説明

毛髪処理剤キットおよび毛髪処理ミックス剤

【課題】 毛髪に対するダメージを最小限に抑えながら、色変化および色落ちを伴わない毛染め先行のパーマ施術ができる毛髪処理キッド剤および毛髪処理ミックス剤を提供する。
【解決手段】 毛髪に対する保護および保全を担当するグリセリンを主成分とするジェル剤と、毛髪に対する補修、補充を担当する加水分解ケラチンを主成分とするケラチン剤と、毛髪に対する毛染め施術およびパーマ施術の効果を増強する動物性のヘマチン剤を混合処方し、毛染め施術およびパーマ施術の前後に前処理剤または/および後処理剤として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容師等が実施する毛髪に対する施術のうち、特に毛髪に大きな負担を強いて健康状態を損なうこととなる毛染めやパーマ施術に際して、施術前、施術中、または施術後の使用することにより、毛髪の損傷を未然に防止するとともに、施術自体の良好な仕上がり、さらには、施術後における施術効果の長期持続を実現することができる毛髪処理剤および毛髪処理ミックス剤に関する。
【背景技術】
【0002】
身だしなみは、社会生活におけるエチケットであり、個性の発現手段でもある。目立ちよい毛髪の手入れは、身だしなみの大きな部分を占める。人の毛髪は、動物と異なり際限なく伸びる特殊なもののようである。また毛髪は、自分の視野に入らない身体部位に存在するとともに、爪等に比べ極めて扱い難い特殊な態様の生体組織であることにより、自分自身でできる手入れには限りがある。したがって、毛髪の手入れは、毛髪に関して職業的な専門知識と技術を有する美容師等に依頼することとなる。
【0003】
毛髪に関する施術には、シャンプー、カット、毛染め、パーマ施術等がある。これらの施術のうち毛染めとパーマ施術は、毛髪表面において鱗片状組織をなして毛髪内部を保護している毛表皮(キューティクル)をカラー剤やパーマ剤を使用して開き、毛皮質(コルテックス)に作用を及ぼす必要がある。毛表皮が開いている間は毛皮質が流れ出てしまい、毛髪の負担や損傷に大きくつながる。
【0004】
パーマ施術においては、毛皮質に作用を及ぼす必要と、毛皮質内の繊維束(フィブリル)間を埋めている間充物質(マトリックス)のシステイン結合を一時的に切り離す(還元)施術であることにより、施術対象とする毛髪が健康毛髪である場合においても、一般論として毛髪に大きな負担や損傷を強いるという問題がある。一般的には、癖毛を修正するストレートパーマにおいても同様のことがいえる。この損傷の問題によって、パーマ施術のやり直しや短期間中の繰り返し施術は、避けるべきであるというのが業界でも常識である。
【0005】
毛染めおよびパーマ施術に関しては、毛質にかなりの個人差が存在するとともに、同一人の毛髪においても、意図したとおり良好に染まる部分と染まらない部分が少なからず出現し、パーマが良好にかかる部分とかからない部分も少なからず出現する。あるいは、施術後に部分的に毛染め部分が色落ちしたり、部分的にパーマ施術部分が解けたりするという問題が指摘されている。このような問題が生じることの原因は、同一人であっても、毛髪一本一本の性質や健康状態が部位毎に異なることによるものであることが知られている。しかし、毛髪一本一本に施術を手加減したり、リタッチしたりすることは極めて煩雑であるため、業界においてこの問題に対する何らかの対応策が要望されている。
【0006】
毛染めを行っても、毛髪は時間の経過とともに伸びてくる。その場合のパーマ施術時、伸びてきた新生毛が黒髪(健康毛)1と、毛染めしてある既染部2が同時に存在することになる(図1参照)。その場合、新生毛部分に対して使用するパーマ1剤は黒髪用のチオグリコール酸を使用するのがよいのか、既染部分(損傷毛)に対して使用するシスティン酸またはシステアミン等のカーリング剤を使用するのがよいのか、について、一本の毛髪中にも状態の異なる部分が存在してしまっており、美容術を職業とする者においても施術が非常に難しく、また悩ませているところでもある。
【0007】
経験的には、前記パーマ1剤をチオグリコール酸単独で使用した場合、既染部2である損傷毛が更なる損傷の原因となってしまう。また、パーマ1剤をシステイン酸またはシステアミン等のカーリング剤単独で使用した場合、黒髪1部分のパーマが良好にかからないという問題が生じる。部位毎に会わせて使用する方法も考えられるが、この場合も施術が非常に困難で、極めて煩雑でありながら非常に多いケースであるため、解決策を迫られている。
【0008】
また、毛染めおよびパーマ施術に関し、いずれを先順位に実施すべきかが業界において久しく議論されているが、いずれの施術を先行させた場合においても、利害得失が出現するために結論を見出せないのが現状である。すなわち、毛染めをした後にパーマ施術を実施する場合には、パーマがかかりやすい反面、連続してキューティクルを開くこととなるため、パーマ1剤の選択の誤りや、パーマ施術前の処理がしっかりとされていない場合、毛髪に大きなダメージを加える結果となる。それとともに、パーマ1剤の選択が適切である場合においても、先に毛染めをしてある部分の毛髪色が変色ないし褪色してしまうと言う問題を誘起する。
【0009】
この褪色の原因は、カラー剤に配合されている酸化染料が、髪の内部で酸化重合して着色しているのを、パーマ1剤に配合されている還元剤(チオグリコール酸、システイン酸等)が作用して、染料を分解してしまうことが第1としてあげることができる。さらには、パーマ1剤にはアルカリ剤(アンモニア、モノエタノールアミン等)も配合されており、その作用によって毛髪の毛表皮(キューティクル)が膨潤し、そのときの染料の流出が原因とも考えられる。
【0010】
一方、パーマ施術をした後に毛染めを実施する場合には、パーマ施術によって立体的に実現したウエーブが、毛染めを施すことによりだらしなく平面的になってしまうウエーブダウンが避けられないという問題も存在する。これについても、対応策を切望されているところでもある。その対応とは、毛染めをしてもウエーブダウンしないこと、毛染め後にパーマ施術をしても既染部分の変色および褪色しないこと、が理想とされている。しかし、現在の業界ではどちらも不可能に近いとされており、なるべく被施術者の希望通りに仕上げるため、いずれの施術をすればよいかという難しい判断を強いられながら、個々のケース毎に決定して実施しているのが現状である。
【0011】
上記問題に対する業界の対応策は、施術善後策としての直接的対応およびシャンプーやトリートメント段階、さらには育毛段階からの対応を含め、各種の提案が錯綜しており、施術者としてもどれをよしとすべきか、また、現実の披施術者の毛髪に対して、どのように加減して使用すべきかが判断できない状況にあるといえる。特許文献で調査しても数多くあるが、その内の代表例として以下に列挙する。
【特許文献1】特開平6−107528号公報
【特許文献2】特開平8−143430号公報
【特許文献3】特開2002−53434号公報
【特許文献4】特開2003−12475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来から指摘されているところの、やり直しパーマや繰り返してのパーマが禁忌されるという問題に対しては、毛髪に負担を掛けない弱いパーマ液を使用する対応策が考えられるが、確実な施術を行う要請とは相反する対応とならざるを得ない。
【0013】
毛染およびパーマ施術に対して、毛質に広範囲の個人差が存在するという問題に対しては、施術者が職業的経験によって判定した被施術者の毛質に応じた配合の薬剤を使用することが理想ではあるが、既配合のパーマ1剤では、この要請に応じることはできない。
【0014】
また、同一人においても毛髪部位によって毛髪の健康度(損傷度)が異なるという問題に対しては、損傷している毛髪部位を事前に補修し、良い意味で毛髪全体の健康度を平準化することが考えられる。この場合の損傷毛髪の補修においては、損失物質を補充する手当を講じることとなるのであるが、従来のような多成分配合のパーマ1剤を使用する場合、補充物質以外の成分のほとんどが無駄になるとともに、無駄な成分によって必要な成分までが希釈されるので、補修効果も顕著には発揮されない。
【0015】
毛染めとパーマ施術の先後に関しては生じる問題に関しては、いずれかを優先させるという従来の対応では、根本的には解決にならないのであって、両立させることが必要である。これを両立させるには、パーマを先順として両立させる方途と、逆に、毛染めを先順として両立させる方途とが考えられるが、パーマ施術を安定化させるためには所定の後処理時間を要し、したがって、パーマを先にした場合、毛染めができるようになるまでは、相当の時間が必要である。また、後順位の施術が先順位の施術に及ぼす須影響の度合いの大小等の点から、毛染め先行施術することが有利であると考えられる。
【0016】
本発明は、長年の職業経験と研究活動を通じて、毛染めおよびパーマ施術において、施術者がなすべきことは、毛髪に対する保護と補修ないし補充、および確実な施術の3点に集約されるとの結論に基づき、毛髪に対する保護、補修ないし補充、施術の確実性にそれぞれ効果的に寄与する成分であって、かつ、これらの成分を混同して使用する場合に、個々の成分の有する効果効能が相加的効果ないし相乗的効果として得られることを条件に、無数ともいえる成分品目中からこの条件を満たす基本的成分品目を選定しこれらを主成分とする独立の毛髪処理剤として調合し、これをキット化することによって、被施術者の毛質の個性や、毛髪の健康度に応じて自在に配合して対応することができる毛髪処理剤キット、並びに、これらの成分を予め好ましい配合割合に調合することによって、使用に際しての配合手段を省くとともに、各成分の効能効果を相加的に発揮できるようにし、効率の良い毛染め先行のパーマ施術を可能とした毛髪処理ミックス剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採用する。
【0018】
本発明の請求項1に記載の毛髪キットは、グリセリンを主成分とし、少なくともポリオクオタニウム−10と加水分解ケラチンを補助成分として含むジェル剤と、加水分解ケラチンを主成分とし、少なくともエタノールとグリセリンを補助成分として含むケラチン剤と、ヘマチンを主成分とするヘマチン剤を独立使用および混合使用可能にキット化したことを特徴とする。
【0019】
上記毛髪処理剤キットを構成するジェル剤の主成分であるグリセリンは、皮膚等に含まれる天然の保湿成分であり、毛髪に対する他の薬剤に混ぜて使用することによって、他の薬剤の作用を安定化するとともに、頭皮に対する刺激を緩和する機能を発揮することができる。毛髪に対しては、柔軟性、潤い、艶を与えながら、毛髪を保護するように機能する。一方、ジェル剤の補助成分としてのポリクオタニウム−10は植物由来の多糖類(セルロース)をプラスイオン化処理したコンデショニング剤であり、主成分であるグリセリンに作用して毛髪を保護する透明皮膜を形成するとともに、艶を出すことを機能とする。また、補助成分としての加水分解ケラチンは、毛髪の構成成分であるタンパク質であり、特に毛髪のダメージ部分から浸透して、損失成分を補充、補修するとともに、毛髪表面のキューティクルにも絡みついて毛髪全体の健康度を均一化する機能を有する。また、加水分解ケラチンは、毛染め用の染料に対する親和性が高く、染料の固着量の増加、色落ち防止機能を発揮する。
【0020】
上記毛髪処理剤キットを構成するケラチン剤の主成分である加水分解ケラチンは、ジェル剤にも補助成分として添加されている成分であり、機能の観点からは略同一の機能を有するが、主成分として用いられていることにより、毛髪に対する加水分解ケラチンの浸透力を強めることができるとともに、補助成分としてのグリセリンは、ケラチン剤の頭皮に対する刺激を緩和し、作用を安定させるように機能する。
【0021】
上記毛髪処理剤キットを構成するヘマチン剤の主成分であるヘマチンは、赤血球中のヘモグロビンに由来するポリフィリン系化合物で、タンパク質との複合体である。このヘマチンは、毛染めやパーマ施術に際しての残留アルカリや、毛髪の老化原因となる活性酸素として機能する過酸化水素を不活化するとともに、毛髪の主成分であるケラチン等のタンパク質と結合することによって、補修、補充効果を高めるように機能する成分である。また、ヘマチンに高度に含まれる鉄分により酸化作用が強く、毛染めやパーマ施術に際しての中間処理や後処理に使用することによって、カラー剤の酸化重合、間充物質のシステイン結合を補助する機能を発揮する。
【0022】
本発明の請求項2に記載の毛髪処理ミックス剤は、毛髪処理剤キットを構成しているジェル剤とケラチン剤並びにヘマチン剤が、予め、4:1:1ないし4:2:1の範囲の混合比率で混合されていることを特徴とする。
【0023】
上記毛髪処理ミックス剤における混合比率は、単独処理剤における主成分の効果が過不足なく発揮される混合比率として経験則的に特定される比率であり、化学的な臨界意義を有するものではない。予め、バランス混合しておくことで、混合ミスを防止するとともに、毛質の判定が困難である被施術者に素早く対応できる便宜さがある。
【発明の効果】
【0024】
本発明の毛髪処理剤キットは、グリセリンとケラチンとヘマチンとの主成分毎に独立して構成されているので、主成分の目的とする用途に単独使用できるほか、これらをどのような比率で混合使用した場合に、どのような効能効果をどの程度の強さで発揮できるかの判断が施術者において容易なため、被施術者の毛質や毛髪健康度に応じて最適の混合比率に調整して使用できる。
【0025】
また、本発明の毛髪処理ミックス剤は、互いに相加的ないし相乗的に機能するように選択された主成分を含むジェル剤とケラチン剤とヘマチン剤とが、含まれる主成分の効能効果が過不足なくバランスして発揮される混合比率によって予め混合されているので、施術に際しての、混合手数を省くとともに、毛質の判定が困難である被施術者に対しても、安心して使用できる。そして、上記段落番号0010に記載した問題も解決でき、毛染め後にパーマを施術でき、加えて、毛染め後のパーマ施術であっても毛髪色の変色や褪色および色落ちを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の毛髪処理剤キットの実施の形態、毛髪処理ミックス剤の実施の形態および使用例を説明する。
【0027】
毛髪処理剤キットを構成するジェル剤、ケラチン剤、ヘマチン剤の好ましい実施の形態を下表に示す。
【表1】

【0028】
表1中、主成分であるグリセリン、加水分解ケラチン、ヘマチンに付記した混合比率は、容積比率を表し、毛髪処理キットを混合することによって、混合全量に対する比率が相対的に低下した場合においても、主成分の効能効果を発揮できるよう設定した数値であり、臨界的な意義はない。また、配合比率を付記しない補助成分の混合比率は、いわゆる適宜量である。適宜量というのは、たとえば、pH調整剤であれば、意図するpHが実現される程度、香料であれば、一般の顰蹙を買わない程度にパーマ臭をマスクする。防腐剤であれば、所定の保存期間腐敗を阻止する程度というような、添加する意義が社会的にも認められる量という意味である。
【0029】
なお、表1中、各処理剤に新たに加えられた補助成分であるブチレングリコールは、無色透明の多価アルコールであり、保湿効果が高く、毛髪の乾燥を防ぐとともに、各配合成分の溶解を助長する可溶化剤でもある。また、ジェル剤とヘマチン剤に添加されるフェノキシタノールは、防腐剤、保湿剤として機能し、微生物の繁殖を防いで長期間製品の品質を維持する働きをする。同様にメチルパラベンも補完的な防腐剤である。
【0030】
また、ケラチン剤に添加されるジメチコンポリオールは、水に親和性を示す液状のシリコンオイルであり、したがって毛髪に潤いを与え、すすぎ洗いや、仕上がり時点の手触りを改善する。そして、乳化剤としても機能し、各成分の均一な分散、エマルジョン化に寄与する。さらには、ヘマチン剤に添加する水酸化ナトリウムは、pH調整剤であり、ヒドロキシプロピルセルロースは、製品に適度な粘性を付加し、乳化状態および分散状態の安定化を担当する、増粘、乳化、分散安定剤である。
【0031】
次に、上記実施の形態を示すジェル剤とケラチン剤とヘマチン剤とを容量比率で4:1:1ないし4:2:1に混合比率に混合した場合の毛髪処理ミックス剤の実施の形態を説明する。なお、これらの混合比率は、厳密な計量によるものでなく、たとえば、ポンプ式容器の1操作量単位での施術現場に即した操作要領に従った計量方法によるものである。
【0032】
【表2】

【0033】
表2は、ジェル剤とケラチン剤とヘマチン剤とを上記混合比率に混合した場合における主成分の混合比率および含まれることとなる補助成分の種類を示している。各主成分の比率が低下するのは、混合操作によって全体量が増加するためである。また、3種類の主成分の効能効果は、主成分の選択段階において予め互いに減殺する方向に作用することの内容に選定されているため、少なくとも相加効果として得られる。
【0034】
(使用例)カラー1剤に毛髪処理剤キットのジェル剤を10%〜20%混合して毛染め施術を実施し、ついで、毛髪処理ミックス剤による前処理を経てパーマ施術を実施した場合の総合評価を説明する。
【0035】
ジェル剤と混合したカラー剤は、毛髪に対する付着性が良好であって、適度な粘性に加えて伸びも良好であり、手際よく毛髪全体に塗り込むことができる。仕上がり状態におけるカラーの色のりが十分であって、発色明度も高い。手触り、艶、柔軟性も十分である。引き続くパーマ施術においては、毛髪処理ミックス剤による前処理の効果が実感される。すなわち、加水分解ケラチンが、毛髪の内外をしっかりと補修して、毛髪のハリとシコリを付与していることが見られる。
【0036】
そのケラチンと結合する性質を有するヘマチンは、毛髪内部に存在する披施術者自身のケラチンと結合し、さらにハリとコシを強化するように相乗的に機能し、先行施術した毛染め効果を固定的なものとすることができる。この際グリセリンは、ケラチンとヘマチンを安定に混ぜ合わせ、毛髪内部に浸透させるように機能する。グリセリンとヘマチンとは、全体として、ダメージによって毛髪から失われた成分をその成分により近いもので補充、補修、保護し、ダメージ毛髪を健康毛髪に近い状態に近づけるように機能するのである。
【0037】
そして、毛髪が健康毛髪に近い状態となることによって、通常より強めのパーマ液の使用が可能となり、この結果、先行施術した毛染めの効果を阻害することなく短時間内に毛髪に再ダメージを加えることなく、リッジ感豊かなパーマ仕上げをすることが可能となるのである。
【0038】
すなわち、ジェル剤、ケラチン剤およびヘマチン剤を適量混合することによって、その主成分に対して相互の共通する補助剤が作用して、相互の有効な成分を融合協同させ、その主成分の有する効能、効果を相加的、相乗的に毛髪に及ぼし、施術に適した好条件下に導くのである。
【0039】
この結果として、披施術者のほとんどが黒髪1と既染部分2が混在している場合(図1参照)であっても、施術効率の良い毛染めを先行させ、その毛染めにより黒髪1と既染部分2との健康度の差を縮め全て既染部分3の既染状態とする(図2参照)のである。そして、段落番号0006および007に記載したパーマ1剤による既染部分2の変色や褪色等の欠点を解消でき、パーマ1剤の選択という業界全体の悩みも解消され、被施術者には、損傷を最小限に抑制された均一で長持ちするウエーブを施術でき、染毛したパーマ4(図3参照)が提供できるのである。さらには、癖毛の修正も容易にできるので、ストレートパーマにも適用して、その作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明にかかる毛染めした後、時間経過後の状態を示す模式図。
【図2】本発明にかかる毛染めを示した模式図。
【図3】本発明にかかる毛染めしてウエーブ状態を示す模式図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリンを主成分とし、少なくともポリクオタニウム−10と加水分解ケラチンを補助成分として含むジェル剤と、
加水分解ケラチンを主成分とし、少なくともエタノールとグリセリンを補助成分として含むケラチン剤と、
ヘマチンを主成分とするヘマチン剤とを、
独立使用および混合使用可能にキット化してなる、毛髪処理剤キット。
【請求項2】
請求項1に記載のジェル剤とケラチン剤とヘマチン剤とを4:1:1ないし4:2:1の範囲の混合比率で混合してなる、毛髪処理ミックス剤。


























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−137990(P2008−137990A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2007−273293(P2007−273293)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(307039617)
【Fターム(参考)】