説明

殺菌装置及び該殺菌装置を備えた空気清浄機

【課題】室内壁面等に付着した菌を除去することができる殺菌装置及び該殺菌装置を備えた空気清浄機を提供する。
【解決手段】フィルターにより空気を濾過する空気清浄部2と、ミスト供給部3(殺菌装置)とを備えた空気清浄機である。ミスト供給部3は、殺菌作用を有する液体Lを溜める液溜め部5と、前記液溜め部5の液体Lを霧化する霧化手段6と、前記霧化手段6によって霧化されたミストMを搬送する搬送手段7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空気および室内壁面の付着物の殺菌を目的とする殺菌装置及び該殺菌装置を備えた空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気清浄機は活性炭等のフィルターにより空気を濾過する空気清浄部を有しているものであり、ファン等の送風手段を駆動することにより、室内空間に浮遊している菌を吸引して空気清浄部のフィルターで濾過(フィルトレーション)して除去し、濾過により清浄化された空気が室内空間に吐出するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、この濾過方式(フィルトレーション方式)では室内壁面等に付着した菌を除去することができないという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、室内壁面等に付着した菌を除去することができる殺菌装置及び該殺菌装置を備えた空気清浄機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の殺菌装置は、殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段によって発生するミストに放電することによってミスト粒径を制御する放電部を設けたことを特徴とする。霧化手段で霧化したミストを放電部で粒径を制御してさらに小さい粒径のミストを噴霧することができ、噴霧するミストの粒径が小さいことで室内全体に拡散し、室内壁面等に付着した菌を効果的且つ広範囲に亙って除去することができる。また拡散性の悪い粒径のミストを室内に放出することがないので、室内の湿度を適湿に保つことができる。
【0006】
また、上記課題を解決するための本発明の殺菌装置は、殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段によって発生するミストに放電することによってミストのチャージ量を制御する機能を有することを特徴とする。放電部によって霧化したミストのチャージ量を制御することにより静電拡散が起こることによって、室内全体に拡散して室内壁面等に付着した菌を効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。
【0007】
また、上記課題を解決するための本発明の殺菌装置は、殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段によって発生するミストにキャビテーションを生じさせることによってミスト中にラジカルを生成する機能を有することを特徴とする。ミスト中にキャビテーションによってラジカルを生成することによって、室内壁面等に付着した菌を効果的に除去することができる。
【0008】
また、上記課題を解決するための本発明の殺菌装置は、殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段が静電霧化方式で霧化するものであり、キャピラリ電極、液溜め部、高電圧発生部からなっていることを特徴とする。帯電ミストが発生し、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストが室内壁面等に付着した菌を効果的に除去することができる。
【0009】
また粒径が5μm以下のミストを発生させる機能を有することを特徴とすることも好ましい。この場合、粒径が5μm以下の細かいミストが室内全体に効率的に到達し、室内壁面等に付着した菌を効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。
【0010】
また3000〜1000000個/ccのミストの数を発生する機能を有することを特徴とすることも好ましい。この場合、3000〜1000000個/ccのミスト数のミストが室内全体に到達し、室内壁面等に付着した菌を効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。
【0011】
また前記放電部の下流に、分級を目的とした電界部を設けたことを特徴することも好ましい。この場合、電界部で分級したミストにすることで、拡散性のよいミスト粒径だけのものにすることができ、室内全体に拡散して室内壁面等に付着した菌を効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。また拡散性の悪い粒径のミストを室内に放出することがないので、室内の湿度を適湿に保つことができる。
【0012】
また霧化手段がキャピラリ電極、液溜め部、高電圧発生部、対極電極からなっていることを特徴とすることも好ましい。この場合、ミストを効率的に霧化部分から室内に搬送することができ、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストが室内壁面等に付着した菌を効果的に除去することができる。
【0013】
また印加電圧が直流のマイナス電圧であることを特徴とすることも好ましい。この場合、マイナス電圧印加の静電霧化方式の霧化手段により霧化することで効率的に霧化でき、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストが室内壁面等に付着した菌を効果的に除去できる。さらにマイナスイオンを室内に搬送することができる。
【0014】
またキャピラリ電極の内径が0.05〜0.6mmであることを特徴とすることも好ましい。この場合、キャピラリ電極の内径が0.05〜0.6mmで構成されている静電霧化方式の霧化手段により霧化することで、比較的低電圧(4kV〜)で液体を霧化でき、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストが室内壁面等に付着した菌を効果的且つ低電力で除去することができる。
【0015】
またフィルターにより空気を濾過する空気清浄部と、前記殺菌装置と、を備える空気洗浄機であることも好ましい。この場合、室内空間に浮遊している菌は従来と同様に空気清浄部にて濾過(フィルトレーション)で除去できるのは勿論、室内壁面等に付着した菌を効果的且つ広範囲に亙って除去することもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にあっては、室内壁面等に付着した菌を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の一例の断面図である。
【図2】同上の他例の断面図である。
【図3】同上の他例の断面図である。
【図4】同上の他例の断面図である。
【図5】同上の他例の断面図である。
【図6】同上の他例の断面図である。
【図7】同上の他例の断面図である。
【図8】同上の他例の断面図である。
【図9】同上の他例の断面図である。
【図10】同上の他例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
先ず、図1に示す実施の形態の例から述べる。空気清浄機本体1を構成する本体ケース本体には空気清浄部2及びミスト供給部3を内装してある。空気清浄部2は従来と同様にフィルターにより濾過する方式(フィルトレーション方式)のものであり、活性炭等のフィルターや送風するファン等を有し、室内の空気を空気清浄部2に吸入して濾過することで臭い、菌、ウィルス等を除去し、清浄化した空気を室内に吐出するようになっている。
【0019】
ミスト供給部3は生成槽4と、液溜め部5と、霧化手段6と、搬送手段7と、霧化槽8とで構成され、生成槽4と液溜め部5と霧化槽8とが連通している。生成槽4は臭い、菌、ウィルスを除去することを目的とした液体Lを生成するためのものであり、生成槽4で生成された液は液溜め部5に供給されて溜められるようになっている。生成槽4は主に臭いを除去する液体Lを生成するものでも、主に菌を除去する液体Lを生成するものでも、主にウィルスを除去する液体Lを生成するものでも、臭い、菌及びウィルスを除去する液体Lを生成するものでもよい。生成槽4から液溜め部5に液体Lが供給するとき液溜め部5の液位が一定になるように供給されるようになっている。霧化手段6は液体Lを霧化してミストMを発生するものであり、本例の場合、超音波振動で霧化する超音波霧化方式のものである。搬送手段7は霧化手段6で霧化したミストMを霧化槽8から機外の室内壁面等に搬送するものであり、例えばファンのようなものである。
【0020】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で霧化されて霧化槽8でミストMが発生し、ミストMが搬送手段7で搬送されて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスの少なくとも一つが除去される。
【0021】
上記ミスト供給部3で生成する液体Lは、過酸化水素水、オゾン水、消臭液等の酸化作用を有するものであることも好ましい。この場合、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを酸化して効果的に除去できる。
【0022】
次に、図2に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1に示すものと基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。本例の場合、生成槽4内に分散部9を設けてあり、超音波振動にて分散するようになっている。この生成槽4では、TiO2、ゼオライト等の吸着作用を持つ粉体を分散させた液体Lを生成したり、界面活性剤を分散させた液体Lを生成したり、殺菌剤を分散させた液体Lを生成したり、抗ウィルス剤を分散させた液体Lを生成したりするようになっている。
【0023】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で吸着作用を持つ粉体や界面活性剤や殺菌剤や抗ウィルス剤を分散させて生成された液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で霧化されて霧化槽8でミストMが発生し、ミストMが搬送手段7で搬送されて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。吸着作用を持つ粉体を分散させた液体Lを霧化させたミストMを噴霧した場合、室内壁面に付着した臭いを吸着剤が吸着して効果的に除去できる。また界面活性剤を分散させた液体Lを霧化させたミストMを噴霧した場合、室内壁面等に付着した臭いを界面活性剤が化学吸着して効果的に脱臭することができる。殺菌剤を分散させた液体Lを霧化させたミストMを噴霧した場合、室内壁面等に付着した菌を殺菌剤が殺菌して効果的に菌を除去することができる。抗ウィルス剤を分散させた液体Lを霧化させたミストMを噴霧した場合、室内壁面等に付着したウィルスを抗ウィルス剤が抗ウィルスして効果的に除去することができる。
【0024】
次に、図3に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1の例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。超音波霧化方式の霧化手段6の駆動制御部10は超音波振動の周波数を制御するようになっている。この周波数を制御することにより、粒径が5μm以下のミストMを霧化するようにしてある。
【0025】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが駆動制御部10で周波数制御された霧化手段6で霧化されて霧化槽8に粒径3μm以下のミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送されて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。このように粒径が5μm以下のミストを発生させて噴霧した場合、粒径が5μm以下の細かいミストMが室内全体に効率的に到達し、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。
【0026】
次に、図4に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1の例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。超音波霧化方式の霧化手段6の駆動制御部11は電力制御するようになっている。このように駆動する電力を制御することにより、ミストMの数が3000〜1000000個/ccになるように霧化するようになっている。
【0027】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが駆動制御部11で電力制御された霧化手段6で霧化されて霧化槽8にミスト数が3000〜1000000個/ccのミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送されて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。このようにミスト数が3000〜1000000個/ccのミストMを発生させて噴霧した場合、ミスト数が3000〜1000000個/ccのミストMが室内全体に到達し、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。
【0028】
次に、図5に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1の例と基本的に同じであり、異なる点だけを主に述べる。本例の場合、霧化槽8の出口側に放電部12を設けてあり、霧化したミストに放電部12から放電することによりミストMの粒径を制御してミストMの粒径を2μm以下にするようにしてある。
【0029】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で霧化されてミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送されると共に放電部12からの放電にてミストMの粒径が2μm以下にされて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。この場合、霧化手段6で霧化したミストMを放電部12で粒径を制御してさらに小さい粒径のミストMを噴霧することができ、噴霧するミストMの粒径が小さいことで室内全体に拡散し、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的且つ広範囲に亙って除去することができる。また拡散性の悪い粒径のミストMを室内に放出することがないので、室内の湿度を適湿に保つことができる。
【0030】
次に、図6に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1の例と基本的に同じであり、異なる点だけを述べる。本例の場合、霧化槽8の出口側に霧化したミストMの粒径を制御するために放電する放電部12を設けてあり、この放電部12より出口側に電界をかけてミストMを分級する電界部13を設けてある。
【0031】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で霧化されてミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送され、ミストMが放電部12を通過するとき放電部12からの放電にてミストMの粒径が制御され、この粒径が制御されたミストMが通過するとき電界部13による電界にてミストMが分級され、分級されたミストMが室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。この場合、電界にてミストMが分級されて噴霧されることにより拡散性のよいミスト粒径だけのものにすることができ、室内全体に拡散して室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。また拡散性の悪い粒径のミストMを室内に放出することがないので、室内の湿度を適湿に保つことができる。
【0032】
次に、図7に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1の例と基本的に同じであり、異なる点だけを述べる。本例の場合、霧化槽8の出口側に霧化したミストMにチャージさせるために放電する放電部14を設けてある。この放電部14には放電を電流制御により制御する制御部14aを設けてあり、電流制御することによってチャージ量を制御することができるようになっている。
【0033】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で霧化されてミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送されると共に放電部14からの放電にて霧化したミストのチャージ量が制御されて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。この場合、放電部14によって霧化したミストMのチャージ量を制御することにより静電拡散が起こることによって、室内全体に拡散して室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルス等を効果的且つ室内広範囲に亙って除去することができる。
【0034】
次に、図8に示す実施の形態の例について述べる。本例も図1の例と基本的に同じであり、異なる点だけを述べる。本例の場合、霧化槽8の出口側に霧化したミストMにキャビテーションを生じさせるためのキャビテーション生成部15を設けてあり、ミストMにキャビテーションを生じさせることによりミストM中にラジカルを生成するようになっている。
【0035】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で霧化されてミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送されると共にキャビテーション生成部15にてミストMにキャビテーションを生じさせることでミストM中にラジカルを生成して室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。この場合、ミスト中にキャビテーションによってラジカルを生成することによって、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的に除去することができる。
【0036】
次に、図9や図10に示す実施の形態の例について述べる。本例の上記例と基本的に同じであり、異なる点だけを述べる。本例の場合、霧化手段6は静電霧化方式で霧化するものであり、図9の霧化手段6はキャピラリ電極16、液溜め部5及び高電圧発生部17とで構成されており、図10の霧化手段6はキャピラリ電極16、液溜め部5、高電圧発生部17及び対極電極18で構成されており、いずれもキャピラリ電極16またはキャピラリ電極16及び対極電極18に高電圧を印加することにより静電霧化することができるようになっている。
【0037】
上記のように構成せる空気清浄機は次のように動作をする。空気清浄部2が駆動されることにより、室内空間の空気は空気清浄部2に吸入され、フィルターで濾過されて臭い、菌、ウィルス等が除去され、清浄化した空気が室内に吐出され、室内空間の空気が清浄化される。一方、ミスト供給部3を駆動すると、生成槽4で生成された脱臭作用や殺菌作用や抗ウィルス作用を有する液体Lが液溜め部5に供給されて溜められ、この液溜め部5の液体Lが霧化手段6で静電霧化方式で霧化されてミストMが発生し、このミストMが搬送手段7で搬送されて室内壁面等に噴霧され、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスが除去される。この場合、静電霧化方式で霧化することによって、ミストMが帯電して室内壁面等に付着しやすくなり、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的に除去することができる。また霧化手段6がキャピラリ電極16、液溜め部5、高電圧発生部16からなっていると、帯電ミストMが発生し、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストが室内壁面等に付着した臭い、菌を効果的に除去することができる。また霧化手段がキャピラリ電極16、液溜め部5、高電圧発生部17、対極電極18からなっていると、ミストMを効率的に霧化部分から室内に搬送することでき、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストMが室内壁面等に付着した臭い、菌を効果的に除去することができる。
【0038】
また図9、図10のもので、霧化手段6の高電圧発生部17から印加する印加電圧が直流のマイナス電圧であることが好ましい。この場合、マイナス電圧印加の静電霧化方式の霧化手段6により霧化することで効率的に霧化でき、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストMが室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的に除去できる。さらにマイナスイオンを室内に搬送することができる。
【0039】
また図9、図10のもので、キャピラリ電極16の内径が0.05〜0.6mmであることが好ましい。この場合、キャピラリ電極16の内径が0.05〜0.6mmで構成されている静電霧化方式の霧化手段6により霧化することで、比較的低電圧(4kV〜)で液体を霧化でき、室内壁面等に付着しやすい帯電ミストMが室内壁面等に付着した臭い、菌、ウィルスを効果的且つ低電力で除去することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 空気清浄機本体
2 空気清浄部
3 ミスト供給部
4 生成槽
5 液溜め部
6 霧化手段
7 搬送手段
8 霧化槽
9 分散部
10 駆動制御部
11 駆動制御部
12 放電部
13 電界部
14 放電部
15 キャビテーション生成部
16 キャピラリ電極
17 高電圧発生部
18 対極電極
L 液体
M ミスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段によって発生するミストに放電することによってミスト粒径を制御する放電部を設けたことを特徴とする殺菌装置。
【請求項2】
殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段によって発生するミストに放電することによってミストのチャージ量を制御する機能を有することを特徴とする殺菌装置。
【請求項3】
殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段によって発生するミストにキャビテーションを生じさせることによってミスト中にラジカルを生成する機能を有することを特徴とする殺菌装置。
【請求項4】
殺菌作用を有する液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の液体を霧化する霧化手段と、前記霧化手段によって霧化されたミストを搬送する搬送手段とを備え、前記霧化手段が静電霧化方式で霧化するものであり、キャピラリ電極、液溜め部、高電圧発生部からなっていることを特徴とする殺菌装置。
【請求項5】
粒径が5μm以下のミストを発生させる機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の殺菌装置。
【請求項6】
3000〜1000000個/ccのミストの数を発生する機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の殺菌装置。
【請求項7】
前記放電部の下流に、分級を目的とした電界部を設けたことを特徴する請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項8】
霧化手段がキャピラリ電極、液溜め部、高電圧発生部、対極電極からなっていることを特徴とする請求項4に記載の殺菌装置。
【請求項9】
印加電圧が直流のマイナス電圧であることを特徴とする請求項4または8に記載の殺菌装置。
【請求項10】
キャピラリ電極の内径が0.05〜0.6mmであることを特徴とする請求項4、8、9のいずれかに記載の殺菌装置。
【請求項11】
フィルターにより空気を濾過する空気清浄部と、請求項1〜10のいずれかに記載の殺菌装置と、を備えた空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−183204(P2011−183204A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120085(P2011−120085)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【分割の表示】特願2001−280090(P2001−280090)の分割
【原出願日】平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】