説明

毛髪処置用光反応性ポリマーおよび装置

本発明は、持続的なウェーブ、カール、または直毛状態を実現する新規な毛髪処置法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、毛髪の処理および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景
毛髪をカールさせたりまっすぐに延ばしたりするプロセス、すなわち、「パーマ」をかけるプロセスは、時間を要するプロセスであり、通常、ヒトの健康および環境に有害となりうる強力な化学物質を使用する。こうしたプロセスの多くでは、毛髪タンパク質内のジスルフィド結合の化学的還元およびその後の酸化を利用して、毛髪に生じさせたカール状態または直毛状態といった物性を維持している。
【発明の開示】
【0003】
概要
本発明は、特定の水溶性の光反応性ポリマーを、単純で簡便な毛髪処置法によって使用すると、毛幹を持続的かつ可逆的に剛性化させることができ、毛髪を持続的にウェーブ、カール、または直毛状態とすることができるいう知見にもとづくものである。
【0004】
本発明は、一般的には、毛髪を処置して毛幹の持続的で可逆的な剛性化を誘導する方法を特徴とするものである。この方法は、必要に応じて毛髪を濡らし、水溶性の光反応性ポリマー、たとえば、光反応性部分を含むポリマーを毛髪に適用する工程(ここで、光反応性ポリマーは、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導された部分を少なくとも含んでおり)、毛髪を所望の形状に形状付与する工程、およびポリマーを、特定波長で、ポリマーを水不溶性とするのに十分な時間照射し、所望の形状を保持するうえで十分な程度まで毛幹を剛性化させる工程を含んでいる。たとえば、毛幹は、ウェーブ形状、直毛形状、またはカール形状に形状付与することができる。
【0005】
こうした方法では、ポリマーを架橋させるのに十分な波長で、ポリマーを架橋させるのに十分な時間にわたってポリマーの照射を行うことができる。パーマを除去する場合には、ポリマーの架橋を除去して、所望の形状を取り除けば、パーマは容易に除去できる。
【0006】
別の局面では、本発明は、放射する透明な円筒部を備えたヘアカーラーを特徴とするものである。このヘアカーラーは、円筒部に毛髪を巻き付けた後に、円筒部をパチンと覆って、毛髪を所定位置に保持する円筒状カバーをさらに備えるものとすることができる。この新規なヘアカーラーは、化学発光またはリン光光線による放射をすることができる、または、電気駆動の電球またはLEDを備えることができる。
【0007】
本発明は、毛髪カール装置も特徴とするものであり、この毛髪カール装置は、ハンドルと、ハンドルにとりつけられ、放射する円筒状コアと、コアをぴったり覆う細長のカバーであって、毛髪がコアに巻き付けられている場合、または、毛髪が、コアとカバーとに挟持されて引っ張られている場合には、毛髪をコア上に保持するよう設計されたカバーとを備えている。
【0008】
また別の局面では、本発明は毛髪直毛化装置も特徴とするものである。この毛髪直毛化装置は、放射する細長の透明板と、平坦部にとりつけられたハンドルと、平坦なカバーであって、毛髪が平坦部分と平坦カバーに挿入され挟持されて引っ張られている場合には、毛髪を細長の平坦部分上に保持するよう設計されたカバーとを備えた装置を備えている。これらの装置は、双方とも、紫外線を発するよう設計することができる。
【0009】
また別の局面では、本発明は、毛髪を調色する方法を特徴とするものである。この方法は、水溶性の光反応性ポリマーを毛髪に適用する工程(ここで、光反応性ポリマーは、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導された部分を少なくとも含んでおり)、このポリマーを、特定波長で、ポリマーを水不溶性とするのに十分な時間照射する工程、および調色剤を毛髪に適用する工程を含んでいる。調色剤は、染料を含むものとすることができる。この方法は、ポリマーを除去して調色剤を除去する工程をさらに含むものとすることもできる。
【0010】
また別の局面では、本発明は、毛髪処置用のキットを特徴とするものである。この毛髪処置用のキットは、水溶性の光反応性ポリマーを備え(ここで、光反応性ポリマーは、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導された部分を少なくとも含んでおり)、このポリマーを使用して毛髪を処置するに際しての取扱説明書を備えている。このキットは、調色剤と、毛髪の調色に関しての取扱説明書とをさらに備えるものとすることができる。毛髪を処置することにより、毛幹の持続的で可逆な剛性化を誘導することができる。キットは、ポリマーを除去する薬液、たとえば光回復酵素をさらに含むものとすることができる。
【0011】
他の局面または態様としては、上記の局面の諸特徴および/または下記の1種または複数の特徴の組み合わせを挙げることができる。上記部分は、実質的に光反応性ポリマー全体である。毛幹は、ウェーブ状に形状付与することができる。毛幹は、直毛状に形状付与することができる。毛幹は、カール状に形状付与することができる。ポリマーは、ポリマーを架橋させるのに十分な波長で、ポリマーを架橋させるのに十分な時間にわたって照射する。波長は、約200 m〜約600 nmの範囲である。波長は、約250 m〜約400 nmの範囲である。上記方法は、ポリマーの架橋を除去して、所望の形状を取り除くことによって、所望の形状を取り除く工程をさらに含むものである。この除去は、光回復酵素を用いて行うことができる。光反応性モノマーは、ビニルベンジルチミン、ビニルベンジルウラシル、ビニルフェニルシンナメート、ビニルクマリン、ビニルカルコン, ハロゲン化N-アクリロイルアミドピリジニウム、またはそれらの混合物である。光反応性モノマーは、約3重量%〜約50重量%のポリマーを含む。光反応性モノマーは、約10重量%〜約25重量%のポリマーを含む。この方法は、光増感剤の使用を含むものである。光増感剤は、たとえば、ベンゾポルフィリン、ベンゾフェノン、シンナマート、メチレンブルー、フルオレセイン、またはそれらの混合物である。水溶性モノマーは、イオン部分である。水溶性モノマーは、非イオンであり、水素結合可能な基を含むものである。水溶性モノマーは、ビニルベンジルアンモニウム陽イオン、ビニルベンジルスルホニウム陽イオン、N-アルキルビニルピリジニウムイオン、ビニルフェニルスルホネート陰イオン、ビニルベンゾエート陰イオン、ビニルフェニルホスフェート陰イオン、ビニルベンズアミドイオン、ビニルフェニルスルホンアミドイオン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキサゾリン、またはそれらの混合物である。ヘアカーラーは、円筒部に毛髪を巻き付けた後に、円筒部をパチンと覆って、毛髪を所定位置に保持する円筒状カバーをさらに備えている。ヘアカーラーは、化学発光放射またはリン光放射を発する。
【0012】
毛髪の「永続的で可逆的な」ウェーブ、カール、直毛状態とは、各毛根が剛性化しており、誘導したのがウェーブ、カール、直毛状態のいずれかであるかを問わず、そうした状態が、ある程度の時間、または毛髪がパーマを除去すべく特別の方法で処置するまで保たれることを意味する。持続的なウェーブを除去する処置を所定期間内に行わなかった場合には、毛髪が繰り返し洗浄操作にさらされることによっても、パーマの緩和または除去が進行し、毛髪が自然の状態を回復することができ、この点は、通常の化学パーマとおおむね同様である。この新規な方法独自の利点としては、パーマを、所望に応じて任意の時点で元に戻せることが挙げられる。
【0013】
本発明で「〜から誘導された」を使用する場合には、関連モノマーから重合によって生成されたこと、関連モノマーからグラフティングによって生成されたこと、および/またはそうした部分の合成による修飾によって生成されたことを意味するものである。
【0014】
本明細書で使用する技術的、科学的な用語は、いずれも、特記しない限り、本発明の属する分野の当業者が理解するところの意味と同じ意味を持つものである。本明細書に記載したものと類似した、または同等の方法および材料も、本発明を実施または試行する際に使用が可能であるが、以下に、適当な方法および材料を記載する。本明細書において言及した刊行物、特許出願、特許をはじめとする参照対象は、いずれも、本明細書で言及することをもって、その全体を本明細書に組み込むものである。抵触した場合には、各種定義を含む本明細書により規制される。また、材料、方法、および事例は、本発明を例示するために示すものであり、本発明を限定するものではないと理解されたい。
【0015】
この新規な毛髪の処置方法および装置は、毒性がなく、毛髪に永続的なウェーブを付与する際に通常使用される有害なプロセスを使用する必要がない。公知の化学的「パーマ」液と比べると、この新規な方法および組成物では、必要な溶液は1種のみであり、処理時間が有意に低減し、家庭でも簡単に使用でき、毒性のない第二の溶液を適用することにによって任意の時点で「パーマ」を簡単に除去することができ、毛髪に与えるダメージが少なく、待ち時間またはセット時間が不要である。
【0016】
本発明の1つまたは複数の態様の詳細を、添付図面および以下の記載で説明する。本発明のそれ以外の特徴、目的、利点は、記載、図面、および特許請求の範囲から理解されるはずである。
【0017】
詳細な説明
一般的な方法
この新規な方法は単純で、単一の溶液を使用する。一般的工程は、毛髪を濡らし、ポリマーを毛髪に適用し、毛髪を所望の形状に形状付与し、ポリマーを硬化させて、所望の形状を保つうえで十分な程度まで毛幹を剛性化するというものである。所望の形状としては、たとえば、緩めまたはきつめのカール、やわらかめのウェーブ、または直毛状態を挙げることができる。ポリマーは、水溶性の光反応性ポリマー、たとえば水溶性フォトレジスト(WSPR)とすることができ、適当な光線で照射することによって、たとえばWSPRの架橋によって、水不溶性化し、剛性化することができる。この毛幹表面のポリマーの剛性化、たとえば架橋によって、毛幹も剛性化し、毛幹が所望の形状を保つことが可能となる。
【0018】
パーマは、所望に応じて、第二液を毛髪に適用することによって除去することができる。この第二液は、ポリマーの架橋を除去して、ポリマーを水溶性とし、毛髪から洗い流せるようにするものである。
【0019】
光反応性ポリマー
この新規な方法に使用するポリマーは、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導した部分を含む任意のポリマーとすることができる。水溶性モノマーは、たとえば、陽イオンおよび陰イオンモノマーとすることができ、また、水素結合による水和を促進するべく、炭素に対して適切な比の酸素および窒素を含有するものとすることもできる。有用な水溶性モノマーの例としては、ビニルベンジルアンモニウム陽イオン、ビニルベンジルスルホニウム陽イオン、N-アルキルビニルピリジニウムイオン、ビニルフェニルスルホネート陰イオン、ビニルベンゾエート陰イオン、ビニルフェニルホスフェート陰イオン、ビニルベンズアミドイオン、およびビニルフェニルスルホンアミドイオンを挙げることができる。適当な非イオンモノマーとしては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキサゾリン、たとえば2-エチル-2-オキサゾリンを挙げることができる。
【0020】
適当な光反応性モノマーは、可溶化モノマーとともに重合できなければならない。これはまた、照射時に、分子内に可溶性または極性の変化を誘導して、バルクポリマーに巨視的な変化を与えなければならない。有用な例としては、ビニルベンジルチミン、ビニルベンジルウラシル、ビニルフェニルシンナメート、ビニルクマリン、ビニルカルコン, ハロゲン化N-アクリロイルアミドピリジニウムを挙げることができる。
【0021】
適当な照射、たとえば紫外線(UV)による照射を行うと、これらの光反応性ポリマーは活性化、たとえば架橋などの反応を経て剛性化し、水不溶性となる。
【0022】
この用途で使用することのできる具体的なポリマーとしては、水和部分と、照射時に架橋反応、たとえば[2+2]光二量体化(環化)反応を生じるペンダント光反応性部分とを有するポリマー、たとえばポリスチレンポリマーを挙げることができる。光反応性部分の例としては、ポリマー鎖の[2+2]環化反応に参与しうるチミン(たとえば、ベンジルチミン)、ウラシルなどの有機分子を挙げることができる。こうしたポリマーは、多官能性のビニルベンジルおよびビニルフェニルペンダントチミン(および/またはウラシル)基を含むことができ、たとえば、米国特許第5,708,106号および米国特許第5,455,349号に記載されている。他の例としては、シンナマートを含むポリマー(Nakayama et al., Polymer Sci., Part A: Polymer Chemistry (1992), 30(11):2451-7)、クマリンを含むポリマー(Delzenne et al., Ind. Chim. Belge (1967), 32(Spec. No.), 373-8)、およびカルコンを含むポリマー(Mihara et al., Polymer Journal (Tokyo, Japan) (2002), 34(5), 347-355)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。他の有用なポリマーとしては、「New Thymine and Uracil Photopolymers」Cheng et al., Proceedings of the IS&T's 47th Annual Conference. The Physics and Chemistry of Imaging Systems, 810, 1994; 「Copolymeric Mordants and Photographic Products and Processes Containing Same」、Grasshoffら、米国特許第5,395,731号(1995年3月7日); 「Vinylbenzyl Thymine Monomers and Their Use in Photoresists」、Grasshoffら、米国特許第5,455,349号(1995年10月3日); 「The Synthesis of 1-[Vinylbenzyl]thymine, A Very Versatile Monomer」、Cheng et al., J. Polymer Sci., Part A: Polymer Chem. 1995, 33, 2515; 「Method of Imaging Using a Polymeric Photoresist Having Pendant Vinylbenzyl Thymine Groups」、Grasshoffら、米国特許第5,616,451号(1997年4月1日); および「Copolymers Having Pendant Functional Thymine Groups」、Grasshoffら、米国特許第5,708,106号(1998年1月13日)に記載されたものを挙げることができる。多くのこのようなモノマーおよびこのようなモノマーから製造されたポリマーは、市販されている。
【0023】
光反応性ポリマーを水不溶性とする際に使用することのできる別の光活性化機構としては、ピリジニウムイリドが関与する光環拡大プロセスが挙げられる(Streith, Chimia (1991) 45(3):65-76)。一般に、共有結合を生じたり、分子の極性が劇的に変化したりして、ポリマーが水不溶性となる光反応は、いずれもこのプロセスで有用のはずである。
【0024】
ポリマーの光反応性部分は、約3重量%〜50重量%、たとえば4重量%、5重量%、7重量%、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、または45重量%のポリマーを含む。
【0025】
毛髪に適用し、毛髪を所望の形状にセットしたら、水溶性ポリマーを、ポリマーを架橋または他のかたちで活性化して水不溶性とするのに十分な時間照射する。ポリマーの架橋を生じさせるにあたっては、特定の波長、たとえば285 nmの広帯域の(broad)紫外線または化学線、たとえば紫外線を使用することができる。ポリマーの照射は、たとえば、光反応性部分の間での[2+2]環化反応を開始させ、その結果、ポリマーは水不溶性となり、毛髪に付着し、しかも、他の環境条件(たとえば、空気および水)に対して安定となる。それにもかかわらず、各毛幹上のポリマー被膜は、毛髪全体の感触が損なわれることはない。
【0026】
光反応性部分としてチミンを含む上記の具体的ポリマーは、波長が約285 nmの光によって活性化または架橋される。別のポリマー系は、波長が最大約360 nmの光の照射に対して応答する。また、光の有効波長は、たとえば、ポリマーの主鎖に増感剤を導入することによって光増感コモノマーを加えたり、適用溶液に増感剤を加えたりすることによって、調整できる。これらの双方の方法とも、エネルギー移動によって、ある波長の分子が光反応を所望の波長に増感することを可能とするものである。添加しうる好適な光増感剤としては、ベンゾポルフィリン、ベンゾフェノン、シンナマート、メチレンブルー、およびフルオレセインを挙げることができる。
【0027】
使用可能な他のポリマーは、比1:4および1:8のビニルベンジルチミン[VBT]およびトリエチルアンモニウムビニルベンジルブロミド[TEQ]からそれぞれ誘導が可能である。これらのポリマーの合成の詳細については、以下の実施例に記載する。また、桂皮酸誘導体にもとづく他の光ポリマー系も、この新方法で機能する。
【0028】
毛髪ドライヤーなどから加えた熱も、光反応性ポリマーの架橋を促進しうる。水溶性添加剤、たとえば、水溶性アゾ重合開始剤も、光反応性ポリマーの架橋を促進するうえで使用できる。アゾ重合開始剤は、適当な半減期温度、たとえば10時間半減期温度Tのものを選択することができる。水溶性アゾ重合開始剤の例としては、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(T=41℃)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物(T=57℃)、および2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド] (T=86℃)を挙げることができる。水溶性アゾ重合開始剤はWako Chemicals USA(バージニア州Richmond)より入手可能である。
【0029】
ポリマーが毛髪の「形状」を保つ時間の長さは、ポリマーの種類(特に、ポリマーを誘導する際に用いるモノマーの組成)によって制御することができる。つまり、パーマの「持ち」時間の長さは、以下のうちの1種または複数種を調整することによって制御が可能である。すなわち、(1)ポリマーに含有させる光反応性モノマー対可溶化モノマーの比を増大させることができ(こうした結果は多くのパラメータに応じて変化するが、ポリマー比を1:1とした場合には、パーマの持続時間は最長となり、1:2の比の場合には、より短く、1:4の比の場合には、さらに短く、1:8の比の場合には、さらに短く、1:16とした場合には、極めて短期間しかもたないことになる)、(2)ポリマーの照射時間を変化させることもでき可能であり(一般に、照射時間が長いほど架橋密度が高く、ポリマーの「持ち」もよくなる)、かつ(3)光反応性モノマーの種類を変化させることも可能である。こうした方法により、多岐にわたる「光活性」を実現することができる。たとえば、チミン系の光反応性ポリマーは、シンナマート系の光反応性ポリマーより感度が高く、照射量が同じであれば、チミン系ポリマーの方が、シンナマート系よりパーマの持ち時間が長い。
【0030】
照射源
光照射は、日焼けサロンで使われているような通常の紫外線ランプ、または特別のランプを使用することによって、処置済みの毛髪に適用することができる。たとえば、通常のミネラルランプの薄層クロマトグラフィー用照射装置(たとえば、Mineralight(登録商標)-Model UVGL-25、VVP, Inc.)を使用することができる。 家庭では、通常の「ブラックライト」を使用することができる。任意の紫外線源が使用可能である。もちろん、最大約360 nmまたはそれ以上の長めの波長まで活性を広げた光ポリマーを選択することも可能である。こうした場合には、波長が長めの光源、たとえば、可視波長の光源、たとえば、通常の白熱電球を使用することができる。
【0031】
処置済みの毛髪は、たとえばランプを用いて「外側」から照射することも、また、内部に光源を備えた「カーラー」を用いて、毛髪のカールの「内側」から照射することもできる。たとえば、透明円筒部から光を発する毛髪「カーラー」を作製することができ、この場合には、毛髪の束をカールの「内側」から直接照射することが可能となる。毛髪は、適当な光源を用いて、紫外線透過性の円筒部を通して内部から照射することができる。こうすることで、カールの「内部」または凹部側の毛髪の束を処置することが可能となる。光は、外部の光源から加えて、カールの「外部」または凸部側の毛髪の束を処置しうるようにすることも可能である。用途によっては、双方の照射方法を組み合わせることが望ましい場合もある。
【0032】
図1Aは、適切な放射を行う(たとえば、適切な量および波長の光線を発して)本明細書に記載したポリマーの1種を光学的に活性化する1種または複数の化学物質が入った透明なプラスチック製の円筒部10を図示すものである。
【0033】
この装置は、内部に2成分が収められ、この2成分が壁部または膜によって隔離されている単回使用の使い捨てのプラスチック製円筒部とすることができる。図1Bに示すように、円筒部をねじるか押しつぶすかすると、内部の壁部または膜が破損して、2成分、たとえば2種の化学溶液が混ざり、化学発光が生じる(照射11として図示)。
【0034】
図2A〜2Cは、新規な発光毛髪カーラーの使用を示すものである。図2Aに示すように、2成分が壁部または膜(図示せず)によって隔離されて収納された安価な使い捨てのプラスチック製円筒部20に、毛髪25を巻き付ける。円筒部をねじるか押しつぶすかすると、内部の壁部または膜が破損して、2成分、たとえば2種の化学溶液が混ざり、化学発光21が生じ、適切な波長の光が発せられる。ポリマーと光の性質とを、光架橋反応が進行し、「自宅で自分で」実施できるプロセスが実現するように適合させる。毛髪は、円筒部20上の所定位置に、カバー22によって保持され、このカバー22は、プラスチック製とし、円筒状コアに巻き付けられた毛髪を所定位置に保持するためにちょうどよいサイズの円筒に開裂部を設けた形状とすることができる。(中央円筒部から発せられる内部照射だけでなく、)外部からも紫外線ランプで照射できるようにするには、適切な紫外線に対してカバー22を透過性とするか、カバー22に切り欠き部または開口部を設けて、中央円筒部に巻き付けた毛髪に光があたるようにすればよい。このように、ユーザーには、円筒部20からの内部照射を行うか、(中央円筒部が単なる内実または中空のプラスチックである等により中央円筒部が自ら発光しない場合などに)外部照射を行うか、その両方を行うかという選択肢がある。
【0035】
中央透明円筒部の化学的に出力される光は、光発色性物質(たとえばMcCapra, 「The chemiluminescence of organic compounds」 Q. Rev., Chem. Soc. (1966), 20(4):485-510に記載されたLuminol(登録商標))を使用する場合のように「単回使用」の光とすることも、リン光物質(たとえば、Alfrey, G. F. 「Luminescence of zinc sulfide and cadmium sulfide」 Proc. Int. Conf. Lumin. (1968), Meeting Date 1966, 1040-3に記載された硫化亜鉛)を使用する場合のように「多回使用」の光とすることもできる。これらの多回使用光の円筒部は、円筒部を光源下に所定時間保持することによって、「再チャージ」することができ、その後毛髪を円筒部に巻きつけてカールさせることができる。
【0036】
別の態様では、中央円筒部は、化学光源ではなく標準的な光源を備えるものすることができる。たとえば、透明円筒部には、電池駆動または1本または複数の電線で電源に接続した電気で発光する光(たとえばLEDまたは通常の電球)のセットを収納することができ、この電線は、円筒部内から、円筒部外部に続く1本の電源コードまで延在している。複数の円筒部は単一の電源コードに接続することができ、システム全体を接地して、電気ショックを防止することができる。
【0037】
毛髪は、発光毛髪カール装置または発光毛髪直毛化装置を使用することによっても、所望の形状にセットすることができる。たとえば、図3に、中央円筒部が透明で、適正な波長で透過または放射して、本明細書に記載したポリマーの1種を光活性化するようになっている以外は標準的な「カール用アイロン」に似た毛髪カール装置を模式的に示す。この発光毛髪カール装置は、ハンドル30と、照射31を透過または放射する透明円筒部32と、円筒部32に対して毛髪を保持する細長の部材34とを備えている。
【0038】
使用にあたっては、ある長さの毛髪を、円筒部32と細長の部材34の間に載置し、部材34を枢動点またはヒンジ36のまわりに枢動して、毛髪を円筒部32に対して挟持する。毛髪は、円筒部を巻くようにカールさせることも、単に円筒部上に載置して引っ張って部分的にカールまたはウェーブさせることもできる。中央円筒部は、受動部材として、すなわち、紫外線ランプ等の外部光源からの光を透過するのみとすることも、能動部材として、すなわち、円筒部32のすべての側から放射が行われる内部光源を設けることもできる。細長の部材34は、透明とし、必要に応じて外部照射を照射可能とすることができる。
【0039】
中央円筒部32を加熱して、毛髪を乾燥する効果を得ることもできる。細長の部材34以外の手段を使用して、毛髪を円筒部32に対して一時的に挟持することもできる。中央円筒部32は、交換可能な化学発光装置とすることも、電気駆動(たとえば、ハンドル30に収納した電池、または電源コードによる。図示せず) として標準的な電球またはLEDを収納することもできる。
【0040】
図4には、毛髪を直毛化する際に使用する同様の装置を示す。この装置は、ハンドル40と、平坦な透明プレート42とを備えている。このプレートは、受動部材として、紫外線ランプ等の外部光源からの光を透過するのみとすることも、能動部材として、発光毛髪カール装置について本明細書に記載したように、プレート42の内部から、光41を生成および放射するようにすることもできる。毛髪は、ヒンジ46のまわりを枢動させることのできる細長のカバープレート44によって、プレート42に対して保持される。使用にあたっては、毛髪をプレート42および44の間に載置すると、毛髪は、毛髪がプレート間に挟持され、引き出される間、所定位置に挟持される。プレート42が光41を放射するようにすることも、外部光源からの光を透過するようにすることも可能である。その代わりに、またはさらに、カバープレート44を適正な波長の照射に対して透過性とした場合には、照射は、カバープレート44を透過することができる。
【0041】
透明プレート42は、加熱して、毛髪を乾燥する効果を得ることもできる。細長のカバープレート44以外の手段を使用して、毛髪をプレート42に対して一時的に挟持することもできる。プレート42は、交換可能な化学発光装置とすることも、電気駆動(たとえば、ハンドル40に収納した電池、または電源コードによる。図示せず) として標準的な電球またはLEDを収納することもできる。
【0042】
パーマの除去
パーマは、任意の時点で、特定の洗浄液を適用することによって、ただちに除去することができる。パーマをゆるめるには、毛髪を被覆するポリマーを処理して架橋を取り除く必要がある。たとえば、ポリマーで被覆した毛髪を、[2+2]環化ポリマー等を認識する酵素と接触させて、毛髪上にポリマーと酵素の混合物を形成することができ、その後、シャワーまたは浴室で、架橋を分解するのに十分な時間、たとえば数秒または数分にわたって、周辺光(たとえば黄色光または可視光)等でこの毛髪上の混合物を、照射して、ポリマーを可溶化することができる。
【0043】
[2+2]環化ポリマーを認識する酵素は、各種細菌(たとえば、DNA光回復酵素がphr遺伝子によってコードされている大腸菌)および他の生物(たとえば魚類およびカエル類)起源の光回復酵素、たとえばDNA光回復酵素および他の光回復酵素とすることができる。洗浄液には、触媒量(たとえば0.1重量%〜1重量%)の酵素のみ含まれていれば十分である。
【0044】
パーマをかけた毛髪の染色
処置済みの毛髪は、調色剤で「染める」こともできる。この着色状態は、必要に応じて、本明細書に記載したようにしてポリマーを適用および除去することによって、保持および除去することができる。この方法によって、毛髪と分子レベルで実際に相互作用することはないもの、固定化したポリマーと結合することによって毛髪と結合するような着色剤を適用することが可能となる。その結果、必要に応じてポリマーを除去することによって適用期間を制御できるような可逆的なプロセスが実現する。この新規な方法に使用しうる染料としては、米連邦食品医薬品化粧品法で承認された染料が数種存在する。染料を、非毒性で陰イオンの着色剤とした場合には、この着色剤は、陽イオンの光反応性ポリマーとともに使用することができる。また、着色剤を陽イオンとした場合には、この着色剤は、陰イオンの光反応性ポリマーとともに使用することができる。
【0045】
こうした染料の溶液を処置済みの毛髪に適用すると、固定された陽イオンポリマーが陰イオン染料を静電的に吸引することにより、毛髪が「調色」される。パーマ法の場合と同様、ポリマーを当初の段階で可溶とするには、光反応性モノマーを水溶性のモノマーと共重合させる。これらのポリマーは、通常、イオンであり、(正に帯電した)陽イオンまたは(負に帯電した)陰イオンのいずれかである。光反応性ポリマーが毛髪上で架橋等により硬化され、水不溶性となったら、処置済みの毛髪を染めることができる。逆に帯電した染料の水溶液が毛髪に提示されると、染料は、静電力によってポリマーに「付着」する。
【0046】
体表的な手順は以下のとおりである。すなわち、米連邦食品医薬品化粧品法で承認された染料染料の5%水溶液を用意する。本明細書に記載した光反応性ポリマーの1種を用いて(適切な照射によって)処置した毛髪を洗浄し、その後、染料溶液に浸したタオル製の塗布器具で、この毛髪を「拭く」。その後、毛髪を溶液が塗布された状態で5分間静置し、毛幹上のポリマー塗膜に結合せずに残った染料を、洗浄して取り除く。染料は、また、ゲル等の標準的な担体に含有させて適用し、手袋を嵌めた指先で毛髪に揉みこむこともできる。この場合も、過剰な染料はすすいで取り除く。ポリマーで処置して毛髪にパーマをかけておいてから、染料を適用してもよいし、染料を加える前に毛髪を形状付与しておかなくてもよいのであれば、毛髪を通常どおり乾燥させることもできる。一方、染料は、染料がポリマーの光活性化を阻害しないかぎりは、光反応性ポリマーにあらかじめ共有結合等によって結合させておいて、一工程で毛髪に適用することもできる。
【0047】
染料は、本発明に記載した光回復酵素洗浄液を適用することによって除去することができる。ポリマーを除去すると、染料もポリマーとともに除去される。したがって、染料は、毛髪が伸びるのを待ってカットしたり、他の染料を使用して元の染料をカバーしたりしなくても、所望の時点で除去することができる。
【0048】
実施例
以下の実施例で、本発明をさらに説明する。特許請求の範囲に記載された本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0049】
実施例1
臭化トリエチルアンモニウムビニルベンジル(TEQ)の合成
10 mlの塩化ビニルベンジルと9.9 mlのトリエチルアミンを、70 mlのイソプロパノールとともに丸底フラスコに加えた。混合物を、24時間にわたって撹拌した。その後、溶液を氷浴中で冷却したところ、液中に白色の結晶が生じた。この結晶を集め、冷イソプロパノールで洗浄した。濾液をとっておいたところ、しばらくして、濾液中に結晶が生じた。溶液を再度冷却し、結晶を集めた。この操作を、溶液から結晶が析出しなくなるまで繰り返した。結晶を、真空炉中で乾燥させた。
【0050】
実施例2
(VBT)1:(TEQ)4の比でのビニルベンジルチミンの合成
2グラムのビニルベンジルチミンン(VBT)と8.364グラムのTEQを秤量して丸底フラスコに加えた。40 mlのイソプロパノールを加えた。溶液を撹拌して、65℃に加熱した。65℃で、0.1グラムの2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(AIBN)を一度フラスコに加えた。溶液を、65℃に保持し、24時間撹拌した。溶液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで蒸発させて溶液を濃縮した。その後、濃縮溶液を室温まで冷却し、約200 mlのアセトンに、(撹拌しながら)加えた。白色の粉末状固形物が、アセトン/イソプロパノール混合物から析出した。この粉末をアセトン中で撹拌後、濾過し、アセトンで洗浄した。
【0051】
実施例3
(VBT)1:(TEQ)8の合成
1グラムのビニルベンジルチミンン(VBT)と8.364グラムのTEQを秤量して丸底フラスコに加えた。40 mlのイソプロパノールを加えた。溶液を撹拌して、65℃に加熱した。65℃で、0.1グラムの2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(AIBN)を一度フラスコに加えた。溶液を、65℃に保持し、24時間撹拌した。溶液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレータで蒸発させて溶液を濃縮した。 その後、濃縮溶液を室温まで冷却し、約200 mlのアセトンに、(撹拌しながら)加えた。白色の粉末状固形物が、アセトン/イソプロパノール混合物から析出した。この粉末をアセトン中で撹拌後、濾過し、アセトンで洗浄した。
【0052】
実施例4
毛髪の持続的なカール
パスツールピペットで、20% の(1:4 VBT/TEQ)/(水)溶液を、4.5インチの毛髪の束(太さ約1/4インチ)に加えた。この毛髪の束を、直径1 cmのワイヤ棒に巻きつけた。この濡れた毛髪を、そのまま5分間静置したところ、わずかに湿ったままであった。その後、この毛髪を、(顔と首を布で覆って、紫外線が皮膚にあたるのを防ぐ等の対策をとることにより、適正な防護を行ったうえで)短波長の(254 nm)紫外線ランプで一方の側から10分間照射した。この毛髪の束をワイヤ棒からはずしたところ、毛髪はカールしたままの状態を保持し、乾燥していた。
【0053】
その後、処置した毛髪を水で30秒間洗浄し、複数本の指を毛髪に差しこんで毛髪を激しく撹拌した。その後、毛髪の束をブローして、完全に乾燥させた。毛髪の束は、一旦乾燥させると、カールを保持していた。このカールは、2日間にわたって3回を超える洗髪を行っても保持されていた。
【0054】
対照として、毛髪のサンプルを、重合体溶液ではなく水を使用して上記と同じ条件で処置したところ、毛髪のカールは保持されなかった。
【0055】
実施例5
毛髪の持続的なカール
パスツールピペットで、10% の(1:8 VBT/TEQ)/(水)溶液を、9インチの毛髪の束(太さ約1/2インチ)に加えた。この毛髪の束を、直径1 cmのワイヤ棒に巻きつけた。この濡れた毛髪を、そのまま5分間静置した。その後、この湿った毛髪を、(適正な防護を行ったうえで)短波長の(254 nm)紫外線ランプで15分間双方の側から照射した。この毛髪の束を金属棒からはずしたところ、毛髪はカールしたままの状態を保持し、乾燥していた。
【0056】
その後、毛髪の束を水道水で30秒間洗浄し、完全に乾燥するまで風乾した。毛髪の束は、一旦乾燥させると、ポリマーのかわりに純水を使用して毛髪の束を同様に処置した対照と比較して、カールを良好な状態で保持していた。
【0057】
実施例6
毛髪の持続的な直毛化
パスツールピペットで、10% の(1:8 VBT/TEQ)/(水)溶液を、9インチの毛髪の束(太さ約1/2インチ)に加えた。この毛髪の束を、「引っ張って」直毛化し、平坦面を有する木片と石英ガラス片の間でプレスした。その後、この毛髪を、石英ガラスを通して、(適正な防護を行ったうえで)短波長の(270 nm)紫外線ランプで10分間照射した。この毛髪の束を取り出すと、直毛状態が保たれる。
【0058】
その後、毛髪の束を水道水で30秒間洗浄し、完全に乾燥するまで風乾した。毛髪の束は、一旦乾燥させると、直毛状態を良好な状態で保持していた。
【0059】
実施例8
パーマの除去
一束の処置済みの毛髪に、10 mlの光回復酵素溶液[任意の適切なバッファー溶液への1%溶液]を適用した。この溶液で処置した毛髪を、周囲の室内光下で5分間静置した。毛髪をゆすぐと、毛髪は、未処置状態に戻る。
【0060】
実施例9
毛髪の染色
実施例4に記載した一束の処理済みの毛髪を、水で濡らした。FD&C BLUE #2の5%溶液を、湿らせたタオルで毛髪に塗布した。毛髪を、5分間、染料と接触させた状態にしておいた。水でゆすいでも、染料は、処理済みの毛髪を被覆するポリマーに付着している。
【0061】
他の態様
本発明を、詳細な説明によって説明してきたが、以上の説明は、本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲を限定するためのものではないと理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものである。本明細書に記載した以外の局面、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】新規な発光ヘアカーラーのコアを形成する発光円筒状装置の模式図である。
【図2】使用中の発光ヘアカーラーの模式図である。
【図3】発光毛髪カール装置の模式図である。
【図4】発光毛髪直毛化装置の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を処置して、毛幹の持続的かつ可逆的な剛性化を誘導する方法であって、
水溶性の光反応性ポリマーを毛髪に適用し、ここで、光反応性ポリマーが、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導された部分を少なくとも含む工程、
毛髪を所望の形状に形状付与する工程、および
ポリマーを、特定波長で、ポリマーを水不溶性とするのに十分な時間照射し、これにより毛幹を、所望の形状を保持するうえで十分な程度まで剛性化させる工程
を含む方法。
【請求項2】
毛髪を濡らす工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記部分が、実質的に光反応性ポリマー全体である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
毛幹をウェーブ状に形状付与する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
毛幹を直毛状に形状付与する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
毛幹をカール状に形状付与する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ポリマーの照射を、ポリマーを架橋させるのに十分な波長で、ポリマーを架橋させるのに十分な時間にわたって行う、請求項1記載の方法。
【請求項8】
波長が、約200 m〜約600 nmの範囲である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
波長が、約250 m〜約400 nmの範囲である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
ポリマーを除去して、所望の形状を除去する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ポリマーの除去を、ポリマーの架橋を除去することによって行う、請求項1記載の方法。
【請求項12】
除去を光回復酵素を用いて行う、請求項11記載の方法。
【請求項13】
光反応性モノマーが、ビニルベンジルチミン、ビニルベンジルウラシル、ビニルフェニルシンナメート、ビニルクマリン、ビニルカルコン, ハロゲン化N-アクリロイルアミドピリジニウム、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
光反応性モノマーが、約3重量%〜約50重量%のポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
光反応性モノマーが、約10重量%〜約25重量%のポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
光増感剤の使用を含むものである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
光増感剤が、ベンゾポルフィリン、ベンゾフェノン、シンナマート、メチレンブルー、フルオレセイン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
水溶性モノマーが、イオン部分である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
水溶性モノマーが、非イオンであり、水素結合可能な基を含むものである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
水溶性モノマーが、ビニルベンジルアンモニウム陽イオン、ビニルベンジルスルホニウム陽イオン、N-アルキルビニルピリジニウムイオン、ビニルフェニルスルホネート陰イオン、ビニルベンゾエート陰イオン、ビニルフェニルホスフェート陰イオン、ビニルベンズアミドイオン、ビニルフェニルスルホンアミドイオン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキサゾリン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものである、請求項1記載の方法。
【請求項21】
放射する透明な円筒部を備えたヘアカーラー。
【請求項22】
円筒部に毛髪を巻き付けた後に、円筒部をパチンと覆って、毛髪を所定位置に保持する円筒状カバーをさらに備えた、請求項21記載のヘアカーラー。
【請求項23】
発せられた放射が、化学発光またはリン光照射である、請求項21記載のヘアカーラー。
【請求項24】
毛髪カール装置であって、
ハンドルと、
ハンドルにとりつけられ、放射する円筒状コアと、
コアをぴったり覆う細長のカバーであって、毛髪がコアに巻き付けられている場合、または、毛髪が、コアとカバーとに挟持されて引っ張られている場合には、毛髪をコア上に保持するよう設計されたカバーと
を備えた装置。
【請求項25】
毛髪直毛化装置であって、
放射する細長の透明板と、
平坦部にとりつけられたハンドルと、
平坦なカバーであって、毛髪が挿入され平坦部分と平坦カバーに挟持されて引っ張られている場合に、毛髪を細長の平坦部分上に保持するよう設計されたカバーと
を備えた装置。
【請求項26】
照射が紫外線照射である、請求項24記載の毛髪カール装置。
【請求項27】
照射波長が、約360 nmより長い、請求項24記載の毛髪カール装置。
【請求項28】
照射が紫外線照射である、請求項25記載の毛髪直毛化装置。
【請求項29】
照射波長が、約360 nmより長い、請求項25記載の毛髪直毛化装置。
【請求項30】
毛髪を調色する方法であって、
水溶性の光反応性ポリマーを毛髪に適用し、ここで、光反応性ポリマーが、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導された部分を少なくとも含む工程、
このポリマーを、特定波長で、ポリマーを水不溶性とするのに十分な時間照射する工程、および
調色剤を毛髪に適用する工程
を含む方法。
【請求項31】
調色剤が、染料を含むものである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
ポリマーを除去して調色剤を除去する工程をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項33】
毛髪処置用のキットであって、
水溶性の光反応性ポリマーを備え、ここで、光反応性ポリマーが、光反応性モノマーおよび水溶性モノマーから誘導された部分を少なくとも含んでおり、
このポリマーを使用して毛髪を処置するに際しての取扱説明書を備えた
キット。
【請求項34】
調色剤と、毛髪の調色に関しての取扱説明書とをさらに備えた、請求項33記載のキット。
【請求項35】
毛髪を処置して、毛幹の持続的で可逆な剛性化を誘導する、請求項34記載のキット。
【請求項36】
調色剤が、染料を含むものである、請求項34記載のキット。
【請求項37】
ポリマーを除去する薬液と、ポリマー除去に関しての取扱説明書とをさらに備えた、請求項33記載のキット。
【請求項38】
薬液が光回復酵素を含むものである、請求項37記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−514037(P2006−514037A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562578(P2004−562578)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/041349
【国際公開番号】WO2004/058187
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(505231659)ユニバーシティ オブ マサチューセッツ (23)
【Fターム(参考)】