説明

気体分離装置

【課題】本発明は、省エネを実現しつつ、製品ガスの濃度の低下を抑制することができる気体分離装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された空気を貯留する空気槽と、前記空気槽の圧力を検出する圧力検出手段と、内部に吸着剤が充填され前記空気槽から供給された圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、前記空気槽の圧力検出手段で検出される圧力に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、前記吸着槽に圧縮空気を供給して一の気体を吸着する吸着工程と、前記吸着槽から他の気体を製品ガスとして取出す取出工程とを行う制御部とを備え、前記制御部は、前記吸着工程において、前記空気槽の圧力が第1の設定圧力となるように前記圧縮機を制御した後、前記第1の設定圧力よりも高い第2の設定圧力となるように前記圧縮機を制御することを特徴とする気体分離装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窒素または酸素等の製品ガスを大気から抽出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の気体分離装置は、空気を圧縮する圧縮機と、内部に吸着剤が充填され前記圧縮機から吐出された圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、前記吸着槽に圧縮空気を供給して一の気体を吸着し前記吸着槽から他の気体を製品ガスとして取出す吸着取出工程を繰返す制御手段とを備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−307504
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の気体分離装置は、吸着取出工程において、原料となる圧縮空気の圧力の目標値が所定の圧力となるように圧縮機を制御している。ここで、製品ガス槽の圧力を高圧で維持するためには、原料となる圧縮空気の圧力が高圧である必要があるため、省エネの効果が少ない。また、原料となる圧縮空気の圧力を低くすると、省エネの効果は高まるが、製品ガス槽の圧力が低下することから、取り出される製品ガスの濃度も低下してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、原料となる圧縮空気の圧力を制御することで、省エネを実現しつつ、製品ガスの圧力および濃度の低下を抑制することができる気体分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された空気を貯留する空気槽と、前記空気槽の圧力を検出する圧力検出手段と、内部に吸着剤が充填され前記空気槽から供給された圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、前記空気槽の圧力検出手段で検出される圧力に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、前記吸着槽に圧縮空気を供給して一の気体を吸着する吸着工程と、前記吸着槽から他の気体を製品ガスとして取出す取出工程とを行う制御部とを備え、前記制御部は、前記吸着工程において、前記空気槽の圧力が第1の設定圧力となるように前記圧縮機を制御した後、前記第1の設定圧力よりも高い第2の設定圧力となるように前記圧縮機を制御することを特徴とする気体分離装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、省エネを実現しつつ、製品ガスの圧力および濃度の低下を抑制することができる気体分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例1−3による気体分離装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の第1の吸着槽、第2の吸着槽の各工程を示す説明図である。
【図3】図1の空気槽、第1、第2の吸着槽、窒素槽の圧力を示す図である。
【図4】本発明の実施例1による気体分離装置における、原料ガス槽と製品ガス槽の圧力を示す図である。
【図5】本発明の実施例1による、制御フロー図である。
【図6】本発明の実施例2による気体分離装置における、原料ガス槽と製品ガス槽の圧力を示す図である。
【図7】本発明の実施例2による、制御フロー図である。
【図8】本発明の実施例3による気体分離装置における、原料ガス槽と製品ガス槽の圧力を示す図である。
【図9】本発明の実施例3による、制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施例1について図1−5を用いて説明する。本実施例における気体分離装置の全体構成について図1を用いて説明する。
【0011】
第1,第2の吸着槽1,2内にはそれぞれ分子ふるいカーボン等の吸着剤1A,2Aが充填されている。このとき、吸着剤1A,2Aは多数の空隙を備えると共に、この空隙の穴径は酸素分子の分子径とほぼ同等な値に設定されている。このとき、酸素分子の分子径に比べて窒素分子の分子径の方が大きいため、吸着剤1A,2Aは、酸素分子のみを吸着することができる。
【0012】
圧縮空気供給源となる圧縮機3は駆動手段として例えば電動モータ4が接続されている。このとき、圧縮機3は、電動モータ4によって駆動し、吸込口から吸込んだ空気を圧縮して圧縮空気を生成する。そして、圧縮機3は、電動モータ4の回転数に応じた吐出量の圧縮空気を吐出する。また、圧縮機3の吐出口には空気タンクとしての空気槽5が接続されている。
【0013】
また、電動モータ4は、インバータ回路4Aに接続されている。このとき、インバータ回路4Aは、正弦波の交流を直流に変換するコンバータと、直流を可変周波数の交流に逆変換する複数のトランジスタ(いずれも図示せず)によって構成されている。そして、インバータ回路4Aは、トランジスタのオン、オフが後述する制御回路100によって制御され、電動モータ4の定格周波数を任意に変更することができる。従って、電動モータ4の出力軸は、インバータ回路4Aから出力された交流の可変周波数に応じた回転数で回転駆動する。
【0014】
圧縮空気を貯留する空気槽(空気タンク)5は、上流側が圧縮機3に接続されると共に、下流側が冷凍ドライヤ6を介して吸着槽1,2に接続されている。ここで、冷凍ドライヤ6には、その内部に溜まった水分を排出するためのドレン排出弁6Aが設けられている。また、冷凍ドライヤ6の吐出側は、エアフィルタ7を介して配管8,9に接続されると共に、配管8,9を介して吸着層1,2に接続されている。そして、冷凍ドライヤ6は、圧縮機3により生成された圧縮空気中の水分を除去して、乾燥した圧縮空気を吸着槽1,2に供給している。
【0015】
また、配管8,9の途中には第1,第2の供給弁V1,V2が設けられている。このとき、各供給弁V1,V2は、例えば電磁弁によって構成され、後述の制御回路100によってその開弁、閉弁が制御されている。そして、供給弁V1,V2は、交互に開弁、閉弁し、空気槽5内の圧縮空気を吸着槽1,2に交互に供給している。
【0016】
吸着剤1A,2Aから酸素分子を脱着させる時に吸着槽1,2からの気体(ガス)を排出する配管10,11は、排気音を下げるサイレンサ12に接続されている。そして、配管10,11の途中にはそれぞれ吸着槽1,2内の脱着排ガスを半サイクル(一方の吸着槽が吸着工程から均圧工程まで)毎に交互に排出する電磁弁からなる第1,第2の排気弁V3,V4が設けられている。
【0017】
吸着槽1,2から製品ガスとしての窒素ガスをそれぞれ取り出す取出配管13,14は他の取出配管15に連結されている。また、取出配管15は後述の窒素槽16に接続されている。これにより、取出配管13〜15は、吸着槽1,2と窒素槽16との間を接続し、吸着槽1,2内の窒素ガスを窒素槽16内に供給するものである。
【0018】
また、取出配管13,14の途中には第1,第2の取出弁V5,V6が設けられている。このとき、各取出弁V5,V6は、例えば電磁弁によって構成され、後述の制御回路100によってその開弁、閉弁が制御されている。そして、取出弁V5,V6は、半サイクルの間だけ交互に開弁し、吸着槽1,2内の窒素ガスを窒素槽16に供給すると共に、窒素槽16内の窒素ガスを吸着槽1,2に還流させている。
【0019】
取出配管15に接続された貯留タンク(バッファタンク)としての窒素槽16は、吸着槽1,2により生成された製品ガスとしての窒素ガスを貯留し、後述の製品ガス取出配管20を介して外部の被供給機器(図示せず)に向けて窒素ガスを供給する。
【0020】
吸着槽1,2間を連通する配管17,18に吸着槽1,2の上流側と下流側との両端にそれぞれ配置されている。また、配管17は、配管8,9間を接続すると共に、その途中には例えば、電磁弁からなる下均圧弁V7が設けられている。一方、配管18は、取出配管13,14間を接続すると共に、その途中には例えば、電磁弁からなる上均圧弁V8が設けられている。そして、これらの均圧弁V7,V8は吸着槽1,2による半サイクルの終了間際に所定の数秒だけ開弁し、吸着槽1,2間を均圧にする(均圧工程)。なお、配管18には、絞り19が並列接続されている。
【0021】
窒素槽16に接続された製品ガス取出配管20は、その途中にフィルタレギュレータ21と後述の製品ガス取出弁V10とが設けられると共に、外部の被供給機器(図示せず)に接続されている。
【0022】
窒素槽16内の窒素ガスの濃度を検出するための濃度センサ22は、例えば酸素センサによって構成され、製品ガス取出配管20から分岐した分岐配管23に接続されると共に、分岐配管23の途中には電磁弁からなる濃度検出弁V9と流量調整弁24とが設けられている。ここで、濃度検出弁V9は、窒素槽16内の気体が濃度センサ22に供給可能となるように、装置の作動中は常時開弁している。そして、濃度センサ22は、窒素槽16内の酸素濃度に応じた酸素ガス濃度測定信号を出力する。
【0023】
また、製品ガス取出配管20の途中には、分岐配管23よりも下流側に位置して電磁弁からなる製品ガス取出弁V10が設けられている。このとき、製品ガス取出弁V10は、流量調整弁25を介して外部の被供給機器(図示せず)に接続されている。そして、製品ガス取出弁V10は、後述の制御回路100を用いて開弁、閉弁が制御され、濃度センサ22等により検出した値(窒素ガス濃度)が例えば99.99%程度の設定値を超えた場合に開弁して窒素槽16内の窒素ガスを外部に取り出し可能とし、設定値を超えない場合には閉弁する。
【0024】
製品ガス取出配管20より分岐した排気管26の途中には、電磁弁からなる排出弁V11と窒素ガスの排出量を一定に保つ可変の流量調整弁27とが設けられると共に、その先端にサイレンサ28が接続されている。そして、排出弁V11は、後述の制御回路100を用いて開弁、閉弁が制御され、濃度センサ22により検出した値(窒素ガス濃度)が例えば99.99%程度の設定値を超えない場合に開弁して窒素槽16内の窒素ガスを外部に排出し、設定値を超えた場合には閉弁する。
【0025】
空気槽5内の圧力を検出する空気タンク圧力検出手段としての第1の圧力検出器29は、例えば空気槽5に取付けられると共に、その出力側が制御回路100に接続されている。そして、圧力検出器29は、空気槽5内の圧力(検出圧力Pa)に応じた第1の圧力検出信号を制御回路100に向けて出力している。
【0026】
窒素槽16内の圧力を検出する貯留タンク圧力検出手段としての第2の圧力検出器30は、例えば窒素槽16に取付けられると共に、その出力側が制御回路100に接続されている。そして、圧力検出器30は、窒素槽16内の圧力(検出圧力Pn)に応じた第2の圧力検出信号を制御回路100に向けて出力している。
【0027】
窒素発生装置の周囲温度を検出する周囲温度検出手段としての温度検出器31は、例えば吸着槽1,2の周囲に取付けられると共に、その出力側が制御回路100に接続されている。そして、温度検出器31は、吸着槽1,2等の周囲温度(検出温度T)に応じた温度検出信号を制御回路100に向けて出力している。
【0028】
電動モータ4の回転数を検出する回転数検出手段としての回転数検出器32は、例えば電動モータ4の出力軸の周囲に取付けられると共に、その出力側が制御回路100に接続されている。そして、回転数検出器32は、電動モータ4の回転数(検出回転数N)に応じた回転数検出信号を制御回路100に向けて出力している。
【0029】
次に、制御回路100(制御部)について説明する。制御回路100は、供給弁V1,V2、排気弁V3,V4、取出弁V5,V6、均圧弁V7,V8を開閉制御して窒素ガスを生成するための弁制御回路101と、濃度センサ22から出力される酸素ガス濃度測定信号を用いて窒素槽16内の窒素ガス濃度を検出し、窒素ガス濃度の検出値に基づいて製品ガス取出弁V10、排出弁V11を開閉制御して窒素ガスの排出を制御する排出制御回路102と、吸着工程での電動モータ4の回転数および吸着工程の時間を設定する吸着工程制御回路103とによって構成されている。
【0030】
ここで、弁制御回路101の動作について図1ないし図3に基づいて説明すると、弁制御回路101は、窒素発生装置を起動することにより、各電磁弁の開閉を制御し、窒素ガス(製品ガス)の発生を行う。
【0031】
ここで、例えば最初に、第1の吸着槽1では、吸着工程(工程(a),(b))、均圧工程(工程(c))が実行されるのに対し、第2の吸着槽2では、第1の吸着槽1が吸着工程を行っている間に再生工程が実行され、再生工程の終了後に第1の吸着槽1との均圧工程が実行される。
【0032】
具体的には、図2中の工程(a)では、第1の吸着槽1に対して吸着工程等が実行され、第1の吸着槽1側の供給弁V1、取出弁V5を開弁する。これにより、第1の吸着槽1に原料気体としての圧縮空気が圧縮機3より供給されると共に、窒素槽16内の窒素ガスが取出配管13,15を逆流して上部(下流側)より吸着槽1内に還流する。これにより、第1の吸着槽1は圧縮機3からの圧縮空気と窒素槽16内の窒素ガスとの上・下方向から流入したガスにより昇圧状態にあり、吸着剤1Aに酸素が吸着される。なお、窒素ガスの還流は、吸着しにくい窒素ガスで吸着槽1内の圧力を高め、吸着剤1Aの吸着効率を向上させるために行うものである。
【0033】
一方、第2の吸着槽2に対しては再生工程が実行され、排気弁V4の開弁により減圧状態にあり、吸着していた酸素が脱着して排出されている。
【0034】
この結果、工程(a)では、図3に示すように、第1の吸着槽1内の圧力が上昇すると共に窒素槽16内の圧力が低下し、第1の吸着槽1内の圧力と窒素槽16内の圧力とがほぼ同じ値になる。これに対し、第2の吸着槽2内の圧力は大気圧程度まで低下する(吸着還流工程)。
【0035】
次に、図2中の工程(b)では、第1の吸着槽1に対して吸着工程および取出工程(吸着取出工程)が実行され、第1の吸着槽1側の供給弁V1および取出弁V5を工程(a)に引続き開弁したままで、圧縮空気を第1の吸着槽1に供給し続けるため、第1の吸着槽1内の圧力が窒素槽16内の圧力より高くなり、第1の吸着槽1内の窒素ガスが取り出される状態となる。このとき、第2の吸着槽2は排気弁V4が開弁した減圧状態の再生工程のままである。
【0036】
このため、工程(b)では、図3に示すように、第1の吸着槽1内の圧力と窒素槽16内の圧力は圧縮空気によって徐々に上昇する。一方、第2の吸着槽2内の圧力は大気圧程度に保持される。
【0037】
次に、図2中の工程(c)では、第1,第2の吸着槽1,2に対して均圧工程が実行され、均圧弁V7,V8を開弁すると共に供給弁V1、取出弁V5、排気弁V4を閉弁する。これにより、吸着槽1,2と圧縮機3との間が遮断されると共に、吸着槽1,2と窒素槽16との間が遮断され、吸着槽1,2の間が連通する。この結果、第1の吸着槽1内に残存する窒素ガスは第2の吸着槽2に回収され、図3に示すように、各吸着槽1,2内の圧力はほぼ均圧となる。
【0038】
以上により、1サイクルのうちの前半のサイクルが終了したことになり、供給弁V2、取出弁V6、排気弁V3を開弁することによって、後半のサイクルに切替り、図2中の工程(a)〜(c)とほぼ同様の工程(d)〜(f)を実行する。そして、この後半のサイクルにおいて、第2の吸着槽2では吸着工程(工程(d),(e))、均圧工程(工程(f))を行うのに対し、第1の吸着槽1では、第2の吸着槽2が吸着工程を行っている間に再生工程が実行され、再生工程の終了後に第2の吸着槽2との均圧工程が実行される。
【0039】
以上のように、弁制御回路101は上記サイクルを繰り返すことにより、圧縮機3より供給される原料気体を吸着槽1,2内で窒素ガスとそれ以外のガス(酸素ガス)とに分離し、吸着槽1,2で分離された窒素ガスを窒素槽16内に貯留させる。
【0040】
なお、吸着工程(工程(a),(b)、(工程(d),(e))の時間τ0と圧縮空気の供給量は、後述する吸着工程制御回路103によって制御されており、空気槽5の圧力、吸着槽1、2の周囲温度、および窒素ガス(製品ガス)の使用量に応じて変化するものである。
【0041】
次に、排出制御回路102について説明すると、排出制御回路102は、窒素発生装置の起動時には製品ガス取出弁V10には開弁信号を出力せず、製品ガス取出弁V10を閉弁させた状態で排出弁V11に開弁信号を出力する。このとき、排出制御回路102は濃度センサ22からの酸素ガス濃度測定信号を用いて窒素槽16内の製品ガスの窒素濃度を測定する。そして、排出制御回路102は、窒素槽16内の窒素濃度が予め決められた所定の設定値(例えば99.9%)を超えるまでの間は、排出弁V11を開弁させて窒素槽16内の窒素濃度の低い窒素ガスを排気管26を通じて大気中に排出する。そして、窒素発生装置の起動後からしばらく経過すると、窒素槽16内の窒素濃度が徐々に高まるから、排出制御回路102は、窒素槽16内の窒素濃度が所定の設定値を超えると、排出弁V11を閉弁すると共に、製品ガス取出弁V10を開弁させる。この結果、製品ガス取出配管20に接続された外部の被供給機器(図示せず)には高濃度の窒素ガスが供給される。
【0042】
ここで、図4、5を用いて、本実施例における吸着工程制御回路103の制御について説明する。
【0043】
吸着工程制御回路103は、吸着槽1、2の切替え信号により、吸着工程開始を判定する。吸着工程開始後、経過時間Tの積算を開始し、経過時間Tが所定の時間T1未満の場合、原料ガス圧力検出手段32により検出した検出圧力Pが予め決められた第1の基準圧力PLとなるよう、インバータ回路4Aを用いて圧縮機3の設定圧力の制御を行い、所定の時間T1に達すると第1の基準圧力PLよりも高い第2の基準圧力PHとなるようにインバータ回路4Aを用いて圧縮機3の設定圧力の制御を行う。ここで、圧縮機3の設定圧力の制御はインバータ回路4Aを制御することにより、電動モータ4の回転数を制御することにより行う。即ち、検出圧力が基準圧力よりも十分に低い場合は電動モータ4の回転数を上限とし、基準圧力に近づくにつれ、回転数を徐々に下げ、基準圧力を維持するように圧縮機3を制御する。製品ガスの使用量が少ない場合は、基準圧力以上になると電動モータ4を停止させることにより、圧縮機3を停止させる。具体的には、経過時間Tが所定の時間T1未満の場合、検出圧力Pが第1の基準圧力PL以上になると電動モータ4を停止させることにより圧縮機3を停止させ、所定の時間T1以上の場合、検出圧力Pが第2の基準圧力PH以上になると電動モータ4を停止させることにより圧縮機3を停止させる。その後、吸着槽1、2の切替え信号により、吸着工程開始を判定した後、T=0として、経過時間Tの積算を開始し、同様の制御を繰り返し行う。
【0044】
吸着工程開始時においては、吸着槽1、2が切り替わり、吸着工程を開始した吸着槽に急激に酸素ガスが吸着されるため、吸着工程開始時の空気槽5の圧力は製品ガスの濃度に対して特に大きな影響を与える。一方、吸着工程開始時以外の時間は製品ガスの濃度に対して吸着工程開始ほど大きな影響を与えない。従って、本実施例のように吸着工程終了前に圧縮機3の設定圧力を高くすることで、省エネを実現しつつ、製品ガスの圧力および濃度の低下を抑制することができる。
【0045】
なお、本実施例では、吸着槽の切替え信号により、吸着工程の開始を判定しているが、第1の圧力検出器29により検出される空気槽5の圧力Pが第1の基準圧力PL以下となった時点を吸着工程の開始と判定して、圧縮機の設定圧力の制御を行ってもよい。これにより、切り替え信号を入出力する回路をあらたに設ける必要がなくなり、回路構成を簡易にすることができる。
【0046】
また、製品ガスの使用量が少ない場合は、検出圧力Pが基準圧力以上になると、圧縮機3を停止させる制御を行っているが、停止させるのではなく、無負荷運転(アンロード運転)としてもよい。これにより、スイッチのオン・オフの回数を少なくすることができ、圧縮機3の制御回路の負荷を減らすことができる。なお、製品ガスの使用量が多い場合は、圧縮機3を停止させずに電動モータ4の回転数を下げて運転を継続させることで、スイッチのオン・オフの回数を少なくすることができ、圧縮機3の制御回路の負荷を減らすことができる。
【0047】
本実施例では、以下説明するとおり、吸着槽1、2の周囲温度に応じて所定の時間T1を変化させてもよい。これにより、吸着槽1、2の周囲温度に応じて消費電力と製品ガスの圧力および濃度の双方を最適に保つことができる。
【0048】
ここで、吸着工程時間の最適値は、吸着槽1、2の周囲温度に応じて変化する。具体的には、周囲温度が高温基準温度Tbよりも高い高温範囲のときには、吸着剤1A,2Aの空隙の穴径が膨脹して酸素の分子径よりも大きくなる傾向があり、酸素および窒素の吸着量がいずれも増加する傾向がある。ここで、吸着槽1、2の周囲温度が高温範囲にあるときには、酸素の吸着量に対する窒素の吸着量の比率が増加する傾向があるから、窒素ガスの圧力および濃度は常温時に比べて低下する傾向がある。このため、窒素ガスの濃度を吸着槽1、2の周囲温度が基準温度範囲のときと同程度に確保するためには、酸素の吸着量を確保しつつ窒素の吸着量を抑制する必要がある。従って、吸着工程時間の最適値は、周囲温度が基準温度範囲となるときに比べて、短くなる。
【0049】
また、温度が高いと空気の膨張により、同体積で比較すると、空気に含まれる酸素分子、窒素分子共に分子量としては下がる。よって吸着槽1,2内の圧力が上がりにくく、それに伴い濃度も良くなりにくい。このため、第2の基準圧力PHに確実に到達させ、吸着工程前の窒素槽内の圧力を上げ、全体の圧力を高圧にすることで濃度の悪化を防止する。
【0050】
一方、吸着槽1、2の周囲温度が低温基準温度Taよりも低い低温範囲のときには、吸着剤1A,2Aの空隙の穴径が縮小して酸素の分子径よりも小さくなる傾向があり、酸素および窒素の吸着量がいずれも減少する傾向がある。ここで、吸着槽1、2の周囲温度が低温範囲にあるときには、酸素の吸着量に対する窒素の吸着量の比率が減少する傾向があるから、窒素ガスの圧力および濃度は常温時に比べて高くなる傾向がある。このため、窒素ガスの濃度を周囲温度が基準温度範囲のときと同程度に確保するためには、窒素の吸着量が過剰に増加しない範囲で酸素の吸着量を増加する必要がある。従って、吸着工程時間の最適値は、吸着槽1、2の周囲温度が基準温度範囲となるときに比べて、長くなる。
【0051】
また、温度が低いと空気の膨張が少ないので、同体積で比較すると、空気に含まれる酸素分子、窒素分子共に分子量としては上がる。よって吸着槽1,2内の圧力が上がりやすく、それに伴い濃度も良くなりやすい。このため、第2の基準圧力PHに到達しやすく、吸着工程前の窒素槽内の圧力は高圧となっており、また全体の圧力も高圧となっているため、吸着工程時間を長くしても、濃度が低下しない。
【0052】
従って、吸着槽1、2の周囲温度が高温基準温度Tbよりも高い高温範囲のときには、吸着工程全体の時間を短くする一方で、所定の時間T1が経過してから次の吸着工程開始までの時間を長くすることで、製品ガスの濃度の低下を防止することができる。また、吸着槽1、2の周囲温度が低温基準温度Taよりも低い低温範囲のときには、吸着工程全体の時間を長くする一方で、所定の時間T1が経過してから第2の基準圧力PHまで到達させるまでの時間が短くなり、製品ガスの圧力および濃度を維持しつつさらに省エネを図ることができる。
【0053】
また、本実施例では、以下説明するとおり、製品ガスの使用量に応じて所定の時間T1を変化させてもよい。これにより、製品ガスの使用量に応じて消費電力と製品ガス濃度の双方を最適に保つことができる。
【0054】
ここで、窒素ガスの使用量が少ない場合、窒素ガスの圧力および濃度は高くなり、窒素ガスの使用量が多い場合は窒素ガスの圧力および濃度が低くなる傾向がある。
【0055】
従って、窒素ガスの使用量が第1の基準使用量Qaよりも少ない少量範囲のときには、吸着工程全体の時間を長くしつつ、所定の時間T1が経過してから次の吸着工程開始までの時間を短くすることで、低圧で容量制御を行う時間を延長させ、製品ガスの濃度を維持しつつさらに省エネを図ることができる。また、窒素ガスの使用量が第2の基準使用量Qbよりも多い多量範囲のときには、吸着工程全体の時間を短くして、所定の時間T1が経過してから次の吸着工程開始までの時間を長くすることで、製品ガスの濃度の低下を防止することができる。
【0056】
本実施例によれば、経過時間が所定の時間を経過する前よりも経過した後で、圧縮機3を停止する圧力を高くすることで、省エネを実現しつつ、製品ガスの濃度の低下を抑制することができる。
【実施例2】
【0057】
本発明の実施例2について説明する。なお、本実施例において、実施例1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0058】
図6、7を用いて、本実施例における吸着工程制御回路103の制御について説明する。
【0059】
吸着工程制御回路103は、吸着槽1、2の切替え信号により、T=TS(TSは吸着固定全体の時間)として、吸着工程開始を判定する。吸着工程開始後、時間Tの減算を開始し、時間Tが所定時間T2より大きい場合、即ち、吸着工程終了までの時間が所定時間T2よりも大きい場合、原料ガス圧力検出手段32により検出した検出圧力Pが予め決められた第1の基準圧力PLとなるよう、インバータ回路4Aを用いて圧縮機3の設定圧力の制御を行い、吸着工程終了までの時間が所定時間T2以下となると第1の基準圧力PLよりも高い第2の基準圧力PHとなるよう実施例1と同様にインバータ回路4Aを用いて圧縮機の設定圧力の制御を行う。即ち、検出圧力が基準圧力よりも十分に低い場合は電動モータ4の回転数を上限とし、基準圧力に近づくにつれ、回転数を徐々に下げ、基準圧力を維持するように圧縮機3を制御する。製品ガスの使用量が少ない場合は、基準圧力以上になると電動モータ4を停止させることにより、圧縮機3を停止させる。具体的には、経過時間Tが所定の時間T2以上の場合、検出圧力Pが第1の基準圧力PL以上になると電動モータ4を停止させることにより圧縮機3を停止させ、所定の時間T2未満の場合、検出圧力Pが第2の基準圧力PH以上になると電動モータ4を停止させることにより圧縮機3を停止させる。その後、吸着槽1、2の切替え信号により、吸着工程開始を判定した後、T=TSとして、時間Tの減算を開始し、同様の制御を繰り返し行う。
【0060】
吸着工程開始時においては、吸着槽1、2が切り替わり、吸着工程を開始した吸着槽に急激に酸素ガスが吸着されるため、吸着工程開始時の空気槽5の圧力は製品ガスの濃度に対して特に大きな影響を与える。一方、吸着工程開始時以外の時間は製品ガスの濃度に対して吸着工程開始ほど大きな影響を与えない。従って、本実施例のように吸着工程終了前に圧縮機3の設定圧力を高くすることで、省エネを実現しつつ、製品ガスの圧力および濃度の低下を抑制することができる。
【0061】
なお、本実施例では、実施例1と同様に、吸着槽の切替え信号により、吸着工程の開始を判定しているが、第1の圧力検出器29により検出される空気槽5の圧力Pが第1の基準圧力PL以下となった時点を吸着工程の開始と判定して、圧縮機の設定圧力の制御を行ってもよい。
【0062】
本実施例では実施例1と同様に、吸着槽1、2の周囲温度、製品ガスの使用量に応じて、所定の時間T2を変化させてもよい。これにより、吸着槽1、2の周囲温度、製品ガスの使用量に応じて消費電力と製品ガスの圧力および濃度の双方を最適に保つことができる。
【0063】
例えば、実施例1と同様に、吸着槽1、2の周囲温度が高温基準温度Tbよりも高い高温範囲のときには、吸着工程開始時のT=TSを短くする一方で、圧縮機3の設定圧力を高くしてから次の吸着工程が始まるまでの時間T2を長くすることで、製品ガスの圧力および濃度の低下を防止することができる。また、吸着槽1、2の周囲温度が低温基準温度Taよりも低い低温範囲のときには、吸着工程開始時のT=TSを長くする一方で、圧縮機3の設定圧力を高くしてから次の吸着工程が始まるまでの時間T2を短くすることで、製品ガスの圧力および濃度を維持しつつさらに省エネを図ることができる。
【0064】
また、実施例1と同様に、窒素ガスの使用量が第1の基準使用量Qaよりも少ない少量範囲のときには、吸着工程全体の時間を長くしつつ、所定の時間T1が経過してから次の吸着工程開始までの時間を短くすることで、低圧で容量制御を行う時間を延長させ、製品ガスの圧力および濃度を維持しつつさらに省エネを図ることができる。また、窒素ガスの使用量が第2の基準使用量Qbよりも多い多量範囲のときには、吸着工程全体の時間を長くして、所定の時間T1が経過してから次の吸着工程開始までの時間を短くして、製品ガスの圧力および濃度の低下を防止することができる。
【0065】
本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、圧縮機3の設定圧力を切り替える時間を吸着工程終了までの時間が所定時間T2以下となった場合としているので、温度や製品ガスの使用量に対応して吸着工程の時間が変化した場合でも複雑な制御変更をせずに対応できる。
【実施例3】
【0066】
本発明の実施例3について説明する。なお、本実施例において、実施例1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0067】
図8、9を用いて、本実施例における吸着工程制御回路103の制御について説明する。
【0068】
吸着工程制御回路103は、吸着槽1、2の切替え信号により、吸着工程開始を判定する。吸着工程開始後、時間Tの積算を開始し、原料ガス圧力検出手段32により検出される圧力Pが第1の基準圧力PLとなるよう、インバータ回路4Aを用いて圧縮機の設定圧力の制御を行う。その際に、第2の基準圧力PHに到達させるまでに必要な時間TFを算出する。設定されている均圧工程における時間TEと第2の基準圧力PHに到達させるまでに必要な時間TFの和と、次の吸着槽1、2の切替え信号により吸着槽1、2が切り替わり、吸着工程が開始するまでの時間TRとの比較を行う。TE+TFがTR未満である場合は、検出される圧力Pが第1の基準圧力PLで一定となる運転を継続し、TE+TFがTR以上となった場合は、インバータ回路4Aを用いて圧縮機の設定圧力の制御を行い、吸着槽1、2の切り替わり直前には、空気槽5の圧力Pが第1の基準圧力PLよりも高い第2の基準圧力PHとなるよう実施例1と同様にインバータ回路4Aを用いて圧縮機の設定圧力の制御を行う。即ち、検出圧力が基準圧力よりも十分に低い場合は電動モータ4の回転数を上限とし、基準圧力に近づくにつれ、回転数を徐々に下げ、基準圧力を維持するように圧縮機3を制御する。製品ガスの使用量が少ない場合は、基準圧力以上になると電動モータ4を停止させることにより、圧縮機3を停止させる。具体的には、TE+TFがTR未満の場合、検出圧力Pが第1の基準圧力PL以上になると電動モータ4を停止させることにより圧縮機3を停止させ、TE+TFがTR以上の場合、検出圧力Pが第2の基準圧力PH以上になるとと電動モータ4を停止させることにより圧縮機3を停止させる。これにより、検出圧力がPが第2の基準圧力PH以上になり、電動モータ4が停止すると、吸着工程を終了させ、均圧工程を開始する。その後、吸着槽1、2の切替え信号により、吸着工程開始を判定した後、、T=0として、経過時間Tの積算を開始し、同様の制御を繰り返し行う。
【0069】
吸着工程開始時においては、吸着槽1、2が切り替わり、吸着工程を開始した吸着槽に急激に酸素ガスが吸着されるため、吸着工程開始時の空気槽5の圧力は製品ガスの濃度に対して特に大きな影響を与える。一方、吸着工程開始時以外の時間は製品ガスの濃度に対して吸着工程開始ほど大きな影響を与えない。従って、本実施例のように吸着工程終了前に圧縮機3の設定圧力を高くすることで、省エネを実現しつつ、製品ガスの圧力および濃度の低下を抑制することができる。
【0070】
なお、本実施例では、実施例1と同様に、吸着槽の切替え信号により、吸着工程の開始を判定しているが、第1の圧力検出器29により検出される空気槽5の圧力Pが第1の基準圧力PL以下となった時点を吸着工程の開始と判定して、圧縮機の設定圧力の制御を行ってもよい。
【0071】
本実施例によれば、実施例1、2と同様の効果を得ることができる。また、検出圧力がPが第2の基準圧力PH以上になるとすぐに吸着工程を終了させるため、設定圧力をPHに維持する時間が短くなり、実施例1、2と比較してさらに省エネを実現できる。
【0072】
ここで、実施例1−3において、一対の吸着槽1,2を有するPSA式窒素発生装置を用いて説明したが、本発明はこれに限ることはなく、単一および2つ以上の吸着槽を有していてもよい。
【0073】
また、実施例1−3では、気体分離装置として窒素ガスを発生させる窒素発生装置を例に挙げて説明したが、例えば酸素ガスを発生させる酸素発生装置に適用してもよいものである。
【0074】
これまで説明してきた実施例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1,2 吸着槽
3 圧縮機
4 電動モータ(駆動手段)
5 空気槽(空気タンク)
16 窒素槽(貯留タンク)
29 第1の圧力検出器(空気タンク圧力検出手段)
30 第2の圧力検出器(貯留タンク圧力検出手段)
31 温度検出器(周囲温度検出手段)
32 回転数検出器(回転数検出手段)
100 制御回路(制御手段)
103 吸着工程制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮する圧縮機と、
圧縮された空気を貯留する空気槽と、
前記空気槽の圧力を検出する圧力検出手段と、
内部に吸着剤が充填され前記空気槽から供給された圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、
前記空気槽の圧力検出手段で検出される圧力に応じて、前記圧縮機の運転を制御し、前記吸着槽に圧縮空気を供給して一の気体を吸着する吸着工程と、前記吸着槽から他の気体を製品ガスとして取出す取出工程とを行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記吸着工程において、前記空気槽の圧力が第1の設定圧力となるように前記圧縮機を制御した後、前記第1の設定圧力よりも高い第2の設定圧力となるように前記圧縮機を制御することを特徴とする気体分離装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記吸着工程開始後の経過時間が、所定の時間に達していない場合は前記第1の設定圧力となるように、前記所定の時間に達した場合は前記第2の設定圧力となるように、前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項1に記載の気体分離装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記吸着工程終了までの時間が、所定の時間より多い場合は前記第1の設定圧力となるように、前記所定の時間以下となった場合は前記第2の設定圧力となるように、前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項1に記載の気体分離装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記空気槽の圧力が前記第2の設定圧力を超えると、吸着工程を終了することを特徴とする請求項1に記載の気体分離装置。
【請求項5】
空気を圧縮する圧縮機と、
圧縮された空気を貯留する空気槽と、
前記空気槽の圧力を検出する圧力検出手段と、
内部に吸着剤が充填され前記空気槽から供給された圧縮空気のうち一の気体を分離して他の気体を製品ガスとして生成する吸着槽と、
前記空気槽の圧力検出手段で検出される圧力が所定の圧力以上になると前記圧縮機を停止または無負荷運転にさせ、前記吸着槽に圧縮空気を供給して一の気体を吸着する吸着工程と、前記吸着槽から他の気体を製品ガスとして取出す取出工程とを行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記吸着工程において、所定時間経過後において、前記圧縮機が停止または無負荷運転になる圧力が所定時間経過前よりも高くすることを特徴とする気体分離装置。
【請求項6】
前記制御部は、吸着槽の周辺温度が、所定の温度よりも低い場合に所定の温度よりも高い場合よりも吸着工程の時間を長くすることを特徴とする請求項5に記載の気体分離装置。
【請求項7】
前記制御部は、吸着槽の周辺温度が、所定の温度よりも低い場合に所定の温度よりも高い場合よりも前記所定時間が経過してから次の吸着工程までの時間を短くすることを特徴とする請求項6に記載の気体分離装置。
【請求項8】
前記制御部は、製品ガスの使用量が、所定の使用量よりも少ない場合に所定の使用量よりも多い場合よりも前記所定時間が経過してから次の吸着工程までの時間を短くすることを特徴とする請求項5に記載の気体分離装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−43117(P2013−43117A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182099(P2011−182099)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】