説明

毛髪化粧料

【課題】毛髪、特にヘアカラー処理、ヘアブリーチ処理等の酸化処理によって損傷を受けた毛髪に対し、ハリ・コシ、まとまり、良好な感触及びツヤを与える毛髪化粧料の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(D)
(A)芳香族アルコール、低級アルキレンカーボネート、N-アルキルピロリドン、ホルムアミド類及びラクトン類から選ばれる有機溶剤
(B)有機酸又はその塩
(C)アミノ変性シリコーン
(D)ポリエーテル変性シリコーン
を含有し、成分(C)と成分(D)の重量比(C)/(D)が1/100〜100である毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪に対する優れたコンディショニング効果を有する毛髪化粧料に関するものであり、更に詳細には、特にヘアカラー処理、ヘアブリーチ処理等の酸化処理によって損傷を受けた毛髪に対し、ハリ・コシ、まとまり、良好な感触及びツヤを与え、剤の塗布のし易さ、濯ぎ易さが良好な毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の脱色及び染色には、アルカリ剤、酸化剤等の共存下での酸化反応によって毛髪を染色ないし脱色する、ヘアカラー処理、ヘアブリーチ処理が広く行われている。しかし、これらの処理は、毛髪損傷を引き起こし易く、水洗、シャンプー又は乾燥時に、髪の絡まり、硬さ、パサツキ、ごわつき等を生じ、また乾燥後には髪の色、ツヤが失われ、まとまりが悪くなるといった問題を生ずる。
【0003】
そこで、毛髪にまとまり性を付与し、パサつきを防止するため、ワックス、高級アルコール、界面活性剤等を含有させたヘアクリームタイプなど乳化系の製品、あるいは皮膜形成ポリマー(セットポリマー)を含有させたジェルの製品などの毛髪化粧料が、種々上市されている。しかし、このような毛髪化粧料は、毛髪表面に油脂やポリマー類を付着させ、まとまり性の悪さや、パサつきといった問題を一時的に解決することはできるが、毛髪のハリ・コシやまとまり性を本質的に改善できるものではなかった。
【0004】
一方、毛髪の内部に働きかけ、本質的に毛髪を柔軟化して、髪のまとまりを促す技術として、特定の有機酸と有機溶剤を用いた毛髪化粧料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、これら従来の技術によっても、酸化処理による損傷毛に対する効果は十分ではなく、より高いコンディショニング作用を付与できる毛髪化粧料が求められている。
【0006】
【特許文献1】特開平6-172131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、毛髪、特にヘアカラー処理、ヘアブリーチ処理等の酸化処理によって損傷を受けた毛髪に対し、ハリ・コシ、まとまり、良好な感触及びツヤを与え、剤の塗布のし易さ、濯ぎ易さが良好な毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定の有機溶剤と有機酸に、アミノ変性シリコーンとポリエーテル変性シリコーンを併用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
本発明は、次の成分(A)〜(D)
(A)芳香族アルコール、低級アルキレンカーボネート、N-アルキルピロリドン、ホルムアミド類及びラクトン類から選ばれる有機溶剤
(B)有機酸又はその塩
(C)アミノ変性シリコーン
(D)ポリエーテル変性シリコーン
を含有し、成分(C)と成分(D)の重量比(C)/(D)が1/100〜100である毛髪化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪、特にヘアカラー処理、ヘアブリーチ処理等の酸化処理によって損傷を受けた毛髪に対し、ハリ・コシ、まとまり、良好な感触及びツヤを与えることができ、剤の塗布のし易さ、濯ぎ易さも良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
成分(A)の有機溶剤のうち、芳香族アルコールとしては、ベンジルオキシエタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α,α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられ、低級アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の炭素数2〜6のアルキレン基を有するカーボネートが挙げられ、N-アルキルピロリドンとしては、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン等が挙げられ、ホルムアミド類としては、N-シクロヘキシルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド等が挙げられ、ラクトン類としては、γ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-オクタン酸ラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン等が挙げられる。これらのうち、毛髪へのハリ・コシ及びツヤの付与の点から、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール、プロピレンカーボネート、γ-カプロラクトン等が好ましい。成分(A)は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、毛髪への浸透性の点から、本発明の毛髪化粧料中の1〜50重量%、特に5〜45重量%が好ましい。
【0012】
成分(B)の有機酸としては、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、レブリン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。なかでもα-ヒドロキシ酸が好ましく、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、特にリンゴ酸、乳酸、クエン酸が好ましい。また、これらの塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、有機アミン化合物等との塩が挙げられる。有機酸又はその塩は2種以上を併用することもできる。成分(B)の含有量は、毛髪を膨潤させ成分(A)の有機溶剤を浸透させる点から、遊離酸換算量として、本発明の毛髪化粧料中の0.1〜40重量%、更には1〜30重量%、特に3〜10重量%が好ましい。
【0013】
成分(C)のアミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有するシリコーンであればよく、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコーンのどちらでもよい。例えば、好ましいアミノ変性シリコーンとしては、以下の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【0014】
【化1】

【0015】
〔式中、R0は独立して、水酸基、水素原子又はRを示し、Rは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、AはR、基−R′−(NHCH2CH2)nNH2、基OR又は水酸基を示し、R′は炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、nは0〜3の数を示し、p及びqはその和が数平均で10以上30000以下、好ましくは10以上1000未満、更に好ましくは30以上1000未満、特に好ましくは40以上800未満となる数を示す。アミノ当量は200g/mol〜3万g/mol、好ましくは400g/mol〜1万g/mol、更に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。〕
【0016】
アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社,アミノ当量1700g/mol)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社,アミノ当量6400g/mol)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社,アミノ当量1800g/mol)、KF8003(GE東芝シリコーン社,アミノ当量2000g/mol)、KF867(GE東芝シリコーン社,アミノ当量1700g/mol)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社,アミノ当量1800g/mol)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。また、アミノ変性シリコーンオイルは、エマルションの形で配合してもよい。アミノ変性シリコーンのエマルションは、機械的乳化(アミノ変性シリコーンと水との高剪断機械混合)、化学的乳化(アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化)、若しくはこれらの組み合わせによって、又は乳化重合によっても調製することができる。
【0017】
成分(C)の含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜30重量%が好ましく、更には0.05〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。
【0018】
成分(D)のポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンの主鎖にポリオキシアルキレン基、好ましくはポリオキシエチレン基が結合した、HLBが1〜6、特に2〜5であるものが好ましい。またポリオキシエチレン基のほかにポリオキシプロピレン基を有していてもよい。具体的には、シリコーンKF6005、同KF6015、同KF6017、同KF945A、同KF353A、同KF352A(以上、信越化学社)、SILWET L-720、同L-7001、同L-7002(以上、日本ユニカー社)、シリコーンSH-3775(東レ・ダウコーニンク社)等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンは、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.001〜30重量%、更に0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%が好ましい。
【0019】
また、成分(C)と成分(D)の重量比(C)/(D)は、髪のまとまり、感触、ツヤと、剤の塗布し易さ、濯ぎ易さの点から、1/100〜100とされ、特に1/10〜10が好ましい。
【0020】
更に、本発明の毛髪化粧料には、成分(E)として、ジメチルポリシロキサンを含有させることが好ましい。ジメチルポリシロキサンとしては、低重合度のものも使用できるが、成分(E)の全部又は一部として、数平均重合度が1000以上、更には1500以上、特に2000以上20000未満の高重合ジメチルポリシロキサンを使用することが好ましい。
【0021】
数平均重合度が1000以上である高重合ジメチルポリシロキサンの市販品の具体例としては、SH200-1,000,000cs(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、TSF451-100MA(GE東芝シリコーン社)、BY11-026(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合ジメチルポリシロキサンの低粘度シリコーンによる希釈溶液)、KF9008(信越シリコーン社;高重合ジメチルポリシロキサンの環状シリコーンによる希釈溶液)、BY22-050A(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合ジメチルポリシロキサンのカチオンエマルション)、BY22-060(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合ジメチルポリシロキサンを低粘度シリコーンで希釈した溶液のカチオンエマルション)、BY22-020(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合ジメチルポリシロキサンを流動パラフィンで希釈した溶液のカチオンエマルション)、KM904(信越シリコーン社;高重合ジメチルポリシロキサンを低粘度シリコーンで希釈した溶液のカチオンエマルション)等が挙げられる。
【0022】
成分(E)の含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜30重量%が好ましく、更には0.05〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。また、成分(C)と成分(E)の重量比(C)/(E)は、髪のハリ・コシ、まとまり、感触、ツヤの持続性の点から、1/100〜100、特に1/10〜10が好ましい。
【0023】
更に、本発明の毛髪化粧料には、成分(F)として、水溶性高分子を含有させ、剤が垂れず、毛髪に伸ばしやすく塗布しやすい粘度、例えば3000〜10万mPa・sに調整することができる。なお、ここでの粘度は、B型回転粘度計(ローターNo.4,12rpm,30℃,1分後、ただし、5万mPa・sを超える場合は6rpm)による測定値である。
【0024】
アニオン性の水溶性高分子としては、ポリアクリル酸(Noveon社:カーボポール941、981)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(Noveon社:カーボポールETD2020)、低級アルキルビニルエ―テル/無水マレイン酸共重合体の末端不飽和ジエン化合物による部分架橋ポリマーの加水分解物又はそのモノアルキルエステル(ISP社:スタビリーゼ06、スタビリーゼQM)、カラギーナン(三菱レーヨン社:ソアギーナLX22、ML210)、キサンタンガム(大日本製薬社:エコーガムT)、ヒドロキシプロピルキサンタンガム(大日本製薬社:ラボールガムEX)、ウエランガム(三晶株式会社:K1C376、K1A96)などが挙げられる。
【0025】
非イオン性の水溶性高分子としては、ヒドロキシエチルセルロール(ダイセル化学工業社:SE-850)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセル化学工業社:CMCダイセル1220)、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(例えば特開平11-12139号公報の製造例1記載の化合物)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社:メトローズ60SH-10000)、グアーガム(大日本製薬社:ファイバロンS)、プルラン(林原株式会社:プルランPI-20)、ヒドロキシプロピルキトサン(一丸ファルコス社:キトフィルマーHV-10)、キトサン・dl-ピロリドンカルボン酸塩(Union Carbide社:カイトマーPC)、ポリビニルピロリドン(BASF社:Luviskol K-12、K-30、PVP K-120)、ポリビニルアルコール(日本合成化学社:ゴーセノールEG-40)、ビニルアルコール/ビニルアミンコポリマー(エアープロダクト社:VA-120-HCl)、高重合度ポリエチレングリコール(日本Union Carbide社:ポリオックスWSRN-60K)などが挙げられる。
【0026】
カチオン性の水溶性高分子としては、ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む水溶液のもの、例えばカチオン化セルロース誘導体(ライオン社:レオガードG、同GP)、(ユニオンカーバイド社:ポリマーJR-125、同JR-400、同JR-30M、同LR-400、同LR-30M)、(ナショナルスターチアンドケミカル社:セルコートH-100、同L-200)、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体(ローディア社:ジャガーC-13S、同C-17)、(大日本製薬社:ラボールガムCG-M、同CG-M7、同CG-M8M)、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体(カルゴン社:マーコート100、同280、同295、同550)、4級化ポリビニルピロリドン誘導体(アイエスピー・ジャパン社:ガフコート734、同755、同755N)等が挙げられる。
【0027】
以上の水溶性高分子の中で、アニオン性の水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルキレート、低級アルキルビニルエ―テル/無水マレイン酸共重合体の末端不飽和ジエン化合物による部分架橋ポリマーの加水分解物又はそのモノアルキルエステル、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、ウエランガムが、また、非イオン性の水溶性高分子としては、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グアーガム、プルラン、高重合度ポリエチレングリコールが、また、カチオン性の水溶性高分子としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グア―ガム誘導体が、特に好ましい。
【0028】
成分(F)は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.1〜20重量%が好ましく、更には0.1〜10重量%、特に0.25〜5重量%が好ましい。
【0029】
更に、本発明の毛髪化粧料には、成分(G)として、低級アルコール又は多価アルコール若しくはその低級アルキルエーテル(カルビトール類)を含有させることができる。低級アルコールとしては、炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルコールが挙げられ、例えばエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等が好ましい。多価アルコールとしては、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜5000)等のアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられ、多価アルコールの低級アルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルグリセリン等のアルキレングリコールのモノエーテル類等が挙げられる。これらのうち、特に1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜1000)が好ましい。
【0030】
成分(G)は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、組成物の経時安定性の点から、本発明の毛髪化粧料中の5〜50重量%、特に10〜30重量%が好ましい。
【0031】
本発明の毛髪化粧料は、刺激を減少させ、すすぎ後の毛髪への剤の残留性を高めるため、界面活性剤の含有量を、1重量%以下、更には0.5重量%以下とすることが好ましく、特に界面活性剤を含まないことが好ましい。
【0032】
本発明の毛髪化粧料には、目的に応じて、他の成分を添加配合することができる。例えば、高級アルコール、エステル油、動植物油、アミノ酸、ポリペプチド、粘度調節剤、感触向上剤、保湿剤、育毛・養毛剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、着色料等である。
【0033】
本発明の毛髪化粧料のpH(水で10重量倍に希釈時,25℃)は、毛髪を膨潤させ、成分(A)の有機溶剤の浸透を促進させる観点から、1〜6であることが好ましい。また、ヘアカラー処理されていない毛髪に適用する場合は、pHは1〜6、特に2〜5であることが好ましく、またヘアカラー処理されている毛髪に適用する場合は、pHは3〜6、特に3.5〜6であることが好ましい。pHの調整は、成分(B)の有機酸又はその塩のほか、通常用いられるpH調整剤、例えばリン酸又はそれらのナトリウム塩、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機アミンなどのアルカリ類を用いて行うことができる。
【0034】
本発明の毛髪化粧料は、例えば、液状、ジェル状、クリーム状等の形態の組成物、又は吐出によりフォーム状となる組成物を、チューブ容器やエアゾール容器に入れた剤型とすることができる。特に、製品の好ましい外観の点からは、透明なジェル状の剤型が好ましい。そのためには、高級アルコールと界面活性剤とが共存しない組成物であることが好ましい。
【0035】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアカラー、パーマ等の化学処理履歴の有無を問わず、あらゆる毛髪を対象として使用することができるが、特にヘアカラー処理を行った毛髪に適用すると、染めた色がより映える効果も得られ、好ましい。この場合、ヘアカラー直後の濡れた髪、乾燥させた髪、ヘアカラー後、時間が経過した後(例:1日、1週間、1月等)の濡れた髪、乾燥した髪のいずれでもよい。使用方法としては、髪に直接塗布し所定時間放置した後、水ですすぎ流せばよいが、すすぎ後、シャンプー、リンス等で処理してもよく、特に、リンス処理を行うことが好ましい。また放置時間は、30秒〜30分程度が好ましい。本発明の毛髪化粧料は、ヘアリンスなどに比べ多量に使用することが好ましく、例えばセミロングの髪であれば10g以上使用することが好ましい。
【実施例】
【0036】
実施例1〜18
表1及び2に示す毛髪化粧料を調製し、毛髪を処理したところ、毛髪にハリ・コシ、まとまり、感触、ツヤが付与され、剤の塗布し易さ、濯ぎ易さも良好であった。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D)
(A)芳香族アルコール、低級アルキレンカーボネート、N-アルキルピロリドン、ホルムアミド類及びラクトン類から選ばれる有機溶剤
(B)有機酸又はその塩
(C)アミノ変性シリコーン
(D)ポリエーテル変性シリコーン
を含有し、成分(C)と成分(D)の重量比(C)/(D)が1/100〜100である毛髪化粧料。
【請求項2】
更に、成分(E)としてジメチルポリシロキサンを含有し、成分(C)と成分(E)の重量比(C)/(E)が1/100〜100である請求項1記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
成分(E)の全部又は一部として、数平均重合度1000以上の高重合ジメチルポリシロキサンを含有するものである請求項2記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
更に、成分(F)として水溶性高分子を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2006−143662(P2006−143662A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336831(P2004−336831)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】