殻付き生卵の切り溝形成器及び茹で卵の製造方法
【課題】簡単に殻付き生卵に切り溝を形成することができ、しかも、殻剥き作業で卵白が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器及び茹で卵の製造方法を提供すること。
【解決手段】殻付き生卵1をスライド移動せしめるガイド体4に該殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構Kを設け、このスライド方向規制機構Kにより規制してガイド体4に対して前記殻付き生卵1をスライド移動させた際、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成する切り溝形成突部5を前記ガイド体4に設けたことを特徴とする殻付き生卵の切り溝形成器
【解決手段】殻付き生卵1をスライド移動せしめるガイド体4に該殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構Kを設け、このスライド方向規制機構Kにより規制してガイド体4に対して前記殻付き生卵1をスライド移動させた際、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成する切り溝形成突部5を前記ガイド体4に設けたことを特徴とする殻付き生卵の切り溝形成器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易に殻剥きできる茹で卵を得るための殻付き生卵の切り溝形成器及び茹で卵の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
茹で処理した殻付き茹で卵を殻剥きする際、この殻付き茹で卵の殻の内側に密着する卵殻膜と、この卵殻膜の内側の卵白とが密着してしまい、殻剥き作業が非常に厄介な場合がある。
【0003】
この原因は、殻付き生卵が茹でられることで内部の圧力が高まり、殻の内側の卵殻膜と、この卵殻膜の内側の卵白とが密着した状態で凝固してしまうためである。
【0004】
従って、このように卵白と卵殻膜とが密着して凝固した殻付き茹で卵の殻剥き作業は非常に厄介で、卵白と卵殻膜とを無理に剥がそうとすると、卵殻膜に密着した卵白も剥がれてしまい、見た目の悪い茹で卵となってしまう。
【0005】
そこで、従来においても卵白と卵殻膜との密着を軽減して殻剥き作業を簡易化するために殻付き生卵の殻の巾方向にカッターで切り溝を形成し、この切り溝を形成した殻付き生卵を茹でることによって殻に形成した切り溝に亀裂を生じさせ、この亀裂部分からカッターで卵殻膜をカットし、次いで、カットした部分に水を注ぎ込むことで、卵白と卵殻膜との密着を軽減して殻剥き作業を簡易化することを目的とした技術(例えば特開平7−170945号(以下、従来例))が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−170945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来例は、殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の巾方向にカッターで切り溝を形成する作業は、殻付き生卵を回転させながら行うことになるが、この回転の際に殻付き生卵の殻が割れないように指先の力加減の調整が必要となるため、非常に厄介であり、また、切り溝を形成した入れた卵を茹でて切り溝の亀裂部分から卵殻膜をカットするとともに、このカットした部分に水を注ぎ込む作業も、非常に厄介であり、しかも、実際に殻剥き作業を行うと卵白が剥がれてしまう場合があるなどの問題点があった。
【0008】
そこで、本発明者は上述した従来例の問題点を解決するために鋭意研究を行い本発明を完成させたもので、本発明は、簡単に殻付き生卵に切り溝を形成することができ、しかも、殻剥き作業で卵白が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器及び茹で卵の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
殻付き生卵1の殻2に切り溝3を形成するためのものであって、前記殻付き生卵1をスライド移動せしめるガイド体4に該殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構Kを設け、このスライド方向規制機構Kにより規制してガイド体4に対して前記殻付き生卵1をスライド移動させた際、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成する切り溝形成突部5を前記ガイド体4に設けたことを特徴とする殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0011】
また、前記スライド方向規制機構Kは、前記ガイド体4の前記殻付き生卵1を支承ガイドするガイド部4Aを、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6として構成し、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、該殻付き生卵1をこの凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることでこの殻付き生卵1のスライド移動を規制するように構成したことを特徴とする請求項1記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0012】
また、前記切り溝形成突部5は、前記ガイド体4のガイド部4Aに設けた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0013】
また、前記ガイド体4のガイド部4Aは、殻付き生卵1に切り溝3を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部7を設け、該切削粉収納凹部7の周辺若しくは該切削粉収納凹部7内に前記切り溝形成突部5を配したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0014】
また、前記ガイド体4の裏面4Bに握持部8を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0015】
また、茹で卵の製造方法であって、殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する所定深さの切り溝を形成し、その後、茹で処理することを特徴とする茹で卵の製造方法に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、殻付き生卵をスライド移動せしめるガイド体に該殻付き生卵のスライド移動を該殻付き生卵の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構を設け、前記ガイド体にこの殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する切り溝を形成する切り溝形成突部を設けたから、このスライド方向規制機構により規制してガイド体に対して前記殻付き生卵をスライド移動するだけの簡単な操作で、この殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する切り溝を容易に形成することができる便利な殻付き生卵の切り溝形成器となり、しかも、前記切り溝により卵殻膜と卵白とが密着した状態で凝固してしまうことがなくなり、殻剥き作業で卵白が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる極めて実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器となる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記スライド方向規制機構は、前記ガイド体の前記殻付き生卵を支承ガイドするガイド部を、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部とすることで形状を複雑化させることなく容易に実現でき、この凹条ガイド部の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵を凹条ガイド部に支承し、この凹条ガイド部の長さ方向に沿ってスライド移動させることで、この殻付き生1のスライド移動の安定性を保ちながら、この殻付き生卵のスライド移動を該殻付き生卵の長さ方向に確実に規制することができる実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器となる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、切り溝形成突部をガイド体のガイド部に設けたから、上述した切り溝の形成を確実に実現できる殻付き生卵の切り溝形成器となる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記ガイド体のガイド部に殻付き生卵に切り溝を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部を設け、該切削粉収納凹部の周辺若しくは該切削粉収納凹部内に前記切り溝形成突部を配したから、殻付き生卵に切り溝形成突部による切り溝を形成する際に生じる切削粉が、ガイド部の切削粉収納凹部に収納されることで、ガイド部の表面や切り溝形成突部に切削粉が付着しにくくなり、ガイド部の表面や切り溝形成突部に切削粉が付着することによる切り溝の形成作業性が低下することなく常に切り溝の形成を良好に行うことができる生卵の殻切り溝器となる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、握持部を設けることでスライド体に体する殻付き生卵のスライド移動を一層容易に行うことができ、切り溝の形成作業性を向上し得る生卵の殻切り溝器となる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する所定深さの切り溝を形成する簡単な操作で、その後、茹で処理することにより卵白と卵殻膜との剥離を簡単に生じさせることができ、これにより卵白に剥がれのない見た目の良い茹で卵を、非常に容易な殻剥き作業で得ることができる極めて秀れた茹で卵の製造方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0023】
ガイド体4に対して殻付き生卵1をスライド移動すると、殻付き生卵1のスライド移動は、スライド方向規制機構Kによって該殻付き生卵1の長さ方向に容易に規制されることになり、このスライド移動の際、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3が容易に形成される。
【0024】
従って、前述した従来例に比し殻付き生卵1に対する切り溝3の形成が簡易に行えることになる。
【0025】
即ち、前述した従来技術を使用して殻付き生卵1の殻2の巾方向にカッターで切り溝3を形成する作業は、殻付き生卵1を回転させながら行うため、殻付き生卵1を回転させる際にこの殻付き生卵1の殻2が割れないように指先の力加減を調整しなくてはならず、そのため非常に厄介であるが、この点本発明は、前記ガイド体4に対して殻付き生卵1を回転させるのではなく、ガイド体4に対して殻付き生卵1をこの殻付き生卵1の長さ方向に滑らせるだけで良いため非常に簡易に切り溝3を形成することができる。
【0026】
ところで、本発明は、殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成している。これは、本発明者が行った種々の実験・研究の結果をもとにしたものであり、殻付き生卵1の長さ方向に切り溝3を形成した場合、殻付き生卵1の巾方向に形成した場合に比し、茹で処理後に形成される亀裂12をもとに殻剥きするときれいに殻剥きでき、卵白10に剥がれのない見た目の良い茹で卵が得られることを確認している。
【0027】
よって、本発明は簡単に殻付き生卵1に切り溝3を形成することができ、しかも、殻剥き作業で卵白10が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる。
【0028】
また、前記スライド方向規制機構Kは、前記ガイド体4の前記殻付き生卵1を支承ガイドするガイド部4Aを、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6として構成し、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、該殻付き生卵1をこの凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることでこの殻付き生卵1のスライド移動を規制する構成とした場合、前記スライド方向規制機構Kは、ガイド体4のガイド部4Aを断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6とすることで形状を複雑化させることなく容易に実現し得ることになり、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、この凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることで、この殻付き生卵1のスライド移動の安定性を保ちながら、この殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に確実に規制し得ることになる。
【0029】
また、例えば、前記ガイド体4のガイド部4Aは、殻付き生卵1に切り溝3を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部7を設け、該切削粉収納凹部7の周辺若しくは該切削粉収納凹部7内に前記切り溝形成突部5を配した構成とすれば、殻付き生卵1に切り溝形成突部5による切り溝3を形成する際に生じる切削粉が、ガイド部4Aの切削粉収納凹部7に収納されてガイド部4Aの表面や切り溝形成突部5に切削粉が付着しにくくなり、ガイド部4A表面や切り溝形成突部5に切削粉が付着することによって切り溝形成突部5による切り溝3の形成作業性が低下することなく常に切り溝3の形成が良好に行われることになる。
【0030】
また、例えば、前記ガイド体4の裏面4Bに握持部8を設けた構成とすれば、握持部8を設けることで握持部8を設けない場合に比し、スライド体4に体する殻付き生卵1のスライド移動が一層簡易化し、切り溝3の形成作業性が向上する。
【実施例】
【0031】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施例は、殻付き生卵の切り溝形成器を用いて殻付き生卵1の殻2にこの殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成し、この切り溝3を形成した殻付き生卵1を通常の茹で卵の製造方法に従い加熱して殻付き茹で卵13とし、この殻付き茹で卵13を殻剥きして茹で卵16を得る場合である。
【0033】
本実施例は、殻付き生卵1として、殻2の頂部2aが底部2bに比して径小となる先細り形状の殻付き生卵1(鶏卵)を採用している。また、後述する本実施例の殻付き生卵1の長さ方向とは、殻2の頂部2aと底部2bとを結ぶ方向である。
【0034】
尚、本実施例では殻付き生卵1を鶏卵としているが、本実施例の特性を発揮するものであれば鶏卵に限定されるものではない。
【0035】
前記殻付き生卵の切り溝形成器は、殻付き生卵1をスライドさせるガイド体4において、殻付き生卵1を支承するガイド部4Aをスライド方向規制機構Kに設定した構成とし、このスライド方向規制機構Kにより、殻付き生卵1のスライド移動をこの殻付き生卵1の長さ方向に規制する構成としている。
【0036】
また、前記ガイド部4Aに切り溝形成突部5を設けた構成とし、この切り溝形成突部5により、前記スライド方向規制機構Kにより規制しながら前記殻付き生卵1をスライド移動させた際に、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成する構成としている。
【0037】
また、前記ガイド部4Aの裏面4Bには握持部8を設けた構成としている。尚、図中符号11は、握持部8を直立状態に固定する固定台である。
【0038】
前記スライド方向規制機構Kは、前記ガイド部4Aを断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6に形成した構成とする。
【0039】
従って、ガイド体4の形状を複雑化させることなくスライド方向規制機構Kをガイド部4Aの凹条ガイド部6により容易に実現でき、また、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、この凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることで、この殻付き生卵1のスライド移動の安定性を保ちながら、この殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に確実に規制することができる。
【0040】
本実施例の場合、前記ガイド体4は、図1に図示したように、樹脂製の薄板材を殻付き生卵1の外径より若干径大な平面視楕円形状に成形し、この平面視楕円形状のガイド体4の殻付き生卵1を支承する表面が平滑なガイド部4Aの長手方向(長径方向)に断面略U溝状の凹条ガイド部6を延設して前記スライド方向規制機構Kとしている。
【0041】
本実施例は、前記ガイド体4を樹脂製としたから、前記スライド方向規制機構Kの一体成型が容易で量産性・コスト性に秀れたものとなる。
【0042】
尚、前記ガイド体4は平面視楕円形状とする以外にも、平面視多角形状(四角形状)等の適宜な形状に設定して良く、また、前記ガイド部4Aの形状も本実施例以外に殻付き生卵1を支承し得る形状であれば良い。
【0043】
また、ガイド体4のスライド方向規制機構Kは、本実施例のようなガイド部4Aに凹条ガイド部6を一体成型する構成以外に、ガイド体4に対して殻付き生卵1をスライド移動させる際に、この殻付き生卵1のスライド移動を長さ方向に規制し得る構造を適宜採用して良い。
【0044】
本実施例の場合、前記ガイド部4Aに殻付き生卵1に切り溝3を形成する際に生じる切削粉を収納する切削粉収納凹部7を設けた構成とし、切削粉収納凹部7内に前記切り溝形成突部5を突設する構成としている。
【0045】
切り溝形成突部5を切削粉収納凹部7内に突設することで、切り溝3の形成時に殻2の切削粉が発生しても、この切削粉が切削粉収納凹部7内に溜まるため、切り溝形成突部5やガイド部4Aの底部面に切削粉が付着しにくくなり、切り溝形成突部5やガイド部4Aの底部面に付着した切削粉により切り溝形成突部5による切り溝3の形成が困難になるということがなく、常に切り溝3の形成が良好に行える。
【0046】
尚、前記切り溝形成突部5は、該切削粉収納凹部7の周辺に設けることもでき、この場合にも上記同様の効果が認められる。
【0047】
本実施例の場合、前記切削粉収納凹部7は、ガイド体4の略中央部に穿孔を設け、この穿孔のガイド部4A側とは反対側の面4B側の開口部が、握持部8の端部面により閉塞状態となるように形成する。また、この際、前記握持部8の前記端部面に前記切り溝形成突部5を予め固定しておくことで、この端部面で前記穿孔の開口部を閉塞する際に、前記切削粉収納凹部7が形成されるようにしている。
【0048】
更に具体的には、内部が中空の筒状部材14の中空部分に樹脂15を流し込み、この樹脂15を少なくとも前記筒状部材14の端部で硬化させて端部面を形成し、この際にこの端部面に切り溝形成突部5の基部を埋設固定している(図3,4参照)。
【0049】
尚、本実施例以外にも、前記切り溝形成突部5がガイド部4Aの切削粉収納凹部7内に突設した状態となるならばどのような方法で切り溝形成突部5を形成しても良い。また、切削粉収納凹部7を設けずに、ガイド部4Aから直接前記切り溝形成突部5を突設した構成としても良い。
【0050】
尚、本実施例は前記握持部8として横断面形状が楕円形の筒状部材14を採用することで、指と指との間に差込み易く且つ指と指との間における挟持がし易い握持部8とすることができる。
【0051】
前記切り溝形成突部5は、切削粉収納凹部7の開口部から上方へ所定長さ突出するように突出量を設定し、ガイド体4に対して殻付き生卵1をスライドさせた際に、この殻付き生卵1の殻2に所定深さの切り溝3が形成されるように構成している。
【0052】
尚、ガイド部4Aから直接前記切り溝形成突部5を突設する場合も本実施例と同様、ガイド部4Aから切り溝形成突部5が所定長さ突出するように突出量を設定する。
【0053】
具体的には、茹で処理中に殻付き生卵1の殻2に亀裂12を誘発する深さの切り溝3が形成されるように前記切り溝形成突部5の突出量を設定する。
【0054】
本実施例の場合、前記切り溝形成突部5の突出量として、殻2の厚みの中程まで達する切り溝3が形成されるように設定するが、殻付き生卵1の種類に応じて殻2に亀裂12を誘発する深さの切り溝3が形成されるように前記切り溝形成突部5の突出量を適宜設定して良い。
【0055】
尚、本実施例は切り溝形成突部5としてカッター刃を採用しているが、本実施例の特性を発揮するものであればカッター刃に限定されるものではない。
【0056】
次に、上述した殻付き生卵の切り溝形成器を使用して殻付き生卵1の殻2に切り溝3を形成する手順及びこの切り溝3を形成した殻付き生卵1を用いた茹で卵の製造方法について説明する。
【0057】
まず、図2に図示したように、ガイド体4の裏面4B側の握持部8を手の平側から指と指との間に差し込み、手の平にガイド体4全体を載置し、図3に図示したようにこのガイド体4のガイド部4Aに殻付き生卵1の周面を支承させてこの殻付き生卵1のスライド移動を行う。
【0058】
本実施例は握持部8を指と指との間に差し込むことで、手の平上のガイド体4が確実に固定されて、ガイド部4Aに対する殻付き生卵1のスライド移動がスムーズに行える。
【0059】
また、本実施例はスライド移動の際、ガイド部4Aの長手方向に延びる断面略U字状の凹条ガイド部6に規制されて殻付き生卵1がこの殻付き生卵1長さ方向にスライド移動する。
【0060】
スライド移動が進むことで、図4に図示したように殻付き生卵1の殻2が切り溝形成突部5により切削されてこの殻付き生卵1の長さ方向に所定長さの切り溝3が形成される。
【0061】
即ち、スライド移動が開始される前の図5に図示したような殻付き生卵1は、ガイド体4に体するスライド移動によって、図6に図示したような殻2の厚みの中程まで達する切り溝3がこの殻2に形成される。
【0062】
次に、本実施例は、図7に図示したように殻2に切り溝3を形成した後の殻付き生卵1を、通常の茹で卵の製造方法に従い加熱して殻付き茹で卵13を得る。
【0063】
尚、本実施例の通常の茹で卵の製造方法とは、水中に殻付き生卵1を浸漬してこの殻付き生卵1を茹で処理(水煮)することで加熱するものであり、本実施例以外にも水に塩や調味料等を混入しても良い。
【0064】
本実施例は、茹で処理中に殻付き生卵1の卵白10が膨張とともに凝固して凝固した卵白10となるが、この際、殻2に圧力が加わり、殻2の切り溝3を形成した部分から、図8に図示したような亀裂12が生じる。この亀裂12は、図9〜12に図示したように様々なパターンのものが形成される。
【0065】
出願人は実験により、殻2に形成される切り溝3の長さが4mm以上の場合に前記亀裂12が良好に生じることを確認している。
【0066】
亀裂12が生じたことにより、図13に図示したように、凝固した卵白10が亀裂12を広げながら更に膨張する。この際に、凝固した卵白10の外側を覆う卵殻膜9も伸びる。
【0067】
また、亀裂12の間隔が広がる際に卵殻膜9に水が浸透する。即ち、卵殻膜9は微細な繊維によりなるフィルター状物であるため、亀裂12から浸透する水(湯)が卵殻膜9に浸透し、このように卵殻膜9に水が浸透することによって、卵殻膜9と凝固した卵白10との密着度合いが低減する。
【0068】
次に、茹で処理後には図14に図示したように、凝固した卵白10が収縮するとともに亀裂12も閉じた状態となる。一方、卵殻膜9は収縮せずに伸びた状態のままとなるため、凝固した卵白10と卵殻膜9との間には間隙が生じる。このように凝固した卵白10と卵殻膜9との間に間隙が生じることで、一層卵殻膜9と凝固した卵白10との密着度合いが低減することになる。
【0069】
次に、この殻付き茹で卵13を殻剥きすると、図15に図示したように卵白10に剥がれのない見た目の良い茹で卵16が得られる。また、本実施例の殻付き茹で卵13は卵殻膜9とこの卵殻膜9の内側の卵白10とが密着した状態でないため、殻剥き作業も非常に簡単に行うことができる。
【0070】
よって、本実施例によれば、従来例のように殻付き生卵1が割れないように指先の力加減を調整しながらこの殻付き生卵1を回転させて切り溝3を形成することなく、凹条ガイド部6が設けられたガイド部4Aに対して殻付き生卵1をこの殻付き生卵1の長さ方向にスライドさせる簡単な操作で殻付き生卵1の殻2に殻付き生卵1の長さ方向に簡易に切り溝3を形成することができ、この切り溝3を形成した殻付き生卵1を加熱することにより殻2の内側の卵殻膜9とこの卵殻膜9の内側の卵白10とが密着した状態でない殻付き茹で卵13を得られることになる。
【0071】
しかも、殻付き生卵1の長さ方向に切り溝3を形成した本実施例によれば、殻付き生卵1の巾方向に形成した場合に比し、茹で処理後に形成される亀裂12をもとに殻剥きするときれいに殻剥きでき、卵白10に剥がれのない見た目の良い茹で卵が得られることも確認している。これは、長さ方向に切り溝3を形成した場合の方が、巾方向に切り溝3を形成した場合に比し、茹で処理中の亀裂12の広がり幅が大きく、この亀裂12から水が浸透し易くなったり、また、亀裂12をもとに殻剥きする際に応力がかかりやすいためと推測される。
【0072】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の斜視図である。
【図2】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の使用例を示す説明図である。
【図3】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の使用状態を示す拡大説明図である。
【図4】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の使用状態を示す拡大説明図である。
【図5】本実施例の切り溝形成前の殻付き生卵の断面図である。
【図6】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の断面図である。
【図7】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理前の説明図である。
【図8】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図9】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図10】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図11】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図12】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図13】本実施例の切り溝を形成した殻付き生卵の茹で処理中の断面図である。
【図14】本実施例の切り溝を形成した殻付き生卵の茹で処理後の断面図である。
【図15】本実施例の殻付き茹で卵の殻剥き状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
1 殻付き生卵
2 殻
3 切り溝
4 ガイド体
4A ガイド部
4B 裏面
5 切り溝形成突部
6 凹条ガイド部
7 切削粉収納凹部
8 握持部
K スライド方向規制機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易に殻剥きできる茹で卵を得るための殻付き生卵の切り溝形成器及び茹で卵の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
茹で処理した殻付き茹で卵を殻剥きする際、この殻付き茹で卵の殻の内側に密着する卵殻膜と、この卵殻膜の内側の卵白とが密着してしまい、殻剥き作業が非常に厄介な場合がある。
【0003】
この原因は、殻付き生卵が茹でられることで内部の圧力が高まり、殻の内側の卵殻膜と、この卵殻膜の内側の卵白とが密着した状態で凝固してしまうためである。
【0004】
従って、このように卵白と卵殻膜とが密着して凝固した殻付き茹で卵の殻剥き作業は非常に厄介で、卵白と卵殻膜とを無理に剥がそうとすると、卵殻膜に密着した卵白も剥がれてしまい、見た目の悪い茹で卵となってしまう。
【0005】
そこで、従来においても卵白と卵殻膜との密着を軽減して殻剥き作業を簡易化するために殻付き生卵の殻の巾方向にカッターで切り溝を形成し、この切り溝を形成した殻付き生卵を茹でることによって殻に形成した切り溝に亀裂を生じさせ、この亀裂部分からカッターで卵殻膜をカットし、次いで、カットした部分に水を注ぎ込むことで、卵白と卵殻膜との密着を軽減して殻剥き作業を簡易化することを目的とした技術(例えば特開平7−170945号(以下、従来例))が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−170945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来例は、殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の巾方向にカッターで切り溝を形成する作業は、殻付き生卵を回転させながら行うことになるが、この回転の際に殻付き生卵の殻が割れないように指先の力加減の調整が必要となるため、非常に厄介であり、また、切り溝を形成した入れた卵を茹でて切り溝の亀裂部分から卵殻膜をカットするとともに、このカットした部分に水を注ぎ込む作業も、非常に厄介であり、しかも、実際に殻剥き作業を行うと卵白が剥がれてしまう場合があるなどの問題点があった。
【0008】
そこで、本発明者は上述した従来例の問題点を解決するために鋭意研究を行い本発明を完成させたもので、本発明は、簡単に殻付き生卵に切り溝を形成することができ、しかも、殻剥き作業で卵白が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器及び茹で卵の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
殻付き生卵1の殻2に切り溝3を形成するためのものであって、前記殻付き生卵1をスライド移動せしめるガイド体4に該殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構Kを設け、このスライド方向規制機構Kにより規制してガイド体4に対して前記殻付き生卵1をスライド移動させた際、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成する切り溝形成突部5を前記ガイド体4に設けたことを特徴とする殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0011】
また、前記スライド方向規制機構Kは、前記ガイド体4の前記殻付き生卵1を支承ガイドするガイド部4Aを、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6として構成し、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、該殻付き生卵1をこの凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることでこの殻付き生卵1のスライド移動を規制するように構成したことを特徴とする請求項1記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0012】
また、前記切り溝形成突部5は、前記ガイド体4のガイド部4Aに設けた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0013】
また、前記ガイド体4のガイド部4Aは、殻付き生卵1に切り溝3を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部7を設け、該切削粉収納凹部7の周辺若しくは該切削粉収納凹部7内に前記切り溝形成突部5を配したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0014】
また、前記ガイド体4の裏面4Bに握持部8を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器に係るものである。
【0015】
また、茹で卵の製造方法であって、殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する所定深さの切り溝を形成し、その後、茹で処理することを特徴とする茹で卵の製造方法に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、殻付き生卵をスライド移動せしめるガイド体に該殻付き生卵のスライド移動を該殻付き生卵の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構を設け、前記ガイド体にこの殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する切り溝を形成する切り溝形成突部を設けたから、このスライド方向規制機構により規制してガイド体に対して前記殻付き生卵をスライド移動するだけの簡単な操作で、この殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する切り溝を容易に形成することができる便利な殻付き生卵の切り溝形成器となり、しかも、前記切り溝により卵殻膜と卵白とが密着した状態で凝固してしまうことがなくなり、殻剥き作業で卵白が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる極めて実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器となる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記スライド方向規制機構は、前記ガイド体の前記殻付き生卵を支承ガイドするガイド部を、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部とすることで形状を複雑化させることなく容易に実現でき、この凹条ガイド部の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵を凹条ガイド部に支承し、この凹条ガイド部の長さ方向に沿ってスライド移動させることで、この殻付き生1のスライド移動の安定性を保ちながら、この殻付き生卵のスライド移動を該殻付き生卵の長さ方向に確実に規制することができる実用性に秀れた殻付き生卵の切り溝形成器となる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、切り溝形成突部をガイド体のガイド部に設けたから、上述した切り溝の形成を確実に実現できる殻付き生卵の切り溝形成器となる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記ガイド体のガイド部に殻付き生卵に切り溝を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部を設け、該切削粉収納凹部の周辺若しくは該切削粉収納凹部内に前記切り溝形成突部を配したから、殻付き生卵に切り溝形成突部による切り溝を形成する際に生じる切削粉が、ガイド部の切削粉収納凹部に収納されることで、ガイド部の表面や切り溝形成突部に切削粉が付着しにくくなり、ガイド部の表面や切り溝形成突部に切削粉が付着することによる切り溝の形成作業性が低下することなく常に切り溝の形成を良好に行うことができる生卵の殻切り溝器となる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、握持部を設けることでスライド体に体する殻付き生卵のスライド移動を一層容易に行うことができ、切り溝の形成作業性を向上し得る生卵の殻切り溝器となる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する所定深さの切り溝を形成する簡単な操作で、その後、茹で処理することにより卵白と卵殻膜との剥離を簡単に生じさせることができ、これにより卵白に剥がれのない見た目の良い茹で卵を、非常に容易な殻剥き作業で得ることができる極めて秀れた茹で卵の製造方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0023】
ガイド体4に対して殻付き生卵1をスライド移動すると、殻付き生卵1のスライド移動は、スライド方向規制機構Kによって該殻付き生卵1の長さ方向に容易に規制されることになり、このスライド移動の際、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3が容易に形成される。
【0024】
従って、前述した従来例に比し殻付き生卵1に対する切り溝3の形成が簡易に行えることになる。
【0025】
即ち、前述した従来技術を使用して殻付き生卵1の殻2の巾方向にカッターで切り溝3を形成する作業は、殻付き生卵1を回転させながら行うため、殻付き生卵1を回転させる際にこの殻付き生卵1の殻2が割れないように指先の力加減を調整しなくてはならず、そのため非常に厄介であるが、この点本発明は、前記ガイド体4に対して殻付き生卵1を回転させるのではなく、ガイド体4に対して殻付き生卵1をこの殻付き生卵1の長さ方向に滑らせるだけで良いため非常に簡易に切り溝3を形成することができる。
【0026】
ところで、本発明は、殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成している。これは、本発明者が行った種々の実験・研究の結果をもとにしたものであり、殻付き生卵1の長さ方向に切り溝3を形成した場合、殻付き生卵1の巾方向に形成した場合に比し、茹で処理後に形成される亀裂12をもとに殻剥きするときれいに殻剥きでき、卵白10に剥がれのない見た目の良い茹で卵が得られることを確認している。
【0027】
よって、本発明は簡単に殻付き生卵1に切り溝3を形成することができ、しかも、殻剥き作業で卵白10が剥がれたりすることがなく見た目の良い茹で卵を得ることができる。
【0028】
また、前記スライド方向規制機構Kは、前記ガイド体4の前記殻付き生卵1を支承ガイドするガイド部4Aを、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6として構成し、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、該殻付き生卵1をこの凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることでこの殻付き生卵1のスライド移動を規制する構成とした場合、前記スライド方向規制機構Kは、ガイド体4のガイド部4Aを断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6とすることで形状を複雑化させることなく容易に実現し得ることになり、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、この凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることで、この殻付き生卵1のスライド移動の安定性を保ちながら、この殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に確実に規制し得ることになる。
【0029】
また、例えば、前記ガイド体4のガイド部4Aは、殻付き生卵1に切り溝3を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部7を設け、該切削粉収納凹部7の周辺若しくは該切削粉収納凹部7内に前記切り溝形成突部5を配した構成とすれば、殻付き生卵1に切り溝形成突部5による切り溝3を形成する際に生じる切削粉が、ガイド部4Aの切削粉収納凹部7に収納されてガイド部4Aの表面や切り溝形成突部5に切削粉が付着しにくくなり、ガイド部4A表面や切り溝形成突部5に切削粉が付着することによって切り溝形成突部5による切り溝3の形成作業性が低下することなく常に切り溝3の形成が良好に行われることになる。
【0030】
また、例えば、前記ガイド体4の裏面4Bに握持部8を設けた構成とすれば、握持部8を設けることで握持部8を設けない場合に比し、スライド体4に体する殻付き生卵1のスライド移動が一層簡易化し、切り溝3の形成作業性が向上する。
【実施例】
【0031】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施例は、殻付き生卵の切り溝形成器を用いて殻付き生卵1の殻2にこの殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成し、この切り溝3を形成した殻付き生卵1を通常の茹で卵の製造方法に従い加熱して殻付き茹で卵13とし、この殻付き茹で卵13を殻剥きして茹で卵16を得る場合である。
【0033】
本実施例は、殻付き生卵1として、殻2の頂部2aが底部2bに比して径小となる先細り形状の殻付き生卵1(鶏卵)を採用している。また、後述する本実施例の殻付き生卵1の長さ方向とは、殻2の頂部2aと底部2bとを結ぶ方向である。
【0034】
尚、本実施例では殻付き生卵1を鶏卵としているが、本実施例の特性を発揮するものであれば鶏卵に限定されるものではない。
【0035】
前記殻付き生卵の切り溝形成器は、殻付き生卵1をスライドさせるガイド体4において、殻付き生卵1を支承するガイド部4Aをスライド方向規制機構Kに設定した構成とし、このスライド方向規制機構Kにより、殻付き生卵1のスライド移動をこの殻付き生卵1の長さ方向に規制する構成としている。
【0036】
また、前記ガイド部4Aに切り溝形成突部5を設けた構成とし、この切り溝形成突部5により、前記スライド方向規制機構Kにより規制しながら前記殻付き生卵1をスライド移動させた際に、この殻付き生卵1の殻2に該殻付き生卵1の長さ方向に長さを有する切り溝3を形成する構成としている。
【0037】
また、前記ガイド部4Aの裏面4Bには握持部8を設けた構成としている。尚、図中符号11は、握持部8を直立状態に固定する固定台である。
【0038】
前記スライド方向規制機構Kは、前記ガイド部4Aを断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部6に形成した構成とする。
【0039】
従って、ガイド体4の形状を複雑化させることなくスライド方向規制機構Kをガイド部4Aの凹条ガイド部6により容易に実現でき、また、この凹条ガイド部6の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵1を凹条ガイド部6に支承し、この凹条ガイド部6の長さ方向に沿ってスライド移動させることで、この殻付き生卵1のスライド移動の安定性を保ちながら、この殻付き生卵1のスライド移動を該殻付き生卵1の長さ方向に確実に規制することができる。
【0040】
本実施例の場合、前記ガイド体4は、図1に図示したように、樹脂製の薄板材を殻付き生卵1の外径より若干径大な平面視楕円形状に成形し、この平面視楕円形状のガイド体4の殻付き生卵1を支承する表面が平滑なガイド部4Aの長手方向(長径方向)に断面略U溝状の凹条ガイド部6を延設して前記スライド方向規制機構Kとしている。
【0041】
本実施例は、前記ガイド体4を樹脂製としたから、前記スライド方向規制機構Kの一体成型が容易で量産性・コスト性に秀れたものとなる。
【0042】
尚、前記ガイド体4は平面視楕円形状とする以外にも、平面視多角形状(四角形状)等の適宜な形状に設定して良く、また、前記ガイド部4Aの形状も本実施例以外に殻付き生卵1を支承し得る形状であれば良い。
【0043】
また、ガイド体4のスライド方向規制機構Kは、本実施例のようなガイド部4Aに凹条ガイド部6を一体成型する構成以外に、ガイド体4に対して殻付き生卵1をスライド移動させる際に、この殻付き生卵1のスライド移動を長さ方向に規制し得る構造を適宜採用して良い。
【0044】
本実施例の場合、前記ガイド部4Aに殻付き生卵1に切り溝3を形成する際に生じる切削粉を収納する切削粉収納凹部7を設けた構成とし、切削粉収納凹部7内に前記切り溝形成突部5を突設する構成としている。
【0045】
切り溝形成突部5を切削粉収納凹部7内に突設することで、切り溝3の形成時に殻2の切削粉が発生しても、この切削粉が切削粉収納凹部7内に溜まるため、切り溝形成突部5やガイド部4Aの底部面に切削粉が付着しにくくなり、切り溝形成突部5やガイド部4Aの底部面に付着した切削粉により切り溝形成突部5による切り溝3の形成が困難になるということがなく、常に切り溝3の形成が良好に行える。
【0046】
尚、前記切り溝形成突部5は、該切削粉収納凹部7の周辺に設けることもでき、この場合にも上記同様の効果が認められる。
【0047】
本実施例の場合、前記切削粉収納凹部7は、ガイド体4の略中央部に穿孔を設け、この穿孔のガイド部4A側とは反対側の面4B側の開口部が、握持部8の端部面により閉塞状態となるように形成する。また、この際、前記握持部8の前記端部面に前記切り溝形成突部5を予め固定しておくことで、この端部面で前記穿孔の開口部を閉塞する際に、前記切削粉収納凹部7が形成されるようにしている。
【0048】
更に具体的には、内部が中空の筒状部材14の中空部分に樹脂15を流し込み、この樹脂15を少なくとも前記筒状部材14の端部で硬化させて端部面を形成し、この際にこの端部面に切り溝形成突部5の基部を埋設固定している(図3,4参照)。
【0049】
尚、本実施例以外にも、前記切り溝形成突部5がガイド部4Aの切削粉収納凹部7内に突設した状態となるならばどのような方法で切り溝形成突部5を形成しても良い。また、切削粉収納凹部7を設けずに、ガイド部4Aから直接前記切り溝形成突部5を突設した構成としても良い。
【0050】
尚、本実施例は前記握持部8として横断面形状が楕円形の筒状部材14を採用することで、指と指との間に差込み易く且つ指と指との間における挟持がし易い握持部8とすることができる。
【0051】
前記切り溝形成突部5は、切削粉収納凹部7の開口部から上方へ所定長さ突出するように突出量を設定し、ガイド体4に対して殻付き生卵1をスライドさせた際に、この殻付き生卵1の殻2に所定深さの切り溝3が形成されるように構成している。
【0052】
尚、ガイド部4Aから直接前記切り溝形成突部5を突設する場合も本実施例と同様、ガイド部4Aから切り溝形成突部5が所定長さ突出するように突出量を設定する。
【0053】
具体的には、茹で処理中に殻付き生卵1の殻2に亀裂12を誘発する深さの切り溝3が形成されるように前記切り溝形成突部5の突出量を設定する。
【0054】
本実施例の場合、前記切り溝形成突部5の突出量として、殻2の厚みの中程まで達する切り溝3が形成されるように設定するが、殻付き生卵1の種類に応じて殻2に亀裂12を誘発する深さの切り溝3が形成されるように前記切り溝形成突部5の突出量を適宜設定して良い。
【0055】
尚、本実施例は切り溝形成突部5としてカッター刃を採用しているが、本実施例の特性を発揮するものであればカッター刃に限定されるものではない。
【0056】
次に、上述した殻付き生卵の切り溝形成器を使用して殻付き生卵1の殻2に切り溝3を形成する手順及びこの切り溝3を形成した殻付き生卵1を用いた茹で卵の製造方法について説明する。
【0057】
まず、図2に図示したように、ガイド体4の裏面4B側の握持部8を手の平側から指と指との間に差し込み、手の平にガイド体4全体を載置し、図3に図示したようにこのガイド体4のガイド部4Aに殻付き生卵1の周面を支承させてこの殻付き生卵1のスライド移動を行う。
【0058】
本実施例は握持部8を指と指との間に差し込むことで、手の平上のガイド体4が確実に固定されて、ガイド部4Aに対する殻付き生卵1のスライド移動がスムーズに行える。
【0059】
また、本実施例はスライド移動の際、ガイド部4Aの長手方向に延びる断面略U字状の凹条ガイド部6に規制されて殻付き生卵1がこの殻付き生卵1長さ方向にスライド移動する。
【0060】
スライド移動が進むことで、図4に図示したように殻付き生卵1の殻2が切り溝形成突部5により切削されてこの殻付き生卵1の長さ方向に所定長さの切り溝3が形成される。
【0061】
即ち、スライド移動が開始される前の図5に図示したような殻付き生卵1は、ガイド体4に体するスライド移動によって、図6に図示したような殻2の厚みの中程まで達する切り溝3がこの殻2に形成される。
【0062】
次に、本実施例は、図7に図示したように殻2に切り溝3を形成した後の殻付き生卵1を、通常の茹で卵の製造方法に従い加熱して殻付き茹で卵13を得る。
【0063】
尚、本実施例の通常の茹で卵の製造方法とは、水中に殻付き生卵1を浸漬してこの殻付き生卵1を茹で処理(水煮)することで加熱するものであり、本実施例以外にも水に塩や調味料等を混入しても良い。
【0064】
本実施例は、茹で処理中に殻付き生卵1の卵白10が膨張とともに凝固して凝固した卵白10となるが、この際、殻2に圧力が加わり、殻2の切り溝3を形成した部分から、図8に図示したような亀裂12が生じる。この亀裂12は、図9〜12に図示したように様々なパターンのものが形成される。
【0065】
出願人は実験により、殻2に形成される切り溝3の長さが4mm以上の場合に前記亀裂12が良好に生じることを確認している。
【0066】
亀裂12が生じたことにより、図13に図示したように、凝固した卵白10が亀裂12を広げながら更に膨張する。この際に、凝固した卵白10の外側を覆う卵殻膜9も伸びる。
【0067】
また、亀裂12の間隔が広がる際に卵殻膜9に水が浸透する。即ち、卵殻膜9は微細な繊維によりなるフィルター状物であるため、亀裂12から浸透する水(湯)が卵殻膜9に浸透し、このように卵殻膜9に水が浸透することによって、卵殻膜9と凝固した卵白10との密着度合いが低減する。
【0068】
次に、茹で処理後には図14に図示したように、凝固した卵白10が収縮するとともに亀裂12も閉じた状態となる。一方、卵殻膜9は収縮せずに伸びた状態のままとなるため、凝固した卵白10と卵殻膜9との間には間隙が生じる。このように凝固した卵白10と卵殻膜9との間に間隙が生じることで、一層卵殻膜9と凝固した卵白10との密着度合いが低減することになる。
【0069】
次に、この殻付き茹で卵13を殻剥きすると、図15に図示したように卵白10に剥がれのない見た目の良い茹で卵16が得られる。また、本実施例の殻付き茹で卵13は卵殻膜9とこの卵殻膜9の内側の卵白10とが密着した状態でないため、殻剥き作業も非常に簡単に行うことができる。
【0070】
よって、本実施例によれば、従来例のように殻付き生卵1が割れないように指先の力加減を調整しながらこの殻付き生卵1を回転させて切り溝3を形成することなく、凹条ガイド部6が設けられたガイド部4Aに対して殻付き生卵1をこの殻付き生卵1の長さ方向にスライドさせる簡単な操作で殻付き生卵1の殻2に殻付き生卵1の長さ方向に簡易に切り溝3を形成することができ、この切り溝3を形成した殻付き生卵1を加熱することにより殻2の内側の卵殻膜9とこの卵殻膜9の内側の卵白10とが密着した状態でない殻付き茹で卵13を得られることになる。
【0071】
しかも、殻付き生卵1の長さ方向に切り溝3を形成した本実施例によれば、殻付き生卵1の巾方向に形成した場合に比し、茹で処理後に形成される亀裂12をもとに殻剥きするときれいに殻剥きでき、卵白10に剥がれのない見た目の良い茹で卵が得られることも確認している。これは、長さ方向に切り溝3を形成した場合の方が、巾方向に切り溝3を形成した場合に比し、茹で処理中の亀裂12の広がり幅が大きく、この亀裂12から水が浸透し易くなったり、また、亀裂12をもとに殻剥きする際に応力がかかりやすいためと推測される。
【0072】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の斜視図である。
【図2】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の使用例を示す説明図である。
【図3】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の使用状態を示す拡大説明図である。
【図4】本実施例の殻付き生卵の切り溝形成器の使用状態を示す拡大説明図である。
【図5】本実施例の切り溝形成前の殻付き生卵の断面図である。
【図6】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の断面図である。
【図7】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理前の説明図である。
【図8】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図9】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図10】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図11】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図12】本実施例の切り溝形成後の殻付き生卵の茹で処理中の説明図である。
【図13】本実施例の切り溝を形成した殻付き生卵の茹で処理中の断面図である。
【図14】本実施例の切り溝を形成した殻付き生卵の茹で処理後の断面図である。
【図15】本実施例の殻付き茹で卵の殻剥き状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
1 殻付き生卵
2 殻
3 切り溝
4 ガイド体
4A ガイド部
4B 裏面
5 切り溝形成突部
6 凹条ガイド部
7 切削粉収納凹部
8 握持部
K スライド方向規制機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殻付き生卵の殻に切り溝を形成するためのものであって、前記殻付き生卵をスライド移動せしめるガイド体に該殻付き生卵のスライド移動を該殻付き生卵の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構を設け、このスライド方向規制機構により規制してガイド体に対して前記殻付き生卵をスライド移動させた際、この殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する切り溝を形成する切り溝形成突部を前記ガイド体に設けたことを特徴とする殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項2】
前記スライド方向規制機構は、前記ガイド体の前記殻付き生卵を支承ガイドするガイド部を、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部として構成し、この凹条ガイド部の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵を凹条ガイド部に支承し、該殻付き生卵をこの凹条ガイド部の長さ方向に沿ってスライド移動させることでこの殻付き生卵のスライド移動を規制するように構成したことを特徴とする請求項1記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項3】
前記切り溝形成突部は、前記ガイド体のガイド部に設けた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項4】
前記ガイド体のガイド部は、殻付き生卵に切り溝を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部を設け、該切削粉収納凹部の周辺若しくは該切削粉収納凹部内に前記切り溝形成突部を配したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項5】
前記ガイド体の裏面に握持部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項6】
茹で卵の製造方法であって、殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する所定深さの切り溝を形成し、その後、茹で処理することを特徴とする茹で卵の製造方法。
【請求項1】
殻付き生卵の殻に切り溝を形成するためのものであって、前記殻付き生卵をスライド移動せしめるガイド体に該殻付き生卵のスライド移動を該殻付き生卵の長さ方向に規制し得るスライド方向規制機構を設け、このスライド方向規制機構により規制してガイド体に対して前記殻付き生卵をスライド移動させた際、この殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する切り溝を形成する切り溝形成突部を前記ガイド体に設けたことを特徴とする殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項2】
前記スライド方向規制機構は、前記ガイド体の前記殻付き生卵を支承ガイドするガイド部を、断面V字状や断面U字状等の凹条ガイド部として構成し、この凹条ガイド部の長さ方向に長さ方向を合致させて前記殻付き生卵を凹条ガイド部に支承し、該殻付き生卵をこの凹条ガイド部の長さ方向に沿ってスライド移動させることでこの殻付き生卵のスライド移動を規制するように構成したことを特徴とする請求項1記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項3】
前記切り溝形成突部は、前記ガイド体のガイド部に設けた構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項4】
前記ガイド体のガイド部は、殻付き生卵に切り溝を形成する際に生じる切削粉を収納し得る切削粉収納凹部を設け、該切削粉収納凹部の周辺若しくは該切削粉収納凹部内に前記切り溝形成突部を配したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項5】
前記ガイド体の裏面に握持部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の殻付き生卵の切り溝形成器。
【請求項6】
茹で卵の製造方法であって、殻付き生卵の殻に該殻付き生卵の長さ方向に長さを有する所定深さの切り溝を形成し、その後、茹で処理することを特徴とする茹で卵の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−203416(P2007−203416A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26104(P2006−26104)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(506039092)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(506039092)
【Fターム(参考)】
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