説明

気中不純物の検出

【課題】煙などの気中不純物を検出するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】不純物を検出する検出システム100は、放射線を放出するエミッタ110、チャネル120の第1端部122でエミッタ110からの放射線を受信するようにエミッタ110に近接して配置される少なくとも1つのチャネル120、及びエミッタ110からの放射線を受信するようにチャネルの第2端部124に近接して配置されるレシーバ130を含み、さらにエミッタ110から受信した放射線に対応して第1の信号を生成し、密閉された部屋の中の不純物を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されている主題は、気中不純物の検出及び航空機などの輸送機内の気中不純物を検出するためのセンサーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
検出器は気中不純物の存在を検出するために使用することができる。例として、煙検出器は空気中の煙粒子又はエアロゾルの存在を検出するために使用することができる。航空機などの輸送機内の煙検出は、航空機客室と空調及び気圧管理システムとの間の構成の多様性によって生み出される客室内の空気の乱流によって、特に困難になることがある。したがって、航空機客室などの密閉された部屋の中で気中不純物を検出するシステム及び方法は、有用であろう。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、密閉された部屋の中で不純物を検出する検出システムは、放射線を放出するエミッタ、チャネルの第1端部でエミッタからの放射線を受信するようにエミッタに近接して配置される少なくとも1つのチャネル、エミッタからの放射線を受信するようにチャネルの第2端部に近接して配置されるレシーバを含み、エミッタから受信した放射線に対応して第1の信号を生成する。
【0004】
別の実施形態では、航空機は、少なくとも1つの密閉された部屋を定義する機体と、放射線を放出するエミッタ、チャネルの第1端部でエミッタからの放射線を受信するようにエミッタに近接して配置される少なくとも1つのチャネル、エミッタからの放射線を受信するようにチャネルの第2端部に近接して配置されるレシーバを有して密閉された部屋の中で不純物を検出するシステムとを含み、エミッタから受信した放射線に対応して第1の信号を生成する。
【0005】
別の実施形態では、密閉された部屋の中で不純物を検出する方法は、エミッタから少なくとも1つのチャネルの第1端部へ放射線を放出するステップ、エミッタからの放射線を少なくとも1つのチャネルの第2端部のレシーバで受信するステップ、及びエミッタから受信した放射線に対応して第1の信号を生成するステップを含む。
【0006】
さらに、適用の範囲は、本明細書に記述される説明から明らかになるであろう。本明細書の説明及び具体例は例示のみを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【0007】
本発明の教示による方法及びシステムの実施形態は、以下の図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムのハイレベル概略図である。
【図2A】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されるうるチャネルの垂直断面外略図である。
【図2B】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されるうるチャネルの垂直断面外略図である。
【図2C】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されるうるチャネルの垂直断面外略図である。
【図2D】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されるうるチャネルの垂直断面外略図である。
【図2E】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されるうるチャネルの垂直断面外略図である。
【図2F】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されるうるチャネルの垂直断面外略図である。
【図3】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムの透視概略図である。
【図4】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムの上面概略図である。
【図5】実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムの上面概略図である。
【図6】実施形態にしたがって計算を行う機器の概略図である。
【図7】実施形態にしたがって気中不純物を検出する方法の操作を示すフロー図である。
【図8】実施形態にしたがった航空機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載されている密閉された部屋の中で、例えば、煙などの気中不純物を検出するシステム及び方法の構成が本明細書に記載されている。ある種の実施形態の具体的な詳細は、このような実施形態を完全に理解するため、以下の説明及び関連の図面に記載されている。しかしながら、当業者であれば、代替的な実施形態が以下の説明に記載されている幾つかの詳細なしで実施されうることを理解するであろう。
【0010】
本発明は、機能及び/又は論理ブロックコンポーネント及び様々な処理手順の観点から本明細書に記載される。簡潔にするため、データ転送、信号伝達、ネットワーク制御、及びシステムの他の機能的な側面に関連する従来技術については、本明細書では詳細に記述しないことがある。さらに、本明細書に含まれる種々の図に描かれている接続線は、種々の要素間の例示的な機能関連性及び/又は物理的連結を示すことを意図している。実際の実施形態では、多数の代替的或いは追加的な機能関連性又は物理的連結が存在することに注意されたい。
【0011】
以下の説明では、コンポーネント或いは機能について、「接続された」又は「連結された」又は「結合された」の表現を用いて説明することがある。本明細書で使用されているように、明示的に述べられていない場合には、「接続された」は、1つのコンポーネント/機能が他のコンポーネント/機能と、直接物理的に接触していることを意味する。同様に、明示的に述べられていない場合には、「連結された」又は「結合された」は、1つのコンポーネント/機能が他のコンポーネント/機能と、直接的に又は間接的に結び付けられているが(或いは直接的に又は間接的に通じている)、必ずしも直接物理的に接続されていないことを意味する。したがって、図は要素の例示的な配置を表現しているが、実際の実施形態では、付加的な介在要素、デバイス、機能、又はコンポーネントが存在することがある。
【0012】
図1は、密閉された部屋の中の不純物を検出するシステム100の上面概略図である。図1に描かれた実施形態では、システム100は、放射線を放出する一又は複数のエミッタ110、チャネル120の第1端部122でエミッタ110からの放射線を受信するようにエミッタに近接して配置された少なくとも1つのチャネル120、及びチャネル120の第2端部124に近接して配置された一又は複数のレシーバ130を含む。レシーバ130はエミッタ110のからの放射線を受信し、エミッタ110から受信した放射線に対応して第1の信号を生成する。制御モジュール140は、エミッタ110及びレシーバ130に連結されうる。
【0013】
エミッタ110は、例えば、発光ダイオード(LED)などの従来の放射線エミッタとして具現化することができる。幾つかの実施形態では、エミッタ110は可視スペクトルの放射線、すなわち光を放出する。放射線は、肉眼に対して放射線が単色となるような狭い周波数帯にあってもよい。エミッタ110は、そこから放出される放射線を平行にする一又は複数のコリメータ、及び放射線を指向性ビームに集中させる一又は複数のレンズ組立部品を含むことがある。代替的な実施形態では、エミッタ110は可視スペクトル外の放射線を放出すること、又は少なくとも白色光として目に見える部分をインコヒーレントな放射線で放出することがある。
【0014】
レシーバ130は、レシーバ130の入力装置に入射する放射線レベルを検出するフォトダイオードなどの検出器を含み、放射線のレベルを表わす信号を生成することができる。例として、幾つかの実施形態では、レシーバ130は、レシーバ130に入射する放射線のレベルに比例する電圧を有する電気信号を生成する。
【0015】
図1に図解されているシステム100では、エミッタ110及びレシーバ130は、システム100の動作を管理する制御ロジックを含む一又は複数の制御モジュールに連結されている。幾つかの実施形態では、制御モジュール140は、一又は複数のプロセッサベースの制御装置として具現化される、或いはこれらの制御装置を含むことがあり、初期化、較正、電源管理、及びデータの監視と収集を含む動作を実施することができる。制御モジュール140の各種の構造的及び機能的側面が、以下でより詳細に説明される。
【0016】
図1に図解されている実施形態では、エミッタ110はチャネル120でエミッタ110からの放射線出力が検出されるように配列され、且つレシーバ130はチャネル120からの放射線を受信するように配置されている。図1に図解されている実施形態では、チャネル120は参照記号Lで示される長さを有する。チャネル120の具体的な長さLは本発明では重要ではなく、システム100が設置される密閉された部屋の大きさの関数となることがある。一般に、長さLは数インチから数十又は数百フィートまで変動することがある。一般に、チャネル120は密閉された部屋の中の乱気流から気中粒子又はエアロゾルを分離し、これによりシステムは、エミッタ110とレシーバ130との間の環境の気中粒子濃度のより正確且つ安定した読取値を得ることができる。
【0017】
図2A〜2Fは、実施形態にしたがって気中不純物を検出するシステムで使用されうるチャネルの垂直断面概略図である。最初に図2Aを参照すると、幾つかの実施形態では、チャネル120はコンパートメントの表面150に一体化することができる。或いは、図2Bに図解されているように、チャネル120はコンパートメントの表面150に取付けることができる。チャネル120は、0.25インチから3.00インチまでの値となる図2A〜2Fの参照記号wで示される幅、及び0.25インチから3.00インチまでの値となる深さを有することができる。しかしながら、チャネルの寸法が、チャネル120によって定義される体積中の乱気流を減少させ、同時にチャネル120内に気中不純物を保持するように定められているとしたならば、当業者はチャネルの具体的な寸法は重要ではないことを認識するであろう。
【0018】
図2C〜2Dを参照すると、幾つかの実施形態では、チャネル120は、コンパートメントからチャネル120の中への乱気流を減少させるため、チャネル120の側面に従属する一又は複数の縁126、128を含むことがある。同様に、縁の寸法が、チャネル120によって定義される体積中の乱気流を減少させ、同時にチャネル120内に気中不純物を保持するように定められているとしたならば、縁の具体的な寸法は重要ではない。幾つかの実施形態では、縁126、128は0.06インチから1.00インチまでの値となる。
【0019】
図2A〜2Dに描かれているチャネル120はほぼ長方形の断面となっているが、断面の形状の具体的な構成は重要ではない。図2E及び2Fを参照すると、幾つかの実施形態ではチャネル120はほぼ半円形の断面になっている。他の断面形状が実装されることもあり、種々の形状のチャネル120は図2C〜2Dに描かれているように縁126、128を含むことがある。
【0020】
図3は、実施形態にしたがって密閉された部屋115の気中不純物を検出するシステム100の透視概略図である。幾つかの実施形態では、部屋115は、航空機や他の輸送機内の貨物室又は客室など、輸送機の密閉されたコンパートメントを含むことがある。図3に描かれている実施形態では、複数のチャネル120は、部屋115の表面に形成又は取り付けられる。対応する複数のエミッタ110は、放射線がチャネル120の方向に向くように配置されており、対応する複数のレシーバ130はチャネル120から放射線を受信するように配置されている。図1に示したように、エミッタ110及びレシーバ130は、一又は複数の制御モジュール150に連結されていてもよい。エミッタ110、チャネル120、及びレシーバ130は、コンパートメント115内の気中不純物を監視することができるシステム100を形成する。点光源での不純物のみを検出できる従来の点光源の監視システムと異なり、システム100はチャネル120の範囲に沿ってどこでも不純物を検出することができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、システム100はエミッタ110とレシーバ130との間に1対1の対応が存在するように設計可能である。図4は、エミッタ110とレシーバ130が1対1に対応する実施形態にしたがった気中不純物検出システムの上面概略図である。
【0022】
代替的な実施形態では、エミッタ110とレシーバ130との間が1対nの関係になることがある。図5は、エミッタ110とレシーバ130との間に1対nの対応が存在する実施形態にしたがった、気中不純物検出システムの上面概略図である。図5を参照すると、幾つかの実施形態では、エミッタ110からの放射線は、一又は複数のビームスプリッタ組立部品160を含むチャネル120に沿って検出されることがある。ビームスプリッタ組立部品160は、ビームスプリッタ組立部品160に入射する放射線を、第1レシーバ130に向けられている第1コンポーネント、第2レシーバ130に向けられている第2コンポーネント、及びビームスプリッタ組立部品160を介して転送される第3コンポーネントに分割する。複数のビームスプリッタ組立部品160は、複数のレシーバ130に放射線を与えるため、チャネル120に沿って連続的に配置することができる。
【0023】
上述のように、エミッタ110及びレシーバ130は、制御モジュール140に連結することができる。幾つかの実施形態では、制御モジュール140は汎用コンピューティングシステムに論理モジュールとして実装することができる。ネットワーク化されたコンピュータベースシステムでは、コンピュータシステムのうちの一又は複数は、図6に関連して記述されている制御動作を実施するように適合された制御モジュール140を含む。図6は気中不純物の監視に使用することができるコンピューティングシステム600の概略図である。幾つかの実施形態では、システム600はコンピューティングデバイス608、及びスクリーン604を有するディスプレイ602を含む一又は複数の付随する入出力デバイス、一又は複数のスピーカー606、キーボード610、一又は複数の他のI/Oデバイス612、及びマウス614を含む。他のI/Oデバイス612は、タッチ式スクリーン、音声入力デバイス、トラックボール、及びシステム600がユーザーからの入力を受け取ることを可能にする任意の他のデバイスを含みうる。
【0024】
コンピューティングデバイス608は、システムハードウェア620及び、ランダムアクセスメモリ及び/又はリードオンリーメモリとして実装可能なメモリ630を含む。ファイルストア680はコンピューティングデバイス608と通信可能に結合することができる。ファイルストア680は、例えば、一又は複数のハードドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、又は他の種類の記憶デバイスなど、コンピューティングデバイス608の内部にあってもよい。ファイルストア680は、例えば、一又は複数の外付けハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ、又は分離型ストレージネットワークなど、コンピュータ608の外部にあってもよい。
【0025】
システムハードウェア620は、一又は複数のプロセッサ622、ビデオコントローラ624、ネットワークインターフェース626、及びバスストラクチャ628を含みうる。一実施形態では、プロセッサ622は、インテル社(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)から供給されているIntel(登録商標)Pentium(登録商標)IVとして具現化することができる。本明細書で使用しているように、「プロセッサ」という用語は、例えば、限定しないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セット計算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット(RISC)マイクロコンピュータ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサなどの任意の形式の計算要素、又は任意の他の形式のプロセッサ又は処理回路を意味する。
【0026】
グラフィックコントローラ624は、グラフィックス及び/又はビデオ操作を管理する補助プロセッサとして機能することができる。グラフィックコントローラ624は、コンピューティングシステム600のマザーボード上に組み込むこと、又はマザーボード上の拡張スロットを介して連結することができる。
【0027】
一実施形態では、ネットワークインターフェース626は、イーサネット(登録商標)インターフェース(例えば、電気電子技術者協会規格IEEE802.3−2002を参照)、又はIEEE802.11a,b,g準拠インターフェース(例えば、LAN/MANシステム間のIT通信及び情報交換のためのIEEE規格―第2部:無線LANメディアアクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様―追補4:2.4GHz帯における高速伝送のための拡張、802.11G- 2003)であってもよい。無線インターフェースの他の実施例は、汎用パケット無線サービス(GPRS)インターフェース(例えば、GPRSハンドセット要件に関するガイドライン、モバイルコミュニケーションズ/GSM(登録商標)協会用グローバルシステム、バージョン3.0.1、2002年12月)となることがある。
【0028】
バスストラクチャ628はシステムハードウェア628の種々のコンポーネントを接続する。一実施形態では、バスストラクチャ628は、メモリバス、周辺機器用バス、又は外部バスを含む幾つかの種類のバスアーキテクチャ、及び/又は11ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネル・アーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンストグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)バス、およびスモールコンピュータシステムズインターフェース(SCSI)を含むがこれに限定されない、入手可能な任意の種類のバスアーキテクチャを使用するローカルバス、のうちの一又は複数であってもよい。
【0029】
メモリ630は、コンピューティングデバイス608の動作を管理するためのオペレーティングシステム640を含むことができる。一実施形態では、オペレーティングシステム640は、システムハードウェア620へのインターフェースを提供するハードウェアインターフェースモジュール654を含む。加えて、オペレーティングシステム640は、コンピューティングデバイス608の動作で使用されるファイルを管理するファイルシステム650、及びコンピューティングデバイス608上で実行されるプロセスを管理するプロセス制御サブシステム652を含むことができる。さらに、メモリモジュール630は、図2を参照して説明されている分析操作を実装する評価モジュール660を含むことができる。
【0030】
オペレーティングシステム640は、システムハードウェア620と連動してリモートソースとの間でデータパケット及び/又はデータストリームを送受信するように動作する一又は複数の通信インターフェースを含むことができる。オペレーティングシステム640はさらに、メモリ630に常駐するオペレーティングシステム640と一又は複数のアプリケーションモジュールとの間のインターフェースを提供するシステムコールインターフェースモジュール642を含むことができる。オペレーティングシステム640は、UNIX(登録商標)オペレーティングシステムあるいはその派生システム(例えば、LINUX(登録商標)、Solaris(登録商標)など)、又はWindows(登録商標)ブランドのオペレーティングシステム、又は他のオペレーティングシステムとして具現化しうる。
【0031】
一実施形態では、メモリ630はシステム100の動作を管理する制御モジュール140を含む。制御モジュール140は、コンピュータで読取可能な記憶媒体内にコード化された論理命令を含むことが可能で、この命令がプロセッサ622で実行された場合には、プロセッサ622はシステム100を起動し、較正し、管理を行って、密閉された部屋の中の不純物を検出することができる。
【0032】
図7は実施形態にしたがって気中不純物を検出する方法の操作を示すフロー図である。操作710で図7を参照して、較正手続きを実施することができる。幾つかの実施形態では、較正手続きは、密閉された部屋の中の空気が正常な動作状態にあり、部屋の中に気中不純物を発生させる可能性のある火災などの事象が存在しない場合に、システムを起動するステップを含むことがある。エミッタ110に対して適切な電力レベルが確立され、レシーバ130からの出力信号は収集され、コンピューティングシステム600に関連するメモリ630又はファイルストア680などの適切な記憶場所に保存することができる。
【0033】
システムの較正が行われると、操作のための起動が可能となる。使用中、システム100は連続的に操作すること、又は間歇的に操作することができる。例えば、システム100は定期的に起動を行い、起動期間中にデータを収集することができる。どのような動作モードが選択されている場合でも、操作720ではエミッタ110は起動されており、エミッタ110からは放射線が放出される。操作725では、レシーバ130は放射線を受信し、その受信に対応して信号を生成する。幾つかの実施形態では、レシーバ130からの出力信号は受信した放射線に比例する。したがって、密閉された部屋の中の空気が煙などの気中不純物を実質的に含んでいない場合には、レシーバ130によって生成される信号は、較正過程で生成される信号とほぼ同等でなければならない。反対に、密閉された部屋115の中の空気に気中不純物を発生させる火災又はその他の事象では、気中不純物はレシーバ130に作用する放射線レベルを減少させ、その結果レシーバの出力信号を低下させる。
【0034】
操作730ではレシーバデータが収集され、操作735ではレシーバデータは較正過程で収集されたデータと比較される。操作740で収集されたデータと較正データとの間の差異が閾値を超えない場合には、制御は操作725に戻り、気中不純物を監視する通常の動作を継続する。
【0035】
反対に、操作740で差異が閾値を超える場合には、制御は操作745に進み警告信号が生成され、その信号は操作750でユーザーインターフェース上に表示される。例として、警告信号は視覚ディスプレイ、聴覚ディスプレイ、又はこれらの組合せの上に表示される。
【0036】
幾つかの実施形態では、システム100は、飛行機、ヘリコプター、宇宙船などの航空機800のコンパートメントに組み込まれることがある。代替的な実施形態では、システム100はトラック、戦車、列車などの陸上輸送機、又は船舶などの水上輸送機に組み込まれることがある。さらなる実施形態では、システム100は地上通信局に組み込まれることがある。
【0037】
種々の実施形態が記述されているが、当業者は本発明の範囲を逸脱することなく修正や変更が行われうることを認識するであろう。実施例は種々の実施形態を説明するものであって、本発明を限定することを意図していない。したがって、説明文及び請求項は、適切な先行技術を考慮して、このような制限のみによって解釈されるべきである。代替的な実施形態は以下のようになる
実施形態8.
少なくとも1つの密閉された部屋を定義する機体と、
密閉された部屋の中の不純物を検出するためのシステムと、
放射線を放出するエミッタと、
チャネルの第1端部でエミッタからの放射線を受信するようにエミッタに近接して配置される少なくとも1つのチャネルと
チャネルの第2端部に近接して配置されるレシーバであって、
エミッタからの放射線を受信するステップと
エミッタから受信した放射線に対応して第1の信号を生成する
レシーバと
を有する航空機。
実施形態9.
前記レシーバから前記第1の信号を受信し、
前記第1の信号が部屋の中の不純物が閾値を超えていることを示している場合に警告を発する
ように前記レシーバに論理的に連結されている制御モジュールをさらに含む、実施形態8に記載の航空機。
実施形態10.
前記部屋が輸送機内に定義されたコンパートメントを含み、
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に沿って延在する、
実施形態8に記載の航空機。
実施形態11.
前記コンパートメントの表面に沿って延在する複数のチャネルと、
前記エミッタからの放射線を前記複数のチャネルへ向かわせる複数のビームスプリッタと、
複数のレシーバであって、
前記エミッタからの放射線を受信し、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の複数の信号を生成する
レシーバと
をさらに含む、実施形態10に記載の航空機。
実施形態12.
前記コンパートメントの表面に沿って延在する複数のチャネルと、
前記複数のチャネルへ放射線を放出する複数のエミッタと、
複数のレシーバであって、
前記エミッタからの放射線を受信し、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の複数の信号を生成する
レシーバと
をさらに含む、実施形態10に記載の航空機。
実施形態13.
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に組み込まれている、実施形態10に記載の航空機。
実施形態14.
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に取付けられている、実施形態10に記載の航空機。
【符号の説明】
【0038】
100 システム
110 エミッタ
115 密閉された室
120 チャネル
122 第1端部
124 第2端部
126、128 縁
130 レシーバ
140 制御モジュール
150 コンパートメント
160 ビームスプリッタ組立部品
600 計算システム
602 ディスプレイ
604 スクリーン
606 スピーカー
608 計算デバイス
610 キーボード
612 他のデバイス
614 マウス
620 システムハードウェア
622 プロセッサ
624 グラフィックコントローラ
626 ネットワークインターフェース
628 バスストラクチャ
630 メモリ
640 オペレーティングシステム
642 システムコールインターフェースモジュール
644 通信インターフェース
660 ファイルシステム
662 プロセス制御サブシステム
664 ハードウェアインターフェースモジュール
680 ファイルストア
800 航空機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を放出するエミッタ(110)と、
前記チャネル(120)の第1端部(122)で前記エミッタからの放射線を受信するように前記エミッタに近接して配置される少なくとも1つのチャネル(120)と、
前記チャネルの第2端部(124)に近接して配置されるレシーバ(130)であって、
前記エミッタからの放射線を受信し、
前記エミッタ(110)から受信した前記放射線に対応して第1の信号を生成する
レシーバと
を含む密閉された部屋の中の不純物を検出するためのシステム(100)。
【請求項2】
前記レシーバ(130)から前記第1の信号を受信し、
前記第1の信号が部屋(115)の中の不純物が閾値を超えていることを示している場合に警告を発する
ように前記レシーバ(130)に論理的に連結されている制御モジュール(140)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記部屋が輸送機内に定義されたコンパートメントを含み、
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に沿って延在する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンパートメント(115)の表面(150)に沿って延在する複数のチャネルと、
前記エミッタからの放射線を前記複数のチャネルへ向かわせる複数のビームスプリッタと、
複数のレシーバであって、
前記エミッタからの放射線を受信し、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の複数の信号を生成する
レシーバと
をさらに含む、請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記コンパートメント(115)の表面に沿って延在する複数のチャネル(120)と、
前記複数のチャネルへ放射線を放出する複数のエミッタと、
複数のレシーバであって、
前記エミッタ(110)からの放射線を受信し、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の複数の信号を生成する
レシーバと
をさらに含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に組み込まれている、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に取付けられている、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
エミッタ(110)から少なくとも1つのチャネルの第1端部へ放射線を放出するステップと、
前記エミッタからの放射線を前記少なくとも1つのチャネルの第2端部のレシーバ(130)で受信するステップと、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の信号を生成するステップと
を含む、密閉された部屋(115)の中で不純物を検出する方法。
【請求項9】
前記レシーバに連結された制御モジュールで、前記レシーバから前記第1の信号を受信するステップと、
前記第1の信号が前記部屋の中の不純物が閾値を超えていることを示している場合に警告を発するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記部屋が輸送機内に定義されたコンパートメントを含み、
前記少なくとも1つのチャネルが前記コンパートメントの表面に沿って延在する、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記コンパートメントの表面に沿って延在する複数のチャネル(120)と、
前記エミッタからの放射線を前記複数のチャネルへ向かわせる複数のビームスプリッタ(160)と、
複数のレシーバ(130)であって、
前記エミッタからの放射線を受信し、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の複数の信号を生成する
レシーバと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンパートメントの表面に沿って延在する複数のチャネルと、
前記複数のチャネルへ放射線を放出する複数のエミッタと、
複数のレシーバであって、
前記エミッタからの放射線を受信し、
前記エミッタから受信した前記放射線に対応して第1の複数の信号を生成する
レシーバと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88434(P2013−88434A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−229559(P2012−229559)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】