079】
1.水で希釈する製品
【0080】
A 液剤(SL、LS)
10重量部の本発明による化合物を、90重量部の水または水溶性溶媒に溶解させる。別法としては、湿潤剤または他の補助剤を添加する。活性化合物は、水で希釈すると同時に溶解する。このようにして、活性化合物の含有量が10重量%の製剤が得られる。
【0081】
B 分散製剤(DC)
20重量部の本発明による化合物を、70重量部のシクロヘキサノンに10重量部の分散剤(例えばポリビニルピロリドン)を加えて溶解させる。水で希釈することにより、分散液が得られる。活性化合物の含有量は、20重量%である。
【0082】
C 乳剤(EC)
15重量部の本発明による化合物を、75重量%のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(それぞれの場合5重量部)を加えて溶解させる。水で希釈することにより、エマルションが得られる。この製剤は、15重量%の活性化合物含有量を有する。
【0083】
D エマルション製剤(EW、EO、ES)
25重量部の本発明による化合物を、35重量部のキシレンにドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(それぞれの場合5重量部)を加えて溶解させる。この混合物を、乳化マシン(例えばUltraturrax)を用いて30重量部の水に導入し、均質なエマルションにする。水で希釈することにより、エマルションが得られる。この製剤は、25重量%の活性化合物含有量を有する。
【0084】
E 懸濁製剤(SC、OD、FS)
撹拌下にあるボールミル中で、20重量部の本発明による化合物に10重量部の分散剤と湿潤剤および70重量部の水または有機溶媒とを添加して粉砕することにより微細活性化合物懸濁液が得られる。水で希釈することにより、安定な活性化合物懸濁液が得られる。この製剤中の活性化合物含有量は20重量%である。
【0085】
F 顆粒水和剤および顆粒水溶剤(WG、SG)
50重量部の本発明による化合物に50重量部の分散剤および湿潤剤を添加して微粉砕し、専用の装置(例えば、噴出機、噴霧塔、流動床)を用いて顆粒水和剤または顆粒水溶剤にする。水で希釈することにより、安定な本活性化合物の分散液または溶液が得られる。この製剤は、50重量%の活性化合物含有量を有する。
【0086】
G 水和剤および水溶剤(WP、SP、SS、WS)
ローター・ステーターミル中で、75重量部の本発明による化合物に25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを添加して粉砕する。水で希釈することにより、安定な本活性化合物の分散液または溶液が得られる。この製剤の活性化合物含有量は75重量%である。
【0087】
H ゲル剤
ボールミル中で、20重量部の本発明による化合物、10重量部の分散化剤、1重量部のゲル化剤、および70重量部の水または有機溶媒を粉砕して、微細な懸濁液を得る。水で希釈すると、活性化合物含有量が20重量%の安定な懸濁液が得られる。
【0088】
2.希釈せずに施用する製品
【0089】
I 粉剤(DP、DS)
5重量部の本発明による化合物を微粉砕して、95重量部の微粉砕カオリンと充分に混合する。これにより、活性化合物の含量が5重量%の散粉可能製品が得られる。
【0090】
J 粒剤(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の本発明による化合物を微粉砕して、95.5重量部の担体と組み合わせる。現在の方法は、押し出し法、スプレー乾燥法、または流動床法である。これにより、活性化合物含量が0.5重量%である希釈せずに施用される顆粒が得られる。
【0091】
K ULV溶液剤(UL)
10重量部の本発明による化合物を、90重量部の有機溶媒(例えばキシレン)に溶解させる。これにより、活性化合物含量が10重量%である希釈せずに施用される製品が得られる。
【0092】
種子処理には、通常、液剤(LS)、懸濁製剤(FS)、粉剤(DS)、水和剤および水溶剤(WS、SS)、エマルション製剤(ES)、乳剤(EC)、およびゲル製剤(GF)が用いられる。これらの製剤は希釈しない形態で種子に施用することができ、あるいは好ましくは希釈した形態で施用することもできる。施用は、播種する前に行うことができる。
【0093】
種子の処理には、好ましくは、FS製剤を用いる。通常、そのような製剤は、1〜800g/Lの活性化合物、1〜200g/Lの界面活性剤、0〜200g/Lの凍結防止剤、0〜400g/Lのバインダー、0〜200g/Lの着色剤、および溶媒(好ましくは水)を含む。
【0094】
活性化合物は、そのままで、その製剤の形態で、またはそれから調製される施用形態で施用することができ、例えば直接散布可能な溶液、粉末、懸濁液または分散液の形態で、エマルションの形態で、油性分散液の形態で、ペーストの形態で、粉散可能製品の形態で、広域散布用材料の形態で、または顆粒の形態で、散布により、噴霧により、散粉により、広域散布により、または散水により施用することができる。施用剤形は、完全に、その意図される目的によって決まる。いずれのケースにおいても、本発明による活性化合物の可能な限りの微細な分散が確保される。
【0095】
水性の施用形態のものは、エマルション製剤、ペースト剤または水和性粉剤(水和剤、油性分散剤)から、水を加えることにより調製することができる。エマルション製剤、ペースト剤、または油性分散液剤の調製には、活性物質を、そのまま、または油または溶媒に溶解させて、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いることにより、水にホモジナイズすることができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤、および適切であれば溶媒または油から構成される濃縮物を調製することも可能であり、そのような製剤は、水で希釈するのに適している。
【0096】
本活性化合物には、各種のタイプの油、湿潤剤、補助剤、除草剤、殺真菌剤、他の殺虫剤、または殺菌剤を、適切であれば、使用直前にさえ添加することができる(タンクミックス)。これらの添加剤は、本発明による組成物と、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で混ぜることができる。
【0097】
この意味での好適な補助剤は、特に次のものである:有機変性ポリシロキサン、例えばBreak Thru S240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えばAtplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)、およびLutensol ON 30(登録商標);EO/POブロックポリマー、例えばPluronic RPE 2035(登録商標)およびGenapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えばLutensol XP 80(登録商標);およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えばLeophen RA(登録商標)。
【0098】
本発明による組成物は、殺菌剤としての施用剤形で、他の活性化合物と一緒に存在することもでき、例えば除草剤、殺虫剤、生長調節剤、殺菌剤と、またはさらには肥料とも一緒に存在することができる。化合物(I)またはそれを含む組成物と、1種または複数種のさらなる活性化合物(特に殺菌剤)とを混ぜることにより、多くの場合、活性スペクトルを広げること、または抵抗性の発達を防ぐことができる。多くの場合、相乗効果が得られる。
【0099】
本発明の化合物と一緒に用いることができる殺菌剤についての以下のリストは、考えられる組み合わせを示すことを目的とするものであって、それらを限定するものではない。
【0100】
ストロビルリン系
アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、オリサストロビン、メチル(2クロロ−5−[1−(3−メチルベンジルオキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバメート、メチル(2−クロロ−5−[1−(6−メチルピリジン−2−イルメトキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバメート、メチル2−(オルト−(2,5−ジメチルフェニルオキシメチレン)フェニル)−3−メトキシアクリレート;
【0101】
カルボキサミド系
・カルボキサニリド系:ベナラキシル、ベノダニル、ボスカリド、カルボキシン、メプロニル、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フラメトピル、メタラキシル、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド、チアジニル、N−(4’−ブロモビフェニル−2−イル)−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド、N−(4’−トリフルオロメチルビフェニル−2−イル)−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド、N−(4’−クロロ−3’−フルオロビフェニル−2−イル)−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド、N−(2−シアノフェニル)−3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキサミド;
・カルボン酸モルホリド系:ジメトモルフ、フルモルフ;
・ベンザミド系:フルメトベル、フルオピコリド(ピコベンザミド)、ゾキサミド;
・その他のカルボキサミド系:カルプロパミド、ジクロシメット、マンジプロパミド、N−(2−(4−[3−(4−クロロフェニル)プロパ−2インイルオキシ]−3−メトキシフェニル)エチル)−2−ブタンスルホニルアミノ−3−メチルブチルアミド、N−(2−(4−[3−(4−クロロフェニル)プロパ−2インイルオキシ]−3−メトキシフェニル)エチル)−2−エタンスルホニルアミノ−3−メチルブチルアミド;
【0102】
アゾール系
・トリアゾール系:ビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エニルコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメノール、トリアジメホン、トリチコナゾール;
・イミダゾール系:シアゾファミド、イマザリル、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール;
・ベンズイミダゾール系:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール;
・その他:エタボキサム、エトリジアゾール、ヒメキサゾール;
【0103】
含窒素へテロシクリル化合物
・ピリジン系:フルアジナム、ピリフェノックス、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]−ピリジン];
・ピリミジン系:ブピリメート、シプロジニル、フェリムゾン、フェナリモール、メパニピリム、ヌアリモール、ピリメタニル;
・ピペラジン系:トリフォリン;
・ピロール系:フルジオキソニル、フェンピクロニル;
・モルホリン系:アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;
・ジカルボキシイミド系:イプロジオン、プロシミドン、ヴィンクロゾリン;
・その他:アシベンゾラル−S−メチル、アニラジン、カプタン、カプタフォール、ダゾメット、ジクロメジン、フェノキサニル、フォルペット、フェンプロピジン、ファモキサドン、フェナミドン、オクチリノン、プロベナゾール、プロキナジド、ピロキロン、キノキシフェン、トリシクラゾール、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルクロメン−4−オン、N,N−ジメチル−3−(3−ブロモ−6−フルオロ−2−メチルインドール−1−スルホニル)−[1,2,4]トリアゾール−1−スルホンアミド];
【0104】
カルバメート系およびジチオカルバメート系
・ジチオカルバメート系:フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、メタム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;
・カルバメート系:ジエトフェンカルブ、フルベンチアヴァリカルブ、イプロヴァリカルブ、プロパモカルブ、メチル3−(4−クロロフェニル)−3−(2−イソプロポキシシカルボニルアミノ−3−メチルブチリルアミノ)プロピオネート、4−フルオロフェニルN−(1−(1−(4−シアノフェニル)エタンスルホニル)ブタ−2−イル)カルバメート];
【0105】
その他の殺菌剤
・グアニジン系:ドジン、イミノクタジン、グアザチン;
・抗生物質:カスガマイシン、ポリオキシンズ、ストレプトマイシン、ヴァリダマイシンA;
・有機金属化合物系:トリフェニルスズ塩;
・硫黄含有へテロシクリル化合物系:イソプロチオラン、ジチアノン;
・有機リン化合物系:エジフェンホス、フォセチル、フォセチル−アルミニウム、イプロベンフォス、ピラゾホス、トルクロフォス−メチル、亜リン酸およびその塩;
・有機塩素化合物系:チオファネート・メチル、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、フルスルファミド、フタリド、ヘキサクロロベンゼン、ペンシクロン、キントゼン;
・ニトロフェニル誘導体系:ビナパクリル、ジノキャップ、ジノブトン;
・無機活性化合物系:ボルドー液、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
・その他:スピロキサミン、シフルフェナミド、シモキサニル、メトラフェノン。
【実施例】
【0106】
合成例
以下の合成の実施例に記載されている手順に従って、出発物質を適切に変えることにより、さらなる化合物Iを調製した。このようにして得られた化合物は、物性データと一緒に、下記の表に掲載されている。
【0107】
5−メチル−6−(p−エチルフェニル)−7−アミノトリアゾロピリミジン[I−2]の合成
0.2g(1.07ミリモル)の2−(4−エチルフェニル)−3−オキソブチロ−1−ニトリル、0.09g(1.07ミリモル)の3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび0.04g(0.21ミリモル)のp−トルエンスルホン酸のメシチレン5mL中懸濁液を180℃のウォーターセパレーターで約24時間加熱した。メシチレンを次に留去し、残留物をジクロロメタン/水で温浸した。残留物を濾別し、乾燥させ、そしてジクロロメタン/酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに供した。これにより、無色の結晶の形態にある0.09gの表題化合物を得た。
【表2】

【0108】
使用例
本発明による化合物の殺菌効果を以下の試験により検証した。
【0109】
活性化合物を、溶媒/乳化剤の体積比が99/1にある、アセトンおよび/またはDMSOと、乳化剤Uniperol(登録商標)EL(乳化作用と分散作用があるエトキシル化アルキルフェノール系湿潤剤)との混合物で10mLにされた、25mgの活性化合物を含むストック溶液として調製した。この混合物を次に水で100mLにした。このストック溶液を、上記溶媒/乳化剤/水の混合物で、以下に述べる活性化合物濃度まで希釈した。
【0110】
(使用例)ファイトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)によって引き起こされるトマトの葉枯れ病に対する活性(1日の保護的処理)
鉢植えトマトの木の葉を、以下に述べる活性化合物の濃度を有する水性懸濁液で流れ落ちる程度までスプレーした。施用の後1日、3日または5日に、葉を、ファイトフトラ・インフェスタンスの胞子嚢水性懸濁液で感染させた。植物体を、次に、温度が18〜20℃の水蒸気飽和チャンバーに入れた。6日後、未処理だが感染はさせてある対照の植物体の葉枯れ病は、感染を、視覚により%の単位で測定することができる程度にまで進展していた。
【0111】
この試験では、250ppmの活性化合物I−2〜I−7、またはI−8で処理した植物体は最大で15%の感染を、そして63ppmの活性化合物I−2またはI−11で処理した植物体は10%未満の感染を見せたが、未処理の植物体は90%感染していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中の各置換基は以下のとおり定義される:
、Lは、互いに独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C10−アルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、メトキシ、C〜C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンジルオキシまたはベンジルチオであり;R、Rは、水素またはC〜C−アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、CH−C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニル、メトキシ、C〜C−アルコキシ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンジルオキシまたはベンジルチオであり;
ここで、L、LおよびLからなる群からの2個の隣接する基は、一緒になって、C〜C−アルキレン、C〜C−オキシアルキレン、C〜C−オキシアルキレンオキシまたはブタジエニル基であってよく;
また、L、LまたはLの少なくとも1個の基は水素ではなく、基L、LまたはLは非置換であるか、または1〜4個の同じまたは異なる基Rで置換されており;Rは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、C〜C10−アルキル、C〜C10−ハロアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルキニル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたはNRであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、NR、ヒドロキシル、メルカプト、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルチオ、カルボキシル、ホルミル、C〜C10−アルキルカルボニル、C〜C10−アルコキシカルボニル、C〜C10−アルケニルオキシカルボニル、C〜C10−アルキニルオキシカルボニル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンジルオキシ、ベンジルチオまたはC〜C−アルキル−S(O)−であり;mは、0、1または2であり;
ここで、L、L、L、RおよびR中の環式基は非置換であるか、または1〜4個の基Rで置換されており;Rは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、NR、C〜C10−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルケニル、C〜C−アルキニルまたはC〜C−アルコキシである。]
の5−メチル−6−フェニルトリアゾロピリミジニルアミン。
【請求項2】
が、水素である請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
およびLが、水素である請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
およびLが、水素である請求項1〜3のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の式Iの化合物の調製方法であって、
式II
【化2】

[式中、Rは、C〜C−アルキルである]
のβ−ケトエステルを式III
【化3】

のアミノトリアゾールと反応させて、式IV
【化4】

の7−ヒドロキシトリアゾロピリミジンを得、
これをハロゲン化して、式V
【化5】

[式中、Halは、塩素または臭素である]
の化合物を得、
そしてVをアンモニアと反応させる、上記方法。
【請求項6】
請求項5に記載の式IVまたはVの化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式Iの化合物の調製方法であって、
式VI
【化6】

のアシルシアニドを、請求項5に記載の式IIIのアミノトリアゾールと反応させる、上記方法。
【請求項8】
固体状または液体状担体と、請求項1に記載の式Iの化合物とを含んでなる殺菌剤組成物。
【請求項9】
100kgあたり1〜1000gの量で請求項1に記載の式Iの化合物を含む種子。
【請求項10】
植物病原性有害菌類の防除方法であって、菌類、または菌類の攻撃から保護されるべき材料、植物、土壌もしくは種子を、請求項1に記載の式Iの化合物の有効量で処理する、上記方法。

【公表番号】特表2009−502864(P2009−502864A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523332(P2008−523332)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064469
【国際公開番号】WO2007/012602
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】