説明

毛髪化粧料

【課題】 油性成分を大量に含有しながらも、その製品形状を取り扱い易いゲル状としたもので、かつ使用時において毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を与える毛髪化粧料の提供。
【解決手段】 分子内に長鎖疎水基と親水基とを2個以上づつ有する多鎖多親水基型化合物と油性成分とを含有するゲル状の毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多鎖多親水基型化合物を含有し、ゲル状を呈してなる整髪料、ヘアトリートメント、コンディショニング剤等の油性毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トリートメント効果を付与する毛髪用商品として、第四級アンモニウム塩が配合されている。さらに近年では、油性成分を配合しながら毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がりにすることが求められるとともに、一方、製品の形状としては、使いやすさを向上させるため、また外観上の価値を付与するために、増粘させて外観をゲル状にすることが求められている。ここで、ゲルとは例えばコロイド化学の基礎(大日本図書(株)、1976年発行)の245頁に記載されているようなペースト、クリーム、ゼリー等の広範囲なものを指す。
【0003】
油性成分を水性溶媒に配合した製品形状をゲル状に調製する方法として、一般的には、水溶性高分子化合物を添加して増粘させることが行われている。しかしながら、このように水溶性高分子で形成したゲル状組成物を毛髪化粧料に用いた場合には、塗布した後の毛髪を水洗いした後にべたつき感が残り、また乾燥した後の感触も悪くなるという問題点がある。また、油性成分を多量に配合しゲル状に調製することは非常に難しく、また油性成分を多く含むと使用後の油性感が大きくなる、という問題もあった。
【0004】
例えば、特許文献1では、毛髪を滑らかにするトリートメント剤として、第四級アンモニウム塩、アミノ変性またはアンモニウム変性高分子シリコーン、高級アルコールおよびグリセリンからなる、毛髪に塗布した後に洗い流すトリーメント剤が開示されている。しかしながらこの技術では、高分子シリコーンの種類、およびそれぞれの組成比がかなり制限されるという問題があるとともに、得られるトリートメント効果においても未だ不十分である。さらに実施例において、増粘剤として組成物中に水溶性高分子を配合しているため、乾燥後の毛髪感触の点においても改善を必要としている。
【0005】
またさらに近年、毛髪に塗布した後、洗い流すことなくトリートメント効果を付与する方法において、毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がりにすることのできる毛髪化粧料への要望が高まっている。しかしながら、油性成分を多量に配合した状態で、水溶性高分子を配合することなく系をゲル状に増粘させ油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がりにするトリートメント効果を付与する製品は、未だ無いのが実情である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−26542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、毛髪に塗布してトリートメント効果を付与する毛髪化粧料において、油性成分を大量に含有しながらも、その製品形状を取り扱い易いゲル状としたもので、かつ使用時において毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を与える毛髪化粧料の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物、即ち、分子内に長鎖疎水基と親水基とを2個以上づつ有する化合物(多鎖多親水基型化合物)に着目
し、これを油性成分とともに配合して、ゲル状の毛髪化粧料とすることで、取り扱い易く、かつ使用時において毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を与える毛髪化粧料となることを見出した。さらには、多鎖多親水基型化合物、油性成分、ポリヒドロキシル化合物、水の混合物は、ゲル化剤を添加することなくゲル状の毛髪化粧料が得られることを突き止め、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、下記の通りである。
1.次の成分(A)と成分(B)とを含有し、ゲル状を呈することを特徴とする油性毛髪化粧料。
成分(A):長鎖疎水基と親水基とを分子内に2個以上づつ有する多鎖多親水基型化合物の1種以上
成分(B):油性成分の1種以上
2.成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、長鎖疎水基が長鎖アシル基であり、親水基がカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基およびそれらの塩から選ばれる1種以上であるアニオン性化合物であることを特徴とする1.に記載の毛髪化粧料。
3.成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、分子内に、さらに、アミノ酸残基を有することを特徴とする1.または2.に記載の毛髪化粧料。
4.成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、下記一般式(1)に示す化合物であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【0010】
【化1】

【0011】
(上記一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、下記一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。下記一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1COは炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基を示し、R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【0012】
【化2】

【0013】
5.成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、上記一般式(1)に示す化合物であって、上記一般式(1)において、Xは前記官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分枝鎖、環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーで
あることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の毛髪化粧料。
6.さらに、成分(C)ポリヒドロキシル化合物を含有する事を特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の毛髪化粧料。
7.成分(A)多鎖多親水基型化合物の総量が0.01〜40質量%、成分(B)油性成分の総量が0.1〜95質量%、成分(C)ポリヒドロキシル化合物の総量が0.1〜60質量%、成分(D)水が0〜80質量%(但し、成分(A)〜成分(D)の合計は100質量%)である組成物を含有することを特徴とする6.に記載の毛髪化粧料。
8.成分(A)多鎖多親水基型化合物、成分(C)ポリヒドロキシル化合物および成分(D)水からなる水相と、成分(B)油性成分からなる油相との20℃における屈折率の差が±0.05以下であることを特徴とする6.または7.のいずれかに記載の毛髪化粧料。
9.1.〜8.のいずれかの毛髪化粧料を用いることを特徴とする毛髪化粧法。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、製品形状を取り扱い易いゲル状としたもので、かつ使用時において毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を与える毛髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について、特にその好ましい形態を中心に、具体的に説明する。
本発明の毛髪化粧料は、構造的には分子内に長鎖疎水基と親水基とを2個以上づつ有する多鎖多親水基型化合物の1種以上を含んでなる組成物である。
本発明の毛髪化粧料において、多鎖多親水基型化合物としては、長鎖疎水基としてはそれぞれ独立に、炭素数2〜20個の飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、環状鎖からなる疎水基を有し、親水基としてはそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基、リン酸残基またはそれらの塩等、あるいはオキシアルキレン基、ポリエチレングリコール基等、またはアミノ基、4級アンモニウム基、ピリジニウム基、スルホニウム基またはそれらの塩等を有するものである。
例えば、多鎖多親水基化合物の長鎖疎水基としては、例えば、n−アセチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル等の各残基とこれらの分枝鎖異性体、ならびにこれらに対応した、1カ所、2カ所または3カ所に不飽和部分を有する不飽和残基等が挙げられる。
【0016】
また、多鎖多親水基型化合物の長鎖疎水基としては、炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基であり、アシル基としては、それぞれ、独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよく、炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものが好ましく、直鎖、分岐、環状を問わない。
例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸のような直鎖脂肪酸;
【0017】
2−ブチル−5−メチルペンタン酸、2−イソブチル−5−メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2−ブチル−5−メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2−エチル−3−メチルノナン酸、2,2−ジメチル−4−エチルオクタン酸、メチルドコサン酸、2−プロピル−3−メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2−ブチル−3−メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、
ヘキシルノナン酸、2−(3−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、2−(2−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸のような分岐脂肪酸;
【0018】
オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、トウハク酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキセデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸、ゴンドイン酸のような直鎖モノエン酸; メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸のような分岐モノエン酸;
リノール酸、リノエライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステアリン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のようなジまたはトリエン酸;
【0019】
オクチン酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシン酸、ドデシン酸、トリデシン酸、テトラデシン酸、ペンタデシン酸、ヘプタデシン酸、オクタデシン酸、ノナデシン酸、ジメチルオクタデシン酸のようなアセチレン酸;
メチレンオクタデセン酸、メチレンオクタデカン酸、アレプロール酸、アレプレスチン酸、アレプリル酸、アレプリン酸、ヒドノカルプン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸のような環状酸から誘導されるアシル基があげられる。
【0020】
また、天然油脂から得られる脂肪酸由来のアシル基でも良く、上記の炭素原子数8〜20の飽和または不飽和脂肪酸を80%以上含む混合脂肪酸由来のアシル基が好ましい。例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、ツバキ油脂肪酸、菜種油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から誘導されるアシル基等が挙げられる。これら多鎖多親水基型化合物は2種以上組み合わせて用いても良い。
【0021】
多鎖多親水基型化合物を塩として用いる場合には、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛等の金属、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。これらの中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が特に好ましい。
【0022】
本発明において、毛髪化粧料に含有される多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が上
記一般式(1)および(2)で示されるアシル化合物であることが好ましい。
ここでいうアシル化合物とは構造的には上記一般式(1)および(2)に示すように分子内に少なくとも1個以上のアシル基と親水基とを有する化合物を適当なスペーサーで連結した構造のものである。
上記一般式(2)中、R1COで示されるアシル基は独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよく、上記したように炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものであれば何でも良く、直鎖、分岐、環状を問わない。
【0023】
上記一般式(2)中、R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩等が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基等が挙げられる。
【0024】
上記一般式(1)中、Xに結合したn個の置換基Q(上記一般式(2))は、それぞれ互いに、異なっても同一でもよい。また、上記一般式(2)は、いわゆる酸性アミノ酸がN−アシル化されたものを示すものであり、それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個のモノアミノジカルボン酸であり、アミノ基はN−メチル基またはN−エチル基でもかまわない。また光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。酸性アミノ酸としては、例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、ランチオニン、β−メチルランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸等が挙げられる。
Xに付くn個の置換基(上記一般式(2))は、酸性アミノ酸がL−酸性アミノ酸分子である場合が、生分解性に優れることから好ましい。
【0025】
上記一般式(2)中、Zは、Xに置換したm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)の官能基(ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基)に由来する結合部(−O−、−NR3−、−S−)である。ここで、R3は水素、または炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルケニル基またはアリール基またはアルキルアリール基である。
上記一般式(1)中、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上からなるm個の官能基を有する分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであり、Xは、前記ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)中、Xは好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上の官能基をm個有する分子量100万以下のm価の化合物の残基であって、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい化合物残基である。ここで、m価の上記化合物は、m個の官能基に由来する結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0026】
このようなm価の化合物としては、例えば、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、オキシプロリン等のアミノ酸類;
アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール、グルコサミン等の分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物類;
【0027】
メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール、グルコチオース等の分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物類;
アミノチオフェノール、アミノトリアゾールチオール等の分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物類;
が挙げられる。また、タンパク質やペプチド等、またはそれらを加水分解したもの等でも良い。
【0028】
また、上記一般式(1)中、Xは好ましくはヒドロキシル基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価(m≧n)のポリヒドロキシル化合物残基である。ここで、m価のポリヒドロキシル化合物は、m個のエステル結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
このようなm価のポリヒドロキシル化合物としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、
【0029】
ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシけい皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等およびこれらの各異性体等の2価ヒドロキシル化合物;
グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、
【0030】
2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシステアリン酸等の3価ポリヒドロキシル化合物;
ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価ポリヒドロキシル化合物;
アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価ポリヒドロキシル化合物;
ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価ポリヒドロキシル化合物;
またはこれらの脱水縮合物、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0031】
また、糖類、例えばエリスロース、スレオース、エリスルロース等のテトロース;
リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等のペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等の単糖類;
マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等のオリゴ糖類が挙げられる。
また、その他の糖類、例えばヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル、グリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類またはそれらを加水分解したものでもよい。
【0032】
また、上記一般式(1)中、Xは好ましくはアミノ基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリアミノ化合物残基である。ここで、m価のポリアミノ化合物は、m個の酸アミド結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
このようなm価のポリアミノ化合物としては、例えばN,N’−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸およびこれらの各異性体等の脂肪族ジアミン類;
【0033】
ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミンおよびこれらの各異性体等の脂肪族トリアミン類;
ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、トリアミノシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン類;
【0034】
ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸、およびこれらの各異性体等の芳香族ポリアミン類;
ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン、およびこれらの各異性体等の芳香脂肪族ポリアミン類;
ジアミノヒドロキシプロパンおよびこれらの各異性体等のヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
【0035】
また、上記一般式(1)中、Xは好ましくはチオール基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリチオール化合物残基である。ここで、m価のポリチオール化合物は、m個のチオエステル結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
このようなm価のポリチオール化合物としては、例えば、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等のジチオール化合物類等が挙げられる。
Xは上に挙げた化合物の残基の中でも、炭素数1〜40の場合が好ましい、さらに好ましくはXは炭素数1〜20である。また、Xは天然に存在する型である場合の方が、生分解性に優れるという点で好ましい。
【0036】
上記一般式(2)中、Yで示されるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基およびX中に含まれうるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等は、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。
かかる塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩、多価金属塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム等の金属、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。
【0037】
このような上記一般式(1)で示されるアシル化合物の製造方法としては、下記一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上のm個の官能基を有する化合物とを、水および/または水と有機溶媒との混合溶媒中で反応させることによって、またはテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、アセトン等の不活性溶媒を使用して、あるいは無溶媒で−5℃〜200℃でいずれかの融点以上の温度で混合して反応することで得ることができる。
【0038】
【化3】

【0039】
または上記一般式(1)で示されるアシル化合物は、N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)とポリヒドロキシル化合物またはポリアミノ化合物またはポリチオール化合物、または分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基のうちいずれか2種または3種を有する化合物とをジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下に−5℃〜250℃で加熱反応させた後反応溶媒を除去することで得ることができる。あるいは、無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させてアシル化合物を得ることができる。
【0040】
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)多鎖多親水基型化合物の1種以上と成分(B)油性成分の1種以上とを含有するゲル状を呈することを特徴とする油性毛髪化粧料であり、かつ(C)ポリヒドロキシル化合物を含有することが好ましい。
本発明の毛髪化粧料においては、成分(A)多鎖多親水基型化合物の総量が0.01〜40質量%、成分(B)油性成分の総量が0.1〜95質量%、成分(C)ポリヒドロキシル化合物の総量が0.1〜60質量%、成分(D)水が0〜80質量%(但し、成分(A)〜成分(D)の合計は100質量%)である組成物を含有することが好ましい。ここで、多鎖多親水基型化合物、ポリヒドロキシル化合物、油性成分のそれぞれの含量は、それぞれに該当する成分の総和である。各成分の組成がこの範囲外であってもゲル状の形状になることはあるが、油性成分が分離して経時的な安定性に乏しかったり、ゲル形成力が不十分であったり、場合によってはべたつき等が起こるなど使用感が好ましくなくなることがある。
【0041】
各成分組成は、より好ましくは、成分(A)多鎖多親水基型化合物の総量が0.1〜25質量%、成分(B)油性成分の総量が10〜80質量%、(C)ポリヒドロキシル化合物の総量が1〜30質量%、成分(D)水が残分である。さらに好ましくは、成分(A)多鎖多親水基型化合物の総量が0.1〜10質量%、成分(B)油性成分の総量が30〜80質量%、(C)ポリヒドロキシル化合物の総量が1〜10質量%、成分(D)水が残分である。
本発明の毛髪化粧料において、外観を透明なゲル状とするには、成分(A)多鎖多親水基型化合物、成分(C)ポリヒドロキシル化合物および成分(D)水からなる水相と、成分(B)油性成分からなる油相との20℃における屈折率の差を±0.05以下とすることが好ましい。両相の屈折率の差がこの範囲を外れると、外観の透明な組成物を得にくく、両相の屈折率差は0に近づける方がよい。より好ましくは、両相の屈折率の差を±0.03以下とする。さらに好ましくは、両相の屈折率差を±0.01以下とする。
【0042】
本発明の毛髪化粧料において、水分含量は好ましくは0〜80重量%である。この範囲外であるとゲル状を安定に保持することが困難になる。水分含量はより好ましくは、0〜30重量%である。
本発明の毛髪化粧料の好ましい態様において配合される成分(B)油性成分としては、液状油または固体脂のいずれをも使用することができ、化粧料や外用の医薬品などの成分として慣用されている油性成分でもよい。例えば、
アボガド油、タートル油、トウモロコシ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、パーシック油、ひまし油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、トリイソオクタン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルコレステロール脂肪酸エステル、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、月見草油、エノ油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギル油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、馬油、硬化やし油、牛脂、牛脚脂、羊脂、硬化牛脂、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ひまし油等の油脂、;
【0043】
流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、スクワラン等の炭化水素;
ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテルおよびその誘導体等のロウ;
【0044】
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸;
ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;
コレステロール、フィトステロール等のステロール類;
【0045】
ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等のエステル油;
【0046】
金属石鹸、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、揮発性シリコーン、環状シリコーン等のシリコーン類等の揮発性および不揮発性の油分;等が挙げられる。これらの油性成分は、2種以上組み合わせても良い。
これらの油性成分の中でも、特にシリコーン類を用いることが好ましく、なかでも揮発性の環状シリコーンの1種以上を用いることがより好ましい。さらに好ましくは、揮発性の環状シリコーンと不揮発性のシリコーンとを組み合わせることが好ましい。
【0047】
本発明の毛髪化粧料の好ましい態様において配合される成分(C)のポリヒドロキシル化合物としては、前述したような2価以上のポリヒドロキシル化合物が挙げられる。これらポリヒドロキシル化合物は2種以上組み合わせて用いても良い。ポリヒドロキシル化合物として好ましくは、3価以上のポリヒドロキシル化合物がよい。
本発明の毛髪化粧料は通常の攪拌機、混合機、分散機等を備えた装置を用いる方法によって製造することができる。
【0048】
本発明の毛髪化粧料を製造する方法の一つとしては、成分(A)多鎖多親水基型化合物と成分(B)油性成分とを混合した上で、ゲル化剤等を添加することで外観をゲル状にする方法がある。ここでゲル化剤としては、油性成分をゲル化することのできる公知のゲル化剤を用いることができる。例えば、具体的には、デキストリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、 ヒドロキシステアリン酸等を挙げることができる。
前記デキストリン脂肪酸エステルとしては、例えばレオパールTT〔(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン〕、 レオパールMKL〔ミリスチン酸デキストリン〕、レオパールKL〔パルミチン酸デキストリン〕(いずれも商品名:千葉製粉株式会社製)が挙げられる。
【0049】
また、グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばベヘン酸、エイコサン二酸とグリセリンからなるオリゴマーエステルであるノムコートHK−G(商品名:日清製油株式会社製)が挙げられる。
また本発明の毛髪化粧料を製造する方法としては、成分(A)多鎖多親水基型化合物の総量が0.01〜40質量%、成分(B)油性成分の総量が0.1〜95質量%、成分(
C)ポリヒドロキシル化合物の総量が0.1〜60質量%、成分(D)水が0〜80質量%の成分組成において、上記のようなゲル化剤を添加することなく高専断力の下で攪拌・混合することにより製造する方法が好ましい。より好ましい製造方法としては、油性成分以外の成分を十分に攪拌・混合した後、これに油性成分を添加して製造する方法がよい。
かくして得られる本発明の毛髪化粧料の特徴は、その製品形状を取り扱い易いゲル状とし、かつ使用時において毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を与える、という特徴があり、これまでの課題を解決するものである。
【0050】
本発明の毛髪化粧料の用途の代表例としては、例えば整髪料、ヘアトリートメント、コンディショニング剤等に好適に用いることができる。
本発明の毛髪化粧料の使用方法としては、乾いた毛髪または塗らしてタオルドライした状態の毛髪に塗布した後、温水または水で洗い流して乾燥させることで、しっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を得ることができる。または、乾いた毛髪または塗らしてタオルドライした状態の毛髪に塗布してそのまま乾燥させることでも、上記のような効果を得ることができる。
【0051】
また、本発明の毛髪化粧料は各種外用剤用途、ゲル基材用途、クリーナー用途等に好適に用いることもできる。外用剤としては、洗顔・クレンジング用のクリームやゲル、コールドクリーム、バニシングクリームやモイスチャークリーム等の各種化粧料、マッサージゲル、整髪料等の皮膚用あるいは毛髪用化粧料、消炎剤やゲル状医薬品類、または害虫忌避剤等の薬剤等が挙げられる。また、包括・担持型のゲル基材として、香料や活性炭等の吸収・吸着剤を包括・分散させた徐放性香料ゲル、消臭ゲル基材用、これに加え、水分散性を生かして農薬用、浴用剤等への利用が挙げられる。また、クリーナーとして、油性成分とのなじみがよい性質を利用して、例えば、台所・レンジ周り等の油汚れクリーナー、同様に機械油汚れクリーナー、ハンドクリーナー等クリーナー用途、または自動車等の金属の塗膜面、仏壇・仏具・箪笥・机等の木製塗装面、テレビ・パソコン等の家電品のプラスチック表面、ガラス面等のクリーナー用途等が挙げられる。
【0052】
また本発明のゲル状組成物においては、本発明の目的が損なわれない限り、通常香粧品やトイレタリー製品等に用いられる各種の基材と併用することができる。
具体的には、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のノニオン性高分子等の分散剤;
【0053】
高級脂肪酸塩(石鹸);疎水基部の炭素数8〜20の高級脂肪酸の塩、
N−アシルアミノ酸型アニオン界面活性剤;アシル基としては、炭素数8〜20のもので前記したようなものが挙げられ、構成アミノ酸としては、グルタミン酸やアスパラギン酸等の前記した酸性アミノ酸類、またはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、システイン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、オキシプロリン、β−アミノプロピオン酸、γ−アミノ酪酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、等のアミノ酸等;アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩等、アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルファ−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩(SAS)、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタリンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物などのアニオン性界面活性剤;
【0054】
アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、イミダゾリニウムベタイン類、レシチン類などの両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、等の酸化エチレン縮合型、
【0055】
多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、アルキルポリグルコシド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ等脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、糖アミンアシル化物、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアミンオキサイド、などのノニオン性界面活性剤;
【0056】
第1〜第3級脂肪アミン塩、塩化アルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ジアルキルモルフォリニウム塩、アルキルイソキノリウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩などのカチオン性界面活性剤;
アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴムなどの高分子界面活性剤;
リン脂質、レシチン、ラノリン、コレステロール、サポニンなどの天然界面活性剤;
グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブタンジオール、プロパンジオール、ポリエチレングリコールなどのポリオール類;
【0057】
N−メチルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、N,N,N−トリメチルグリシン、N−エチルグリシン、グリシルベタイン等のアルキルグリシン類、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類、セラミド類、トレハロース、キシロビオース、マルトース、ショ糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の(多)糖類およびその誘導体、水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン酸等のアミノ酸およびその塩等、アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物、アロエ、マロニエ等の植物抽出液、尿素、尿酸、アンモニア、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質などの保湿剤;
【0058】
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロー
ス、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン等の水溶性および油溶性高分子;
【0059】
カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコール/アミン縮合物、4級化コラーゲンポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー、ポリアミノポリアミド、カチオン性キチン誘導体、4級化ポリマー等のカチオン性高分子;
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、テトラデセンスルホン酸塩等の増粘、増泡成分;
エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸およびその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩、ヒノキチール類などの金属イオン封鎖剤;
【0060】
パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸およびその塩類、フェノキシエタノール、ヒノキチール、サリチル酸およびその塩類、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、ホウ酸、レゾルシン、トリブロムサラン、オルトフェニルフェノール、チラム、感光素201号、ハロカルバン、トリクロロカルバニド、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、2,4,4−トリクロロ−2−ヒドロキシフェノール、ヘキサクロロフェン、クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、トリクロサン、ビオゾール等の防腐・抗菌剤;
【0061】
クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のpH調整剤;
その他トリクロロルカルバニリド、サリチル酸、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノールなどのふけ・かゆみ防止剤;
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体その他の紫外線吸収剤;
アスコルビン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の他、アンモニウム塩、アミノ酸塩等)、アスコルビン酸誘導体(L−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル及びその塩、L−アスコルビン酸グルコシド等)、アルコキシサリチル酸及びその塩(アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、ハイドロキノン配糖体及びその誘導体(アルブチン等)、コウジ酸及びその誘導体、エラグ酸、カミツレエキス、アルテアエキス、カンゾウエキス、ソウハクヒエキス、ラズベリーエキス、リンゴフラボノイド、フスマエキス、ビタミンEおよびその誘導体、ヒノキチオール、プラセンタエキス、ルシノール、カモミラET、グルタチ
オン、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トラネキサム酸およびその誘導体、レゾルシンの誘導体、アズレン、γ―ヒドロキシ酪酸などの美白剤;
【0062】
センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマーオリザノールなどの血行促進剤;
トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤;
各種ビタミンやアミノ酸などの栄養剤;
女性ホルモン剤;
毛根賦活剤;
グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤;
【0063】
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤;
メントール、カンフルなどの清涼剤;
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸誘導体などの抗ヒスタミン剤;
高分子シリコーン、環状シリコーン等のシリコーン系物質;
トコフェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGAなどの酸化防止剤;
エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオールなどの皮脂抑制剤;
イオウ、サリチル酸、レゾルシンなどの角質剥離・溶解剤;
グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のα‐ヒドロキシ酸;
【0064】
タルク、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化クロム、水酸化クロム、タール系色素等、マイカ、(合成)セリサイト、炭化ケイ素、窒化硼素、二酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、ベンガラ、粘結顔料、グンジョウピンク、グンジョウバイオレット、水酸化クロム、雲母チタン、酸化クロム、酸化アルミニウムコバルト、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、(合成)マイカ、酸化ジルコニウム、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸カルシウム、ポリエチレン粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート−ポリメチルメタクリレート積層末、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合粉末、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、植物の実や皮を粉末状にしたもの、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、カルミン、β−カロチン、クロロフィル、サンセットエローFCF、ポンソーSX、エオシンYS、テトラブロモフルオレセイン、ローダミンB、キノリンエローSS、キノリンエローWS、アリザニンシアニングリーン、キニザリングリーン、リソールビンB、リソールビンBCA、パーマトンレッド、ヘリンドンピンクCN、フタロシアニンブルー、β−アポ−8−カロチナール、カプサンチン、リロピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチン、シソニン、ラファニン、ニノシアニン、カルサミン、サフロールイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素、リポフラビン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、アリザニン、シコニン、アルカニン、ニキノクローム、血色素、クルクミン、ベタニン、等の化粧品用色材:
【0065】
精製水、その他、カキョクエキス、N−メチル−L−セリン、ホエイ、ニコチン酸アミ
ド、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、メバロン酸、γ−アミノ酪酸(γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸を含む)、アルテアエキス、アロエエキス、アンズ核エキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、海水乾燥物、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カロットエキス、キューカンバエキス、ゲンチアナエキス、酵母エキス、米胚芽油、コンフリーエキス、サボンソウエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウハッカエキス、センブリエキス、ビサボロ−ル、プロポリス、ヘチマエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、海草、米ヌカ、カンゾウ、チンピ、トウキ、モモノハの粉砕物、スフィンゴ脂質、グアイアズレン、ビタミンC等を含むことができる。
以下で、本発明を実施例等を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定させるものではない。
【実施例】
【0066】
本発明の実施例等で用いる評価手段などは以下の通りである。
(毛髪評価試験)
毛髪をつけた人頭モデル(ウィッグ)について、市販シャンプー(ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩系)で洗髪し、タオルドライした後、トリートメント剤10gを均一に塗布し、「塗布時の伸び」を官能評価した。さらに、これを40℃の温水ですすぎ、ドライヤー乾燥した後の毛髪の「しっとり感」、「滑らかさ」を官能評価した。
また、温水ですすぐことなく、ドライヤー乾燥した後の「しっとり感」、「滑らかさ」も同様に官能評価した。
評価は5名のパネラーにより、下記の基準で行い、5名の平均点が、0以上〜1.0未満を×、1.0以上1.5未満を△、1.5以上1.8未満を○、1.8以上を◎、として評価した。
【0067】
「塗布時の伸び」
伸びがよく、均一に塗布できる 2点
伸びにくく、均一に塗布しにくい 1点
伸びが悪く、塗布ができない 0点
「しっとり感」
油性感がなく、非常にしっとりしている 2点
油性感があるか、またはしっとり感があまりない 1点
油性感が大きいか、しっとり感がほとんどない 0点
「滑らかさ」
非常に滑らか 2点
やや滑らかさに欠ける 1点
滑らかさがない 0点
【0068】
(アシル化合物の製造例1)
L−リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合した。この液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpH範囲を10〜11に調整しながら、また反応温度を5℃に維持しながら、攪拌下にN−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1g(0.1mol)を2時間を要して添加し、反応を実施した。さらに30分攪拌を続けた後、ターシャリーブタノールを液中濃度20質量%となるように添加した後、75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整した。滴下終了後、攪拌を停止し、20分間65℃で静置すると有機層と水層とに分層し、これから有機層を分離した。分離した有機層にターシャリーブタノールおよび水を添加して、温度を65℃にして20分攪拌した。攪拌停止後、静置すると有機層と水層とに分層した。得られた有機層に対して、同じ水洗操作をくり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、水酸化ナトリウムで固形分
30質量%、pH6.7(25℃)の水溶液に中和調製し、下記式(4)に示すアシル化合物を含有する組成物を得た。
【0069】
【化4】

(上記式4において、Xは、各々独立にHまたはNa)
【0070】
(アシル化合物の製造例2)
製造例1において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1g(0.1mol)をN−ココイル−L−グルタミン酸無水物とし、最終中和水溶液のpHを6.3とした以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施し、アシル化合物を含有する組成物を得た。[実施例1〜5、比較例1〜2]
表1に示す各成分を、表1に示す配合量で使用し、調製した毛髪化粧料(ヘアトリートメント)を用いて評価した結果を表1に示す。実施例1〜5のヘアトリートメントは安定なゲル状であった。
表1から、本発明の毛髪化粧料は、大量の油性成分を含有しながらも、使用後に油性感がなく、しっとり感と滑らかさを付与する効果に優れることが分かる。
【0071】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、油性成分を大量に含有しながらも、その製品形状を取り扱い易いゲル状としたもので、かつ使用時において毛髪に油性感を与えずにしっとり感を付与し、滑らかな仕上がり状態を与える毛髪化粧料として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)と成分(B)とを含有し、ゲル状を呈することを特徴とする油性毛髪化粧料。
成分(A):長鎖疎水基と親水基とを分子内に2個以上づつ有する多鎖多親水基型化合物の1種以上
成分(B):油性成分の1種以上
【請求項2】
成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、長鎖疎水基が長鎖アシル基であり、親水基がカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基およびそれらの塩から選ばれる1種以上であるアニオン性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、分子内に、さらに、アミノ酸残基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、下記一般式(1)に示す化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【化1】

(上記一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、下記一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。下記一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1COは炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導される長鎖アシル基を示し、R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【化2】

【請求項5】
成分(A)の多鎖多親水基型化合物の少なくとも1種が、上記一般式(1)に示す化合物であって、上記一般式(1)において、Xは前記官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分枝鎖、環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
さらに、成分(C)ポリヒドロキシル化合物を含有する事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
成分(A)多鎖多親水基型化合物の総量が0.01〜40質量%、成分(B)油性成分の総量が0.1〜95質量%、成分(C)ポリヒドロキシル化合物の総量が0.1〜60質量%、成分(D)水が0〜80質量%(但し、成分(A)〜成分(D)の合計は100質量%)である組成物を含有することを特徴とする請求項6に記載の毛髪化粧料。
【請求項8】
成分(A)多鎖多親水基型化合物、成分(C)ポリヒドロキシル化合物および成分(D)水からなる水相と、成分(B)油性成分からなる油相との20℃における屈折率の差が±0.05以下であることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかの毛髪化粧料を用いることを特徴とする毛髪化粧法。

【公開番号】特開2006−225370(P2006−225370A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2005−238462(P2005−238462)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】